(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005786
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業者情報配信システム、作業者情報配信方法、作業者情報配信プログラム及びその記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106147
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】520505353
【氏名又は名称】株式会社Panoma
(74)【代理人】
【識別番号】100122541
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 友彰
(72)【発明者】
【氏名】葭野 一恵
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】作業者情報を客に配信することにより、作業委託に対する客の心理的な抵抗感を解消することを図った情報作業者情報配信システム、作業者情報配信方法、作業者情報配信プログラム及びその記録媒体を提供する。
【解決手段】作業者情報配信システム1-1は、管理者端末2と管理サーバ3とをネットワーク100に接続し、作業者情報LMをネットワーク100に接続されたAPIサーバ8を通じて所定のクライアント端末10に配信する技術である。具体的には、メッセージデ-タMと作業者データLとに基づいて、管理サーバ3が作業者情報LMを作成し、作業者情報LMをクライアント端末10への送信要求Rと共にAPIサーバ8に送信する。APIサーバ8が、送信要求Rに従って、作業者情報LMをネットワーク100を通じてクライアント端末10に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者端末と管理サーバと配信サーバとが所定のネットワークに接続され、上記管理者端末からのメッセージと作業者データとが、作業者情報として、上記管理サーバから上記配信サーバを通じて所定のクライアントに配信される作業者情報配信システムであって、
上記管理サーバは、
上記クライアントから上記配信サーバを通じて取得したクライアントデータ又は上記管理者端末から入力されたクライアントデータを登録して記憶するためのクライアント記憶手段と、
上記管理者端末から入力された作業者データを登録して記憶するための作業者記憶手段と、
上記管理者端末から入力されたメッセージデータを登録して記憶するためのメッセージ記憶手段と、
上記クライアント記憶手段に記憶されている所定のクライアント宛の作業者データを上記作業者記憶手段から読み出すと共に当該クライアント宛のメッセージデータを上記メッセージ記憶手段から読み出して、作業者情報を作成し、当該作業者情報を上記配信サーバに送る配信制御手段と、
を備え、
上記配信サーバは、上記配信制御手段からの要求によって、上記作業者情報を上記クライアント宛に送信するものである、
ことを特徴とする作業者情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業者情報配信システムにおいて、
上記クライアント記憶手段は、クライアント登録部とクライアント記憶部とを備え、
当該クライアント登録部は、各クライアントのIDと名前とを、上記クライアントデータとして当該クライアント記憶部に記憶させる機能を有し、
上記作業者記憶手段は、作業者登録部と作業者データ記憶部とを備え、
当該作業者登録部は、各作業者のIDと氏名と業種と顔写真とを上記作業者データとして当該作業者データ記憶部に記憶させる機能を有すると共に、作業者IDとクライアントIDと日付との関連を示す作業者テーブルを作成する機能を有し、
上記メッセージ記憶手段は、メッセージ登録部とメッセージ記憶部とを備え、
当該メッセージ登録部は、各メッセージのIDとメッセージ内容とを上記メッセージデータとして当該メッセージ記憶部に記憶させる機能を有すると共に、メッセージIDとクライアントIDと日付との関連を示すメッセージテーブルを作成する機能を有し、
上記配信制御手段は、メッセージ読出部と作業者データ読出部と作業者情報作成部とを備え、
当該メッセージ読出部は、上記メッセージテーブルから所定日付のメッセージIDを抽出して、当該メッセージIDに対応するメッセージデータを上記メッセージ記憶部から読み出す機能を有し、
当該作業者データ読出部は、上記メッセージテーブルから抽出されたメッセージIDと日付とに対応した作業者IDを上記作業者テーブルから抽出して、当該作業者IDに対応する作業者データを上記作業者データ記憶部から読み出す機能を有し、
作業者情報作成部は、上記メッセージ読出部からのメッセージデータと上記作業者データ読出部からの作業者データとに基づいて、作業者情報を作成し、当該作業者情報を上記配信サーバに送信する機能を有する、
ことを特徴とする作業者情報配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の作業者情報配信システムにおいて、
上記メッセージ記憶手段のメッセージ登録部は、上記作業者テーブルの所定の作業者IDが示すクライアントID及び日付と同じクライアントID及び同じ日付を有するメッセージIDを上記メッセージテーブルから抽出して、これら作業者IDとメッセージIDとを紐づけた中間テーブルをも作成する、
ことを特徴とする作業者情報配信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の作業者情報配信システムにおいて、
上記ネットワークに接続され、上記管理者端末から制御可能で且つ上記クライアントが撮影映像を視認可能な撮影装置を工事現場に設けた、
ことを特徴とする作業者情報配信システム。
【請求項5】
所定のネットワークに接続された管理者端末と管理サーバと配信サーバとを用いて、管理者から工事依頼客へのメッセージと工事を担当する作業者のデータとを、作業者情報として、上記工事依頼客に配信するための作業者情報配信方法であって、
上記配信サーバを通じて取得した上記工事依頼客のデータ又は上記管理者端末から得た工事依頼客のデータを管理サーバに登録して記憶させる第1の工程と、
上記管理者端末から得た上記作業者のデータを管理サーバに登録して記憶させる第2の工程と、
上記管理者端末から得た工事依頼客へのメッセージのデータを管理サーバに登録して記憶させる第3の工程と、
上記作業者のデータと工事依頼客へのメッセージのデータを読み出して、作業者情報を作成する第4の工程と、
上記第4の工程で作成された作業者情報を、工事着手前に、上記配信サーバを通じて、工事依頼客に配信する第5の工程と、
を備える、
ことを特徴とする作業者情報配信方法。
【請求項6】
請求項5に記載の作業者情報配信方法において、
撮影装置を工事現場に設置して、現場の作業状況を工事期間中撮影し、その撮影映像を上記工事依頼客にライブ配信する第6の工程を設けた、
ことを特徴とする作業者情報配信方法。
【請求項7】
管理者端末と配信サーバと共に所定のネットワークに接続された管理サーバに適用可能な作業者情報配信プログラムであって、
上記配信サーバを通じて取得したクライアントデータ又は上記管理者端末から得たクライアントデータを登録して記憶する第1の処理と、
上記管理者端末から得た上記作業者データを登録して記憶する第2の処理と、
上記管理者端末から得たクライアントへのメッセージデータを登録して記憶する第3の処理と、
上記作業者データとクライアントへのメッセージデータを読み出して、作業者情報を作成する第4の処理と、
上記第4の処理で作成した作業者情報を、工事着手前に、クライアントに配信するように上記配信サーバに要求する第5の処理と
をコンピュータで実行することができる、
ことを特徴とする作業者情報配信プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の作業者情報配信プログラムがコンピュータで読み取り可能に記録されている、
ことを特徴とする作業者情報配信プログラムの記録媒体。
【請求項9】
請求項1に記載の作業者情報配信システム、請求項5に記載の作業者情報配信方法、請求項7に記載の作業者情報配信プログラム及び請求項8に記載の記録媒体のいずれかおいて、
上記配信サーバは、APIサーバである、
ことを特徴とする。
【請求項10】
請求項1に記載の作業者情報配信システム、請求項5に記載の作業者情報配信方法、請求項7に記載の作業者情報配信プログラム及び請求項8に記載の記録媒体のいずれかおいて、
上記配信サーバは、メールサーバである、
ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工事に携わる作業者に関する情報を客に配信するための作業者情報配信システム、作業者情報配信方法、作業者情報配信プログラム及びその記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、老朽化した居住空間を新築と同程度の状態に低コストで戻すことができる等の点から、事務所・店舗・住宅のインテリアリフォーム事業が、注目されている。
ところで、住宅、特に個人所有の都市部分譲マンションにおいては、40代、50代の単身女性の持ち家世帯数が、同年代の男性持家世帯数のほぼ2倍も存在する。そして、この女性単身持家世帯におけるリフォーム需要が、潜在的に非常に多い。
【0003】
しかし、リフォーム業者の多くが、男性中心の業者であることから、単身女性がこのような業者に委託することには、心理的抵抗感が強い。このため、女性単身持家世帯のリフォーム需要が、非常に多いにもかかわらず、委託成立率が低かった。
【0004】
そこで、女性スタッフが接客して、単身女性に安心感を与える安心接客対応を「売り」とするリフォーム業者が、リフォーム市場に現れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記したリフォーム業者では、接客は女性であるが、工事で室内に出入りする作業者は、男性が大半であり、現状とほとんど変わらない。つまり、工事現場では、各種の業種に多数の作業者が、客である女性の居住空間に入れ替わり立ち替わり出入りする。
このように、多数の見知らぬ男性作業者が、女性の在宅時又は留守時に拘わらず、女性の居住空間に自由に出入りすることができるシステムでは、女性接客による安心感は生じても、男性が行う現場の作業に対する女性客の心理的な抵抗感は解消することない。
【0007】
これに対して、特許文献1に記載のように、作業現場への作業者の出入り状況をできる限り透明化及び可視化して、客に安心感・信頼感を与えることを目的としたシステムが提案されている。
しかしながら、このシステムは、客が作業者の適格性を現場で知ることができるだけである。
したがって、担当する作業者がどのような容貌でどのような業種の人物かを詳しく知るには、客が、その情報が表示されている工事現場の表示部まで赴いて確認しなければならない。
つまり、客がどこにいても自由に作業者情報を知ることができるシステムではない。
特に、客が、会社等、工事現場である自宅から遠隔の地にある場合には、担当作業者の情報を確認することは困難であり、非常に不便である。まして、作業者の現場での動きや各工程の進行状況等、作業者の作業状況をリアルに視認することは、不可能である。したがって、このシステムでは、客の心理的な抵抗感をほとんど解消することはできない。
【0008】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、作業者情報を客に配信することにより、作業委託に対する客の心理的な抵抗感を解消することを図り、さらに、当該作業者の作業状況をもリアルに視認することができるようにして、心理的な抵抗感の更なる解消を図った情報作業者情報配信システム、作業者情報配信方法、作業者情報配信プログラム及びその記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の発明は、管理者端末と管理サーバと配信サーバとが所定のネットワークに接続され、管理者端末からのメッセージと作業者データとが、作業者情報として、管理サーバから配信サーバを通じて所定のクライアントに配信される作業者情報配信システムであって、管理サーバは、クライアントから配信サーバを通じて取得したクライアントデータ又は管理者端末から入力されたクライアントデータを登録して記憶するためのクライアント記憶手段と、管理者端末から入力された作業者データを登録して記憶するための作業者記憶手段と、管理者端末から入力されたメッセージデータを登録して記憶するためのメッセージ記憶手段と、クライアント記憶手段に記憶されている所定のクライアント宛の作業者データを作業者記憶手段から読み出すと共に当該クライアント宛のメッセージデータをメッセージ記憶手段から読み出して、作業者情報を作成し、当該作業者情報を配信サーバに送る配信制御手段と、を備え、配信サーバは、配信制御手段からの要求によって、作業者情報をクライアント宛に送信するものである構成とした。
【0010】
かかる構成により、管理サーバのクライアント記憶手段が、クライアントデータを記憶し、作業者記憶手段が、作業者データを記憶し、メッセージ記憶手段が、クライアントへのメッセージデータを記憶することができる。
そして、配信制御手段が、作業者記憶手段から読み出したクライアント宛の作業者データとメッセージ記憶手段から読み出したクライアント宛のメッセージデータとに基づいて、作業者情報を作成し、この作業者情報を配信サーバに送ることができる。
しかる後、配信サーバが、配信制御手段からの要求によって、作業者情報をクライアント宛に送信することができる。
つまり、当該クライアントは、配信サーバから送られてきた作業者情報によって、工事現場に入る作業者がどのような容貌でどのような業種の人物か等の情報を詳しく知ることができる。したがって、現場作業に携わる作業者に対するクライアントの心理的な抵抗感は相当低減化する。さらに、作業者情報が、配信サーバによってネットワークを通じてクライアントに配信されるので、クライアントが、どこにいても自由に作業者情報を得ることができる。特に、クライアントが、会社等、工事現場から遠隔の地にある場合に便利である。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に係る作業者情報配信システムにおいて、クライアント記憶手段は、クライアント登録部とクライアント記憶部とを備え、当該クライアント登録部は、各クライアントのIDと名前とを、クライアントデータとして当該クライアント記憶部に記憶させる機能を有し、作業者記憶手段は、作業者登録部と作業者データ記憶部とを備え、当該作業者登録部は、各作業者のIDと氏名と業種と顔写真とを作業者データとして当該作業者データ記憶部に記憶させる機能を有すると共に、作業者IDとクライアントIDと日付との関連を示す作業者テーブルを作成する機能を有し、メッセージ記憶手段は、メッセージ登録部とメッセージ記憶部とを備え、当該メッセージ登録部は、各メッセージのIDとメッセージ内容とをメッセージデータとして当該メッセージ記憶部に記憶させる機能を有すると共に、メッセージIDとクライアントIDと日付との関連を示すメッセージテーブルを作成する機能を有し、配信制御手段は、メッセージ読出部と作業者データ読出部と作業者情報作成部とを備え、当該メッセージ読出部は、メッセージテーブルから所定日付のメッセージIDを抽出して、当該メッセージIDに対応するメッセージデータをメッセージ記憶部から読み出す機能を有し、当該作業者データ読出部は、メッセージテーブルから抽出されたメッセージIDと日付とに対応した作業者IDを作業者テーブルから抽出して、当該作業者IDに対応する作業者データを作業者データ記憶部から読み出す機能を有し、作業者情報作成部は、メッセージ読出部からのメッセージデータと作業者データ読出部からの作業者データとに基づいて、作業者情報を作成し、当該作業者情報を配信サーバに送信する機能を有する構成とした。
【0012】
かかる構成により、作業者記憶手段の作業者登録部が、各作業者のIDと氏名と業種と顔写真とを、作業者データとして作業者データ記憶部に記憶させると共に、メッセージ記憶手段のメッセージ登録部が、各メッセージのIDとメッセージ内容とを、メッセージデータとしてメッセージ記憶部に記憶させることができる。
そして、配信制御手段の作業者情報作成部が、これらメッセージデータと作業者データとに基づいて、作業者情報を作成することができる。
したがって、配信制御手段で作成される作業者情報には、作業者に関する具体的で詳しい情報を含ませることができる。
この作業者情報は、配信サーバを通じてクライアントに送信されるので、この作業者情報を受け取ったクライアントは、現場作業に携わる作業者に対して、安心感と信頼感とを持つことができる。
【0013】
また、作業者記憶手段の作業者登録部は、作業者IDとクライアントIDと日付との関連を示す作業者テーブルを作成し、メッセージ記憶手段のメッセージ登録部は、メッセージIDとクライアントIDと日付との関連を示すメッセージテーブルを作成することができる。
そして、配信制御手段のメッセージ読出部が、メッセージテーブルから所定日付のメッセージIDを抽出して、当該メッセージIDに対応するメッセージデータをメッセージ記憶部から読み出し、作業者データ読出部が、メッセージテーブルから抽出されたメッセージIDと日付とに対応した作業者IDを作業者テーブルから抽出して、当該作業者IDに対応する作業者データを作業者データ記憶部から読み出すことができる。
すなわち、メッセージデータと作業者データとが、メッセージテーブルと作業者テーブルとに基づいて、読み出されるので、これらのデータの読み出しが、正確且つ迅速に行われることとなる。
したがって、以後の作業者情報の作成とクライアントへの送信を高速で行うことができる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明に係る作業者情報配信システムにおいて、メッセージ記憶手段のメッセージ登録部は、作業者テーブルの所定の作業者IDが示すクライアントID及び日付と同じクライアントID及び同じ日付を有するメッセージIDをメッセージテーブルから抽出して、これら作業者IDとメッセージIDとを紐づけた中間テーブルをも作成する構成とした。
【0015】
かかる構成により、メッセージデータと作業者データとの読み出しを、作業者IDとメッセージIDとを紐づけた中間テーブルで行う構成であるので、より一層の高速化を図ることができる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明に係る作業者情報配信システムにおいて、ネットワークに接続され、管理者端末から制御可能で且つクライアントが撮影映像を視認可能な撮影装置を工事現場に設けた構成とする。
【0017】
かかる構成により、クライアントは、撮影装置の撮影映像によって、作業者の現場での動きや各工程の進行状況等、作業者の作業状況をリアルに視認することができる。したがって、現場の作業や作業者に対する心理的な抵抗感はほとんど生じない。
【0018】
第5の発明は、所定のネットワークに接続された管理者端末と管理サーバと配信サーバとを用いて、管理者から工事依頼客へのメッセージと工事を担当する作業者のデータとを、作業者情報として、工事依頼客に配信するための作業者情報配信方法であって、配信サーバを通じて取得した工事依頼客のデータ又は管理者端末から得た工事依頼客のデータを管理サーバに登録して記憶させる第1の工程と、管理者端末から得た作業者のデータを管理サーバに登録して記憶させる第2の工程と、管理者端末から得た工事依頼客へのメッセージのデータを管理サーバに登録して記憶させる第3の工程と、作業者のデータと工事依頼客へのメッセージのデータを読み出して、作業者情報を作成する第4の工程と、第4の工程で作成された作業者情報を、工事着手前に、配信サーバを通じて、工事依頼客に配信する第5の工程とを備える構成とした。
【0019】
かかる構成により、第1の工程を実行すると、工事依頼客のデータが管理サーバに記憶され、第2の工程を実行すると、作業者のデータが管理サーバに記憶され、そして、第3の工程を実行すると、工事依頼客へのメッセージのデータが管理サーバに記憶される。
しかる後、第4の工程を実行すると、作業者のデータと工事依頼客へのメッセージのデータとが読み出されて、作業者情報が作成される。
この作業者情報は、第5の工程を実行することで、工事着手前に、配信サーバを通じて、工事依頼客に配信される。
したがって、かかる工程を実行することで、工事依頼者は、どこにいても、作業者の情報を工事着手前に自由に知ることができる。
【0020】
第6の発明は、第5の発明に係る作業者情報配信方法において、撮影装置を工事現場に設置して、現場の作業状況を工事期間中撮影し、その撮影映像を工事依頼客にライブ配信する第6の工程を設けた構成とする。
【0021】
第7の発明は、管理者端末と配信サーバと共に所定のネットワークに接続された管理サーバに適用可能な作業者情報配信プログラムであって、配信サーバを通じて取得したクライアントデータ又は管理者端末から得たクライアントデータを登録して記憶する第1の処理と、管理者端末から得た作業者データを登録して記憶する第2の処理と、管理者端末から得たクライアントへのメッセージデータを登録して記憶する第3の処理と、作業者データとクライアントへのメッセージデータを読み出して、作業者情報を作成する第4の処理と、第4の処理で作成した作業者情報を、工事着手前に、クライアントに配信するように配信サーバに要求する第5の処理とをコンピュータで実行可能である構成とした。
【0022】
かかる構成により、このプログラムを管理サーバで実行すると、第1の処理において、配信サーバを通じて取得したクライアントデータ又は管理者端末から得たクライアントデータが記憶され、第2の処理において、管理者端末から得た作業者データが記憶され、第3の処理において、管理者端末から得たクライアントへのメッセージデータが記憶される。
そして、第4の処理において、作業者データとクライアントへのメッセージデータとが読み出され、作業者情報が作成される。
しかる後、第5の処理において、管理サーバから配信サーバに要求が送られ、第4の処理で作成された作業者情報が、配信サーバからクライアントに配信される。
【0023】
第8の発明は、第7の発明に係る作業者情報配信プログラムがコンピュータで読み取り可能に記録されている構成とした。
【0024】
第9の発明は、第1の発明に係る作業者情報配信システム、第5の発明に係る作業者情報配信方法、第7の発明に係る作業者情報配信プログラム及び第8の発明に係る記録媒体のいずれかおいて、配信サーバは、API(Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インタフェース)サーバである構成とした。
【0025】
かかる構成により、管理サーバのアプリケーションと配信サーバのアプリケーションとのAPI連携が可能となるので、作業者情報を円滑に配信することができると共にそのセキュリティ性も向上させることができる。
【0026】
第10の発明は、第1の発明に係る作業者情報配信システム、第5の発明に係る作業者情報配信方法、第7の発明に係る作業者情報配信プログラム及び第8の発明に係る記録媒体のいずれかおいて、配信サーバは、メールサーバである構成とした。
【発明の効果】
【0027】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、現場作業に携わる作業者の情報が、クライアントに前もって配信されるので、作業者に対するクライアントの心理的な抵抗感を解消することができる、という効果がある。また、作業者情報の配信がネットワークを通じて行われるので、クライアントが、どこにいても自由に作業者情報を得ることができるので、極めて便利である。
【0028】
特に、第2の発明によれば、データの読み出しを、テーブルを介して正確且つ迅速に行うことができる。この結果、クライアントへの作業者情報の送信を高速で行うことができる、という効果がある。さらに、第3の発明によれば、より一層の高速化が可能である。
【0029】
また、第4の発明及び第6の発明によれば、撮影装置の撮影映像によって、作業者の現場での動きや各工程の進行状況等、作業者の作業状況を、クライアントにリアルに視認させることができるので、現場の作業や作業者に対するクライアントの心理的な抵抗感をほぼ確実に解消することができる、という効果がある。
【0030】
さらに、第9の発明によれば、作業者情報を円滑に配信することができると共にそのセキュリティ性も向上させることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】この発明の第1実施例に係る作業者情報配信システムの全体構成図である。
【
図2】第1実施例における管理サーバと他の機器との接続関係を示すブロック図である。
【
図10】クライアント登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第1の工程及び作業者情報配信プログラムの第1の処理を示す。
【
図11】作業者登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第2の工程及び作業者情報配信プログラムの第2の処理を示す。
【
図12】メッセージデータ登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第3の工程及び作業者情報配信プログラムの第3の処理を示す。
【
図13】作業者配信のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第4、第5の工程及び作業者情報配信プログラムの第4、第5の処理を示す。
【
図14】この発明の第2実施例に係る作業者情報配信システムの全体構成図である。
【
図15】第2実施例における管理サーバと他の機器との接続関係を示すブロック図である。
【
図16】この発明の第3実施例に係る作業者情報配信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係る作業者情報配信システムの全体構成図であり、
図2は、第1実施例における管理サーバと他の機器との接続関係を示すブロック図である。
図1に示すように、この実施例の作業者情報配信システム1-1は、ネットワーク100に接続された管理者端末2と管理サーバ3とAPIサーバ8とで構成されており、かかる構成により、管理サーバ3からの作業者情報LMが、APIサーバ8(配信サーバ)を通じて所定のクライアント端末10に配信されるようになっている。
具体的には、作業者情報LMが、管理サーバ3において、管理者端末2から受信したメッセージデ-タMと作業者データLとに基づいて作成され、この作業者情報LMがクライアント端末10への送信要求Rと共にAPIサーバ8に送信される。すると、APIサーバ8が送信要求Rに従って作動し、作業者情報LMが、ネットワーク100を通じてクライアント端末10に送信される。
以下、詳しく説明する。
【0034】
管理者端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ又はスマートフォンである。管理者端末2は、ブラウザや管理サーバ3のための専用のアプリケーションを有しており、これらのアプリケーションを用いて、管理サーバ3のアプリケーションと送受信することができる。
【0035】
管理サーバ3は、このシステムの主要をなす機器であり、
図2に示すように、クライアント記憶手段4と作業者記憶手段5とメッセージ記憶手段6と配信制御手段7とを備えている。
【0036】
クライアント記憶手段4は、APIサーバ8から取得したクライアントデータCを登録して記憶するための手段であり、クライアント登録部41とクライアント記憶部42とを有している。
図3は、クライアントデータCを示す表図である。
クライアント登録部41は、各クライアントの「ID」と「名前」とを有するクライアントデータCを、APIサーバ8からその都度取得して、クライアント記憶部42に順次記憶させる機能を有している。これにより、
図3に示すように、複数のクライアントのクライアントデータCがクライアント記憶部42に蓄積される。
クライアント記憶部42に蓄積されたこれらのクライアントデータCは、管理者端末2からクライアント登録部41を通じて視認することができるようになっている。
【0037】
なお、この実施例では、クライアント情報として、名前のみを登録することとしているが、これに限定されるものではない。名前だけでなく、住所等、他の情報もクライアント情報として登録することができる。
また、この実施例では、クライアントデータCをAPIサーバ8からのみ取得する構成にしたが、クライアントデータCを管理者端末2から管理サーバ3のクライアント登録部41に直接入力することができるようにしてもよい。
【0038】
作業者記憶手段5は、管理者端末2から入力された作業者データLを登録して記憶するため手段であり、作業者登録部51と作業者データ記憶部52とを有している。
図4は、作業者データLを示す表図であり、
図5は、作業者テーブルT1を示す表図である。
作業者登録部51は、各作業者の「ID」と「氏名」と「業種」と「会社名」と「顔写真」とを有する作業者データLを、管理者端末2からその都度取得して、作業者データ記憶部52に順次記憶させる機能を有している。これにより、
図4に示すように、複数の作業者の作業者データLが作業者データ記憶部52に蓄積されることとなる。なお、「業種」の名称は、任意であるが、建設業法で分類されている業種区分名称から選択することが好ましい。
作業者データ記憶部52に蓄積されたこれらの作業者データLは、管理者端末2から作業者登録部51を通じて視認することができるようになっている。
【0039】
さらに、作業者登録部51は、クライアントIDと担当作業者の作業者IDと作業月日と示す情報が管理者端末2から送られてくると、これら作業者IDとクライアントIDと日付とを組とする作業者テーブルT1を作成して作業者データ記憶部52に格納する機能も有している。
作業者テーブルT1は、新しいクライアントIDと業者IDと作業月日とを示す情報が管理者端末2から送られてくる都度に、更新される。したがって、一定期間経過すると、
図5に示すように、複数組の作業者IDとクライアントIDと日付とが作業者テーブルT1に書き込まれることとなる。
この作業者テーブルT1は、管理者端末2から作業者登録部51を通じて視認することができるようになっている。
【0040】
メッセージ記憶手段6は、管理者端末2から入力されたメッセージデ-タMを登録して記憶するための手段であり、メッセージ登録部61とメッセージ記憶部62とを有している。
図6は、メッセージデ-タMを示す表図であり、
図7は、メッセージテーブルT2を示す表図であり、
図8は、中間テーブルT3を示す表図である。
メッセージ登録部61は、各メッセージの「ID」と「メッセージ内容」とを有するメッセージデ-タMを、管理者端末2からその都度取得して、メッセージ記憶部62に順次記憶させる機能を有している。
これにより、
図6に示すように、複数のメッセージデ-タMがメッセージ記憶部62に蓄積されることとなる。
メッセージ記憶部62に蓄積されたこれらのメッセージデ-タMは、管理者端末2からメッセージ登録部61を通じて視認することができるようになっている。
【0041】
また、メッセージ登録部61は、クライアントIDとメッセージIDと作業月日とを示す情報が管理者端末2から送られてくると、これらメッセージIDとクライアントIDと日付とを組とするメッセージテーブルT2を作成してメッセージ記憶部62に格納する機能も有している。
メッセージテーブルT2は、新しいクライアントIDとメッセージIDと作業月日とを示す情報が管理者端末2から送られてくる都度に、更新されるので、一定期間経過すると、
図7に示すように、複数組のメッセージIDとクライアントIDと日付とがメッセージテーブルT2に書き込まれることとなる。
【0042】
さらに、このメッセージ登録部61は、作業者テーブルT1とメッセージテーブルT2とに基づいて、同じ「クライアントID及び日付」を有する作業者IDとメッセージIDとを紐づけた中間テーブルT3を作成する機能を有する。
例えば、
図5及び
図7に示すように、作業者テーブルT1の作業者ID「L1」に対応する「クライアントID及び日付」は、「ABCD~及び5月1日」であり、そして、メッセージテーブルT2のメッセージID「M1」に対応する「クライアントID及び日付」も「ABCD~及び5月1日」であるので、
図8に示すように、作業者ID「L1」とメッセージID「M1」が中間テーブルT3において紐付けされる。その他の作業者IDとメッセージIDも同様に紐付けされる。
この中間テーブルT3及びメッセージテーブルT2は、管理者端末2からメッセージ登録部61を通じて視認することができるようになっている。
【0043】
配信制御手段7は、所定のクライアント宛の作業者データLを作業者記憶手段5から読み出すと共にクライアント宛のメッセージデ-タMをメッセージ記憶手段6から読み出して、作業者情報LMを作成し、この作業者情報LMをAPIサーバ8に送るための手段である。この配信制御手段7は、メッセージ読出部71と作業者データ読出部72と作業者情報作成部73とを有している。
【0044】
メッセージ読出部71は、メッセージ記憶手段6のメッセージ記憶部62に記憶されている特定のメッセージデ-タMを読み出す機能を有している。
具体的には、メッセージ読出部71は、メッセージ記憶部62内に格納されているメッセージテーブルT2を常時監視している。そして、当日付のメッセージIDが見つかった場合には、タイマ70が示す予定の時間に、このメッセージIDに対応するメッセージデ-タMをメッセージ記憶部62から読み出して、このメッセージデ-タMとクライアントIDとを、作業者情報作成部73に送るようになっている。
例えば、5月1日の午前8時に至ると、メッセージ読出部71は、メッセージテーブルT2に記載のメッセージID「M1」と同じメッセージID「M1」を有するメッセージデ-タM「K川様おはようございます。本日作業をする職人です。…」を、メッセージ記憶部62から読み出す。そして、このメッセージデ-タMと共にクライアントID「ABCD~」を作業者情報作成部73に送る。
また、このメッセージ読出部71は、当日のメッセージIDに紐づけられた作業者IDを中間テーブルT3から抽出する。そして、メッセージ読出部71は、この作業者IDの作業者データLを読み出すように、作業者データ読出部72に要求する。
例えば、上記例においては、当日のメッセージID「M1」に紐づけられた作業者ID「L1」を中間テーブルT3から抽出して、この作業者ID「L1」の作業者データLを読み出すように、作業者データ読出部72に要求する。
【0045】
作業者データ読出部72は、メッセージ読出部71からの要求に従って、指摘された作業者IDに対応する作業者データLを、作業者データ記憶部52から読み出して作業者情報作成部73に送る機能を有している。
例えば、上記例の場合おいては、作業者ID「L1」の作業者データL「解体工事業、A工業(株)、A山B男、顔写真」を作業者データ記憶部52から読み出して、作業者情報作成部73に送る。
【0046】
作業者情報作成部73は、メッセージ読出部71からのメッセージデ-タMと作業者データ読出部72からの作業者データLとに基づいて、作業者情報LMを作成すると共に、メッセージ読出部71からのクライアントIDに基づいて、クライアントデータCをクライアント記憶部42から読み出す機能を有している。そして、作業者情報作成部73は、作業者情報LMをクライアントデータCが示すクライアントに送るように要求する送信要求RをAPIサーバ8に送信する機能も有している。
【0047】
図9は、作業者情報LMを示す概略図である。
例えば、上記例の場合においては、
図9に示すような作業者情報LMが、作業者情報作成部73において作成される。作業者情報LMの形式は任意である。メッセージデ-タMと作業者データLとを1つの画像データ形式にしても良いし、メッセージデ-タMと作業者データLの文字部分とをテキスト形式とし、顔写真を画像データ形式にしても良い。
かかる作業者情報LMの宛先は、メッセージ読出部71からのクライアントIDに基づいて決定される。上記例では、クライアントIDが「ABCD~」であるので、クライアントデータCの「K川」が宛先となる。
【0048】
なお、上記したクライアント記憶手段4、クライアント登録部41、クライアント記憶部42、作業者記憶手段5、作業者登録部51、作業者データ記憶部52、メッセージ記憶手段6、メッセージ登録部61、メッセージ記憶部62、配信制御手段7、メッセージ読出部71、作業者データ読出部72、作業者情報作成部73等の機能ブロックは、管理サーバ3を構成する図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)とメモリとHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)等の記録媒体とをハード資源として、本願発明の作業者情報配信プログラムを実行することで、機能する。
このような作業者情報配信プログラムは、管理サーバ3で読み取り可能な記録媒体に格納することができる。記録媒体は、図示されていないが、HDD、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)やCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等、公知の全ての記録媒体である。
【0049】
APIサーバ8は、APIを装備したサーバであり、このAPIサーバ8内のAP(アプリケーション・プログラム)やDB(データベース)を、外部利用者のAPからAPIを通じて利用することができる。
このAPIサーバ8は、管理サーバ3の配信制御手段7からの要求によって、作業者情報LMをクライアント端末10に送信する配信サーバとして適用される。このため、APIサーバ8内のAPやDBには、少なくとも情報配信機能を有するAPや利用者のIDや名前等のDBが含まれる。
また、この実施例では、APIサーバ8は、クライアント端末10からの要求に対して、「Webhook」を用いて応答することもできる。
なお、APIサーバ8は、管理サーバ3の管理者の自前サーバ又は外部サーバのいずれでも適用可能であるが、この実施例では、外部サーバのAPIサーバ8を適用する。例えば、著名な「LINE API」を装備したサーバ等をAPIサーバ8として適用することができる(「LINE」はLINE株式会社の登録商標である)。
【0050】
クライアント端末10は、は、例えば、パーソナルコンピュータ又はスマートフォンである。このクライアント端末10は、APIサーバ8のAPIの利用を許可されているクライアントが操作する機器であり、ネットワーク100を通じてAPIサーバ8に接続されている。
【0051】
次に、この実施例の作業情報配信システムが示す作用及び効果について説明する。なお、この実施例の作業者情報配信システムが示す作用は、本願発明の作業者情報配信方法を具体的に実行するものである。
【0052】
図10は、クライアント登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第1の工程及び作業者情報配信プログラムの第1の処理を示す。
図1において、APIサーバ8の利用者でもあるクライアントが、居住空間のリフォーム等を管理者に依頼する場合には、クライアント端末10から管理サーバ3に自己のクライアントデータを登録する。
具体的には、
図2において、例えば、名前をクライアントからAPIサーバ8に送信する等、クライアント端末10からAPIサーバ8に要求することで、APIサーバ8が応答し、「Woebhook」が発火する(
図10のステップS1、S2)。これにより、APIサーバ8内に格納されているクライアントのクライアントIDと名前とが、クライアントデータCとして、直ちに、APIサーバ8から管理サーバ3のクライアント登録部41に送られる。
【0053】
すると、クライアントデータCが管理サーバ3のクライアント登録部41に取得され、取得されたクライアントデータCと同一のクライアントデータCがクライアント記憶部42に既に存在するか否かの判断が行われる(
図10のステップS3、S4)。
同一のクライアントデータCが存在しない場合には、クライアントデータCがクライアント記憶部42に保存される(
図10のステップS5のNO:第1の工程及び第1の処理の完了)。
【0054】
しかる後、例えば「ご登録、誠にありがとうございました。」等のメッセージをクライアント端末10に送信するように要求する送信要求R’が、クライアント登録部41からAPIサーバ8に送られる(
図10のステップS6)。また、同一のクライアントデータCが存在しない場合には、例えば「ご登録は、既にお済みです。」等のメッセージをクライアント端末10に送信するように要求する送信要求R’が、クライアント登録部41からAPIサーバ8に送られる(
図10のステップS4のYES、S6)。
そして、これらのメッセージが、APIサーバ8のAPを通じてクライアント端末10に送信される(
図10のステップS7)。
【0055】
図11は、作業者登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第2の工程及び作業者情報配信プログラムの第2の処理を示す。
リフォーム等の作業に携わることができる作業者の登録が、適時行われる。
具体的には、
図2において、各作業者の作業者データLが管理者端末2から管理サーバ3の作業者登録部51に送られてくるので、
図4に示したように、作業者データLが作業者登録部51によって作業者データ記憶部52に保存される(
図11のステップS1~S3:第2の工程及び第2の処理の完了)。
【0056】
しかる後、所定のクライアントの居住空間に対する作業月日が決まった場合には、このクライアントIDと作業者IDと作業の日付の情報が管理者端末2から作業者登録部51に送られてくる。そして、この情報を示す作業者テーブルT1(
図5参照)が、作業者登録部51において作成され、作業者データ記憶部52に保存される(
図11のステップS4~S6)。
【0057】
図12は、メッセージデータ登録のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第3の工程及び作業者情報配信プログラムの第3の処理を示す。
所定のクライアントに送るメッセージ登録が、適時行われる。
具体的には、
図2において、各クライアントへのメッセージデ-タMが管理者端末2から管理サーバ3のメッセージ登録部61に送られてくるので、
図5に示したようなメッセージデ-タMがメッセージ登録部61によってメッセージ記憶部62に保存される(
図12のステップS1~S3:第3の工程及び第3の処理の完了)。
【0058】
また、所定のクライアントの居住空間に対する作業月日が決まった場合には、このクライアントIDとメッセージデ-タMと作業の日付の情報が管理者端末2からメッセージ登録部61に送られてくる。そして、この情報を示すメッセージテーブルT2(
図7参照)がメッセージ登録部61において作成される(
図11のステップS4のYES、S5)。
メッセージテーブルT2が作成された後、このメッセージテーブルT2と作業者データ記憶部52からの作業者テーブルT1とに基づいて、中間テーブルT3(
図8参照)が作成される(
図12のステップS6)。
そして、この中間テーブルT3とメッセージテーブルT2とが、メッセージ記憶部62に保存される(
図12のステップS7)。
【0059】
図13は、作業者配信のフローチャート図であり、作業者情報配信方法の第4、第5の工程及び作業者情報配信プログラムの第4、第5の処理を示す。
メッセージテーブルT2に記載の日付の月日に至ると、作業者情報LMが作成されて、該当するクライアントに配信される。
具体的には、本日付のメッセージIDが上記メッセージテーブルT2内に存在するか否かが、メッセージ読出部71において毎日所定時刻に判断され、存在する場合には、該当メッセージIDに対応するメッセージデ-タMがメッセージ記憶部62から読み出される(
図13のステップS1のYES、S2のYES、S3)。
これとほぼ同時に、該当メッセージIDに対応する作業者IDが、中間テーブルT3に基づいて抽出される。そして、この作業者IDに対応する作業者データLの読み出し要求が、メッセージ読出部71から作業者データ読出部72に送られる。そして、作業者データ読出部72において、該当作業者データLが作業者データ記憶部52から読み出される(
図13のステップS4)。
【0060】
しかる後、メッセージ読出部71から読み出されたメッセージデ-タMと作業者データ読出部72から読み出された作業者データLとが、作業者情報作成部73に送られ、作業者情報作成部73において、作業者情報LMが作成される(
図13のステップS5:第4の工程及び第4の処理の完了)。
【0061】
そして、作業者情報LMと該当クライアントへの送信要求Rとが、APIサーバ8に送信され(
図13のステップS6:第5の処理の完了)、作業者情報LMがAPIサーバ8からネットワーク100を通じて該当クライアントのクライアント端末10に送信される(
図13のステップS7:第5の工程の完了)。
【0062】
以上のように、この実施例の作業者情報配信システムによれば、作業者に関する具体的で詳しい情報が含まれた作業者情報LMが、前もってクライアントに送られるので、クライアントは、現場作業に携わる作業者に対して、心理的な抵抗感を持つことはほとんどない。
また、実施例では、APIサーバ8を、配信サーバとして適用しているので、作業者情報LMを円滑に配信することができると共にそのセキュリティ性も確保することができる。
さらに、作業者情報LMの配信がネットワーク100を通じて行われるので、クライアントが、どこにいても自由に作業者情報LMを得ることができる。
【0063】
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図14は、この発明の第2実施例に係る作業者情報配信システムの全体構成図であり、
図15は、第2実施例における管理サーバと他の機器との接続関係を示すブロック図である。
これらの図に示すように、この実施例の作業者情報配信システム1-2では、監視カメラ9(撮影装置)が工事現場であるクライアントの居住空間110に設けられている。
具体的には、監視カメラ用端末11がネットワーク100に接続され、監視カメラ9が監視カメラ用端末11に接続されている。監視カメラ9は、クライアントの居住空間110内に配置されている。
監視カメラ9は、監視カメラ用端末11のAPによって作動する。
管理者端末2は、ネットワーク100を通じて監視カメラ用端末11にアクセすることにより、監視カメラ9のオン、オフや撮影方向等を制御することができるようになっている。
また、クライアントは、ブラウザ又は専用APによってクライアント端末10から監視カメラ用端末11にアクセスすることにより、監視カメラ9による撮影映像を見ることができるようになっている。
【0064】
かかる構成により、監視カメラ9を居住空間110に設置し、現場の作業状況を監視カメラ9により工事期間中撮影することによって、居住空間110内の撮影映像Vを監視カメラ用端末11にライブ配信することができる(本願作業者情報配信方法の第6の工程の実行)。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0065】
(実施例3)
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図16は、この発明の第3実施例に係る作業者情報配信システムを示すブロック図である。
上記第1及び第2実施例の作業者情報配信システム1-1、1-2では、配信サーバとして、APIサーバ8を適用したが、この実施例の作業者情報配信システム1-3では、
図16に示すように、配信サーバとして、メールサーバ8’を適用した。
【0066】
具体的には、メールサーバ8’が、管理者端末2、管理サーバ3及びクライアント端末10と接続されている。そして、メールサーバ8’にアクセス可能なメーラが管理者端末2とクライアント端末10とのそれぞれに設けられており、これらのメーラとメールサーバ8’とを通じて、管理者端末2とクライアント端末10との間の情報の送受信を行うことができるようになっている。
したがって、メールサーバ8’は、クライアントデータCの登録処理は行わないので、クライアントデータCの登録は、クライアントデータCを管理者端末2からクライアント記憶手段4に直接入力することにより行われる。
一方、配信制御手段7で作成された作業者情報LMは、メールサーバ8’を通じて該当クライアントのクライアント端末10にメール送信されるようになっている。
その他の構成作用及び効果は、上記第1実施例及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0067】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、配信サーバとして、APIサーバ8とメールサーバ8’とを例示したが、これに限定されない。配信制御手段7の要求によって、作業者情報LMを該当クライアントのクライアント端末10に送信することができる全てのサーバがこの発明の範囲に含まれる。
また、上記実施例では、配信制御手段7のメッセージ読出部71から読み出したメッセージデ-タMに対応する作業者データLを、中間テーブルT3を用いて迅速に抽出する構成にした。しかし、これは、中間テーブルT3を用いずに、メッセージテーブルT2のクライアントIDと日付と同一のクライアントIDと日付を有する作業者IDを、作業者テーブルT1から探し出し、しかる後、探し出した作業者IDを有する作業者データLを作業者データ記憶部52から読み出す構成の発明を除外するものではない。
【符号の説明】
【0068】
1-1~1-3…作業者情報配信システム
2…管理者端末
3…管理サーバ
4…クライアント記憶手段
5…作業者記憶手段
6…メッセージ記憶手段
7…配信制御手段
8…APIサーバ
8’…メールサーバ
9…監視カメラ
10…クライアント端末
11…監視カメラ用端末
41…クライアント登録部
42…クライアント記憶部
51…作業者登録部
52…作業者データ記憶部
61…メッセージ登録部
62…メッセージ記憶部
70…タイマ
71…メッセージ読出部
72…作業者データ読出部
73…作業者情報作成部
100…ネットワーク
110…居住空間
C…クライアントデータ
L…作業者データ
LM…作業者情報
M…メッセージデ-タ
R、R’…送信要求
T1…作業者テーブル
T2…メッセージテーブル
T3…中間テーブル
V…撮影映像