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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005806
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B60K20/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106184
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 憲真
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA01
3D040AA03
3D040AA14
3D040AB01
3D040AC01
3D040AC13
3D040AC60
3D040AF26
(57)【要約】
【課題】ロック体の数を少なくする。
【解決手段】シフト装置10では、ブロッカ34によってレバーの回動がロックされる。ここで、駆動ギア28が回転されて、ブロッカ34がNロック位置、Pロック位置及び解除位置に停止される。このため、ブロッカ34によるレバーの回動のロック態様を多くできて、ブロッカ34の数を少なくできる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、
回転される回転体と、
前記回転体が回転されることで3位置以上に停止されつつ移動されて、前記シフト体の移動をロックするロック体と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記ロック体が前記シフト体の移動をロックしない位置、前記シフト体の第1シフト位置からの移動をロックする位置及び前記シフト体の第2シフト位置からの移動をロックする位置に停止される請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記ロック体の停止位置が変更されて前記ロック体の前記シフト体との係合態様が変更される請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記回転体が前記ロック体の停止位置からの移動を制限する請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記回転体が所定回転範囲で前記ロック体の停止位置からの移動を制限する請求項4記載のシフト装置。
【請求項6】
前記ロック体の停止位置からの移動を規制する規制部を備える請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体の移動をロック体がロックするシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフト装置では、ロックバーがシフトレバーの移動をロックする。
【0003】
ここで、このシフト装置では、カムが回転されることで、ロックバーが2位置に停止されつつ移動される。さらに、ロックバーが2個設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-119350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ロック体の数を少なくできるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、回転される回転体と、前記回転体が回転されることで3位置以上に停止されつつ移動されて、前記シフト体の移動をロックするロック体と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記ロック体が前記シフト体の移動をロックしない位置、前記シフト体の第1シフト位置からの移動をロックする位置及び前記シフト体の第2シフト位置からの移動をロックする位置に停止される。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記ロック体の停止位置が変更されて前記ロック体の前記シフト体との係合態様が変更される。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記回転体が前記ロック体の停止位置からの移動を制限する。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第4態様のシフト装置において、前記回転体が所定回転範囲で前記ロック体の停止位置からの移動を制限する。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記ロック体の停止位置からの移動を規制する規制部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体が移動されて、シフト位置が変更される。また、ロック体がシフト体の移動をロックする。
【0013】
ここで、回転体が回転されることで、ロック体が3位置以上に停止されつつ移動される。このため、ロック体の停止位置を多くでき、ロック体の数を少なくできる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、ロック体が、シフト体の移動をロックしない位置、シフト体の第1シフト位置からの移動をロックする位置、及び、シフト体の第2シフト位置からの移動をロックする位置に停止される。このため、ロック体によるシフト体の移動のロック態様を多くできる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、ロック体の停止位置が変更されて、ロック体のシフト体との係合態様が変更される。このため、ロック体によるシフト体の移動のロック態様を多くできる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、回転体がロック体の停止位置からの移動を制限する。このため、ロック体を停止位置に精度良く停止できる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、回転体が所定回転範囲でロック体の停止位置からの移動を制限する。このため、回転体がロック体を停止位置に一層精度良く停止できる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、ロック体の停止位置からの移動を規制部が規制する。このため、ロック体を停止位置に精度良く停止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置を示す斜視図であり、(A)は、後側から見た図であり、(B)は、左斜め後方から見た図である。
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置においてレバーのP位置からの回動がロックされる際を示す左斜め前方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置においてレバーのN位置からの回動がロックされる際を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図4】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置を示す上方から見た上面図であり、(A)は、レバーのP位置からの回動がロックされる際を示し、(B)は、レバーのN位置からの回動がロックされる際を示している。
図5】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置においてレバーのP位置からの回動がロックされる際におけるブロッカ及び駆動ギアを示す斜視図であり、(A)は、上側から見た図であり、(B)は、左斜め前方から見た図であり、(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置の駆動ギアを示す上側から見た斜視図である。
図6】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置においてレバーのN位置からの回動がロックされる際におけるブロッカ及び駆動ギアを示す斜視図であり、(A)は、左斜め前方から見た図であり、(B)は、下側から見た図である。
図7】(A)~(D)は、本発明の実施形態に係るシフト装置のブロッカ及び駆動ギアを示す上方から見た上面図であり、(A)は、レバーの回動がロックされない際を示し、(B)は、レバーのP位置からの回動がロックされる際の第1状態を示し、(C)は、レバーのP位置からの回動がロックされる際の第2状態を示し、(D)は、レバーのN位置からの回動がロックされる際を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1(A)には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が後側から見た斜視図にて示されており、図1(B)には、シフト装置10が左斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示す。
【0021】
本実施形態に係るシフト装置10は、所謂コラム式のものにされて、車両のステアリングコラムに設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。
【0022】
図1の(A)及び(B)に示す如く、シフト装置10には、固定体としての略直方体形箱状のハウジング12が設けられており、ハウジング12がステアリングコラムに固定されて、シフト装置10がステアリングコラムに設置されている。ハウジング12は、上側の上ハウジング12Aと下側の下ハウジング12Bとが組付けられて構成されており、上ハウジング12Aは、ハウジング12の下壁より上側を構成すると共に、下ハウジング12Bは、ハウジング12の下壁を構成している。
【0023】
ハウジング12内の右側部分には、略直方体状の支持体14が設けられており、支持体14は、ハウジング12内に固定されている。
【0024】
支持体14には、シフト体としての略L字形棒状のレバー16が支持されている。レバー16の基端側部分は、中心軸16Aにされており、中心軸16Aは、左右方向に延在されている。中心軸16Aの右部は、支持体14に回転可能に支持されており、中心軸16Aの左部は、ハウジング12の左側に突出されている。レバー16の先端側部分は、中心軸16Aの左端から後側に延出されており、レバー16は、中心軸16Aを中心として上下方向に所定範囲で回動(移動)可能にされている。レバー16の先端側部分は、車室に上下方向に回動可能に延出されており、レバー16は、乗員により、先端部(後端部)が把持された状態で、上下方向に回動操作可能にされている。また、レバー16が上側から下側に回動操作されることで、レバー16のシフト位置が第1シフト位置としてのP位置(パーク位置)、R位置(リバース位置)、第2シフト位置としてのN位置(ニュートラル位置)及びD位置(ドライブ位置)にこの順番で変更される。
【0025】
レバー16には、中心軸16Aの左部において、被ロック部材としての板状のディテント板18(図2及び図3参照)の上側部分が固定されており、ディテント板18は、レバー16の回動(中心軸16Aの回転)と一体に回動される。ディテント板18は、中心軸16Aから下側に突出されると共に、左右方向に垂直に配置されており、レバー16が下側に回動される際には、ディテント板18が前側に回動されると共に、レバー16が上側に回動される際には、ディテント板18が後側に回動される。ディテント板18の下部には、ディテント孔18Aが貫通形成されており、ディテント孔18Aは、ディテント板18の回動方向に延在されている。ディテント板18には、ディテント孔18Aの上側において、被ロック部としての矩形状のN孔18Bが貫通形成されており、N孔18Bは、ディテント孔18Aを上側に拡大させている。
【0026】
中心軸16Aの左右方向中間部の周囲には、ロック装置20(図2参照)が設けられており、ロック装置20には、駆動機構22が設けられている。駆動機構22には、駆動装置としてのモータ24(図4(B)参照)が設けられており、モータ24は、ハウジング12内に中心軸16Aの下側において固定されている。モータ24の出力軸には、ウォーム26が同軸上に固定されており、ウォーム26は、出力軸と一体回転される。モータ24は、車両の制御装置42に電気的に接続されており、モータ24は、制御装置42の制御により、駆動される。
【0027】
ウォーム26の左側には、駆動ギア28(図5(C)参照)が配置されており、駆動ギア28は、ハウジング12内に回転可能に支持されると共に、軸方向が上下方向にされている。駆動ギア28の上部には、ウォームホイール30が同軸上に設けられており、ウォームホイール30には、ウォーム26が噛合されている。ウォーム26は、ウォームホイール30(駆動ギア28)の回転を規制しており、モータ24が駆動されて、ウォーム26が回転されることで、駆動ギア28がロック方向A及び解除方向B(図4(B)等参照)に回転される。
【0028】
駆動ギア28の下端には、被検出部としてのマグネット(図示省略)が固定されており、マグネットは、駆動ギア28と一体回転される。ハウジング12内の下端(下ハウジング12Bの上側)には、検出部としての回路基板44(図4(B)参照)が固定されており、回路基板44は、制御装置42に電気的に接続されている。回路基板44は、駆動ギア28のマグネットの下側に配置されており、回路基板44は、駆動ギア28のマグネットが発生する磁場の方向を検出して、駆動ギア28の回転位置を検出する。
【0029】
駆動ギア28の上下方向中間部には、係合部としての円柱状のピン32(図7の(A)~(D)参照)が3個(所定数)設けられている。ピン32は、駆動ギア28の軸方向に平行に配置されており、3個のピン32は、駆動ギア28の周方向に等間隔に配置されている。3個のピン32は、第1ピン32A、第2ピン32B及び第3ピン32Cにされており、第1ピン32A、第2ピン32B及び第3ピン32Cは、この順番で解除方向Bに並べられている。
【0030】
駆動ギア28の前側には、ロック体としてのブロッカ34(図3図4の(A)及び(B)参照)が設けられている。
【0031】
ブロッカ34には、移動体としてのブロッカ本体36が設けられており、ブロッカ本体36がハウジング12内に左右方向に移動(スライド)可能に支持されて、ブロッカ34が左右方向に移動可能にされている。ハウジング12内には、ブロッカ34の右側において、規制部としてのストッパ46(図7(A)参照)が固定されており、ストッパ46にブロッカ34が当接されて、ブロッカ34の右方への移動が規制されている。
【0032】
ブロッカ本体36の後側部分には、略矩形板状の移動板36Aが設けられており、移動板36Aは、上下方向に垂直に配置されている。移動板36Aの後側部分には、被係合部としての所定形状の係合溝38(図7の(A)~(D)参照)が貫通形成されており、係合溝38は、移動板36Aの後側に開放されている。係合溝38の左部の前側は、第1移動溝38Aにされており、第1移動溝38Aは、前後方向に延在されている。第1移動溝38Aの後側は、第1停止溝38Bにされており、第1停止溝38Bは、第1移動溝38Aに連通されている。第1停止溝38Bは、左側に凸状に湾曲されており、第1停止溝38Bは、移動板36Aの後側に開放されている。係合溝38の左右方向中間部の前側は、第2移動溝38Cにされており、第2移動溝38Cは、前後方向に延在されている。第2移動溝38Cの後側は、第2停止溝38Dにされており、第2停止溝38Dは、第2移動溝38Cに連通されている。第2停止溝38Dは、左側に凸状に湾曲されており、第2停止溝38Dは、移動板36Aの後側に開放されている。係合溝38の右部は、第3停止溝38Eにされており、第3停止溝38Eは、第2停止溝38Dの右側に配置されると共に、第2停止溝38Dと連通されている。第3停止溝38Eは、右側に凸状に湾曲されており、第2停止溝38Dは、移動板36Aの後側に開放されている。
【0033】
駆動ギア28は、第1回転位置R1に配置されており(図7(A)参照)、駆動ギア28の第1ピン32Aがブロッカ34(係合溝38)の第1移動溝38Aに係合(嵌合)されて、ブロッカ34が、解除位置に配置されると共に、ストッパ46によって右方への移動を規制されている。
【0034】
駆動ギア28は、第2回転位置R2(本実施形態では第1回転位置R1からロック方向Aに72.5°回転された位置)に回転可能にされており(図7(B)参照)、駆動ギア28が第1回転位置R1から第2回転位置R2までの回転範囲を回転される際には、駆動ギア28の第1ピン32Aがブロッカ34(係合溝38)の第1移動溝38Aに係合された状態で回転されることで、第1ピン32Aによって第1移動溝38Aが移動される。このため、駆動ギア28がロック方向Aに回転されて、ブロッカ34が左方に移動されると共に、駆動ギア28が解除方向Bに回転されて、ブロッカ34が右方に移動される。また、駆動ギア28が第2回転位置R2に配置される際には、ブロッカ34が、第1ロック位置としてのPロック位置に配置されると共に、第1ピン32Aによって左右方向への移動を制限される。
【0035】
駆動ギア28は、第3回転位置R3(本実施形態では第1回転位置R1からロック方向Aに120°回転された位置)に回転可能にされており(図7(C)参照)、駆動ギア28が第2回転位置R2から第3回転位置R3までの所定回転範囲(以下「第1回転範囲」という)を回転される際には、駆動ギア28の第1ピン32Aがブロッカ34(係合溝38)の第1停止溝38Bに係合(嵌合)された状態で第1停止溝38Bに沿って回転されることで、第1ピン32Aによって第1停止溝38Bが移動されない。このため、駆動ギア28がロック方向A及び解除方向Bに回転されても、ブロッカ34が、Pロック位置から左右方向に移動されないと共に、第1ピン32Aによって左右方向への移動を規制される。また、駆動ギア28が第3回転位置R3に配置される際には、駆動ギア28の第2ピン32Bがブロッカ34(係合溝38)の第2移動溝38Cに係合(第2移動溝38Cの周面に当接)される。
【0036】
駆動ギア28は、第4回転位置R4(本実施形態では第1回転位置R1からロック方向Aに192.5°回転された位置)に回転可能にされており(図7(D)参照)、駆動ギア28が第3回転位置R3から第4回転位置R4までの回転範囲を回転される際には、駆動ギア28の第2ピン32Bがブロッカ34(係合溝38)の第2移動溝38Cに係合(嵌合)された状態で回転されることで、第2ピン32Bによって第2移動溝38Cが移動される。このため、駆動ギア28がロック方向Aに回転されて、ブロッカ34が左方に移動されると共に、駆動ギア28が解除方向Bに回転されて、ブロッカ34が右方に移動される。また、駆動ギア28が第4回転位置R4に配置される際には、ブロッカ34が、第2ロック位置としてのNロック位置に配置されると共に、第2ピン32Bによって左右方向への移動を規制される。さらに、駆動ギア28が第4回転位置R4に配置される際には、駆動ギア28の第2ピン32B及び第3ピン32Cがそれぞれブロッカ34(係合溝38)の第2停止溝38D及び第3停止溝38Eに係合(第2移動溝38C及び第3停止溝38Eの周面に当接)される。
【0037】
駆動ギア28は、第4回転位置R4よりロック方向A側に回転可能にされており、駆動ギア28が第4回転位置R4からロック方向A側の所定回転範囲(以下「第2回転範囲」という)を回転される際には、駆動ギア28の第2ピン32B及び第3ピン32Cがそれぞれブロッカ34(係合溝38)の第2停止溝38D及び第3停止溝38Eに係合(第2移動溝38C及び第3停止溝38Eの周面に当接)された状態で第2停止溝38D及び第3停止溝38Eに沿って回転されることで、第2ピン32B及び第3ピン32Cによって第2停止溝38D及び第3停止溝38Eが移動されない。このため、駆動ギア28がロック方向A及び解除方向Bに回転されても、ブロッカ34が、Nロック位置から左右方向に移動されないと共に、第2ピン32B及び第3ピン32Cによって左右方向への移動を制限される。
【0038】
ブロッカ本体36の前側かつ左側の部分には、ロック部材としての略矩形柱状のロックバー40が支持されており、ロックバー40は、左右方向に平行に延在されると共に、ブロッカ本体36から左方に延出されている。ロックバー40の左端部には、第1ロック部としての矩形柱状のP突起40Aが設けられており、P突起40Aは、左方に突出されている。ロックバー40の左右方向中間部には、第2ロック部としての矩形柱状のN突起40Bが設けられており、N突起40Bは、P突起40Aの右側において、上側に突出されている。
【0039】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0040】
以上の構成のシフト装置10では、駆動機構22において、モータ24が駆動されて、ウォーム26が回転されることで、駆動ギア28がロック方向A及び解除方向Bに回転されて、それぞれブロッカ34が左方及び右方に移動される。
【0041】
レバー16がP位置に配置された場合に、駆動ギア28が第1回転位置R1から第1回転範囲(第2回転位置R2から第3回転位置R3までの回転範囲)に回転されて、ブロッカ34が解除位置からPロック位置に移動された際(図5の(A)及び(B)参照)には、ブロッカ34のロックバー40のP突起40Aがレバー16のディテント板18の前側に配置される(図2及び図4(A)参照)。このため、ロックバー40によってディテント板18の前側への回動がロックされることで、レバー16の下側への回動がロックされて、レバー16のP位置からR位置への回動がロックされる。
【0042】
一方、レバー16がP位置に配置された場合に、駆動ギア28が第1回転範囲から第1回転位置R1に回転されて、ブロッカ34がPロック位置から解除位置に移動された際には、ブロッカ34のロックバー40がレバー16のディテント板18より右側に配置される。このため、ロックバー40によるディテント板18の前側への回動のロックが解除されることで、レバー16の下側への回動のロックが解除されて、レバー16のP位置からR位置への回動のロックが解除される。
【0043】
レバー16がN位置に配置された場合に、駆動ギア28が第1回転位置R1から第2回転範囲(第4回転位置R4からロック方向A側の回転範囲)に回転されて、ブロッカ34が解除位置からNロック位置に移動された際(図6の(A)及び(B)参照)には、ブロッカ34のロックバー40がレバー16のディテント板18のディテント孔18Aに挿入されて、ロックバー40のN突起40Bがディテント孔18AのN孔18Bに挿入(嵌合)される(図3及び図4(B)参照)。このため、ロックバー40によってディテント板18の前側及び後側への回動がロックされることで、レバー16の下側及び上側への回動がロックされて、レバー16のN位置からD位置及びR位置への回動がロックされる。
【0044】
一方、レバー16がN位置に配置された場合に、駆動ギア28が第2回転範囲から第1回転位置R1に回転されて、ブロッカ34がNロック位置から解除位置に移動された際には、ブロッカ34のロックバー40がレバー16のディテント板18より右側に配置される。このため、ロックバー40によるディテント板18の前側及び後側への回動のロックが解除されることで、レバー16の下側及び上側への回動のロックが解除されて、レバー16のN位置からD位置及びR位置への回動のロックが解除される。
【0045】
ところで、駆動ギア28が第1回転範囲又は第2回転範囲から第1回転位置R1に回転される際には、それぞれブロッカ34がPロック位置又はNロック位置から解除位置に移動されてストッパ46に当接されることで、モータ24に流れるロック電流が検出されて、制御装置42の制御によりモータ24の駆動が停止される。
【0046】
また、駆動ギア28が第1回転位置R1から第1回転範囲又は第2回転範囲に回転される際には、それぞれ駆動ギア28が第1回転範囲又は第2回転範囲に回転されたことを回路基板44が検出することで、制御装置42の制御によりモータ24の駆動が停止される。
【0047】
ここで、駆動ギア28が第2回転範囲から第1回転位置R1に回転される際には、駆動ギア28の第2回転範囲においてブロッカ34がNロック位置に停止されると共に、駆動ギア28の第1回転範囲においてブロッカ34がPロック位置に停止され、かつ、駆動ギア28の第1回転位置R1においてブロッカ34が解除位置に停止される。このため、ブロッカ34の停止位置を多くでき、ブロッカ34(ロックバー40)によるレバー16(ディテント板18)の回動のロック態様を多くできて、ブロッカ34の数を少なくできる。
【0048】
さらに、ブロッカ34(ロックバー40)が、レバー16の回動をロックしない解除位置、レバー16のP位置からの回動をロックするPロック位置、及び、レバー16のN位置からの回動をロックするNロック位置に停止される。このため、ブロッカ34によるレバー16の回動のロック態様を多くできる。
【0049】
しかも、ブロッカ34の停止位置が変更されて、ブロッカ34(ロックバー40)のレバー16(ディテント板18)との係合態様が変更される。このため、ブロッカ34によるレバー16の回動のロック態様を多くできる。
【0050】
また、駆動ギア28の第1回転範囲及び第2回転範囲においてそれぞれブロッカ34がPロック位置及びNロック位置に停止される。このため、モータ24の駆動停止によるブロッカ34の停止位置の精度を高くする必要性を低くでき、ブロッカ34をPロック位置及びNロック位置に精度良く停止できる。
【0051】
さらに、駆動ギア28の第1回転範囲及び第2回転範囲においては、それぞれ駆動ギア28(ピン32)がブロッカ34(係合溝38)のPロック位置及びNロック位置からの移動を制限する。このため、ブロッカ34をPロック位置及びNロック位置に精度良く停止できる。
【0052】
しかも、ブロッカ34の解除位置から右方への移動をストッパ46が規制する。このため、ブロッカ34を解除位置に精度良く停止できる。
【0053】
なお、本実施形態では、駆動ギア28が回転される際にブロッカ34が3位置(Nロック位置、Pロック位置及び解除位置)に停止される。しかしながら、駆動ギア28が回転される際にブロッカ34が4位置以上に停止されてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、レバー16(シフト体)が回動される。しかしながら、シフト体が中心軸線周りに回転(移動)又はスライド(移動)されてもよい。
【0055】
さらに、本実施形態では、シフト装置10がステアリングコラムに設置される。しかしながら、シフト装置10がコンソール又はインストルメントパネルに設置してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10・・・シフト装置、16・・・レバー(シフト体)、28・・・駆動ギア(回転体)、34・・・ブロッカ(ロック体)、46・・・ストッパ(規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7