(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005886
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】トイレ用キャビネットの棚板
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20250109BHJP
A47B 96/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A47K17/00
A47B96/02 C
A47B96/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106303
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】田畑 卓真
(72)【発明者】
【氏名】日比野 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢一
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037EA04
(57)【要約】
【課題】物品の収納が容易なトイレ用キャビネットの棚板を提供すること。
【解決手段】トイレ用キャビネットの棚板1は、トイレ用キャビネット5の内部を仕切る板状の棚板本体10と、棚板本体10の周縁17に配置され、物品を係止可能な物品係止部3と、を有する。物品係止部3は、棚板本体10の周縁17を切り欠いた切り欠き部30を有することが好ましい。棚板本体10は、薄肉部155を有し外形寸法を調整可能な調整部15と、調整部15に隣接する定型部14と、を有することが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ用キャビネットの内部を仕切る板状の棚板本体と、
前記棚板本体の周縁に配置され、物品を係止可能な物品係止部と、を有する、トイレ用キャビネットの棚板。
【請求項2】
前記物品係止部は、前記棚板本体の周縁を切り欠いた切り欠き部を有する、請求項1に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【請求項3】
前記棚板本体は、薄肉部を有し外形寸法を調整可能な調整部と、
前記調整部に隣接する定型部と、を有する、請求項1又は2に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【請求項4】
前記棚板本体の一端に配置され、前記トイレ用キャビネットの側板に係止する係止部をさらに有し、
前記係止部が形成される前記棚板本体の前記一端側に、前記切り欠き部が配置され、
前記調整部は、前記棚板本体の他端側に、前記棚板本体における前記一端及び前記他端を結ぶ方向と直交する方向に延びる前記薄肉部を有する、請求項3に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【請求項5】
前記切り欠き部は、平面視で湾曲した湾曲部を有する、請求項2に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【請求項6】
前記切り欠き部は、前記湾曲部に囲まれるように形成される長孔開口部を有する、請求項5に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【請求項7】
前記長孔開口部は、前記周縁に形成された出入口部と、前記出入口部から連続し、前記長孔開口部の長手方向の端部側に形成される係止孔部と、を有し、
前記切り欠き部は、前記係止孔部における前記棚板本体の前記周縁側を塞ぐように延びる物品保持部を有して形成される、請求項6に記載のトイレ用キャビネットの棚板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレ用キャビネットの棚板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棚の側面の側面板に棚板取付用孔を設けて、棚板に形成した突起を、棚板取付用孔に差し込んで固定することが知られている。このような棚板を、トイレ用キャビネットに用いて、限られたスペース内で必要に応じて自在に棚板を取り付けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
棚板をトイレ用キャビネット内に取り付けると、例えば箒やワイパー等、長い柄を有する物品を置く場所がなくなり、キャビネット内に収容することが難しくなる場合がある。棚板を小さくすれば、柄を収納するスペースは形成されるが、棚板の面積が小さい分、収納量が減少するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、トイレ用キャビネットの内部を仕切る板状の棚板本体と、前記棚板本体の周縁に配置され、物品を係止可能な物品係止部と、を有する、トイレ用キャビネットの棚板に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態のトイレルームを示す斜視図である。
【
図2】本実施形態の棚板を上側から見た斜視図である。
【
図3】本実施形態の棚板を下側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態のトイレ用キャビネットの棚板1は、トイレルーム100内に配置されるトイレ用キャビネット5の内部に配置されている。
【0008】
トイレルーム100は、
図1に示すように、略直方形の空間であり、長手方向がトイレルーム100の手前側の入口(図示省略)と入口に対向する奥側とを結ぶ前後方向D1に沿っている。トイレルーム100は、奥側の後壁101と、後壁101の幅方向D2の一方及び他方の一対の側壁102と、出入口用の扉が設けられた前壁(図示省略)と、トイレ用キャビネット5が設けられる床面103と、を有する。
【0009】
なお、本明細書において、上下方向とは天地方向であり、幅方向D2とは、
図1に示すように、トイレルーム100の入口側から後壁101に向かって、トイレ用キャビネット5を正面から見た場合の左右を結ぶ横方向を意味する。また、左右とは、トイレ用キャビネット5を正面から見た場合の左右を意味する。そして、前又は手前とは、トイレルーム100の入口側を意味し、後ろ又は奥とは、後壁101側を意味する。
【0010】
トイレルーム100の内部には、トイレ用キャビネット5と、便器6が配置されている。便器6は、トイレ用キャビネット5の前側に配置され、便器本体61と、便座62と、便蓋63と、タンク64と、排水部65及び給水部66と、を有する。
【0011】
便器本体61は、上部が開口した凹状の容器であり、床面103の上に設置されている。便器本体61は、底部に汚物等を排出する排水口を備えて形成され、排水口が排水トラップを通じて便器本体61の背面側の下水管に接続されている(図示省略)。
【0012】
便座62は、便器本体61の上面に配置され、使用者が着座する部材である。便蓋63は、便器本体61の上部開口を覆う蓋材である。便座62及び便蓋63は、それぞれ便器本体61の後方側に配されたヒンジ部で回転可能に接続され、開閉可能に設けられている。
【0013】
タンク64は、便器本体61の後方に配置され、内部に洗浄水が貯水される。タンク64には外部の給水源から水が供給される。タンク64に貯水された洗浄水は、タンク64と便器本体61とを接続する管(図示省略)を通じて便器本体61へ供給される。
【0014】
排水部65は、便器本体61の背面側に設けられる排水口(不図示)に接続される。排水部65は、排水管(不図示)が、床面103の下方内部の下水管に接続されて構成されている。
【0015】
給水部66は、外部の給水源からタンク64へ水を給水する給水管(不図示)により構成される。また、給水部66は、給水管から分岐して、シャワートイレや手洗いボウル67に洗浄水を供給する給水ホース66aを有する。
【0016】
トイレ用キャビネット5は、トイレルーム100の内部に配置され、便器6の背面に配置される。トイレ用キャビネット5は、便器6と後壁101の間にタンク64や排水部65、給水部66、そのほか掃除用具や衛生用品等を内部に収納可能な棚である。トイレ用キャビネット5は、側板51と、連結部52と、前板部53と、収納部54と、棚板1と、天板55と、を有する。
【0017】
側板51は、トイレルーム100の幅方向D2の一方と他方に対を成して配置され、手前側から奥側へ延びるように配置されている。側板51は、側板本体511と、棚板用取付孔512と、を有する。
【0018】
側板本体511は、周縁に部分的に切り欠きが形成された概ね長方形の形状を有し、短手方向がトイレルーム100の前後方向D1に、長手方向が上下方向に延びるように配置される。側板本体511は、床面103から離れた上方に配置され、後述する連結部52によりトイレルーム100の後壁101に取り付けられて固定される。
【0019】
棚板用取付孔512は、側板本体511に形成された貫通孔である。棚板用取付孔512は、二つの孔が側板本体511の短手方向(トイレルーム100の前後方向D1)に並んで一対配置され、かつ、そこから下方向に離れた位置で他の一対が配置されている。
【0020】
連結部52は、一対の側板本体511のそれぞれの後方側端部を連結する板状の部材である。連結部52は、トイレルーム100の幅方向D2に沿う方向が長い略長方形の板であり、板の背面がトイレルーム100の後壁101に固定される。連結部52は、一対の側板51を連結すると同時に、後壁101と側板51のそれぞれとを接続し、側板51を支持する。
【0021】
前板部53は、トイレ用キャビネット5の前面に配置される板状の部材である。前板部53は、中央前パネル531と、一対の側部パネル532と、を有する。前板部53は、トイレ用キャビネット5の内部と外部とを仕切る板状の部材である。
【0022】
中央前パネル531は、
図1に示すように、前板部53の幅方向D2における略中央の下部に配置される。中央前パネル531は、下端が床面103に支持されるとともに、幅方向D2の両端側の背面が側板51の前端部に固定されて支持される。中央前パネル531には、下方における幅方向D2の中央側に四角形の開口部531aが形成されている。開口部531a内に便器6が配置され、便器6の後方上部に配置されたタンク64が中央前パネル531により隠蔽されている。
【0023】
一対の側部パネル532は、中央前パネル531の幅方向D2の外側に配置される板状の部材である。一対の側部パネル532は、側板51に取り付けられた座金513に接続される蝶番533が取り付けられ、蝶番533を回動の支点として幅方向D2の外側が開閉可能に取り付けられる。一対の側部パネル532は、後述する収納部54を開閉する扉を構成する。
【0024】
収納部54は、側板51と、トイレルーム100の後壁101、一対の側壁102、及び後述する天板55に囲まれた空間である。収納部54は、一対の側部パネル532が開閉されることで、トイレ用キャビネット5の外部からアクセスが可能になる。
【0025】
天板55は、所謂カウンターであり、前板部53と後壁101との間に配置される略長方形の板である。天板55の長手方向が、トイレルーム100の幅方向D2に沿うように配置される。天板55は、側板51、連結部52及び前板部53の上端に載せられて支持されると同時に、トイレルーム100の幅方向D2の両端で支持金具55aが取り付けられ、支持金具55aが後壁101に固定されることによっても支持されている。
【0026】
棚板1は、側板51に対して着脱可能な板状の部材である。
図2に示すように、棚板1は、棚板本体10と、係止部2と、物品係止部3と、を有する。
【0027】
棚板本体10は、トイレ用キャビネット5の収納部54の内部を仕切る板状の部材であり、平面視略長方形の形状をしている。棚板本体10には、棚板1が側板51に取りつけられた状態で、物品が載置される。棚板本体10は、上面11と、周縁17と、補強リブ部12(
図3参照)と、固定保持面13(
図3参照)と、定型部14と、調整部15と、を有する。
図1に示すように、棚板本体10は、棚板1が側板51に取りつけられた状態で、長手方向がトイレルーム100の幅方向D2に沿って配置される。
【0028】
上面11は、棚板本体10の上側の表面であり、平坦な薄い板面である。補強リブ部12は、
図3に示すように、上面11の裏面から、棚板本体10の高さ方向の下方に向かって起立する。補強リブ部12は複数のリブ12aが互いに間を空けて配置されている。補強リブ部12は、薄い板面で構成された上面11から棚板本体10の厚さ方向に延びることで、棚板本体10の強度を高めている。
【0029】
周縁17は、棚板本体10の外形を規定する縁の部分である。周縁17は、第1外縁171と、第2外縁172と、第3外縁173と、第4外縁174と、を有する。第1外縁171及び第2外縁172は、棚板本体10の長手方向に延びる外縁である。第1外縁171及び第2外縁172は、互いに対向して配置される。第1外縁171は、棚板1が側板51に取り付けられたときに、トイレ用キャビネット5の奥側に位置する外縁である。第2外縁172は、棚板1が側板51に取り付けられたときに、トイレ用キャビネット5の手前側に位置する外縁である。第3外縁173及び第4外縁174は、棚板本体10の短手方向に延びる外縁である。第3外縁173及び第4外縁174は、互いに対向して配置される。第3外縁173は、棚板1が側板51に取り付けられたときに、トイレルーム100の幅方向D2の内側に位置する外縁である。第4外縁174は、棚板1が側板51に取り付けられたときに、トイレルーム100の幅方向D2の外側に位置する外縁である。
【0030】
固定保持面13は、
図3に示すように、棚板本体10の第3外縁173側で、上面11から下方に延びる平坦な面である。固定保持面13は、棚板1が側板51に取り付けられたときに、側板51に当接する。固定保持面13は、棚板1が側板51に対して略90度で設置されるように、棚板本体10を支持する面である。固定保持面13は、側板51に取り付けられた状態で、トイレルーム100の幅方向D2の内側に配置される。
【0031】
調整部15は、棚板本体10のうち、カッター等で切除することで外形寸法を調整可能な部分であり、棚板1の周縁17側に配置されている。調整部15は薄肉部155と、平面部156を有するとともに、第1調整部151と、第2調整部152と、を有する。
図3に示すように、薄肉部155は、棚板本体10の厚さを薄くするように、棚板本体10に形成された溝により構成されている。薄肉部155に隣接して、補強リブ部12が形成されている。平面部156は、薄肉部155と隣接する薄肉部155の間や、薄肉部155と周縁17との間の平坦な面である。
【0032】
図2に示すように、第1調整部151は、棚板本体10が側板51に取り付けられる側を一端側、側板51に対向する側を他端とした場合に、棚板本体10の他端側、すなわち第4外縁174側に配置される。第1調整部151では、複数の薄肉部155が、棚板本体10の長手方向に間を空けて配置され、棚板本体10の短手方向(すなわち棚板本体10の一端と他端とを結ぶ方向に直交する方向)に延びて形成されている。棚板1の設置の際に、これら複数の薄肉部155のうち、任意の一本の薄肉部155に沿って切除することができる。これにより、一端と他端を結ぶ方向、本実施形態では棚板本体10の長手方向の外形寸法が調整される。
【0033】
第2調整部152は、棚板本体10の第1外縁171及び第2外縁172側に配置され、棚板本体10の長手方向に延びる薄肉部155を有する。第2調整部152は、棚板本体10の短手方向の一方及び他方側にそれぞれ一本ずつ形成された薄肉部155と、この薄肉部155から第1外縁171及び第2外縁172までの平面部156により構成されている。第2調整部152は、収納部54の奥側に、例えば給水部66の給水ホースが位置しているために、棚板本体10と干渉してしまう場合等に、薄肉部155を切除することで、棚板本体10の短手方向の外形寸法が調整される。これにより、干渉する部材を避けて棚板1を設置可能となる。棚板1はトイレ用キャビネット5の左側及び右側の両方に、同じ部材を取り付けることができるため、第2調整部152は棚板本体10の短手方向の両端側に配置されている。棚板1の向きを変えて側板51に取り付けたときに、収納部54の奥側に位置する方の薄肉部155が切除される。
【0034】
定型部14は、調整部15に隣接し、薄肉部155が形成されていない部分である。定型部14は、平坦な上面11と、上面11の裏面の補強リブ部12により形成される。定型部14は、棚板本体10の第3外縁173側、すなわち第1調整部151が形成されない側に位置する。定型部14には、後述する係止部2が形成される。定型部14は、係止部2と一体的に連続して形成されており、調整部15が切除されても、一対の側板51に接続されている。このため、棚板1が定型部14より小さい面積になることはない。
【0035】
係止部2は、棚板本体10の長手方向の一端側、すなわち第3外縁173に配置され、棚板本体10から外側に向かって突出する突起である。係止部2は、棚板本体10から上向きに湾曲する爪状に形成される。係止部2は、側板51における棚板用取付孔512に挿入されて、側板51に係止する。
【0036】
物品係止部3は、棚板本体10の周縁17に配置され、物品を係止可能な部分である。物品係止部3は、棚板本体10の周縁を切り欠いた切り欠き部30を有する。
【0037】
切り欠き部30は、係止部2が形成される棚板本体10の一端側に配置される。切り欠き部30は、棚板本体10の周縁17を切り欠いて形成され、長尺の物品として、例えば箒やワイパー等の略円柱形の柄9が係止可能な部分である。具体的には、切り欠き部30は、第1外縁171及び第2外縁172の周縁の一部が切り欠かれた湾曲した孔である。切り欠き部30は、湾曲部31と、長孔開口部32と、物品保持部33と、を有する。
【0038】
湾曲部31は、
図2に示すように、切り欠き部30の輪郭を形成し、棚板本体10の周縁17から内側へ窪む面が平面視で湾曲した曲面により形成された部分である。湾曲部31は、上面11から下方に、棚板本体10の厚さ方向に延びる側面を構成する。湾曲部31には、箒やワイパー等の柄9が摺動可能に当接する。
【0039】
長孔開口部32は、湾曲部31に囲まれるように形成される孔であり、棚板本体10の上面11から裏面へ貫通する。長孔開口部32は、棚板本体10の長手方向に沿う縦長の形状を有する。長孔開口部32は、係止孔部321と、出入口部322と、を有する。
【0040】
係止孔部321は、長孔開口部32の長手方向の端部側に形成される。係止孔部321は、長孔開口部32における棚板本体10の他端側(第4外縁174側)が略半円状に切り欠いて形成され、半円の開口が棚板本体10の長手方向の一端側(第3外縁173側)に面している。係止孔部321に、長尺の柄9が係止される。
【0041】
出入口部322は、長孔開口部32における棚板本体10の一端側(第3外縁173側)に位置し、係止孔部321の半円の開口から棚板本体10の周縁に形成された開口へ連続するように配置される。出入口部322は、係止孔部321と連続して形成される。出入口部322は、係止孔部321の開口から棚板本体10の周縁17に向かって、係止孔部321の開口と略90度の関係となるように湾曲する。すなわち、出入口部322は、前方に向かって開放している。出入口部322は、柄9を係止孔部321へ向かって受け入れる開口である。
【0042】
物品保持部33は、係止孔部321に面する棚板本体10の周縁17の一部により形成される。物品保持部33は、出入口部322に対して、棚板本体10の長手方向に沿って隣接して配置されている。また、物品保持部33は、係止孔部321に対して、棚板本体10の短手方向の外側に隣接して配置され、係止孔部321の周縁17側を塞ぐように幅方向D2に延びている。物品保持部33は、このような係止孔部321及び出入口部322との位置関係により、出入口部322から挿入された長尺の柄9が係止孔部321に係止された後、容易に係止孔部321から抜けないように柄9を保持する。
【0043】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。トイレ用キャビネットの棚板1を、トイレ用キャビネット5の内部を仕切る板状の棚板本体10と、棚板本体10の周縁17に配置され、物品を係止可能な物品係止部3と、を含んで構成した。棚板本体10に物品を係止可能な物品係止部3が形成されているので、トイレ用キャビネット5の内部に物品を収納しやすい。物品係止部3に物品を係止させることで、物品を載置する棚板本体10の面積を減少させずに、ワイパー等の物品を収納することができる。
【0044】
本実施形態によれば、物品係止部3を、棚板本体10の周縁17を切り欠いた切り欠き部30を含んで構成した。物品係止部3が、例えばワイパー等の長尺の物品の柄9を係止可能な切り欠き部30を有しているので、トイレ用キャビネット5の内部に長尺の物品を収納しやすい。また、棚板本体10の面積を、長尺の物品を収納するために減少させなくてもワイパー等の長尺の物品を収納することができる。
【0045】
本実施形態によれば、棚板本体10を、薄肉部155を有し外形寸法を調整可能な調整部15と、調整部15に隣接する定型部14と、を含んで構成した。これにより、薄肉部155を切除してトイレ用キャビネット5の内部の棚板1を取り付ける間口寸法に合わせて、棚板本体10の外形寸法を容易に調整することができる。
【0046】
本実施形態によれば、棚板本体10の一端に配置され、トイレ用キャビネット5の側板51に係止する係止部2をさらに含んで構成した。係止部2が形成される棚板本体10の一端側に、切り欠き部30を配置させた。調整部15を、棚板本体10の他端側に、棚板本体10における一端及び他端と直交する方向に延びる薄肉部155を含んで構成した。切り欠き部30を、係止部2が形成された側に配置させたので、他端側に位置する薄肉部155を切除することで棚板本体10の外形寸法を調整しても、切り欠き部30が切除されてしまうことがない。よって、外形寸法を調整しても、ワイパー等の長尺の物品を切り欠き部30に係止させることができる。また、薄肉部155が一端と他端を結ぶ方向に直交する方向に延びており、薄肉部155を切除すると、棚板本体10の長手方向(一端と他端とを結ぶ方向)の長さが調節される。
【0047】
本実施形態によれば、切り欠き部30を、平面視で湾曲した湾曲部31を含んで構成した。これにより、ワイパー等の柄を湾曲部31に摺動させて係止することができるので、係止がスムーズに行われ、利便性が向上する。
【0048】
本実施形態によれば、切り欠き部30を、湾曲部31に囲まれるように形成される長孔開口部32を含んで構成した。切り欠き部30が長孔開口部32を有しているため、切り欠き部30内にワイパー等の柄9を係止させたときに、柄9が長孔開口部32の一方側に寄せて係止させることができるので、柄9等が外れにくくなり、切り欠き部30を利用しやすくなる。
【0049】
本実施形態によれば、長孔開口部32を、周縁17に形成された出入口部322と、出入口部322から連続し、長孔開口部32の長手方向の端部側に形成される係止孔部321と、を含んで構成した。切り欠き部30を、係止孔部321における棚板本体10の周縁17側を塞ぐように延びる物品保持部33を含んで形成した。長孔開口部32の長手方向の端部側に形成された係止孔部321にワイパー等の柄9を係止させたときに、物品保持部33が係止孔部321を塞ぐように延びているので、柄9等が外れにくくなり、切り欠き部30を利用しやすくなる。
【0050】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。例えば、物品係止部3は、切り欠き部30を有さず、突起等で物品を係止可能に構成してもよい。棚板本体の形状は平面視長方形に限らず、他端側が湾曲していてもよい。調整部15の位置は上記実施形態に限定されない。また、係止する物品として、箒やワイパーを例示するとともに、柄が略円柱状であることを説明したが、物品の種類は限定されないし、柄も略円柱状でなくてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 棚板、 2 係止部、3 物品係止部、 5 トイレ用キャビネット、 10 棚板本体、 14 定型部、 15 調整部、 30 切り欠き部、 31 湾曲部、32 長孔開口部、 33 物品保持部、 321 係止孔部、 322 出入口部