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特開2025-5825情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005825
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250109BHJP
   G06Q 20/36 20120101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q20/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106213
(22)【出願日】2023-06-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 奎太
(72)【発明者】
【氏名】東野 雅也
【テーマコード(参考)】
5L020
5L030
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA68
5L030BB22
5L049BB22
5L055AA68
(57)【要約】
【課題】電子商取引における売上金の受け取りについてのバリエーションを増やし、変動価値を有する通貨等を簡易にユーザに付与する。
【解決手段】情報処理方法であって、情報処理装置が、電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得すること、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、売上金の少なくとも一部を、時価に基づいて通貨又は財産権に変換すること、変換される通貨又は財産権を前記ユーザに対応付けること、を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記売上金の少なくとも一部を、前記時価に基づいて前記通貨又は前記財産権に変換すること、
変換される前記通貨又は前記財産権を前記ユーザに対応付けること、を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記変換することは、前記電子商取引において前記ユーザが商品を出品する時、他のユーザが前記商品を落札した時、前記商品の取引完了時、及び前記商品の売上の入金時のいずれかの時価を適用して前記通貨又は前記財産権に変換することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記商品の出品時の時価が適用される場合、前記商品のキャンセル又は価格変更を制限すること、をさらに実行する、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記ユーザから、前記売上金の少なくとも一部について金額又は割合の指定を受け付けること、をさらに実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記売上金の少なくとも一部の変換処理が行われる場合、前記ユーザに特典を付与すること、をさらに実行する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記特典は、前記電子商取引の利用手数料の割引、又は、変換される前記通貨又は前記財産権の増加を含む、請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記指定を受け付けることは、前記ユーザから指定を受け付ける画面情報に、過去の所定期間における前記時価の増減に関する提示情報を含めることを含む、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記売上金の少なくとも一部を、前記時価に基づいて前記通貨又は前記財産権に変換すること、
変換される前記通貨又は前記財産権を前記ユーザに対応付けること、を実行させるプログラム。
【請求項9】
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記売上金の少なくとも一部を、前記時価に基づいて前記通貨又は前記財産権に変換すること、
変換される前記通貨又は前記財産権を前記ユーザに対応付けること、を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ間でインセンティブとしての暗号通貨を付与し合える技術がある。例えば、ユーザ間での自由利用可能な暗号通貨を送金し、ユーザ間での暗号通貨の付与履歴を記憶する暗号通貨処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7153920号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のように、価値が変動する暗号資産を保有するユーザが増えてきている。しかしながら、価値が変動する暗号資産の保有は、未だに一般ユーザにとって気軽にできるものではない側面がある。また、電子商取引において、商品の取引が成功した場合、出品者が売上金を受け取るが、電子マネーやポイントによる受け取りがほとんどであり、対価の受け取りに対するバリエーションが乏しい。
【0005】
そこで、本開示は、電子商取引における売上金の受け取りについてのバリエーションを増やし、変動価値を有する通貨等を簡易にユーザに付与することが可能な情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得すること、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、前記売上金の少なくとも一部を、前記時価に基づいて前記通貨又は前記財産権に変換すること、変換される前記通貨又は前記財産権を前記ユーザに対応付けること、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の一態様に係る情報処理システムの構成の一例、本開示に係るサーバのハードウェア構成の一例、及び本開示に係る端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るアカウント情報の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る決済管理情報の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る取引管理情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理システムの処理のフローチャートの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る端末の画面に表示される取引完了時の画面遷移の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る端末の画面に表示される暗号資産表示画面の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る端末の画面に表示されるユーザ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正をもって実施される。
【0009】
本開示に係る情報処理方法、プログラム及び情報処理装置を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
<システム構成>
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を開示する。情報処理システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、サーバ110Bと、端末120A、端末120B、端末120Cと、サーバ110Aと連携するサーバ150とが接続される。例えば、サーバ110Aは、サーバ150と連携していることで、サーバ150が提供するサービス(例えば、暗号資産取引サービス)に関連する情報を取得することが可能である。
【0011】
サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続されるサーバ110の数は限定されない。
【0012】
端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される端末120の数は限定されない。
【0013】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセージングサービスを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。サーバ150は、変動価値を有する通貨又は財産権の取引プラットフォームを構築し、例えば暗号資産取引サービスなどを端末120に提供する。サーバ110、150は、単独で1以上のそれぞれのサービスを提供してもよいし、複数で1以上のそれぞれのサービスを提供してもよい。サーバ110、150が1以上の端末120にそれぞれのサービスを提供することで、ユーザが端末120を介してそれぞれのサービスを利用することができる。
【0014】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザに対応付けられた情報をユーザ情報Xと表現する。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)等を含むことができる。
【0015】
ネットワーク130は、2以上のサーバ110、150、又は2以上の端末120を接続する。ネットワーク130は、端末120がサーバ110、150に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する。
【0016】
ネットワーク130の1以上の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0017】
サーバ110、150、及び端末120は、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0018】
サーバ110、150、及び端末120は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホーム等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0019】
<各情報処理装置のハードウェア構成>
(1)サーバのハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれるサーバ110のハードウェア構成について説明する。
【0020】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力インタフェース(入出力I/F)114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。サーバ110のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0021】
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力I/F114と、送受信部117との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0022】
プロセッサ111は、ストレージ113に記憶されるプログラムに含まれるコード、または、命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ111は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0023】
メモリ112は、ストレージ113からロードしたプログラム1121を一時的に記憶し、プロセッサ111に対して作業領域を提供する。メモリ112には、プロセッサ111がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ112は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。 ストレージ113は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ113は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0024】
入出力I/F114は、サーバ110に対する各種操作を入力する入力装置115、および、サーバ110で処理された処理結果を出力する出力装置116に接続する。
【0025】
入力装置115は、ユーザからの入力を受け付けて、入出力I/F114を介し、当該入力に係る情報をプロセッサ111に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0026】
出力装置116は、入出力I/F114を介し、プロセッサ111で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置116は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置116は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0027】
なお、入力装置115と出力装置116が一体化していてもよいし、入力装置115と出力装置116とは分離していてもよい。
【0028】
送受信部117は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部117は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部117は、各種データをプロセッサ111からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部117は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ111に伝達する。なお、サーバ150は、サーバ110と同様の装置を有するため、説明を省略する。
【0029】
(2)端末120のハードウェア構成
図1を用いて、情報処理システム1に含まれる端末120のハードウェア構成について説明する。
【0030】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。端末120のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0031】
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128との協働により、本開示に記載される処理、機能又は方法を実現する。
【0032】
プロセッサ121は、ストレージ123に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ121は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示されるそれぞれの、処理、機能、または、方法を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0033】
メモリ122は、ストレージ123からロードしたプログラム1221を一時的に記憶し、プロセッサ121に対して作業領域を提供する。メモリ122には、プロセッサ121がプログラム1221を実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ122は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0034】
ストレージ123は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ123は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0035】
入出力I/F124は、端末120に対する各種操作を入力する入力装置125、および、端末120で処理された処理結果を出力する出力装置126に接続する。
【0036】
入力装置125は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ121に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0037】
出力装置126は、プロセッサ121で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンター等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0038】
なお、入力装置125と出力装置126が一体化していてもよいし、入力装置125と出力装置126とは分離していてもよい。
【0039】
送受信部127は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。送受信部127は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。送受信部127は、各種データをプロセッサ121からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、送受信部127は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ121に伝達する。
【0040】
(3)その他
1以上の情報処理装置で構成されるクラウドコンピューティングが、サーバ110、150または、端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。
【0041】
他の情報処理装置が、サーバ110、150または端末120における処理、機能、または、方法の少なくとも一部を実現してもよい。この場合、他の情報処理装置のプロセッサが、プロセッサ111またはプロセッサ121により実現される処理のうち少なくとも一部の処理を実現してもよい。
【0042】
本開示の各実施形態の処理を実行するプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラム等であってよい。
【0043】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または、揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0044】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ110、150または、端末120に提供されてもよい。
【0045】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0046】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift(登録商標)、Kotlin(登録商標)、Java(登録商標)などを用いて実装されてもよい。
【0047】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0048】
本開示は、本開示に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。また、添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態または実施例の1以上の特徴と、本開示における他の実施形態または実施例の1以上の特徴との任意の組合せを包含する。
【0049】
加えて、特定の処理、機能又は方法を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0050】
本開示は、明示されない限り、いずれの実施形態または実施例を実施するに際して、事前に、または、実施の直前にユーザからの同意を取得してもよい。また、取得する同意は、包括的なものでもよく、都度取得するものでもよい。
【0051】
<実施形態>
実施形態は、例えば、ユーザは、電子商取引における売上金の少なくとも一部を、変動価値を有する通貨又は財産権に変換することを可能にする実施形態である。
【0052】
実施形態により、電子商取引における売上金の受け取りのバリエーションを増やし、簡易な処理で投資を気軽に促進することができるという効果が得られる。
【0053】
<実施形態の構成>
図1を用いてサーバ110、端末120の各構成を説明する。
(1)サーバの構成
サーバ110は、プロセッサ111と、メモリ112,ストレージ113と、入出I/F114と、入力装置115と、出力装置116と、送受信部117とを有する。
【0054】
プロセッサ111により実行されて構成されうる処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0055】
入出力I/F114は、入力装置115または出力装置116から、サーバ110により提供される各種のサービスを運営する事業者からの各種の設定操作等を受け付ける。
【0056】
送受信部117は、プロセッサ111の指示に従い、端末120等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部117は、例えば、端末120等からのログイン要求に含まれるユーザID、及びパスワードにより端末120等のユーザが認証された際、端末120等とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、端末120等の通信用のアドレス、及びユーザID等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、端末120等にデータを送信する。
【0057】
メモリ112は、実施形態において、プログラム1121、ユーザ情報1122、アカウント情報1123、決済管理情報1124、取引管理情報1125、決済制御モジュール1126、第1取引制御モジュール1127、第2取引制御モジュール1128及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。なお、メモリ112に記憶される情報は他の記憶装置(例えばストレージ113)に記憶されてもよい。
【0058】
プログラム1121は、上述したとおり、ストレージ113からロードされたプログラムであって、実施形態における処理に関する命令等が含まれる。また、プログラム1121は、電子商取引サービス及び/又は決済サービスをユーザに提供する処理を実行するための命令を含んでもよい。さらに、プログラム1121は、変動価値を有する通貨又は財産権の取引サービスをユーザに提供する処理を実行するための命令を含んでもよい。
【0059】
変動価値を有する通貨とは、例えば暗号資産(仮想通貨)などを含み、変動価値を有する財産権とは、株式、債券、投資信託などの資本証券を含む有価証券、FX(外国為替証拠金取引)、CFD(差金決済取引)、金などを含む。以下では、変動価値を有する通貨又は財産権の例として、暗号資産を用いて説明する。
【0060】
ユーザ情報1122は、電子商取引プラットフォームにおいて登録されたユーザの情報を含む。また、ユーザ情報1122は、電子決済を行う決済サービスと連携し、決済サービスを利用するユーザの情報を含んでもよい。また、ユーザ情報1122は、暗号資産の取引を行う取引サービスと連携し、暗号資産取引サービスを利用するユーザの情報を含んでもよく、暗号資産取引サービスを利用するユーザのユーザ情報とユーザIDなどで連携してもよい。
【0061】
図2は、実施形態に係るユーザ情報1122の一例を示す。ユーザ情報には、電子商取引プラットフォームを提供する事業者により作成された各会員ユーザに関する情報が管理される。また、事業者は、決済サービスを運営、管理する決済事業者や、暗号資産の取引を行う暗号資産取引所を運営する事業者でもよい。
【0062】
「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「メールアドレス」には、ユーザにより登録されたメールアドレスが含められる。「氏名」には、ユーザの氏名が含められる。「職業」には、ユーザにより登録された職業が含められる。また、ユーザ情報には、上記例以外にも、年収、住所、生年月日、運電免許証の有無、運転免許証がある場合は運転免許証番号、マイナンバーカードの番号などが含められてもよい。
【0063】
図3は、実施形態に係るアカウント情報1123の一例を示す。アカウント情報には、例えば電子商取引事業者により作成された各ユーザのアカウントに関する情報が管理される。電子商取引事業者は、例えば、電子決済サービスを運営、管理する者、及び/又は、暗号資産取引事業者でもよい。
【0064】
「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報が含められる。「パスワード」には、ユーザ認証を行うためのパスワードが含められる。「残高」には、ユーザが保有するアカウントの電子マネー(又は電子バリュー)の残高が含められる。電子マネーは、例えば、現金をデータ化し、決済が可能な金銭的価値である。
【0065】
図3に示す例では、残高には、チャージ金額、売上額(売上金)、ポイント1、ポイント2などが含まれる。この種類は一例であって、これらに限定されるものではない。チャージ金額とは、例えば、ユーザが、自身の銀行口座から、事業者により作成されたアカウントの口座へ入金した金額を示す。売上額とは、例えば、ユーザが、連携する電子商取引プラットフォームに商品を出品して販売することで得た収益を示す。ポイント1とは、例えば、ユーザが、売上額を変換して得たポイントであり、連携する電子商取引プラットフォームにおいて利用されるポイントを示す。ポイント2とは、例えば、事業者等の他者が付与したポイントであり、電子商取引プラットフォームや決済サービスに加盟する加盟店等において利用されるポイントである。
【0066】
チャージ金額は、ユーザが、事業者が提供するアプリケーション内で、自身の銀行口座の情報を入力し、ユーザIDと銀行口座とを対応付け、本人確認が完了した場合に、アカウントの残高に任意の金額をチャージ可能となる。なお、チャージ金額は、銀行口座以外にも、コンビニエンスストアなどでチャージすることも可能である。以下、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく本人確認が完了していれば、「本人確認後」と表記し、本人確認が未完了であれば、「本人確認前」と表記する。
【0067】
ポイント1は、銀行接続前に、ユーザが電子商取引プラットフォームにおいて取引するために、売上額が変換された有償のポイントであり、ポイント1は、有効期限が設定されてもよい。有効期限は、例えば6か月である。ポイント1は、銀行接続後であれば、売上額からの出金が可能になるため、新規に敢えてポイント1に変換して保有される必要がない。したがって、銀行接続前に保有されたポイント1は、使用により徐々に減少する。なお、銀行接続とはユーザのアカウントとユーザが保有する銀行口座とを対応づけられた状態である。
【0068】
ポイント2は、事業者等が、特典として配布、又は付与する無償のポイントであり、ポイント2は、有効期限が設定されてもよい。ポイントの2の有効期限は、ポイント1の有効期限よりも短く設定されてもよい。
【0069】
「暗号資産」には、売上金の少なくとも一部が変換される暗号資産や、ユーザが購入し、又は保有する暗号資産が含まれる。暗号資産は、例えば、ビットコイン(登録商標)などであり、変動性があってやり取り可能な財産的価値である。
【0070】
なお、暗号資産は、別のDBに保持されてもよい。この場合、電子商取引等におけるアカウントのユーザIDと、暗号資産取引におけるアカウントのユーザIDとが関連付けられて、これにより、同一ユーザの電子商取引における残高と、暗号資産取引における暗号資産とが関連付けられてもよい。同一ユーザであっても、電子商取引におけるユーザIDと暗号資産取引におけるユーザIDとは別のIDであってもよい。
【0071】
図4は、実施形態に係る決済管理情報1124の一例を示す。決済管理情報は、決済にかかる情報であればどのようなものであってもよい。例えば、ユーザが商品購入時などに決済端末により生成され、サーバ110に送信される情報である。「決済ID」には、決済を識別するための識別情報(決済ID)が含められる。「日時」には、電子決済が完了した日時が含められる。電子決済は、例えば、二次元コードを用いた決済や、クレジットカード決済、後述する暗号資産決済などが含められてよい。「店舗ID」には、電子決済が行われた店舗の店舗情報(店舗IDとも称す)が含められる。なお、店舗IDは、店舗に複数のPOS端末がある場合は、POS端末のIDでもよい。「支払額」には、電子決済が行われた際の支払額が含められる。「決済方法」には、決済に利用される決済方法の情報が含められる。決済方法は、例えば、一括払い、翌月以降にまとめて支払うあと払い、翌月以降に定額を清算していく定額あと払い、コンビニ払い、クレジット払い、残高払い、ボーナス払いなどのうちの1つである。また、1の決済に複数の決済方法が選択されてもよい。「ステータス」には、決済(清算が)が完了している場合は「済」を示す情報、決済が完了していない場合は「未」を示す情報が含められる。
【0072】
サーバ110が電子商取引プラットフォームにより提供される電子商取引サービスと連携する場合、取引管理情報1125は、電子商取引プラットフォームにおける商品の売買に関する取引情報の履歴を含む。
【0073】
図5は、実施形態に係る取引管理情報1125の一例を示す。「出品者ID」には、売り手のユーザのユーザIDが含められる。「商品名」には、商品の名称が含められる。「説明」には、商品の説明が含められる。「金額」には、商品の販売価格が含められる。なお、「商品名」、「説明」、「金額」は、商品の出品情報に含められ、出品情報には、その他の情報が含められてもよい。「出品時刻」には、商品が出品された時刻が含められる。「購入者ID」には、その商品を購入したユーザのユーザIDが含められる。「決済方法」は、購入者が商品購入に用いる決済方法が含められる。
【0074】
なお、取引管理情報のその他の項目として、「ステータス」が含められてもよい。「ステータス」には、電子商取引における取引の状態が含められる。ステータスは、現在取引中であることを示す「取引中」、買い手であるユーザとの交渉中であることを示す「交渉中」、販売済を示す「済」などを含んでよい。
【0075】
また、取引管理情報は、「通貨割合」を含んでもよい。「通貨割合」は、電子商取引における売上金に対する暗号資産の割合が含められる。なお、「通貨割合」は、暗号資産に変換される金額が含められてもよい。
【0076】
図1に戻り、メモリ112に記憶される決済制御モジュール1126は、プロセッサ111により実行されることで、各ユーザによる電子商取引プラットフォームにおいての商品購入時の決済処理や、各加盟店での商品購入時の決済処理などを実行する。例えば、店舗における決済処理は、図4に示す決済管理情報で管理され、電子商取引プラットフォームにおける決済処理は、図5に示す取引管理情報で管理される。
【0077】
また、メモリ112に記憶される第1取引制御モジュール1127は、プロセッサ1111により実行されることで、電子商取引プラットフォームにおける売買取引を制御する。例えば、第1取引制御モジュール1127は、電子商取引プラットフォームにおいて、ユーザ登録、出品処理、売買取引処理、評価処理、電子バリューの管理処理などを制御する。
【0078】
メモリ112に記憶される第2取引制御モジュール1128は、暗号資産の取引を制御する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、暗号資産用のアカウントを作成し、ユーザの指示により、所定の暗号資産の売買処理を行う。また、第2取引制御モジュール1128は、ユーザから暗号資産の購入を許可された場合、暗号資産取引プラットフォーム(「暗号資産取引所」ともいう。)から、デフォルト又はユーザ設定による割合又は金額の売上金を用いて暗号資産を購入する。以下では、この購入処理を暗号資産への変換処理(又は交換処理)ともいう。なお、第2取引制御モジュール1128は、他の事業者のサーバ(例えばサーバ150)に設けられてもよい。
【0079】
以下、電子商取引プラットフォームにおいて、ユーザが出品した商品が取引完了した際に、売上金の少なくとも一部を暗号資産に変換する処理について説明する。
【0080】
第1取引制御モジュール1127は、出品された商品の取引を制御し、例えば、ユーザが商品を出品して商品をプラットフォーム上に掲載し、入札、落札を制御し、商品の発送を管理し、商品の受け取りを受領し、取引当事者のユーザの評価をして取引処理を完了する。
【0081】
第1取引制御モジュール1127は、取引が完了すると、売上金の全部または一部から手数料を減算し、減算後の金額をユーザのアカウントの残高に加算する。また、第1取引制御モジュール1127は、売上金の少なくとも一部を暗号資産に変換する設定が行われている場合、売上金の少なくとも一部の金額を、第2取引制御モジュール1128に出力する。
【0082】
第2取引制御モジュール1128は、電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、デフォルト又はユーザにより設定された売上金の少なくとも一部の金額情報を、第1取引制御モジュール1127から取得する。なお、第2取引制御モジュール1128は、第1取引制御モジュール1127から売上金の情報を取得し、デフォルト又はユーザにより設定された金額又は割合に基づいて売上金の少なくとも一部を算出し、取得してもよい。
【0083】
第2取引制御モジュール1128は、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、所定の暗号資産取引プラットフォームから、この暗号資産の時価を取得する。
【0084】
第2取引制御モジュール1128は、取得された売上金の少なくとも一部を、取得された時価に基づいて通貨又は財産権に変換する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、売上金の少なくとも一部と時価とに基づいて、暗号資産取引プラットフォームから取得可能な暗号資産を購入し、売上金の少なくとも一部を暗号資産に変換する。
【0085】
第2取引制御モジュール1128は、変換される通貨又は財産権をユーザに対応付ける。例えば、第2取引制御モジュール1128は、変換された暗号資産を、ユーザのアカウントの暗号資産に加算する。これにより、ユーザAが保有する暗号資産は、変換された暗号資産の分だけ増加する。なお、第2取引制御モジュール1128は、同一ユーザの電子商取引におけるユーザIDと、暗号資産取引におけるユーザIDとを事前に関連付けておくとよい。
【0086】
以上の処理により、電子商取引における売上金の受け取りについてのバリエーションを増やし、変動価値を有する通貨等を簡易にユーザに付与することが可能になる。ユーザにとっては、電子商取引における売上金の少なくとも一部を気軽に投資に回すことができ、ユーザ満足度の向上を図ることができる。
【0087】
また、第2取引制御モジュール1128は、電子商取引においてユーザが商品を出品する時、他のユーザが商品を落札した時、商品の取引完了時、及び商品の売上の入金時のいずれかの時価を適用して通貨又は財産権に変換することを実行してもよい。例えば、第2取引制御モジュール1128は、時価の適用タイミングとして、出品時、落札時、取引完了時、評価時の少なくとも1つを取得する。取引完了時は、例えば、購入者が商品の受け取り通知をしたとき、購入者と販売者との双方が評価を行った時等のいずれかの時であってよい。なお、ユーザにより所望のタイミングが設定されていれば、第2取引制御モジュール1128は、ユーザ所望のタイミングで時価を取得する。
【0088】
また、第2取引制御モジュール1128は、少なくとも2つ以上のタイミングで時価を取得しておいてもよい。このとき、第2取引制御モジュール1128は、取得された複数の時価の中から、一番高い時価又は一番低い時価、あるいは、ユーザにより指定された時価を用いて暗号資産を購入するようにしてもよい。なお、暗号資産の取引の安定性を考慮すると、取引完了時に時価を取得することが好適である。
【0089】
以上の処理により、暗号資産の取得の際に、なるべく変換率が高い時価を選択し、ユーザに有利な暗号資産への変換を行うことが可能になる。
【0090】
第1取引制御モジュール1127は、暗号資産取得に関し、商品の出品時の時価が適用される場合、商品のキャンセル又は価格変更を制限することを実行してもよい。例えば、第1取引制御モジュール1127は、出品時の時価が取得され、この時価が暗号資産の変換に適用されている場合、出品のキャンセルを不可とし、また、出品した商品の価格変更を不可としてもよい。
【0091】
例えば、第1取引制御モジュール1127は、取引管理情報内のキャンセル可否項目又は価格変更可否項目を設定可能にし、出品時の時価の適用が設定されている場合は、キャンセル可否項目又は価格可否項目に対してキャンセル不可又は価格変更不可を設定する。
【0092】
具体例として、第1取引制御モジュール1127は、出品者(ユーザ)の端末120からのキャンセル依頼に対して、キャンセル可否項目を参照してキャンセルの可否を判定し、又は、出品時の時価の適用が設定された否かによりキャンセルの可否を判定し、キャンセル可能の場合にキャンセル処理を実行する。
【0093】
以上の処理により、電子商取引の安定性を図ることが可能になる。例えば、出品時の時価よりも現在の時価が下落した場合に出品をキャンセルしたり、出品時の時価よりも現在の時価が高騰した場合に出品価格を高く変更したりすることが予想され、これらを許容すると、電子商取引の安定性を害する恐れがある。そのため、商品のキャンセル又は価格変更を制限することで電子商取引の安定を図ることができる。
【0094】
また、第1取引制御モジュール1127は、ユーザから、売上金の少なくとも一部について金額又は割合の指定を受け付けることを実行してもよい。例えば、第1取引制御モジュール1127は、電子商取引の取引完了画面が表示される際に、売上金のうち、いくらを暗号資産に変換するかをユーザに指定させてもよい。指定方法はいずれの方法でもよく、例えば、0から売上金までのスライドバーを用いて、つまみを移動させることで、暗号資産に変換する金額を指定させてもよい。また、ユーザに割合又は金額を入力欄に入力刺させることにより、割合又は金額が指定されてもよい。
【0095】
以上の処理により、ユーザは、出品による取引が完了する度に、売上金等に応じて、暗号資産に変換する金額を自由に設定することが可能になり、気軽な投資体験の機会を増やすことができる。
【0096】
また、第1取引制御モジュール1127は、売上金の割合又は金額の指定を受け付ける場合、ユーザから指定を受け付ける画面情報に、過去の所定期間における時価の増減に関する提示情報を含めることを実行してもよい。例えば、第1取引制御モジュール1127は、第2取引制御モジュール1128から時価情報を都度取得し、所定期間前の時価よりも現時点の時価がいくら増減したかを算出し、指定画面に暗号資産の増減額等を表示するようにしてもよい。
【0097】
以上の処理により、ユーザは、暗号資産の時価の増減の事実を参考にしながら、暗号資産に変換する割合や金額を指定することが可能になる。
【0098】
また、第2取引制御モジュール1128は、売上金の少なくとも一部の変換処理が行われる場合、ユーザに特典を付与することを実行してもよい。これにより、暗号資産への変換処理をユーザに促すことが可能になる。
【0099】
例えば、特典として、第1取引制御モジュール1127は、電子商取引の利用手数料を割引してもよく、又は、第2取引制御モジュール1128は、変換される通貨又は財産権を増加してもよい。また、特典として、電子商取引に利用可能なポイントが付与されてもよい。
【0100】
次に、暗号資産の購入処理について具体的に説明する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、電子商取引の取引完了時に、ユーザに付与する暗号資産の量Bを以下の式により決定する。
B=売上金の少なくとも一部÷暗号資産の適用時価
【0101】
第2取引制御モジュール1128は、取引完了時に、Bの量の暗号資産を購入して取得する。例えば、第1取引制御モジュール1127は、電子商取引による売上金(売上金から手数料を差し引いた額)を出品者のアカウントの残高に加算する。第1取引制御モジュール1127は、出品者のユーザIDに関連付けられた暗号資産のアカウントに対し、売上金の少なくとも一部を加算する。
【0102】
暗号資産のアカウントは、暗号資産を購入するための口座と、購入された暗号資産の口座とを含んでもよい。第2取引制御モジュール1128は、暗号資産を購入するための口座に加算された売上金の少なくとも一部を用いて、暗号資産を購入する。購入された暗号資産は、暗号資産の口座の残高に加算される。
【0103】
第2取引制御モジュール1128は、現在の時価と適用時価とに差がある場合、この差額を事業者が調整して適用時価分の暗号資産を購入してユーザに付与するとよい。例えば、現在の時価の方が適用時価よりも価値が高い場合、第2取引制御モジュール1128は、(売上金の少なくとも一部/(現在価値-適用時価))の暗号資産を、事業者の口座に関連付けられる暗号資産から一部補填してユーザの暗号資産に関連付けてもよい。また、現在の時価が適用時価よりも価値が低い場合、第2取引制御モジュール1128は、(売上金の少なくとも一部/(適用時価-現在時価))の暗号資産を事業者の口座に加算してもよい。
【0104】
また、第2取引制御モジュール1128は、事前の設定等に基づき、売上金の端数分を暗号資産に変換してもよい。例えば、第2取引制御モジュール1128は、売上金が千円以下の端数を暗号資産に変換する設定を事前にしている場合、例えば、売上金が5432円の場合、432円分の売上金を暗号資産に変換する。これにより、リスクが小さい小額からの投資を気軽に自動で行うことが可能になる。
【0105】
また、第2取引制御モジュール1128は、端数分を暗号資産に変換する場合、端数分を端数用口座に加算し、端数用口座の残高が所定金額以上になる場合に、端数用口座の金額を暗号資産に変換してもよい。これにより、取引処理回数を減らすことで、情報処理の資源を有効活用し、処理効率を向上させることができる。
【0106】
また、第2取引制御モジュール1128は、暗号資産に変換する売上金の少なくとも一部を、取引が完了する度に設定するのではなく、事前設定に基づき変換処理を行ってもよい。例えば、電子商取引プラットフォームにおけるサービスを受ける際に、ユーザ設定の項目に、自動変換処理の可否、変換する場合の金額又は割合が含められてもよい。これにより、第2取引制御モジュール1128は、ユーザに設定された自動変換処理の可否、及び金額又は割合に基づいて取引が完了する度に自動で変換処理を実行することができる。
【0107】
第2取引制御モジュール1128が事前設定に基づき変換処理を実行する場合、第1取引制御モジュール1127は、事前設定したユーザに特典を付与してもよい。例えば、付与される特典は、取得される暗号資産の割合が所定%増加する、所定金額分の暗号資産を追加するなどを含む。これにより、売上金を用いた投資を促進するとともに、取引完了の度に暗号資産への変換額を決める必要がなくなり、処理効率を向上させることが可能になる。
【0108】
また、第1取引制御モジュール1127は、適用時価が電子商取引の完了前であり、この取引完了前に暗号資産が購入される場合、出品のキャンセルを不可とし、及び/又は、暗号資産に変換される売上金の少なくとも一部の金額を変更不可としてもよい。キャンセル等を許可する場合、既に取得された暗号資産の売却する処理が発生したり、又は事業者が保有する不必要な暗号資産の増加等を招いたりするからである。
【0109】
また、第1取引制御モジュール1127は、ユーザの利便性を優先し、電子商取引の完了前に暗号資産が購入される場合でも、出品のキャンセル又は売上金の少なくとも一部の金額の変更を許可してもよい。既に取得された暗号資産は、第2取引制御モジュール1128により売却されたり、事業者の口座に保持されたりしてもよい。また、第2取引制御モジュール1128は、暗号資産の取得時の時価よりも価値が上がった時を判定し、暗号資産の価値が上がった時にキャンセルされた分の暗号資産を売却してもよい。
【0110】
なお、上述した1つ又は複数のプロセッサ111は、メモリ112から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ111は、決済制御モジュール1126、第1取引制御モジュール1127、第2取引制御モジュール1128を実行することで、決済制御部、第1取引制御部、第2取引制御部をそれぞれ構成してもよい。
【0111】
(2)端末120の構成
端末120は、プロセッサ121と、メモリ122と、ストレージ123と、入出力I/F124と、入力装置125と、出力装置126と、送受信部127と、読取部128とを有する。
【0112】
プロセッサ121により実行される処理、機能又は方法は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)などにより実現されてもよい。
【0113】
入力装置125は、端末120のユーザからの各種の操作等を受け付ける。
【0114】
送受信部127は、プロセッサ121の指示に従い、サーバ110等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部127は、例えば、サーバ110にログインした際、サーバ110とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、サーバ110の通信用のアドレス等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、サーバ110にデータを送信する。
【0115】
プロセッサ121は、サーバ110により提供される所定のサービスを利用する処理を行う。
【0116】
メモリ122は、ある実施形態において、次のプログラム1221、決済処理モジュール1222、第1取引処理モジュール1223、第2取引処理モジュール1224、表示制御モジュール1225及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。なお、メモリ122に記憶される情報は他の記憶装置(例えばストレージ123)に記憶されてもよい。
【0117】
プログラム1221は、上述したとおり、ストレージ123からロードされたプログラムであって、各実施形態に関する命令等が含まれる。
【0118】
決済処理モジュール1222は、電子決済に関する処理を実行する。例えば、決済処理モジュール1222は、ユーザの情報をコード化して、そのコードを店舗の端末に読み取らせるストアスキャン型、又は、店舗の情報を含むコードを読み取るユーザスキャン型の決済などを実行する。また、決済処理モジュール1222は、個人間送金の処理を実行してもよい。
【0119】
第1取引処理モジュール1223は、電子商取引プラットフォームにおいて商品の売買取引を行う処理を実行する。例えば、第1取引処理モジュール1223は、電子商取引プラットフォーム上で、商品を出品したり、商品を購入したりする処理を実行する。
【0120】
第2取引処理モジュール1224は、暗号資産の売買取引を行う処理を実行してもよい。例えば、第2取引処理モジュール1224は、暗号資産を購入したり、売却したりするリクエストをサーバ110に送信してもよい。
【0121】
表示制御モジュール1225は、電子決済サービス、電子商取引プラットフォーム、暗号資産取引に関する画面データを、出力装置126に表示するよう制御する。例えば、表示制御モジュール1225は、商品を出品するための画面を表示するよう制御したり、商品を購入する画面を表示するよう制御したり、暗号資産を売買する画面を表示するよう制御したりする。
【0122】
また、表示制御モジュール1225は、設定メニュー画面などから、暗号資産に変化する売上金の少なくとも一部を設定する暗号資産設定画面を出力装置126に出力するよう制御してもよい。また、表示制御モジュール1225は、暗号資産設定画面を、電子商取引の取引完了時における画面遷移の中に組み込んで出力装置126に表示するように制御してもよい。暗号資産に変換する売上金の少なくとも一部が設定された場合、ユーザ情報とともに、売上金の少なくとも一部を含む暗号資産変換金額情報がサーバ110に出力される。
【0123】
第1取引処理モジュール1223は、キャンセルが可能な場合は、ユーザの操作に基づき、画面に表示された取引履歴情報の中から、少なくとも1つの取引情報を選択してキャンセル依頼を行う。例えば、第1取引処理モジュール1223は、入力装置125に対するユーザ操作を受け付け、取引履歴情報のうち、操作がなされた取引情報に対するキャンセル依頼をサーバ110に出力する。
【0124】
なお、上述した1つ又は複数のプロセッサ121は、メモリ122から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数のプロセッサ121は、決済処理モジュール1222、第1取引処理モジュール1223、第2取引処理モジュール1224、表示制御モジュール1225それぞれを実行することで、決済処理部、第1取引処理部、第2取引処理部、表示制御部を構成してもよい。
【0125】
<実施形態の動作処理>
図6を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の処理について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理システム1の処理のフローチャートの一例を示す。なお、図6に示す処理は、例えば、ユーザが端末120からの各種リクエストに対して、サーバ110が電子商取引の完了時に行う処理の一例である。
【0126】
(ステップS102)
第2取引制御モジュール1128は、電子商取引におけるユーザの売上金の少なくとも一部を取得する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、第1取引制御モジュール1127から取引完了時に売上金又は暗号資産に変換する売上金の少なくとも一部を取得する。第2取引制御モジュール1128は、売上金を取得する場合、設定された割合又は金額に基づいて、暗号資産に変換する売上金の少なくとも一部を取得する。
【0127】
(ステップS104)
第2取引制御モジュール1128は、暗号資産取引プラットフォーム(暗号資産取引所)から、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価(例、暗号資産の時価)を取得する。
【0128】
(ステップS106)
第2取引制御モジュール1128は、取得された売上金の少なくとも一部を、取得された時価に基づいて通貨又は財産権に変換する。
【0129】
(ステップS108)
第2取引制御モジュール1128は、売上金の少なくとも一部から変換される通貨又は財産権をユーザに対応付ける。例えば、第2取引制御モジュール1128は、ユーザの暗号資産の口座に、変換された仮想通知を加算することでユーザに対応付ける。
【0130】
以上の処理により、電子商取引における売上金の受け取りについてのバリエーションを増やし、変動価値を有する通貨等を簡易にユーザに付与することが可能になる。
【0131】
<画面例>
次に、ユーザの端末120に表示される画面例について図7~9を用いて説明する。図7は、実施形態に係る端末120の画面に表示される取引完了時の画面遷移の一例を示す図である。図7に示す例において、画面D10は、電子商取引における取引完了画面の一例を示す。画面D10には、今回の出品における売上金が4,000円であることが表示されている。
【0132】
画面D12は、画面D12から所定時間(例えば数秒)後に表示される画面の一例を示す。例えば、表示画面P12は、下からスライドして表示され、暗号資産に変換する金額を売上金の中から設定する画面例を示す。表示画面P12は、スライダーP14を含み、ユーザは、スライダーP12を利用して暗号資産に変換する売上金の少なくとも一部(1,000円)を設定することが可能になる。表示画面P12により設定された金額は、ユーザ情報とともにサーバ110に送信される。サーバ110は、取得した売上金の少なくとも一部を元に暗号資産を購入する。スライダーP14の位置は、デフォルトでは例えば電子マネー分:暗号資産分=5:5とする。これにより、スライダーP14を移動させることが可能であることをユーザに知らせることができる。
【0133】
図8は、実施形態に係る端末120の画面に表示される暗号資産表示画面の一例を示す図である。画面D20は、ユーザが保有する暗号資産1000円を表示する。画面D20は、時価に基づいて、ユーザが保有する暗号資産の価値の増減を示す情報P20が表示される。図8に示す情報P20は、価値の増減を示す矢印と増減分の金額とが含まれる。例えば、情報P20は、下矢印により暗号資産の価値が下がっていることを示し、例えば昨日よりも20円分下がっていることを示す。
【0134】
図9は、実施形態に係る端末120の画面に表示されるユーザ画面の一例を示す図である。画面D30には、ユーザが保有する残高等とともに、暗号資産1,000円が表示される。画面D30には、図8に示す画面と同様に、時価に基づいて、ユーザが保有する暗号資産の価値の増減を示す情報P20が表示される。
【0135】
以上の開示技術は、上述した実施形態に限定されるものではなく、開示技術の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0136】
<変形例>
上記実施形態は、電子商取引における売上金の少なくとも一部を、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権に変換する技術について説明したが、ユーザが金銭的価値(例えば電子マネーやポイント等)を受け取る際に適用可能な技術である。例えば、個人間送金などの決済サービスでの電子マネーの受け取り、給与の一部としての電子マネーの受け取り、決済サービス又は電子商取引において付与されるポイントの受け取りなど、これらの金銭的価値が取得される場合に、その金銭的価値の少なくとも一部について変換処理が行われてもよい。例えば、第2取引制御モジュール1128は、決済制御モジュール1126から電子マネー又はポイントを取得した場合、又はデジタル給与としての電子マネーを取得した場合、変換処理を実行してもよい。
【0137】
<その他>
上記実施形態では、売上金の少なくとも一部を暗号資産としてユーザに付与する実施形態を説明したが、本開示の少なくとも一部は、ユーザに付与された暗号資産を利用した決済機能にも適用されうる。これにより、ユーザが保有している変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権を柔軟に決済に利用することができ、投資と消費とをより密接に関連付けることができる。また、本件システムにより簡易に付与された、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権を容易に決済に利用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0138】
なお、決済機能はサーバ110が提供する又は連携する、電子商取引サービス、決済サービス、暗号資産取引サービス等で利用可能な決済機能であってよい。例えば、ユーザが端末120を利用して決済処理を要求する場合に、サーバ110は当該決済金額に相当する暗号資産を売却処理して法定通貨やポイントなどに変換し、当該変換された法定通貨又はポイントをユーザの残高に加算し、当該変換された法定通貨又はポイントを当該ユーザの残高から減算することで、決済処理を進行してもよい。なお、決済方法及び決済処理には既知の技術が用いられてもよい。
【0139】
具体的には、ユーザが端末120を用いて決済要求をする場合、決済制御モジュール1122は、決済要求をサーバ110に送信する。サーバ110の送受信部117は、端末120から送信された決済要求を取得し、決済金額を特定する。
【0140】
第2取引制御モジュール1128は、暗号資産等の変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得する。例えば、第2取引制御モジュール1128は、所定の暗号資産取引プラットフォームから、この暗号資産の時価を取得してよい。なお、時価は端末120が決済要求を行った時点の時価、サーバ110が決済要求を受け付けた時点の時価、ユーザに暗号資産の変更を決定させた時点の時価などを含んでよい。
【0141】
第2取引制御モジュール1128は、取得された時価に基づいて暗号資産を法定通貨又はポイント等に変換する。
【0142】
第2取引制御モジュール1128は、変換される法定通貨又はポイント等をユーザに対応付ける。例えば、第2取引制御モジュール1128は、変換された法定通貨又はポイント等を、ユーザのアカウントの残高に加算する。
【0143】
なお、ユーザに複数の残高が対応付けられている場合は、適宜に残高間での資金移動が行われてもよい。例えば、ユーザが決済要求をした場合に、当該決済要求に含まれる決済金額に基づいて、ユーザが暗号資産取引サービス口座に保有する暗号資産を法定通貨に変換し、当該法定通貨を暗号資産取引サービス口座の残高に加算した後減算し、当該法定通貨を当該ユーザが決済サービスに用いる残高に加算してもよい。その後、決済金額を当該ユーザが決済サービスに用いる残高から減算することで決済処理を進行させてもよい。なお、ユーザの決済には所定の変換手数料を加算してもよい。例えば、上述の時価に所定の暗号資産売却手数料を加算してもよい。
【0144】
また、変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権は、上述したとおり、暗号資産以外にも、株式、債券、投資信託などの資本証券を含む有価証券、FX(外国為替証拠金取引)、CFD(差金決済取引)、金を含む。この場合、第2取引制御モジュール1128は、対応するオンラインの取引所から、ユーザ等により設定されている通貨又は財産権を購入すればよい。
【0145】
上述した本開示技術に関し、以下の付記を記載する。
[付記1]
情報処理装置が、
ユーザから決済の要求を取得すること、
前記決済の要求に含まれる決済金額を特定すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記時価と前記決済金額とに基づいて前記ユーザが保有する前記通貨又は前記財産権を法定通貨又はポイントに変換すること、
前記法定通貨又はポイントを利用して、前記決済を進行させることと、を実行する情報処理方法。
[付記2]
情報処理装置に、
ユーザから決済の要求を取得すること、
前記決済の要求に含まれる決済金額を特定すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記時価と前記決済金額とに基づいて前記ユーザが保有する前記通貨又は前記財産権を法定通貨又はポイントに変換すること、
前記法定通貨又はポイントを利用して、前記決済を進行させることと、を実行させる情報処理プログラム。
[付記3]
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
ユーザから決済の要求を取得すること、
前記決済の要求に含まれる決済金額を特定すること、
変動する金銭的価値を有する通貨又は財産権の時価を取得すること、
前記時価と前記決済金額とに基づいて前記ユーザが保有する前記通貨又は前記財産権を法定通貨又はポイントに変換すること、
前記法定通貨又はポイントを利用して、前記決済を進行させることと、を実行させる情報処理装置。
【符号の説明】
【0146】
1…情報処理システム、110…サーバ、111…プロセッサ、112…メモリ、113…ストレージ、114…入出力I/F、115…入力装置、116…出力装置、117…送受信部、120…端末、121…プロセッサ、122…メモリ、123…ストレージ、124…入出力I/F、125…入力装置、126…出力装置、127…送受信部、1126…決済制御モジュール、1127…第1取引制御モジュール、1128…第2取引制御モジュール、1222…決済処理モジュール、1223…第1取引処理モジュール、1224…第2取引制御モジュール、1225…表示制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9