(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005797
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B60W 20/20 20160101AFI20250109BHJP
B60K 6/46 20071001ALI20250109BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20250109BHJP
B62D 51/04 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
B60W20/20
B60K6/46 ZHV
B60W10/06 900
B62D51/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106173
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳一
(72)【発明者】
【氏名】平岡 実
(72)【発明者】
【氏名】山中 之史
(72)【発明者】
【氏名】吉井 嘉一郎
(72)【発明者】
【氏名】井田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】羽澤 悠平
(72)【発明者】
【氏名】陣内 克俊
(72)【発明者】
【氏名】仁木 亮太
(72)【発明者】
【氏名】山岸 亮太
【テーマコード(参考)】
3D202
【Fターム(参考)】
3D202AA00
3D202AA07
3D202BB01
3D202CC14
3D202DD00
3D202DD18
3D202DD45
3D202EE24
(57)【要約】
【課題】屋内での作業環境の悪化を回避しながら、車体を大重量化させることなく長時間の作業が可能な作業車を提供する。
【解決手段】走行装置Bと、エンジンEと、電動モータMと、電動モータMに電力を供給するバッテリーTと、が備えられ、エンジンEは、走行装置Bへの動力の供給及びバッテリーへの充電のうちの少なくともいずれかを行い、電動モータMは、少なくとも走行装置Bに動力を供給し、エンジンEの作動が制限される領域で走行するときには、エンジンEの回転数をアイドリング回転数以下にし、電動モータMからの動力で走行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、エンジンと、電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリーと、が備えられ、
前記エンジンは、前記走行装置への動力の供給及び前記バッテリーへの充電のうちの少なくともいずれかを行い、
前記電動モータは、少なくとも前記走行装置に動力を供給し、
前記エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、前記エンジンの回転数をアイドリング回転数以下にし、前記電動モータからの動力で走行する作業車。
【請求項2】
前記エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、前記エンジンの回転数を零にする請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記エンジンの作動が制限される領域が、屋内又は前記屋内及び前記屋内と屋外との境界よりも所定距離外側に設定された制限境界の内側の領域であり、前記エンジンの作動が許可される領域が、屋外又は前記制限境界の外側の領域である請求項1に記載の作業車。
【請求項4】
前記エンジンの作動を許可する第1状態と、前記エンジンの作動を規制する第2状態とに切り換え可能である切替機構を備え、
前記切替機構は、前記屋外で走行するときには前記第1状態に切り換わり、前記屋内で走行するときには前記第2状態に切り換わる請求項3に記載の作業車。
【請求項5】
手動操作にて前記切替機構を前記第1状態と前記第2状態とに切り換え可能な切換指令手段が備えられている請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
前記バッテリーの充電状態を検出する充電状態検出手段と、
前記バッテリーが満充電状態であることを報知する満充電報知手段と、が備えられ、
前記満充電状態が報知されているときに、前記切換指令手段が操作されることにより前記切替機構が前記第1状態から前記第2状態に切り換わる請求項5に記載の作業車。
【請求項7】
前記バッテリーの充電状態を検出する充電状態検出手段が備えられ、
前記切替機構は、前記充電状態検出手段の検出情報に基づいて、前記エンジンの作動による充電に伴って前記バッテリーが満充電状態になったことを判別すると、前記第1状態から前記第2状態に切り換える請求項4に記載の作業車。
【請求項8】
車両が屋外にいるか屋内にいるかを判別する車両位置判別手段が備えられ、
前記切替機構は、前記車両位置判別手段の判別結果に基づいて、車両が屋外にいるときは前記第1状態に切り換え、車両が屋内にいるときは前記第2状態に切り換える請求項4に記載の作業車。
【請求項9】
車両が屋外から建物の扉部を通して屋内に入り込むときに、前記扉部が開状態であるか閉状態であるかを検出する開閉状態検出手段が備えられ、
前記切替機構は、前記開閉状態検出手段にて前記扉部が開状態であることを検出すると、前記扉部よりも所定距離手前側で前記第1状態から前記第2状態に切り換わる請求項4に記載の作業車。
【請求項10】
車両が傾斜姿勢状態を判別する姿勢判別手段が備えられ、
前記切替機構は、前記姿勢判別手段の判別結果に基づいて、車両が傾斜姿勢であれば前記第1状態に切り換え、車両が傾斜姿勢でなければ前記第2状態に切り換える請求項4に記載の作業車。
【請求項11】
前記電動モータの使用に伴って前記バッテリーが充電不足状態になったことを報知する充電不足報知手段が備えられている請求項1から10のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項12】
複数の前記走行装置を各別に昇降可能に車両本体に支持する支持機構を備え、
前記エンジンは、前記電動モータに代えて、あるいは、前記電動モータと協働で、前記走行装置及び前記支持機構を駆動可能である請求項1から10のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項13】
複数の前記走行装置を各別に昇降可能に車両本体に支持する支持機構を備え、
複数の前記走行装置及び複数の前記支持機構が油圧駆動式に構成され、
前記走行装置及び前記支持機構に向けて作動油を供給する作動油供給装置が備えられ、
前記電動モータが前記作動油供給装置を駆動するように構成されている請求項1から10のいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば傾斜地や凹凸のある不整地等を移動するのに適した作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記作業車として、従来では、車両本体に対して、油圧シリンダの操作により伸縮操作可能に、油圧モータにて駆動される複数の走行車輪が支持され、走行車輪の高さを変更させることにより、傾斜地等であっても車両本体の姿勢を維持しながら走行可能に構成されたものがある。そして、この作業車では、油圧供給源である油圧ポンプを駆動する駆動源としてエンジンが搭載されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、駆動源としてエンジンが搭載されているので、例えば、ビニールハウス等の建物の内部において作業走行するような場合には、排気ガスの排出によって作業環境を悪化させるという不利な面があり、屋内での使用には適していなかった。
【0005】
そこで、環境問題を考慮してエンジンに代えて駆動源として電動モータを用いることが考えられるが、電動モータにて駆動する構成であれば、電動モータが大きな電力を消費することから、バッテリーの充電量を確保することが課題となる。
【0006】
特に、上記したような不整地等を移動するのに適した作業車にあっては、山間地など充電用設備が備えられていない作業領域で作業することが多く、バッテリーの充電量が不足すると作業を行えなくなるおそれがある。一方、長時間作業が可能な大容量のバッテリーを搭載すると、車体が大型化して重量が過大となる。その結果、例えば、荷物を積載する作業車等にあっては、十分な積載量を確保できない等、の不利がある。
【0007】
このような課題を解消するために、エンジンを搭載して、エンジンによりバッテリーを充電できるようにすることが考えられる。しかし、エンジンを備える場合、屋内での作業の際にバッテリーの充電量が少なくなると、エンジンによる発電を行う必要があり、作業環境が悪化するおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、屋内での作業環境の悪化を回避しながら、車体を大重量化させることなく長時間の作業が可能な作業車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る作業車の特徴構成は、走行装置と、エンジンと、電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリーと、が備えられ、前記エンジンは、前記走行装置への動力の供給及び前記バッテリーへの充電のうちの少なくともいずれかを行い、前記電動モータは、少なくとも前記走行装置に動力を供給し、前記エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、前記エンジンの回転数をアイドリング回転数以下にし、前記電動モータからの動力で走行する点にある。
【0010】
本発明によれば、例えば、建物の内部等のようにエンジンの作動が制限される領域で走行するときには、電動モータによって走行装置を駆動して走行する。又、電動モータを駆動するバッテリーをエンジンによって充電することが可能であるから、大型の大容量のバッテリーを備えなくても、長時間にわたる作業が可能である。
【0011】
そして、エンジンの作動が制限される領域での走行においては、エンジンの回転数をアイドリング回転数以下に抑制されるので、エンジンの排気ガスの発生を少なくして、作業環境を悪化させることが少ない状態で作業を行うことが可能である。
【0012】
従って、屋内での作業環境の悪化を回避しながら、車体を大重量化させることなく長時間の作業が可能な作業車を提供できるに至った。
【0013】
本発明においては、前記エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、前記エンジンの回転数を零にすると好適である。
【0014】
本構成によれば、エンジンの排気ガスの発生を無くすことができるので、屋内での作業環境の悪化を確実に回避できる。
【0015】
本発明においては、前記エンジンの作動が制限される領域が、屋内又は前記屋内及び前記屋内と屋外との境界よりも所定距離外側に設定された制限境界の内側の領域であり、前記エンジンの作動が許可される領域が、屋外又は前記制限境界の外側の領域であると好適である。
【0016】
本構成によれば、建物の内部である屋内だけでなく、制限境界の内側の領域、例えば、建物における入口よりも所定距離外側に離れた箇所から入口までの間においても、エンジンの回転数をアイドリング回転数以下に制限される。その結果、エンジンの排ガスが建物の内部に侵入することを良好に回避し易い。
【0017】
本発明においては、前記エンジンの作動を許可する第1状態と、前記エンジンの作動を規制する第2状態とに切り換え可能である切替機構を備え、前記切替機構は、前記屋外で走行するときには前記第1状態に切り換わり、前記屋内で走行するときには前記第2状態に切り換わると好適である。
【0018】
本構成によれば、屋外においては切替機構が第1状態に切り換わるので、エンジンの作動によるバッテリーの充電を良好に行なうことができる。一方、屋内においては、切替機構が第2状態に切り換わり、エンジンの作動が規制されるので、作業環境の悪化を適切に回避させることができる。
【0019】
本発明においては、手動操作にて前記切替機構を前記第1状態と前記第2状態とに切り換え可能な切換指令手段が備えられていると好適である。
【0020】
本構成によれば、オペレータが切換指令手段を操作することにより切替機構を第1状態と第2状態とに切り換えることができる。その結果、例えば、種々の条件判別に応じて自動的に切り換える構成であれば、判別の誤差に起因して不測にエンジンが作動するおそれがあるが、本構成では、このような不利がなく、オペレータの意思に反して不測にエンジンが作動することを防止することができる。
【0021】
本発明においては、前記バッテリーの充電状態を検出する充電状態検出手段と、前記バッテリーが満充電状態であることを報知する満充電報知手段と、が備えられ、前記満充電状態が報知されているときに、前記切換指令手段が操作されることにより前記切替機構が前記第1状態から前記第2状態に切り換わると好適である。
【0022】
本構成によれば、満充電報知手段によってバッテリーが満充電状態であることを報知されるので、オペレータはそのことを認識することができるので、満充電状態が報知されている適切なタイミングで、オペレータが切換指令手段を操作して第2状態に切り換えることができる。
【0023】
本発明においては、前記バッテリーの充電状態を検出する充電状態検出手段が備えられ、前記切替機構は、前記充電状態検出手段の検出情報に基づいて、前記エンジンの作動による充電に伴って前記バッテリーが満充電状態になったことを判別すると、前記第1状態から前記第2状態に切り換えると好適である。
【0024】
本構成によれば、充電状態検出手段にてバッテリーが満充電状態になったことが検出されると、制御装置が自動的に充電規制状態に切り換わるので、屋外で走行している状態から屋内で走行する状態に切り換わる際に、オペレータが特別な切り換え操作を行わなくてもよいので、煩わしさのない状態で、作業環境を悪化させることがなく、屋内での作業を行うことができる。
【0025】
本発明においては、車両が屋外にいるか屋内にいるかを判別する車両位置判別手段が備えられ、前記切替機構は、前記車両位置判別手段の判別結果に基づいて、車両が屋外にいるときは前記第1状態に切り換え、車両が屋内にいるときは前記第2状態に切り換えると好適である。
【0026】
本構成によれば、車両が屋外にいるか屋内にいるかが自動的に判別され、判別結果により制御装置が第1状態及び第2状態のいずれか適切な状態に自動的に切り換わるので、オペレータの誤操作に起因して屋内でエンジンを作動させる等のおそれがなく、使い勝手がよいものとなる。
【0027】
本発明においては、車両が屋外から建物の扉部を通して屋内に入り込むときに、前記扉部が開状態であるか閉状態であるかを検出する開閉状態検出手段が備えられ、前記制御装置は、前記開閉状態検出手段にて前記扉部が開状態であることを検出すると、前記扉部よりも所定距離手前側で前記第1状態から前記第2状態に切り換わると好適である。
【0028】
本構成によれば、建物の扉部が開状態であれば、エンジンを作動させている状態で作業車が扉に近づくと、排ガスが建物の内部に侵入するおそれがある。そこで、本構成では、作業車の位置が判別されることを利用して、扉部が開状態であれば、扉部よりも所定距離手前側で第2状態に切り換えることで、排ガスが建物の内部に侵入するのを回避することができる。
【0029】
本発明においては、車両が傾斜姿勢状態を判別する姿勢判別手段が備えられ、前記切替機構は、前記姿勢判別手段の判別結果に基づいて、車両が傾斜姿勢であれば前記第1状態に切り換え、車両が傾斜姿勢でなければ前記第2状態に切り換えると好適である。
【0030】
本構成によれば、屋外で作業するときには、不整地等を移動するので車両が傾斜姿勢になることが多い。これに対して建物の内部で作業するときには地面が平坦であることが多い。そこで、本構成では、作業車の傾斜姿勢状態を判別結果によって自動的に第1状態と第2状態のいずれかの適切な状態に切り換えることができる。
【0031】
本発明においては、前記電動モータの使用に伴って前記バッテリーが充電不足状態になったことを報知する充電不足報知手段が備えられていると好適である。
【0032】
本構成によれば、屋内で走行しているときに、バッテリーが充電不足状態になったときにそのことが分かるので、オペレータは、すぐにその後の対応を取ることができ、使い勝手がよいものとなる。
【0033】
本発明においては、複数の前記走行装置を各別に昇降可能に車両本体に支持する支持機構を備え、前記エンジンは、前記電動モータに代えて、あるいは、前記電動モータと協働で、前記走行装置及び前記支持機構を駆動可能であると好適である。
【0034】
本構成によれば、エンジンの動力を作動油の供給に利用することができ、エンジン動力の利用効率を向上することができる。
【0035】
本発明においては、複数の前記走行装置を各別に昇降可能に車両本体に支持する支持機構を備え、複数の前記走行装置及び複数の前記支持機構が油圧駆動式に構成され、前記走行装置及び前記支持機構に向けて作動油を供給する作動油供給装置が備えられ、前記電動モータが前記作動油供給装置を駆動するように構成されていると好適である。
【0036】
車両の走行装置や支持機構等は、車両本体に比べて泥土や濡れている草等が接触することにより水分や塵埃等による悪影響を受けるおそれがある。しかし、本構成によれば、それらが油圧駆動式に構成されるので、例えば、電気的駆動手段に比べて水分や塵埃等による影響を受けにくく安定した作業走行を行い易い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の作業車の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においては、図中に示される矢印FWの方向を「前」、矢印BKの方向を「後」、矢印RHの方向を「右」、矢印LHの方向を「左」、矢印UPの方向を「上」、矢印DWの方向を「下」とする。
【0039】
本実施形態の作業車は、走行装置と、エンジンと、電動モータと、電動モータに電力を供給するバッテリーと、が備えられエンジンは、走行装置への動力の供給及び前記バッテリーへの充電のうちの少なくともいずれかを行い、電動モータは、少なくとも走行装置に動力を供給し、エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、エンジンの回転数をアイドリング回転数以下にし、電動モータからの動力で走行する。
【0040】
以下、具体的な構成について説明する。
【0041】
図1~
図3に示すように、作業車には、車両全体を支持する平面視で略矩形状の車両本体1と、油圧駆動式の複数の走行装置Bと、複数の走行装置Bを各別に昇降可能に車両本体に支持する油圧駆動式の支持機構Aと、が備えられている。走行装置Bは、車両本体1を支持する走行車輪2と、走行車輪2を駆動する油圧モータ4と、を備えている。又、複数の走行車輪2の夫々に対応して複数の補助車輪3が設けられている。
【0042】
走行車輪2は、車両本体1の左右両側における前後夫々に位置する。本実施形態では、作業車は、左前、右前、左後、及び右後の4つの走行車輪2を備える。支持機構Aは、4つの走行車輪2のそれぞれに対応して、左前、右前、左後、及び右後に4つ備えられている。支持機構Aは、車体支持部としての屈折リンク機構5と、屈折リンク機構5の姿勢を個別に変更可能な複数の油圧シリンダ6,7と、を備えている。4つの走行車輪2は、屈折リンク機構5を介して車両本体1に対して各別に昇降可能に支持されている。
【0043】
車両本体1は、平面視で略矩形状であり、車両本体1の上面に、荷物を積載可能な平坦状の積載部8が備えられている。積載部8は、平面視で略矩形状に形成され、車両本体1の右端から左端に亘って延びている。積載部8は、その上に荷物が載置可能なように構成されている。積載部8に載置される荷物としては、例えば、農機具や、肥料、薬剤等の農業資材、収穫物や収穫カゴ、及びこれらが載置されたパレット等である。
【0044】
車両本体1には、積載部8の下側において、油圧機器に向けて作動油を供給する油圧供給源9、油圧供給源9からの作動油の供給状態を調整して各油圧機器(油圧シリンダ6,7、油圧モータ4等)の作動を制御する制御装置C、等が備えられている。制御装置Cは、後述する切換機構を構成する。
【0045】
図1及び
図8に示すように、油圧供給源9は、走行装置B及び支持機構Aに向けて作動油を供給する作動油供給装置としての油圧ポンプ10と、油圧ポンプを駆動する電動モータMと、電動モータMに電力を供給するバッテリーTと、バッテリーTを充電する発電機Gと、発電機Gを駆動するエンジンEと、を備えている。エンジンEは、燃料を燃焼して回転動力を出力する内燃機関であり、作動に伴って排気ガスを排出する。
【0046】
電動モータMが油圧ポンプ10を駆動して、油圧ポンプ10から供給される作動油が走行装置B及び支持機構Aに供給されてそれらが駆動される。従って、電動モータMは走行装置Bに動力を供給する構成となっている。
【0047】
制御装置Cは、油圧供給源9からの作動油の供給状態を調整する油圧制御機構12と、油圧制御機構12の作動を制御するECU(Electronic Control Unit)13と、を備えている。ECU13は、マイクロコンピュータを備えており、制御プログラムに従って種々の制御を実行可能である。油圧制御機構12は、各油圧機器(油圧シリンダ6,7、油圧モータ4等)の作動油の給排や流量調整等を各別に行う複数の制御バルブ(図示せず)が備えられている。
【0048】
〔支持機構〕
図4,
図5に示すように、屈折リンク機構5には、車両本体1に支持される基端部14と、上側端部が基端部14の下部に横軸芯X1周りで回動可能に支持された第一リンク15と、一端部が第一リンク15の下側端部に横軸芯X2周りで回動可能に支持され且つ他端部に走行車輪2が支持された第二リンク16と、が備えられている。
【0049】
走行車輪2を支持する支持ブラケット17が第二リンク16の揺動側端部に設けられたボス部18に縦軸芯Y周りで揺動可能に支持されている。第二リンク16の一端部側のブラケット19と、支持ブラケット17に設けられたアーム部17aとに亘って操舵機構としての旋回操作用の油圧シリンダ20(以下、旋回シリンダという)が備えられている。
【0050】
複数の屈折リンク機構5の夫々に対応して、屈折リンク機構5の姿勢を各別に変更可能な複数の油圧シリンダ6,7が備えられている。すなわち、車両本体1に対する第一リンク15の揺動姿勢を変更可能な第一油圧シリンダ6と、第一リンク15に対する第二リンク16の揺動姿勢を変更可能な第二油圧シリンダ7と、が備えられている。
【0051】
第二油圧シリンダ7の作動を停止した状態で第一油圧シリンダ6を伸縮操作すると、第一リンク15、第二リンク16及び走行車輪2の夫々が、相対的な姿勢を一定に維持したまま一体的に、基端部14に対する枢支連結箇所の横軸芯X1周りで揺動する。第一油圧シリンダ6の作動を停止した状態で第二油圧シリンダ7を伸縮操作すると、第一リンク15の姿勢が一定に維持されたまま、第二リンク16及び走行車輪2が、一体的に、第一リンク15と第二リンク16との連結箇所の横軸芯X2周りで揺動する。
【0052】
複数の屈折リンク機構5夫々の中間屈折部に回転可能に補助車輪3が支持されている。補助車輪3は走行車輪2よりも小径の車輪にて構成されている。第一リンク15と第二リンク16とを枢支連結する支軸が車体横幅方向外方側に突出するように延長形成され、支軸の延長突出箇所に補助車輪3が回動可能に支持されている。
【0053】
旋回シリンダ20の操作により、屈折リンク機構5に対して走行車輪2を縦軸芯Y周りで回動することにより旋回操作させることができる。
【0054】
複数の第一油圧シリンダ6、複数の第二油圧シリンダ7、及び、旋回シリンダ20に作動油の給排が行われることで、車両本体1に対する各走行車輪2の位置を変更することができる。又、油圧モータ4に対応する作動油の流量調整が行われることで、油圧モータ4の回転速度すなわち走行車輪2の回転速度を変更することができる。
【0055】
〔センサ〕
この作業車は種々のセンサを備える。
【0056】
図6に示すように、4つの第二油圧シリンダ7の夫々について、ヘッド側圧力センサS1及びキャップ側圧力センサS2を備える。ヘッド側圧力センサS1は、第二油圧シリンダ7のヘッド側室の油室の内部圧力を検出する。キャップ側圧力センサS2は、第二油圧シリンダ7のキャップ側室の油室の内部圧力を検出する。
【0057】
4つの第一油圧シリンダ6及び4つの第二油圧シリンダ7の夫々について、伸縮操作量を検出可能な複数のストロークセンサS3を備える。各油圧シリンダ6,7の伸縮操作量は、操作対象である第一リンク15及び第二リンク16の揺動位置に対応する検出値である。
【0058】
車両本体1には車体の傾斜状態を検出する傾斜センサS4が備えられている。傾斜センサS4は、周知の構成である慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)(IMU)を用いて構成されている。IMUは、三軸加速度センサとジャイロセンサとを有し、車両本体1の姿勢変化状態、具体的には、前後方向並びに左右方向の傾きを検知することができる。
【0059】
走行車輪2の近傍には、油圧モータ4により駆動される走行車輪2の回転速度を検出する回転センサS5が備えられている。回転センサS5にて検出された走行車輪2の回転速度に基づいて、走行車輪2の回転速度が目標の値となるように、油圧モータ4への作動油の供給が制御される。油圧モータ4に供給される作動油の圧力を検出する圧力センサS6が備えられている。圧力センサS6にて検出された作動油の圧力に基づいて、走行車輪2の駆動トルクが目標の値となるように、油圧モータ4への作動油の供給(圧力)が制御される。4つの旋回シリンダ20の夫々について、伸縮操作量を検出可能なストロークセンサS7を備える。
【0060】
車両本体1における積載部8の後方に運転操作部21が備えられている。運転操作部21は車両の外方から運転者が手動操作可能である。車両の運転操作は、運転操作部21による運転者の操作によって行うことができる。
【0061】
運転操作部21には、手動により前後左右に揺動操作可能な所謂ジョイスティック型の操縦レバー29が備えられる。操縦レバー29を中立状態(停止状態)から前後左右に揺動することにより、車両を前あるいは後に直進走行させたり、左右いずれかの方向に旋回走行させることができる。運転操作部21には、他の操作具も備えられている。
【0062】
〔車両の制御について〕
ECU13は、後述する機能部に対応するプログラムを記憶する不揮発性メモリ(図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。ECU13は、機能部として、姿勢制御部100、走行制御部101、エンジン制御部102、充電状態判別部103を備えている。
【0063】
姿勢制御部100は、各種センサの検出情報に基づいて、車体の姿勢を所望の状態に制御する姿勢制御を実行する。姿勢制御の制御モードとしては、位置制御モードと圧力制御モードとがある。
【0064】
位置制御モードでは、車両本体1の積載部8が水平姿勢になるように、傾斜センサS4の検出情報並びにストロークセンサS3の検出情報に基づいて、4個の第一油圧シリンダ6及び4個の第二油圧シリンダ7の作動を制御する。具体的には、4個の第一油圧シリンダ6及び4個の第二油圧シリンダ7に対応する油圧制御弁を切り換え制御する。その結果、傾斜地を走行している場合であっても、車両本体は略水平姿勢を維持することができ、積載部に収穫用コンテナや機材等を積載していても倒れることなく移動することができる。
【0065】
圧力制御モードでは、ヘッド側圧力センサS1の検出値とキャップ側圧力センサS2の検出値とに基づいて算出される第二油圧シリンダ30の推力が予め設定されて記憶されている目標値になるように、油圧制御弁を切り換えて4つの第二油圧シリンダ30の作動を制御することもできる。このように制御することで、走行車輪2の接地反力が適正値に維持される。その結果、走行車輪2が地面の凹凸に追従しながら昇降して、複数の走行車輪2の夫々が空転したり、回転が妨げられたりすることなく、適切な接地状態を維持して車両本体1を支持しながら不整地を良好に走行することができる。
【0066】
走行制御部101は、操縦レバー29の操作状態に基づいて4個の旋回シリンダ20と4個の油圧モータ4に対応する油圧制御弁を切り換え制御する。操縦レバー29が前側に操作されると前方に向けて直進走行し、後側に操作されると後方に向けて直進走行する。又、操縦レバー29が右方向に操作されると右側に向けて旋回走行し、左方向に操作されると左側に向けて旋回走行する。
【0067】
エンジン制御部102は、詳述はしないが、エンジンEの始動処理、停止処理、回転数調節処理を行うことができるように構成されている。バッテリーTに対する充電が必要であれば、エンジンEを作動させて発電機Gを駆動してバッテリーTの充電を行うことができる。エンジン制御部102は、後述するように、エンジンEによる充電状態の切り換えを行うように構成されている。
【0068】
(エンジンによる充電状態の切り換えについて)
本発明に係る作業車は、エンジンEの作動が制限される領域で走行するときには、エンジンEの回転数をアイドリング回転数以下にし、電動モータMからの動力で走行する。具体的には、エンジンEの作動が制限される領域で走行するときには、エンジンEの回転数を零にする。エンジンEの作動が制限される領域が屋内であり、エンジンEの作動が許可される領域が屋外である。屋内とは、例えば、ビニールハウスの内部であり、屋外とは、ビニールハウスの外部である。
【0069】
そして、エンジンEの作動を許可する第1状態と、エンジンEの作動を規制する第2状態とに切り換え可能である切替機構を備え、切替機構は、屋外で走行するときには第1状態に切り換わり、屋内で走行するときには第2状態に切り換わる。本実施形態では、切替機構は、制御装置Cによって構成される。
【0070】
すなわち、制御装置Cは、エンジンEの作動を許容する第1状態と、エンジンEの作動を規制する第2状態とに切り換え可能であり、かつ、屋外で走行するときには第1状態に切り換わり、屋内で走行するときには第2状態に切り換わる。
【0071】
具体的には、ECU13のエンジン制御部102によるエンジンEの制御状態として、エンジンEの作動によるバッテリーTの充電を行なう第1状態と、エンジンEの作動を停止してバッテリーTの充電を規制する第2状態と、に切り換え可能に構成されている。すなわち、この実施形態では、エンジンEの作動を規制することは、エンジンEの回転数を零にすることである。そして、屋外において第1状態に切り換わり、屋内としてのビニールハウスの内部において第2状態に切り換わるようになっている。その結果、屋外で走行するときは、エンジンEが作動してバッテリーTの充電を行なうことができるが、ビニールハウスの内部で走行するときには、エンジンEの作動によるバッテリーTの充電を規制することで、室内の空気が排ガスで汚染されることがないようになっている。屋内としては、ビニールハウスの内部に限らず、大型の倉庫等の別の建物の内部等であってもよい。
【0072】
この作業車には、手動操作にて制御装置Cを第1状態と第2状態に切り換え可能な切換指令手段としての切換指令具31が備えられている。又、バッテリーTが満充電状態であることを報知する満充電報知手段としての第1表示部33が備えられ、満充電状態が報知されているときに、切換指令具31が操作されることにより制御装置Cが第1状態から第2状態に切り換わる。
【0073】
すなわち、バッテリーTの充電状態を検出する充電状態検出手段としての充電検出センサ32と、その充電検出センサ32の検出結果に基づいてバッテリーTが満充電状態になったことを判別する充電状態判別部103と、充電状態判別部103の判別結果に応じてオペレータに表示情報により報知する第1表示部33と、を備える。
【0074】
充電検出センサ32は、一般的に用いられる周知の構成のセンサであり、その検出情報は制御装置Cに入力される。制御装置Cの充電状態判別部103は、制御プログラムに従って充電検出センサ32の検出情報に基づいてバッテリーTが満充電状態になっているか否か判別する。第1表示部33は、運転操作部21に備えられ、運転操作しているオペレータが目視によって満充電状態になっていることを確認できるように表示動作が行われる。このとき、第1表示部33による表示動作に加えてブザー等の音声による報知も合わせて行うようにしてもよい。
【0075】
第1表示部33の表示形態としては、種々の形式のものを用いることができる。例えば、満充電状態になっていれば点灯し、満充電状態になければ消灯するランプでもよく、画像表示によって表示するものでもよい。又、充電量を棒グラフで表す形態、あるいは、発光色が異なるセグメントを並べて発光する色の変化により充電量を表す形態等のアナログ表示形式であって、アナログ量が基準値を超えるとバッテリーTが満充電状態になっていることを表すものでもよい。
【0076】
切換指令具31は、運転操作部21に備えられ、2位置切り換え式のスイッチにて構成される。手動操作によって操作位置を切り換えることで、ECU13によるエンジンEの制御状態を第1状態と第2状態とに切り換えることができる。
【0077】
作業車が屋外で走行を継続して行うときは、切換指令具31を第1状態側に切り換える。それにより、エンジンEを作動してバッテリーTを充電することができる。そして、作業車が屋外で走行している状態から屋内で走行する状態に切り換わる際には、第1表示部33によって満充電状態であることを確認すると、オペレータが切換指令具31を第2状態に切り換える。
【0078】
電動モータMの使用に伴ってバッテリーTが充電不足状態になったことを報知する充電不足報知手段としての第2表示部34が備えられている。
図2に示すように、第2表示部34は、運転操作部21における第1表示部33の横側に備えられる。この第2表示部を利用して、バッテリーTが充電不足状態になったことをオペレータが認識可能な状態で表示して報知する。このときの表示形態としては、満充電状態にて挙げた種々の形態を採用することができる。すなわち、充電検出センサ32の検出結果に基づいて充電状態判別部103が充電不足状態であることを判別すると、第2表示部34によりそのことを報知する。
【0079】
屋内で走行しているときに、バッテリーTの充電量が無くなると、建物から退出できなくなるので、エンジンによる発電が必要となる。そこで、充電不足状態を報知するときは、建物からの退出が可能な程度に、バッテリーTの充電量に余裕がある状態で報知するとよい。
【0080】
屋外で作業しているときには、エンジン制御部102により自動充電制御を行うようにしてもよい。すなわち、エンジンEの作動による充電が行われてバッテリーTが満充電状態になると、エンジン制御部102がエンジンEの作動を自動停止させ、バッテリーTが充電不足状態になるとエンジン制御部102がエンジンEを自動で始動して充電を開始するようにエンジンEの動作を制御するようにしてもよい。このことによりエンジンEの無駄な燃料消費を抑制できる。
【0081】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0082】
(1)上記実施形態では、エンジンEの作動が制限される領域が屋内であり、エンジンEの作動が許可される領域が屋外であるとしたが、これに代えて、屋内のうちの一部の領域がエンジンEの作動が制限される領域として設定され、屋内のうちの他の領域がエンジンEの作動が許可される領域として設定されるものでもよい。又、屋外のうちの一部の領域がエンジンEの作動が制限される領域として設定され、屋外のうちの他の領域がエンジンEの作動が許可される領域として設定されるものでもよい。
【0083】
(2)上記実施形態の構成に加えて、あるいは、切換指令具31による切り換え構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0084】
バッテリーTの充電状態を検出する充電状態検出手段が備えられ、制御装置Cは、充電状態検出手段にてバッテリーTが満充電状態になったことが検出されると、第2状態に切り換える構成としてもよい。すなわち、充電状態検出手段としての上記実施形態における充電検出センサ32の検出情報に基づいて、バッテリーTが満充電状態になったことが検出されると、制御装置C(具体的には、ECU)が、自動的に、第1状態から第2状態に切り換える構成としてもよい。
【0085】
(3)上記実施形態の構成に加えて、あるいは、切換指令具31による切り換え構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0086】
車両が屋外にいるか屋内にいるかを判別する車両位置判別手段が備えられ、制御装置Cは、車両位置判別手段の判別結果に基づいて、充電許容状態及び充電規制状態のいずれかに切り換わる構成としてもよい。
【0087】
さらに、例えば、
図8に示すように、車両が屋外から建物200の扉部201(屋内と屋外との境界に相当)を通して屋内に入り込むときに、扉部201が開状態であるか閉状態であるかを検出する開閉状態検出手段(図示せず)を備え、制御装置Cは、開閉状態検出手段にて扉部201が開状態であることを検出すると、扉部201よりも所定距離手前側箇所(制限境界に相当)で充電許容状態から充電規制状態に切り換わるように構成するものでもよい。この場合、建物200の扉部201が開いている場合であっても、作業車が開放されている建物の入口に対して所定距離(例えば、数メートル)手前側でエンジンEの作動を停止させることで、排ガスが建物内に侵入することを有効に回避できる。
【0088】
すなわち、この実施形態では、エンジンEの作動が制限される領域が、屋内及び屋内と屋外との境界よりも所定距離外側に設定された制限境界の内側の領域であり、エンジンEの作動が許可される領域が、制限境界の外側の領域である。
【0089】
車両位置判別手段としては、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムの信号(GPS信号を含む)を受信して自車位置を取得する衛星測位モジュールを用いることができる。これにより、自車位置が建物の中(屋内)にいるか外(屋外)にいるかを判別することが可能である。
【0090】
開閉状態検出手段としては、例えば、カメラ等の撮像装置、ライダー(LiDAR:Light Detection And Ranging)等を用いて、対象物(扉)の有無を判別する構成を用いることができる。
【0091】
(4)上記実施形態では、エンジンの作動が制限される領域で走行するときには、エンジンEの作動を規制する状態、すなわち、エンジンの作動を停止してエンジン回転数を零にするようにしたが、この構成に代えて、エンジンEの回転数をアイドリング回転数以下に速度調整するものでもよい。この場合には、エンジンの排ガスの発生量は零にはならないが、できるだけ少ない量に抑制することができる。
【0092】
(5)上記実施形態の構成に加えて、あるいは、切換指令具31による切り換え構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
【0093】
車両が傾斜姿勢状態であるか否かを判別する姿勢判別手段が備えられ、制御装置Cは、姿勢判別手段の判別結果に基づいて、車両が傾斜姿勢であれば第1状態に切り換え、車両が傾斜姿勢でなければ第2状態に切り換える構成としてもよい。姿勢判別手段としては、車体に備えられる傾斜センサS4と姿勢制御部100とを利用して構成される。
【0094】
(6)支持機構Aが、1つのリンク、又は3つ以上のリンクを備える機構であってもよく、支持機構Aの姿勢を変更する装置として、電動のアクチュエータを備えるものでもよい。
【0095】
(7)電動モータMが走行装置B及び支持機構Aに動力を供給する状態と、エンジンEが走行装置B及び支持機構Aに動力を供給する状態、とに切り換え可能に構成するものでもよい。この場合、屋内で作業するときは、電動モータMが走行装置B及び支持機構Aに動力を供給する状態に切り換わる。さらに、電動モータMとエンジンEとが協働で走行装置B及び支持機構Aに動力を供給する状態にも切り換え可能な構成としてもよい。
【0096】
(8)旋回操作用の油圧シリンダ20に代えて、油圧モータ、電動モータ、エンジン等により駆動される構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、例えば傾斜地や凹凸のある不整地等を移動するのに適した作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
10 油圧ポンプ(作動油供給装置)
31 切換指令具(切換指令手段)
32 充電検出センサ(充電状態検出手段)
33 満充電報知手段
34 充電不足報知手段
A 支持機構
B 走行装置
C 制御装置(切替機構)
E エンジン
G 発電機
M 電動モータ
T バッテリー