(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025058615
(43)【公開日】2025-04-09
(54)【発明の名称】伝送装置
(51)【国際特許分類】
H01P 1/04 20060101AFI20250402BHJP
【FI】
H01P1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168654
(22)【出願日】2023-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】礒野 友輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 正和
(72)【発明者】
【氏名】嘉藤 貴博
【テーマコード(参考)】
5J011
【Fターム(参考)】
5J011DA05
(57)【要約】
【課題】透過損失を低減することができる伝送装置を提供する。
【解決手段】電磁波を伝送する伝送装置は、第1伝送路11が形成された第1伝送部材10と、第2伝送路21が形成された第2伝送部材20と、を備え、第1伝送路11は、第1伝送部材の一面10aに開口する通路とされており、第1伝送部材10と第2伝送部材20とは、一面10aに第2伝送路21が対向するように隙間を設けて配置されており、第1伝送部材10には、一面10aのうち第1伝送路11から離れた場所に開口する凹部12が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を伝送する伝送装置であって、
第1伝送路(11)が形成された第1伝送部材(10)と、
第2伝送路(21)が形成された第2伝送部材(20)と、を備え、
前記第1伝送路は、前記第1伝送部材の一面(10a)に開口する通路とされており、
前記第1伝送部材と前記第2伝送部材とは、前記一面に前記第2伝送路が対向するように隙間を設けて配置されており、
前記第1伝送部材には、前記一面のうち前記第1伝送路から離れた場所に開口する凹部(12)が形成されている伝送装置。
【請求項2】
前記第1伝送路は、基本モードの電磁波を伝送する構成とされている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記第1伝送路を中心に広がる電界の等位相面に沿って形成されている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記凹部は、前記第1伝送路の両側に形成されている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項5】
前記凹部は、前記第1伝送路の一方側に複数形成されており、
複数の前記凹部は、前記第1伝送路の中心からの距離が大きい凹部ほど幅が大きくされている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項6】
前記凹部は、前記一面において所定の幅で開口している請求項1に記載の伝送装置。
【請求項7】
前記凹部は、前記一面の法線方向において所定の深さで形成されている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項8】
前記第1伝送路が伝送する電磁波の波長をλとし、
Nを0以上の整数として、
前記凹部の深さは、λ/4+N・λ/2以上(N+1)λ/2以下とされている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項9】
前記凹部の深さは、λ/4+N・λ/2とされている請求項8に記載の伝送装置。
【請求項10】
前記第1伝送路の前記一面における開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、
前記凹部の前記一面における開口形状は、前記第1伝送路の開口形状の中心を通り前記短手方向に平行な直線に対して、対称な形状とされている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項11】
前記凹部の前記一面における開口形状は、円弧状とされている請求項1に記載の伝送装置。
【請求項12】
前記第1伝送路の前記一面における開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、
前記凹部の開口形状を構成する円弧の中心は、前記第1伝送路の開口形状の中心を通り前記短手方向に平行な直線の上に配置されている請求項11に記載の伝送装置。
【請求項13】
前記凹部の開口形状を構成する円弧の中心は、前記第1伝送路の中心とは異なる位置にある請求項12に記載の伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伝送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IC(集積回路)基板やアンテナ等の間で電磁波を伝送する伝送装置では、内部に伝送路が形成された導波管が基板等に結合されて用いられる。基板等の製造時に発生する反りによって基板等と導波管との間に隙間が生じると、隙間からの漏洩電界により、透過損失が増加するおそれがある。例えば特許文献1では、導波管周辺に周期構造を設け、導波管周辺の部材をメタマテリアルとして動作させることにより、漏洩電界を低減する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0376439号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らの検討によると、このような構造の伝送装置では、ミリ波レーダ等で用いられる77GHz等の高周波帯において、0.1dB以上の透過損失が発生することが見出された。
【0005】
本開示は上記点に鑑みて、透過損失を低減することができる伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の1つの観点によれば、電磁波を伝送する伝送装置は、第1伝送路(11)が形成された第1伝送部材(10)と、第2伝送路(21)が形成された第2伝送部材(20)と、を備え、第1伝送路は、第1伝送部材の一面(10a)に開口する通路とされており、第1伝送部材と第2伝送部材とは、一面に第2伝送路が対向するように隙間を設けて配置されており、第1伝送部材には、一面のうち第1伝送路から離れた場所に開口する凹部(12)が形成されている。
【0007】
これによれば、第1、第2伝送部材の隙間からの漏洩電界を凹部からの反射電界で打ち消し、透過損失を低減することができる。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態にかかる伝送装置の斜視図である。
【
図2】第1実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【
図4】凹部による漏洩電界の低減について説明するための図である。
【
図5】凹部による漏洩電界の低減について説明するための図である。
【
図7】第1伝送路の長手方向の位置と電界との関係を示す図である。
【
図8】凹部の幅と透過損失との関係を示す図である。
【
図9】凹部の深さと透過損失との関係を示す図である。
【
図10】凹部の開口形状を直線状とした場合の漏洩電界の等位相面と凹部の形状との差異を示す図である。
【
図11】漏洩電界の等位相面の曲率を示す図である。
【
図12】漏洩電界の等位相面と第1伝送路の中心を中心とした同心円との形状を比較するための図である。
【
図13】
図12の同心円の中心をオフセットさせた様子を示す図である。
【
図14】凹部の中心を第1伝送路に対して凹部とは反対側にオフセットさせた様子を示す図である。
【
図15】漏洩電界の等位相面と第1伝送路の中心を中心とした楕円との形状を比較するための図である。
【
図16】凹部の中心角と透過損失との関係を示す図である。
【
図17】電磁波の周波数と透過損失との関係を示す図である。
【
図18】第2実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図19】第3実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【
図20】第4実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【
図21】第5実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【
図22】第6実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【
図23】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図24】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図25】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図26】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図27】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図28】他の実施形態における第1伝送部材の上面図である。
【
図29】他の実施形態にかかる伝送装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態の伝送装置は、電磁波を伝送するものであり、例えば車載レーダのアンテナとIC基板との間で電磁波を伝送するために用いられる。
【0012】
図1、
図2に示すように、伝送装置は、第1伝送部材10と、第2伝送部材20とを備える。第1伝送部材10、第2伝送部材20は導波管とされている。第1伝送部材10には第1伝送路11が形成されており、第2伝送部材20には第2伝送路21が形成されている。
【0013】
第1伝送部材10は、一面10aと、一面10aとは反対側の他面10bとを有する四角柱状の金属部材とされている。一面10aに平行で互いに垂直な2方向をそれぞれx方向、y方向とし、x方向およびy方向の両方に垂直な方向、すなわち、一面10aの法線方向をz方向とする。第1伝送路11は、z方向に延設され一面10aと他面10bとにおいて開口し、一面10aと他面10bとを接続する通路とされている。
【0014】
第2伝送部材20は、一面20aと、一面20aとは反対側の他面20bとを有する四角柱状の金属部材とされている。第2伝送部材20は、一面20aおよび他面20bが一面10aおよび他面10bに平行になるように配置されている。第2伝送路21は、z方向に延設され一面20aと他面20bとにおいて開口し、一面20aと他面20bとを接続する通路とされている。
【0015】
第1伝送部材10と第2伝送部材20とは、一面10aにおける第1伝送路11の開口部に、他面20bにおける第2伝送路21の開口部が対向するように接続されている。ただし、第1伝送部材10と第2伝送部材20との間には、隙間Sが形成されている。隙間Sは、例えば第1伝送部材10や第2伝送部材20の反りによって生じるものである。
【0016】
第1伝送路11の一面10a、他面10bにおける開口形状、および、第2伝送路21の一面20a、他面20bにおける開口形状は、基本モードの周波数帯の電磁波を伝送するように構成されている。基本モードは、第1伝送部材10、第2伝送部材20内における電磁波分布の形態のうち最も低い遮断周波数のモードであり、例えばTE01モードがある。
【0017】
具体的には、第1伝送路11の開口形状は、一面10aに平行で互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされている。本実施形態では、第1伝送路11の開口形状は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする矩形状とされている。
図3に示すように、第1伝送路11の開口形状を構成する矩形のxy平面における中心をP1とする。第2伝送路21の開口形状は、x方向を長手方向とし、y方向を短手方向とする矩形状とされている。
【0018】
第1伝送路11のxy平面に平行な経路断面は、一面10a、他面10bにおける開口形状と同じ形状とされている。第2伝送路21のxy平面に平行な経路断面は、一面20a、他面20bにおける開口形状と同じ形状とされている。
【0019】
第1伝送部材10には、一面10aのうち第1伝送路11から離れた場所に開口する凹部12が形成されている。凹部12は、隙間Sからの漏洩電界を低減するためのものである。
【0020】
凹部12は、第1伝送路11に対してy方向の両側に1つずつ形成されている。
図3に示すように、第1伝送路11に対してy方向の一方側、他方側に形成された凹部12をそれぞれ凹部12a、凹部12bとする。凹部12a、12bは、それぞれ、中心P1を通りy方向に平行な直線L1に対して線対称な形状とされている。また、凹部12a、12bは、中心P1を通りx方向に平行な直線L2に対して線対称に配置されている。
【0021】
凹部12a、12bは一面10aにおいてそれぞれ円弧状に開口している。凹部12a、12bの開口形状を構成する円弧をL3とし、円弧L3の中心をP2とする。中心P2は、直線L1上における中心P1とは異なる位置に置かれている。
【0022】
図2、
図3に示すように、第1伝送路11のx方向、y方向の幅をそれぞれa、bとする。凹部12のx方向の幅をLとする。凹部12の円弧L3およびz方向の両方に垂直な方向の幅をwとする。凹部12のz方向の深さをdとする。幅wおよび深さdは、所定の値よりも大きくされ、凹部12全体で一定となるように設計されるが、加工精度によるばらつきがあってもよいし、角部に丸みがあってもよい。中心P1と中心P2との距離をdbとする。円弧L3の半径をrとする。円弧L3の中心角をθとする。隙間Sのz方向の幅をδとする。他面10bから一面20aまでのz方向の長さをLwとする。第1伝送部材10のx方向、y方向の幅をそれぞれaw、bwとする。第2伝送部材20のx方向、y方向の幅は第1伝送部材10と同じとされている。第2伝送路21のx方向、y方向の幅は第1伝送路11と同じとされている。
【0023】
凹部12による漏洩電界低減の原理について説明する。
図4の矢印A1で示すように電磁波が伝送されると、矢印A2で示すように、第1伝送路11から隙間Sを通って伝送装置の外側へ電界が漏れ広がる。しかし、この電界の一部は矢印A3で示すように凹部12の内部に入り、凹部12の底部で反射する。凹部12で反射した電界の一部は矢印A4で示すように第1伝送路11に戻り、他の一部は矢印A5で示すように伝送装置の外部へ向かう。
【0024】
そして、凹部12の幅や深さを適切に設定することにより、第1伝送路11と凹部12との間では矢印A2で示す漏洩電界と矢印A4で示す反射電界とが共振する。また、凹部12に対して第1伝送路11とは反対側の部分では、矢印A2で示す漏洩電界と矢印A5で示す反射電界とが打ち消し合う。これにより、
図5に示すように、隙間Sが壁で塞がれ、この壁に凹部が形成されたような状態に近い電界分布となる。このようにして、隙間Sからの漏洩電界を低減することができる。
【0025】
図6に示すように、第1伝送路11からの漏洩電界は、第1伝送路11の開口形状を構成する矩形の2つの長辺の中心から、等位相面が同心円状に広がるように分布する。そして、この漏洩電界は、直線L1上で極大値をとり、直線L2上で極小値をとる。したがって、凹部12によって該矩形の長辺周辺が覆われるようにa<Lとし、凹部12を第1伝送路11に対してy方向の両側に配置することにより、漏洩電界を効率よく低減することができる。
【0026】
第1伝送路11内部の電界をEとすると、電界Eは、
図7に示すように、x方向の中心において最大値E
0をとる。また、電界Eは、直線L1に対して対称な分布となっており、第1伝送路11のx方向の両端部に近づくにつれて小さくなる。このような電界分布に対応して、凹部12の形状が直線L1に対して線対称となるように幅Lを設定することが望ましい。なお、幅Lは、漏洩電界の半分以上を覆うように設定することが望ましい。
【0027】
第1伝送路11内の電界分布より漏洩電界を見積もり、凹部12の配置範囲を設定する方法について説明する。TE01モードの電界強度Eは、マクスウェル方程式より、数式1のように表される。
【0028】
【数1】
したがって、伝送装置における全電力A
totalは、数式2で表される。
【0029】
【数2】
直線L1に対称な幅Lの範囲の電力A
Lは、数式3で表される。
【0030】
【数3】
第1伝送路11近傍では幅Lによって全電力A
totalのうち電力A
Lだけ電波漏洩を防ぎ、結合部を通過できたとみなせるため、透過損失A
lossは、数式4で表される。
【0031】
【数4】
すなわち、透過損失A
lossは、幅aと幅Lとの比L/aによって変化する。
【0032】
図8は、L/aを変化させたときの透過損失A
lossの理論値を示している。
図8から、例えば透過損失A
lossを-0.1dB未満としたい場合には、L/a=0.75、すなわち、幅Lを幅aの75%より大きくする必要があることがわかる。例えば第1伝送部材10をWR-12導波管で構成した場合には、a=3.1mmであるから、凹部12の長さLは2.325mm必要となる。
【0033】
凹部12の幅wと深さdについて説明する。第1伝送路11が伝送する電磁波の波長をλとし、周波数をfとする。伝送装置の透過損失をA
lossとする。本発明者らは、f=76.5GHzとし、幅wと深さdを変化させてシミュレーションを行い、透過損失A
lossを調べた。
図9はこのシミュレーションによる解析結果である。
図9では、d=0からd/λ=1.25、すなわち、d=1.25λ≒5mmまでの範囲の解析結果を示している。また、
図9では、w=0.2mm、0.12mm、0.8mm、1.2mm、1.5mmの場合、すなわち、w=0.051λ、0.1275λ、0.204λ、0.306λ、0.3825λの場合についての解析結果を示している。
【0034】
Nを0以上の整数とすると、
図9に示すように、深さdが概ねλ/4+N・λ/2のときに透過損失A
lossが小さくなる。また、深さdがN・λ/2のときに透過損失A
lossが大きくなる。このことは、電磁波の周期性からも原理的に妥当といえる。ただし、幅wを広げることにより性能が微増するため、必ずしもd=λ/4+N・λ/2のときに透過損失A
lossが最小となるとは限らない。幅wを考慮すると、深さdをλ/4+N・λ/2以上(N+1)λ/2以下とすることにより、透過損失A
lossを低減することができる。なお、深さdがこの範囲から外れていてもよい。例えば、加工制約から構造を最小化したい場合には、d=0.2λまたはd≒0.2λとしてもよい。
【0035】
凹部12の開口形状について説明する。前述した漏洩電界の分布に対して、例えば
図10に示すように凹部12をx方向に平行な直線状に延設すると、領域R1のように直線L1から離れた場所では、電界の等位相面と凹部12の延設方向との角度が大きくなる。これにより、反射電界の位相と、漏洩電界を効率よく打ち消すことができる位相とのずれが大きくなり、漏洩電界抑制性能が低下するおそれがある。
【0036】
これに対して、本実施形態のように凹部12の開口形状を円弧状とすることにより、凹部12の開口形状が電界分布に沿った形状となり、漏洩電界抑制性能を向上させることができる。
【0037】
円弧L3の曲率について説明する。円弧L3の曲率は、漏洩電界の等電力の分布形状に沿うように設定することが望ましい。ここでの等電力は、材質や空間減衰を想定しない場合には、等位相と同義となる。漏洩電界の等位相面は、
図11の破線L4、L5、L6で示すように、第1伝送路11近傍では第1伝送路11の角部や直線エッジの影響により、曲率が大きくなる。そして、等位相面は、第1伝送路11から離れるにつれて曲率が小さくなり、中心P1を中心とした真円に収束する。凹部12の曲率は、このことを考慮して設定することが望ましい。
【0038】
例えば、レーダ等の集積回路内に収納する場合には、伝送装置の体格を小型化することが実装上望ましいため、第1伝送路11の長辺近傍に凹部12を配置することになる。この場合には、円弧L3の曲率を大きくすることが望ましい。一方、凹部12を第1伝送路11から大きく離れた場所に形成する場合には、円弧L3の曲率を小さくすることが望ましい。
【0039】
中心P2の位置について説明する。
図12の破線L7~L15は、中心P1を中心とする同心円である。第1伝送路11近傍では、漏洩電界の等位相面と、この同心円との形状の差異が大きくなるため、中心P2を中心P1と一致させると、漏洩電界の等位相面と凹部12の形状との差異が大きくなり、漏洩電界抑制性能が低下するおそれがある。例えば
図12では、第1伝送路11近傍の領域R2や、領域R2よりも第1伝送路11および直線L1から離れた領域R3において、等位相面と凹部12の形状との差異が大きくなっている。
【0040】
一方、
図13に示すように同心円の中心を中心P1からy方向に移動させると、電界の等位相面と同心円との形状の差異が小さくなる。なお、
図13は、第1伝送部材10をEIA規格のWR-12導波管で構成し、中心P2を中心P1からy方向に0.6mmオフセットさせて凹部12を形成した場合の電界分布を示している。例えば
図13では、直線L1から離れた領域R4において、等位相面と凹部12の形状との差異が小さくなっている。このように、中心P2を中心P1とは異なる位置に置くことにより、漏洩電界の等位相面と凹部12の形状との差異が小さくなり、漏洩電界抑制性能をさらに向上させることができる。
【0041】
なお、中心P1と中心P2との距離dbがあまりに大きいと、凹部12が第1伝送路11の角部を覆う形状とならず、漏洩電界抑制性能が低下するおそれがあるため、距離dbをある程度小さくすることが望ましい。例えば、第1伝送部材10をWR-12導波管で構成し、周波数fを60GHz~90GHzとする場合には、距離dbを0.6mm~1.0mm、すなわち、第1伝送路11の長辺中心に対してy方向に±0.2mm以内とすることが望ましい。
【0042】
ただし、中心P2を中心P1に対して凹部12とは逆方向にオフセットさせる場合には、この限りではない。すなわち、
図14に示すように、凹部12aの円弧L3の中心P2を第1伝送路11に対して凹部12bと同じ側に置く場合には、距離dbを大きくすることができる。例えば、上記のようにWR-12導波管で第1伝送部材10を構成する場合には、距離dbを第1.0mmよりも大きくすることができる。
【0043】
また、中心P2を中心P1と一致させた場合にも、凹部12の開口形状を楕円弧状とすることにより、凹部12を漏洩電界の等位相面に沿った形状とすることができ、漏洩電界抑制性能をさらに向上させることができる。例えば、
図15では、中心P1を中心とし、x方向の軸の長さが互いに異なる複数の楕円を破線で示している。この複数の楕円のうち、破線L16で示す楕円に沿って凹部12を形成することにより、凹部12の開口形状を漏洩電界の等位相面に沿った形状とすることができる。
【0044】
中心P2を第1伝送路11の長辺上にオフセットし、半径rをa/2とした場合の、中心角θと透過損失A
lossとの関係を
図16に示す。
図16から、例えば透過損失A
lossを-0.1dB未満としたい場合には、中心角θを約150°以上とする必要があることがわかる。
【0045】
図17は、周波数fと透過損失A
lossとの関係を調べたシミュレーション結果である。このシミュレーションにおいて、第1伝送部材10および第2伝送部材20の寸法は、以下のように設定した。すなわち、Lw=7mm、aw=6mm、bw=6mm、a=3.1mm、b=1.55mm、δ=0.1mm、d=1.4mm、w=0.8mm、r=1.55mm、θ=150°、db=0.8mmとした。なお、
図17の実線、破線は、それぞれ、凹部12の開口形状を円弧状、直線状としたときのシミュレーション結果である。
【0046】
図17に示すように、ミリ波レーダで用いられる高周波数帯、具体的には、65GHz~90GHzにおいて、透過損失A
lossを0.1dB未満とすることができた。また、凹部12の開口形状を円弧状とすることにより、開口形状を直線状とした場合よりも透過損失
Alossを低減することができた。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、第1伝送部材10に、一面10aのうち第1伝送路11から離れた場所に開口する凹部12が形成されているため、隙間Sからの漏洩電界を凹部12からの反射電界で打ち消し、透過損失を低減することができる。例えば本実施形態の伝送装置によって基板とアンテナ間で電磁波を伝送する場合には、基板の電力を低損失でアンテナに供給することができる。
【0048】
また、本実施形態では、第1伝送部材10に凹部12を形成するだけで透過損失を低減でき、第1伝送部材10の複雑な加工が不要であるため、伝送装置の製造が容易である。また、第1伝送部材10の体格の大型化を抑制することができる。
【0049】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
(1)第1伝送路11は、基本モードの電磁波を伝送する構成とされている。これによれば、基本モードによる高効率な電磁波伝送が可能となる。
【0051】
(2)凹部12は、第1伝送路11を中心に広がる電界の等位相面に沿って形成されている。これによれば、漏洩電界を効率よく打ち消すことができる。
【0052】
(3)凹部12は、第1伝送路11の両側に形成されている。これによれば、第1伝送路11の一方側のみに凹部12を形成した場合に比べて、漏洩電界を大きく打ち消すことができる。
【0053】
(4)深さdは、λ/4+N・λ/2以上(N+1)λ/2以下とされている。これによれば、凹部12からの反射電界によって漏洩電界を効率よく打ち消すことができる。例えば、深さdをλ/4+N・λ/2とした場合には、凹部12の形成に要する時間を短縮しつつ漏洩電界を効率よく打ち消すことができる。
【0054】
(5)第1伝送路11の一面10aにおける開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、凹部12の一面10aにおける開口形状は、中心P1を通り短手方向に平行な直線L1に対して、対称な形状とされている。これによれば、漏洩電界の等位相面と凹部12の形状との差異が小さくなり、漏洩電界抑制性能をさらに向上させることができる。
【0055】
(6)凹部12の一面10aにおける開口形状は、円弧状とされている。これによれば、凹部12が漏洩電界の分布に沿った形状となり、漏洩電界抑制性能を向上させることができる。
【0056】
(7)第1伝送路11の一面10aにおける開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、円弧L3の中心P2は、中心P1を通り短手方向に平行な直線L1の上に配置されている。このように中心P2を配置し、凹部12の形状が直線L1に対して線対称となるように幅Lを設定することにより、漏洩電界の等位相面と凹部12の形状との差異が小さくなり、漏洩電界抑制性能をさらに向上させることができる。
【0057】
(8)中心P2は、中心P1とは異なる位置にある。これによれば、漏洩電界の等位相面と凹部12の形状との差異が小さくなり、漏洩電界抑制性能をさらに向上させることができる。
【0058】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して凹部12の数を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0059】
本実施形態では、第1伝送路11に対してy方向の一方側と他方側にそれぞれ複数の凹部12が形成されている。そして、第1伝送路11に対してy方向の一方側に形成された複数の凹部12は、中心P1からの距離が大きい凹部12ほどx方向の幅が大きくされている。同様に、第1伝送路11に対してy方向の他方側に形成された複数の凹部12は、中心P1からの距離が大きい凹部12ほどx方向の幅が大きくされている。
【0060】
具体的には、
図18に示すように、第1伝送路11に対してy方向の一方側には、凹部12aと、凹部12aよりも第1伝送路11よりも遠い場所に開口する凹部12cとが形成されている。また、第1伝送路11に対してy方向の一方側には、凹部12bと、凹部12aよりも第1伝送路11よりも遠い場所に開口する凹部12dとが形成されている。すなわち、第1伝送路11に対してy方向の両側にそれぞれ2つの凹部12が形成されている。
【0061】
そして、凹部12cは凹部12aよりもx方向の幅が大きくされており、凹部12aをy方向の一方側から覆うように円弧状に開口している。また、凹部12dは凹部12bよりもx方向の幅が大きくされており、凹部12bをy方向の他方側から覆うように円弧状に開口している。
【0062】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0064】
(1)凹部12は、第1伝送路11の一方側に複数形成されており、複数の凹部12は、中心P1からの距離が大きい凹部12ほど幅が大きくされている。これによれば、同心円状に広がる電界を覆い、漏洩電界を効率よく低減することができる。
【0065】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第2伝送部材20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
図19に示すように、本実施形態の第2伝送部材20には、凹部22が形成されている。凹部22は、凹部12と同様の構成とされている。すなわち、凹部22は、第2伝送路21に対してy方向の両側に1つずつ形成されており、他面20bのうち第2伝送路21から離れた場所に円弧状に開口している。そして、2つの凹部22は、第2伝送路21の中心を通りy方向に平行な直線に対して線対称な形状とされている。また、2つの凹部22は、第2伝送路21の中心を通りx方向に平行な直線に対して線対称に配置されている。
【0067】
第2伝送部材20に凹部22を形成することにより、隙間Sからの漏洩電界が凹部22での反射電界で打ち消されるため、透過損失をさらに低減することができる。
【0068】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第2伝送部材20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0070】
図20に示すように、本実施形態の第2伝送部材20は基板で構成されている。この基板は例えばレーダ、通信機等の無線機に用いられるRF(Radio Frequency)回路が形成された誘電体基板であり、第2伝送路21は基板上に形成されたマイクロストリップ線路とされている。なお、無線機RF回路のアーキテクチャとして、BGA(Ball Grid Array)やLiP(Launcher In Package)等があるが、いずれにおいても本実施形態は適用可能である。
【0071】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第2伝送部材20の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
図21に示すように、本実施形態の第2伝送部材20はアンテナとされている。例えば、第2伝送部材20はホーンアンテナとされており、角錐台形状の部材の内部に形成された通路が第2伝送路21とされている。
【0074】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第1伝送部材10の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0076】
図22に示すように、本実施形態の第1伝送部材10は、四角柱状の本体部13と、第2伝送部材に接続される接続部14とで構成されており、凹部12は接続部14に形成されている。本実施形態では接続部14の表面のうち第2伝送部材20に対向する面が一面10aとされており、第1伝送路11は、本体部13を貫通する部分と、接続部14を貫通する部分とで構成されている。
【0077】
なお、
図22では凹部12が接続部14を貫通しており、凹部12の底面が本体部13の表面で構成されているが、凹部12が接続部14の途中までの深さで形成されていてもよい。
【0078】
本体部13の第2伝送部材20に対向する面のうち第1伝送路11から離れた部分が平坦面とされている場合にも、凹部12を形成した接続部14を取り付けることにより、漏洩電界を低減することができる。
【0079】
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成および作動からは第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
(他の実施形態)
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0081】
第1伝送路11の開口形状が、第1実施形態とは異なる形状とされていてもよい。例えば、
図23に示すように、第1伝送路11の開口形状が、角部が丸みを帯びた矩形状とされていてもよい。また、
図24に示すように、第1伝送路11の開口形状が、x方向に延設された矩形と、この矩形の両端部からy方向の両側に延設された矩形とで構成されたH字形状とされていてもよい。また、第2伝送路21の開口形状が、第1実施形態とは異なる形状とされていてもよい。例えば、第2伝送路21の開口形状が、
図23、
図24に示す第1伝送路11の開口形状と同様の形状とされていてもよい。
【0082】
凹部12が第1実施形態とは異なる開口形状とされていてもよい。例えば、凹部12の開口形状が直線状とされていてもよい。なお、凹部12の開口形状が直線状であっても、幅w、深さd、幅L等を適切に設定することにより、
図17に示す結果よりも透過損失A
lossを低減し、0.1dB未満とすることができる。また、
図25に示すように、凹部12の開口形状がL字状とされていてもよい。また、
図26に示すように、凹部12の開口形状がU字状とされていてもよい。また、凹部12の開口形状の端部が屈曲していてもよい。また、凹部12の開口形状の端部に凹凸が形成されていてもよい。また、2つの凹部12の開口形状の端部同士が連結されていてもよい。例えば、
図27に示すように、凹部12の開口形状が円周状とされていてもよい。また、
図28に示すように、凹部12の開口形状が矩形枠状とされていてもよい。
【0083】
凹部12が第1伝送路11に対してy方向の一方側にのみ形成されていてもよい。上記第2実施形態では、第1伝送路11の両側にそれぞれ2つの凹部12を形成したが、第1伝送路11の両側または一方側に3つ以上の凹部12を形成してもよい。
【0084】
第3~第6実施形態において、第2実施形態と同様に、第1伝送路11の両側に凹部12を複数形成してもよい。
図29に示すように、第4実施形態において、第3実施形態と同様に凹部22を形成してもよい。第5、第6実施形態において、第4実施形態において、第3実施形態と同様に凹部22を形成してもよい。第6実施形態において、第4実施形態と同様に第2伝送部材20が基板とされていてもよい。第6実施形態において、第5実施形態と同様に第2伝送部材20がアンテナとされていてもよい。
【0085】
(本開示の観点)
[第1の観点]
電磁波を伝送する伝送装置であって、
第1伝送路(11)が形成された第1伝送部材(10)と、
第2伝送路(21)が形成された第2伝送部材(20)と、を備え、
前記第1伝送路は、前記第1伝送部材の一面(10a)に開口する通路とされており、
前記第1伝送部材と前記第2伝送部材とは、前記一面に前記第2伝送路が対向するように隙間を設けて配置されており、
前記第1伝送部材には、前記一面のうち前記第1伝送路から離れた場所に開口する凹部(12)が形成されている伝送装置。
[第2の観点]
前記第1伝送路は、基本モードの電磁波を伝送する構成とされている第1の観点に記載の伝送装置。
[第3の観点]
前記凹部は、前記第1伝送路を中心に広がる電界の等位相面に沿って形成されている第1または第2の観点に記載の伝送装置。
[第4の観点]
前記凹部は、前記第1伝送路の両側に形成されている第1ないし第3の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第5の観点]
前記凹部は、前記第1伝送路の一方側に複数形成されており、
複数の前記凹部は、前記第1伝送路の中心からの距離が大きい凹部ほど幅が大きくされている第1ないし第4の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第6の観点]
前記凹部は、前記一面において所定の幅で開口している第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第7の観点]
前記凹部は、前記一面の法線方向において所定の深さで形成されている第1ないし第6の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第8の観点]
前記第1伝送路が伝送する電磁波の波長をλとし、
Nを0以上の整数として、
前記凹部の深さは、λ/4+N・λ/2以上(N+1)λ/2以下とされている第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第9の観点]
前記凹部の深さは、λ/4+N・λ/2とされている第8の観点に記載の伝送装置。
[第10の観点]
前記第1伝送路の前記一面における開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、
前記凹部の前記一面における開口形状は、前記第1伝送路の開口形状の中心を通り前記短手方向に平行な直線に対して、対称な形状とされている第1ないし第9の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第11の観点]
前記凹部の前記一面における開口形状は、円弧状とされている第1ないし第10の観点のいずれか1つに記載の伝送装置。
[第12の観点]
前記第1伝送路の前記一面における開口形状は、互いに垂直な長手方向と短手方向とを有する形状とされており、
前記凹部の開口形状を構成する円弧の中心は、前記第1伝送路の開口形状の中心を通り前記短手方向に平行な直線の上に配置されている第11の観点に記載の伝送装置。
[第13の観点]
前記凹部の開口形状を構成する円弧の中心は、前記第1伝送路の中心とは異なる位置にある第12の観点に記載の伝送装置。
【符号の説明】
【0086】
10 第1伝送部材
11 第1伝送路
12 凹部
20 第2伝送部材
21 第2伝送路