(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005748
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/209 20210101AFI20250109BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20250109BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M50/505
H01M50/55 101
H01M50/503
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106078
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】大林 叔朗
(72)【発明者】
【氏名】山中 篤
(72)【発明者】
【氏名】千原 真志
(72)【発明者】
【氏名】杉江 和紀
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
(72)【発明者】
【氏名】平尾 康裕
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AT02
5H040AY08
5H043AA19
5H043CA04
5H043FA04
5H043LA21F
5H043LA22D
(57)【要約】
【課題】組立容易な蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】本開示に基づく蓄電モジュール1は、複数の蓄電セル10と、モジュールケース20と、接続部材30とを備えている。複数の蓄電セル10の各々は、電極体100と、セルケース200と、外部端子300とを有している。外部端子300は、電極体100と電気的に接続され、セルケース200の外側に配置され、かつ、第1方向D1に直交する第2方向D2においてセルケース200と並んでいる。モジュールケース20は、底面部21と、周側面部22とを有している。接続部材30は、複数の蓄電セル10のうち互いに隣り合う蓄電セル10の各々の外部端子300と接している。接続部材30の少なくとも一部は、周側面部22に埋没している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶ複数の蓄電セルと、
前記複数の蓄電セルを収容するモジュールケースと、
前記複数の蓄電セル同士を互いに電気的に接続する接続部材とを備え、
前記複数の蓄電セルの各々は、
電極体と、
前記電極体を収容するセルケースと、
前記電極体と電気的に接続され、前記セルケースの外側に配置され、かつ、前記第1方向に直交する第2方向において前記セルケースと並ぶ、外部端子とを有し、
前記モジュールケースは、
前記第1方向および前記第2方向の両方に直交する第3方向において前記複数の蓄電セルと並ぶ底面部と、
前記底面部から前記第3方向に起立し、前記複数の蓄電セルを取り囲む周側面部とを有し、
前記接続部材は、前記複数の蓄電セルのうち互いに隣り合う蓄電セルの各々の前記外部端子と接し、
前記接続部材の少なくとも一部は、前記周側面部に埋没している、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記外部端子は、前記周側面部にさらに接している、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記接続部材は、前記外部端子と接する接続面と、該接続面の反対に位置する埋没面とを有し、
前記接続面は、前記周側面部の内面のうち前記外部端子と接している部分とともに同一の仮想平面上に位置している、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2016/0372793号明細書(特許文献1)には、従来の充電式電池モジュールが開示されている。当該充電式電池モジュールは、複数の充電式電池と、複数の充電式電池のうちの1つを電気的に接続する接続部材とを備えている。充電式電池は、電極組立体と、ケースと、蓋板と、第1副端子と、第2副端子とを備えている。蓋板は、ケースの開口部を封止する。第1の副端子は、第1の部分と、第1の部分と一体に形成された第2の部分とを有している。第1の部分は蓋板の一端に配置されている。第2の部分はケースの外表面に配置されている。接続部材は、第1接続部材を有する。第1接続部材は、複数の充電式電池のうち隣接する充電式電池の第1副端子の第2部分の外面に接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0372793号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された蓄電モジュールにおいては、接続部材が蓄電セルの側方に位置する。このため、接続部材が蓄電セルの上方に位置する場合と比較して、接続部材と外部端子との接続が難しい。よって、蓄電モジュールの組立が困難となる。
【0005】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、組立容易な蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく蓄電モジュールは、複数の蓄電セルと、モジュールケースと、接続部材とを備えている。蓄電セルは、第1方向に並んでいる。モジュールケースは、複数の蓄電セルを収容している。接続部材は、複数の蓄電セル同士を互いに電気的に接続している。複数の蓄電セルの各々は、電極体と、セルケースと、外部端子とを有している。セルケースは、電極体を収容している。外部端子は、電極体と電気的に接続され、セルケースの外側に配置され、かつ、第1方向に直交する第2方向においてセルケースと並んでいる。モジュールケースは、底面部と、周側面部とを有している。底面部は、第1方向および第2方向の両方に直交する第3方向において複数の蓄電セルと並んでいる。周側面部は、底面部から第3方向に起立し、複数の蓄電セルを取り囲んでいる。接続部材は、複数の蓄電セルのうち互いに隣り合う蓄電セルの各々の外部端子と接している。接続部材の少なくとも一部は、周側面部に埋没している。
【0007】
上記の構成によれば、接続部材の少なくとも一部が周側面部に埋没していることで、蓄電セルの外部端子に対する接続部材の位置合わせが容易となる。ひいては、組立容易な蓄電モジュールを提供できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、組立容易な蓄電モジュールを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを概略的に示す斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを概略的に示す平面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る蓄電セルを概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図2の蓄電モジュールをIV―IV線矢印方向に見た断面図である。
【
図5】
図4の電極体をV-V線矢印方向に見た断面図である。
【
図6】複数の蓄電セルを、モジュールケースに収容する工程を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを概略的に示す斜視図である。
図2は、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュールを概略的に示す平面図である。
図1および
図2に示すように、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュール1は、複数の蓄電セル10と、モジュールケース20と、1以上の接続部材30と、1以上のスペーサ40とを備えている。
【0012】
複数の蓄電セル10は、第1方向D1に並んでいる。具体的には、2以上の蓄電セル10が、蓄電セル10の第1方向D1に並ぶように配置されている。互いに隣り合う一対の蓄電セル10の間には、スペーサ40が配置されている。
【0013】
まず、蓄電セル10の各々の構成の詳細について説明する。
図3は、本開示の一実施形態に係る蓄電セルを概略的に示す斜視図である。
図4は、
図2の蓄電モジュールをIV―IV線矢印方向に見た断面図である。
【0014】
図3および
図4に示すように、蓄電セル10は、電極体100と、セルケース200と、一対の外部端子300と、一対の連結部材400と、絶縁部材500と、を備えている。
【0015】
図5は、
図4の電極体をV-V線矢印方向に見た断面図である。
図5に示すように、電極体100は、複数の電極110,120と、セパレータ130とを備えている。
【0016】
図5に示すように、複数の電極110,120は、第1方向D1に並ぶように配置されている。複数の電極110,120は、複数の正極電極110と、複数の負極電極120と、を有している。
【0017】
各正極電極110は、第2方向D2(
図5においては紙面と直交する方向)に長い長方形形状に形成されている。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。各正極電極110は、正極集電箔112と、正極集電箔112の両面に設けられた正極活物質層114と、を有している。正極集電箔112は、正極活物質層114が設けられていない正極タブ112p(
図4参照)を有している。正極タブ112pは、第2方向D2における一方側に向かって突出している。
【0018】
各負極電極120は、第2方向D2に長い長方形形状に形成されている。各負極電極120は、負極集電箔122と、負極集電箔122の両面に設けられた負極活物質層124と、を有している。
図4に示すように、負極集電箔122は、負極活物質層124が設けられていない負極タブ122n(
図4参照)を有している。負極タブ122nは、第2方向D2における他方側に向かって突出している。
【0019】
セパレータ130は、正極電極110および負極電極120間を絶縁している。セパレータ130は、絶縁材料からなり、イオンの透過を許容する微小な空隙を有している。
図5に示すように、セパレータ130は、つづら折り状に形成されている。
【0020】
セパレータ130は、つづら折り状に形成される前の状態では長方形形状を呈している。セパレータ130は、各電極110,120間につづら折り状に形成されながら配置される。セパレータ130は、複数の介在部132aと、複数の上折返し部132bと、複数の下折返し部132cと、最外被覆部132dと、を有している。
【0021】
各介在部132aは、第1方向D1に互いに隣接する一対の電極110,120間に介在している。つまり、各介在部132aは、正極電極110および負極電極120間を絶縁する機能を有している。各介在部132aは、矩形状の領域で構成されている。
【0022】
各上折返し部132bは、複数の介在部132aのうちの一の介在部132aの上端部と、複数の介在部132aのうち第1方向D1における一方側において上記一の介在部132aに隣接する介在部132aの上端部と、を互いに連結している。本実施形態では、上折返し部132bは、正極電極110の上方に配置されている。
【0023】
各下折返し部132cは、複数の介在部132aのうちの前記一の介在部の下端部と、複数の介在部132aのうち第1方向D1における他方側に前記一の介在部に隣接する介在部132aの下端部と、を互いに連結している。本実施形態では、下折返し部132cは、負極電極120の下方に配置されている。換言すれば、負極電極120は、下折返し部132c上に配置されている。
【0024】
最外被覆部132dは、各上折返し部132bおよび各下折返し部132cをまとめて被覆している。より詳細には、最外被覆部132dは、全ての電極110,120、全ての介在部132a、全ての上折返し部132bおよび全ての下折返し部132cを、第2方向D2と平行な中心軸まわりに巻回しながらまとめて被覆している。最外被覆部132dの終端132eは、第1方向D1に正極活物質層114および負極活物質層124と重ならない範囲に設定されている。本実施形態では、最外被覆部132dの終端132eは、各電極110,120の下方に設けられている。なお、複数の電極110,120およびセパレータ130の周面と底面には、絶縁フィルム(不図示)が被覆されている。
【0025】
図3および
図4に示すように、セルケース200は、電極体100を収容している。セルケース200には、図示略の電解液が収容されている。セルケース200は、密封されている。セルケース200は、ケース本体210と、蓋220と、を有している。
【0026】
ケース本体210は、上向きに開口する開口部を有している。ケース本体210は、アルミニウム等の金属からなる。ケース本体210は、底壁212と、周壁214と、を有している。底壁212は、矩形かつ平板状に形成されている。周壁214は、底壁212から起立している。周壁214は、四角筒状に形成されている。第2方向D2における周壁214の長さは、第1方向D1における周壁214の長さよりも長い。第3方向D3における周壁214の長さは、第1方向D1における周壁214の長さよりも長い。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2の両方に直交する方向である。
【0027】
蓋220は、ケース本体210の開口部を閉塞している。蓋220は、溶接等によって開口部に接続されている。蓋220は、平板状に形成されている。蓋220は、アルミニウム等の金属からなる。蓋220は、圧力解放弁222と、封止部材224と、を有している。
【0028】
圧力解放弁222は、蓋220の中央部に形成されている。圧力解放弁222は、セルケース200の内圧が所定圧以上となると破断するように形成されている。圧力解放弁222が破断することで、セルケース200内のガスが当該圧力解放弁222を通じてセルケース200外に放出されるため、セルケース200の内圧が低下する。
【0029】
封止部材224は、蓋220に形成された注液口hを封止している。注液口hは、蓄電セル10の製造過程において、セルケース200内に電解液を注入するための貫通孔である。注液口hは、当該注液口hを通じてケース本体210に電解液が注入された後、封止部材224によって封止される。
【0030】
一対の外部端子300の各々は、電極体100と電気的に接続されている(詳細は後述する)。一対の外部端子300の各々は、セルケース200の外側に配置されている。一対の外部端子300はそれぞれ、第1方向D1に直交する第2方向D2における両側においてセルケース200と並んでいる(
図4など参照)。これにより、第2方向D2において外部端子300と後述する接続部材30とを接合することで、蓄電モジュール1を第3方向D3において低背化できる。
【0031】
一対の外部端子300は、セルケース200に固定されている。一対の外部端子300の一方は、正極の外部端子であり、他方は、負極の外部端子である。各外部端子300は、後述の上絶縁部510を介して蓋220の上面に固定されている。各外部端子300は、アルミニウム等の金属からなる。
【0032】
一対の外部端子300の各々は、第1端子部310と、第2端子部320とを有している。第1端子部310は、セルケース200の上方に位置している。第1端子部310が、上絶縁部510を介して蓋220の上面に固定されている。第1端子部310は、たとえば、直方体形状に形成されている。
【0033】
第2端子部320は、第1端子部310からセルケース200の側面に沿って延びている。より具体的には、第2端子部320は、ケース本体210の周壁214のうち、第2方向D2における両側の部分に沿って延びている。
【0034】
一対の連結部材400は、複数の電極タブ112p,122nと外部端子300とを連結している。一方の連結部材400は、複数の正極タブ112pと正極の外部端子300とを連結しており、他方の連結部材400は、複数の負極タブ122nと負極の外部端子300とを連結している。一対の連結部材400の各々は、実質的に互いに同じ構造を有しているため、以下では一方の連結部材400について説明する。
【0035】
連結部材400は、集電タブ410と、サブタブ420と、連結ピン430と、を有している。
【0036】
集電タブ410は、側方部412と、上方部414と、を有している。側方部412は、第2方向D2における電極体100の側方に位置している。上方部414は、電極体100の上方に位置している。上方部414は、側方部412の上端から第2方向D2における内側に向かって延びている。
【0037】
サブタブ420は、複数の正極タブ112pを集電タブ410に接続している。サブタブ420の一端部422は、溶接等によって複数の正極タブ112pに接続されており、サブタブ420の他端部424は、溶接等によって集電タブ410の側方部412に接続されている。
【0038】
連結ピン430は、集電タブ410と外部端子300の第1端子部310とを連結している。連結ピン430は、上方部414と外部端子300の第1端子部310とを連結している。具体的に、連結ピン430の下端部は、上方部414設けられた貫通孔に挿入された状態で上方部414に溶接等によって接続されており、連結ピン430の上端部は、外部端子300の第1端子部310に設けられた貫通孔に挿入された状態で溶接やカシメ等によって外部端子300に接続されている。
【0039】
絶縁部材500は、セルケース200と連結部材400との間を絶縁している。絶縁部材500は、上絶縁部510と、横絶縁部515と、下絶縁部520と、絶縁筒530と、絶縁板540と、を有している。
【0040】
上絶縁部510は、蓋220の上面に固定されている。上絶縁部510は、蓋220と外部端子300の第1端子部310との間に配置されている。上絶縁部510には、連結ピン430を挿通させる挿通孔が設けられている。
【0041】
横絶縁部515は、ケース本体210の周壁214上に配置されている。横絶縁部515は、上絶縁部510から下方に延びている。横絶縁部515は、ケース本体210の周壁214と、外部端子300の第2端子部320との間に配置されている。
【0042】
下絶縁部520は、蓋220の下面に固定されている。下絶縁部520は、蓋220と、上方部414および連結ピン430の下部と、の間に配置されている。下絶縁部520には、連結ピン430を挿通させる挿通孔が設けられている。
【0043】
絶縁筒530は、連結ピン430と蓋220との間に配置されている。絶縁筒530は、筒状に形成されており、連結ピン430を包囲している。
【0044】
絶縁板540は、上方部414の下面に固定されている。絶縁板540は、電極体100の上方に配置されている。絶縁板540のうち圧力解放弁222の下方に位置する部位、および、注液口hの下方に位置する部位には、貫通孔が設けられている。
【0045】
なお、一対の連結部材400のうちの一方の連結部材400(たとえば、正極タブ112pと電気的に接続されている連結部材400)と、セルケース200との間を絶縁している絶縁部材500は、上絶縁部510および横絶縁部515を有していなくてもよい。この場合、外部端子300が、セルケース200と直接接していてもよいし、外部端子とセルケース200との間に、上絶縁部510および横絶縁部515に代えて他の導電部材が配置されてもよい。
【0046】
次に、蓄電モジュール1のモジュールケース20および接続部材30について説明する。
図6は、複数の蓄電セルを、モジュールケースに収容する工程を概略的に示す斜視図である。
【0047】
図1、
図2、
図4および
図6に示すように、モジュールケース20は、複数の蓄電セル10を収容している。モジュールケース20は、底面部21と、周側面部22とを有している。
【0048】
底面部21は、第3方向D3において複数の蓄電セル10と並んでいる。底面部21は、複数の蓄電セル10と接している。底面部21は、第3方向D3から見て略矩形状の外形を有している。
【0049】
周側面部22は、底面部21と一体的に形成されている。周側面部22は、底面部21から第3方向D3に起立し、複数の蓄電セル10を取り囲んでいる。
【0050】
モジュールケース20は絶縁部材からなる。モジュールケース20は、全体として樹脂組成物で構成されている。
【0051】
接続部材30は、複数の蓄電セル10のうち互いに隣り合う蓄電セル10の各々の外部端子300と接している。具体的には、接続部材30は、複数の蓄電セル10のうち互いに隣り合う蓄電セル10の各々の、外部端子300の第2端子部320と接している。
【0052】
より具体的には、第1接続部材30Aは、複数の蓄電セル10のうちの1つである第1蓄電セル10Aの外部端子300(第2端子部320)上、かつ、2以上の蓄電セル10のうちの他の1つであって第1蓄電セル10Aと隣り合う第2蓄電セル10Bの外部端子300(第2端子部320)上に配置されている。本実施形態において、第1接続部材30Aによって接続されるのは、第1蓄電セル10Aの負極電極120側における外部端子300、および、第2蓄電セル10Bの正極電極110側における外部端子300である。
【0053】
接続部材30は、導電性を有している。このため、接続部材30は、第1蓄電セル10Aの外部端子300と、第2蓄電セル10Bの外部端子300とを電気的に接続する。ひいては、接続部材30が、複数の蓄電セル10同士を互いに電気的に接続する。
【0054】
接続部材30の少なくとも一部は、周側面部22に埋没している。これにより、モジュールケース20の剛性を高めることができる。接続部材30は、たとえば、接続部材30の一部を覆うように樹脂を射出成形してモジュールケース20を成型することで、周側面部22に埋没させることができる。
【0055】
接続部材30は、外部端子300と接する接続面31と、接続面31の反対に位置する埋没面32とを有している(
図4参照)。接続面31は、周側面部22の内面22aのうち外部端子300と接している部分22bとともに同一の仮想平面上に位置している。
【0056】
本実施形態において、埋没面32は、その全面がモジュールケース20と接しているため、外部に露出していない。しかしながら、モジュールケース20に形成された孔部を介して、埋没面32の一部がモジュールケース20の外側に露出してもよい。
【0057】
接続部材30は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からなる。接続部材30は、外部端子300(第2端子部320)と溶接などにより接合されていてもよいし、接合されていなくてもよい。
【0058】
本実施形態において、複数の蓄電セル10は、第3蓄電セル10Cをさらに含んでいる。また、1以上の接続部材30は、第1接続部材30Aとは異なる第2接続部材30Bをさらに含んでいる。
【0059】
第3蓄電セル10Cは、第1蓄電セル10Aから見て第2蓄電セル10B側とは反対側に位置している。第3蓄電セル10Cは、第1蓄電セル10Aと隣り合っている。第2接続部材30Bは、第1蓄電セル10Aの他の外部端子300(第2端子部320)上、かつ、第3蓄電セル10Cの外部端子300(第2端子部320)上に配置されている。
【0060】
本実施形態においては、第1接続部材30Aおよび第2接続部材30Bのいずれもが、周側面部22の内面22a側に設けられている。本実施形態においては、全ての接続部材30が、周側面部22の内面22a側に設けられている。
【0061】
上述のように、本開示の一実施形態に係る蓄電モジュール1は、複数の蓄電セル10と、モジュールケース20と、接続部材30とを備えている。蓄電セル10は、第1方向D1に並んでいる。モジュールケース20は、複数の蓄電セル10を収容している。接続部材30は、複数の蓄電セル10同士を互いに電気的に接続している。複数の蓄電セル10の各々は、電極体100と、セルケース200と、外部端子300とを有している。セルケース200は、電極体100を収容している。外部端子300は、電極体100と電気的に接続され、セルケース200の外側に配置され、かつ、第1方向D1に直交する第2方向D2においてセルケース200と並んでいる。モジュールケース20は、底面部21と、周側面部22とを有している。底面部21は、第1方向D1および第2方向D2の両方に直交する第3方向D3において複数の蓄電セル10と並んでいる。周側面部22は、底面部21から第3方向D3に起立し、複数の蓄電セル10を取り囲んでいる。接続部材30は、複数の蓄電セル10のうち互いに隣り合う蓄電セル10の各々の外部端子300と接している。接続部材30の少なくとも一部は、周側面部22に埋没している。
【0062】
上記の構成によれば、接続部材30の少なくとも一部が周側面部22に埋没していることで、蓄電セル10の外部端子300に対して、接続部材30の位置合わせが容易となる。ひいては、組立容易な蓄電モジュール1を提供できる。
【0063】
また、外部端子300は、周側面部22にさらに接している。当該構成によれば、モジュールケース20に対して蓄電セル10がより強固に固定され得る。
【0064】
また、接続部材30は、外部端子300と接する接続面31と、該接続面31の反対に位置する埋没面32とを有している。接続面31は、周側面部22の内面22aのうち外部端子300と接している部分22bとともに同一の仮想平面上に位置している。
【0065】
上記の構成によれば、複数の蓄電セル10をより容易にモジュールケース20に収容しやすくなる。たとえば、
図6に示すように、底面部21側とは反対側から、蓄電セル10をモジュールケース20に収容する場合には、接続部材30が、第3方向D3において蓄電セル10と意図しない接触をする機会を低減できる。
【0066】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1 蓄電モジュール、10 蓄電セル、10A 第1蓄電セル、10B 第2蓄電セル、10C 第3蓄電セル、20 モジュールケース、21 底面部、22 周側面部、30 接続部材、30A 第1接続部材、30B 第2接続部材、31 接続面、32 埋没面、40 スペーサ、100 電極体、110 正極電極、112 正極集電箔、112p 正極タブ、114 正極活物質層、120 負極電極、122 負極集電箔、122n 負極タブ、124 負極活物質層、130 セパレータ、132a 介在部、132b 上折返し部、132c 下折返し部、132d 最外被覆部、132e 終端、200 セルケース、210 ケース本体、212 底壁、214 周壁、220 蓋、222 圧力解放弁、224 封止部材、300 外部端子、310 第1端子部、320 第2端子部、400 連結部材、410 集電タブ、412 側方部、414 上方部、420 サブタブ、422 一端部、424 他端部、430 連結ピン、500 絶縁部材、510 上絶縁部、515 横絶縁部、520 絶縁部、530 絶縁筒、540 絶縁板、h 注液口。