(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005716
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250109BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250109BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20250109BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 622J
H01L21/78 M
B65C9/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106016
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】森脇 憲
【テーマコード(参考)】
3E095
5F057
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
3E095BA10
3E095CA01
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA52
3E095DA55
3E095EA06
3E095EA12
3E095EA24
3E095EA40
3E095FA13
5F057AA04
5F057AA21
5F057BA11
5F057BB11
5F057CA11
5F057EC15
5F057FA28
5F063DG16
5F063DG23
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA31
5F131BA37
5F131BA39
5F131BA51
5F131CA09
(57)【要約】
【課題】被着体に対して正確な位置に接着シートを貼付することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供する。
【解決手段】シート貼付装置EAは、中央部が基準位置とされた弾性変形可能なシート保持部材12で接着シートASを保持するシート保持手段10と、シート保持部材12に接着シートASを保持する保持力を付与する保持力付与手段20と、中央部が被着体WKに最も接近した凸状となるようにシート保持部材12を変形させ、当該シート保持部材12で保持している接着シートを被着体に押圧して貼付する押圧手段30とを備え、シート保持部材12は、中央部を含む中央保持領域12Bと、中央保持領域12Bの外側に位置する外側保持領域12Cとを備え、保持力付与手段20は、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部が基準位置とされた弾性変形可能なシート保持部材で接着シートを保持するシート保持手段と、
前記シート保持部材に前記接着シートを保持する保持力を付与する保持力付与手段と、
前記中央部が被着体に最も接近した凸状となるように前記シート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している前記接着シートを前記被着体に押圧して貼付する押圧手段とを備え、
前記シート保持部材は、前記中央部を含む中央保持領域と、前記中央保持領域の外側に位置する外側保持領域とを備え、
前記保持力付与手段は、前記中央保持領域に付与する保持力が前記外側保持領域に付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与することを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記外側保持領域は、複数の保持領域によって形成され、
前記保持力付与手段は、前記外側保持領域における前記複数の保持領域に対し、前記中央保持領域に近い領域ほど前記保持力が大きくなるように当該保持力を付与することを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
中央部が基準位置とされた弾性変形可能なシート保持部材で接着シートを保持するシート保持工程と、
前記シート保持部材に前記接着シートを保持する保持力を付与する保持力付与工程と、
前記中央部が被着体に最も接近した凸状となるように前記シート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している前記接着シートを前記被着体に押圧して貼付する押圧工程とを実施し、
前記シート保持部材は、前記中央部を含む中央保持領域と、前記中央保持領域の外側に位置する外側保持領域とを備え、
前記保持力付与工程では、前記中央保持領域に付与する保持力が前記外側保持領域に付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性変形可能なシート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している接着シートを被着体に押圧して貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート貼付装置1では、保持部材21(シート保持部材)を変形させると、接着シートAS(接着シート)を保持する保持力が強いシート保持部材領域の変位によって接着シートが引きずられ、当該接着シートがシート保持部材上で基準位置から位置ずれを起こすので、ウエハWF(被着体)に対して正確な位置に接着シートを貼付することができなくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、被着体に対して正確な位置に接着シートを貼付することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、中央部が基準位置とされたシート保持部材に、中央保持領域に付与する保持力が外側保持領域に付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与するため、シート保持部材を変形させても、中央保持領域で保持している接着シート部分が基準位置から位置ずれを起こさないので、被着体に対して正確な位置に接着シートを貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)、(B)は、本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート貼付装置EAは、中央部が基準位置とされた弾性変形可能なシート保持部材12で接着シートASを保持するシート保持工程を実施するシート保持手段10と、シート保持部材12に接着シートASを保持する保持力を付与する保持力付与工程を実施する保持力付与手段20と、中央部が被着体WKに最も接近した凸状となるようにシート保持部材12を変形させ、当該シート保持部材12で保持している接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する押圧工程を実施する押圧手段30とを備え、被着体WKを支持する被着体支持工程を実施する被着体支持手段40と、接着シートASと被着体WKとの接着を減圧下で行う減圧工程を実施する減圧手段50との近傍に配置されている。
【0011】
シート保持手段10は、下部が開口した箱状とされた上ケース11と、上ケース11に支持され、下面が保持面12Aとされたシート保持部材12とを備えている。
シート保持部材12は、中央部を含む中央保持領域12Bと、中央保持領域12Bの外側に位置する外側保持領域12Cとを備えている。シート保持部材12は、ゴムや樹脂等の弾性部材で形成され、外周部が上ケース11に支持されて、当該上ケース11とで第1密閉空間SP1(
図1(B)参照)を形成するようになっている。
本実施形態の場合、外側保持領域12Cは、複数の保持領域としての第1外側保持領域12Dおよび第2外側保持領域12Eによって形成されている。
【0012】
保持力付与手段20は、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与する構成とされている。また、本実施形態では、保持力付与手段20は、外側保持領域12Cにおける複数の保持領域12D、12Eに対し、中央保持領域12Bに近い領域ほど保持力が大きくなるように保持力を付与するようになっている。すなわち、保持力付与手段20は、シート保持部材12の中央保持領域12Bに保持力を付与する静電チャック21と、シート保持部材12の第1外側保持領域12Dに保持力を付与する静電チャック22と、シート保持部材12の第2外側保持領域12Eに保持力を付与する静電チャック23とを備え、静電チャック21~23が各々独立してシート保持部材12に保持力を付与可能な構成とされている。
静電チャック21~23は、シート保持部材12の対応する領域12B、12D、12Eの内部に設けられている。
【0013】
押圧手段30は、配管32を介して第1密閉空間SP1内の圧力を加圧または減圧可能な加減圧ポンプ、真空エジェクタ、タービン等の第1圧力制御手段31を備えている。
第1圧力制御手段31は、圧力センサやロードセル等の図示しない第1圧力検知手段の検知結果を基にして、第1密閉空間SP1内の圧力を所定の圧力にすることができるようになっている。
【0014】
被着体支持手段40は、支持面41Aで被着体WKを支持する支持テーブル41を備えている。
【0015】
減圧手段50は、出力軸51Aで上ケース11を支持する駆動機器としての直動モータ51と、上部が開口した箱形状とされ、上ケース11とで支持テーブル41を内包する第2密閉空間SP2を形成可能な下ケース52と、配管54を介して第2密閉空間SP2内の圧力を加圧または減圧可能な加減圧ポンプ、真空エジェクタ、タービン等の第2圧力制御手段53とを備えている。
第2圧力制御手段53は、圧力センサやロードセル等の図示しない第2圧力検知手段の検知結果を基にして、第2密閉空間SP2内の圧力を所定の圧力にすることができるようになっている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、被着体WKを支持面41A上の所定の位置に載置する。その後、使用者または図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、接着シートASを保持面12Aに当接させると、保持力付与手段20が静電チャック21~23を駆動し、保持面12Aでの静電保持を開始する。この際、保持力付与手段20は、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように、かつ外側保持領域12Cにおける複数の保持領域12D、12Eのうち中央保持領域12Bに近い領域ほど保持力が大きくなるように、シート保持部材12に保持力を付与する。
【0017】
次に、減圧手段50が直動モータ51を駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、上ケース11を下降させて下ケース52とで第2密閉空間SP2を形成した後、押圧手段30および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段31、53を駆動し、図示しない第1、第2圧力検知手段の検知結果を基に、第1、第2密閉空間SP1、SP2が同じ圧力となるようにしながら、密閉空間SP1、SP2を減圧する。そして、第1密閉空間SP1と第2密閉空間SP2とが所定の圧力になるまで減圧されると、押圧手段30および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段31、53の駆動を停止した後、押圧手段30が第1圧力制御手段31を駆動し、第2密閉空間SP2の圧力に対する第1密閉空間SP1の圧力を、例えば第1密閉空間SP1の圧力が大気圧以上となるまで高める。これにより、シート保持部材12が変形し、
図1(B)に示すように、中央部が被着体WKに最も近接した下方に凸な状態となって、接着シートASを内側部AS1から外周部AS2に向けて被着体WKに押圧して貼付していく。ここで、シート保持部材12には、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように保持力が付与されているため、中央保持領域12Bで保持している接着シート部分が基準位置から位置ずれを起こさない。また、外側保持領域12Cに対し、中央保持領域12Bに近い領域ほど保持力が大きくなるように保持力が付与されているため、第1外側保持領域12Dから第2外側保持領域12Eに向かうに従って、外側保持領域12Cによる保持力が小さくなって接着シートASが引っ張られなくなり、
図1(B)中AAを付した図中二点鎖線で示すように、接着シートASが伸びて外周部AS2が位置ずれすることが抑制される。
【0018】
次いで、
図1(B)中二点鎖線で示すように、接着シートAS全体が被着体WKに貼付されると、保持力付与手段20が静電チャック21~23の駆動を停止し、保持面12Aでの静電保持を解除する。その後、減圧手段50が第2圧力制御手段53を駆動し、図示しない第2圧力検知手段の検知結果を基にして、第1密閉空間SP1との圧力差がなくなるまで第2密閉空間SP2の圧力を高める。次に、押圧手段30および減圧手段50が第1、第2圧力制御手段31、53を駆動し、図示しない第1、第2圧力検知手段の検知結果を基に、第1、第2密閉空間SP1、SP2の圧力差を維持しながら、第1、第2密閉空間SP1、SP2の圧力を大気圧にまで高める。そして、減圧手段50が直動モータ51を駆動し、上ケース11を初期位置に復帰させると、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASが貼付された被着体WKを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、中央部が基準位置とされたシート保持部材12に、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与するため、シート保持部材12を変形させても、中央保持領域12Bで保持している接着シート部分が基準位置から位置ずれを起こさないので、被着体WKに対して正確な位置に接着シートASを貼付することができる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
また、本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、押圧手段は、中央部が被着体に最も接近した凸状となるようにシート保持部材を変形させ、当該シート保持部材で保持している接着シートを被着体に押圧して貼付することが可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0021】
シート保持手段10は、上ケース11に支持された環状の基台を備え、シート保持部材12の外周部が当該基台を介して上ケース11に支持されていてもよいし、シート保持部材12の形状が三角形以上の多角形、円形、楕円形等、どのような形状であってもよいし、上ケース11の下部が開口していなくてもよいし、シート保持部材12で接着シートASを吸引吸着して保持してもよい。
シート保持手段10は、上ケース11がなく、シート保持部材12のみで構成されていてもよく、この場合、例えば、シート保持部材12を中空構造等にしてシート保持部材12のみで第1密閉空間SP1を形成する構成が採用されればよい。
【0022】
保持力付与手段20は、シート保持部材12で保持した接着シートASの内側部AS1が被着体WKに貼付されたときに、シート保持部材12の外側保持領域12Cに対する保持力の付与を停止する構成とされてもよいし、接着シートASを保持したシート保持部材12が変形するまでは、シート保持部材12の中央保持領域12B、第1外側保持領域12Dおよび第2外側保持領域12Eに同じ大きさの保持力を付与してもよいし、シート保持部材12の第1外側保持領域12Dと第2外側保持領域12Eとに同じ大きさの保持力を付与してもよいし、シート保持部材12の外側保持領域12Cが複数の保持領域に分けられなくてもよい。
保持力付与手段20は、シート保持部材12で接着シートASを吸引吸着して保持する場合、シート保持部材12の中央保持領域12Bでの吸引量を外側保持領域12Cでの吸引量よりも大きくすることで、中央保持領域12Bに付与する保持力が外側保持領域12Cに付与する保持力よりも大きくなるように保持力を付与してもよいし、シート保持部材12の第1外側保持領域12Dでの吸引量を第2外側保持領域12Eでの吸引量よりも大きくすることで、第1外側保持領域12Dに付与する保持力を第2外側保持領域12Eに付与する保持力よりも大きくしてもよい。
【0023】
押圧手段30は、第1密閉空間SP1の圧力に対する第2密閉空間SP2の圧力を低め、接着シートASを被着体WKに押圧して貼付してもよいし、被着体WKに対する接着シートASの貼付を加圧雰囲気で行ったり、大気圧雰囲気で行ったりしてもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸で支持テーブル41を支持し、被着体WKに接着シートASを貼付する際に、支持テーブル41を上昇させてもよいし、駆動機器としての直動モータの出力軸でシート保持部材12を支持し、被着体WKに接着シートASを貼付する際に、シート保持部材12を下降させてもよい。
【0024】
被着体支持手段40は、被着体WKを吸着保持したり、静電保持したりする被着体保持器機が支持テーブル41に備わっていてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、他の装置で被着体WKを支持したり、台座で被着体WKを支持したりすればよい。
【0025】
減圧手段50は、下ケース52の上部が開口していなくてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明のシート貼付装置EAに備わっていない場合、接着シートASと被着体WKとの接着を大気圧下で行ったり、他の装置を用いて減圧状態や加圧状態を形成し、当該減圧下や加圧下で接着シートASと被着体WKとの接着を行ったりしてもよい。
【0026】
本発明における接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0027】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0028】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
EA…シート貼付装置
10…シート保持手段
12…シート保持部材
12B…中央保持領域
12C…外側保持領域
20…保持力付与手段
30…押圧手段
AS…接着シート
WK…被着体