(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005739
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】報告書作成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106059
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】500250770
【氏名又は名称】ユニティガードシステム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】南雲 渟二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】報告者が、報告すべき事項を、報告済みか否かを瞬時に判断できる報告書作成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】携帯端末は少なくとも、写真やビデオなどを撮影可能とするカメラ手段と、報告済みデータで処理を完了しているか否かの情報を実空間に重ねて表示する表示手段と、前記管理サーバと通信可能な通信手段と、文字や音声などの適宜な入力手段と、これらカメラ手段、表示手段、通信手段、入力手段を制御する制御手段を設け、この制御手段は、報告者が携帯する前記携帯端末で報告しようとする際、あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバに存在するか否か、前記通信手段を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段で報告済み情報を表示するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルやマンションなど不動産物件の管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など物件状況を、報告者が携帯する携帯端末を介して案件毎に管理サーバに蓄積する報告事項を決定する報告書作成システムであって、
前記携帯端末は、写真又は映像などのうち少なくとも一方を撮影可能とするカメラ手段と、報告済みデータで処理を完了しているか否かの情報を実空間に重ねて表示する表示手段と、前記管理サーバと通信可能な通信手段と、文字や音声などの適宜な入力手段と、これらカメラ手段、表示手段、通信手段、入力手段を制御する制御手段を設け、
この制御手段は、報告者が携帯する前記携帯端末で報告しようとする際、あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバに存在するか否か、前記通信手段を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段で報告済み情報を表示するようにしたことを特徴とする報告書作成システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、報告者の位置情報を検出する手段を有するとともに、前記制御手段は、既に報告されている位置に前記携帯端末が到達したときに、前記表示手段で報告済みデータを表示するようにしたことを特徴とする前記請求項1記載の報告書作成システム。
【請求項3】
前記カメラ手段で撮影した実空間に、あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバに存在するか否か、前記通信手段を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段で報告済み情報を表示するシステムを眼鏡型のARグラス又はMRグラスで構成したことを特徴とする前記請求項1又は2記載の報告書作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンションやビルなどの管理状況を報告する報告書作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンションやビルなど不動産物件の管理状況などの報告は、現場を管理する管理人やコンシェルジュ、警備員、管理会社の社員等による従業員などが、随時報告していた。
【0003】
報告については、毎日の巡回業務や警備内容などを通して作成される業務報告書や、随時報告を必要とするビルやマンションなどの施設における不具合、例えば管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など、専用の報告メモなどで報告されるが、ビルやマンション管理は、上述のごとく、管理人やコンシェルジュ、警備員、管理会社の社員等複数の企業が関わったりしている。またそこで働く人間も企業が同じであっても継続して毎日同じ人間ということはなく一般的にはシフトを組んで、入れ替わり異なる人間が管理しているものである。
【0004】
そのため、ビルやマンションなどの管理業務に従事した人間が、それら随時報告を必要とするビルやマンションなどの施設における不具合の報告事項において、それは報告済みか否かを判断できないと多数の人間が、引き続き同じ報告をするなど、重複した作業となり、きわめて作業効率が劣ることになる。
【0005】
昨今の施設管理を行う管理システムとして特許文献1で示されるものとして、施設管理などの現場の写真情報を管理サーバにアップするものやそれらを管理するデータベースも開示されている。これにより、現場全体がどのようになっているのかが確認できるものの、施設内の報告箇所において、詳細な報告事項が管理できていない。
【0006】
また、本発明が目的とする現場の報告として、施設内の位置情報は、施設内で撮影された情報を紐付けて報告することは可能である。例えば、特許文献2で開示されている技術により、従業員や警備員がどこにいるかを把握できる技術が記載されている。これにより、報告者が撮影した報告事項を写真などで報告した場合は、どこで撮影された報告書かが確認できる。
【0007】
さらに、特許文献3では、詳細に各現場の位置情報を三次元点群画像から正確に把握することも可能となっている。このように、報告箇所を写真付きで詳細に報告することが行えることは、公知であるものの、各施設の不具合や問題点を報告する際に、その点が報告済みか否かを判断することは、難しく一旦現場の写真を撮影し、管理室や防災センターなどに戻って、報告書にまとめる際に、過去の管理ファイルを確認しながら検討する必要が生じ、作業が煩わしく、時間がかかるものであった。
【0008】
さらに特許文献4には、経路案内装置として、例えば、避難経路などの経路案内装置を開示しており、ユーザーが撮影している風景映像を表示する映像表示手段170と、避難経路の案内に供される情報としてのエアタグ(拡張現実画像)を風景映像に重ねて表示するエアタグ表示手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2022-105243
【特許文献2】特開2006-338093
【特許文献3】特開2022-109415
【特許文献4】特開2015-224981
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明者は、例えば、管理人やコンシェルジュ、警備員、管理会社の社員等の間で取り決めておき、管球切れ、施設破損、その他報告事項が発生した場合には、その場所に赤色のテープ片を貼っておきこの箇所の報告は、既に報告済みであることを取り決めておくことを試みた。
【0011】
これにより、現場で問題があったときに報告するかどうかを瞬時に判断できるもののこの方法も前記の赤色のテープがはがれてしまったり、第三者に剥がされてしまうこともあり完全ではない。また施設内が景観において好ましくないものである。本発明は、これらの問題を解決すべく、現場を管理する管理人やコンシェルジュ、警備員、管理会社の社員等による報告者などが、報告すべき点を瞬時に、報告済みか否かを瞬時に判断できる報告書作成システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本願発明の報告書作成システムは、ビルやマンションなど不動産物件の管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など物件状況を、報告者が携帯する携帯端末を介して案件毎に管理サーバに蓄積する報告事項を決定する報告書作成システムであって、前記携帯端末は、写真又は映像などのうち少なくとも一方を撮影可能とするカメラ手段と、報告済みデータで処理を完了しているか否かの情報を実空間に重ねて表示する表示手段と、前記管理サーバと通信可能な通信手段と、文字や音声などの適宜な入力手段と、これらカメラ手段、表示手段、通信手段、入力手段を制御する制御手段を設け、この制御手段は、報告者が携帯する前記携帯端末で報告しようとする際、(前記カメラ手段で撮影した実空間に、)あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバに存在するか否か、前記通信手段を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段で報告済み情報を表示するようにしたものである。
【0013】
また、請求項2として、前記携帯端末は、報告者の位置情報を検出する手段を有するとともに、前記制御手段は、既に報告されている位置に前記携帯端末が到達したときに、前記表示手段で報告済みデータを表示するようにしたものである。
【0014】
さらに請求項3では、前記カメラ手段で撮影した実空間に、あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバに存在するか否か、前記通信手段を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段で報告済み情報を表示するシステムを眼鏡型のARグラス又はMRグラスで構成したことを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願発明の報告書作成システムの概念説明図。
【
図2】本願発明の報告書作成システムにおける報告済み案件リストの説明図。
【
図3】本願発明の報告書作成システムの空間への報告済み表示の説明図。
【
図4】本願発明の報告書作成システムにおける警備報告書フォーマット。
【
図5】本願発明の報告書作成システムの携帯端末の実施例説明図。
【
図7】
図2における報告済み案件の写真付き報告詳細説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を
図1~
図7に基づいて説明する。
図1は、本願発明の報告書作成システム1の概念説明図であり、システム管理サーバ2と報告者が携帯する携帯端末3と連携して構築されている。
報告の内容などは、ビルやマンションなど不動産物件の管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など物件状況などがメインとなるが、報告箇所など位置情報と連携して報告される。そして報告者が携帯する携帯端末3を介して案件毎に管理サーバに蓄積する報告事項を決定する報告書作成システムが構築される。
【0017】
このシステム管理サーバ2に蓄積される情報は、管理組合の端末装置10、および管理組合から委託される管理会社の端末装置11及び管理会社から委託される警備会社の端末装置12で随時確認できるようにインターネットワーク網9を介して接続されている。
【0018】
警備員や管理会社あるいはコンシェルジュなどの報告者は、施設内の破損個所や、管球切れ、その他報告事項があると、報告事項が報告済みなのかは、前述の端末装置10、11、12によって確認できる。例えば、
図2に示されるように報告済み案件リスト15が端末装置10、11、12の表示装置に表示される。そして、写真ボタン16を押せば(図中、報告済み案件リスト15)の2番目の2022年3月20日の管球切れの写真ボタン16を指定すると、
図7に画面が遷移して、エレベータフロアの管球切れ(照明切れ)が確認できる。
【0019】
本発明の報告書作成システム1は、
図5で示す携帯端末3を使用して、さらに効率よく報告書が作成できるようにしてなるものであり、前記携帯端末3は、写真又は映像などのうち少なくとも一方を撮影可能とするカメラ手段4と、少なくとも報告済みデータで処理を完了しているか否かの情報を実空間に重ねて表示する表示手段5と、前記管理サーバ2と通信可能な通信手段6と、文字や音声などの適宜な入力手段7と、これらカメラ手段4、表示手段5、通信手段6、入力手段7を制御する制御手段8から構成されている。8aは、カメラ手段4や入力手段で蓄えられた写真データや入出力データさらには、処理データを蓄積できる記憶手段である。
【0020】
管理サーバ2側では、
図2に示される報告済み案件リストに示されるようにすでに報告されている情報として管理されるが、処理を完了した場合に一旦このリストデータから外され、別の処理済みリストに移される。すなわち、報告の都度この報告済み案件リストは、報告済みであって、未処理のものがデータリストとして管理され、警備員や管理会社あるいはコンシェルジュなどの報告者は、何か問題事項、報告事故として報告しようとする際は、この最新の報告済み案件リスト常に確認して報告するようにしている。
【0021】
この制御手段8は、報告者が携帯する前記携帯端末3で報告しようとする際、実空間にあらかじめ報告された箇所の実空間に重ねて報告済み情報が存在する場合、前記管理サーバ2から受信し、常に最新の前記表示手段で報告済み情報を表示するようにしたものである。
【0022】
前記携帯端末3は、実施例として、報告者の位置情報を検出する手段を有するとともに、前記制御手段8は、既に報告されている位置に前記携帯端末3が到達したときに、前記表示手段5で報告済みデータを表示するようにしてもよい。その場合は、表示手段5にその位置に対応する空間に報告済み情報が表示されるようにしても良い。
【0023】
理想的な実施例としては、表示手段5は、眼鏡型のAR(拡張現実)グラス又はMR(複合現実)グラスで構成したものである。これにより操作性をさらに向上させることができる。具体的には、前記カメラ手段4で撮影した実空間に、あらかじめ報告された箇所の報告済み情報が前記管理サーバ2に存在するか否か、前記通信手段6を介して受信し、報告済み情報が存在する場合、実空間に重ねて前記表示手段5で報告済み情報例えば、
図1、
図3に「報告済み(管球切れ)2022/03/20」などのテロップを表示するシステムを眼鏡型のAR又はMRグラスで構成した。これにより、その場で瞬時に、報告済みであるか否かが瞬時に確認できる。その状況がまだ未報告であれば、その場で、画像(写真)などを取得して、その場で報告情報として入力手段で入力することができる。
【0024】
入力は、
図2に示される報告済み案件リストの音声で区分を発生すると日時(表には、日付のみであるが、バックで時間情報も取り込まれている。場所、内容、カテゴリも音声で入力され、写真、映像情報もハンドスイッチとして構成された入力手段7で構成されている。このように、表示手段5は、カメラ手段4で表示された箇所、場所を認識して報告済みの箇所を認識したときに瞬時に表示手段5で表示するようにされるのが理想的になる。
【0025】
一方、警備業務において、ビルやマンションなど不動産物件の管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など物件状況を、報告者が携帯するだけでなく、
図4に示されるようなフォーマットの警備報告書が委託された管理会社に毎日ルーチンワークとして提出されている。
【0026】
警備員は、通常防災センターや管理室に常駐して、定時であるいは、随時の巡回業務が義務付けられている。また、通常の巡回業務は、あらかじめ決められた巡回コースに基づいて、巡回されて報告書が作成されている。
【0027】
この報告書にも、ビルやマンションなど不動産物件の管球切れ、施設の破損や施設内でのトラブルや改善を要する問題など物件状況などの報告事項として記載されるようになる。
【0028】
以上のように本願発明は、報告者が携帯する記携帯端末で報告しようとする際、カメラ手段で撮影した実空間に、あらかじめ報告された箇所の実空間に重ねて報告済み情報が存在する場合、管理サーバから受信し、表示手段で報告済み情報を表示ようにしたことにより、未報告である場合に、直ぐに報告書が作成でき効率の良い処理が達成できる。
【符号の説明】
【0029】
1…報告書作成システム
2…管理サーバ
3…端末装置
4…カメラ手段
5…表示手段
6…通信手段
7…入力手段
8…制御手段
8a…記憶手段
9…インターネット網
10、11、12…情報端末
15…報告済み案件リスト
16…写真、映像閲覧ボタン
20…警備報告書
25…報告済み表示