IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図1
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図2
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図3
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図4
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図5
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図6
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図7
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図8
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図9
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図10
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図11
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図12
  • 特開-節度装置、及びロータリスイッチ 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005838
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】節度装置、及びロータリスイッチ
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20250109BHJP
   H01H 19/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G05G5/03 B
H01H19/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106233
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 淳
【テーマコード(参考)】
3J070
5G219
【Fターム(参考)】
3J070AA14
3J070BA12
3J070BA19
3J070CC71
3J070CD31
5G219GS21
5G219HT02
5G219HU01
5G219MS00
(57)【要約】
【課題】操作部に付与される節度モードを多様化することができる節度装置、及びロータリスイッチを提供する。
【解決手段】複数の磁石32は、操作部3の回転軸心L1回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石36を少なくとも1つ有する。複数の磁性体対34は、周方向に隣り合う磁石32同士の間に配置されて磁石32の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体33を有し、回転軸心L1を基準に対称となるように対向配置された第1磁性体33のペアから構成される。第2磁性体35は、複数の磁性体対34の周囲に配置され、操作部3の回転操作により複数の磁性体対34との間の位置関係が変化する。複数の磁性体対34は、第2磁性体35との間の磁束の吸着力がペアごとに異なって操作部3に付与されるように形成される。節度装置31は、どの磁性体対34が第2磁性体35と吸着されるのかを切り替える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作される操作部の回転軸心回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石を少なくとも1つ有する複数の磁石と、
前記周方向に隣り合う前記磁石同士の間に配置されて前記磁石の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体を有し、前記回転軸心を基準に対称となるように対向配置された前記第1磁性体のペアから構成された複数の磁性体対と、
前記複数の磁性体対の周囲に配置されるとともに、前記操作部の回転操作によって前記複数の磁性体対との間の位置関係が変化する第2磁性体と、
前記磁極可変磁石の磁極の向きを、前記磁極可変磁石のコイルへの通電によって制御する制御部と、を備え、
前記複数の磁性体対は、前記第2磁性体との間の磁束の吸着力が前記ペアごとに異なって前記操作部に付与されるように形成され、
前記制御部は、前記コイルへの通電制御によって、どの前記磁性体対を前記第2磁性体と吸着させるのかを切り替える、節度装置。
【請求項2】
前記制御部は、少なくとも3種類の節度モードを発生させ、
前記節度モードは、節度が異なる複数の節度有りモードと、節度が発生しない節度無しモードと、を含む、請求項1に記載の節度装置。
【請求項3】
前記複数の磁石、及び前記複数の第1磁性体を保持するホルダ部を有する、請求項1に記載の節度装置。
【請求項4】
前記ホルダ部は、前記複数の第1磁性体の各々を収容するために区画形成された複数の磁性体収容部を有し、
前記磁性体収容部は、収容された前記第1磁性体を位置固定する潰しリブを有する、請求項3に記載の節度装置。
【請求項5】
前記ホルダ部は、
前記複数の第1磁性体の各々を収容するために区画形成された複数の磁性体収容部と、
前記複数の磁石の各々を収容するために、前記周方向に並ぶ前記複数の磁性体収容部のうち隣り合う前記磁性体収容部に囲まれた領域によって構成された複数の磁石収容部と、を有し、
前記複数の磁性体収容部は、基端が前記ホルダ部のホルダ本体によって支持されるとともに、前記周方向に隣り合う先端同士が、前記磁石収容部を区画する連結部によって連結されている、請求項3に記載の節度装置。
【請求項6】
前記磁性体収容部は、前記周方向の隣に位置する前記磁石収容部との間を隔てる側壁を有し、
前記側壁は、前記周方向において前記側壁の隣に位置する前記磁石のコアを、前記磁性体収容部に収容された前記第1磁性体に接触させる開口部を有する、請求項5に記載の節度装置。
【請求項7】
前記磁石は、磁極の向きが固定された磁極不変磁石を含む、請求項1に記載の節度装置。
【請求項8】
前記第1磁性体は、径方向に突出する突部を有し、
前記磁性体対は、前記周方向に並ぶ前記突部の数によって、前記第2磁性体との間の磁束の吸着力を設定する、請求項1に記載の節度装置。
【請求項9】
前記複数の磁性体対の各々は、両側に位置する前記磁石の極性が同極の場合に、前記第2磁性体との間に磁束経路を作る有効の状態となることにより、前記操作部に節度を付与し、両側に位置する前記磁石が異極である場合に、前記第2磁性体との間に磁束経路を作らない無効の状態となることにより、前記操作部に節度を付与せず、
前記制御部は、前記コイルの通電制御により、前記複数の磁性体対のうち、どの前記磁性体対を有効とするのかを設定する、請求項1に記載の節度装置。
【請求項10】
回転軸心回りに回転操作される操作部と、前記操作部の回転操作を検出する回転検出センサと、を備えるロータリスイッチであって、
前記回転軸心回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石を少なくとも1つ有する複数の磁石と、
前記周方向に隣り合う前記磁石同士の間に配置されて前記磁石の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体を有し、前記回転軸心を基準に対称となるように対向配置された前記第1磁性体のペアから構成された複数の磁性体対と、
前記複数の磁性体対の周囲に配置されるとともに、前記操作部の回転操作によって前記複数の磁性体対との間の位置関係が変化する第2磁性体と、
前記磁極可変磁石の磁極の向きを、前記磁極可変磁石のコイルへの通電によって制御する制御部と、を備え、
前記複数の磁性体対は、前記第2磁性体との間の磁束の吸着力が前記ペアごとに異なって前記操作部に付与されるように形成され、
前記制御部は、前記コイルへの通電制御によって、どの前記磁性体対を前記第2磁性体と吸着させるのかを切り替える、ロータリスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節度装置、及びロータリスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、磁気相互作用を利用することにより、回転操作される制御ボタンに生じる触覚感覚を変更可能な装置が周知である。この装置は、ユーザによって回転操作される歯付き円筒状の第1構造体と、構造体の内部に配置された歯付きの第2構造体と、コイルによって少なくとも部分的に囲まれた磁石と、を有する。この装置は、コイルに流れる電流の方向及び大きさによって磁石の磁化を変更することにより、制御ボタンに対して触覚感覚の有無を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-509688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、制御ボタンに触覚感覚を発生させる状態と制御ボタンに触覚感覚を発生させない状態との2つの状態しか設定できない。よって、現状では、制御ボタンを操作するユーザに2種類の触覚感覚しか呈示できない懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決する節度装置は、回転操作される操作部の回転軸心回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石を少なくとも1つ有する複数の磁石と、前記周方向に隣り合う前記磁石同士の間に配置されて前記磁石の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体を有し、前記回転軸心を基準に対称となるように対向配置された前記第1磁性体のペアから構成された複数の磁性体対と、前記複数の磁性体対の周囲に配置されるとともに、前記操作部の回転操作によって前記複数の磁性体対との間の位置関係が変化する第2磁性体と、前記磁極可変磁石の磁極の向きを、前記磁極可変磁石のコイルへの通電によって制御する制御部と、を備え、前記複数の磁性体対は、前記第2磁性体との間の磁束の吸着力が前記ペアごとに異なって前記操作部に付与されるように形成され、前記制御部は、前記コイルへの通電制御によって、どの前記磁性体対を前記第2磁性体と吸着させるのかを切り替える。
【0006】
前記課題を解決するロータリスイッチは、回転軸心回りに回転操作される操作部と、前記操作部の回転操作を検出する回転検出センサと、を備える構成であって、前記回転軸心回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石を少なくとも1つ有する複数の磁石と、前記周方向に隣り合う前記磁石同士の間に配置されて前記磁石の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体を有し、前記回転軸心を基準に対称となるように対向配置された前記第1磁性体のペアから構成された複数の磁性体対と、前記複数の磁性体対の周囲に配置されるとともに、前記操作部の回転操作によって前記複数の磁性体対との間の位置関係が変化する第2磁性体と、前記磁極可変磁石の磁極の向きを、前記磁極可変磁石のコイルへの通電によって制御する制御部と、を備え、前記複数の磁性体対は、前記第2磁性体との間の磁束の吸着力が前記ペアごとに異なって前記操作部に付与されるように形成され、前記制御部は、前記コイルへの通電制御によって、どの前記磁性体対を前記第2磁性体と吸着させるのかを切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、操作部に付与される節度モードを多様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る節度装置の全体構成を示す分解斜視図である。
図2図1に示すII-II線断面図である。
図3】節度装置の部品構成を示す分解斜視図である。
図4】節度装置の構成図である。
図5】(a)、(b)は、磁石の磁極向きを示す説明図である。
図6】第1磁性体を上側から見た斜視図である。
図7】第1磁性体を下側から見た斜視図である。
図8】節度装置を構成する要素群を示す斜視図である。
図9】節度装置の電気構成図である。
図10】第1節度有りモードのときの磁束経路を示す説明図である。
図11】第2節度有りモードのときの磁束経路を示す説明図である。
図12】節度無しモードのときの磁束経路を示す説明図である。
図13】別例に係る節度装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(ロータリスイッチ1)
図1に示すように、ロータリスイッチ1は、ロータリスイッチ1の部品を収容するハウジング2と、ハウジング2に回転可能に取付けられた回転操作式の操作部3と、を備える。ハウジング2は、ロータリスイッチ1の部品を保持するホルダ部4と、ホルダ部4の開口5を閉じるカバー6と、ホルダ部4の裏面に取付けられる支持板7と、を有する。操作部3は、カバー6の中央に形成された孔8から外部に露出されるとともに、ロータリスイッチ1の中央の回転軸心L1回りに操作される。
【0010】
ロータリスイッチ1は、ロータリスイッチ1の電装品が実装された基板9を有する。基板9は、ホルダ部4のホルダ本体10の裏面に配置されている。基板9は、ホルダ本体10の裏面に取付けられた支持板7によって覆われている。
【0011】
ロータリスイッチ1は、ハウジング2で操作部3の回転を許容するベアリング12と、ベアリング12を保持するベアリング保持部13と、を有する。ベアリング12は、ベアリング保持部13の中央に形成された孔14に嵌合されている。ベアリング12は、中央の孔15に操作部3が回転可能に取付けられる。操作部3は、外周面に形成されたフランジ16を孔15の周縁に回転可能に載置することにより、ベアリング12に組付けられている。
【0012】
ホルダ部4、カバー6、支持板7、基板9、及びベアリング保持部13は、複数の締結部17によって一体に固定されている。ホルダ部4、カバー6、支持板7、基板9、及びベアリング保持部13は、四隅に締結部17を挿し込んで締結することにより、一体に固定されている。締結部17は、例えば、ねじである。ホルダ部4は、締結部17を通すための筒部18を四隅に有する。ベアリング保持部13は、四隅に形成された孔19を筒部18に嵌合することにより、ホルダ部4に対して位置決めされる。
【0013】
(操作部3の回転検出)
図2に示すように、ロータリスイッチ1は、操作部3の回転量を検出する回転検出センサ21を備える。本例の回転検出センサ21は、例えば、フォトセンサである。フォトセンサは、透過型、又は反射型のいずれでもよい。回転検出センサ21は、投光及び受光の機能を有する検出部22と、操作部3の回転軸心回り(回転軸心L1回り)の周方向に等間隔に配置された複数の突片23と、を有する。突片23の各々は、例えば、四角形状に形成されるとともに、操作部3の下端に配置されている。
【0014】
検出部22は、ホルダ本体10において平面方向に延びる隔壁24に形成されたドーム状のセンサ収容部25に収容されている。センサ収容部25は、上壁に突片23が通過するスリット26を有する。回転検出センサ21は、検出部22が自らの照射光を受光するか否かによって、操作部3の突片23をカウントすることにより、操作部3の回転量を検出する。
【0015】
(ホルダ部4及びベアリング保持部13の固定)
図2及び図3に示すように、ホルダ部4は、ホルダ部4及びベアリング保持部13を固定する固定ピン(図示略)を通すための複数のボス28を隔壁24に有する。ベアリング保持部13は、前述の固定ピンを固定するために、ボス径よりも小さい径の固定孔29を複数有する。ボス28及び固定孔29は、例えば、複数組設けられている。ホルダ部4及びベアリング保持部13は、前述の複数の固定ピンによって一体に固定されている。なお、本例の筒部18は、隔壁24の四隅に配置されている(図3参照)。
【0016】
(節度装置31)
図3に示す通り、ロータリスイッチ1は、回転操作されるときの操作部3に節度を付与する節度装置31を備える。本例の節度装置31は、少なくとも3種類の節度モードを発生させる。節度装置31は、複数の磁石32と、第1磁性体33のペアから構成された複数の磁性体対34と、操作部3と同期回転する第2磁性体35と、を備える。複数の磁石32は、N極及びS極を入れ替え可能な磁極可変磁石36を少なくとも1つ有する。複数の磁石32、及び複数の第1磁性体33は、ホルダ部4に保持されている。
【0017】
節度モードは、例えば、節度が異なる複数の節度有りモードと、節度を感じない節度無しモードと、を含む。節度有りモードは、例えば、操作部3を回転操作したときにクリック感を感じるラチェットモードである。節度無しモードは、例えば、操作部3を回転操作させたときにクリック感を感じることなく操作部3を回転させるフリースピンモードである。
【0018】
(磁石32)
図4に示すように、複数の磁石32は、操作部3の回転軸心L1回りに周方向に配置されている。本例の磁石32は、例えば、操作部3の回転軸心L1回りに周方向に配置された第1磁石32a、第2磁石32b、第3磁石32c、及び第4磁石32dを含む。本例の磁石32は、全て、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石36である。磁極可変磁石36としては、例えば、アルニコ磁石が挙げられる。なお、磁極可変磁石36は、アルニコ磁石に限らず、例えば、ネオジム磁石やフェライト磁石を用いてもよい。
【0019】
図5(a)、(b)に示すように、磁石32は、金属線を同方向に複数周巻いたコイル37と、コイル37が巻回されるボビン38と、ボビン38の孔38aに収容されるコア39と、を有する。コイル37は、ボビン38の外周面に形成された凹部38bに巻回されている。コア39は、例えば、円柱状に形成されるとともに、ボビン38の孔38aの両端から所定量突出されている。
【0020】
図5(a)に示す通り、コイル37に順方向(矢印A1方向)の電流が流されると、磁石32には、紙面左向き(矢印B1方向)の磁束が発生する。これにより、コア39は、紙面左側がN極となり、紙面右側がS極となる。一方、図5(b)に示す通り、コイル37に逆方向(矢印A2方向)の電流が流されると、磁石32には、紙面右向き(矢印B2方向)の磁束が発生する。これにより、順方向に電流を流した場合に対し、磁石32の極性が反転する。すなわち、コア39は、紙面左側がS極となり、紙面右側がN極となる。
【0021】
(磁性体対34)
図4に示す通り、複数の磁性体対34の各々は、操作部3の回転軸心L1を基準に対称となるように対向配置された第1磁性体33のペアから構成されている。複数の磁性体対34は、第2磁性体35との間の磁束の吸着力により発生する節度がペアごとに異なる感覚で操作部3に付与されるように形成されている。本例の場合、複数の磁性体対34は、ペアごとに形状が異なるように形成されている。
【0022】
本例の磁性体対34は、例えば、有効となったときに操作部3に大きな節度を付与する第1磁性体対34aと、有効となったときに操作部3に小さな節度を付与する第2磁性体対34bと、を含む。このように、本例の磁性体対34は、2種類の節度を発生させるために、2組形成されている。
【0023】
第1磁性体33は、周方向に隣り合う磁石32同士の間に配置されて、磁石32の磁束の経路を形成可能である。第1磁性体33の材料は、例えば、鉄、ケイ素鉄、パーマロイなどが使用されている。
【0024】
図6及び図7に示すように、第1磁性体33は、第1磁性体33の本体部41と、本体部41の径方向に突出する複数の突部42と、を有する。突部42は、本体部41の幅方向に等間隔に配置されている。本例の磁性体対34は、第1磁性体対34aの突部42を多くし、第2磁性体対34bの突部42を少なくしている。本例の場合、突部42は、第1磁性体対34aにおいて4つ形成され、第2磁性体対34bにおいて2つ形成されている。
【0025】
このように、複数の磁性体対34は、第2磁性体35との間の磁束の吸着力が第1磁性体33のペアごとに異なって操作部3に付与されるように、異なる形状で形成されている。本例の場合、磁性体対34は、周方向に並ぶ突部42の数に基づいて、第2磁性体35との間の磁束の吸着力を設定する。
【0026】
第1磁性体33は、本体部41の上部から部分的に突出した係合部43を有する。係合部43は、例えば、平断面において三角形状に形成されている。係合部43は、第1磁性体33をホルダ部4に取付けるときにホルダ部4と係合される。第1磁性体33は、突部42に隣接して設けられた複数の溝部44を有する。突部42及び溝部44は、第1磁性体33の幅方向において交互に配置されている。
【0027】
(第2磁性体35)
図3に示す通り、第2磁性体35は、第1磁性体33(磁性体対34)を周囲から囲むように環状に形成されている。本例の第2磁性体35は、円環状に形成されている。第2磁性体35は、操作部3と同軸上に配置されている。第2磁性体35は、例えば、操作部3の内周面に、一体回転可能に取付け固定されている。第2磁性体35の材料は、例えば、鉄、ケイ素鉄、パーマロイなどが使用されている。
【0028】
図4に示す通り、第2磁性体35は、複数の磁性体対34の周囲に配置されるとともに、操作部3の回転操作によって複数の磁性体対34との間の位置関係が変化する。第2磁性体35は、内径方向に突出する突部46を内周面に有する。突部46は、回転軸心L1回りの周方向に等間隔に配置されている。突部46は、対向する第1磁性体33の突部42と同様の形状に形成されることが好ましい。
【0029】
(突部42の配置パターン)
図4に示す通り、第1磁性体対34aの突部42の周方向のピッチW1は、第2磁性体35の突部46の周方向のピッチW3の1/2に設定されている。第2磁性体対34bの突部42の周方向のピッチW2は、第2磁性体35の突部46の周方向のピッチW3と同一に設定されている。ピッチW1、W2の各々は、突部42が複数の場合、複数の突部42が同時に突部46と対向する間隔に設定されている。
【0030】
(ホルダ部4)
図8に示すように、ホルダ部4は、複数の第1磁性体33の各々を収容するために区画形成された複数の磁性体収容部48を有する。磁性体収容部48は、磁性体収容部48の収容領域を仕切る側壁49を有する。本例の側壁49は、両側に一対設けられている。複数の磁性体収容部48は、基端がホルダ本体10によって支持されるとともに、周方向に隣り合う先端同士が連結部50によって連結されている。
【0031】
磁性体収容部48は、第1磁性体33を磁性体収容部48に挿入するための挿入孔51を底面に有する。磁性体収容部48は、第1磁性体33の係合部43を嵌合するための嵌合孔52を先端に有する。挿入孔51の内面と、嵌合孔52の内面と、には、磁性体収容部48に収容する第1磁性体33を固定するための潰しリブ53が形成されている。このように、磁性体収容部48は、収容された第1磁性体33を位置固定する潰しリブ53を有する。
【0032】
ホルダ部4は、磁石32の各々を収容する複数の磁石収容部55を有する。磁石収容部55は、複数の磁石32の各々を収容するために、周方向に並ぶ複数の磁性体収容部48のうち隣り合う磁性体収容部48に囲まれた領域によって構成されている。側壁49は、周方向の隣に位置する磁性体収容部48と磁石収容部55とを隔てる。
【0033】
側壁49は、周方向において側壁49の隣に位置する磁石32のコア39を、磁性体収容部48に収容された第1磁性体33に接触させる開口部56を有する。開口部56は、1つの磁性体収容部48において、両側の側壁49に形成されている。開口部56は、例えば、四角形状に形成されている。
【0034】
磁石収容部55に磁石32を収容する場合には、まず、コイル37は巻回されているもののコア39が取付けられていないボビン38を、ホルダ部4の径方向側方から磁石収容部55に嵌合する。続いて、コア39を開口部56からボビン38の孔38aに通すことにより、磁石32を一体化する。そして、各々の挿入孔51に第1磁性体33を下側から挿入することにより、第1磁性体33をホルダ部4に取付ける。以上により、磁石32と複数の第1磁性体33とがホルダ部4に一体化される。
【0035】
(ロータリスイッチ1の電気構成)
図9に示すように、ロータリスイッチ1は、ロータリスイッチ1の動作を制御する制御部58を備える。制御部58は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどから構成される。制御部58は、回転検出センサ21から入力するセンサ信号S1に基づいて、操作部3の操作量を演算する。そして、制御部58は、演算した操作量を回転情報S2として外部の他のECU(Electronic Control Unit)に出力する。
【0036】
また、本例の制御部58は、節度モードの設定を指示する切替信号Saに基づいて、操作部3に発生する節度モードの切替処理を実行する。本例の制御部58は、磁極可変磁石36の磁極の向きを、磁極可変磁石36のコイル37への通電によって制御することにより、節度モードの切り替えを実行する。このように、制御部58は、コイル37への通電制御によって、どの磁性体対34を第2磁性体35と吸着させるのかを切り替えることにより、少なくとも3種類の節度モードを発生させる。
【0037】
制御部58は、例えば、操作部3の操作場面、操作部3の操作状況、操作部3の回転操作量などに応じた切替信号Saを外部から入力する。そして、制御部58は、操作部3に発生される節度モードを、複数の節度有りモード、及び節度無しモードのうち切替信号Saに応じたモードに設定する。
【0038】
次に、本実施形態の節度装置31(ロータリスイッチ1)の作用について説明する。
(第1節度有りモードの動作)
図10に示すように、制御部58は、第1節度有りモードへの切替信号Saを入力すると、第1磁性体対34a及び第2磁性体対34bのうち第1磁性体対34aが有効となるように、コイル37を通電制御する。具体的には、制御部58は、第1磁石32a~第4磁石32dの4つの磁石32について、第1磁性体対34aの両側の磁極が同極となり、第2磁性体対34bの両側の磁極が異極となるように、各コイル37の通電を制御する。
【0039】
図10の場合、第1磁石32aは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第2磁石32bは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第3磁石32cは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。第4磁石32dは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。
【0040】
この磁極向きの場合、磁性体対34及び第2磁性体35の間には、一方の第1磁性体対34aから放射されて第2磁性体35を通り、他方の第1磁性体対34aに入るというループの磁束が発生する。すなわち、第2磁性体対34bから第2磁性体35を通る磁束は発生せず、第1磁性体対34aから第2磁性体35を通る磁束が発生する。このため、第1磁性体対34aが有効となり、第2磁性体対34bが無効となる。これにより、操作部3が回転操作された場合、第1磁性体対34aの突部42のピッチW1で節度が発生する。本例の場合、操作部3には、10度の回転間隔で節度が発生する。
【0041】
(第2節度有りモードの動作)
図11に示すように、制御部58は、第2節度有りモードへの切替信号Saを入力すると、第1磁性体対34a及び第2磁性体対34bのうち第2磁性体対34bが有効となるように、コイル37を通電制御する。具体的には、制御部58は、第1磁石32a~第4磁石32dの4つの磁石32について、第2磁性体対34bの両側の磁極が同極となり、第1磁性体対34aの両側の磁極が異極となるように、各コイル37の通電を制御する。
【0042】
図11の場合、第1磁石32aは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。第2磁石32bは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第3磁石32cは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第4磁石32dは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。
【0043】
この磁極向きの場合、磁性体対34及び第2磁性体35の間には、一方の第2磁性体対34bから放射されて第2磁性体35を通り、他方の第2磁性体対34bに入るというループの磁束が発生する。すなわち、第1磁性体対34aから第2磁性体35を通る磁束は発生せず、第2磁性体対34bから第2磁性体35を通る磁束が発生する。このため、第2磁性体対34bが有効となり、第1磁性体対34aが無効となる。これにより、操作部3が回転操作された場合、第2磁性体対34bの突部42のピッチW2で節度が発生する。本例の場合、操作部3には、20度の回転間隔で節度が発生する。
【0044】
(節度無しモード)
図12に示すように、制御部58は、節度無しモードへの切替信号Saを入力すると、第1磁性体対34a及び第2磁性体対34bの両方が無効となるように、コイル37を通電制御する。具体的には、制御部58は、第1磁石32a~第4磁石32dの4つの磁石32について、第1磁性体対34aの両側の磁極、及び、第2磁性体対34bの両側の磁極が、ともに異極となるように、各コイル37の通電を制御する。
【0045】
図12の場合、第1磁石32aは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第2磁石32bは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。第3磁石32cは、第1磁性体対34aに対向する磁極がS極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がN極に設定される。第4磁石32dは、第1磁性体対34aに対向する磁極がN極に設定され、第2磁性体対34bに対向する磁極がS極に設定される。
【0046】
この磁極向きの場合、磁束は、磁石32及び磁性体対34のみを通るループ状に発生する。すなわち、磁性体対34から第2磁性体35に流れる磁束は発生しない。このため、第1磁性体33及び第2磁性体35がともに無効となる。これにより、第1磁性体33及び第2磁性体35の間が節度の無い状態となり、クリック感のない回転操作が操作部3に付与される。
【0047】
(節度を決めるパラメータ)
節度は、例えば、以下の4つのパラメータによって設定される。
・磁石32の磁束の強さ
・第1磁性体33及び第2磁性体35の間のエアギャップの大きさ
・第2磁性体35に対する第1磁性体33の突部42の対向面積のサイズ
・突部42の山幅と谷幅
図5に示す通り、磁石32の磁束の強さは、磁石32のサイズ(長さLm、径Lr)、磁石32の材質、磁石32の着磁量などに関係する。磁石32の磁束の強さは、磁石32のサイズが大きくなるに連れて大きくなる。磁石32の磁束の強さは、磁束密度の大きい材料ほど大きくなる。磁石32の磁束の強さは、磁石32に流れる電流が大きくなるに連れて大きくなる。
【0048】
図4に示す通り、第1磁性体33及び第2磁性体35の間のエアギャップは、突部42が存在する箇所の第1ギャップG1と、突部42が存在しない箇所の第2ギャップG2と、を含む。節度は、第1ギャップG1が狭いほど、大きくなる。また、節度は、第2ギャップG2が広いほど、小さくなる。このため、第1ギャップG1及び第2ギャップG2の比(=G1/G2)が大きいほど、節度のフィーリング変化が大きくなる。
【0049】
図6に示す通り、第2磁性体35に対する第1磁性体33の突部42の対向面積のサイズは、突部42の幅Wrと、突部42の高さHと、を乗算した値である。節度感は、対向面積のサイズが大きいほど大きくなる。このため、対向面積のサイズが大きければ、節度のフィーリング変化が大きくなる。
【0050】
図6に示す通り、突部42の山幅は、第1磁性体33の突部42の幅Wrである。突部42の谷幅は、第1磁性体33の突部42が存在しない部分の幅Wsである。節度感は、突部42の幅Wrが広いほど大きくなる。節度は、突部42が存在しない部分の幅Wsが広いほど、小さくなる。これら幅Wr、Wsの比(=Wr/Ws)は、必要とする節度感に応じた最適値に設定される。
【0051】
以上により、磁石32の磁束の強さ、第1磁性体33及び第2磁性体35の間のエアギャップの大きさ、第2磁性体35に対する第1磁性体33の突部42の対向面積サイズ、及び、突部42の山幅と谷幅の各々は、操作部3に必要とされる節度に応じた値に設定される。このようにして、第1節度有りモード及び第2節度有りモードの最適な節度感が設定される。また、本例の場合、複数の節度有りモードを選択可能であるので、多様な節度感覚を操作部3に発生させることが可能である。
【0052】
(実施形態の効果)
上記実施形態の構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)節度装置31は、複数の磁石32、複数の磁性体対34、第2磁性体35、及び制御部58を備える。複数の磁石32は、回転操作される操作部3の回転軸心L1回りに周方向に配置され、磁極の向きを変更可能な磁極可変磁石36を少なくとも1つ有する。複数の磁性体対34は、周方向に隣り合う磁石32同士の間に配置されて磁石32の磁束経路を形成可能な複数の第1磁性体33を有し、操作部3の回転軸心L1を基準に対称となるように対向配置された第1磁性体33のペアから構成されている。第2磁性体35は、複数の磁性体対34の周囲に配置されるとともに、操作部3の回転操作によって複数の磁性体対34との間の位置関係が変化する。制御部58は、磁極可変磁石36の磁極の向きを、磁極可変磁石36のコイル37への通電によって制御する。複数の磁性体対34は、第2磁性体35との間の磁束の吸着力がペアごとに異なって操作部3に付与されるように形成されている。制御部58は、コイル37への通電制御によって、どの磁性体対34を第2磁性体35と吸着させるのかを切り替える。
【0053】
本構成によれば、磁極可変磁石36に設けられたコイル37への通電制御によって、複数の磁性体対34のうち、どの磁性体対34を第2磁性体35と吸着させるかを切り替えることにより、第1磁性体33及び第2磁性体35の間の磁束の吸着力により発生する節度の感覚を変化させることが可能となる。このように、どの磁性体対34を有効とするのかをコイル37への通電によって制御することにより、多様な節度モードを発生させることが可能となる。よって、操作部3に付与される節度モードを多様化することができる。
【0054】
(2)制御部58は、少なくとも3種類の節度モードを発生させる。節度モードは、節度が異なる複数の節度有りモードと、節度が発生しない節度無しモードと、を含む。この構成によれば、操作部3の節度モードを複数の節度有りモードから選ぶことができるとともに、節度を感じない節度無しモードを設定することもできる。
【0055】
(3)節度装置31は、複数の磁石32、及び複数の第1磁性体33を保持するホルダ部4を有する。この構成によれば、複数の磁石32、及び複数の第1磁性体33をホルダ部4に取付けることにより、位置決め状態を維持することができる。
【0056】
(4)ホルダ部4は、複数の第1磁性体33の各々を収容するために区画形成された複数の磁性体収容部48を有する。磁性体収容部48は、収容された第1磁性体33を位置固定する潰しリブ53を有する。この構成によれば、ホルダ部4の磁性体収容部48に収容された第1磁性体33を潰しリブ53によって固定することが可能となるので、第1磁性体33をホルダ部4から脱落し難くすることができる。
【0057】
(5)ホルダ部4は、複数の磁石32の各々を収容するために、周方向に並ぶ複数の磁性体収容部48のうち隣り合う磁性体収容部48に囲まれた領域によって構成された複数の磁石収容部55を有する。複数の磁性体収容部48は、基端がホルダ部4のホルダ本体10によって支持されるとともに、周方向に隣り合う先端同士が、磁石収容部55を区画する連結部50によって連結されている。この構成によれば、磁性体収容部48及び磁石収容部55を変形し難い形状とすることが可能となるので、磁石32及び第1磁性体33をホルダ部4から脱落し難くすることができる。
【0058】
(6)磁性体収容部48は、周方向の隣に位置する磁石収容部55との間を隔てる側壁49を有する。側壁49は、周方向において側壁49の隣に位置する磁石32のコア39を、磁性体収容部48に収容された第1磁性体33に接触させる開口部56を有する。この構成によれば、両隣に位置する一対の第1磁性体33によって、磁石32のコア39の両側を押圧して保持することが可能となるので、磁石32の位置ずれを生じ難くすることができる。
【0059】
(7)第1磁性体33は、径方向に突出する突部42を有する。磁性体対34は、周方向に並ぶ突部42の数によって、第2磁性体35との間の磁束の吸着力を設定する。この構成によれば、磁性体対34に設ける突部42の数を設定するという簡素な方法によって、磁性体対34の各々と第2磁性体35との間に発生する節度を設定することができる。
【0060】
(8)複数の磁性体対34の各々は、両側に位置する磁石32の極性が同極の場合に、第2磁性体35との間に磁束経路を作る有効の状態となることにより、操作部3に節度を付与する。また、複数の磁性体対34は、両側に位置する磁石32が異極である場合に、第2磁性体35との間に磁束経路を作らない無効の状態となることにより、操作部3に節度を付与しない。制御部58は、コイル37の通電制御により、複数の磁性体対34のうち、どの磁性体対34を有効とするのかを設定する。この構成によれば、各磁石32のN極及びS極の組み合わせを決めて磁性体対34の有効及び無効を設定するという簡易な方法によって、多様な節度モードを発生させることができる。
【0061】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0062】
図13に示すように、複数の磁石32の少なくとも1つを、磁極の向きが固定された磁極不変磁石60としてもよい。具体的には、第1節度有りモード、第2節度有りモード、及び節度無しモードの各モードに切り替えても、磁極の向きを変化させる必要のない磁石32(本例は、第4磁石32d)を、磁極不変磁石60としてもよい。この構成によれば、コイル37の通電制御の対象となる磁石32が少ないので、節度モードの切替処理を簡素化することができる。
【0063】
・磁石32及び磁性体対34がロータリスイッチ1の径方向外側に配置され、第2磁性体35がロータリスイッチ1の径方向内側に配置されてもよい。
・ロータリスイッチ1において、回転する方に磁石32及び磁性体対34が設けられ、回転しない方に第2磁性体35が設けられてもよい。
【0064】
・回転検出センサ21は、光学センサに限らず、磁気センサを用いてもよい。
・節度装置31は、第1磁性体33の突部42と第2磁性体35の突部46とが磁界によって吸着することで節度を発生する構成に限定されない。例えば、突部42、46を省略し、第1磁性体33及び第2磁性体35の間の距離を変えることにより、異なる節度が発生されるようにしてもよい。
【0065】
・複数の磁性体対34は、同じ形状であってもよく、材質の違いによって、発生する節度感覚が異なってもよい。
・節度装置31は、例えば、節度有りモードの切り替えとして、操作部3の回転操作の重さの切り替えを実行してもよい。すなわち、節度感としてクリック感ではなく、操作部3の操作荷重を変更してもよい。
【0066】
・切り替え可能な節度有りモードの数は、2つに限らず、3つ以上としてもよい。
・磁石32の数、第1磁性体33の数、磁性体対34の数は、節度有りモードの数に応じて、実施例とは異なる数に変更してもよい。
【0067】
・ロータリスイッチ1、及び節度装置31は、車両に限らず他の装置に使用されてもよい。
・本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本開示において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0068】
・制御部58は、[1]コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサによって構成されてもよいし、[2]そのようなプロセッサと、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。メモリ(コンピュータ可読媒体)は、汎用、又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。或いは、上記プロセッサを含むコンピュータに代えて、各種処理の全てを実行する1つ以上の専用のハードウェア回路によって構成された処理回路が用いられてもよい。
【0069】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0070】
1…ロータリスイッチ、3…操作部、4…ホルダ部、10…ホルダ本体、21…回転検出センサ、31…節度装置、32…磁石、33…第1磁性体、34…磁性体対、35…第2磁性体、36…磁極可変磁石、37…コイル、39…コア、42…突部、48…磁性体収容部、49…側壁、50…連結部、53…潰しリブ、55…磁石収容部、56…開口部、58…制御部、60…磁極不変磁石、L1…回転軸心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13