(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005801
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】エレベーターシステム、連動装置、連動装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B66B1/18 L
B66B1/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106177
(22)【出願日】2023-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五明 清司
(72)【発明者】
【氏名】川田 春菜
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HC07
3F502JA09
3F502KA03
(57)【要約】
【課題】自律移動体と通信する装置において、自律移動体が目的階以外の階でエレベーターのかごから降りたことを把握することができるようにする。
【解決手段】制御装置6は、かご5の運行を管理する。降車通知部36は、自律移動体4が目的階Fd以外の階でかご5から降りたことが降車判定部35によって判定されると、連動装置3に別階降車通知を送信する。乗降要求部17は、自律移動体4を乗せたかご5のドア7が目的階Fdで開くと、自律移動体4に降車要求を送信する。降車判定部19は、乗降要求部17が降車要求を送信する前に別階降車通知を受信すると、自律移動体4が目的階Fd以外の階でかご5から降りたことを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記自律移動体は、
前記かごで第1目的階に向かう際に前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたか否かを判定する第1降車判定部と、
前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第1降車判定部によって判定されると、前記連動装置に別階降車通知を送信する降車通知部と、
を備え、
前記連動装置は、
前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、
前記降車要求部が前記降車要求を送信する前に前記別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを判定する第2降車判定部と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項2】
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階を示す降車階通知を前記自律移動体に送信する階通知部と、
を更に備え、
前記自律移動体は、前記降車階通知が示す階から前記第1目的階に前記かごに乗って移動するための配車要求を前記連動装置に送信する配車要求部を更に備えた請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階から前記第1目的階に前記自律移動体が前記かごに乗って移動するための呼び登録要求を前記制御装置に送信する呼び要求部と、
を更に備えた請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記特定部は、前記別階降車通知を受信した時に前記かごがいた階を、前記自律移動体が前記かごから降りた階として特定する請求項2又は請求項3に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記連動装置及び前記制御装置と通信する中継装置を更に備え、
前記連動装置は、前記中継装置を介して前記制御装置と通信する請求項1から請求項3の何れか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置であって、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、
前記降車要求部が前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定部と、
を備えた連動装置。
【請求項7】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置の制御方法であって、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求ステップと、
前記降車要求ステップで前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定ステップと、
を備えた連動装置の制御方法。
【請求項8】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能なコンピュータに、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求処理と、
前記降車要求処理で前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターシステム、連動装置、連動装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エレベーターシステムが記載されている。特許文献1に記載されたエレベーターシステムは、ロボット、ロボットサーバ、及びエレベーターのかごを備える。ロボットサーバは、ロボットと通信する。ロボットは、かごに乗って所望の階に移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律移動体を備えたエレベーターシステムでは、自律移動体がかごに乗って目的階に移動する際に、自律移動体が目的階以外の階でかごから降りてしまうことがある。従来のシステムでは、自律移動体が目的階以外の階でかごから降りた場合に、自律移動体と通信する装置においてそのことを把握することができなかった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、自律移動体と通信する装置において、自律移動体が目的階以外の階でかごから降りたことを把握することができるエレベーターシステムを提供することである。本開示の他の目的は、エレベーターシステムにおいてこのような機能を実現するための連動装置、連動装置の制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターシステムは、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、自律移動体及び制御装置と通信する連動装置と、を備える。自律移動体は、かごで第1目的階に向かう際に第1目的階以外の階でかごから降りたか否かを判定する第1降車判定部と、第1目的階以外の階でかごから降りたことが第1降車判定部によって判定されると、連動装置に別階降車通知を送信する降車通知部と、を備える。連動装置は、自律移動体を乗せたかごのドアが第1目的階で開くと、自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、降車要求部が降車要求を送信する前に別階降車通知を受信すると、自律移動体が第1目的階以外の階でかごから降りたことを判定する第2降車判定部と、を備える。
【0007】
本開示に係る連動装置は、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能な連動装置である。当該連動装置は、第1目的階に向かう自律移動体を乗せたかごのドアが第1目的階で開くと、自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、降車要求部が降車要求を送信する前に、かごで第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定部と、を備える。
【0008】
本開示に係る連動装置の制御方法は、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能な連動装置の制御方法である。当該制御方法は、第1目的階に向かう自律移動体を乗せたかごのドアが第1目的階で開くと、自律移動体に降車要求を送信する降車要求ステップと、降車要求ステップで降車要求を送信する前に、かごで第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定ステップと、を備える。
【0009】
本開示に係るプログラムは、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能なコンピュータに、第1目的階に向かう自律移動体を乗せたかごのドアが第1目的階で開くと、自律移動体に降車要求を送信する降車要求処理と、降車要求処理で降車要求を送信する前に、かごで第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定処理と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、自律移動体と通信する装置において、自律移動体が目的階以外の階でかごから降りたことを把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターシステムの例を示す図である。
【
図2】連動装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】中継装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】連動装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】自律移動体の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】連動装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】連動装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】制御装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】連動装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図10】連動装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して詳細な説明を行う。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるエレベーターシステム1の例を示す図である。エレベーターシステム1は、エレベーター装置2、連動装置3、自律移動体4、及び中継装置8を備える。エレベーター装置2は、かご5、及び制御装置6を備える。エレベーターシステム1は、複数の自律移動体4を備えても良い。エレベーター装置2は、複数のかご5を備えても良い。以下においては、エレベーター装置2が2台のかご5を備える例について説明する。
【0014】
エレベーターの各かご5は、建物内の複数の階に停止する。利用者は、かご5に乗って所望の階に移動することができる。各かご5は、ドア7を備える。制御装置6は、各かご5の運行を管理する。エレベーター装置2が複数のかご5を備える場合、制御装置6は、当該複数のかご5を一群として管理しても良い。
【0015】
自律移動体4は、建物内を自律的に移動可能である。一例として、自律移動体4は、清掃用のロボットである。自律移動体4は、警備用のロボットでも良い。自律移動体4は、荷物を搬送するためのロボットでも良い。自律移動体4は、建物内で他の役割を果たすロボットでも良い。自律移動体4は、かご5に乗って所望の階に移動することができる。
【0016】
エレベーターシステム1において、自律移動体4は、利用者と一緒にかご5に乗って移動することができる。例えば、自律移動体4は、利用者が乗っているかご5に乗り込んでも良い。自律移動体4が乗っているかご5に利用者が乗り込んできても良い。エレベーターシステム1は、自律移動体4専用のかご5と利用者専用のかご5とを備えても良い。他の例として、エレベーター装置2は、自律移動体4専用のかご5のみを備えても良い。
【0017】
連動装置3は、中継装置8を介して制御装置6と双方向の通信が可能である。連動装置3は、自律移動体4と双方向の通信が可能である。自律移動体4を管理するための装置が自律移動体4とは別に備えられている場合、連動装置3は、当該装置を介して自律移動体4と通信しても良い。エレベーターシステム1では、基本的に、自律移動体4は制御装置6と直接通信しない。連動装置3は、自律移動体4と制御装置6とを仲介する。
【0018】
中継装置8は、連動装置3と制御装置6とを仲介する。中継装置8は、制御装置6と双方向の通信が可能である。中継装置8は、連動装置3と双方向の通信が可能である。なお、エレベーターシステム1は、中継装置8を備えなくても良い。エレベーターシステム1が中継装置8を備えていない場合、連動装置3は、制御装置6と直接通信する。
【0019】
連動装置3は、記憶部10、通信部11、通信部12、記録部13、呼び要求部14、受付処理部15、ドア要求部16、乗降要求部17、ドア判定部18、降車判定部19、特定部20、及び階通知部21を備える。
【0020】
通信部11は、自律移動体4と通信するための機能である。通信部12は、中継装置8と通信するための機能である。呼び要求部14は、中継装置8を介して制御装置6に呼びの登録を要求するための機能である。ドア要求部16は、中継装置8を介して制御装置6にドア7の開放及び閉鎖等の要求を行うための機能である。乗降要求部17は、自律移動体4に乗車及び降車を要求するための機能である。具体的に、乗降要求部17には、自律移動体4に乗車を要求するための乗車要求部の機能と自律移動体4に降車を要求するための降車要求部の機能とが含まれる。即ち、降車要求部は、乗降要求部17の一部の機能である。
【0021】
連動装置3が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。一例として、連動装置3が有する機能は、クラウドサーバで実現される。連動装置3が有する機能は、エレベーター装置2が備えられた建物内のサーバで実現されても良い。
【0022】
自律移動体4は、通信部31、情報提供部32、動作制御部33、配車要求部34、降車判定部35、及び降車通知部36を備える。
【0023】
通信部31は、連動装置3と通信するための機能である。情報提供部32は、自律移動体4に関する情報を取得し、外部に提供するための機能である。以下においては、当該情報を移動体情報ともいう。一例として、移動体情報に、自律移動体4の位置座標、向き、充電の残量、状態、及びオペレーション等を示す情報が含まれる。上記状態には、例えば、移動中、待機中、充電中、エレベーター乗場待機中、エレベーター乗車動作中、エレベーター内在場中、及びエレベーター降車動作中等が含まれる。移動体情報の例は、上記に限定されない。
【0024】
動作制御部33は、自律移動体4の動作を制御するための機能である。例えば、動作制御部33が駆動機(図示せず)を制御することにより、自律移動体4は移動する。自律移動体4が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。
【0025】
制御装置6は、通信部41、情報提供部42、決定部43、割当通知部44、及び運行制御部45を備える。
【0026】
通信部41は、中継装置8と通信するための機能である。情報提供部42は、かご5に関する情報を取得し、外部に提供するための機能である。以下においては、当該情報をかご情報ともいう。情報提供部42は、エレベーター装置2に備えられた各かご5についてかご情報を取得し、外部に提供することができる。一例として、かご情報に、かご5の位置、及びかご5の状態等を示す情報が含まれる。かご5の状態には、例えば、停止中、上方に移動中、及び下方に移動中等が含まれる。更に、かご情報に、ドア7の開閉に関する情報が含まれる。以下においては、当該情報をドア情報ともいう。ドア情報には、例えば、全閉、開動作中、全開、及び閉動作中等が含まれる。かご情報の例は、上記に限定されない。
【0027】
運行制御部45は、エレベーター装置2の運行を制御する。例えば、運行制御部45は、かご5の移動を制御する。運行制御部45は、ドア7の開閉を制御する。制御装置6が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。
【0028】
中継装置8は、記憶部50、通信部51、通信部52、記録部53、及び情報提供部54を備える。
【0029】
通信部51は、制御装置6と通信するための機能である。通信部52は、連動装置3と通信するための機能である。情報提供部54は、記憶部50に記憶されたかご情報を外部に提供するための機能である。情報提供部54は、特定のかご5のかご情報を外部に提供しても良いし、全てのかご5のかご情報を外部に提供しても良い。
【0030】
中継装置8が有する機能は、所謂コンピュータで実現可能である。一例として、中継装置8が有する機能は、エレベーター装置2が備えられた建物内のサーバで実現される。連動装置3が有する機能は、クラウドサーバで実現されても良い。
【0031】
以下に、
図2から
図8も参照し、エレベーターシステム1の動作について詳しく説明する。
図2は、連動装置3の動作例を示すフローチャートである。
【0032】
連動装置3では、自律移動体4から移動体情報を受信したか否かが判定される(S101)。自律移動体4では、情報提供部32が、移動体情報を特定の周期で通信部31から連動装置3に送信する。移動体情報の内容が変更される度に、自律移動体4から移動体情報が送信されても良い。自律移動体4からの移動体情報は、連動装置3において通信部11が受信する。通信部11が移動体情報を受信すると、S101でYesと判定される。
【0033】
S101でYesと判定されると、記録部13は、通信部11によって受信された移動体情報を記憶部10に記録する(S102)。これにより、記憶部10に、移動体情報が蓄積されていく。連動装置3では、記憶部10に記憶された移動体情報に基づいて、自律移動体4の最新の状態を特定することができる。また、連動装置3では、記憶部10に記憶された移動体情報に基づいて、自律移動体4の最新の位置を特定することができる。
【0034】
図3は、中継装置8の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
中継装置8では、制御装置6からかご情報を受信したか否かが判定される(S201)。制御装置6では、情報提供部42が、エレベーター装置2に備えられた複数のかご5のそれぞれについて、ドア情報を含むかご情報を特定の周期で中継装置8に送信する。かご情報の内容が変更される度に、制御装置6からかご情報が送信されても良い。制御装置6からのかご情報は、中継装置8において通信部51が受信する。通信部51がかご情報を受信すると、S201でYesと判定される。
【0036】
S201でYesと判定されると、記録部53は、通信部51によって受信されたかご情報を記憶部50に記録する(S202)。これにより、記憶部50に、エレベーター装置2に備えられた各かご5のかご情報が蓄積されていく。
【0037】
図4は、連動装置3の他の動作例を示すフローチャートである。
【0038】
連動装置3では、中継装置8からかご情報を受信したか否かが判定される(S301)。中継装置8では、一定の条件下、情報提供部54が、記憶部50に記憶されたかご情報を通信部52から連動装置3に送信する。一例として、情報提供部54は、エレベーター装置2に備えられた複数のかご5のそれぞれについて、記憶部50に記憶された最新のかご情報を特定の周期で連動装置3に送信する。他の例として、情報提供部54は、呼び登録要求に応答するかご5について、記憶部50に記憶された最新のかご情報を特定の周期で連動装置3に送信する。かご情報の内容が変更される度に、中継装置8からかご情報が送信されても良い。中継装置8からのかご情報は、連動装置3において通信部12が受信する。通信部12がかご情報を受信すると、S301でYesと判定される。
【0039】
S301でYesと判定されると、記録部13は、通信部12によって受信されたかご情報を記憶部10に記録する(S302)。これにより、記憶部10に、かご情報が蓄積されていく。
【0040】
なお、エレベーターシステム1が中継装置8を備えていない場合、エレベーター装置2に備えられた各かご5のかご情報が制御装置6から連動装置3に提供されることが好ましい。
【0041】
次に、自律移動体4がかご5に乗って移動する時の動作について説明する。
図5は、自律移動体4の動作例を示すフローチャートである。
【0042】
自律移動体4は、かご5に乗って移動する必要がある時に、エレベーターの乗場に移動する。そして、配車要求部34は、通信部31から連動装置3に配車要求を送信する(S401)。配車要求は、かご5に乗って移動するための自律移動体4からの要求である。配車要求には、乗車階Fr及び目的階Fdの情報が含まれる。乗車階Frは、自律移動体4がかご5に乗る階である。目的階Fdは、自律移動体4がかご5から降りる階である。一例として、乗車階Frは1階であり、目的階Fdは5階である。
【0043】
図6及び
図7は、連動装置3の他の動作例を示すフローチャートである。
図6及び
図7は一連の動作フローを示す。
【0044】
連動装置3では、自律移動体4から配車要求を受信したか否かが判定される(S501)。S401で自律移動体4から送信された配車要求を通信部11が受信すると、S501でYesと判定される。
【0045】
S501でYesと判定されると、受付処理部15は、通信部11がS501で受信した配車要求に対して受付処理を行う(S502)。これにより、例えば、記憶部10に、自律移動体4の識別情報と乗車階Fr及び目的階Fdを示す情報とが関連付けて記憶される。
【0046】
また、S501でYesと判定されると、呼び要求部14は、通信部11がS501で受信した配車要求に応じた呼び登録要求を、中継装置8を介して制御装置6に送信する(S503)。呼び登録要求は、乗場呼び及び行先呼びを登録するための制御装置6に対する要求である。呼び登録要求には、乗車階Fr及び目的階Fdの情報が含まれる。
【0047】
具体的に、呼び要求部14は、S503において呼び登録要求を中継装置8に送信する。中継装置8では、S503で連動装置3から送信された呼び登録要求を通信部52が受信すると、通信部51が当該呼び登録要求を制御装置6に転送する。
【0048】
図8は、制御装置6の他の動作例を示すフローチャートである。
【0049】
制御装置6では、中継装置8から呼び登録要求を受信したか否かが判定される(S601)。S503で連動装置3から送信された呼び登録要求を中継装置8を介して通信部41が受信すると、S601でYesと判定される。
【0050】
S601でYesと判定されると、決定部43は、通信部41がS601で受信した呼び登録要求に応答するかご5を決定する(S602)。本例のようにエレベーター装置2が複数のかご5を備えていれば、決定部43は、当該複数のかご5の中の1つに呼び登録要求を割り当て、応答させる。以下においては、呼び登録要求に応答するかご5を割当かご5ともいう。エレベーター装置2が1台のかご5しか備えていなければ、そのかご5が割当かご5であり、当該呼び登録要求に応答する。
【0051】
S602で決定部43が割当かご5を決定すると、割当通知部44は、割当かご通知を通信部41から中継装置8を介して連動装置3に送信する(S603)。当該割当かご通知には、決定部43が決定した割当かご5を示す情報が含まれる。具体的に、割当通知部44は、S603において割当かご通知を中継装置8に送信する。中継装置8では、S603で制御装置6から送信された割当かご通知を通信部51が受信すると、通信部52が当該割当かご通知を連動装置3に転送する。
【0052】
連動装置3では、S503で呼び登録要求を送信すると、その応答として制御装置6からの割当かご通知を中継装置8から受信したか否かが判定される(S504)。S603で制御装置6から送信された割当かご通知を通信部12が受信すると、S504でYesと判定される。
【0053】
S504でYesと判定されると、受付処理部15は、通信部12がS504で受信した割当かご通知に対して受付処理を行う(S505)。これにより、例えば、記憶部10に、自律移動体4の識別情報と乗車階Fr及び目的階Fdを示す情報とに関連付けて割当かご5を示す情報が記憶される。
【0054】
また、S504でYesと判定されると、当該割当かご通知が通信部11から自律移動体4に送信される(S506)。
【0055】
なお、自律移動体4では、S506で連動装置3から送信された割当かご通知を通信部31が受信する。エレベーター装置2に複数のかご5が備えられている場合、動作制御部33は、割当かご5に乗るための準備を行っても良い。例えば、動作制御部33が駆動機を制御することにより、自律移動体4は、割当かご5に乗るためのドアの前に移動する。
【0056】
制御装置6では、S602で決定部43が割当かご5を決定すると、運行制御部45は、割当かご5を呼び登録要求に応答させる。具体的に、運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに移動させる。運行制御部45は、割当かご5を乗車階Frに停止させると、割当かご5のドア7を開ける(S604)。
【0057】
連動装置3では、S504で割当かご通知を受信すると、ドア判定部18が、呼び登録要求に応答した割当かご5のドア7が乗車階Frで開いたか否かを判定する(S507)。一例として、S507の判定は、記憶部10に記憶されたかご情報に基づいて行われる。S507の判定は、制御装置6からの特定の通知に基づいて行われても良い。割当かご5のドア7が乗車階Frで開いたことがドア判定部18によって判定されると、S507でYesと判定される。
【0058】
S507でYesと判定されると、乗降要求部17は、乗車要求を自律移動体4に送信する(S508)。当該乗車要求には、割当かご5に乗ることが許可されたことを示す情報が含まれる。
【0059】
自律移動体4では、S401で配車要求を送信すると、その応答として連動装置3から乗車要求を受信したか否かが判定される(S402)。S508で連動装置3から送信された乗車要求を通信部31が受信すると、S402でYesと判定される。S402でYesと判定されると、自律移動体4は、割当かご5に乗るための動作を開始し、割当かご5に乗る(S403)。即ち、動作制御部33が駆動機を制御することにより、自律移動体4は、乗車階Frの乗場から割当かご5の内部に移動する。自律移動体4が割当かご5に乗ると、乗車完了通知が通信部31から連動装置3に送信される(S404)。
【0060】
連動装置3では、S508で乗車要求を送信すると、その応答として自律移動体4から乗車完了通知を受信したか否かが判定される(S509)。S404で自律移動体4から送信された乗車完了通知を通信部11が受信すると、S509でYesと判定される。S509でYesと判定されると、ドア要求部16は、割当かご5のドア7を閉めるためドア閉要求を通信部12から中継装置8を介して制御装置6に送信する(S510)。具体的に、ドア要求部16は、S510においてドア閉要求を中継装置8に送信する。中継装置8では、S510で連動装置3から送信されたドア閉要求を通信部52が受信すると、通信部51が当該ドア閉要求を制御装置6に転送する。
【0061】
制御装置6では、割当かご5のドア7が乗車階Frで開けられると、連動装置3からのドア閉要求を中継装置8から受信したか否かが判定される(S605)。S510で連動装置3から送信されたドア閉要求を中継装置8を介して通信部41が受信すると、S605でYesと判定される。S605でYesと判定されると、運行制御部45は、割当かご5を呼び登録要求に応答させる。具体的に、運行制御部45は、割当かご5のドア7を閉める。運行制御部45は、割当かご5のドア7を閉めると、割当かご5を目的階Fdに移動させる(S606)。
【0062】
連動装置3では、S510でドア閉要求を送信すると、ドア判定部18が、自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が目的階Fdで開いたか否かを判定する(S511)。
【0063】
自律移動体4がS403で割当かご5に乗り、割当かご5がS606で目的階Fdに向けて出発すると、その後に何もなければ、運行制御部45は、割当かご5を目的階Fdに停止させ、割当かご5のドア7を開ける(S607)。これにより、連動装置3のドア判定部18は、自律移動体4を乗せた割当かご5のドア7が目的階Fdで開いたことを判定する。即ち、S511でYesと判定される。
【0064】
S511でYesと判定されると、乗降要求部17は、降車要求を自律移動体4に送信する(S512)。当該降車要求には、割当かご5から降りることが許可されたことを示す情報が含まれる。
【0065】
自律移動体4では、S404で乗車完了通知を送信すると、その応答として連動装置3から降車要求を受信したか否かが判定される(S405)。S512で連動装置3から送信された降車要求を通信部31が受信すると、S405でYesと判定される。S405でYesと判定されると、自律移動体4は、割当かご5から降りるための降車動作を開始し、割当かご5から降りる(S406)。即ち、動作制御部33が駆動機を制御することにより、自律移動体4は、割当かご5から目的階Fdの乗場に移動する。自律移動体4が割当かご5から降りると、降車完了通知が通信部31から連動装置3に送信される(S407)。
【0066】
連動装置3では、S512で降車要求を送信すると、その応答として自律移動体4から降車完了通知を受信したか否かが判定される(S513)。S407で自律移動体4から送信された降車完了通知を通信部11が受信すると、S513でYesと判定される。S513でYesと判定されると、ドア要求部16は、割当かご5のドア7を閉めるためドア閉要求を通信部12から中継装置8を介して制御装置6に送信する(S514)。なお、S513でYesと判定されと、S502の受付処理及びS505の受付処理で記録された情報は、記憶部10から削除されても良い。
【0067】
制御装置6では、割当かご5のドア7が目的階Fdで開けられると、連動装置3からのドア閉要求を中継装置8から受信したか否かが判定される(S608)。S514で連動装置3から送信されたドア閉要求を中継装置8を介して通信部41が受信すると、S608でYesと判定される。S608でYesと判定されると、運行制御部45は、割当かご5のドア7を閉める(S609)。
【0068】
一方、自律移動体4が割当かご5に乗って目的階Fdに移動する際に、割当かご5が目的階Fdに到着する前に、自律移動体4が割当かご5から降ろされてしまうことがある。例えば、自律移動体4が割当かご5に乗って1階から5階に移動する場合を考える。自律移動体4が乗っている割当かご5に利用者が3階で乗り込む場合、割当かご5にその利用者が乗るための十分なスペースが確保されていなければ、自律移動体4は、利用者によって割当かご5から強制的に降ろされてしまう。例えば、利用者は、自律移動体4を割当かご5から押し出すことができる。自律移動体4に降車ボタンが備えられている場合、利用者は、その降車ボタンを押すことによって自律移動体4を割当かご5から降ろすことができる。
【0069】
利用者が大きな荷物を持っている場合、利用者が台車又はベビーカー等と一緒に割当かご5に乗り込む場合、及び緊急で人を搬送する必要がある場合にも、自律移動体4は、利用者によって割当かご5から強制的に3階で降ろされ得る。エレベーター装置2が病院等に据え付けられている場合は、自律移動体4に上記降車ボタンが備えられていることが好ましい。
【0070】
このような事態に備え、自律移動体4に、降車判定部35及び降車通知部36が備えられる。また、連動装置3に、降車判定部19、特定部20、及び階通知部21が備えられる。
【0071】
降車判定部35は、自律移動体4が目的階Fdに向かう際に自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたか否かを判定する機能を有する。即ち、S404で乗車完了通知が送信されると、降車判定部35は、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたか否かを判定する(S408)。自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことが降車判定部35によって判定されることなく、連動装置3からの降車要求を受信すると、S405でYesと判定される。
【0072】
一方、連動装置3からの降車要求を受信する前に、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことが降車判定部35によって判定されると、S408でYesと判定される。S408でYesと判定されると、降車通知部36は、別階降車通知を通信部31から連動装置3に送信する(S409)。別階降車通知には、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことを示す情報が含まれる。
【0073】
なお、降車判定部35の機能を実現するため、自律移動体4は、かご5の中から外に移動したことを検知できるセンサを備えても良い。当該センサとして、赤外線を放射するセンサ或いは周囲の画像を撮影できるカメラ等が自律移動体4に備えられても良い。
【0074】
上述したように、連動装置3では、割当かご5のドア7が目的階Fdで開くと、乗降要求部17が降車要求を送信する。一方、S510でドア閉要求を送信した後、S511でYesと判定されなければ、降車判定部19は、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたか否かを判定する。具体的に、降車判定部19は、自律移動体4から別階降車通知を受信したか否かを判定する(S515)。
【0075】
S511でYesと判定される前、即ちS512で乗降要求部17が降車要求を送信する前に、S409で自律移動体4から送信された別階降車通知を通信部11が受信すると、S515でYesと判定される。即ち、降車判定部19は、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことを判定する。
【0076】
S515でYesと判定されると、特定部20は、自律移動体4が割当かご5から降りた階を特定する(S516)。以下においては、当該階を降車階ともいう。降車階は、目的階Fd以外の階である。一例として、特定部20は、通信部11が別階降車通知を受信した時に割当かご5がいた階を降車階として特定する。降車階の特定は、例えば記憶部10に記載されたかご情報に基づいて行われる。特定部20は、他の方法によって降車階を特定しても良い。
【0077】
S516で降車階が特定されると、階通知部21は、降車階通知を自律移動体4に送信する(S517)。降車階通知には、S516で特定部20によって特定された降車階を示す情報が含まれる。
【0078】
自律移動体4では、S409で別階降車通知を送信すると、その応答として連動装置3から降車階通知を受信したか否かが判定される(S410)。S517で連動装置3から送信された降車階通知を通信部31が受信すると、S410でYesと判定される。S410でYesと判定されると、配車要求部34は、降車階通知が示す階、即ち特定部20によって特定された降車階から目的階Fdに自律移動体4がかご5に乗って移動するための配車要求を連動装置3に送信する(S411)。これにより、自律移動体4は、S411で送信された配車要求に対して割り当てられたかご5に乗り、降車階から目的階Fdに移動することができる。
【0079】
本実施の形態に示す例では、降車判定部19は、S512で降車要求が送信される前に別階降車通知を受信すると、割当かご5に乗って目的階Fdに向かう自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことを判定する。本エレベーターシステム1であれば、自律移動体4が通信する連動装置3において、自律移動体4が目的階Fd以外の階で割当かご5から降りたことを判定することができる。これにより、自律移動体4に対して降車階を通知するといった対応が可能となる。自律移動体4では、目的階Fd以外の階で割当かご5から降りてしまった場合でも、降車階から目的階Fdに移動するための配車要求を生成することができる。
【0080】
本エレベーターシステム1であれば、例えば3階で割当かご5から降ろされてしまった自律移動体4を救出するために管理者が3階の乗場に行く必要がない。3階で割当かご5から降ろされてしまった自律移動体4では、3階から目的階Fdである5階に移動するための配車要求が自動的に生成され、送信される。したがって、自律移動体4による業務が遅延したり停滞したりすることを抑制でき、システムの効率的な運用が可能となる。
【0081】
以下に、エレベーターシステム1が採用可能な他の機能について説明する。以下に示す例では、上述した例と相違する点についてのみ詳しく説明する。上述した例と同じ点については、その説明を省略する。
【0082】
連動装置3では、S515でYesと判定された場合に、S517において降車階通知を自律移動体4に送信しなくても良い。目的階Fdの情報は、記憶部10に記憶されている。このため、S516で特定部20によって降車階が特定されると、呼び要求部14は、特定部20によって特定された降車階から目的階Fdに移動するための呼び登録要求を制御装置6に送信しても良い。かかる場合、連動装置3では、当該呼び登録要求が送信された後はS504以降の処理が行われる。
【0083】
図9は、連動装置3のハードウェア資源の例を示す図である。連動装置3は、ハードウェア資源として、プロセッサ61とメモリ62とを含む処理回路60を備える。処理回路60に複数のプロセッサ61が含まれても良い。処理回路60に複数のメモリ62が含まれても良い。
【0084】
本実施の形態において、符号10~21に示す各部は、連動装置3が有する機能を示す。記憶部10の機能は、メモリ62によって実現される。符号11~21に示す各部の機能は、プログラムとして記述されたソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現できる。当該プログラムは、メモリ62に記憶される。連動装置3は、メモリ62に記憶されたプログラムをプロセッサ61(コンピュータ)によって実行することにより、符号11~21に示す各部の機能を実現する。
【0085】
プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、或いはDSPともいわれる。メモリ62として、半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、或いはDVDを採用しても良い。採用可能な半導体メモリには、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、及びEEPROM等が含まれる。
【0086】
図10は、連動装置3のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図10に示す例では、連動装置3は、プロセッサ61、メモリ62、及び専用ハードウェア63を含む処理回路60を備える。
図10は、連動装置3が有する機能の一部を専用ハードウェア63によって実現する例を示す。連動装置3が有する機能の全部を専用ハードウェア63によって実現しても良い。専用ハードウェア63として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0087】
制御装置6のハードウェア資源は、
図9或いは
図10に示す例と同様である。制御装置6は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。制御装置6は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号41~45に示す各部の機能を実現する。制御装置6は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。制御装置6については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0088】
自律移動体4のハードウェア資源は、
図9或いは
図10に示す例と同様である。自律移動体4は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。自律移動体4は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号31~36に示す各部の機能を実現する。自律移動体4は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。自律移動体4については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0089】
中継装置8のハードウェア資源は、
図9或いは
図10に示す例と同様である。中継装置8は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。当該処理回路に複数のプロセッサが含まれても良い。当該処理回路に複数のメモリが含まれても良い。記憶部50の機能は、当該メモリによって実現される。中継装置8は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサ(コンピュータ)によって実行することにより、符号51~54に示す各部の機能を実現する。中継装置8は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。中継装置8については、機器が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0090】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
【0091】
[付記1]
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記自律移動体は、
前記かごで第1目的階に向かう際に前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたか否かを判定する第1降車判定部と、
前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第1降車判定部によって判定されると、前記連動装置に別階降車通知を送信する降車通知部と、
を備え、
前記連動装置は、
前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、
前記降車要求部が前記降車要求を送信する前に前記別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを判定する第2降車判定部と、
を備えたエレベーターシステム。
[付記2]
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階を示す降車階通知を前記自律移動体に送信する階通知部と、
を更に備え、
前記自律移動体は、前記降車階通知が示す階から前記第1目的階に前記かごに乗って移動するための配車要求を前記連動装置に送信する配車要求部を更に備えた付記1に記載のエレベーターシステム。
[付記3]
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階から前記第1目的階に前記自律移動体が前記かごに乗って移動するための呼び登録要求を前記制御装置に送信する呼び要求部と、
を更に備えた付記1に記載のエレベーターシステム。
[付記4]
前記特定部は、前記別階降車通知を受信した時に前記かごがいた階を、前記自律移動体が前記かごから降りた階として特定する付記2又は付記3に記載のエレベーターシステム。
[付記5]
前記連動装置及び前記制御装置と通信する中継装置を更に備え、
前記連動装置は、前記中継装置を介して前記制御装置と通信する付記1から付記4の何れか1つに記載のエレベーターシステム。
[付記6]
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置であって、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求部と、
前記降車要求部が前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定部と、
を備えた連動装置。
[付記7]
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置の制御方法であって、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求ステップと、
前記降車要求ステップで前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定ステップと、
を備えた連動装置の制御方法。
[付記8]
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能なコンピュータに、
第1目的階に向かう前記自律移動体を乗せた前記かごのドアが前記第1目的階で開くと、前記自律移動体に降車要求を送信する降車要求処理と、
前記降車要求処理で前記降車要求を送信する前に、前記かごで前記第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定処理と、
を実行させるためのプログラム。
【0092】
付記2-5に記載された事項或いは相当する事項を、付記6-8のそれぞれに追加しても良い。
【符号の説明】
【0093】
1 エレベーターシステム、 2 エレベーター装置、 3 連動装置、 4 自律移動体、 5 かご、 6 制御装置、 7 ドア、 8 中継装置、 10 記憶部、 11 通信部、 12 通信部、 13 記録部、 14 呼び要求部、 15 受付処理部、 16 ドア要求部、 17 乗降要求部、 18 ドア判定部、 19 降車判定部、 20 特定部、 21 階通知部、 31 通信部、 32 情報提供部、 33 動作制御部、 34 配車要求部、 35 降車判定部、 36 降車通知部、 41 通信部、 42 情報提供部、 43 決定部、 44 割当通知部、 45 運行制御部、 50 記憶部、 51 通信部、 52 通信部、 53 記録部、 54 情報提供部、 60 処理回路、 61 プロセッサ、 62 メモリ、 63 専用ハードウェア
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
前記自律移動体及び前記制御装置と通信する連動装置と、
を備え、
前記自律移動体は、
前記かごで第1乗車階から第1目的階に向かう際に前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたか否かを判定する第1降車判定部と、
前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第1降車判定部によって判定されると、前記連動装置に別階降車通知を送信する降車通知部と、
を備え、
前記連動装置は、
前記自律移動体に乗車を要求するための乗車要求及び降車を要求するための降車要求を送信する乗降要求部と、
前記かごのドアが前記第1乗車階で開いて前記乗降要求部から前記自律移動体に乗車要求が送信された後に前記乗降要求部から前記自律移動体に降車要求が送信されることなく前記別階降車通知を受信すると、前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを判定する第2降車判定部と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項2】
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階を示す降車階通知を前記自律移動体に送信する階通知部と、
を更に備え、
前記自律移動体は、前記降車階通知が示す階から前記第1目的階に前記かごに乗って移動するための配車要求を前記連動装置に送信する配車要求部を更に備えた請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記連動装置は、
前記自律移動体が前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことが前記第2降車判定部によって判定されると、前記自律移動体が降りた階を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された階から前記第1目的階に前記自律移動体が前記かごに乗って移動するための呼び登録要求を前記制御装置に送信する呼び要求部と、
を更に備えた請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記特定部は、前記別階降車通知を受信した時に前記かごがいた階を、前記自律移動体が前記かごから降りた階として特定する請求項2又は請求項3に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記連動装置及び前記制御装置と通信する中継装置を更に備え、
前記連動装置は、前記中継装置を介して前記制御装置と通信する請求項1から請求項3の何れか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置であって、
前記自律移動体に乗車を要求するための乗車要求及び降車を要求するための降車要求を送信する乗降要求部と、
前記かごで第1乗車階から第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を、前記かごのドアが前記第1乗車階で開いて前記乗降要求部から前記自律移動体に乗車要求が送信された後に前記乗降要求部から前記自律移動体に降車要求が送信されることなく受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定部と、
を備えた連動装置。
【請求項7】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能な連動装置の制御方法であって、
前記自律移動体に乗車を要求するための乗車要求を送信する乗車要求ステップと、
前記自律移動体に降車を要求するための降車要求を送信する降車要求ステップと、
前記かごで第1乗車階から第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を、前記かごのドアが前記第1乗車階で開いて前記乗車要求ステップで前記自律移動体に乗車要求が送信された後に前記降車要求ステップが行われることなく受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定ステップと、
を備えた連動装置の制御方法。
【請求項8】
自律移動体と、
かごの運行を管理する制御装置と、
通信可能なコンピュータに、
前記自律移動体に乗車を要求するための乗車要求を送信する乗車要求処理と、
前記自律移動体に降車を要求するための降車要求を送信する降車要求処理と、
前記かごで第1乗車階から第1目的階に向かう前記自律移動体から前記第1目的階以外の階で前記かごから降りたことを示す別階降車通知を、前記かごのドアが前記第1乗車階で開いて前記乗車要求処理で前記自律移動体に乗車要求が送信された後に前記降車要求処理が行われることなく受信すると、前記自律移動体が前記かごから降りた階を特定する特定処理と、
を実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示に係るエレベーターシステムは、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、自律移動体及び制御装置と通信する連動装置と、を備える。自律移動体は、かごで第1乗車階から第1目的階に向かう際に第1目的階以外の階でかごから降りたか否かを判定する第1降車判定部と、第1目的階以外の階でかごから降りたことが第1降車判定部によって判定されると、連動装置に別階降車通知を送信する降車通知部と、を備える。連動装置は、自律移動体に乗車を要求するための乗車要求及び降車を要求するための降車要求を送信する乗降要求部と、かごのドアが第1乗車階で開いて乗降要求部から自律移動体に乗車要求が送信された後に乗降要求部から自律移動体に降車要求が送信されることなく別階降車通知を受信すると、自律移動体が第1目的階以外の階でかごから降りたことを判定する第2降車判定部と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示に係る連動装置は、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能な連動装置である。当該連動装置は、自律移動体に乗車を要求するための乗車要求及び降車を要求するための降車要求を送信する乗降要求部と、かごで第1乗車階から第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を、かごのドアが第1乗車階で開いて乗降要求部から自律移動体に乗車要求が送信された後に乗降要求部から自律移動体に降車要求が送信されることなく受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定部と、を備える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本開示に係る連動装置の制御方法は、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能な連動装置の制御方法である。当該制御方法は、自律移動体に乗車を要求するための乗車要求を送信する乗車要求ステップと、自律移動体に降車を要求するための降車要求を送信する降車要求ステップと、かごで第1乗車階から第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を、かごのドアが第1乗車階で開いて乗車要求ステップで自律移動体に乗車要求が送信された後に降車要求ステップが行われることなく受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定ステップと、を備える。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示に係るプログラムは、自律移動体と、かごの運行を管理する制御装置と、通信可能なコンピュータに、自律移動体に乗車を要求するための乗車要求を送信する乗車要求処理と、自律移動体に降車を要求するための降車要求を送信する降車要求処理と、かごで第1乗車階から第1目的階に向かう自律移動体から第1目的階以外の階でかごから降りたことを示す別階降車通知を、かごのドアが第1乗車階で開いて乗車要求処理で自律移動体に乗車要求が送信された後に降車要求処理が行われることなく受信すると、自律移動体がかごから降りた階を特定する特定処理と、を実行させるためのプログラムである。