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特開2025-5736鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005736
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法
(51)【国際特許分類】
   E21C 50/00 20060101AFI20250109BHJP
   B01F 23/50 20220101ALI20250109BHJP
   B01F 25/10 20220101ALI20250109BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
E21C50/00
B01F23/50
B01F25/10
B01F35/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106047
(22)【出願日】2023-06-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)経済産業省資源エネルギー庁、令和4年度海洋鉱物資源開発に向けた資源量評価・生産技術等調査事業に係る海底熱水鉱床開発計画の総合評価支援業務(採鉱・揚鉱技術分野)、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504117958
【氏名又は名称】独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】浅井 英明
(72)【発明者】
【氏名】益田 将寛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 惇史
(72)【発明者】
【氏名】下川 眞男
【テーマコード(参考)】
2D065
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
2D065FA21
2D065FA23
4G035AB44
4G035AC44
4G035AE13
4G037AA04
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】水底において、循環ラインへの鉱石の投入を良好に行う。
【解決手段】鉱石投入設備は、水上に配置された鉱石回収部と水底との間で水を循環させる循環ラインに、鉱石を投入する鉱石投入設備であって、水底で採掘された鉱石を供給可能な鉱石供給部と、鉱石供給部から供給される鉱石を内部に貯留可能なタンク、タンクの内部から鉱石を送出可能な送出部、タンクから送出された鉱石を循環ライン内の水に合流させる合流部、及びタンクの内部の水の一部をタンクの外部に排出可能な排水ライン、を有する投入装置と、循環ラインにおける合流部よりも上流側の水をタンクの内部に導入可能な水供給ラインと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上に配置された鉱石回収部と水底との間で水を循環させる循環ラインに、鉱石を投入する鉱石投入設備であって、
水底で採掘された鉱石を供給可能な鉱石供給部と、
前記鉱石供給部から供給される鉱石を内部に貯留可能なタンク、前記タンクの内部から鉱石を送出可能な送出部、前記タンクから送出された鉱石を前記循環ライン内の水に合流させる合流部、及び前記タンクの内部の水の一部を前記タンクの外部に排出可能な排水ライン、を有する投入装置と、
前記循環ラインにおける前記合流部よりも上流側の水を前記タンクの内部に導入可能な水供給ラインと、
を備える鉱石投入設備。
【請求項2】
前記水供給ラインを開閉する供給開閉弁と、
前記タンクから送出された鉱石を前記合流部に投入する鉱石投入ラインと、
前記鉱石投入ラインを開閉する鉱石投入弁と、
を備える請求項1に記載の鉱石投入設備。
【請求項3】
前記タンク、前記送出部、及び前記排水ラインを有したタンク部が複数組設けられ、
前記鉱石供給部は、
採掘された鉱石 の供給先を、複数組の前記タンク部の間で切り替える供給先切替部と、を備え、
前記供給先切替部は、
採掘された鉱石が投入される複数の投入空間を有した本体と、
採掘された鉱石を、複数の前記投入空間のうちの一つに選択的に投入する投入機構と、
前記投入空間の各々に連通する複数の排出口と、
前記複数の排出口と前記複数組の前記タンク部の各々を接続する複数の接続ラインと、
を備える請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項4】
前記循環ラインから前記合流部を迂回するように設けられたバイパスラインと、
前記バイパスラインを開閉するバイパス弁と、
を備える請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項5】
前記循環ラインは、
前記合流部よりも下流側に上下方向に延びる上下延伸部を備え、
前記上下延伸部の下端部に接続されて、前記上下延伸部内の水および鉱石を下方に排出可能な鉱石排出部を更に備える、
請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項6】
前記合流部は、
容器部と、
前記送出部から送出される鉱石を前記容器部内に投入する鉱石投入口と、
前記循環ラインを流れる水を前記容器部内に導入する水導入口と、を備え、
前記水導入口は、前記容器部の内部で、鉛直軸回りの旋回流が生じるよう、前記容器部に接続されている
請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項7】
前記合流部は、
容器部と、
前記送出部から送出される鉱石を前記容器部内に投入する鉱石投入口と、
前記循環ラインを流れる水を前記容器部内に導入する水導入口と、を備え、
前記容器部は、前記容器部の下部に、内面が上方から下方に向かって漸次縮径する縮径部を有する、
請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項8】
回転自在な羽根車を備え、前記タンクの内部から前記送出部に払い出す前記鉱石の量を調整する払出装置をさらに備える
請求項1又は2に記載の鉱石投入設備。
【請求項9】
水上に配置された鉱石回収部と、
請求項1または2に記載の鉱石投入設備と、
前記鉱石回収部と前記鉱石投入設備の前記合流部との間で水を循環させる循環ラインと、を備える
鉱石回収システム。
【請求項10】
請求項1または2に記載の鉱石投入設備における鉱石投入方法であって、
水底で採掘された鉱石をタンクの内部に貯留する工程と、
前記循環ラインにおける前記合流部よりも上流側の水を前記タンクの内部に導入しつつ、前記タンクの内部から前記合流部に鉱石を送出し、前記鉱石を前記循環ライン内の水に合流させる工程と、を含む
鉱石投入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、海等の水底から採取した鉱物資源を回収するための揚鉱システムが開示されている。この揚鉱システムは、水底に配置された鉱石投入装置と、水上に配置された鉱石回収部との間で、ポンプにより、往路配管及び復路配管を含む循環流路を通して水を循環させる。往路配管は、ポンプにより鉱石投入装置まで水を送り込む。鉱石投入装置は、水底で採取された鉱石を密閉容器内に貯留しておく。鉱石投入装置は、貯留された鉱石を復路配管に投入する。復路配管は、鉱石投入装置から投入された鉱石と水とを混合し、鉱石回収部まで送る。鉱石回収部は、復路配管を通して送られてきた水に含まれる鉱石を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6557762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成では、鉱石投入装置は、水底(海底)近くにに配置されているため、往路配管を通してポンプから水底に送り込まれた水の圧力は、水底(海底)の水圧よりも高圧となる。そして、水の圧力が、鉱石投入装置の密閉容器内の圧力よりも高くなり、鉱石投入装置から復路配管への鉱石の投入が良好に行えない可能性がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、水底において、循環ラインへの鉱石の投入を良好に行うことができる鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る鉱石投入設備は、水上に配置された鉱石回収部と水底との間で水を循環させる循環ラインに、鉱石を投入する。前記鉱石投入設備は、鉱石供給部と、投入装置と、水供給ラインと、を備える。前記鉱石供給部は、水底で採掘された鉱石を供給可能である。前記投入装置は、タンク、送出部、合流部、及び排水ライン、を有する。前記タンクは、前記鉱石供給部から供給される鉱石を内部に貯留可能である。前記送出部は、前記タンクの内部から鉱石を送出可能である。前記合流部は、前記タンクから送出された鉱石を前記循環ライン内の水に合流させる。前記排水ラインは、前記タンクの内部の水の一部を前記タンクの外部に排出可能である。前記水供給ラインは、前記循環ラインにおける前記合流部よりも上流側の水を前記タンクの内部に導入可能である。
【0007】
本開示に係る鉱石回収システムは、鉱石回収部と、上記したような鉱石投入設備と、循環ラインと、を備える。前記鉱石回収部は、水上に配置されている。前記循環ラインは、前記鉱石回収部と前記鉱石投入設備の前記合流部との間で水を循環させる。
【0008】
本開示に係る鉱石投入方法は、上記したような鉱石投入設備における鉱石投入方法である。前記鉱石投入方法は、貯留する工程と、合流させる工程と、を含む。前記貯留する工程では、水底で採掘された鉱石をタンクの内部に貯留する。合流させる工程では、前記循環ラインにおける前記合流部よりも上流側の水を前記タンクの内部に導入しつつ、前記タンクの内部から前記合流部に鉱石を送出し、前記鉱石を前記循環ライン内の水に合流させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法によれば、水底において、循環ラインへの鉱石の投入を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る鉱石回収システムの概略構成を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る鉱石投入設備の構成を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る鉱石投入設備に設けられた複数組のタンク部のうちの一組を示す図である。
図4】本開示の実施形態における合流部の構成を示す縦断面図である。
図5】本開示の実施形態における合流部の構成を示す図であり、図4のI-I矢視断面図である。
図6】本開示の実施形態に係る鉱石投入方法の手順を示すフローチャートである。
図7】本開示の実施形態に係るタンクの内部に鉱石を貯留する工程における、タンク部の状態を示す図である。
図8】本開示の実施形態に係る待機する工程における、タンク部の状態を示す図である。
図9】本開示の実施形態に係るタンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程におけるタンク部の状態を示す図である。
図10】本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、鉱石投入設備から循環ラインに鉱石を供給している状態を示す図である。
図11】本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、図10に続く状態を示す図である。
図12】本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、図11に続く状態を示す図である。
図13】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す縦断面図である。
図14】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す図であり、図3のII-II矢視断面図である。
図15】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す縦断面図である。
図16】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す図であり、図3のIII-III矢視断面図である。
図17】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す縦断面図である。
図18】本開示の実施形態の第一変形例における合流部の構成を示す図であり、図3のIV-IV矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態に係る鉱石投入設備、鉱石回収システム、鉱石投入方法について、図1図18を参照して説明する。
(鉱石回収システムの全体構成)
図1に示すように、この実施形態の鉱石回収システム1は、鉱石回収部2と、循環ライン3と、鉱石投入設備4と、水供給ライン7と、バイパスライン8と、鉱石排出部9と、を備えている。鉱石回収システム1は、循環ライン3により、水上に配置された鉱石回収部2と、水底Bに配置された鉱石投入設備4との間で、水が循環される。鉱石回収システム1では、鉱石投入設備4が、水底Bで採掘された鉱石を循環ライン3に投入する。循環ライン3は、鉱石投入設備4で投入された鉱石を、循環ライン3を循環する水とともに、水上に揚げる(以下、これを揚鉱する、と称する)。鉱石回収部2は、循環ライン3を通して水とともに送られた鉱石を回収する。鉱石回収システム1で回収する鉱石としては、例えば、熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガンクラスト、メタンハイドレート等が挙げられる。
【0012】
(鉱石回収部の構成)
鉱石回収部2は、海等の水上Wsに配置されている、本実施形態の鉱石回収部2は、母船20と、ポンプ21と、脱水装置22と、鉱石タンク24と、制御室25と、を備えている。
【0013】
母船20は、水上Wsに浮いている浮体である。母船20としては、航行可能な船舶を例示できる。ポンプ21、脱水装置22、鉱石タンク24、及び制御室25は、それぞれ母船20に設けられている。母船20における、ポンプ21、脱水装置22、鉱石タンク24、及び制御室25の位置は、何ら限定するものではない。ポンプ21、脱水装置22、及び制御室25は、例えば、母船20の上甲板下の船体内に設けられていてもよいし、上甲板上に設けられていてもよい。
【0014】
ポンプ21は、母船20上の鉱石回収部2と、水底Bに配置された鉱石投入設備4の投入装置5との間で、循環ライン3の水を循環させる。循環ライン3内を循環させる水は、母船20の浮かぶ周囲の水を用いることができる。
【0015】
脱水装置22は、循環ライン3を通して、鉱石回収部2から送られてきた鉱石を含む水から、鉱石を分離する。脱水装置22を経た水は、循環ライン3において、脱水装置22の下流側に設けられたポンプ21により、水底Bの鉱石投入設備4へと送られる。脱水装置22を経た鉱石は、鉱石タンク24に貯留される。
【0016】
制御室25は、ポンプ21、及び鉱石投入設備4の動作を遠隔操作により制御する。制御室25は、ポンプ21、及び鉱石投入設備4の各部の状態を、センサ(図示せず)等によって検知している。オペレータは、制御室25に設けられたコントロールパネル(図示せず)に表示される、各部の状態に基づいて、コントロールパネルに設けられたスイッチ等に対して所定の操作を行うことで、ポンプ21、及び鉱石投入設備4の各部の動作を制御する。
【0017】
循環ライン3は、水上から水底Bに水を送る往路配管31と、水底Bから水上に水を送る復路配管32と、を有している。本実施形態において、往路配管31は、水上の脱水装置22からポンプ21を経て、水底Bの鉱石投入設備4に至る。復路配管32は、水底Bの鉱石投入設備4から水上の脱水装置22に至る。
【0018】
(鉱石投入設備の構成)
図2は、本開示の実施形態に係る鉱石投入設備の構成を示す図である。
鉱石投入設備4は、水底B近くに設置される。図2に示すように、鉱石投入設備4は、投入装置5と、鉱石供給部6と、水供給ライン7と、を備えている。
投入装置5は、複数組のタンク部41と、合流部50と、を備えている。本実施形態において、タンク部41は、例えば三組のタンク部41A~41Cを備えている。タンク部41は、1組、又は2組であってもよいが、後に詳述するように、連続的な揚鉱を行うには、三組以上を設けることが好ましい。
【0019】
図3は、本開示の実施形態に係る鉱石投入設備に設けられた複数組のタンク部のうちの一組を示す図である。本実施形態では、三組のタンク部41A~41Cを備えているが、タンク部41A~41Cの構成は共通であるため、以下の説明では、一組のタンク部41についてのみ説明を行う。
図3に示すように、各タンク部41は、タンク42と、払出装置45と、送出部46と、排水ライン44と、を備えている。
【0020】
タンク42は、鉱石供給部6から供給される鉱石を内部に貯留可能とされている。具体的には、タンク42は、後述する鉱石供給部6の接続ライン68を介して供給される鉱石を内部に貯留可能とされている。タンク42は、例えば、上下方向に延びる円筒状をなしている。タンク42の底部42bは、上方から下方に向かって内径が漸次縮小する円錐台形状に形成されている。タンク42の底部42bには、払出装置45が接続されている。
【0021】
払出装置45は、水平軸回りに回転駆動される羽根車45sを有している。払出装置45は、羽根車45sの回転数に応じてタンク42の底部から自重により降りてくる鉱石を、下方に払い出す。払出装置45は、羽根車45sの回転数を制御することで、払い出す鉱石の量を調整可能である。
【0022】
送出部46は、タンク42の内部から鉱石を送出可能である。送出部46は、鉱石投入ライン46aと、鉱石投入弁46vと、を備えている。鉱石投入ライン46aは、払出装置45と合流部50と、を接続している配管である。鉱石投入ライン46aは、タンク42から送出された鉱石を合流部50に投入する。鉱石投入弁46vは、鉱石投入ライン46aの途中に設けられている。鉱石投入弁46vは、鉱石投入ライン46a内を開閉する。
【0023】
このような送出部46では、鉱石投入弁46vの開閉状態が、制御室25に設けられた制御パネル等で監視されている。鉱石投入弁46vは、制御室25に設けられた制御パネル等で行われる、作業者の所定の操作や、制御装置(図示せず)による自動制御によって、開閉動作する。送出部46では、後述する水供給ライン7により循環ライン3と均圧化された状態で、鉱石投入弁46vが開かれると、タンク42の内部に貯留された鉱石が、タンク42内に貯留された水とともに、払出装置45、鉱石投入ライン46aを経て、合流部50へと落ちていく。
【0024】
排水ライン44は、タンク42の頂部に設けられている。排水ライン44は、タンク42の内部の水の一部をタンク42の外部に排出可能である。排水ライン44は、排水管44aと、排水弁44vと、を備えている。排水管44aの一端は、タンク42に接続されている。排水管44aは、例えば、タンク42の頂部から上方に向かって延びている。排水管44aの延長方向は、上方以外であってもよい。排水管44aの他端は、水中に向けて開放されている。
【0025】
このような排水ライン44では、排水弁44vの開閉状態が、制御室25に設けられた制御パネル等で監視されている。排水弁44vは、制御室25に設けられた制御パネル等で行われる、作業者の所定の操作や、制御装置(図示せず)による自動制御によって、開閉動作する。
排水ライン44の排水弁44vは、後述する鉱石供給部6から鉱石が供給される際に開かれる。これにより、鉱石供給部6から鉱石とともに水がタンク42内に流入した際に、タンク42内から溢れ出る水を、排水管44aを通して水中に排出することができる。
【0026】
合流部50は、タンク42から送出された鉱石を循環ライン3内の水に合流させる。図2に示すように、合流部50には、往路配管31の下流端31bと、復路配管32の上流端32aとが接続されている。
【0027】
図4は、本開示の実施形態における合流部の構成を示す図である。図5は、本開示の実施形態における合流部の構成を示す図であり、図4のI-I矢視断面図である。
図4図5に示すように、本実施形態における合流部50は、容器部51と、鉱石投入口53と、水導入口54と、吐出口55と、を備えている。
【0028】
容器部51は、筒状部51aと、縮径部51bと、を一体に備えている。筒状部51aは、上下方向に延びる円筒状に形成されている。筒状部51aは、上下方向にわたって一定の内径を有している。縮径部51bは、容器部51の下部、すなわち筒状部51aの下側に形成されている。縮径部51bの内面は、上方から下方に向かって漸次縮径するよう形成されている。
【0029】
鉱石投入口53は、容器部51の頂部に設けられている。鉱石投入口53は、複数組のタンク部41の送出部46から送出される鉱石を、容器部51内に投入する。図2に示すように、本実施形態において三組設けられたタンク部41の各々の送出部46の鉱石投入ライン46aが、鉱石投入口53に接続されている。
【0030】
水導入口54は、循環ライン3を流れる水を容器部51内に導入する。水導入口54には、往路配管31の下流端31bが接続されている。本実施形態における水導入口54は、容器部51の内部で、鉛直軸Cv回りの旋回流が生じるよう、容器部51に接続されている。本実施形態において、水導入口54は、筒状部51aの上端部において、筒状部51aの中心に位置する鉛直軸Cvに対して、筒状部51aの径方向の外側に配置されている。水導入口54は、筒状部51aの外周面に接続されている。水導入口54は、筒状部51aの外周面の接線方向に延びている。
【0031】
吐出口55は、縮径部51bの下端部に接続されている。吐出口55は、縮径部51bの下端部から下方に延び、復路配管32の上流端32aに接続されている。
【0032】
このような合流部50では、タンク42から送出部46を経て送出された鉱石は、鉱石投入口53から容器部51内に送り込まれる。一方、容器部51内には、水導入口54から、循環ライン3の往路配管31を流れてきた水が導入される。これにより、容器部51で、鉱石が水に混合され、いわゆるスラリーが生成される。水導入口54が、容器部51の内部で、鉛直軸Cv回りの旋回流が生じるように設けられているので、鉱石が水に含まれたスラリーが、良く撹拌される。撹拌されたスラリーは、容器部51の底部に接続された吐出口55から、復路配管32に送り出される。このようにして、合流部50から、循環ライン3に鉱石が投入される。
【0033】
鉱石供給部6は、水底で採掘された鉱石を投入装置5に投入可能とされている。鉱石供給部6は、集鉱機61と、鉱石供給ライン62と、供給先切替部63と、を有している。
【0034】
集鉱機61は、水底Bで採掘された鉱石を回収する。集鉱機61は、水底Bで自走可能に構成されている。集鉱機61は、例えば、水底Bで採掘された鉱石を吸い込むことで回収する。また、集鉱機61は、水底Bで採掘された鉱石が、鉱石を掬い上げるバケットを備えた作業機械により、投入されるようにしてもよい。集鉱機61は、回収した鉱石を、集鉱機61の周囲から吸い込んだ水とともに、鉱石供給ライン62に送り出す。鉱石供給ライン62は、集鉱機61から送り出された鉱石を含む水を、供給先切替部63に送り込む。
【0035】
供給先切替部63は、本体64と、投入機構65と、複数の排出口66と、複数の接続ライン68と、鉱石供給弁68vと、を備えている。
本体64は、鉱石供給ライン62を通して、集鉱機61により回収された鉱石が投入される。本体64は、中空容器状をなし、その内部に、集鉱機61により回収された鉱石が投入される複数の投入空間64sを有している。複数の投入空間64sは、本体64の下部に形成されている。複数の投入空間64sは、本体64内が区画壁によって区画されることで形成されている。複数の投入空間64sの各々は、本体64内で上方に向かって開口している。
【0036】
投入機構65は、本体64内の上部に設けられている。投入機構65は、可動管65mを有している。可動管65mの一端は、鉱石供給ライン62に接続されている。可動管65mの下端は、複数の投入空間64sの上方で、下方を向いて開口している。可動管65mは、本体64内で、図示しない駆動機構により駆動され、可動管65mの下端の開口を、複数の投入空間64sのうちの何れか一つの上方に位置するよう、移動可能となっている。
【0037】
複数の排出口66は、本体64の底部に設けられている。複数の排出口66は、本体64内の複数の投入空間64sの各々に連通するように設けられている。本実施形態において、排出口66は、三つ設けられている。集鉱機61により回収された鉱石を、複数の投入空間64sのうちの一つに選択的に投入する。
【0038】
複数の接続ライン68は、複数の排出口66と複数組のタンク部41の各々を接続する。複数の接続ライン68の各々は、鉱石供給弁68vを備えている。鉱石供給弁68vは、各接続ライン68の途中に設けられている。鉱石供給弁68vは、各接続ライン68を開閉する。鉱石供給弁68vの開閉状態は、制御室25に設けられた制御パネル等で監視されている。鉱石供給弁68vは、制御室25に設けられた制御パネル等で行われる、作業者の所定の操作や、制御装置(図示せず)による自動制御によって、開閉動作する。
【0039】
このような供給先切替部63では、投入機構65の可動管65mを移動させ、可動管65mの下端の開口を、複数の投入空間64sのうちの何れか一つの上方に位置させることで、複数の投入空間64sのうちの一つに対し、鉱石を供給する。さらに、鉱石が投入された投入空間64sに連通する排出口66に接続された接続ライン68の鉱石供給弁68vを開くことで、投入空間64sに供給された鉱石が、接続ライン68を通して、この接続ライン68が接続されたタンク42内に供給される。
【0040】
(水供給ラインの構成)
水供給ライン7は、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を、複数組のタンク部41のタンク42の内部に、導入可能とされている。水供給ライン7は、主管71と、複数の分岐管72と、を有している。主管71の一端71aは、循環ライン3における合流部50よりも上流側に接続されている。複数の分岐管72は、主管71から分岐している。複数の分岐管72の各々は、複数組のタンク部41のタンク42の各々に接続されている。各分岐管72の途中には、供給開閉弁72vが設けられている。各供給開閉弁72vは、分岐管72を開閉することで、各タンク42への、水供給ライン7を通した水の供給を断続する。
【0041】
各供給開閉弁72vの開閉状態は、制御室25に設けられた制御パネル等で監視されている。各供給開閉弁72vは、制御室25に設けられた制御パネル等で行われる、作業者の所定の操作や、制御装置(図示せず)による自動制御によって、開閉動作する。
このような水供給ライン7の供給開閉弁72vが開かれることで、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が、タンク42内に導入される。
【0042】
(バイパスラインの構成)
バイパスライン8は、循環ライン3から合流部50を迂回するように設けられている。バイパスライン8は、バイパス管81と、バイパス弁81vと、を備えている。バイパス管81の一端81aは、往路配管31に対し、合流部50よりも上流側で接続されている。バイパス管81の他端81bは、復路配管32に対し、合流部50よりも下流側で接続されている。バイパス弁81vは、バイパス管81の途中に設けられている。バイパス弁81vは、バイパス管81を開閉することで、バイパスライン8における水の流通を断続する。
【0043】
バイパス弁81vの開閉状態は、制御室25に設けられた制御パネル等で監視されている。バイパス弁81vは、制御室25に設けられた制御パネル等で行われる、作業者の所定の操作や、制御装置(図示せず)による自動制御によって、開閉動作する。このようなバイパスライン8のバイパス弁81vを開くことで、循環ライン3を流れる水が合流部50を迂回して流れる。
【0044】
(鉱石投入方法の手順)
次に、本実施形態に係る鉱石投入方法10の手順について説明する。
図6は、本実施形態に係る鉱石投入方法の手順を示すフローチャートである。図7は、本開示の実施形態に係るタンクの内部に鉱石を貯留する工程における、タンク部の状態を示す図である。
【0045】
図6に示すように、本開示の実施形態に係る鉱石投入方法10は、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11と、待機する工程S12と、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13と、を含んでいる。ここで、以下の説明においては、ポンプ21、鉱石供給弁68v、排水弁44v、供給開閉弁72v、鉱石投入弁46v、バイパス弁81v、及び鉱石排出弁91v、可動管65mの動作は、制御室25に設けられた制御パネルに対し、オペレータが所定の操作を行うことによってなされる場合を一例にして説明する。また、本実施形態では、複数組のタンク部41のうち、一つのタンク部41(例えば、タンク部41A)における、鉱石投入方法10の手順を最初に説明する。
【0046】
まず、水底Bで採掘された鉱石を、鉱石投入設備4から循環ライン3に投入し、水上Wsの母船20に揚鉱するには、予め、ポンプ21を作動させ、循環ライン3に水を所定の流量で循環させておく。また、バイパス弁81v、及び鉱石排出弁91vは、合流部50等に異常が生じない限り、常に閉じておく。
【0047】
タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11では、水底Bで採掘された鉱石をタンク42の内部に貯留する。これには、図7に示すように、鉱石供給弁68vと、排水弁44vと、を開き、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じる。また、投入機構65の可動管65mの下端の開口を、このタンク42に接続された接続ライン68に連通する投入空間64sの上方に移動させる。
【0048】
これにより、水底Bで採掘されて集鉱機61で回収された鉱石は、集鉱機61の周囲から吸い込んだ水とともに、鉱石供給ライン62に送り出される。そして、鉱石供給ライン62に送り出された水および鉱石は、投入機構65を経て、タンク42に接続された接続ライン68に分配され、タンク42内へと供給される。このとき、鉱石とともにタンク42内に供給される水が、タンク42の内部の容量を超えると、余剰の水が、排水ライン44を通して、タンク42の外部の水中に排出される。タンク42内に、予め設定した所定量以上の鉱石が貯留されるまで、この工程S11は継続される。
【0049】
図8は、本開示の実施形態に係る待機する工程におけるタンク部の状態を示す図である。
待機する工程S12では、所定量以上の鉱石がタンク42に貯留された場合、鉱石供給弁68vと、排水弁44vと、を閉じる。これにより、図8に示すように、鉱石供給弁68v、排水弁44v、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vが閉じた状態となる。これにより、当該タンク42への鉱石の供給が停止される。
【0050】
当該タンク42において、待機する工程S12を実行している間、他のタンク42においては、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13が実行される。つまり、他のタンク42において、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13が完了するまで、当該タンク42は、鉱石を貯留した状態で待機する。他のタンク42において、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13が完了した場合、当該タンク部41は、工程S13に進む。
【0051】
図9は、本開示の実施形態に係るタンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程におけるタンク部の状態を示す図である。
タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13では、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを開く。他の鉱石供給弁68v、及び排水弁44vは閉じたままとする。これにより、水供給ライン7を通して、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が、タンク42内に導入される。このように、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を導入することで、タンク42内の圧力が、鉱石投入ライン46a、及び合流部50を通して連通する、循環ライン3内の圧力と均圧化され、ほぼ同等となる。言い換えれば、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等の圧力まで上昇する。
【0052】
さらに、水供給ライン7から導入される水の流れ、及び鉱石の自重によって、タンク42内に貯留された鉱石は、鉱石投入ライン46aを通して、合流部50の鉱石投入口53から容器部51内に送り込まれる。
【0053】
合流部50においては、循環ライン3を流れる水が、往路配管31から水導入口54を通して容器部51内に導入されている。これにより、容器部51で、鉱石が水に混合され、いわゆるスラリーが生成される。水導入口54が、容器部51の内部で、鉛直軸Cv回りの旋回流が生じるように設けられているので、鉱石が水に含まれたスラリーが、良く撹拌される。撹拌されたスラリーは、容器部51の底部に接続された吐出口55から、復路配管32に送り出される。このようにして、合流部50から、循環ライン3に鉱石が投入される。
この工程S13は、タンク42内の鉱石の全てが、循環ラインに投入されるまで継続する。全ての鉱石の投入完了後は、工程S11に戻り、以降、上記一連の工程S11~S13を繰り返す。
【0054】
図10は、本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、鉱石投入設備から循環ラインに鉱石を供給している状態を示す図である。図11は、本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、図10に続く状態を示す図である。図12は、本開示の実施形態に係る複数のタンク部を備える鉱石回収システムにおいて、図11に続く状態を示す図である。
【0055】
複数組(三組)のタンク部41を備える本実施形態の鉱石回収システム1においては、タンク部41A~41C間で、上記の工程S11~S13を、タイミングをずらして実行することで、鉱石投入設備4から循環ライン3に対して、連続的に鉱石が供給される。
これには、予め、少なくとも2つのタンク部41(図10の例では、タンク部41Bとタンク部41C)において、タンク42内に鉱石が所定量以上貯留された状態とする。例えば、図10の例では、タンク部41Bにおいて、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11が完了し、タンク42内に鉱石が所定量以上貯留された状態としておく。また、タンク部41Cでは、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11と、待機する工程S12と、が完了した状態としておく。
【0056】
そして、図10に示すように、タンク部41Aにおいて、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11を実行する。これには、鉱石供給弁68vと、排水弁44vと、を開き、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じることで、また、投入機構65の可動管65mの下端の開口を、タンク部41Aのタンク42に接続された接続ライン68に連通する投入空間64sの上方に移動させる。
このとき、タンク部41Bでは、鉱石供給弁68v、排水弁44v、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じ、待機する工程S12を実行する。また、タンク部41Cでは、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを開いて払出装置45を動作させ、鉱石供給弁68v、及び排水弁44vを閉じることで、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13を実行する。
【0057】
次いで、図11に示すように、タンク部41Aでは、鉱石供給弁68v、排水弁44v、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じ、待機する工程S12を実行する。また、タンク部41Bでは、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを開いて払出装置45を動作させ、鉱石供給弁68v、及び排水弁44vを閉じることで、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13を実行する。タンク部41Cでは、鉱石供給弁68vと、排水弁44vと、を開き、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じることで、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11を実行する。
【0058】
続いて、図12に示すように、タンク部41Aでは、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを開いて払出装置45を動作させ、鉱石供給弁68v、及び排水弁44vを閉じることで、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13を実行する。タンク部41Bでは、鉱石供給弁68vと、排水弁44vと、を開き、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じることで、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11を実行する。タンク部41Cでは、鉱石供給弁68v、排水弁44v、供給開閉弁72v、及び鉱石投入弁46vを閉じ、待機する工程S12を実行する。
この後は、図10図11図12に示す状態を順次繰り返す。これにより、タンク部41A、41B、41Cから、循環ライン3へと、鉱石が順次連続的に投入される。
【0059】
(作用効果)
上記実施形態では、水底Bで採掘された鉱石は、鉱石供給部6によりタンク42の内部に供給される。タンク42の内部に貯留された鉱石は、送出部46により、タンク42から送出され、合流部50により、循環ライン3内に合流される。タンク42の内部には、水供給ライン7により、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が導入される。タンク42の内部に貯留された鉱石を、送出部46によりタンク42から送出する際、水供給ライン7により、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を導入することで、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となる。したがって、水底Bにおいて、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【0060】
また、上記実施形態では、鉱石投入設備4は、供給開閉弁72vと、鉱石投入ライン46aと、鉱石投入弁46vと、を備えている。これにより、タンク42の内部に貯留された鉱石を、送出部46によりタンク42から送出する際、供給開閉弁72vを開くことで、水供給ライン7により、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が導入される。また、鉱石投入弁46vを開くことで、鉱石投入ライン46a、及び合流部50を通して、タンク42の内部が循環ライン3内に連通する。これにより、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となり、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【0061】
また、上記実施形態では、タンク42、送出部46、及び排水ライン44を有したタンク部41が複数組設けられている構成において、複数組のタンク部41に対し、集鉱機61により回収された鉱石が、鉱石供給部6により供給される。鉱石供給部6は、集鉱機61により回収された鉱石の供給先を、複数組のタンク部41の間で切り替える供給先切替部63を備えている。供給先切替部63では、複数の投入空間64sを有した本体64に対し、投入機構65により、集鉱機61により回収された鉱石が、複数の投入空間64sのうちの一つに選択的に投入される。複数の投入空間64sの各々に投入された鉱石は、排出口66及び接続ライン68を通して、複数のタンク部41のタンク42の各々に供給される。このように、供給先切替部63では、複数の投入空間64sに、集鉱機61により回収された鉱石を振り分ければ、各投入空間64sに連通する開口を有した排出口66から、複数のタンク部41へと鉱石を円滑に供給することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、バイパスライン8を設けることによって、循環ライン3を流れる水を、合流部50を迂回させることができる。これにより、例えば合流部50で故障等が生じた場合に、循環ライン3における水の流れが止まってしまうことが抑えられる。
【0063】
また、上記実施形態では、合流部50よりも下流側に設けられた、上下方向に延びる上下延伸部32sの下端部に、鉱石排出部9が接続されている。これにより、何らかの原因で循環ライン3における水の流れが止まった場合、鉱石排出部9で、上下延伸部32s内の水および鉱石を下方に排出することができる。上下延伸部32sは上下に延びているので、上下延伸部32s内の水および鉱石は、上下延伸部32sの下端部に接続された鉱石排出部9から、重力により容易に下方に排出される。
【0064】
また、上記実施形態では、合流部50において、送出部46から送出されて鉱石投入口53から容器部51内に投入される鉱石は、水導入口54から容器部51内に導入される、循環ライン3を流れる水と合流する。水導入口54は、容器部51の内部で、鉛直軸回りの旋回流が生じるよう、容器部51に接続されている。これにより、容器部51内で合流した水と鉱石とは、鉛直軸回りの旋回流により、良好に撹拌されて、循環ライン3に送り出される。これにより、循環ライン3内で鉱石の詰まり等が生じることが抑えられ、鉱石を効率良く送り出すことができる。
【0065】
また、上記実施形態では、合流部50において、送出部46から送出されて鉱石投入口53から容器部51内に投入される鉱石は、水導入口54から容器部51内に導入される、循環ライン3を流れる水と合流する。この際、容器部51に対する水導入口54の取付位置を工夫していることで、容器部51内で合流した水と鉱石は、鉛直軸回りの旋回流により良好に撹拌されて、循環ライン3に送り出される。また、合流部50は、送出部46からの鉱石と往路配管31からの水を合流させて撹拌するための空間を確保するために、直径の大きな筒状部51aを有している一方で、高い管内流速が必要な復路配管32は、筒状部51Aよりも十分に小さい直径となっている。そして、筒状部51aと復路配管32との間には、内面が上方から下方に向かって漸次縮径する縮径部51bが形成されている。そのため、鉱石が拡散した状態を保ち、かつ鉱石が停滞しないスムーズな流れのまま、復路配管32に導かれる。したがって、筒状部51aと復路配管32との接続部で急に直径が絞られて鉱石が停滞し閉塞を起こすことを抑制できる。その結果、循環ライン3内で鉱石の詰まり等が生じることが抑えられ、鉱石を効率良く送り出すことができる。
【0066】
また、上記実施形態では、タンク42から送出部46に払い出す鉱石の量を、払出装置45によって定量化できる。これにより、送出部46等の配管内で鉱石が詰まるのを抑えることができ、生産性を高めることに寄与できる。
【0067】
また、上記実施形態では、タンク42の内部に貯留された鉱石をタンク42から送出する際、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を導入する。これにより、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となる。したがって、水底Bにおいて、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【0068】
(実施形態の変形例)
上記実施形態では、合流部50の構成について説明したが、容器部51内で鉱石を撹拌させることができるのであれば、その構成を適宜変更してもよい。
(実施形態の第一変形例)
例えば、図13図14に示すように、第一変形例の合流部50Bの水導入口54Bは、鉛直軸Cv方向から見た際に、筒状部51aの外周面から径方向の外側に向かって、鉛直軸Cvを中心とした放射方向に延びているようにしてもよい。
この場合、容器部51の下部に縮径部51bが形成されていることで、容器部51の下部で乱流が生じて、水と鉱石とを含むスラリーが良く撹拌されて、吐出口55から復路配管32に送り出される。また、縮径部51bが形成されていることで、上記実施形態と同様に、鉱石が拡散した状態を保ち、かつ鉱石が停滞しないスムーズな流れのまま、縮径させることができるため、筒状部51aと復路配管32との接続部で急に直径が絞られて鉱石が停滞し閉塞を起こすことを抑制できる。
【0069】
(実施形態の第二変形例)
また、図15図16に示すように、第二変形例の合流部50Cの水導入口54Cは、鉛直軸Cv方向から見た際に、筒状部51aの外周面から径方向の外側に向かって、鉛直軸Cvを中心とした放射方向に延びている。さらに、水導入口54Cは、筒状部51aの径方向の外側から見た際、下方から上方に向かって、筒状部51aの外周面から径方向の外側に離間するよう、傾斜して設けられていてもよい。
この場合においても、容器部51の下部に縮径部51bが形成されているため、上記第一実施形態と同様に、容器部51の下部で乱流が生じて、、鉱石と水とを含むスラリーが良く撹拌されて、吐出口55から復路配管32に送り出される。また、縮径部51bが形成されていることで、上記実施形態と同様に、鉱石が拡散した状態を保ち、かつ鉱石が停滞しないスムーズな流れのまま、縮径させることができるため、筒状部51aと復路配管32との接続部で急に直径が絞られて鉱石が停滞し閉塞を起こすことを抑制できる。
【0070】
(実施形態の第三変形例)
また、図17図18に示すように、第三変形例の合流部50Dは、容器部51Dと、鉱石投入口53と、水導入口54と、吐出口55Dと、を備えている。
【0071】
容器部51Dは、上下方向に延びる円筒状に形成されている。
水導入口54は、容器部51Dの内部で、鉛直軸Cv回りの旋回流が生じるよう、容器部51Dに接続されている。この第三変形例の水導入口54は、容器部51Dの上端部において、容器部51Dの中心に位置する鉛直軸Cvに対して、容器部51Dの径方向の外側に配置されている。水導入口54は、容器部51Dの外周面に接続されている。水導入口54は、容器部51Dの外周面の接線方向に延びている。
【0072】
吐出口55Dは、縮径部51bの下端部において、鉛直軸Cvに対して、容器部51Dの径方向の外側に配置されている。吐出口55Dは、容器部51Dの外周面に接続されている。吐出口55Dは、容器部51D内の旋回流の流れに沿って、容器部51Dの外周面の接線方向に延びている。
【0073】
このような合流部50Dでは、水導入口54が、容器部51Dの内部で、鉛直軸Cv回りの旋回流が生じるように設けられているので、鉱石が水に含まれたスラリーが、良く撹拌される。撹拌されたスラリーは、容器部51Dの底部に接続された吐出口55Dから、復路配管32に送り出される。
【0074】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態及び、その変形例について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれら実施の形態や変形例に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記実施形態の鉱石投入方法10では、タンク部41A~41Cで、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11と、待機する工程S12と、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13と、が互いに重ならないように、タイミングをずらして実行しているが、これに限られない。例えば、まず、タンク部41Aとタンク部41Bに対し、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11を順次実行し、タンク部41A、及び41Bの双方において、所定量の鉱石を貯留する。その後、残る一つのタンク部41Cで、タンクの内部に鉱石を貯留する工程S11を実行しつつ、タンク部41Aで、タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程S13を実行するようにしてもよい。
【0075】
<付記>
実施形態に記載の鉱石投入設備4、鉱石回収システム1、鉱石投入方法10は、例えば以下のように把握される。
【0076】
(1)第1の態様に係る鉱石投入設備4は、水上に配置された鉱石回収部2と水底Bとの間で水を循環させる循環ライン3に、鉱石を投入する鉱石投入設備4であって、水底Bで採掘された鉱石を供給可能な鉱石供給部6と、前記鉱石供給部6から供給される鉱石を内部に貯留可能なタンク42、前記タンク42の内部から鉱石を送出可能な送出部46、前記タンク42から送出された鉱石を前記循環ライン3内の水に合流させる合流部50、及び前記タンク42の内部の水の一部を前記タンク42の外部に排出可能な排水ライン44、を有する投入装置5と、前記循環ライン3における前記合流部50よりも上流側の水を前記タンク42の内部に導入可能な水供給ライン7と、を備える。
【0077】
この鉱石投入設備4は、水底Bで採掘された鉱石は、鉱石供給部6によりタンク42の内部に供給される。タンク42の内部に貯留された鉱石は、送出部46により、タンク42から送出され、合流部50により、循環ライン3内に合流される。タンク42の内部には、水供給ライン7により、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が導入される。タンク42の内部に貯留された鉱石を、送出部46によりタンク42から送出する際、水供給ライン7により、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を導入することで、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となる。したがって、水底Bにおいて、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【0078】
(2)第2の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)の鉱石投入設備4であって、前記水供給ライン7を開閉する供給開閉弁72vと、前記タンク42から送出された鉱石を前記合流部50に投入する鉱石投入ライン46aと、前記鉱石投入ライン46aを開閉する鉱石投入弁46vと、を備える。
【0079】
このような構成によれば、鉱石投入設備4は、供給開閉弁72vと、鉱石投入ライン46aと、鉱石投入弁46vと、を備えている。これにより、タンク42の内部に貯留された鉱石を、送出部46によりタンク42から送出する際、供給開閉弁72vを開くことで、水供給ライン7により、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水が導入される。また、鉱石投入弁46vを開くことで、鉱石投入ライン46a、及び合流部50を通して、タンク42の内部が循環ライン3内に連通する。これにより、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となり、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【0080】
(3)第3の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)又は(2)の鉱石投入設備4であって、前記タンク42、前記送出部46、及び前記排水ライン44を有したタンク部41が複数組設けられ、前記鉱石供給部6は、採掘された鉱石をの供給先を、複数組の前記タンク部41の間で切り替える供給先切替部63と、を備え、前記供給先切替部63は、採掘された鉱石が投入される複数の投入空間64sを有した本体64と、採掘された鉱石を、複数の前記投入空間64sのうちの一つに選択的に投入する投入機構65と、前記投入空間64sの各々に連通する複数の排出口66と、前記複数の排出口66と前記複数組の前記タンク部41の各々を接続する複数の接続ライン68と、を備える。
【0081】
これにより、タンク42、送出部46、及び排水ライン44を有したタンク部41が複数組設けられている構成において、複数組のタンク部41に対し、採掘された鉱石が、鉱石供給部6により供給される。鉱石供給部6は、採掘された鉱石の供給先を、複数組のタンク部41の間で切り替える供給先切替部63を備えている。供給先切替部63では、複数の投入空間64sを有した本体64に対し、投入機構65により、採掘された鉱石が、複数の前記投入空間64sのうちの一つに選択的に投入される。複数の投入空間64sの各々に投入された鉱石は、排出口66及び接続ライン68を通して、複数のタンク部41のタンク42の各々に供給される。このように、供給先切替部63では、複数の投入空間64sに、採掘された鉱石を振り分ければ、各投入空間64sに連通する開口を有した排出口66から、複数のタンク部41へと鉱石を円滑に供給することができる。
【0082】
(4)第4の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)から(3)の何れか一つの鉱石投入設備4であって、前記循環ライン3から前記合流部50を迂回するように設けられたバイパスライン8と、前記バイパスライン8を開閉するバイパス弁81vと、を備える。
【0083】
このような構成によれば、バイパスライン8を設けることによって、循環ライン3を流れる水を、合流部50を迂回させることができる。これにより、例えば合流部50で故障等が生じた場合に、循環ライン3における水の流れが止まってしまうことが抑えられる。
【0084】
(5)第5の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)から(4)の何れか一つの鉱石投入設備4であって、前記循環ライン3は、前記合流部50よりも下流側に上下方向に延びる上下延伸部32sを備え、前記上下延伸部32sの下端部に接続されて、前記上下延伸部32s内の水および鉱石を下方に排出可能な鉱石排出部9を更に備える。
【0085】
このような構成によれば、合流部50よりも下流側に設けられた、上下方向に延びる上下延伸部32sの下端部に、鉱石排出部9が接続されている。これにより、何らかの原因で循環ライン3における水の流れが止まった場合、鉱石排出部9で、上下延伸部32s内の水および鉱石を下方に排出することができる。上下延伸部32sは上下に延びているので、上下延伸部32s内の水および鉱石は、上下延伸部32sの下端部に接続された鉱石排出部9から、重力により容易に下方に排出される。
【0086】
(6)第6の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)から(5)の何れか一つの鉱石投入設備4であって、前記合流部50は、容器部51と、前記送出部46から送出される鉱石を前記容器部51内に投入する鉱石投入口53と、前記循環ライン3を流れる水を前記容器部51内に導入する水導入口54と、を備え、前記水導入口54は、前記容器部51の内部で、鉛直軸回りの旋回流が生じるよう、前記容器部51に接続されている。
【0087】
このような構成によれば、合流部50において、送出部46から送出されて鉱石投入口53から容器部51内に投入される鉱石は、水導入口54から容器部51内に導入される、循環ライン3を流れる水と合流する。水導入口54は、容器部51の内部で、鉛直軸回りの旋回流が生じるよう、容器部51に接続されている。これにより、容器部51内で合流した水と鉱石とは、鉛直軸回りの旋回流により、良好に撹拌されて、循環ライン3に送り出される。これにより、循環ライン3内で鉱石の詰まり等が生じることが抑えられ、鉱石を効率良く送り出すことができる。
【0088】
(7)第7の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)から(6)の何れか一つの鉱石投入設備4であって、前記合流部50は、容器部51と、前記送出部46から送出される鉱石を前記容器部51内に投入する鉱石投入口53と、前記循環ライン3を流れる水を前記容器部51内に導入する水導入口54と、を備え、前記容器部51は、前記容器部51の下部に、内面が上方から下方に向かって漸次縮径する縮径部51bを有する。
【0089】
このような構成によれば、合流部50において、送出部46から送出されて鉱石投入口53から容器部51内に投入される鉱石は、水導入口54から容器部51内に導入される、循環ライン3を流れる水と合流する。容器部51の下部には、内面が上方から下方に向かって漸次縮径する縮径部51bが形成されている。これにより、鉱石が拡散した状態を保ち、かつ鉱石が停滞しないスムーズな流れのまま、復路配管32に導かれる。したがって、筒状部51aと復路配管32との接続部で急に直径が絞られて鉱石が停滞し閉塞を起こすことを抑制でき、鉱石を効率良く送り出すことができる。
【0090】
(8)第8の態様に係る鉱石投入設備4は、(1)から(7)の何れか一つの鉱石投入設備4であって、前記タンク42の内部から前記送出部46に払い出す前記鉱石の量を調整する払出装置45をさらに備える。
【0091】
このような構成によれば、タンク42から送出部46に払い出す鉱石の量を払出装置45によって定量化できる。これにより、送出部46の配管内で鉱石が詰まるのを抑えることができ、生産性を高めることに寄与できる。
【0092】
(9)第9の態様に係る鉱石回収システム1は、水上に配置された鉱石回収部2と、(1)から(8)の何れか一つの鉱石投入設備4と、前記鉱石回収部2と前記鉱石投入設備4の前記合流部50との間で水を循環させる循環ライン3と、を備える。
これにより、水底Bにおいて、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる鉱石投入設備4を備えた鉱石回収システム1を提供することができる。
【0093】
(10)第10の態様に係る鉱石投入方法10は、(1)から(9)の何れか一つの鉱石投入設備4における鉱石投入方法10であって、水底Bで採掘された鉱石をタンク42の内部に貯留する工程S11と、前記循環ライン3における前記合流部50よりも上流側の水を前記タンク42の内部に導入しつつ、前記タンク42の内部から前記合流部50に鉱石を送出し、前記鉱石を前記循環ライン3内の水に合流させる工程S13と、を含む。これにより、タンク42の内部に貯留された鉱石をタンク42から送出する際、タンク42の内部に、循環ライン3における合流部50よりも上流側の水を導入する。
これにより、タンク42内の圧力が循環ライン3内の圧力と同等となる。したがって、水底Bにおいて、循環ライン3への鉱石の投入を良好に行うことができる。
【符号の説明】
【0094】
1…鉱石回収システム 2…鉱石回収部 3…循環ライン 4…鉱石投入設備 5…投入装置 6…鉱石供給部 7…水供給ライン 8…バイパスライン 9…鉱石排出部 20…母船 21…ポンプ 22…脱水装置 25…制御室 31…往路配管 31b…下流端 32…復路配管 32a…上流端 32s…上下延伸部 41、41A~41C…タンク部 42…タンク 42b…底部 44…排水ライン 44a…排水管 44v…排水弁 45…払出装置 45s…羽根車 46…送出部 46a…鉱石投入ライン 46v…鉱石投入弁 50、50B~50D…合流部 51、51D…容器部 51a…筒状部 51b…縮径部 53…鉱石投入口 54、54B、54C…水導入口 55、55D…吐出口 61…集鉱機 62…鉱石供給ライン 63…供給先切替部 64…本体 64s…投入空間 65…投入機構 65m…可動管 66…排出口 68…接続ライン 68v…鉱石供給弁 71…主管 71a…一端 72…分岐管 72v…供給開閉弁 81…バイパス管 81a…一端 81b…他端 81v…バイパス弁 91…鉱石排出ライン 91v…鉱石排出弁 B…水底 Ws…水上 Cv…鉛直軸 S10…鉱石投入方法 S11…タンクの内部に鉱石を貯留する工程 S12…待機する工程 S13…タンクの内部の鉱石を循環ラインの水に合流させる工程
図1
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