(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005698
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】判定サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105980
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】521388298
【氏名又は名称】ニッセイプラス少額短期保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100163902
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 奈月
(72)【発明者】
【氏名】田中 圭
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】停電の発生時の保険金支払いの一つの要件を充足しているかを判定する。
【解決手段】判定サーバは、顧客端末から、契約者の識別情報と、停電発生の時刻と、請求金額とを含む請求を受信し、情報提供サーバに、契約者データで特定される契約者の所在地で、時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していたか否かの判定をリクエストするリクエスト信号を送信し、情報提供サーバから、リクエスト信号に応じて、所在地で、時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していた旨の判定結果を受信すると、契約者に保険金支払いの要件の一つを充足したと判定し、情報提供サーバから、リクエスト信号に応じて、所在地で、時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していない旨の判定結果を受信すると、契約者への保険金支払いは不可であると判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時間以上の停電の発生時に保険金の支払いをする保険契約の契約者からの請求に応じて、保険金の支払の可否を判定する判定サーバであって、
演算回路と、通信回路とを備え、記憶装置にアクセス可能であり、
前記通信回路を介して、前記契約者の利用する顧客端末と、前記契約者に電力を供給する電力会社の利用する情報提供サーバとに接続され、
前記記憶装置は、前記契約者の識別情報及び所在地の情報と契約内容とを含む契約者データを記憶し、
前記演算回路は、
前記顧客端末から、前記通信回路を介して、契約者の識別情報と、停電発生の時刻と、請求金額とを含む請求を受信し、
前記通信回路を介して、前記情報提供サーバに、前記契約者データで特定される前記契約者の所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していたか否かの判定をリクエストするリクエスト信号を送信し、
前記通信回路を介して、前記情報提供サーバから、前記リクエスト信号に応じて、前記所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していた旨の判定結果を受信すると、前記契約者への保険金支払い要件の一つを充足したと判定し、
前記通信回路を介して、前記情報提供サーバから、前記リクエスト信号に応じて、前記所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していない旨の判定結果を受信すると、前記契約者に保険金支払いが不可であると判定する、
判定サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、停電の発生時に保険金の支払を対象とする保険契約の契約者からの請求に応じて、保険金の支払の可否を判定サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
保険契約における保険金の支払いの可否に利用されるシステムが知られている(例えば、特許文献1)。保険商品には、対象を異とする様々な種類の保険契約があるが、停電により発生した損害を補償する保険商品は限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、停電が所定時間以上継続したことに起因して生じた損額を補償する保険商品は知られていない。また、保険契約における保険金の支払可否の判断にあたって、停電が所定時間以上継続した事実を判定するシステムも知られていない。
【0005】
本開示は、所定時間以上の停電の発生時に、契約者からの請求に応じて、停電が所定時間以上継続した事実を判定する判定サーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の判定サーバは、所定時間以上の停電の発生時に保険金の支払いをする保険契約の契約者からの請求に応じて、保険金の支払の可否を判定する判定サーバであって、演算回路と、通信回路とを備え、記憶装置にアクセス可能であって、前記通信回路を介して、前記契約者の利用する顧客端末と、前記保険契約者に電力を供給する電力会社の利用する情報提供サーバとに接続され、前記記憶装置は、前記契約者の識別情報及び所在地の情報と契約内容とを含む契約者データを記憶し、前記演算回路は、前記顧客端末から、前記通信回路を介して、契約者の識別情報と、停電発生の時刻と、請求金額とを含む請求を受信し、前記通信回路を介して、前記情報提供サーバに、前記契約者データで特定される前記契約者の所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していたか否かの判定をリクエストするリクエスト信号を送信し、前記通信回路を介して、前記情報提供サーバから、前記リクエスト信号に応じて、前記所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していた旨の判定結果を受信すると、前記契約者に保険金を支払うための一つの要件が充足されたと判定し、前記通信回路を介して、前記情報提供サーバから、前記リクエスト信号に応じて、前記所在地で、前記時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していない旨の判定結果を受信すると、前記契約者に対して保険金を支払うことは不可であると判定する。
【0007】
このような概括的かつ特定の態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の判定サーバは、所定時間以上の停電の発生時に保険金の支払いをする保険契約の契約者からの要求に応じて、保険金支払の一つの要件となる停電が所定時間以上継続した事実を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る判定サーバを含む保険契約システムを示す概略図である。
【
図2】速報値又は確報値と、停電情報とを用いて停電の有無を判定する順序の一例を示す。
【
図3】実施形態に係る判定サーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る判定サーバにおける処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示にかかる実施の形態を説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題は限定されることはない。
【0011】
図1に、本開示の保険契約システム1の概略図を示す。
図1に示すように、保険契約システム1は、保険契約に関わる判定サーバ10と、情報提供サーバ20と、顧客端末30と、計測装置40と、ネットワーク50とを含む。判定サーバ10は、保険会社に利用される。保険会社は、所定時間以上の停電の発生時に、保険契約の契約者に保険金を支払う保険商品を提供する。保険金は、保険契約者が請求する停電の発生に起因して生じた各種費用(冷蔵庫および冷凍庫内の食料品の代替品購入費、ポータブル電源器の購入費、故障した家電製品の修理費、避難時交通費、簡易トイレの購入費、非常用照明器具の購入費)に基づいて決定される。具体的には、判定サーバ10は、顧客端末30からの請求に応じて保険金の支払の可否を判定する。判定サーバ10は、保険金の支払いの可否を判定するため、情報提供サーバ20から契約者の所在地での所定時間以上の停電の発生の判定結果を取得する。また、判定サーバ10は、保険金の支払いの可否の判定結果を顧客端末30に送信する。判定サーバ10の詳細は、
図3を用いて後述する。
【0012】
〈情報提供サーバ20〉
情報提供サーバ20は、電力会社に利用される。電力会社は、電力の供給元であって、電力供給先である契約者に電力を供給する。情報提供サーバ20は、判定サーバ10からのリクエストに応じて、契約者の所在地で所定時間以上の停電の発生の有無を判定する。また、情報提供サーバ20は、判定サーバ10に判定結果を送信する。情報提供サーバ20は、電力供給先である契約者の所在地に設置される計測装置40で計測された電力使用量の測定結果を保管する。情報提供サーバ20は、計測装置40から測定結果として、いわゆる「速報値」及び「確報値」を受信する。また、情報提供サーバ20は、電力を供給する送配電会社のサーバ(図示せず)から、「停電情報」を受信する。情報提供サーバ20は、「速報値」又は「確報値」と、「停電情報」とを用いて、所定時間以上の停電の発生の有無を判定する。
【0013】
「速報値」は、計測装置40から第1の所定時間毎(例えば、60分毎)に送信される。速報値は、第1の所定時間(例えば、60分間)に、契約者が使用した電力量を含む。また、「確報値」は、計測装置40から第1の所定時間よりも長い第2の所定時間毎(例えば、1カ月毎)に送信される。例えば、1カ月毎に取得する確報値は、月次データとして利用される。確報値は、第2の所定時間(例えば、1ヶ月間)に、契約者が使用した電力を含む。電力会社は、短期間毎に送信される速報値を利用して、電力の使用量をリアルタイムで確認することができる。しかしながら、情報提供サーバ20は、速報値の受信で、エラーが生じることがある。したがって、情報提供サーバ20は、速報値のみで停電の発生の有無を判定できないとき、確報値を利用して、第2の所定時間毎の契約者の電力の使用量を把握する。速報値及び確報値は、契約者の電力の使用量を把握することができるものの、実際に停電が生じていたか否かを判定するには十分ではない。したがって、計測装置40は、速報値又は確報値に加えて、停電情報を利用して停電の発生の有無を判定する。
【0014】
「停電情報」は、送配電会社が管理する停電状況の発生情報である。停電情報は、停電が発生した地域と、停電が発生した時間とを関連付ける。停電情報では、停電が発生した詳細な所在地(例えば、住所等)は含まないが、停電が発生した場所を示す広範囲な地域(例えば、市や区等)を含む。したがって、停電が発生した地域に、契約者の所在地を含むか否かを判定し、停電の発生の有無を判定する。
【0015】
上述したように、停電情報は、停電した場所を含む広域な地域を示す。したがって、停電情報で示される「停電が発生した地域」であっても、その地域に含まれる詳細な所在地では、実際には停電が発生していない場合もあり得る。一例として、仮に千代田区にある「霞が関」で停電が発生していたとしても、同じ千代田区にある「大手町」で停電が発生していないとする。この場合、停電情報では「千代田区」と、停電が発生した時間とを関連付ける。したがって、停電情報のみで、停電の発生を判定するのは好ましくない。そのため、情報提供サーバ20は、停電の発生の有無の判定に停電情報に加え、速報値又は確報値を利用する。
【0016】
図2は、情報提供サーバ20における判定の順序の一例を示す。具体的には、情報提供サーバ20が速報値及び確報値を取得可能な場合の判定の順序の一例を示す。情報提供サーバ20は、以下のように、速報値又は確報値と停電情報に基づいて判定された結果を判定サーバ10に提供する。
【0017】
(1)速報値及び停電情報の両方で「停電有」と示される場合、情報提供サーバ20は、「停電有」と判定する。
【0018】
(2)速報値及び停電情報の両方で「停電無」と示される場合、停電情報サーバ20は、「停電無」と判定する。
【0019】
(3)速報値が「停電有」で停電情報で「停電無」と示される場合、情報提供サーバ20は、「不明」と判定し、後に、(8)または(9)で速報値の代わりに確報値を用いて判定される。停電情報で停電無である場合、契約者の所在地が含まれる地域で停電が発生していないためである。このような場合、契約者の所在地のみでブレーカーが落ちていた等の電力が使用できない事情が発生していたと考えられる。
【0020】
(4)速報値が「停電無」で停電情報が「停電有」である場合、停電情報サーバ20は、「不明」と判定し、後に、(7)または(10)で速報値の代わりに確報値を用いて判定される。このような例は、近隣の場所(例えば、千代田区霞が関)で停電が発生していたが、契約者の所在地(例えば、千代田区大手町)では停電が発生していない場合に生じ得る。
【0021】
(5)速報値が「「不明」で停電情報が「停電有」である場合、情報提供サーバ20は、停電の有無は「不明」であると判定する。これにより、後に、(7)または(10)で速報値の代わりに確報値を用いて判定される。
【0022】
(6)速報値が「不明」で停電情報が「停電無」である場合、情報提供サーバ20は、停電の有無は「不明」であると判定する。これにより、後に、(8)または(9)で速報値の代わりに確報値を用いて判定される。
【0023】
(7)確報値及び停電情報の両方で「停電有」と示される場合、情報提供サーバ20は、「停電有」と判定する。
【0024】
(8)確報値は「停電無」で、停電情報が「停電無」である場合、情報提供サーバ20は、「停電無」と判定する。
【0025】
(9)確報値は「停電有」で、停電情報が「停電無」である場合、情報提供サーバ20は、停電の有無を確定できず、「個別顧客確認対象」と判定する。「個別顧客確認対象」と判定された場合、保険会社は、停電の有無を判定するため、契約者に個別に詳細事項を確認することが必要となる。
【0026】
(10)確報値は「停電無」で、停電情報が「停電有」である場合、情報提供サーバ20は、「個別顧客確認対象」と判定する。
【0027】
〈顧客端末30〉
顧客端末30は、顧客に利用される。顧客は、保険会社と保険契約を締結する保険の契約者である。同時に、顧客は、電力会社から電力の供給を受ける電力会社との契約者である。例えば、顧客端末30は、顧客に利用されるパーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報処理端末である。保険会社と電力会社とは、当該契約者の情報を共有しているため、判定サーバ10は、例えば、リクエストに契約者の識別情報を含めることで、当該契約者の所在地での停電の発生の有無の判定結果を受信することできる。
【0028】
〈計測装置40〉
計測装置40は、契約者の所在地に設置される。計測装置40は、契約者の使用する電力量を計測し、所定のタイミングで情報提供サーバ20に送信する。たとえば、計測装置40は、スマートメータであり得る。
【0029】
〈判定サーバ10〉
判定サーバ10は、例えば、
図3に示すように、演算回路11、入力装置12、出力装置13、通信回路14及び記憶装置15を備える情報処理装置である。
【0030】
演算回路11は、判定サーバ10全体の制御を司るコントローラである。例えば、演算回路11は、記憶装置15に記憶されている判定プログラムPを読み出して実行する。これにより、判定サーバ10は、顧客端末30からの請求に対して、保険金の支払の可否に関する種々の処理を実現する。演算回路11は、CPU、MPU、GPU、FPGA、DSP、ASIC等、種々のプロセッサ又は専用に設計されたハードウェア回路であってもよい。
【0031】
入力装置12は、操作やデータの入力に利用される操作ボタン、キーボード、タッチパネル、マイクロフォン等でありうる。出力装置13は、処理結果やデータの出力に利用されるディスプレイ、スピーカ、ランプ等でありうる。
【0032】
通信回路14は、判定サーバ10と情報提供サーバ20又は顧客端末30等の外部の装置とのデータ通信を行う。データ通信は、有線および/または無線で行われ、例えば公知の通信規格にしたがう。例えば、有線によるデータ通信は、イーサネット(登録商標)規格、および/またはUSB(登録商標)規格等に準拠して動作する半導体集積回路の通信コントローラを通信回路14として用いることによって行われてもよい。また無線によるデータ通信は、無線LAN(Local Area Network)に関するIEEE802.11規格、および/または移動体通信に関する、いわゆる4G/5G/6Gと呼ばれる、第4/第5/第6世代移動通信システム等に準拠して動作する半導体集積回路の通信コントローラを通信回路14として用いることによって行われてもよい。
【0033】
記憶装置15は種々の情報を記録する記録媒体である。記憶装置15は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶装置15は、判定サーバ10における判定等の処理で得られる契約者データD1等の種々のデータが格納される。また、記憶装置15は、判定プログラムPが格納される。
【0034】
契約者データD1は、保険契約の契約者の情報を含むデータである。契約者データD1は、例えば、契約者の識別情報と、契約者の所在地と、保険契約の内容とを関連付ける。
【0035】
演算回路11で実行される各処理を説明する。
【0036】
演算回路11は、顧客端末30から、通信回路14を介して、契約者の識別情報と、停電発生の時刻と、請求金額と、請求金額の挙証情報とを含む請求を受信する。請求金額の挙証情報は、請求金額の証拠となる情報である。例えば、請求金額の挙証情報は、停電の発生に起因して生じた各種費用の支払いに関連するレシートや領収書であり得る。
【0037】
演算回路11は、顧客端末30からの請求に対して、通信回路14を介して、情報提供サーバ20に、リクエスト信号を送信する。リクエスト信号は、契約者データD1で特定される契約者の所在地で、契約者からの請求に含まれた時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していたか否かの判定を要求する。所定時間とは、契約者との契約で規定される時間(例えば、5時間)である。
【0038】
演算回路11は、通信回路14を介して、情報提供サーバ20から、リクエスト信号に応じて、停電の有無の判定結果を受信すると、契約者への保険金の支払可否の一つの要件を判定する。具体的には、演算回路11は、顧客の所在地で、顧客端末30から受信した請求で指定された時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していた旨の判定結果を受信すると、契約者への保険金支払いの一つの要件を充足したと判定する。一方、演算回路11は、顧客の所在地で、顧客端末30から受信した請求で指定された時刻を含む時間帯に所定時間以上の停電が発生していない旨の判定結果を受信すると、契約者への保険金支払いは不可であると判定する。
【0039】
演算回路11は、全ての保険金支払要件が充足された場合に、その旨を顧客端末30に通知する。一方、支払が可能でないとき、演算回路11は、支払が不可である旨の通知を顧客端末30に送信する。支払が可能でない場合であって、追加の判定がされるとき、演算回路11は、送信する通知に、追加の判定を実行する旨を含める。追加の判定に契約者からの情報の提供が必要であるとき、演算回路11は、送信する通知に、必要な情報の要求を含める。
【0040】
図4に示すフローチャートを用いて、演算回路11における支払の可否の判定の処理を説明する。
【0041】
演算回路11は、通信回路14が、顧客端末30から送信された請求を受信すると、一連の処理を開始する(S01)。請求は、契約者の識別情報と、停電の発生の時刻と、請求金額およびその挙証資料とを含む。
【0042】
演算回路11は、通信回路14を介して、情報提供サーバ20に、停電の発生の有無の判定を要求するリクエスト信号を送信する(S03)。リクエスト信号は、ステップS01で受信した請求が含む契約者の識別情報と、停電の発生の時刻とを含む。リクエスト信号は、リクエスト信号が含む時刻を含む所定時間内に、契約者の所在地で、停電が発生したかの判定を要求する信号である。このリクエスト信号は、速報値を用いた判定を要求する。
【0043】
演算回路11は、通信回路14を介して、情報提供サーバ20から、判定結果を受信する(S03)。判定結果は、速報値及び停電情報を利用して判定された停電の有無を示す結果である。
【0044】
ステップS03で受信した判定結果が、停電有の判定結果であるとき(S04でYES)、演算回路11は、通信回路14を介して、顧客端末30に、保険金の支払が可能である結果を送信する(S11)。
【0045】
一方、ステップS03で受信した判定結果が、停電無又は不明の判定結果であるとき(S04でNO)、演算回路11は、追加の確認が必要であるか否か判定する(S05)。
【0046】
また、追加の確認が必要であるとき(S05でYES)、追加の確認が必要である結果を送信する(S06)。例えば、追加の確認に契約者からの情報の提供が必要であれば、契約者からも情報を取得する。
【0047】
演算回路11は、通信回路14を介して、情報提供サーバ20に、停電の発生の有無の判定を要求する第2のリクエスト信号を送信する(S07)。第2のリクエスト信号は、ステップS01で受信した請求が含む契約者の識別情報と、停電の発生の時刻とを含む。第2のリクエスト信号は、第2のリクエスト信号が含む時刻を含む所定時間内に、契約者の所在地で、停電が発生したかの判定を要求する信号である。この第2のリクエスト信号は、確報値を用いた判定を要求する。
【0048】
演算回路11は、通信回路14を介して、情報提供サーバ20から、判定結果を受信する(S08)。判定結果は、確報値及び停電情報を利用して判定された停電の有無を示す結果である。
【0049】
ステップS08で受信した判定結果が、停電有の判定結果であるとき(S08でYES)、演算回路11は、通信回路14を介して、顧客端末30に、保険金の支払要件の一つが充足したとの結果を送信する(S11)。
【0050】
一方、ステップS08で受信した判定結果が、停電無の判定結果であるとき(S04でNO)、演算回路11は、通信回路14を介して、顧客端末30に、保険金の支払が不可であるとの結果を送信する(S10)。
【0051】
上述したように、判定サーバ10は、情報提供サーバ20での停電の有無の判定結果を利用して、保険金支払いの一つの要件の充足可否を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示の判定サーバは、停電の発生時の保険金の支払いの可否の判定に有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 保険契約システム
10 判定サーバ
11 演算回路
12 入力装置
13 出力装置
14 通信回路
15 記憶装置
P 判定プログラム
20 情報提供サーバ
30 顧客端末
40 計測装置