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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005861
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ベルトパーティション用広告表示体
(51)【国際特許分類】
   G09F 15/00 20060101AFI20250109BHJP
   E01F 13/04 20060101ALI20250109BHJP
   G09F 23/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G09F15/00 R
E01F13/04 Z
G09F23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106269
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599105333
【氏名又は名称】西川 吉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】和久 俊英
(72)【発明者】
【氏名】西川 吉秀
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA12
2D101EA09
2D101FA13
2D101FA27
2D101GA24
(57)【要約】
【課題】ベルトパーティションスタンドに簡易に広告表示を付与することができ、また表示広告内容の変更も容易なベルトパーティション用広告表示体を提供する。
【解決手段】パーティションベルト14が繰り出し可能に巻き取られたヘッド12を支柱11の頂部に備えたベルトパーティションスタンド10に対し、支柱11に被嵌可能な筒状体1でベルトパーティション用広告表示体を構成し、その筒状体1には、それが支柱11に被嵌された状態で外部から見える箇所に所定の内容の広告が予め表示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティションベルトが繰り出し可能に巻き取られたヘッドを支柱の頂部に備えたベルトパーティションスタンドに対し、前記支柱に被嵌可能な筒状体からなるベルトパーティション用広告表示体であって、
前記支柱に被嵌された状態で外部から見える箇所に所定の内容の広告が表示されてなるベルトパーティション用広告表示体。
【請求項2】
前記筒状体は、周方向に分割箇所のない筒体で構成され、前記支柱が挿通可能で且つ前記ヘッドが挿通不可の内穴を有する請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【請求項3】
前記筒状体は、周方向に分割可能な切れ目が長手方向全長に形成され且つ少なくとも周方向に可撓性及び復元性を有する筒体で構成され、前記支柱が挿通可能で且つ前記ヘッドが挿通不可の内穴を有する請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【請求項4】
前記筒状体は、周方向に分割された分割体を係合して構成され、前記分割体は、前記支柱を囲繞して互いに係合されることで前記筒状体を構成し、前記分割体の接合部分に分割体同士を互いに係合可能な係合構造が設けられた請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【請求項5】
前記筒状体は、変形性及び伸縮性を有する素材からなり且つ前記支柱が内穴内に挿通された状態で前記支柱の外周面に弾性的に当接する筒体で構成される請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【請求項6】
前記筒状体は、径方向に突出し且つ長手方向に伸長する伸展部を有する請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【請求項7】
前記筒状体と前記ベルトパーティションスタンドの支柱との間に発光体が介装され、
前記筒状体が光透過性を有する請求項1に記載のベルトパーティション用広告表示体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトパーティション用広告表示体、特にパーティションベルトが繰り出し可能に巻き取られたヘッドを支柱の頂部に備えたベルトパーティションスタンドに好適なものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1にも記載されるベルトパーティションスタンドは、種々のものが開発され、簡易な間仕切り(パーティション)としてだけでなく、例えば順番待ちの順路を形成するなど、多用途に用いられている。一般的なベルトパーティションスタンドは、支柱の頂部に、パーティションベルトが繰り出し可能に巻き取られたヘッドを備えて構成され、例えば、ヘッドから繰り出されたパーティションベルトの先端を隣合うベルトパーティションスタンドのヘッドに係合させてパーティション構造を形成する。こうしたベルトパーティションスタンドに広告を表示する場合には、パーティションベルトや支柱の外表面に直接的に広告内容を描画や印刷などによって表示している。なお、「広告」は、商品や会社の宣伝などにとどまらず、広く世間に知らしめることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-181533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パーティションベルトや支柱に直接的に広告内容を表示した場合、表示内容を簡易に変更することは困難である。また、例えば、短期のイベントなどでベルトパーティションスタンドを使用する場合に、そのパーティションベルトや支柱に直接的に描画や印刷などによって広告表示を付与することも、施工の手間、施工コストなどの問題から実現が困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルトパーティションスタンドに簡易に広告表示を付与することができ、また表示広告内容の変更も容易なベルトパーティション用広告表示体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るベルトパーティション用広告表示体は、パーティションベルトが繰り出し可能に巻き取られたヘッドを支柱の頂部に備えたベルトパーティションスタンドに対し、前記支柱に被嵌可能な筒状体からなるベルトパーティション用広告表示体であって、前記支柱に被嵌された状態で外部から見える箇所に所定の内容の広告が表示されてなることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のベルトパーティション用広告表示体によれば、ベルトパーティションスタンドの支柱に被嵌するだけで簡易に広告表示を付与することができ、表示広告内容の異なる広告表示体と差し替えるだけで表示広告内容の変更も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ベルトパーティション用広告表示体の第1実施形態を示す斜視図である。
図2図1のベルトパーティション用広告表示体の説明図である。
図3図1のベルトパーティション用広告表示体の第1変形例を示す説明図である。
図4図3のベルトパーティション用広告表示体の更なる変形例を示す断面図である。
図5図4のベルトパーティション用広告表示体の種々の変形例を示す正面図である。
図6】ベルトパーティション用広告表示体の第2実施形態を示す斜視図である。
図7】ベルトパーティション用広告表示体の第3実施形態を示す斜視図である。
図8】ベルトパーティション用広告表示体の第4実施形態を示す斜視図である。
図9】ベルトパーティション用広告表示体の第5実施形態を示す説明図である。
図10図9のベルトパーティション用広告表示体の変形例を示す説明図である。
図11】ベルトパーティション用広告表示体の第6実施形態を示す断面図である。
図12】ベルトパーティションスタンドの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明のベルトパーティション用広告表示体の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
図1は、ベルトパーティション用広告表示体の第1実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1のベルトパーティション用広告表示体の説明図である。この実施形態のベルトパーティション用広告表示体が取り付けられるベルトパーティションスタンド10は既存の一般的なものであり、図12に示すように、パーティションベルト14が繰り出し可能に巻き取られたヘッド12を支柱11の頂部に備えて構成される。ヘッド12は、ベルトカセットと呼ばれることもある。このベルトパーティションスタンド10は、例えば一方のベルトパーティションスタンド10のヘッド12から繰り出したパーティションベルト14の先端を他方のベルトパーティションスタンド10のヘッド12に係合させてパーティションベルト14で簡易なパーティション構造を形成する。一般的なベルトパーティションスタンド10のヘッド12は取り外し可能である。支柱11の下端は基台部13によって支持されている。ベルトパーティションスタンド10のヘッド12が取り外しできないものでは、凡そ、支柱11と基台部13を分離することができるようになっている。
【0011】
この実施形態のベルトパーティション用広告表示体(以下、広告表示体)は、図1bに示すように、円筒体2からなる筒状体1で構成されている。この筒状体1を構成する円筒体2には、周方向のどこにも分割箇所がない。この筒状体1は、図1aのように、ベルトパーティションスタンド10のヘッド12を取り外した後、図1bに示すように、上から支柱11に被嵌される。被嵌後には、図1cに示すように、支柱11の頂部にヘッド12を取り付けてベルトパーティションスタンド10の使用に供する。この筒状体1には、図に複数の縦線で示すように、支柱11に被嵌された状態で外部から見える箇所に所定の内容の広告が表示されている。図に複数の縦線で示す所定内容の広告は、「縦線」であることが重要なのではなく、外部から見える箇所に広告が表示されていることを示しているだけであり、表示される広告内容などのようなものであってもよい。なお、この円筒体2からなる筒状体1は、支柱11が挿通可能で且つヘッド12は挿通不可の内穴を有する。筒状体1の内穴が支柱11を挿通可能であるのは、支柱11に被嵌されるものであるから当然として、ヘッド12を挿通不可とするのは、広告表示体が上から簡単に抜けない(抜かれてしまわない)ようにするためである。また、筒状体1からなる広告表示体は、支柱11の外周面に沿って相対回転可能であるが、これは回転可能の状態であってもよいし、相対回転が規制されるように、筒状体1を支柱11に簡易に接着しておいてもよい。なお、ヘッド12を取り外すことができないベルトパーティションスタンド10では、支柱11と基台部13を分離して、支柱11の下方から筒状体11を被嵌する。
【0012】
図2は、図1の広告表示体の説明図であり、図2aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図2b、cは、広告表示体の異なる例の断面図であり、正面図では広告内容の表示は省略している。前述のように、この実施形態の広告表示体は、円筒体2からなる筒状体1で構成されており、この円筒体2は、図2bに示すような肉厚のものや、図2cに示すような薄膜のものが挙げられる。図2bに示す肉厚の円筒体2としては、例えば、プラスチック管、厚紙管、金属管などが挙げられ、発泡ウレタンなどの発泡材料からなる管材も適用可能である。広告の表示方法としては、例えば、肉厚の円筒体2の外周面に直接、広告内容を描画する方法や、予めシート状のフィルムや紙等に印刷したものを肉厚円筒体2の外周面に貼り付けたり熱収縮(シュリンク)させて密着させたりする方法が挙げられる。図2cに示す薄膜の円筒体2の材料としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、金属シートなどが挙げられる。広告内容の表示方法としては、例えば、シート状の薄膜材料の表面に広告内容を直接描画又は印刷し、描画又は印刷後、それを円筒状に丸めて端部を貼り合わせて円筒体2の筒状体1を形成する。薄膜材料が透明な場合には、円筒体2の内周面となる側の面に描画又は印刷してもよい。貼り合わせ部分が円筒体2の一部になるように円弧断面の曲面とするのが望ましい。
【0013】
広告として表示される内容は、商品名や会社名、すなわち商品や会社の宣伝などの他、広く世間に知らしめることを目的とするものであれば、如何なるものでも表示可能である。例えば、順番待ちの順路をパーティションベルト14で形成する場合に、到着場所又は目的箇所からの距離に応じて「待ち時間○○分」などと広告することができる。また、例えば、イベント会場の外側でパーティションとして使用する場合などで、イベントの名称や出演者、登場キャラクターなどを広告してもよく、或いは、関連する個別のイベント、例えば次回の公演の名称やその内容などを広告することもできる。また、例えば、広告表示体に二次元コードを表示し、これをスマートフォンなどで読み込むと、さらに詳細な内容が広告されるようにしてもよい。
【0014】
図3は、図1の広告表示体の第1変形例を示す説明図であり、図3aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図3bは、図3aの断面図であり、正面図では広告内容の表示は省略している。断面図の破線の円は、支柱11の外周面を示す。この例では、円筒体2の円形断面の一部を径方向外側に山型に膨出して直角二等辺三角形の長角を挟む二辺に相当する断面形状の山型膨出部3を構成し、全体としてティアドロップ断面形状となっている。図4は、図3の広告表示体の更なる変形例を示す断面図である。このうち、図4aは、図3bの山型膨出部3を円筒体2の直径方向2箇所とし、何れも直角二等辺三角形の頂角を挟む二辺に相当する断面形状とすることで、全体として猫眼断面形状となっている。図4bは、図4aの2カ所の山型膨出部3を円筒体2の径方向外側に引っ張って延伸した先端部の薄い翼部4とされ、円筒部2aとの連続部は筒状体1の内側に凸な円弧曲面とされている。図4cは、図3b或いは図4aにおける直角二等辺三角形の頂角を挟む二辺に相当する断面形状の山端膨出部3を円筒体2(実際には存在しない)の直交4方向に形成することで全体として正方形断面形状となっている。これらの変形例の何れの筒体も、支柱11が挿通可能で且つヘッド12は挿通不可の内穴を有する。また、図1の筒状体1と同様に、筒状体1からなる広告表示体は、支柱11の外周面に沿って相対回転可能であってもよいし、相対回転が規制されるように、筒状体1を支柱11に簡易に接着しておいてもよい。これらの変形例では、筒状体1の外周面の面積が増大していることから、広告を表示できる面積が増大するというメリットがある。また、特に平坦な或いは凡そ平坦な部分ができることから、表示された広告が見やすいというメリットもある。一方で、例えば図4aや図4bでは、図の左右側方から筒状体1を見た場合には広告内容が見づらいという特徴もあり、従って、この広告内容の見づらい方向を見せたくない方向とか情報を伝えたくない方向として扱うことも可能である。
【0015】
図5は、図4、特に図4bの広告表示体の種々の変形例を示す正面図である。図5aは、図2aと同様に、広告表示体(=筒状体1)がベルトパーティションスタンド10の支柱11のほぼ全高と同じ高さに設定されている。これに対し、図5bは、広告表示体(=筒状体1)の高さがベルトパーティションスタンド10の支柱11の高さの約1/2に設定され、支柱11の上部に広告表示体(=筒状体1)が取り付けけられている。このように支柱11の高さの約1/2の高さの図4bの広告表示体を支柱11の上部に取り付けるには、例えば筒状体1である広告表示体の円筒部2aの内面と支柱11の外周面を両面テープで接着するなどの方法が挙げられる。その際、広告表示体の交換を考慮して、両面テープの接着力はさほど大きくないものが望ましい。また、図5cの広告表示体(=筒状体1)は、全体の高さが支柱11の高さよりやや小さく、支柱11の下端部を除いて、それより上部にのみ支柱11を被嵌している。また、この広告表示体(=筒状体1)は、支柱11の高さの約1/2に相当する上部では図示される幅が一定であり、それより下部では幅が次第に小さくなっている。ベルトパーティションスタンド10は、一般に床に置いた状態で使用され、その高さも、さほど大きくない。図4bに示す広告表示体は、広告表示面積が大きく、目立ちやすいが、図5aのように支柱11の全高に亘って表示しても、見る人が近いと、下部の表示は見づらい。そのような場合には、図5bのように支柱11の上部のみ、或いは図5cのように支柱11の上部が強調されるように広告表示体の高さや幅を調整することが可能である。
【0016】
図6は、広告表示体の第2実施形態を示す斜視図であり、図6aは支柱11への被嵌を行っている状態の説明図、図6bは被嵌後の説明図である。この実施形態では、広告表示体を構成する筒状体1の外周面に点々の広告が表示されている(表示内容はあくまでも一例である)。この実施形態の広告表示体を構成する筒状体1(円筒体2)は、薄板の円筒体材料、例えばプラスチックシートからなり、少なくとも周方向に可撓性と復元性、すなわち弾性を有する。また、この円筒体2からなる筒状体1は、支柱11が挿通可能で且つヘッド12が挿通不可の内穴を有する。そして、この円筒体2からなる筒状体1には、周方向の1カ所に、周方向に分割可能な切れ目5が長手(高さ)方向全長に亘って形成されている。この筒状体1(円筒体2)からなる広告表示体をベルトパーティションスタンド10の支柱11に被嵌する場合には、例えば図1と同様に、ヘッド12を取り外した後、支柱11の上方から支柱11に被せるようにすることも可能であるが、ここでは、図6aに示すように、筒状体1に設けられた切れ目5から弾性を有する筒状体1を押し開き、その開かれた開口部分に支柱11を径方向から嵌め込むようにして筒状体1の内部に入れる。その後、筒状体1を押し開いている力を弱めると、筒状体1が自身の弾性によって円筒体形状に復元し、図6bに示すように筒状体1が支柱11の外周に被嵌されて取り付けられる。全く逆の手順で、筒状体1を支柱11から取り外すこともできる。このように、周方向に分割可能な切れ目5が長手方向全長に形成された弾性、すなわち可撓性と復元性を有する筒状体1では、ヘッド12を取り外すことなく、支柱11の外周に筒状体1からなる広告表示体を被嵌することができるので、その分だけ、ベルトパーティションスタンド10への取り付けが容易になり、同様に取り外しも容易になる。
【0017】
図7は、広告表示体の第3実施形態を示す斜視図であり、特に図4bの断面形状で且つ図5bの正面視形状の広告表示体を支柱11に被嵌して取り付けた状態を示す。この実施形態では、広告表示体を構成する筒状体1の外周面に横線の広告が表示されている(表示内容はあくまでも一例である)。この実施形態の広告表示体を構成する筒状体1は薄板材料、例えばプラスチックシートからなり、少しの弾性を有する。この筒状体1は、上記翼部4で図4bの上下に二分割された分割体8をベルトパーティションスタンド10の支柱11を挟んで(囲繞するように)配置し、それらの分割体8を翼部4で互いに結合(係合)して構成されている。すなわち、二分割された分割体8は筒状体1の翼部4で互いに接合され、一方(図7の奥方)の分割体8の翼部4の突出先端部に形成された係止爪6(高さ方向には連続している)を他方の分割体8の翼部4に引っ掛けて翼部4同士が係合されている。2つの分割体8が翼部4で接合された状態における各分割体8の円筒部2aの内側面間の最大距離はベルトパーティションスタンド10の支柱11の外径より僅かに小さく設定されており、従って2つの分割体8の円筒部2aで支柱11を挟むと、それら分割体8の翼部4同士は僅かに離反している。その状態で一方の分割体8の翼部4の係止爪6を他方の分割体8の翼部4に引っ掛けると、分割体8を構成している薄板材料の弾性により各分割体8の円筒部2aの内側面が支柱11の外周面に押圧される。この押圧力が筒状体1を支柱11に押し付けて滑り落ちなければ、筒状体1を支柱11に接着する必要はないが、万一の落下に備えて、筒状体1の内側面を支柱11の外周面に接着してもよい。従って、この実施形態では、各分割体8の翼部4と、一方の分割体8の翼部4先端部に設けられた係止爪6が、それら分割体8を結合(係合)するための結合構造(係合構造)を構成している。
【0018】
図8は、広告表示体の第4実施形態を示す斜視図であり、広告表示体を構成する筒状体1の外周面にクロスハッチングの広告が表示されている(表示内容はあくまでも一例である)。この広告表示体を構成する筒状体1は、変形性及び伸縮性を有する素材、例えばストッキング材料や靴下材料のように伸縮性のある繊維材料、或いは柔軟性を有する網状の樹脂材料からなる。この筒状体1は、ベルトパーティションスタンド10の支柱11の外径よりもやや小さい内径の内穴が形成された円筒体2である(柔らかいので円筒体に見えないが)。そのため、この円筒体2からなる筒状体1の内穴に支柱11を挿通させて筒状体1を支柱11に被嵌すると、自身の伸縮性によって支柱11の外周面に弾性的に当接する。この伸縮性による当接力が筒状体1を支柱11に押し付けてずり落ちなければ、筒状体1を支柱11に接着する必要はないが、万一の落下に備えて、筒状体1の内側面を支柱11の外周面に接着してもよい。
【0019】
図9は、広告表示体の第5実施形態を示す説明図であり、図9aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図9bは、図9aの断面図であり、正面図では広告内容の表示は省略している。図から明らかなように、この実施形態は、図1図2の実施形態を変形させたものであり、具体的には円筒体2からなる筒状体1の周縁部の1カ所に、円筒体2の径方向に突出し且つ長手方向に伸長する伸展部7が設けられている。この例では、伸展部7は円筒体2からなる筒状体1の長手(高さ)方向全長に亘って伸長されている。この伸展部7は、例えば円筒体形状に丸められる方形なプラスチックフィルムの両端部を重ね合わせて貼り合わせることで形成される。図10は、図9の広告表示体の変形例を示す説明図であり、図10aは、ベルトパーティションスタンド10に取り付けられた状態の正面図、図10bは、図10aの断面図であり、正面図では広告内容の表示は省略している。図から明らかなように、この例では、図9の伸展部7が円筒体2からなる筒状部の直径方向の2カ所に設けられている。伸展部7は、何れも円筒体2からなる筒状部の長手(高さ)方向全長に亘って伸長されている。この伸展部7は、例えば半円筒形状に丸められる方形な2枚のプラスチックフィルムの端部同士を重ね合わせて貼り合わせることで形成される。これらの実施形態では、円筒体2の外周面以外に、平坦な伸展部7にも広告内容を表示することができるので、よりインパクトのある表現効果が望まれる。
【0020】
図11は、広告表示体の第6実施形態を示す断面図である。この実施形態では、広告表示体として筒状体1を構成する円筒体2とベルトパーティションスタンド10の支柱11の間に、円筒形状の薄型発光体9が介装されている。この薄型発光体9は、例えば、薄型LEDランプなどで構成され得る。また、この実施形態の円筒体2は、光透過性を有するものであり、したがって、例えば、この円筒体2は透明或いは半透明な樹脂や紙などを主体として構成されている。或いは、第4実施形態のように、繊維材料や網状の樹脂材料なども光透過性を有するので、それらの材料で円筒体2を構成してもよい。この薄型発光体9は、光透過性を有する円筒体2を内側から照らして円筒体2に表示されている広告内容をアピールするものであるから、例えば外周面全体が一様に発光するものであることが望ましいが、必要に応じて、外周面の一部或いは複数の箇所のみ発光するものであってもよい。同様に、円筒体2の内側から光を照射する箇所が特定される場合には、薄型発光体9が円筒体である必要はない。薄型発光体9が、電力で発光するものである場合、その電力源として商用電源を用いることもできるが、例えばLEDを用いる場合には、消費電力が小さいことから、電池を用いることも可能である。
【0021】
このように、これらの実施形態のベルトパーティション用広告表示体では、パーティションベルト14が繰り出し可能に巻き取られたヘッド12を支柱11の頂部に備えたベルトパーティションスタンド10に対し、支柱11に被嵌可能な筒状体1でベルトパーティション用広告表示体を構成し、その筒状体1には、それが支柱11に被嵌された状態で外部から見える箇所に所定の内容の広告が予め表示されている。従って、この筒状体1をベルトパーティションスタンド10の支柱11に被嵌するだけで簡易に広告表示を付与することができ、表示広告内容の異なる広告表示体と差し替えるだけで表示広告内容の変更も容易に行うことができる。
【0022】
また、周方向に分割箇所のなく且つ支柱11が挿通可能で且つヘッド12は挿通不可の内穴を有する筒体(円筒体2)で筒状体1を構成することにより、例えば、ヘッド12を取り外した状態で筒状体1を支柱11に被嵌し、その後にヘッド12を取り付けるだけで、簡易に広告表示を付与することができ、また表示広告内容の変更も容易に行うことができる。
【0023】
また、周方向に分割可能な切れ目5が長手方向全長に形成され且つ少なくとも周方向に可撓性及び復元性(弾性)を有し且つ支柱11が挿通可能で且つヘッド12は挿通不可の内穴を有する筒体(円筒体2)で筒状体1を構成することにより、ヘッド12を取り外すことなく筒状体1を支柱11に被嵌したり取り外したりすることが可能となり、その分だけ、より一層簡易に広告表示を付与することができ、また表示広告内容の変更も更に容易になり得る。
【0024】
また、分割体8の接合部分に分割体8同士を互いに結合(係合)可能な結合(係合)構造を設け、支柱11を囲繞して配置された分割体8を互いに係合することで筒状体1を構成することにより、筒状体1の断面形状をよりインパクトのあるものとすることができると共に、広告の表示面積を増大することで更にインパクトを強めることも可能となる。
また、変形性及び伸縮性を有する素材からなり且つ支柱11が内穴内に挿通された状態で支柱11の外周面に弾性的に当接する筒体(円筒体2)で筒状体1を構成することにより、特異な素材感の広告表示体を提供することができ、よりインパクトのあるものとすることも可能となる。
【0025】
また、径方向に突出し且つ長手方向に伸長する伸展部7を筒状体1に設けることにより、よりインパクトのある表現効果が望まれる。
また、筒状体1とベルトパーティションスタンド10の支柱11との間に薄型発光体9を介装し、光透過性を有する筒状体1を用いることにより、筒状体1の内側から光を照射して、筒状体1に表示されている広告内容をアピールすることができる。
【0026】
以上、実施形態に係るベルトパーティション用広告表示体について説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施形態では、弾性を有する分割体8の翼部4同士を係止爪6で結合して筒状体1を構成することで、分割体8を再び分割できるようにしたが、分割体8の結合(係合)構造は、これに限定されない。例えば、分割体8が弾性を有しないものであっても、係合(結合)構造そのものが係合(結合)解除可能に係合(結合)するものであれば、分割体8を再び分割して広告表示体の入れ替えが可能となる。
【符号の説明】
【0027】
1 筒状体
2 円筒体
4 翼部(係合構造)
5 切れ目
6 係止爪(係合構造)
7 伸展部
8 分割体
9 薄型発光体(発光体)
10 ベルトパーティションスタンド
11 支柱
12 ヘッド
14 パーティションベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12