IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 太平洋セメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-塩素除去方法及び塩素除去システム 図1
  • 特開-塩素除去方法及び塩素除去システム 図2
  • 特開-塩素除去方法及び塩素除去システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025057850
(43)【公開日】2025-04-09
(54)【発明の名称】塩素除去方法及び塩素除去システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/80 20220101AFI20250402BHJP
   B09B 101/30 20220101ALN20250402BHJP
【FI】
B09B3/80 ZAB
B09B101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023167641
(22)【出願日】2023-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】新島 瞬
(72)【発明者】
【氏名】仙石 大洋
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AB06
4D004BA02
4D004CA13
4D004CA34
4D004CA40
4D004CB01
4D004CB43
4D004CC01
4D004CC03
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で、二酸化炭素含有ガスを供給するための配管に生成した付着物を除去して、該配管が閉塞することを防ぎ、安定的に塩化物含有灰から塩素成分を除去することができる塩素除去方法を提供する。
【解決手段】塩化物含有灰から塩素を除去するための方法であって、塩化物含有灰と水を混合して、第一のスラリーを得るスラリー調製工程と、第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給するための炭酸ガス供給路を用いて、第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素成分を水に浸出させて、第二のスラリーを得る炭酸ガス供給工程と、炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する付着物除去工程、を含む塩素除去方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化物含有灰から塩素を除去するための方法であって、
上記塩化物含有灰と水を混合して、第一のスラリーを得るスラリー調製工程と、
上記第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給するための炭酸ガス供給路を用いて、上記第一のスラリー内に上記二酸化炭素含有ガスを供給することで、上記塩化物含有灰に含まれる塩素成分を上記水に浸出させて、第二のスラリーを得る炭酸ガス供給工程と、
上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、上記炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する付着物除去工程、
を含むことを特徴とする塩素除去方法。
【請求項2】
固液分離装置を用いて、上記第二のスラリーに対して固液分離を行い、上記塩化物含有灰から上記塩素成分を除去処理してなる固形分、及び、上記塩素成分を含む水を得る固液分離工程を含む請求項1に記載の塩素除去方法。
【請求項3】
上記固液分離装置を、酸性の洗浄液を用いて洗浄する洗浄工程と、
上記固液分離装置の洗浄に用いた上記洗浄液を、廃洗浄液として回収する廃洗浄液回収工程を含み、
上記付着物除去工程において、上記酸性溶液の少なくとも一部として、上記廃洗浄液を用いる請求項2に記載の塩素除去方法。
【請求項4】
上記付着物除去工程において、上記酸性溶液の流通を、上記炭酸ガス供給路の出口の閉塞の程度、上記二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量、及び上記二酸化炭素含有ガスの圧力の中から選ばれる少なくとも1種以上に基いて調整する請求項1に記載の塩素除去方法。
【請求項5】
上記二酸化炭素含有ガスとして排ガスを用いる請求項1に記載の塩素除去方法。
【請求項6】
塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去システムであって、
上記塩素除去システムが、上記塩化物含有灰及び水を含む第一のスラリーを収容するためのスラリー槽と、
上記第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、上記塩化物含有灰に含まれる塩素成分を上記水に浸出させて、第二のスラリーを得るための炭酸ガス供給路と、
上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、上記炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去するための酸性溶液供給装置を含むことを特徴とする塩素除去システム。
【請求項7】
上記第二のスラリーに対して固液分離を行い、上記塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分、及び、上記塩素成分を含む水を得るための固液分離装置を含む請求項6に記載の塩素除去システム。
【請求項8】
上記酸性溶液供給装置が、上記固液分離装置の洗浄に用いた酸性の洗浄液を、廃洗浄液として貯留するための廃洗浄液貯留槽と、
上記廃洗浄液貯留槽から、上記廃洗浄液を上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に供給するための酸性溶液供給路を含む請求項7に記載の塩素除去システム。
【請求項9】
上記固液分離装置を洗浄するための酸性の洗浄液を貯留するための洗浄液貯留槽と、上記固液分離装置に上記酸性の洗浄液を供給するための洗浄液供給路を有する洗浄装置を含む請求項8に記載の塩素除去システム。
【請求項10】
上記廃洗浄液を上記洗浄液貯留槽に供給するための廃洗浄液供給路を含む請求項9に記載の塩素除去システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去方法及び塩素除去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般廃棄物又は産業廃棄物のごみ等を焼却する際に発生する焼却灰、及び、セメント製造工場から発生するクリンカダスト等は、廃棄物の資源化や環境保護の観点から、セメント原料として有効に再利用されている。
一方、焼却灰やクリンカダスト等には塩素が含まれている場合がある。塩素はセメントの品質の低下や、セメントの製造装置の正常運転の妨げになるため、塩素を含む焼却灰等の塩化物含有灰をセメントの原料として使用する前に、上記塩化物含有灰に対して脱塩処理を行う必要がある。
ここで、塩化物含有灰中の塩素は、水に可溶性の塩素(例えば、塩化カルシウム、塩化カリウム等)、又は、水に難溶性の塩素(例えば、フリーデル氏塩等)として存在している。
塩素含有灰から効率的に水に可溶性及び難溶性の塩素を除去することが可能になる方法として、特許文献1には、塩素含有灰に水を加えて撹拌洗浄する洗浄工程と、この洗浄工程を経た灰スラリーに高分子凝集剤を加えて沈降分離する灰スラリーの濃縮工程と、この濃縮工程から排出された灰の濃縮スラリーを真空ベルトフィルターによって脱水する第1の脱水工程と、この脱水工程から排出された灰の脱水ケーキを水で分散して二酸化炭素含有ガスを加えるとともに加温する高度脱塩工程と、この高度脱塩工程を経たスラリーをフィルタープレスで脱水して洗浄灰ケーキとする第2の脱水工程とを備えることを特徴とする塩素含有灰の処理方法、が記載されている。
【0003】
また、ガス吹込口が閉塞しないので、二酸化炭素ガスを安定に吹き込むことができ、継続して脱塩効果を進めることができるシステムとして、特許文献2には、塩素含有灰が水洗浄される洗浄槽、水洗浄された塩素含有灰が脱塩処理される脱塩槽、脱塩用ガスを上記脱塩槽に供給する脱塩用ガス供給手段、および上記脱塩槽から排出された脱塩灰スラリーを洗浄する洗浄水が流れる脱水洗浄機を有し、上記脱塩用ガス供給手段は二酸化炭素貯槽および塩酸貯槽を有し、2vol%以上~50vol%以下の塩化水素と二酸化炭素ガスの混合ガスからなる脱塩用ガスが上記脱塩槽に供給され、該脱塩用ガスの吹込口周囲のスケールの析出を抑制しつつ上記塩素含有灰の脱塩処理が行われることを特徴とする塩素含有灰の脱塩システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6252653号公報
【特許文献2】特許第7234775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塩化物含有灰中の塩素を除去する目的で、塩化物含有灰を含むスラリーに二酸化炭素含有ガスを供給した場合、二酸化炭素含有ガスを供給するための配管に炭酸カルシウム等のスケール(付着物)が生成された結果、上記配管がスケールによって閉塞して、安定的な運転が困難になるという問題がある。
本発明の目的は、簡易な方法で、二酸化炭素含有ガスを供給するための配管に生成した付着物を除去して、該配管が閉塞することを防ぎ、塩化物含有灰から安定的に塩素を除去することができる塩素除去方法及び塩素除去システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、塩化物含有灰と水を混合して第一のスラリーを得る工程と、第一のスラリー内に炭酸ガス供給路を用いて二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素成分を水に浸出させる工程と、炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する工程を含む方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[10]を提供するものである。
[1] 塩化物含有灰から塩素を除去するための方法であって、上記塩化物含有灰と水を混合して、第一のスラリーを得るスラリー調製工程と、上記第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給するための炭酸ガス供給路を用いて、上記第一のスラリー内に上記二酸化炭素含有ガスを供給することで、上記塩化物含有灰に含まれる塩素成分を上記水に浸出させて、第二のスラリーを得る炭酸ガス供給工程と、上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、上記炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する付着物除去工程、を含むことを特徴とする塩素除去方法。
【0007】
[2] 固液分離装置を用いて、上記第二のスラリーに対して固液分離を行い、上記塩化物含有灰から上記塩素成分を除去処理してなる固形分、及び、上記塩素成分を含む水を得る固液分離工程を含む前記[1]に記載の塩素除去方法。
[3] 上記固液分離装置を、酸性の洗浄液を用いて洗浄する洗浄工程と、上記固液分離装置の洗浄に用いた上記洗浄液を、廃洗浄液として回収する廃洗浄液回収工程を含み、上記付着物除去工程において、上記酸性溶液の少なくとも一部として、上記廃洗浄液を用いる前記[2]に記載の塩素除去方法。
[4] 上記付着物除去工程において、上記酸性溶液の流通を、上記炭酸ガス供給路の出口の閉塞の程度、上記二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量、及び上記二酸化炭素含有ガスの圧力の中から選ばれる少なくとも1種以上に基いて調整する前記[1]~[3]のいずれかに記載の塩素除去方法。
[5] 上記二酸化炭素含有ガスとして排ガスを用いる前記[1]~[4]のいずれかに記載の塩素除去方法。
【0008】
[6] 塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去システムであって、上記塩素除去システムが、上記塩化物含有灰及び水を含む第一のスラリーを収容するためのスラリー槽と、上記第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、上記塩化物含有灰に含まれる塩素成分を上記水に浸出させて、第二のスラリーを得るための炭酸ガス供給路と、上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、上記炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去するための酸性溶液供給装置を含むことを特徴とする塩素除去システム。
[7] 上記第二のスラリーに対して固液分離を行い、上記塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分、及び、上記塩素成分を含む水を得るための固液分離装置を含む前記[6]に記載の塩素除去システム。
[8] 上記酸性溶液供給装置が、上記固液分離装置の洗浄に用いた酸性の洗浄液を、廃洗浄液として貯留するための廃洗浄液貯留槽と、上記廃洗浄液貯留槽から、上記廃洗浄液を上記炭酸ガス供給路の出口近傍内部に供給するための酸性溶液供給路を含む前記[7]に記載の塩素除去システム。
[9] 上記固液分離装置を洗浄するための酸性の洗浄液を貯留するための洗浄液貯留槽と上記固液分離装置に上記酸性の洗浄液を供給するための洗浄液供給路を有する洗浄装置を含む前記[8]に記載の塩素除去システム。
[10] 上記廃洗浄液を上記洗浄液貯留槽に供給するための廃洗浄液供給路を含む前記[9]に記載の塩素除去システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塩素除去方法及び塩素除去システムによれば、簡易な方法で、二酸化炭素含有ガスを供給するための配管に生成した付着物を除去して、該配管が閉塞することを防ぎ、塩化物含有灰から安定的に塩素を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】廃洗浄液貯留槽及び洗浄液貯留槽を含む、本発明の塩素除去システムの一例を模式的に示す図である。
図2】廃洗浄液貯留槽を含みかつ洗浄液貯留槽を含まない、本発明の塩素除去システムの一例を模式的に示す図である。
図3】廃洗浄液貯留槽及び洗浄液貯留槽を含まない、本発明の塩素除去システムの一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の塩素除去方法は、塩化物含有灰から塩素を除去するための方法であって、塩化物含有灰と水を混合して、第一のスラリーを得るスラリー調製工程と、第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給するための炭酸ガス供給路を用いて、第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素成分を水に浸出させて、第二のスラリーを得る炭酸ガス供給工程と、炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する付着物除去工程を含むものである。
以下、工程ごとに詳しく説明する。
【0012】
[スラリー調製工程]
本工程は、塩化物含有灰と水を混合して、第一のスラリー(塩化物含有灰及び水を含むスラリー:炭酸化処理前のスラリー)を得る工程である。
本発明の処理の対象となる塩化物含有灰の例としては、一般廃棄物又は産業廃棄物等を燃焼させた際に、焼却施設の炉底等から排出される焼却灰、並びに、一般廃棄物又は産業廃棄物等を燃焼させた際に発生する排ガス中の煤塵等であって塩化物を含むものが挙げられる。
焼却灰の具体例としては、都市ゴミ焼却灰、汚泥焼却灰、及び鶏糞焼却灰等が挙げられる。煤塵の具体例としては、セメント工場で発生するクリンカダスト等が挙げられる。
塩化物含有灰100質量部に対する水の量は、好ましくは100~500質量部、より好ましくは120~450質量部、特に好ましくは150~400質量部である。上記量が100質量部以上であれば、より容易に塩化物含有灰に含まれる塩素を水に浸出させることができる。上記量が500質量部以下であれば、設備が過大になることを防ぐことができる。
【0013】
[炭酸ガス供給工程]
本工程は、スラリー調製工程で得られた第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給するための炭酸ガス供給路を用いて、第一のスラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素成分を上記水に浸出させて、第二のスラリー(塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分及び塩素成分が浸出してなる水(水溶液)を含むスラリー:炭酸化処理後のスラリー)を得る工程である。
二酸化炭素含有ガスは、上記炭酸ガス供給路を通って、スラリーの液面より下方に位置する炭酸ガス供給路の吹出し口から、スラリー内に供給される。
塩化物含有灰には、CaCl、NaCl、及びKCl等の水に可溶性の塩素成分、並びに、フリーデル氏塩等の水に難溶性の塩素成分が含まれている。
フリーデル氏塩等の難溶性の塩素成分は、水に浸出しにくいものであるが、スラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給することによって、難溶性の塩素成分を分解して、水に塩素を浸出(溶出)させることができる。
なお、二酸化炭素含有ガス(気体の形態を有する二酸化炭素(以下、「炭酸ガス」ともいう。)を含む気体)によるフリーデル氏塩の分解反応は、以下の反応式で表される。
3CaO・Al・CaCl・10HO+3CO→3CaCO+2Al(OH)+CaCl+7H
【0014】
二酸化炭素含有ガスとしては、炭酸ガスのみからなる気体であってもよいが、入手の容易性等の観点から、炭酸ガス及び他の気体(例えば、窒素)を含む気体であってもよい。
二酸化炭素含有ガス中の炭酸ガスの割合は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上、特に好ましくは90体積%以上である。該割合が5体積%以上であれば、塩化物含有灰に含まれる塩素を水に浸出させる時間を短くして、効率的に塩素を除去することができる。
二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量は、炭酸ガス供給路の形状、スラリーの量、塩化物含有灰と水の質量比等によっても異なるが、スラリー1kgに対して、好ましくは0.1~5リットル/分、より好ましくは0.5~4リットル/分、特に好ましくは0.8~3リットル/分である。上記供給量が0.1リットル/分以上であれば、塩化物含有灰に含まれる塩素を水に浸出させる時間を短くして、効率的に塩素を除去することができる。上記供給量が5リットル/分以下であれば、二酸化炭素含有ガスの過剰な供給を防ぐことができる。
【0015】
二酸化炭素含有ガスの例としては、液化炭酸ガス、排ガス、排ガスからの分離回収ガス(炭酸ガス濃度:約100体積%)等が挙げられる。
中でも、入手の容易性や、排ガスに含まれている炭酸ガスを固定化させて、排ガスに含まれる炭酸ガスの排出量を低減する観点から、排ガスが好ましい。
排ガスの例としては、セメント製造工程で発生した排ガス(炭酸ガス濃度:約20体積%)、製鉄工程において発生した排ガス(炭酸ガス濃度:約20体積%)、火力発電工程で発生した排ガス(炭酸ガス濃度:約10体積%)等が挙げられる。中でも、塩素除去後の塩化物含有灰をセメントの原料として再利用する際に発生する排ガスを利用することができる観点から、セメント製造工程で発生した排ガスが好ましい。
また、セメント製造工程で発生した排ガスとしては、セメントキルンで発生した排ガス、塩素バイパス設備で発生した排ガス等が挙げられる。
【0016】
[付着物除去工程]
本工程は、炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去する工程である。
炭酸ガス供給路を用いて、スラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給し始めた後、炭酸ガス供給路の出口(二酸化炭素含有ガスの吹出し口)近傍には、フリーデル氏塩を分解する際に生成する炭酸カルシウム等が付着物として付着する。該付着物が炭酸ガス供給路である配管(特に出口近傍の部分)を閉塞することによって、二酸化炭素含有ガスの安定的な供給が困難となる。
本工程において、炭酸ガス供給路の出口近傍内部に酸性溶液を流通させることで、炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去するとともに、炭酸ガス供給路の出口近傍の付着物の生成を抑制することができる。
【0017】
酸性溶液に含まれる酸としては、塩酸(HCl)、及び硫酸(HSO)等が挙げられる。中でも、入手の容易性等の観点から、塩酸が好ましい。
酸性溶液のpHは、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.3以下、特に好ましくは1.5以下である。上記pHが3.0以下であれば、より効率的に炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去することができる。
また、本工程において、酸性溶液の少なくとも一部として、後述する廃洗浄液を用いてもよい。
酸性溶液の流通量は、酸性溶液が炭酸ガス供給路の出口近傍内部を流通する際に、酸性溶液が炭酸ガス供給路の内壁を十分に覆うことができる程度の量であることが好ましい。
単位時間当たりの酸性溶液の流通量は、炭酸ガス供給路の形状や断面積の大きさ等によっても異なるが、例えば、二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量100体積%に対して、好ましくは1~20体積%、より好ましくは3~15体積%、特に好ましくは5~10体積%となる量である。上記量が1体積%以上となる量であれば、より効率的に炭酸ガス供給路の出口近傍に付着した付着物を除去することができる。上記量が20体積%以下であれば、酸性溶液の量が過剰になる事を防ぐことができる。
【0018】
本工程は、炭酸ガス供給工程における二酸化炭素含有ガスの供給を停止した後に行ってもよいが、通常、炭酸ガス供給工程を実施しながら(スラリー内に二酸化炭素含有ガスを供給しながら)、同時に行われる。
酸性溶液の流通は、任意に定めた時間間隔及び流通量で定期的に行ってもよいが、効率的に付着物を除去する観点から、炭酸ガス供給路出口の閉塞の程度、二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量、及び二酸化炭素含有ガスの圧力等の中から選ばれる少なくとも1種以上に基いて調整してもよい。
なお、酸性溶液の流通の調整には、酸性溶液の流通の実施の時期の調整、及び、酸性溶液の流通量の調整も含まれるものとする。
【0019】
炭酸ガス供給路出口の閉塞の程度を用いた調整とは、任意の時点で、炭酸ガス供給路出口の閉塞の程度を、閉塞率の算出又は目視によって確認し、酸性溶液の流通を調整するものである。
閉塞率は、以下の式(1)で算出することができる。
閉塞率(%)=炭酸ガス供給路出口の内径の内側部分の付着物の面積/付着物が付着していない状態の炭酸ガス供給路出口の内径の内側部分の面積×100 ・・・(1)
式(1)中、「付着物の面積」は、付着物が付着した炭酸ガス供給路出口(吹出し口)の内径の内側部分の面積のうち付着物が付着している領域の面積をいう。
例えば、炭酸ガス供給路が円筒形の場合(炭酸ガス供給路の出口が円形の場合)、「付着物が付着していない状態の炭酸ガス供給路出口の内径の内側の部分」は、「付着物が付着していない状態の炭酸ガス供給路出口の内径の内側の円形部分」を意味する。
より具体的には、上記閉塞率が任意に定めた特定の値(例えば、50%)以上である場合、酸性溶液を流通させ、上記任意に定めた特定の値(例えば、50%)未満である場合、酸性溶液を流通させないことで調整する方法等が挙げられる。
なお、本明細書中、「特定の値以上」、「特定の値未満」の各語は、特定の値(閾値)を基準にして、2つの区分に分けるために便宜上、用いたものであるので、各々、「特定の値を超える」及び「特定の値以下」の語に置き換えることができるものとする。
【0020】
二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量を用いた調整とは、例えば、付着物が付着していない状態における二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量を100%とした場合の、二酸化炭素含有ガスの単位時間当たりの供給量の割合が任意に定めた特定の値(例えば、50%)以下である場合、酸性溶液を流通させ、上記任意に定めた特定の値(例えば、50%)を超える場合、酸性溶液を流通させないことで調整する方法等が挙げられる。
二酸化炭素含有ガスの圧力を用いた調整とは、例えば、付着物が付着していない状態における二酸化炭素含有ガスの圧力の値を100%とした場合の、二酸化炭素含有ガスの圧力の値の割合が任意に定めた特定の値(例えば、150%)以上である場合、酸性溶液を流通させ、上記任意に定めた特定の値(例えば、150%)を未満である場合、酸性溶液を流通させないことで調整する方法等が挙げられる。
二酸化炭素含有ガスの圧力は、例えば、二酸化炭素含有ガス供給装置に配設された圧力計を用いて測定することができる。
【0021】
[固液分離工程]
炭酸ガス供給工程の後に、固液分離装置を用いて、第二のスラリーに対して固液分離を行い、塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分、及び、塩素成分を含む水を得る工程を行ってもよい。
固液分離装置の例としては、フィルタープレス、遠心分離機、ベルトフィルター等が挙げられる。中でも、固液分離装置の洗浄に用いた酸性の洗浄液を、付着物除去工程で用いる酸性溶液として再利用することができる観点から、フィルタープレス、ベルトフィルター等のろ布を用いた固液分離装置が好ましい。
本工程で得られた、塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分は、塩素成分の含有率の低いものであるためセメント原料等として好適に用いることができる。
【0022】
[洗浄工程]
本工程は、任意に設けられる工程であって、固液分離装置を、酸性の洗浄液を用いて洗浄する工程である。
洗浄方法の例としては、固液分離装置内に酸性の洗浄液を供給することで、固液分離装置のろ布等を洗浄する方法が挙げられる。
酸性の洗浄液としては、フィルタープレス、ベルトフィルター等のろ布の洗浄に用いられる一般的な酸性の洗浄液であればよいが、洗浄後の洗浄液(廃洗浄液)を、付着物除去工程で用いられる酸性溶液として再利用することができる観点から、上述した酸性溶液と同様のものを用いることが好ましい。
[廃洗浄液回収工程]
本工程は、洗浄工程の後に任意に設けられる工程であって、固液分離装置の洗浄に用いた洗浄液を、廃洗浄液として回収する工程である。本工程で回収された廃洗浄液を、上述した付着物除去工程で用いられる酸性溶液の少なくとも一部として再利用してもよい。
回収された廃洗浄液のpHが3.0を超える場合や、量が不十分である場合等、そのままでは上記酸性溶液として使用することが難しい場合には、廃洗浄液と他の酸性の溶液(例えば、HCl)等を適宜混合した後、上記酸性溶液として用いてもよい。
【0023】
以下、上述した塩素除去方法を行うための塩素除去システムの一例について、図1~3を参照にしながら、具体的に説明する。
図1は、廃洗浄液貯留槽7及び洗浄液貯留槽9を含む、塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去システム1を模式的に示す図である。
スラリー槽2には、塩化物含有灰及び水を含むスラリー16が収容される。スラリー16は、予め、撹拌翼等の混合手段(図示せず。)を用いて塩素含有物と水を混合して調製されたものである。調製されたスラリー(第一のスラリー:炭酸化処理前のスラリー)は、スラリー供給路13を通って、塩化物含有灰及び水を含むスラリー16を収容するためのスラリー槽2に収容される。
効率的に塩素を水に浸出させる観点から、スラリー槽2内に、撹拌翼等の混合手段(図示せず。)を設けてもよい。
また、塩素含有物と水をスラリー槽2に投入した後、撹拌翼等の混合手段(図示せず。)を用いて塩素含有物と水を混合して塩化物含有灰及び水を含むスラリー16を調製してもよい。
【0024】
スラリー槽2には、スラリー16内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素を水に浸出させて、塩化物含有灰から塩素を除去するための炭酸ガス供給路3が配設されている。炭酸ガス供給路は、通常、管状の部材である。
二酸化炭素含有ガスは、二酸化炭素含有ガス供給装置4から、炭酸ガス供給路3を通り、炭酸ガス供給路3の末端の開口口(吹出し口)から、スラリー16内に供給される。
スラリー16内に二酸化炭素含有ガスを供給することで、塩化物含有灰に含まれる塩素を水に浸出させて、第二のスラリー(炭酸処理後のスラリー)を得ることができる。
炭酸ガス供給路3は、上記開口口(吹出し口)が、スラリー16の液面より下部に位置するように配設される。
【0025】
スラリー16内に二酸化炭素含有ガスを供給することで得られた、第二のスラリー(塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分及び塩素成分が浸出してなる水を含むスラリー)は、スラリー排出路14を通って、固液分離装置6に供給される。
固液分離装置6において、第二のスラリーが、塩化物含有灰から塩素成分を除去処理してなる固形分と、塩素成分を含む水に分離される。
上記固形分は、固形分排出路15を通って排出され、セメントの原料等として再利用される。上記水は、液分排出路(図示せず。)を通って排出される。
【0026】
洗浄装置11は、固液分離装置6のろ布を洗浄するための酸性の洗浄液18を貯留するための洗浄液貯留槽9と、固液分離装置6に酸性の洗浄液18を供給するための洗浄液供給路10を有する。
ろ布に固形分が付着する等、固液分離装置の固液分離の能力が低下した場合、固液分離装置6は、洗浄液供給路10を通って供給された洗浄液を用いて適宜洗浄される。固液分離装置6の洗浄に用いた酸性の洗浄液は、廃洗浄液として廃洗浄液排出路12を通って排出(回収)された後、廃洗浄液貯留槽7に収容される。
酸性溶液供給装置5は、固液分離装置6の洗浄に用いた酸性の洗浄液を、廃洗浄液17として貯留するための廃洗浄液貯留槽7と、廃洗浄液貯留槽7から、酸性溶液の少なくとも一部として廃洗浄液17を炭酸ガス供給路3の出口近傍内部に供給するための酸性溶液供給路8を有する。
酸性溶液供給装置5は、廃洗浄液17のpHが3.0を超える場合や、廃洗浄液の量が不足した場合等に、酸性の溶液を、廃洗浄液貯留槽7及び酸性溶液供給路8の少なくともいずれか一方に供給するための供給路(図示せず。)を有していてもよい。
廃洗浄液供給路19は、酸性溶液供給路8から分枝するように配設され、酸性溶液供給路8内を流通する酸性溶液(廃洗浄液)の一部を、洗浄液貯留槽9に供給するためのものである。廃洗浄液供給路19を通って投入された廃洗浄液は、洗浄液18として使用することができる。
なお、図1において、廃洗浄液供給路19は酸性溶液供給路8から分枝しているが、酸性溶液供給路8とは別に、廃洗浄液貯留槽7から、直接洗浄液貯留槽9に廃洗浄液を投入することができるように廃洗浄液供給路を配設してもよい。また、廃洗浄液供給路19は、任意に設けられる部材である。
【0027】
図2は、廃洗浄液貯留槽107を含みかつ洗浄液貯留槽を含まない、塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去システム101を模式的に示す図である。
スラリー槽102、炭酸ガス供給路103、二酸化炭素含有ガス供給装置104、固液分離装置106、廃洗浄液排出路110、スラリー供給路111、スラリー排出路112、固形分排出路113、及び塩化物含有灰と水を含むスラリー114は、各々、図1のスラリー槽2、炭酸ガス供給路3、二酸化炭素含有ガス供給装置4、固液分離装置6、廃洗浄液排出路12、スラリー供給路13、スラリー排出路14、固形分排出路15、及び塩化物含有灰と水を含むスラリー16と同様である。
図2において、酸性溶液供給装置105は、固液分離装置106の洗浄に用いた酸性の洗浄液を、廃洗浄液115として貯留するための廃洗浄液貯留槽107と、廃洗浄液貯留槽107から、酸性溶液の少なくとも一部として廃洗浄液115を炭酸ガス供給路103の出口近傍内部に供給するための酸性溶液供給路108と、固液分離装置106に廃洗浄液115を洗浄液として供給するための洗浄液供給路109を有する。
塩素除去システム101では、酸性溶液供給装置105が、固液分離装置の洗浄装置を兼ねている。酸性溶液供給装置105は、廃洗浄液115のpHが3.0を超える場合や、廃洗浄液の量が不足した場合等に、酸性の溶液を、廃洗浄液貯留槽107及び酸性溶液供給路108の少なくともいずれか一方に供給するための供給路(図示せず。)を有していてもよい。
【0028】
図3は、廃洗浄液貯留槽及び洗浄液貯留槽を含まない、塩化物含有灰から塩素を除去するための塩素除去システム201を模式的に示す図である。
スラリー槽202、炭酸ガス供給路203、二酸化炭素含有ガス供給装置204、固液分離装置206、スラリー供給路208、スラリー排出路209、固形分排出路210、及び塩化物含有灰と水を含むスラリー212は、各々、図1のスラリー槽2、炭酸ガス供給路3、二酸化炭素含有ガス供給装置4、固液分離装置6、スラリー供給路13、スラリー排出路14、固形分排出路15、及び塩化物含有灰と水を含むスラリー16と同様である。
図3において、酸性溶液供給装置205は、酸性溶液213を貯留するための酸性溶液貯留槽211と、酸性溶液貯留槽211から、酸性溶液を炭酸ガス供給路203の出口近傍内部に供給するための酸性溶液供給路207を有する。
【実施例0029】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ごみ焼却場から発生した都市ごみ焼却灰200gと上水道水300gをビーカーに投入し、撹拌機を用いて撹拌することで、塩化物含有灰と水を含むスラリー(第一のスラリー:炭酸化処理前のスラリー)を調製した。
内径が5mmであるSUS管(ステンレス鋼管)を、該SUS管の末端部分(二酸化炭素含有ガスの吹出し口)が上記スラリーの液面より下になるように設置し、該SUS管を用い、二酸化炭素(炭酸ガス)の含有率が100体積%である二酸化炭素含有ガスを、上記スラリー内に2時間供給し、炭酸処理後のスラリー(第二のスラリー)を得た。二酸化炭素ガスの単位時間当たりの供給量は500ml/分に定めた。
二酸化炭素ガスを供給した後、SUS管を取り出して、SUS管の末端部分(吹出し口)の閉塞率を、以下の式から算出した。
閉塞率(%)=SUS管の吹出し口の内径の内側の円形部分の付着物の面積/付着物が付着していない状態のSUS管の吹出し口の内径の内側の円形部分の面積×100
閉塞率を測定後、上記SUS管を用いて、二酸化炭素ガスを供給しながら、上記SUS管内に、希塩酸(塩酸濃度5%:pH1.0以下)を35ml/分の供給量で3分間流通させた。希塩酸を流通させた後、SUS管を取り出して、SUS管の閉塞率を同様にして算出した。
また、希塩酸を流通させる前の閉塞率から希塩酸を流通させた後の閉塞率を減じた除去率を算出した。
【0030】
[実施例2]
希塩酸の代わりに、固液分離装置(フィルタープレス)のろ布を、希塩酸(塩酸濃度5%)を用いて洗浄した際に発生した廃洗浄液(pH2.0以下)を使用した以外は、実施例1と同様にしてSUS管の閉塞率等を測定した。
[比較例1]
SUS管内に、希塩酸を流通させない以外は、実施例1と同様にして、二酸化炭素ガスを供給した後のSUS管の閉塞率を算出した。
[比較例2]
希塩酸の代わりに、上水道水を使用した以外は、実施例1と同様にしてSUS管の閉塞率等を測定した。
各々の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から、実施例1~2の除去率(88~90%)は、比較例2の除去率(39%)よりも大きく、実施例1~2では、二酸化炭素含有ガスを供給するための配管に生成した付着物を除去して、該配管が閉塞することを防ぐことができることがわかる。
【符号の説明】
【0033】
1,101,201 塩素除去システム
2,102,202 スラリー槽
3,103,203 炭酸ガス供給路
4,104,204 二酸化炭素含有ガス供給装置
5,105,205 酸性溶液供給装置
6,106,206 固液分離装置
7,107 廃洗浄液貯留槽
8,108,207 酸性溶液供給路
9 洗浄液貯留槽
10,109 洗浄液供給路
11 洗浄装置
12,110 廃洗浄液排出路
13,111,208 スラリー供給路
14,112,209 スラリー排出路
15,113,210 固形分排出路
16,114,212 スラリー(塩化物含有灰と水を含むスラリー)
17,115 廃洗浄液
18 洗浄液
19 廃洗浄液供給路
211 酸性溶液貯留槽
213 酸性溶液
図1
図2
図3