(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005777
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】エレベーターシステム、制御装置、中継装置、制御装置の制御方法、中継装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20250109BHJP
B66B 1/18 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B66B1/14 E
B66B1/14 L
B66B1/18 E
B66B1/18 L
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106127
(22)【出願日】2023-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 春菜
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HC07
3F502JA09
3F502JA54
(57)【要約】
【課題】エレベーターシステムにおいて、自律移動体が通信する装置に対して、かごのドアの開閉に関するドア情報を適切に送信できるようにする。
【解決手段】エレベーターシステム1は、自律移動体4、制御装置6、及び連動装置3を備える。制御装置6は、かご5の運行を管理する。制御装置6は、情報提供部42、通信部41、及び運行制御部45を備える。情報提供部42は、かご5の運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置3に送信する。情報提供部42は、呼び登録要求に応答したかご5が乗車階Frに到着する際に、かご5のかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動体と、
第1かごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更するエレベーターシステム。
【請求項2】
自律移動体と、
複数のかごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に応答する第1かごを、前記複数のかごの中から決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを前記呼び登録要求に応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更するエレベーターシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたか否かを判定する第1ドア判定部を更に備え、
前記情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたことが前記第1ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する請求項1又は請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記連動装置は、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたか否かを判定する第2ドア判定部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、ドア開継続要求を前記制御装置に送信するドア要求部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、乗車要求を前記自律移動体に送信する乗車要求部と、
を備え、
前記自律移動体は、前記乗車要求を受信すると前記第1かごに乗るための動作を開始し、前記第1かごに乗ると乗車完了通知を前記連動装置に送信し、
前記ドア要求部は、前記乗車完了通知を受信すると、ドア開継続終了要求を前記制御装置に送信し、
前記運行制御部は、
前記ドア開継続要求を受信すると前記第1かごのドアの開放を継続し、
前記ドア開継続要求を受信してから第1時間が経過した場合及び前記第1時間が経過する前に前記ドア開継続終了要求を受信した場合に、前記第1かごのドアを閉める請求項1又は請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記情報提供部は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごが前記乗車階から前記目的階に向けて出発する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する請求項1又は請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したか否かを判定する第1ドア判定部を更に備え、
前記情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したことが前記第1ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する請求項5に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
前記情報提供部は、前記自律移動体を乗せて前記乗車階から出発した前記第1かごが前記目的階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する請求項5に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
自律移動体と、
複数のかごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体と通信する連動装置と、
前記連動装置及び前記制御装置と通信する中継装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記中継装置に送信する第1情報提供部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記中継装置を介して前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に応答する第1かごを、前記複数のかごの中から決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを前記呼び登録要求に応答させる運行制御部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを示す割当かご通知を前記中継装置に送信する割当通知部と、
を備え、
前記中継装置は、前記割当かご通知を受信すると前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信し、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供部を備えたエレベーターシステム。
【請求項9】
前記中継装置は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたか否かを判定する第3ドア判定部を更に備え、
前記第2情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたことが前記第3ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する請求項8に記載のエレベーターシステム。
【請求項10】
前記連動装置は、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたか否かを判定する第2ドア判定部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、ドア開継続要求を前記中継装置を介して前記制御装置に送信するドア要求部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、乗車要求を前記自律移動体に送信する乗車要求部と、
を備え、
前記自律移動体は、前記乗車要求を受信すると前記第1かごに乗るための動作を開始し、前記第1かごに乗ると乗車完了通知を前記連動装置に送信し、
前記ドア要求部は、前記乗車完了通知を受信すると、ドア開継続終了要求を前記中継装置を介して前記制御装置に送信し、
前記運行制御部は、
前記ドア開継続要求を受信すると前記第1かごのドアの開放を継続し、
前記ドア開継続要求を受信してから第1時間が経過した場合及び前記第1時間が経過する前に前記ドア開継続終了要求を受信した場合に、前記第1かごのドアを閉める請求項8又は請求項9に記載のエレベーターシステム。
【請求項11】
前記第2情報提供部は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごが前記乗車階から前記目的階に向けて出発する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する請求項8に記載のエレベーターシステム。
【請求項12】
前記中継装置は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したか否かを判定する第3ドア判定部を更に備え、
前記第2情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したことが前記第3ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する請求項11に記載のエレベーターシステム。
【請求項13】
前記第2情報提供部は、前記自律移動体を乗せて前記乗車階から出発した前記第1かごが前記目的階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する請求項11又は請求項12に記載のエレベーターシステム。
【請求項14】
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置であって、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する制御装置。
【請求項15】
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置であって、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する中継装置。
【請求項16】
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置の制御方法であって、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供ステップと、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信ステップと、
前記通信ステップで受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御ステップと、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、
を備えた制御装置の制御方法。
【請求項17】
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置の制御方法であって、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信ステップと、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供ステップと、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、
を備えた中継装置の制御方法。
【請求項18】
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理するコンピュータに、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供処理と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御処理と、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項19】
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能なコンピュータに、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信処理と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供処理と、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターシステム、制御装置、中継装置、制御装置の制御方法、中継装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エレベーターシステムが記載されている。特許文献1に記載されたエレベーターシステムは、中継装置を備える。ロボットが乗るかごが決定すると、そのかごの情報が中継装置からロボットサーバに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーターシステムでは、自律移動体が通信する装置に対して、かごの情報が送信される。従来では、当該情報の送信間隔が長く、当該装置において制御が遅れることがあった。当該装置において制御に遅れが発生すると、自律移動体がかごに乗ることに失敗してしまう。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、自律移動体が通信する装置に対して、かごの情報を適切に送信できるエレベーターシステムを提供することである。本開示の他の目的は、エレベーターシステムにおいてこのような機能を実現するための制御装置、中継装置、制御装置の制御方法、中継装置の制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターシステムは、自律移動体と、第1かごの運行を管理する制御装置と、自律移動体及び制御装置と通信する連動装置と、を備える。制御装置は、第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置に送信する情報提供部と、自律移動体が第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を連動装置から受信する通信部と、通信部が受信した呼び登録要求に、第1かごを応答させる運行制御部と、を備える。情報提供部は、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する。
【0007】
本開示に係るエレベーターシステムは、自律移動体と、複数のかごの運行を管理する制御装置と、自律移動体及び制御装置と通信する連動装置と、を備える。制御装置は、複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置に送信する情報提供部と、自律移動体が複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を連動装置から受信する通信部と、通信部が受信した呼び登録要求に応答する第1かごを、複数のかごの中から決定する決定部と、決定部が決定した第1かごを呼び登録要求に応答させる運行制御部と、を備える。情報提供部は、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する。
【0008】
本開示に係るエレベーターシステムは、自律移動体と、複数のかごの運行を管理する制御装置と、自律移動体と通信する連動装置と、連動装置及び制御装置と通信する中継装置と、を備える。制御装置は、複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を中継装置に送信する第1情報提供部と、自律移動体が複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を中継装置を介して連動装置から受信する通信部と、通信部が受信した呼び登録要求に応答する第1かごを、複数のかごの中から決定する決定部と、決定部が決定した第1かごを呼び登録要求に応答させる運行制御部と、決定部が決定した第1かごを示す割当かご通知を中継装置に送信する割当通知部と、を備える。中継装置は、割当かご通知を受信すると第1かごのかご情報を第1間隔で連動装置に送信し、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供部を備える。
【0009】
本開示に係る制御装置は、自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置である。当該制御装置は、第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置に送信する情報提供部と、自律移動体が第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を連動装置から受信する通信部と、通信部が受信した呼び登録要求に、第1かごを応答させる運行制御部と、を備える。情報提供部は、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する。
【0010】
本開示に係る中継装置は、自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置である。当該中継装置は、複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を制御装置から受信する通信部と、自律移動体が複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を制御装置から受信すると、第1かごのかご情報を第1間隔で連動装置に送信する情報提供部と、を備える。情報提供部は、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する。
【0011】
本開示に係る制御装置の制御方法は、自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置の制御方法である。当該制御方法は、第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置に送信する第1情報提供ステップと、自律移動体が第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を連動装置から受信する通信ステップと、通信ステップで受信した呼び登録要求に、第1かごを応答させる運行制御ステップと、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、を備える。
【0012】
本開示に係る中継装置の制御方法は、自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置の制御方法である。当該制御方法は、複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を制御装置から受信する通信ステップと、自律移動体が複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を制御装置から受信すると、第1かごのかご情報を第1間隔で連動装置に送信する第1情報提供ステップと、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、を備える。
【0013】
本開示に係るプログラムは、自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理するコンピュータに、第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で連動装置に送信する第1情報提供処理と、自律移動体が第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を連動装置から受信する通信処理と、通信処理で受信した呼び登録要求に、第1かごを応答させる運行制御処理と、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、を実行させるためのものである。
【0014】
本開示に係るプログラムは、自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能なコンピュータに、複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を制御装置から受信する通信処理と、自律移動体が複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を制御装置から受信すると、第1かごのかご情報を第1間隔で連動装置に送信する第1情報提供処理と、呼び登録要求に応答した第1かごが乗車階に到着する際に、第1かごのかご情報の送信間隔を第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、エレベーターシステムにおいて、自律移動体が通信する装置に対して、かごの情報を適切に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターシステムの例を示す図である。
【
図2】連動装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】エレベーターシステムの全体の動作例を示すシーケンス図である。
【
図4】制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】連動装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】自律移動体の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】連動装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】S208で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1におけるエレベーターシステムの他の例を示す図である。
【
図10】エレベーターシステムの全体の動作例を示すシーケンス図である。
【
図11】制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】中継装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図13】中継装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】制御装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図15】制御装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して詳細な説明を行う。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0018】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるエレベーターシステム1の例を示す図である。エレベーターシステム1は、エレベーター装置2、連動装置3、及び自律移動体4を備える。エレベーター装置2は、かご5、及び制御装置6を備える。エレベーターシステム1は、複数の自律移動体4を備えても良い。エレベーター装置2は、複数のかご5を備えても良い。以下においては、エレベーター装置2が2台のかご5を備える例について説明する。
【0019】
エレベーターの各かご5は、建物内の複数の階に停止する。利用者は、かご5に乗って所望の階に移動することができる。各かご5は、ドア7を備える。制御装置6は、各かご5の運行を管理する。エレベーター装置2が複数のかご5を備える場合、制御装置6は、当該複数のかご5を一群として管理しても良い。
【0020】
自律移動体4は、建物内を自律的に移動可能である。一例として、自律移動体4は、清掃用のロボットである。自律移動体4は、警備用のロボットでも良い。自律移動体4は、荷物を搬送するためのロボットでも良い。自律移動体4は、建物内で他の役割を果たすロボットでも良い。自律移動体4は、かご5に乗って所望の階に移動することができる。
【0021】
エレベーターシステム1において、自律移動体4は、利用者と一緒にかご5に乗って移動することができる。例えば、自律移動体4は、利用者が乗っているかご5に乗り込んでも良い。自律移動体4が乗っているかご5に利用者が乗り込んできても良い。エレベーターシステム1は、自律移動体4専用のかご5と利用者専用のかご5とを備えても良い。他の例として、エレベーター装置2は、自律移動体4専用のかご5のみを備えても良い。
【0022】
連動装置3は、制御装置6と双方向の通信が可能である。連動装置3は、自律移動体4と双方向の通信が可能である。自律移動体4を管理するための装置が自律移動体4とは別に備えられている場合、連動装置3は、当該装置を介して自律移動体4と通信しても良い。エレベーターシステム1では、基本的に、自律移動体4は制御装置6と直接通信しない。連動装置3は、自律移動体4と制御装置6とを仲介する。
【0023】
連動装置3は、記憶部10、通信部11、通信部12、記録部13、呼び要求部14、
第2ドア判定部15、ドア要求部16、及び乗降要求部17を備える。
【0024】
通信部11は、自律移動体4と通信するための機能である。通信部12は、制御装置6と通信するための機能である。呼び要求部14は、制御装置6に呼びの登録を要求するための機能である。ドア要求部16は、制御装置6にドア7の開放及び閉鎖等の要求を行うための機能である。乗降要求部17は、自律移動体4に乗車及び降車を要求するための機能である。具体的に、乗降要求部17には、自律移動体4に乗車を要求するための乗車要求部の機能と自律移動体4に降車を要求するための降車要求部の機能とが備えられる。即ち、乗車要求部は、乗降要求部17の一部の機能である。
【0025】
連動装置3が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。一例として、連動装置3が有する機能は、クラウドサーバで実現される。連動装置3が有する機能は、エレベーター装置2が備えられた建物内のサーバで実現されても良い。
【0026】
自律移動体4は、通信部31、情報提供部32、及び動作制御部33を備える。
【0027】
通信部31は、連動装置3と通信するための機能である。情報提供部32は、自律移動体4に関する情報を取得し、外部に提供するための機能である。以下においては、当該情報を移動体情報ともいう。一例として、移動体情報に、自律移動体4の位置座標、向き、現在階、充電の残量、状態、及びオペレーション等を示す情報が含まれる。上記状態には、例えば、移動中、待機中、充電中、エレベーター乗場待機中、エレベーター乗車動作中、エレベーター内在場中、及びエレベーター降車動作中等が含まれる。移動体情報の例は、上記に限定されない。
【0028】
動作制御部33は、自律移動体4の動作を制御するための機能である。例えば、動作制御部33が駆動機(図示せず)を制御することにより、自律移動体4は移動する。自律移動体4が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。
【0029】
制御装置6は、通信部41、情報提供部42、決定部43、割当通知部44、運行制御部45、及び第1ドア判定部46を備える。
【0030】
通信部41は、連動装置3と通信するための機能である。情報提供部42は、かご5の運行に関する情報を取得し、外部に提供するための機能である。以下においては、当該情報をかご情報ともいう。情報提供部42は、エレベーター装置2に備えられた各かご5についてかご情報を取得し、外部に提供する。一例として、かご情報に、かご5の位置、及びかご5の状態等を示す情報が含まれる。かご5の状態には、例えば、停止中、上方に移動中、及び下方に移動中等が含まれる。更に、かご情報に、ドア7の開閉に関する情報が含まれる。以下においては、当該情報をドア情報ともいう。ドア情報には、例えば、全閉、開動作中、全開、及び閉動作中等が含まれる。かご情報の例は、上記に限定されない。
【0031】
運行制御部45は、エレベーター装置2の運行を制御する。例えば、運行制御部45は、かご5の移動を制御する。運行制御部45は、ドア7の開閉を制御する。制御装置6が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。
【0032】
以下に、
図2から
図8も参照し、エレベーターシステム1の動作について詳しく説明する。
図2は、連動装置3の動作例を示すフローチャートである。
【0033】
連動装置3では、自律移動体4から移動体情報を受信したか否かが判定される(S101)。自律移動体4では、情報提供部32によって取得された移動体情報が、通信部31から定期的に連動装置3に送信される。移動体情報の内容が変更される度に、自律移動体4から移動体情報が送信されても良い。自律移動体4からの移動体情報は、連動装置3において通信部11が受信する。通信部11が移動体情報を受信すると、S101でYesと判定される。
【0034】
S101でYesと判定されると、記録部13は、通信部11によって受信された移動体情報を記憶部10に記録する(S102)。これにより、記憶部10に、移動体情報が蓄積されていく。連動装置3では、記憶部10に記憶された移動体情報に基づいて、自律移動体4の最新の状態を特定することができる。また、連動装置3では、記憶部10に記憶された移動体情報に基づいて、自律移動体4の最新の位置を特定することができる。
【0035】
次に、自律移動体4がかご5に乗って移動する時の動作について説明する。
図3は、エレベーターシステム1の全体の動作例を示すシーケンス図である。
図4は、制御装置6の動作例を示すフローチャートである。
【0036】
制御装置6では、情報提供部42が、各かご5のかご情報を特定の周期で連動装置3に送信する(S201)。情報提供部42が送信するかご情報には、ドア情報が含まれる。基本的に、情報提供部42は、エレベーター装置2に備えられた複数のかご5のそれぞれについて、かご情報を第1間隔で連動装置3に送信する。第1間隔は予め設定される。なお、S201の処理は、自律移動体4がかご5に乗って移動する時に限られるものではない。例えば、S201の処理は、自律移動体4がかご5に乗る前から常時行われる。
【0037】
図5は、連動装置3の他の動作例を示すフローチャートである。
【0038】
連動装置3では、制御装置6からかご情報を受信したか否かが判定される(S301)。制御装置6からのかご情報は、連動装置3において通信部12が受信する。通信部12がかご情報を受信すると、S301でYesと判定される。
【0039】
S301でYesと判定されると、記録部13は、通信部12によって受信されたかご情報を記憶部10に記録する(S302)。これにより、記憶部10に、ドア情報を含むかご情報が蓄積されていく。連動装置3では、記憶部10に記憶されたかご情報に基づいて、かご5の最新の位置及び状態を特定することができる。連動装置3では、記憶部10に記憶されたかご情報に基づいて、ドア7の最新の状態を特定することができる。
【0040】
図6は、自律移動体4の動作例を示すフローチャートである。自律移動体4は、かご5に乗って移動する必要がある時に、エレベーターの乗場に移動する。そして、自律移動体4は、通信部31から連動装置3に呼び出し要求を送信する(S401)。
【0041】
図7は、連動装置3の他の動作例を示すフローチャートである。連動装置3では、自律移動体4から呼び出し要求を受信したか否かが判定される(S501)。S401で自律移動体4から送信された呼び出し要求を通信部11が受信すると、S501でYesと判定される。
【0042】
S501でYesと判定されると、呼び要求部14は、通信部11がS501で受信した呼び出し要求に応じて、呼び登録要求を制御装置6に送信する(S502)。この呼び登録要求には、乗車階Fr及び目的階Fdの情報が含まれる。乗車階Frは、自律移動体4がかご5に乗る階である。目的階Fdは、自律移動体4がかご5から降りる階である。即ち、この呼び登録要求は、自律移動体4が何れかのかご5に乗って乗車階Frから目的階Fdに移動するための制御装置6に対する要求である。なお、上記何れかのかご5は、本例であれば、エレベーター装置2が備える複数のかご5のうちの1つであり、エレベーター装置2が1台のかご5しか備えていなければそのかご5である。また、乗車階Frは、例えば移動体情報に含まれる現在階を示す情報から特定されても良い。
【0043】
制御装置6では、連動装置3から呼び登録要求を受信したか否かが判定される(S202)。S502で連動装置3から送信された呼び登録要求を通信部41が受信すると、S202でYesと判定される。
【0044】
S202でYesと判定されると、決定部43は、通信部41がS202で受信した呼び登録要求に応答するかご5を決定する(S203)。本例のようにエレベーター装置2が複数のかご5を備えていれば、決定部43は、当該複数のかご5の中の1つに呼び登録要求を割り当て、応答させる。以下においては、呼び登録要求に応答するかご5を割当かご5ともいう。エレベーター装置2が1台のかご5しか備えていなければ、そのかご5が割当かご5であり、当該呼び登録要求に応答する。
【0045】
S203で決定部43が割当かご5を決定すると、割当通知部44は、割当かご通知を通信部41から連動装置3に送信する(S204)。当該割当かご通知には、決定部43が決定した割当かご5を示す情報が含まれる。
【0046】
連動装置3では、S502で呼び登録要求を送信すると、その応答として制御装置6から割当かご通知を受信したか否かが判定される(S503)。S204で制御装置6から送信された割当かご通知を通信部12が受信すると、S503でYesと判定される。S503でYesと判定されると、当該割当かご通知が通信部11から自律移動体4に送信される(S504)。
【0047】
なお、自律移動体4では、S504で連動装置3から送信された割当かご通知を通信部31が受信する。エレベーター装置2に複数のかご5が備えられている場合、動作制御部33は、割当かご5に乗るための準備を行っても良い。例えば、動作制御部33が駆動機を制御することにより、自律移動体4は、割当かご5に乗るためのドアの前に移動する。
【0048】
制御装置6では、S203で決定部43が割当かご5を決定すると、運行制御部45が割当かご5を呼び登録要求に応答させる。具体的に、呼び登録要求への応答において、運行制御部45は割当かご5を乗車階Frに移動させる(S205)。運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに停止させると、割当かご5のドア7を開ける。
【0049】
制御装置6の情報提供部42は、呼び登録要求に応答した割当かご5が乗車階Frに到着する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を短くする機能を有する。具体的に、情報提供部42は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第1間隔から第2間隔に変更する。第2間隔は、第1間隔より短い間隔である。なお、割当かご5以外のかご5に関しては、かご情報の送信間隔は第1間隔のままであり、変更されない。
【0050】
このような機能を実現するため、制御装置6では、第1切替条件が成立したか否かが判定される(S206)。第1切替条件は、かご情報の送信間隔を第1間隔から第2間隔に切り替えるための条件である。第1切替条件は、予め設定される。
【0051】
一例として、割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めると、第1切替条件が成立する。このため、第1ドア判定部46は、S206において、呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めたか否かを判定する。呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めたことが第1ドア判定部46によって判定されると、第1切替条件が成立する。即ち、S206でYesと判定される。S206でYesと判定されると、情報提供部42は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第1間隔から第2間隔に変更する(S207)。即ち、S206でYesと判定された後、割当かご5のかご情報は、第2間隔で連動装置3に送信される。
【0052】
他の例として、割当かご5が乗車階Frに停止することによって、第1切替条件が成立しても良い。
【0053】
なお、
図5に示すように、連動装置3では、通信部12によって受信されたかご情報は、記憶部10に記憶される。
【0054】
また、連動装置3では、S503で割当かご通知を受信すると、第2ドア判定部15が、呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開いたか否かを判定する(S505)。例えば、S505の判定は、記憶部10に記憶されたかご情報に基づいて行われる。割当かご5のドア7が乗車階Frで開いたことが第2ドア判定部15によって判定されると、S505でYesと判定される。
【0055】
S505でYesと判定されると、ドア要求部16は、ドア開継続要求を制御装置6に送信する(S506)。当該ドア開継続要求は、割当かご5のドア7の開放時間を、自律移動体4用に延長させるための要求である。
【0056】
また、S505でYesと判定されると、乗降要求部17は、乗車要求を自律移動体4に送信する(S507)。当該乗車要求には、割当かご5に乗ることが許可されたことを示す情報が含まれる。
【0057】
自律移動体4では、S401で呼び出し要求を送信すると、その応答として連動装置3から乗車要求を受信したか否かが判定される(S402)。S507で連動装置3から送信された乗車要求を通信部31が受信すると、S402でYesと判定される。S402でYesと判定されると、自律移動体4は、割当かご5に乗るための動作を開始し、割当かご5に乗る(S403)。即ち、動作制御部33が駆動機を制御することにより、自律移動体4は、乗車階Frの乗場から割当かご5の内部に移動する。自律移動体4が割当かご5に乗ると、乗車完了通知が通信部31から連動装置3に送信される(S404)。
【0058】
連動装置3では、S507で乗車要求を送信すると、その応答として自律移動体4から乗車完了通知を受信したか否かが判定される(S508)。S404で自律移動体4から送信された乗車完了通知を通信部11が受信すると、S508でYesと判定される。S508でYesと判定されると、ドア要求部16は、割当かご5のドア7を閉めるためのドア開継続終了要求を制御装置6に送信する(S509)。
【0059】
制御装置6では、上述したように、運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに停止させると、割当かご5のドア7を開ける。その後、制御装置6では、閉動作開始条件が成立したか否かが判定される(S208)。閉動作開始条件は、割当かご5のドア7の閉動作を開始するための条件である。閉動作開始条件は、予め設定される。
【0060】
図8は、S208で行われる処理の一例を示すフローチャートである。制御装置6では、割当かご5のドア7が全開すると、全開してから時間T1が経過したか否かが判定される(S601)。時間T1は、予め設定される。時間T1は、任意の時間である。一例として、時間T1は4秒である。割当かご5のドア7が全開してから時間T1が経過していなければ、S601でNoと判定される。
【0061】
S601でNoと判定されると、連動装置3からドア開継続要求を受信したか否かが判定される(S602)。S506で連動装置3から送信されたドア開継続要求を通信部41が受信すると、S602でYesと判定される。一方、連動装置3からドア開継続要求を受信することなく時間T1が経過すると、S601でYesと判定される。S601でYesと判定されると、閉動作開始条件が成立する(S606)。即ち、S208でYesと判定される。
【0062】
時間T1が経過する前に連動装置3からドア開継続要求を受信すると、S602でYesと判定される。S602でYesと判定されると、割当かご5のドア7の開放時間が延長される(S603)。即ち、運行制御部45は、ドア開継続要求を受信すると、時間T1が経過した後も割当かご5のドア7の開放を継続する。
【0063】
具体的に、S602でYesと判定されると、制御装置6では、ドア開継続要求を受信してから時間T2が経過したか否かが判定される(S604)。時間T2は、予め設定される。時間T2は、任意の時間である。一例として、時間T2は3分である。ドア開継続要求を受信してから時間T2が経過していなければ、S604でNoと判定される。
【0064】
S604でNoと判定されると、連動装置3からドア開継続終了要求を受信したか否かが判定される(S605)。時間T2が経過する前にS509で連動装置3から送信されたドア開継続終了要求を通信部41が受信すると、S605でYesと判定される。S605でYesと判定されると、閉動作開始条件が成立する(S606)。
【0065】
一方、連動装置3からドア開継続終了要求を受信することなく時間T2が経過すると、S604でYesと判定される。S604でYesと判定されると、閉動作開始条件が成立する(S606)。
【0066】
制御装置6では、S208でYesと判定されると、運行制御部45が割当かご5のドア7を閉め始める(S209)。
【0067】
制御装置6の情報提供部42は、自律移動体4を乗せた割当かご5が乗車階Frから目的階Fdに向けて出発する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を元に戻す機能を有する。具体的に、情報提供部42は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第2間隔から第1間隔に変更する。
【0068】
このような機能を実現するため、制御装置6では、第2切替条件が成立したか否かが判定される(S210)。第2切替条件は、かご情報の送信間隔を第2間隔から第1間隔に切り替えるための条件である。第2切替条件は、予め設定される。
【0069】
一例として、割当かご5のドア7が乗車階Frで完全に閉まると、第2切替条件が成立する。このため、第1ドア判定部46は、S210において、自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が乗車階Frで全閉したか否かを判定する。自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が乗車階Frで全閉したことが第1ドア判定部46によって判定されると、第2切替条件が成立する。即ち、S210でYesと判定される。S210でYesと判定されると、情報提供部42は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第2間隔から第1間隔に変更する(S211)。
【0070】
即ち、S206でYesと判定された後、S210でYesと判定されるまで、割当かご5のかご情報は、第2間隔で連動装置3に送信される。S210でYesと判定された後、割当かご5のかご情報は、第1間隔で連動装置3に送信される。
【0071】
他の例として、割当かご5が目的階Fdに向けて移動し始めることによって、第2切替条件が成立しても良い。他の例として、ドア開継続終了要求を通信部41が受信することによって、第2切替条件が成立しても良い。
【0072】
なお、割当かご5のドア7が全閉した後、運行制御部45は、割当かご5を目的階Fdに移動させる(S212)。上記と同様に、情報提供部42は、自律移動体4を乗せて乗車階Frから出発した割当かご5が目的階Fdに到着する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を、第1間隔から第2間隔に変更しても良い。例えば、自律移動体4を乗せて乗車階Frから出発した割当かご5のドア7が目的階Fdで開き始めたことが第1ドア判定部46によって判定されると、かご情報の送信間隔が第2間隔に変更されても良い。情報提供部42は、自律移動体4を降ろした割当かご5が目的階Fdから他の階に向けて出発する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を、第2間隔から第1間隔に変更しても良い。
【0073】
本実施の形態に示す例では、情報提供部42は、基本的に、割当かご5のかご情報を第1間隔で連動装置3に送信する。そして、情報提供部42は、呼び登録要求に応答した割当かご5が乗車階Frに到着する際に、割当かご5のかご情報の送信間隔を第1間隔から第2間隔に変更する。第2間隔は第1間隔より短い間隔である。したがって、割当かご5のかご情報は、より短い周期で連動装置3に送信されることになる。本エレベーターシステム1であれば、自律移動体4が通信する連動装置3に対して、割当かご5のドア情報を適切に送信することができる。
【0074】
即ち、連動装置3では、割当かご5の状態及びドア7の状態等をよりリアルタイムに把握することができる。したがって、連動装置3においてかご情報に基づく制御が遅れてしまうような事態を防止できる。例えば、ドア開継続要求の送信が遅れると、自律移動体4が割当かご5に乗る前に、ドア7の閉動作が開始されてしまう。本エレベーターシステム1であれば、乗車の失敗等によって自律移動体4の運用を効率的に行うことができなくなることも防止できる。
【0075】
以下に、エレベーターシステム1が採用可能な他の機能について説明する。エレベーターシステム1は、可能であれば、以下に示す複数の機能を組み合わせて採用しても良い。以下に示す例では、上述した例と相違する点についてのみ詳しく説明する。上述した例と同じ点については、その説明を省略する。
【0076】
図9は、実施の形態1におけるエレベーターシステム1の他の例を示す図である。
図9に示す例では、エレベーターシステム1は、エレベーター装置2、連動装置3、及び自律移動体4に加え、中継装置8を更に備える。
図9に示す例においても、エレベーター装置2が備えるかご5は1台でも良いし、複数台でも良い。
【0077】
図9に示す例では、制御装置6は、中継装置8を介して連動装置3と通信する。即ち、中継装置8は、制御装置6と双方向の通信が可能である。中継装置8は、連動装置3と双方向の通信が可能である。連動装置3は、自律移動体4と双方向の通信が可能である。制御装置6は、連動装置3と直接通信しない。
【0078】
この例では、連動装置3の通信部12は、中継装置8と通信する。呼び要求部14は、中継装置8を介して制御装置6に呼びの登録を要求する。ドア要求部16は、中継装置8を介して制御装置6にドア7の開放及び閉鎖等の要求を行う。また、制御装置6の通信部41は、中継装置8と通信する。即ち、通信部41は、呼び要求部14からの呼び登録要求及びドア要求部16からの各種要求を、中継装置8を介して連動装置3から受信する。割当通知部44は、割当かご通知を通信部41から中継装置8を介して連動装置3に送信する。
【0079】
中継装置8は、記憶部50、通信部51、通信部52、記録部53、情報提供部54、及び第3ドア判定部55を備える。
【0080】
通信部51は、制御装置6と通信するための機能である。通信部52は、連動装置3と通信するための機能である。情報提供部54は、特定のかご5についてかご情報を記憶部50から取得し、外部に提供するための機能である。
【0081】
中継装置8が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。一例として、中継装置8が有する機能は、エレベーター装置2が備えられた建物内のサーバで実現される。連動装置3が有する機能は、クラウドサーバで実現されても良い。
【0082】
図10は、エレベーターシステム1の全体の動作例を示すシーケンス図である。
図11は、制御装置6の動作例を示すフローチャートである。
【0083】
制御装置6では、情報提供部42が、各かご5のかご情報を特定の周期で中継装置8に送信する。例えば、情報提供部42は、エレベーター装置2に備えられた複数のかご5のそれぞれについて、ドア情報を含むかご情報を第3間隔で連動装置3に送信する(S701)。第3間隔は予め設定される。一例として、第3間隔は、第2間隔より短い間隔である。第3間隔は、第2間隔と同じ間隔でも良い。各かご5のかご情報を中継装置8に送信する処理は、基本的に常時行われる。
【0084】
図12は、中継装置8の動作例を示すフローチャートである。
【0085】
中継装置8では、制御装置6からかご情報を受信したか否かが判定される(S801)。制御装置6からのかご情報は、中継装置8において通信部51が受信する。通信部51がかご情報を受信すると、S801でYesと判定される。
【0086】
S801でYesと判定されると、記録部53は、通信部51によって受信されたかご情報を記憶部50に記録する(S802)。これにより、記憶部50には、エレベーター装置2に備えられた各かご5のかご情報が蓄積されていく。なお、当該かご情報にはドア情報が含まれる。
【0087】
図9及び
図10に示す例では、連動装置3は、
図7に示す動作と同様の動作を行う。自律移動体4は、
図6に示す動作と同様の動作を行う。例えば、連動装置3では、自律移動体4から呼び出し要求を受信したか否かが判定される(S501)。呼び要求部14は、通信部11がS501で受信した呼び出し要求に応じて、呼び登録要求を中継装置8に送信する(S502)。
【0088】
図13は、中継装置8の他の動作例を示すフローチャートである。中継装置8では、連動装置3から呼び登録要求を受信したか否かが判定される(S901)。S502で連動装置3から送信された呼び登録要求を通信部52が受信すると、S901でYesと判定される。
【0089】
S901でYesと判定されると、記録部53は、当該呼び登録要求に含まれる乗車階Fr及び目的階Fdの情報を記憶部50に記録する(S902)。また、通信部52がS901で受信した呼び登録要求は、通信部51から制御装置6に送信される(S903)。
【0090】
図11のS702からS704に示す処理は、
図4のS202からS204に示す処理と基本的に同様である。制御装置6では、S903で中継装置8から送信された呼び登録要求を通信部41が受信すると、S702でYesと判定される。
【0091】
決定部43は、通信部41がS702で受信した呼び登録要求に応答するかご5を決定する(S703)。S703で決定部43が割当かご5を決定すると、割当通知部44は、割当かご通知を通信部41から中継装置8に送信する(S704)。
【0092】
中継装置8では、S903で呼び登録要求を送信すると、その応答として制御装置6から割当かご通知を受信したか否かが判定される(S904)。S704で制御装置6から送信された割当かご通知を通信部51が受信すると、S904でYesと判定される。S904でYesと判定されると、記録部53は、当該割当かご通知に含まれる割当かご5の情報を記憶部50に記録する(S905)。例えば、記憶部50に、自律移動体4の乗車階Fr及び目的階Fdの情報が割当かご5の情報に関連付けて記憶される。また、通信部51がS904で受信した割当かご通知は、通信部52から連動装置3に送信される(S906)。
【0093】
図9及び
図10に示す例では、連動装置3にかご情報を提供する機能を中継装置8が担う。上述したように、記憶部50には、各かご5のかご情報が記憶されている。情報提供部54は、S904で通信部51が割当かご通知を制御装置6から受信すると、当該割当かご5のかご情報を第1間隔で連動装置3に送信する(S907)。なお、S904でYesと判定されるまで、情報提供部54は、かご情報を連動装置3に提供しない。S904でYesと判定されても、情報提供部54は、割当かご5以外のかご5のかご情報を連動装置3に提供しない。かご情報を提供された連動装置3では、
図5に示す処理が行われる。
【0094】
連動装置3では、S906で中継装置8から送信された割当かご通知を通信部12が受信すると、当該割当かご通知が通信部11から自律移動体4に送信される(S504)。
【0095】
制御装置6では、S703で決定部43が割当かご5を決定すると、運行制御部45が割当かご5を呼び登録要求に応答させる。具体的に、呼び登録要求への応答において、運行制御部45は割当かご5を乗車階Frに移動させる(S705)。運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに停止させると、割当かご5のドア7を開ける。
【0096】
中継装置8の情報提供部54は、呼び登録要求に応答した割当かご5が乗車階Frに到着する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を短くする機能を有する。具体的に、情報提供部54は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第1間隔から第2間隔に変更する。
【0097】
このような機能を実現するため、この例では、第1切替条件が成立したか否かの判定が中継装置8において行われる(S908)。
【0098】
一例として、割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めると、第1切替条件が成立する。このため、第3ドア判定部55は、S908において、呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めたか否かを判定する。呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開き始めたことが第3ドア判定部55によって判定されると、第1切替条件が成立する。即ち、S908でYesと判定される。S908でYesと判定されると、情報提供部54は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第1間隔から第2間隔に変更する(S909)。即ち、S908でYesと判定された後、割当かご5のかご情報は、第2間隔で連動装置3に送信される。
【0099】
情報提供部54は、記憶部50に記憶されたかご情報に基づいてS908の判定を行う。例えば、割当かご5の現在階が乗車階Frであり且つ割当かご5の走行方向が乗車階Frから目的階Fdに向かう方向である場合にドア7の状態が全閉から開動作中に切り替わると、第1切替条件が成立する。情報提供部54は、S907でかご情報の送信を開始してから一定時間が経過しても第1切替条件が成立しない場合に、かご情報の送信を停止しても良い。当該一定時間は予め設定される。
【0100】
他の例として、割当かご5が乗車階Frに停止することによって、第1切替条件が成立しても良い。
【0101】
連動装置3では、第2ドア判定部15が、呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開いたか否かを判定する(S505)。S505でYesと判定されると、ドア要求部16は、ドア開継続要求を中継装置8を介して制御装置6に送信する。即ち、S506において、ドア要求部16は、ドア開継続要求を中継装置8に送信する。中継装置8では、S506で連動装置3から送信されたドア開継続要求を通信部52が受信すると、当該ドア開継続要求が通信部51から制御装置6に送信される。
【0102】
また、S505でYesと判定されると、乗降要求部17は、乗車要求を自律移動体4に送信する(S507)。乗車要求の応答として通信部11が自律移動体4から乗車完了通知を受信すると(S508のYes)、ドア要求部16は、ドア開継続終了要求を中継装置8を介して制御装置6に送信する。即ち、ドア要求部16は、ドア開継続終了要求を中継装置8に送信する(S509)。中継装置8では、S509で連動装置3から送信されたドア開継続終了要求を通信部52が受信すると、当該ドア開継続終了要求が通信部51から制御装置6に送信される。
【0103】
図11のS706及びS707に示す処理は、
図4のS208及びS209に示す処理と基本的に同様である。制御装置6の運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに停止させると、割当かご5のドア7を開ける。その後、制御装置6では、閉動作開始条件が成立したか否かが判定される(S706)。一例として、S706では、
図8に示す動作と同様の動作が行われる。S706でYesと判定されると、運行制御部45は、割当かご5のドア7を閉め始める(S707)。
【0104】
また、中継装置8の情報提供部54は、自律移動体4を乗せた割当かご5が乗車階Frから目的階Fdに向けて出発する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を元に戻す機能を有する。具体的に、情報提供部54は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第2間隔から第1間隔に変更する。
【0105】
このような機能を実現するため、中継装置8では、第2切替条件が成立したか否かが判定される(S910)。
【0106】
一例として、割当かご5のドア7が乗車階Frで完全に閉まると、第2切替条件が成立する。このため、第3ドア判定部55は、S910において、自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が乗車階Frで全閉したか否かを判定する。自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が乗車階Frで全閉したことが第3ドア判定部55によって判定されると、第2切替条件が成立する。即ち、S910でYesと判定される。S910でYesと判定されると、情報提供部54は、割当かご5のかご情報の連動装置3への送信間隔を、第2間隔から第1間隔に変更する(S911)。
【0107】
即ち、S908でYesと判定された後、S910でYesと判定されるまで、割当かご5のかご情報は、第2間隔で連動装置3に送信される。S910でYesと判定された後、割当かご5のかご情報は、第1間隔で連動装置3に送信される。
【0108】
他の例として、割当かご5が目的階Fdに向けて移動し始めることによって、第2切替条件が成立しても良い。他の例として、ドア開継続終了要求を通信部51が受信することによって、第2切替条件が成立しても良い。
【0109】
なお、割当かご5のドア7が全閉した後、運行制御部45は、割当かご5を目的階Fdに移動させる(S708)。
【0110】
割当かご5が乗車階Frに到着する際の機能と同様に、情報提供部54は、自律移動体4を乗せて乗車階Frから出発した割当かご5が目的階Fdに到着する際に、割当かご5のかご情報を連動装置3に送信する間隔を、第1間隔から第2間隔に変更しても良い。例えば、自律移動体4を乗せて乗車階Frから出発した割当かご5のドア7が目的階Fdで開き始めたことが第3ドア判定部55によって判定されると、かご情報の送信間隔が第2間隔に変更されても良い。
【0111】
情報提供部54は、自律移動体4を降ろした割当かご5のドア7が目的階Fdで全閉したことが第3ドア判定部55によって判定されると、割当かご5のかご情報の送信を停止しても良い。中継装置8では、自律移動体4を降ろした割当かご5のドア7が目的階Fdで全閉したことが第3ドア判定部55に判定されると、S902で記録された乗車階及び目的階の情報とS905で記録された割当かご5の情報とが記憶部50から削除されても良い。当該情報の削除は、他のタイミングで行われても良い。
【0112】
この例であれば、中継装置8と連動装置3との間の通信量を削減できる。中継装置8は、エレベーター装置2が備えられた建物内に設置されることが好適である。
【0113】
上記では、連動装置3のドア要求部16からのドア開継続要求を制御装置6が受信することによって、割当かご5のドア7の開放時間が延長される例について説明した。他の例として、エレベーターシステム1が中継装置8を備えていなければ、制御装置6において、ドア7の開放時間を延長するための追加的な処理が行われても良い。例えば、自律移動体4からの呼び登録要求に応答して割当かご5が乗車階Frに停止した場合は、
図8のS601において、時間(T1+T3)が経過したか否かが判定される。時間T3は、予め設定される。
【0114】
同様に、エレベーターシステム1が中継装置8を備えていれば、中継装置8において、ドア7の開放時間を延長するための追加的な処理が行われても良い。例えば、S908でYesと判定されると、中継装置8から制御装置6に対して1回目のドア開継続要求が送信されても良い。
【0115】
図14は、制御装置6のハードウェア資源の例を示す図である。制御装置6は、ハードウェア資源として、プロセッサ61とメモリ62とを含む処理回路60を備える。処理回路60に複数のプロセッサ61が含まれても良い。処理回路60に複数のメモリ62が含まれても良い。
【0116】
本実施の形態において、符号41~46に示す各部は、制御装置6が有する機能を示す。符号41~46に示す各部の機能は、プログラムとして記述されたソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現できる。当該プログラムは、メモリ62に記憶される。制御装置6は、メモリ62に記憶されたプログラムをプロセッサ61(コンピュータ)によって実行することにより、符号41~46に示す各部の機能を実現する。
【0117】
プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、或いはDSPともいわれる。メモリ62として、半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、或いはDVDを採用しても良い。採用可能な半導体メモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、及びEEPROM等が含まれる。
【0118】
図15は、制御装置6のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図15に示す例では、制御装置6は、プロセッサ61、メモリ62、及び専用ハードウェア63を含む処理回路60を備える。
図15は、制御装置6が有する機能の一部を専用ハードウェア63によって実現する例を示す。制御装置6が有する機能の全部を専用ハードウェア63によって実現しても良い。専用ハードウェア63として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0119】
連動装置3のハードウェア資源は、
図14或いは
図15に示す例と同様である。連動装置3は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。記憶部10の機能は、当該メモリによって実現される。連動装置3は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号11~17に示す各部の機能を実現する。連動装置3は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。連動装置3については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0120】
自律移動体4のハードウェア資源は、
図14或いは
図15に示す例と同様である。自律移動体4は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。自律移動体4は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号31~33に示す各部の機能を実現する。自律移動体4は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。自律移動体4については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0121】
中継装置8のハードウェア資源は、
図14或いは
図15に示す例と同様である。中継装置8は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。記憶部50の機能は、当該メモリによって実現される。中継装置8は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号51~55に示す各部の機能を実現する。中継装置8は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。中継装置8については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0122】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
【0123】
[付記1]
自律移動体と、
第1かごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更するエレベーターシステム。
[付記2]
自律移動体と、
複数のかごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に応答する第1かごを、前記複数のかごの中から決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを前記呼び登録要求に応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更するエレベーターシステム。
[付記3]
前記制御装置は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたか否かを判定する第1ドア判定部を更に備え、
前記情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたことが前記第1ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する付記1又は付記2に記載のエレベーターシステム。
[付記4]
前記連動装置は、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたか否かを判定する第2ドア判定部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、ドア開継続要求を前記制御装置に送信するドア要求部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、乗車要求を前記自律移動体に送信する乗車要求部と、
を備え、
前記自律移動体は、前記乗車要求を受信すると前記第1かごに乗るための動作を開始し、前記第1かごに乗ると乗車完了通知を前記連動装置に送信し、
前記ドア要求部は、前記乗車完了通知を受信すると、ドア開継続終了要求を前記制御装置に送信し、
前記運行制御部は、
前記ドア開継続要求を受信すると前記第1かごのドアの開放を継続し、
前記ドア開継続要求を受信してから第1時間が経過した場合及び前記第1時間が経過する前に前記ドア開継続終了要求を受信した場合に、前記第1かごのドアを閉める付記1から付記3の何れか1つに記載のエレベーターシステム。
[付記5]
前記情報提供部は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごが前記乗車階から前記目的階に向けて出発する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する付記1から付記4の何れか1つに記載のエレベーターシステム。
[付記6]
前記制御装置は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したか否かを判定する第1ドア判定部を更に備え、
前記情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したことが前記第1ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する付記5に記載のエレベーターシステム。
[付記7]
前記情報提供部は、前記自律移動体を乗せて前記乗車階から出発した前記第1かごが前記目的階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する付記5又は付記6に記載のエレベーターシステム。
[付記8]
自律移動体と、
複数のかごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体と通信する連動装置と、
前記連動装置及び前記制御装置と通信する中継装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記中継装置に送信する第1情報提供部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記中継装置を介して前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に応答する第1かごを、前記複数のかごの中から決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを前記呼び登録要求に応答させる運行制御部と、
前記決定部が決定した前記第1かごを示す割当かご通知を前記中継装置に送信する割当通知部と、
を備え、
前記中継装置は、前記割当かご通知を受信すると前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信し、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供部を備えたエレベーターシステム。
[付記9]
前記中継装置は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたか否かを判定する第3ドア判定部を更に備え、
前記第2情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で開き始めたことが前記第3ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する付記8に記載のエレベーターシステム。
[付記10]
前記連動装置は、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたか否かを判定する第2ドア判定部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、ドア開継続要求を前記中継装置を介して前記制御装置に送信するドア要求部と、
前記第1かごのドアが前記乗車階で開いたことが前記第2ドア判定部によって判定されると、乗車要求を前記自律移動体に送信する乗車要求部と、
を備え、
前記自律移動体は、前記乗車要求を受信すると前記第1かごに乗るための動作を開始し、前記第1かごに乗ると乗車完了通知を前記連動装置に送信し、
前記ドア要求部は、前記乗車完了通知を受信すると、ドア開継続終了要求を前記中継装置を介して前記制御装置に送信し、
前記運行制御部は、
前記ドア開継続要求を受信すると前記第1かごのドアの開放を継続し、
前記ドア開継続要求を受信してから第1時間が経過した場合及び前記第1時間が経過する前に前記ドア開継続終了要求を受信した場合に、前記第1かごのドアを閉める付記8又は付記9に記載のエレベーターシステム。
[付記11]
前記第2情報提供部は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごが前記乗車階から前記目的階に向けて出発する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する付記8から付記10の何れか1つに記載のエレベーターシステム。
[付記12]
前記中継装置は、前記自律移動体を乗せた前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したか否かを判定する第3ドア判定部を更に備え、
前記第2情報提供部は、前記第1かごのドアが前記乗車階で全閉したことが前記第3ドア判定部によって判定されると、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔に変更する付記11に記載のエレベーターシステム。
[付記13]
前記第2情報提供部は、前記自律移動体を乗せて前記乗車階から出発した前記第1かごが前記目的階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第2間隔に変更する付記11又は付記12に記載のエレベーターシステム。
[付記14]
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置であって、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する制御装置。
[付記15]
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置であって、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信部と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する情報提供部と、
を備え、
前記情報提供部は、前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する中継装置。
[付記16]
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理する制御装置の制御方法であって、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供ステップと、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信ステップと、
前記通信ステップで受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御ステップと、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、
を備えた制御装置の制御方法。
[付記17]
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能な中継装置の制御方法であって、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信ステップと、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供ステップと、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供ステップと、
を備えた中継装置の制御方法。
[付記18]
自律移動体と通信する連動装置と通信可能であり、エレベーターの第1かごの運行を管理するコンピュータに、
前記第1かごの運行に関するかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供処理と、
前記自律移動体が前記第1かごに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求を前記連動装置から受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した前記呼び登録要求に、前記第1かごを応答させる運行制御処理と、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、
を実行させるためのプログラム。
[付記19]
自律移動体と通信する連動装置及びエレベーターの複数のかごの運行を管理する制御装置と通信可能なコンピュータに、
前記複数のかごのそれぞれについて、運行に関するかご情報を前記制御装置から受信する通信処理と、
前記自律移動体が前記複数のかごの1つに乗って乗車階から目的階に移動するための呼び登録要求に応答する第1かごを示す割当かご通知を前記制御装置から受信すると、前記第1かごのかご情報を第1間隔で前記連動装置に送信する第1情報提供処理と、
前記呼び登録要求に応答した前記第1かごが前記乗車階に到着する際に、前記第1かごのかご情報の送信間隔を前記第1間隔より短い第2間隔に変更する第2情報提供処理と、
を実行させるためのプログラム。
【0124】
付記3-7に記載された事項或いは相当する事項を、付記14、16、及び18のそれぞれに追加しても良い。付記9-13に記載された事項或いは相当する事項を、付記15、17、及び19のそれぞれに追加しても良い。
【符号の説明】
【0125】
1 エレベーターシステム、 2 エレベーター装置、 3 連動装置、 4 自律移動体、 5 かご、 6 制御装置、 7 ドア、 8 中継装置、 10 記憶部、 11 通信部、 12 通信部、 13 記録部、 14 呼び要求部、 15 第2ドア判定部、 16 ドア要求部、 17 乗降要求部、 31 通信部、 32 情報提供部、 33 動作制御部、 41 通信部、 42 情報提供部、 43 決定部、 44 割当通知部、 45 運行制御部、 46 第1ドア判定部、 50 記憶部、 51 通信部、 52 通信部、 53 記録部、 54 情報提供部、 55 第3ドア判定部、 60 処理回路、 61 プロセッサ、 62 メモリ、 63 専用ハードウェア