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  • 特開-二重容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005691
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/46 20060101AFI20250109BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65D1/46
B65D1/02 111
B65D1/02 221
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105967
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠明
(72)【発明者】
【氏名】尾山 響
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA21
3E033BB08
3E033CA05
3E033DA03
3E033DB01
3E033DE05
3E033EA05
3E033FA03
(57)【要約】
【課題】内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行しても、内容器内における内容物、および気体それぞれの流路を確保する。
【解決手段】収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器12、および内容器が内装された外容器11を備えるとともに、口部13、胴部16、および底部14が、容器軸O方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、内容物の減少に伴い、外容器と内容器との間に外気を導入する外気導入孔17を備え、外容器のうちの少なくとも胴部は、弾性変形可能に形成され、胴部には、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部21が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装された外容器を備えるとともに、口部、胴部、および底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、
前記内容物の減少に伴い、前記外容器と前記内容器との間に外気を導入する外気導入孔を備え、
前記外容器のうちの少なくとも胴部は、弾性変形可能に形成され、
前記胴部には、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部が形成されている、二重容器。
【請求項2】
前記胴部には、径方向の内側に向けてくぼみ、容器軸方向に延びる複数の縦溝部が、周方向の全長にわたって周方向に間隔をあけて形成されている、請求項1に記載の二重容器。
【請求項3】
前記横突条部および前記縦溝部は互いに交差している、請求項2に記載の二重容器。
【請求項4】
前記胴部には、この胴部における容器軸方向の中央部と、弾性変形可能に形成された前記外容器の胴部と、を含むスクイズ領域が設けられ、
前記横突条部は前記スクイズ領域に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および内容器が内装された外容器を備えるとともに、口部、胴部、および底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、内容物の減少に伴い、外容器と内容器との間に外気を導入する外気導入孔を備え、外容器のうちの少なくとも胴部が、弾性変形可能に形成された二重容器が知られている。
この種の二重容器においては、内容物の注出に際し、正立姿勢の二重容器を、口部が下方に位置し、底部が上方に位置する注出姿勢に変え、ヘッドスペースの気体を底部側へ、内容物を口部側へそれぞれ移動させた状態で、外容器の胴部を径方向の内側に向けて弾性変形させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-18892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行すると、内容器内における気体および内容物それぞれの流路が狭くなることから、内容物の残量が少なくなった状態で、二重容器を正立姿勢から注出姿勢に変えると、気体および内容物の前述した移動が遅くなり、内容物の注出までに長い時間を要するという問題が考えられる。
この種の二重容器には、胴部の外周面にラベルが設けられることがあり、この場合、内容器内における内容物の位置を視認することができず、内容物の注出に際し、内容物が口部に到達する前に、誤って外容器の胴部を径方向の内側に向けて弾性変形させることがあり得る。この際、気体のみ、または内容物および気体の混合物が口部から注出される。前者の場合、内容器内の残り僅かな内容物を注出し切るときに、底部側の気体により口部側の内容物を押し出すことができず、内容物の残量が増え、後者の場合、内容物が飛散するおそれが考えられる。
【0005】
本発明は、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行しても、内容器内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる二重容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る二重容器は、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装された外容器を備えるとともに、口部、胴部、および底部が、容器軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に配設され、前記内容物の減少に伴い、前記外容器と前記内容器との間に外気を導入する外気導入孔を備え、前記外容器のうちの少なくとも胴部は、弾性変形可能に形成され、前記胴部には、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部が形成されている。
【0007】
胴部に、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部が形成されているので、内容物の減少に伴い内容器が減容変形したときに、内容器の内面のうち、少なくとも横突条部をなす部分は、径方向に重なり合うことがなく、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行したときに、内容器の内面のうち、径方向で互いに対向する部分同士が、広範囲にわたって重なり合うのを抑制することができる。これにより、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行しても、内容器内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる。
横突条部が、径方向の内側に向けてくぼむ溝ではなく、径方向の外側に向けて突出しているので、径方向の内側に向けて弾性変形した外容器の胴部を復元変形させやすくすることができるとともに、周方向に延びる折れ癖を生じにくくすること等ができる。
【0008】
前記胴部には、径方向の内側に向けてくぼみ、容器軸方向に延びる複数の縦溝部が、周方向の全長にわたって周方向に間隔をあけて形成されてもよい。
【0009】
胴部に、径方向の内側に向けてくぼみ、容器軸方向に延びる複数の縦溝部が、周方向の全長にわたって周方向に間隔をあけて形成されているので、内容物の減少に伴い内容器が減容変形したときに、内容器の内面のうち、少なくとも周方向で互いに隣り合う縦溝部同士の間に位置する部分は、径方向で対向する部分と径方向に重なり合うことがなく、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行したときに、内容器の内面のうち、径方向で互いに対向する部分同士が、広範囲にわたって重なり合うのを確実に抑制することができる。
【0010】
前記横突条部および前記縦溝部は互いに交差してもよい。
【0011】
横突条部および縦溝部が互いに交差しているので、内容器の内面のうち、周方向で互いに隣り合う縦溝部同士の間に位置して、内容物の減少に伴い内容器が減容変形したときに、内容物、若しくは気体の流路となる部分が周方向に潰されるのを、横突条部によって防止することができる。
【0012】
前記胴部には、この胴部における容器軸方向の中央部と、弾性変形可能に形成された前記外容器の胴部と、を含むスクイズ領域が設けられ、前記横突条部は前記スクイズ領域に設けられてもよい。
【0013】
横突条部が、胴部のうち、内容物を注出する際に径方向の内側に向けて押圧するスクイズ領域に設けられているので、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行しても、内容器内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる作用効果が顕著に奏功される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、内容物の減少に伴って内容器の収縮変形が進行しても、内容器内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る一実施形態として示した二重容器を径方向の外側から見た一部縦断面を含む側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る二重容器を説明する。
本実施形態に係る二重容器1は、図1に示されるように、収容される内容物の減少に伴い減容変形する内容器12、および内容器12が内装された外容器11を備えている。外容器11の内面に、内容器12の外面が離間可能に設けられている。図示の例では、内容器12は、可撓性に富み、外容器11の内面に剥離可能に積層されている。
なお、外容器11の内面と内容器12の外面との間に隙間が設けられてもよい。
【0017】
二重容器1は、外容器11を形成するための外側プリフォーム内に、内容器12を形成するための内側プリフォームを嵌合した状態で、外側プリフォームおよび内側プリフォームを一体にブロー成形することで形成されている。つまり、二重容器1は、二軸延伸ブロー容器となっている。
【0018】
内容器12および外容器11の材質は合成樹脂材料とされ、互いに同材質でも構わないし異材質でも構わない。合成樹脂材料の一例としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ナイロン(ポリアミド)、およびEVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)等が挙げられる。
【0019】
二重容器1は、口部13、肩部15、胴部16および底部14を備えている。口部13、肩部15、胴部16および底部14は、共通軸と同軸にこの順に配設されている。
以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う二重容器1の口部13側を上側、二重容器1の底部14側を下側という。容器軸O方向から見て容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O方向から見て容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
二重容器1の口部13は、内容器12の口部と外容器11の口部とが積層されることで構成され、二重容器1の肩部15は、内容器12の肩部と外容器11の肩部とが積層されることで構成され、二重容器1の胴部16は、内容器12の胴部と外容器11の胴部とが積層されることで構成され、二重容器1の底部14は、内容器12の底部と外容器11の底部とが積層されることで構成されている。
以下の説明において、特に断りのない限り、内容器12および外容器11の双方が同様の形態となっているものとする。
【0021】
二重容器1の容器軸O方向の大きさは、例えば、115mm以上220mm以下となっている。二重容器1の内容量は、例えば、150ml以上600ml以下となっている。図示の例では、二重容器1の容器軸O方向の大きさは、約180mmとされ、二重容器1は、内容量が300ml用となっている。
二重容器1の口部13は、肩部15の上端部から上方に向けて延びる円筒状に形成されている。
内容器12の口部の上端部に、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びるフランジ部が形成されている。フランジ部は、外容器11の口部の上端開口縁に載置されている。
【0022】
外容器11の口部の外周面に、図示されないキャップが螺着される雄ねじ部18と、図示されないキャップの周壁部が外嵌される被シール突部19と、が上方から下方に向けてこの順に形成されている。被シール突部19は、外容器11の口部から径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びている。被シール突部19の外周面と、図示されないキャップの周壁部の内周面と、の間は、気密にシールされる。
なお、キャップは、外容器11の口部にアンダーカット嵌合されてもよい。
【0023】
外容器11の口部に、内容物の減少に伴い、内容器12との間に外気を導入する外気導入孔17が形成されている。外気導入孔17は、被シール突部19のうち、最も径方向の外側に位置して、周方向の全長にわたって連続して延びるシール面より上方に位置している。
なお、外気導入孔17の形成位置は、外容器11の口部に限定されるものではなく、例えば、外容器11のうち、口部以外の胴部、肩部、若しくは底部であってもよく、また、外容器11の口部の上端開口縁と、内容器12の口部の前記フランジ部の下面と、の間等であってもよい。
【0024】
肩部15は、口部13の下端部から下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びている。肩部15に、縦区画溝15aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。肩部15は、容器軸O方向に沿う縦断面視で、径方向の外側に向けて突の曲線状を呈する。
底部14は有底筒状に形成されている。底部14の周壁部は、上方から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。底部14と胴部16との接続部分には、周方向の全長にわたって連続して延びる周溝16fが形成されている。
【0025】
胴部16のうちの上端部16aおよび下部16bは、容器軸O方向に真直ぐ延びている。これらの上端部16aおよび下部16bそれぞれの外周面は、二重容器1において、最も外径の大きい最大外径部分となっている。この最大外径部分の外径は、例えば、58mm以上74mm以下となっている。図示の例では、二重容器1の最大外径部分の外径は、約66mmとなっている。
【0026】
胴部16のうち、上端部16aの容器軸O方向の大きさは、下部16bの容器軸O方向の大きさより小さくなっている。
胴部16のうち、上端部16aと下部16bとの間に位置する中間部分(スクイズ領域)16cは、上端部16aおよび下部16bより径方向の内側に位置している。胴部16のうち、中間部分16cの容器軸O方向の大きさは、下部16bの容器軸O方向の大きさより大きくなっている。中間部分16cと、上端部16aおよび下部16bと、の各接続部分は、段部16gとなっている。各段部16gは、容器軸O方向に沿って中間部分16c側に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。なお、段部16gは、例えば径方向に真直ぐ延びてもよい。
【0027】
胴部16の中間部分16cは、胴部16における容器軸O方向の中央部を含んでいる。胴部16の中間部分16cは、容器軸O方向に沿って真直ぐ延びている。外容器11のうちの少なくとも中間部分(胴部)は、弾性変形可能に形成されている。
なお、胴部16の中間部分16cは、容器軸O方向に沿って両端部から内側に向かうに従い径方向の内側に向けて延びるくびれ形状に形成されてもよい。
【0028】
胴部16の中間部分16cに、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部21が形成されている。
【0029】
横突条部21は、周方向に沿って真直ぐ延びている。横突条部21は、胴部16のうちの上端部16aおよび下部16bより径方向の内側に位置している。なお、横突条部21の外周面は、胴部16のうちの上端部16aおよび下部16bそれぞれの外周面と同じ径方向の位置に位置してもよい。横突条部21は、容器軸O方向に沿う縦断面視で、径方向の外側に向かうに従い容器軸O方向の大きさが小さくなる台形状を呈する。なお、横突条部21は、前記縦断面視で径方向の外側に向けて突の曲線状を呈してもよい。
【0030】
横突条部21は、容器軸O方向に間隔をあけて2本設けられている。2本の横突条部21の容器軸O方向の間隔は、少なくとも人差し指および中指を容器軸O方向に並べて配置できる大きさとなっている。この間隔は、上側に位置する横突条部21と、胴部16の上端部16aと、の容器軸O方向の距離、並びに、下側に位置する横突条部21と、胴部16の下部16bと、の容器軸O方向の距離より大きくなっている。
内容物を注出する際、胴部16の中間部分16cのうち、2本の横突条部21同士の間に位置する部分を径方向の内側に向けて押圧する。
【0031】
胴部16の中間部分16cの外周面に、径方向の内側に向けてくぼみ、容器軸O方向に延びる第1縦溝部(縦溝部)16dおよび第2縦溝部(縦溝部)16eが、周方向の全長にわたって周方向に間隔をあけて複数ずつ形成されている。第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eは、容器軸O方向に沿って真直ぐ延びている。第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eは、周方向に間隔をあけて交互に設けられている。第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eは、胴部16の中間部分16cにおける容器軸O方向の全長にわたって設けられている。第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eは、容器軸O方向の全長にわたって連続して延びている。第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eそれぞれの深さは互いに同等とされ、第1縦溝部16dの溝幅は、第2縦溝部16eの溝幅より広くなっている。
【0032】
横突条部21と、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eと、は互いに交差している。図示の例では、横突条部21と、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eと、は互いに直交している。横突条部21は、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eを、容器軸O方向に分断するように、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eそれぞれの溝底面から径方向の外側に向けて突出している。横突条部21は、胴部16の外周面における第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eの各開口部から径方向の外側に突出し、かつ胴部16の外周面のうち、周方向で互いに隣り合う第1縦溝部16dと第2縦溝部16eとの間に位置する部分からも径方向の外側に向けて突出している。
【0033】
以上説明したように、本実施形態による二重容器1によれば、胴部16に、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる横突条部21が形成されているので、内容物の減少に伴い内容器12が減容変形したときに、内容器12の内面のうち、少なくとも横突条部21をなす部分は、径方向に重なり合うことがなく、内容物の減少に伴って内容器12の収縮変形が進行したときに、内容器12の内面のうち、径方向で互いに対向する部分同士が、広範囲にわたって重なり合うのを抑制することができる。これにより、内容物の減少に伴って内容器12の収縮変形が進行しても、内容器12内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる。
【0034】
横突条部21が、径方向の内側に向けてくぼむ溝ではなく、径方向の外側に向けて突出しているので、径方向の内側に向けて弾性変形した外容器11の胴部を復元変形させやすくすることができるとともに、周方向に延びる折れ癖を生じにくくすること等ができる。
【0035】
胴部16に、径方向の内側に向けてくぼみ、容器軸O方向に延びる複数の第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eが、周方向の全長にわたって周方向に間隔をあけて形成されているので、内容物の減少に伴い内容器12が減容変形したときに、内容器12の内面のうち、少なくとも周方向で互いに隣り合う第1縦溝部16dと第2縦溝部16eとの間に位置する部分は、径方向で対向する部分と径方向に重なり合うことがなく、内容物の減少に伴って内容器12の収縮変形が進行したときに、内容器12の内面のうち、径方向で互いに対向する部分同士が、広範囲にわたって重なり合うのを確実に抑制することができる。
【0036】
横突条部21と、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eと、が互いに交差しているので、内容器12の内面のうち、周方向で互いに隣り合う第1縦溝部16dと第2縦溝部16eとの間に位置して、内容物の減少に伴い内容器12が減容変形したときに、内容物、若しくは気体の流路となる部分が周方向に潰されるのを、横突条部21によって防止することができる。
【0037】
横突条部21が、胴部16のうち、内容物を注出する際に径方向の内側に向けて押圧する中間部分16cに設けられているので、内容物の減少に伴って内容器12の収縮変形が進行しても、内容器12内における内容物、および気体それぞれの流路を確保することができる作用効果が顕著に奏功される。
【0038】
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0039】
横突条部21は、周方向に対して傾斜していてもよい。
横突条部21を1本、若しくは3本以上設けてもよい。
胴部16の中間部分16cに、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eのうちの少なくとも一方は設けなくてもよい。
第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eは、容器軸O方向に対して傾斜していてもよい。
横突条部21と、第1縦溝部16dおよび第2縦溝部16eと、は互いに離れて設けられてもよい。
【0040】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 二重容器
11 外容器
12 内容器
13 口部
14 底部
16 胴部
16c 中間部分(スクイズ領域)
16d 第1縦溝部(縦溝部)
16e 第2縦溝部(縦溝部)
17 外気導入孔
21 横突条部
O 容器軸
図1