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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005887
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 603A
A63F5/04 683
A63F5/04 661
A63F5/04 602A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106305
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CB06
2C182CD11
2C182CD35
2C182EB01
2C518CA03
2C518EA01
2C518EA02
2C518EA05
2C518EA07
2C518EA13
2C518EB16
2C518EC02
2C518EC03
2C518EC22
2C518EC26
2C518EC27
2C518FA02
2C518FA08
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】第1演出表示手段に表示されている第1画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第1表示更新制御を実行可能な第1表示更新制御手段と、第2演出表示手段に表示されている第2画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第2表示更新制御を実行可能な第2表示更新制御手段と、を備え、第1表示更新制御手段は、ゲームの進行に関わる所定条件の成立に基づき、第1表示更新制御を実行可能とするとともに、疑似ゲームの実行に基づき、第1表示更新制御を実行可能とし、第2表示更新制御手段は、所定条件の成立に基づき、第2表示更新制御を実行不能とするとともに、疑似ゲームの実行に基づき、第2表示更新制御を実行可能な構成としている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が表された表示手段を備え、遊技者の操作に基づき前記表示手段の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して特典を付与可能とする遊技機において、
複数の情報を表示可能な第1演出表示手段と、
複数の情報を表示可能な第2演出表示手段と、
前記第1演出表示手段に対して、第1画像を表示させるための制御が可能な第1表示制御手段と、
前記第2演出表示手段に対して、前記ゲームの進行状態に関わる進行情報を含む第2画像を表示させるための制御が可能な第2表示制御手段と、
前記ゲームの途中において前記表示手段に所定の図柄を導出表示させる疑似ゲームの制御を実行可能な疑似ゲーム制御手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、
前記第1画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第1表示更新制御を実行可能な第1表示更新制御手段を備え、
前記第2表示制御手段は、
前記第2画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第2表示更新制御を実行可能な第2表示更新制御手段を備え、
前記第1表示更新制御手段は、
前記ゲームの進行に関わる所定条件の成立に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とし、
前記第2表示更新制御手段は、
前記所定条件の成立に基づき、前記第2表示更新制御を実行不能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第2表示更新制御を実行可能とした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1演出表示手段は、
当該遊技機の情報を表示可能な遊技設備装置の下方に配設される
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1表示更新制御手段は、
遊技者にとって有利な特定遊技状態の発生に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とし、
前記第2表示更新制御手段は、
前記特定遊技状態の発生に基づき、前記第2表示更新制御を実行可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1表示制御手段は、
前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後に、特定の画像を前記第1演出表示手段に表示させる制御を実行可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記疑似ゲームの実行に関連して、前記操作手段の操作を伴う操作演出を実行させることが可能な操作演出制御手段と、
を備え、
前記操作手段は、
通常状態と、操作部を前記通常状態よりも操作方向とは反対側に変位させた突出状態とに変換可能とし、
前記操作演出制御手段は、
前記操作演出の実行に関連して、前記操作手段を前記突出状態に変換可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記操作演出制御手段は、
前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後に、前記操作演出を実行可能とし、
前記疑似ゲーム制御手段は、
前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後から、前記ゲームの進行が可能となるまでの間に、前記操作演出の実行に関わる特定期間を設定可能とした
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記操作演出制御手段は、
前記疑似ゲーム制御手段により前記特定期間が設定されていないことに基づき、前記操作手段を前記突出状態に変換しない操作演出を実行可能とした
ことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を備え、変動表示装置での変動表示を伴う変動表示ゲームを実行するとともに、遊技者の停止操作により変動表示を停止させることで変動表示ゲームの結果を導出させ、導出された変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにした遊技機が知られている。
また、近年の遊技機では、1回の変動表示ゲームにおいて、変動表示を複数回停止可能にすることで、遊技者に対して停止操作の機会を複数回与えるようにした遊技機も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-083374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の図柄が表された表示手段を備え、遊技者の操作に基づき前記表示手段の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して特典を付与可能とする遊技機において、複数の情報を表示可能な第1演出表示手段と、複数の情報を表示可能な第2演出表示手段と、前記第1演出表示手段に対して、第1画像を表示させるための制御が可能な第1表示制御手段と、前記第2演出表示手段に対して、前記ゲームの進行状態に関わる進行情報を含む第2画像を表示させるための制御が可能な第2表示制御手段と、前記ゲームの途中において前記表示手段に所定の図柄を導出表示させる疑似ゲームの制御を実行可能な疑似ゲーム制御手段と、を備え、前記第1表示制御手段は、前記第1画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第1表示更新制御を実行可能な第1表示更新制御手段を備え、前記第2表示制御手段は、前記第2画像を消去するとともに新たな画像を表示させる第2表示更新制御を実行可能な第2表示更新制御手段を備え、前記第1表示更新制御手段は、前記ゲームの進行に関わる所定条件の成立に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とし、前記第2表示更新制御手段は、前記所定条件の成立に基づき、前記第2表示更新制御を実行不能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第2表示更新制御を実行可能な構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機における外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機における内部構成を示す概略斜視図である。
図3】遊技機における制御構成を示すブロック図である。
図4】遊技機における遊技方法を示すフローチャートである。
図5】遊技状態の遷移を説明するための図である。
図6】通常遊技状態において個別演出が行われた場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を示す図である。
図7】通常遊技状態からAT状態に移行した場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を示す図である。
図8】通常遊技状態において疑似遊技が実行された場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を示す図である。
図9】疑似遊技中におけるメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を示す図である。
図10】疑似遊技の変形例であり、疑似遊技中におけるメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容、役物装置の動作状態を示す図である。
図11】疑似遊技中にボタン演出が実行された場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を示す図である。
図12】疑似遊技中にボタン演出が実行された場合のリールの作動状態、演出ボタンの作動状態および演出内容の関係を説明するためのタイミングチャートである。
図13】スタートレバー保持期間を説明するための図表である。
図14】副制御装置における演出態様変更処理を示すフローチャートである。
図15】遊技メダル数が「2」以下の状態でMAXベットボタンが操作された場合のメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図16】呼び込み表示中において遊技メダル数が「2」以下の状態でMAXベットボタンが操作された場合のメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図17】副制御装置における貸出回数監視処理を示すフローチャートである。
図18】疑似ボーナス状態中のゲーム内容を説明するためのタイミングチャートである。
図19】押し順選択ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図20】押し順選択ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図21】押し順判定ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図22】主制御装置において強制当りの抽選時に用いられる強制当り抽選テーブルを示す図表である。
図23】押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームの履歴情報が表示された場合のメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図24】押し順選択ゲームに関連する変形例1であり、変形例1での押し順選択ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図25】押し順選択ゲームに関連する変形例2であり、変形例2での疑似ボーナス状態中のゲーム内容を説明するためのタイミングチャートである。
図26】押し順選択ゲームに関連する変形例3であり、変形例3での疑似ボーナス状態中のゲーム内容を説明するためのタイミングチャートである。
図27】押し順選択ゲームに関連する変形例4であり、変形例4でのゲーム数選択ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図28】AT状態中における遊技状態の遷移を説明するための図である。
図29】主制御装置において第1ナビ態様の抽選時に用いられる第1ナビ態様抽選テーブルを示す図表である。
図30】主制御装置において第2ナビ態様の抽選時に用いられる第2ナビ態様抽選テーブルを示す図表である。
図31】押し順当てゲームの事前報知が実行された場合のメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図32】押し順選択ゲーム中におけるメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
図33】主制御装置において特化ゾーンの継続ゲーム数の抽選時に用いられる特化ゾーンゲーム数抽選テーブルを示す図表である。
図34】通常AT状態中における押し順ナビ画像の変化を説明するための図である。
図35】ナビ態様の示唆の変形例1であり、変形例1での通常AT状態中における押し順ナビ画像の変化を説明するための図である。
図36】ナビ態様の示唆の変形例2であり、変形例2での通常遊技状態中おける第1ナビカウンタの示唆が行われた場合、および通常AT状態中における第2ナビカウンタの示唆が行われた場合のメイン演出表示器の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せず、メダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機という)である。
以下、メダルレス遊技機として、AT状態(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なノーマルタイプ(所謂Aタイプ)のスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称し、過去の遊技で獲得した「遊技メダル」を遊技店側(管理装置、専用ユニット)に預けたデータとしてのメダルを「持メダル」と称する。
【0008】
本発明に係る遊技機の実施形態について、図1図36参照して説明する。
【0009】
図1は、メダルレス遊技機(遊技機)の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機(遊技機)の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、表示手段としてのリール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、第1演出ボタン2g、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。なお、遊技メダル数表示装置7は、段部の上面側や前面側に設けるようにしてもよい。
表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。また、表示窓6の左側部には、液晶表示器で構成される、報知手段や演出手段として動作するサブ演出表示器18を備えている。
前扉1aの上部には、報知手段や演出手段として動作するメイン演出表示器8を備えている。メイン演出表示器8は、所定の表示面積を有する液晶表示器から構成される表示部を有し、各種演出画像や遊技メダル数を表示可能としている。
【0010】
メイン演出表示器8の側方には、第2演出ボタン2hや、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時やメイン演出表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
【0011】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御装置10を備え、また、主制御装置10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御装置20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御装置10及び副制御装置20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0012】
図3に示すように、主制御装置10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15、遊技設備装置100などの各部が接続されている。
なお、図3の破線部(専用ユニット19、遊技設備装置100)は外部の機器であることを示している。
主制御装置10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御装置20に出力する。
また、主制御装置10は、遊技者が所有する遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行させる制御を行う。
【0013】
副制御装置20には、ナビランプ12、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、メイン演出表示器8、サブ演出表示器18、スピーカ9、ランプ11、第1演出ボタン2g、第2演出ボタン2hなどの各部が接続されている。
副制御装置20は、演出制御手段として動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、第1表示制御手段、第2表示制御手段、疑似ゲーム制御手段、第1表示更新制御手段、第2表示更新制御手段、操作演出制御手段、抽選手段、特定特典付与制御手段、特定役抽選手段、停止態様設定手段、判定手段、特定特典付与条件成立手段、予想停止態様変更手段、予想ゲーム数設定手段、特別特典付与制御手段、報知制御手段、第1報知態様決定制御手段、第2報知態様決定制御手段、報知実行制御手段、第1報知態様事前報知制御手段、第2報知態様事前報知制御手段、報知態様示唆制御手段が構成される。
【0014】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、遊技価値表示手段であり、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(RAMなど)と、例えば、7セグLEDで構成された遊技メダル数表示器7a(図15参照)とを備え、主制御装置10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、遊技メダル数表示器7aに表示する。
また、主制御装置10は、遊技メダルが投入されたり、計数されたりすると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数分あるいは計数分を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による付与により遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0015】
主制御装置10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)するとともに、副制御装置20にその時点の「遊技メダル数」を特定可能な制御情報を送信する。
また、主制御装置10は、遊技メダルが投入されたり、計数されたりすると、その投入あるいは計数により減算された「遊技メダル数」を特定可能な制御情報を副制御装置20に送信する。
【0016】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(一時的にRAMに記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(一時的にRAMに記憶)する。
主制御装置10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0017】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0018】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示器7aに表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御装置10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御装置10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
【0019】
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御装置10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御装置10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御装置10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示器7aにおいて「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御装置10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば専用ユニット19に設けられた返却ボタン(図示略)が操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
【0020】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0021】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御装置10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0022】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却(移行)する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御装置10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御装置10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御装置10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(賭け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示器7a(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0023】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0024】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、賭け数表示手段であり、遊技における賭け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御装置20は、主制御装置10からの遊技の開始(スタートレバー3の操作)を特定する情報の受信に基づき、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
【0025】
また、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、ベット数に対応する遊技メダルが投入された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、精算ボタン2dが操作されてベット数が遊技メダル数に移行された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入、あるいは遊技メダルの精算(返却)に応じて消灯する。
なお、ベット数ランプ2fとは別個に、ベット数を表示するための表示手段を設けて、当該表示手段を主制御装置10で直接制御するようにしてもよい。
【0026】
また、副制御装置20は、主制御装置10から送信される「遊技メダル数」を特定可能な制御情報の受信に基づき、メイン演出表示器8の表示部8aにその時点の「遊技メダル数」を表示する。したがって、「遊技メダル数」は、遊技メダル数表示器7aの他に、メイン演出表示器8においても表示されることとなり、遊技メダルの貸し出しや付与、あるいは投入や計数により「遊技メダル数」が加減算された場合には、遊技メダル数表示器7aとメイン演出表示器8の両方の数値情報が更新されることとなる。
なお、「遊技メダル数」の記憶は、副制御装置20の記憶手段により行うようにしてもよい。
【0027】
確率設定装置16はAT状態の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御装置10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてAT状態の当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0028】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御装置10が、入力した貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0029】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
【0030】
専用ユニット19には、例えば、7セグLEDで構成された持メダル数表示器(図示省略)が設けられていて、記憶管理されている持メダル数を持メダル数表示器に表示するようになっている。
また、専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、専用ユニット19に設けられた返却ボタンの操作(返却操作)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0031】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータと呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出したりすることができるようになっている。
【0032】
また、専用ユニット19は、遊技設備装置100と中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、メダルレス遊技機1から受信したゲームの実行情報や特定遊技状態(AT状態等)の発生情報などの遊技情報を呼出装置に出力できるようになっている。
【0033】
遊技設備装置100は、メダルレス遊技機1が設置される島設備(図示略)における当該メダルレス遊技機1の上方に設置される装置である。
主制御装置10では、遊技設備装置100に対して、ゲーム数、疑似ボーナス状態やAT状態の発生回数、ゲームに費やしたメダル数、付与(払出)されたメダル数等を特定可能な各種遊技データの送信を、専用ユニット19を介して行うこととなる。
また、遊技設備装置100には、遊技店の係員を呼び出す際に遊技者が操作する呼出ボタン(図示略)や呼び出したことを報知する呼出しランプ(図示略)等が備えられるとともに、液晶表示器等から構成される情報表示装置(図示略)が備えられる。
そして、遊技設備装置100では、対応するメダルレス遊技機1から送信された各種遊技データに基づき、例えば、電源投入や前回の疑似ボーナス状態から現在までに実行された通常遊技状態中のゲーム数、当日の疑似ボーナス状態やAT状態の発生回数等の情報や、当該遊技設備装置100の制御部において遊技データに基づき算出された疑似ボーナス状態やAT状態の発生確率、差枚数等を情報表示装置に表示する。
すなわち、主制御装置10は、メダルレス遊技機1の周囲に付設された遊技設備装置100に対して、ゲームの進行に関わる情報を送信可能な外部情報送信手段を備えるのである。
なお、メダルレス遊技機1からの各種遊技データは、管理装置(図示略)にも送信されるが、当該各種遊技データは専用ユニット19を介して管理装置に送信されることとなる。
【0034】
メダルレス遊技機1における遊技(メダルレス遊技ともいう)について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まずは、ステップS100で、遊技開始処理を実行する。
遊技開始処理では、まず、メダルレス遊技機1は、専用ユニット19から出力された貸出データを入力する。
具体的には、遊技者が、専用ユニット19において遊技メダルの貸出操作を行うと、専用ユニット19から貸出数を特定可能な貸出データが出力されるので、メダルレス遊技機1は、この貸出データを入力する。
メダルレス遊技機1は、貸出データを入力すると、主制御装置10が、当該貸出データに基づいて貸出数を特定し、当該貸出数に対応する遊技メダル数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示させるとともに、貸出数に対応する遊技メダル数を特定可能な制御情報を副制御装置20に送信して、メイン演出表示器8において遊技メダル数を表示させる。
「貸出数」が「100」の場合、遊技メダル数表示装置7(遊技メダル数表示器7a)およびメイン演出表示器8において表示されている初期の遊技メダル数は「0」であるから、「0」から「100」(=0+100)に更新される。
遊技開始処理では、次に、遊技者による操作に応じ、遊技メダルの投入を行う。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7(遊技メダル数表示器7a)およびメイン演出表示器8において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、主制御装置10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新し、副制御装置20は、ベット数ランプ2fが有する「3BET」のランプを点灯させるとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新する。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
なお、メダルレス遊技機1をベット数「3」でのみゲームを実行可能としてもよい。
【0035】
次に、ステップS101で、抽選処理を実行する。
遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御装置10は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
すなわち、主制御装置10は、役の抽選を実行可能な抽選手段として機能するのである。
当選役には、小役(ベル役、スイカ役、弱チェリー役、強チェリー役)、リプレイ役およびチャンス役があり、各々入賞時の図柄組合せが設定されるとともに付与されるメダル数が設定されている。また、スイカ役、チェリー役(強弱)、チャンス役は、他の当選役よりも当選確率が低く設定された所謂レア役となり、レア役のうち相対的に当選確率が高いスイカ役および弱チェリー役は弱レア役となり、相対的に当選確率が低い強チェリー役およびチャンス役は強レア役となる。
また、ベル役には、停止ボタン5を特定の順序で操作した場合に限り入賞する6種類の押し順ベル役と、どの操作順序でも入賞する共通ベル役とがある。
副制御装置20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0036】
次に、ステップS102で、リール回転処理を実行する。
具体的には、主制御装置10が、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0037】
次に、ステップS103で、リール停止処理を実行する。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御装置10は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0038】
次に、ステップS104で、入賞処理を実行する。
主制御装置10は、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0039】
次に、ステップS105で、払出処理(付与処理)を実行する。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、特典の付与として、対応する数の遊技メダルを付与する(払い出す)処理を実行する。
主制御装置10は、例えば、10枚役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に付与数「10」を加算する。
【0040】
次に、ステップS106で、遊技終了処理を実行する。
遊技終了処理では、遊技メダルの計数処理を実行する。
具体的には、遊技者により計数ボタン2cが操作されると、主制御装置10は、遊技メダル数表示装置7に記憶・表示されている遊技メダル数を計数するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を更新表示する。
より具体的には、計数ボタン2cが短押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数から「1」を減算表示する。
計数ボタン2cが長押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を更新表示する。
計数ボタン2cの長押しが継続された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数から「50」を減算表示する。
これにより計数量を特定可能な計数データが専用ユニット19に出力される。
専用ユニット19は、入力した計数データに基づき計数量の総数を持メダル数として記憶する。
専用ユニット19では、返却操作に応じ、カードユニットにおいて持メダル数がICカードに記憶され、次いで、当該ICカードがカードユニットから排出される。
なお、ICカードは、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」の場合にのみ排出可能である。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作して計数処理を実行させる必要がある。
遊技者は、排出されたICカードに基づいて再遊技や景品交換を行うことができる。
再遊技は、S100において現金を投入する代わりに、ICカードをカードユニットに挿入する。
これにより、専用ユニット19における貸出操作等に応じ遊技開始処理(S100)が実行可能になり、次いで、抽選処理(S101)~払出処理(S105)が実行可能になる。
本発明に係るメダルレス遊技機1は、上述の構成に加え、以下の特徴的な構成を備えている。各項目の構成をそれぞれ単独で搭載してもよく、組み合わせて搭載してもよい。
【0041】
<遊技状態の遷移>
次に、図5を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における遊技状態の遷移について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1の遊技は、通常遊技状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態において実行される。主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0042】
通常遊技状態は、遊技者にとって不利な遊技状態であり、基本的には疑似ボーナス状態を発生させるための遊技状態である。
本実施形態においては、通常遊技状態中に実行されたゲーム数を計数し、その計数結果が予め決定されている天井ゲーム数となった場合に疑似ボーナス状態の移行条件が成立して、特典の付与として、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしている(図5の矢印a)。
天井ゲーム数の決定は、例えば、後述する有利区間移行条件の成立時、疑似ボーナス状態終了後の次ゲームの開始時、AT状態終了後の次ゲームの開始時等において確率設定値に応じて行われ、次回の疑似ボーナス状態に対する天井ゲーム数が決定されることとなる。
【0043】
また、通常遊技状態中における疑似ボーナス状態の移行条件は、上記ゲーム数が天井ゲーム数となった場合以外にも成立可能となっていて、例えば、ゲーム実行時の役の抽選結果が所定のレア役(例えば、強チェリー役、チャンス役)の当選となった場合の所定確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態の移行条件を成立させるようにしている。
また、詳細は後述するが、通常遊技状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、例えば、メイン演出表示器8においてレア役に当選したこと報知するためや、疑似ボーナス状態の移行に対する期待感を高めるための当選演出が実行される。
当選演出は、基本的には1ゲームで完結するように実行されるが、所定ゲーム数(例えば、2ゲーム、3ゲーム)の間実行するようにしてもよい。
【0044】
また、レア役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定の遅延期間(例えば、32ゲーム間)を設けて、この遅延期間における所定ゲーム数間において、例えば、メイン演出表示器8で遊技者の期待感を高めることとなる前兆演出(本前兆演出)が行われ、この前兆演出の最後で疑似ボーナス状態に移行することが報知されることとなる。
また、レア役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合にも、当選時と同様であるが、最終的に疑似ボーナス状態に移行しないことが報知されるフェイク前兆演出が実行される。
なお、通常遊技状態中のゲームが天井ゲーム数に到達する直前(例えば、16ゲーム前)においても、上記と同様の前兆演出(本前兆演出)が実行される。
また、通常遊技状態中のゲームが天井ゲーム数に到達する直前でない時期においても、所定の周期で、上記と同様のフェイク前兆演出が実行される。
また、遊技状態としては、上記した以外の遊技状態を発生させるようにしてもよく、例えば、疑似ボーナス状態の移行条件が通常遊技状態よりも成立し易いCZ状態(所謂チャンスゾーン)を所定期間発生させるようにしてもよい。
【0045】
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、各々役を入賞させるための停止ボタン5の操作順序(特定の押し順)の異なる複数種類(例えば、特定の押し順を「左→中→右」、「左→右→中」、「中→左→右」、「中→右→左」、「右→左→中」、「右→中→左」とする6種類)の押し順ベル役(押し順ベル役1~6)に対して、当選した押し順ベル役に対応する押し順ナビ(押し順報知)を実行することで、当選した押し順ベル役の入賞を容易にして遊技メダルの獲得が極めて容易となる遊技状態である。なお、特定の押し順によりリール41を停止した場合には、押し順ベル役に対応する図柄組合せ(例えば、「ベル・ベル・ベル」が揃う図柄組合せ)が所定のライン上に形成され、特定の押し順以外の押し順によりリール41を停止した場合には、押し順ベル役に対応する図柄組合せとは異なる図柄組合せが所定のライン上に形成されることとなる。
すなわち、抽選手段としての主制御装置10は、所定の特典を付与するための表示手段(リール41)の停止態様が異なる複数の特定役(押し順ベル役)の抽選を実行可能な特定役抽選手段として機能し、特定役(押し順ベル役)に当選したゲームにおいて押し順ナビが実行された場合には、押し順ナビに従ってリール41を停止すれば、所定の特典の付与として、当該当選した押し順ベル役が入賞することとなるのである。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行条件を成立させるか否かが決定されるものとなっている。AT状態の移行条件の成立に関する詳細は後述する。
本実施形態においては、疑似ボーナス状態は、予め定められた期間(例えば、20ゲーム)実行されるものとなっている。
【0046】
なお、押し順ベル役の当選時に、当該当選した押し順ベル役に対応する操作順序(特定の押し順)でリール41を停止させた場合には、所定数(例えば、8枚)の遊技メダルが付与されることとなり、特定の押し順以外の操作順序でリール41を停止させた場合には、遊技メダルの付与は行われないこととなるが、特定の押し順以外の操作順序の場合でも上記所定数よりも少ない数(例えば、1枚)の遊技メダルを付与するようにしてもよい。
したがって、所定の特典の付与としての押し順ベル役の入賞は、所定数の遊技メダルが付与される場合を示すこととなるが、特定の押し順以外の押し順が実行された場合でも相対的に少数(例えば、1枚)の遊技メダルを付与する場合には、押し順ベル役の入賞は、相対的に多数(例えば、8枚)の遊技メダルが付与される場合、あるいは押し順ベル役に対応する図柄組合せ(例えば、「ベル・ベル・ベル」が所定のライン上に揃う図柄組合せ)が形成された場合を示すこととなる。
また、本実施形態においては、各押し順ベル役の当選確率を同一に設定するようにしているが、左リール41aを最初に停止させた場合に入賞となる押し順ベル役の当選確率を、他の押し順ベル役の当選確率よりも低く設定するようにしてもよい。
【0047】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すれば遊技メダルが増加する値となっている。したがって、多数の遊技メダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定の遊技メダルを獲得しつつ、次の疑似ボーナス状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
疑似ボーナス状態が終了した際に、AT状態への移行条件が成立していなかった場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる(図5の矢印b)。
【0048】
一方、疑似ボーナス状態が終了した際に、AT状態への移行条件が成立していた場合には、特典の付与として、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる(図5の矢印c)。
なお、AT状態への移行条件の成立は、疑似ボーナス状態が発生した場合の一部でAT状態に移行するように行われるものであればいずれでもよく、各ゲームで固定の確率でAT状態の移行抽選を行い、その結果により成立させるようにしてもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でAT状態の移行抽選を行ってもよい。
【0049】
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者にとって有利な操作態様の報知として、疑似ボーナス状態と同様に当選した押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、遊技メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、AT状態は、移行初期時(通常遊技状態からの移行時)に所定ゲーム数(例えば、50ゲーム)が残ゲーム数として付与され、AT状態中のゲームの実行により残ゲーム数が減算され、残ゲーム数が「0」となるまで継続するものとなっている(所謂ゲーム数管理型)。
また、AT状態中においては、例えば、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の当選に基づき、残ゲーム数に対する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、所定ゲーム数(例えば、20ゲーム)が残ゲーム数に加算されることとなる。したがって、残ゲーム数の加算によりAT状態の継続期間が延長されることとなるのである。加算された残ゲーム数は、全てを遊技者に報知してもよいし一部のみを報知してもよい。
なお、AT状態は、当該AT状態中に遊技者が実際に獲得した遊技メダル数(純増枚数)や、AT状態中に払い出された遊技メダル数が所定数(例えば、100枚)となるまで継続するように継続制御を行うようにしてもよい。
また、終了条件の異なる複数種類のAT状態を設けて、AT状態の移行権利の獲得時に、何れかのAT状態を選択的に発生可能としてもよい。
AT状態中において残ゲーム数が「0」となった場合には、AT状態の終了条件が成立して、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる(図5の矢印f)。
【0050】
また、AT状態は、図示するように通常AT状態と特化ゾーンとに区分けされることとなるが、基本的には残ゲーム数の減算処理が行われる通常AT状態に滞在し、通常AT状態中のゲームにおいて、特化ゾーン移行条件が成立した場合には、所定期間(例えば、10ゲーム間)特化ゾーン(所謂上乗せ特化ゾーン)に移行することとなる(図5の矢印c)。
特化ゾーンは、残ゲーム数の減算処理が停止するとともに当該期間中に実行されるゲームにおいて、残ゲーム数に対する上乗せ抽選が通常AT状態よりも遊技者にとって有利に行われる状態である。例えば、通常AT状態中において強チェリー役に当選した場合には、20%の確率で20ゲームが残ゲーム数に加算されるが、特化ゾーン中において強チェリー役に当選した場合には、100%の確率で30ゲームが残ゲーム数に加算されることとなる。
本実施形態においては、詳細は後述するが、通常AT状態中における押し順ベル役に当選した所定のゲームを押し順当てゲームに設定し、その押し順当てゲームにおいて遊技者が押し順ベル役を入賞させたことに基づき、特化ゾーン移行条件を成立させるようにしている。
なお、特化ゾーン移行条件としては、上記以外にも、通常AT状態中のゲームにおいてレア役のうち当選確率の低いものが当選した場合の所定確率で成立させるようにしてもよい。
特化ゾーン中において、予め定められたゲーム数(例えば、10ゲーム)が実行された場合には、遊技状態が通常AT状態に移行することとなる(図5の矢印d)。
【0051】
また、本実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間(非有利区間)および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間、すなわち、疑似ボーナス状態やAT状態に制御不能な遊技区間であり、有利区間終了条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
【0052】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、リプレイ役および押し順ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
通常区間では、押し順ナビが実行されないものとなっている。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
なお、有利区間への移行時期は、上記した時期以外でもよく、例えば、有利区間移行条件が成立したゲームの終了時点(最後に操作した停止ボタン5の押圧操作を終了した瞬間等)でもよい。この場合、次ゲームが開始される前から有利区間に移行することとなる。
【0053】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間、すなわち、疑似ボーナス状態やAT状態に制御可能な遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
【0054】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、メダルレス遊技機1(主制御装置10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
なお、基本的にはAT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよいし、AT状態の終了時の差枚数に応じて有利区間を終了するか否かを決定するようにしてもよい。
また、点灯により有利区間中であることを報知可能な有利区間ランプを設けて、主制御装置10により点灯制御を行うようにしてもよい。
また、有利区間ランプを設けた場合に、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(疑似ボーナス状態やAT状態等)中に点灯するようにしてもよい。
【0055】
さらに、メダルレス遊技機1には、遊技者が獲得する遊技メダル数を制限するためのリミッタ機能(以降単にリミッタという)が設けられていて、リミッタが作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(払い出された遊技メダル数―投入された遊技メダル数)が上限枚数(例えば、+2400枚)に達した場合にリミッタが作動するものとなっている。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件(リセットやリミッタの作動等)が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
なお、リミッタの作動条件として、上記差枚数が上限枚数に達した場合の他に、1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、4000ゲーム)に達した場合を設定するようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態のメダルレス遊技機1には、遊技者が獲得する遊技メダル数を制限するための機能として上記リミッタ機能の他に、メダルレス遊技機1の電源が投入されてから遮断されるまでに遊技者側が実際に獲得する遊技メダル数(純増枚数:所謂MY)を制限する所謂コンプリート機能(単にコンプリートともいう)も設けていて、メダルレス遊技機1の電源が投入されてから遮断されるまでの純増枚数が所定数(コンプリート値である+19000枚)に達した場合に、ゲーム実行不能状態として、その後のゲームが不能となる遊技停止状態にするようにしている。
したがって、遊技店の営業中において、遊技者側が獲得するメダル数が制限されることとなるのである。
また、遊技店の営業中に、1回の有利区間中における差枚数が極めて小さい値となっていて、リミッタ機能が作動するまでに極めて多数の遊技メダルを遊技者が獲得可能な状態となっていても、リミッタ機能が作動するまでにコンプリート機能が先に作動することとなり、差枚数が極めて小さい値となっていた場合でも、遊技店側の不利益が極めて大きくなってしまうことを防止可能となるのである。
【0057】
<疑似遊技>
次に、図6図13を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における疑似遊技について説明する。
【0058】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、所定のゲームにおいて疑似遊技(疑似ゲーム)を実行するようにしている。
疑似遊技は、主制御装置10の制御により、1回のゲームにおいて複数回のゲーム結果が導出されるようなゲームの実行態様の一つである。
【0059】
具体的には、主制御装置10は、通常のゲームでは、スタートレバー3の操作によりリール41が回転して、停止ボタン5の操作により回転しているリール41を停止させることで1回のゲーム結果を導出するようにしているが、疑似遊技が実行されるゲームでは、通常のゲームと同様に最終的なゲーム結果(停止図柄組合せ)が導出される前においてリール41を所定回数(1~3回)疑似停止させることで、ゲーム途中においても疑似的にゲーム結果(疑似停止図柄組合せ)を所定回数導出するものである。
つまり、疑似遊技が実行される場合には、一時的にゲームの進行が中断されて、中断されている間において所定回数リール41が疑似停止されることで、1回のゲームを実行する分のメダルの消費(ベット入力)で最終的なゲーム結果を含めて複数回のゲーム結果が導出表示されることとなるのである。
【0060】
また、上記疑似遊技には、遊技者の操作を要する操作疑似遊技と、遊技者の操作を要しない非操作疑似遊技とがある。
操作疑似遊技は、最初のスタートレバー3の操作によりリール41を回転させ、ゲーム途中における停止ボタン5の操作により回転しているリール41を所定回数疑似停止(仮停止)させて疑似ゲーム結果を導出することで実行される。疑似ゲーム結果が導出された後(疑似遊技が終了した後)は、再度のスタートレバー3の操作によりリール41を再回転させ、通常のゲームと同様の本遊技が実行される。
【0061】
遊技者による停止ボタン5の操作により回転しているリール41を疑似停止する場合には、通常のゲームでの引込停止制御は行われず、いずれの停止タイミングであっても引き込み範囲を無視して必ず予め決定されている図柄が疑似停止することとなる。
なお、リール41を疑似停止する場合においても引込停止制御を行うようにして、所定のタイミングで停止操作が行われた場合に限り、予め決定されている図柄が停止するようにしてもよい。
また、疑似遊技中に停止するリール41は、全てのリール41でもよいし、一部のリール41でもよい。
【0062】
非操作疑似遊技は、ゲームの実行中にリール41を疑似停止させる際の停止ボタン5の操作を必要とせず、自動的にリール41を所定回数疑似停止するものである。
本実施形態においては、上記操作疑似遊技を採用している。したがって、以降「疑似遊技」と称した場合には「操作疑似遊技」を示している。
すなわち、主制御装置10は、ゲームの途中において表示手段(リール41)に所定の図柄を導出表示させる疑似ゲーム(疑似遊技)の制御を実行可能な疑似ゲーム制御手段を備えているのである。
【0063】
本実施形態においては、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したゲームの後に実行されるゲームにおいて疑似遊技を行うようにしていて、所定のレア役に当選したゲームの以降に、最初にリプレイ役に当選したゲームにおいて疑似遊技を行うようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態の移行抽選の契機役に当選した場合に疑似遊技が実行されることとなるのである。
なお、遊技者の期待感が高まるゲームであれば、いずれのゲームにおいて疑似遊技を行うようにしてもよく、例えば、所定のレア役に当選したゲームの前半部で疑似遊技を行うようにしてもよいし、通常遊技状態以外の遊技状態中のゲームにおいて疑似遊技を行うようにしてもよい。また、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役に当選した一部で疑似遊技を実行するようにしてもよい。
また、疑似遊技中に疑似停止する回数を変更可能とし、疑似停止する回数が多いほど疑似ボーナス状態に移行する確率が高くなるように疑似停止する回数を決定するようにしてもよい。
すなわち、疑似ボーナス状態の移行抽選が非当選であった場合には、疑似停止する回数が相対的に少ない疑似遊技を実行する確率を高め、疑似ボーナス状態の移行抽選が当選であった場合には、疑似停止する回数が相対的に多い疑似遊技を実行する確率を高めるようにしてもよい。
【0064】
[疑似遊技中の演出]
次に、図6図10を参照して疑似遊技中の演出について説明する。
通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、その後所定のゲームにおいて疑似遊技が実行されることとなるが、この疑似遊技の実行時には、メイン演出表示器8とサブ演出表示器18において疑似遊技に対応した演出が実行されることとなる。
【0065】
また、メイン演出表示器8とサブ演出表示器18では、上記疑似遊技時以外でも種々の演出が実行されることとなるが、まずは、図6図7を参照して、疑似遊技時以外における演出について説明する。
図6は、通常遊技状態中のゲームにおいて、例えば、所定のレア役に当選して当選演出が実行された場合のメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18における演出画像を示している。
図6(a)に示すように、通常遊技状態中においては、第1演出表示手段としてのメイン演出表示器8の画面主要部に、通常遊技状態中であることを報知する第1画像としての通常遊技状態画像30が表示される。
すなわち、副制御装置20は、第1演出表示手段(メイン演出表示器8)に対して、第1画像(通常遊技状態画像30)を表示させるための制御が可能な第1表示制御手段を備えるのである。
なお、通常遊技状態画像30は、例えば、所定のキャラクタや背景等からなる動画で構成されるが、静止画でもよい。
【0066】
また、通常遊技状態中においては、第2演出表示手段としてのサブ演出表示器18の画面主要部に、第2画像としてのサブ通常画像31が表示される。
サブ通常画像31は、所定のキャラクタからなるキャラクタ画像31aと、ゲームの進行により通常遊技状態中に実行されたゲーム数、すなわち、疑似ボーナス状態への移行に関わる天井ゲーム数に到達するまでの経過ゲーム数を示すゲーム数画像31bが含まれる。
すなわち、副制御装置20は、第2演出表示手段(サブ演出表示器18)に対して、ゲームの進行状態に関わる進行情報(ゲーム数画像31b)を含む第2画像(サブ通常画像31)を表示させるための制御が可能な第2表示制御手段を備えるのである。
なお、キャラクタ画像31aは動画でもよいし静止画でもよい。また、ゲーム数画像31bはゲームの進行に応じて加算更新される。
【0067】
そして、通常遊技状態中のゲームにおいて、例えば、所定のレア役に当選して当選演出が実行された場合には、副制御装置20による表示更新制御(第1表示更新制御)が実行されて、図6(b)に示すように、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりにメイン演出表示器8の画面主要部に、新たな画像として当選演出が実行されたことを報知する当選演出画像32が表示される。
なお、当選演出が実行された場合には、スピーカ9から当選演出に対応する効果音を出力するとともに、ランプ11において当選演出に対応する態様の発光を行うようにすることが好ましい。
【0068】
一方、通常遊技状態中のゲームにおいて、例えば、所定のレア役に当選して当選演出が実行された場合には、副制御装置20による表示更新制御(第2表示更新制御)は実行されずに、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31はそのまま表示が継続されることとなる。ただし、ゲーム数画像31bはゲームの進行に応じて加算更新(「+1」)されることとなる。
なお、このとき、キャラクタ画像31aを所定態様で動作させるようにしてもよい。
このように、通常遊技状態中のゲームにおいて、例えば、所定のレア役に当選して当選演出が実行された場合には、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりに新たな画像として当選演出画像32が表示されるのに対して、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31はそのまま表示が継続されることとなるのである。
すなわち、当選演出が実行された場合でも、通常遊技状態中のゲームは進行することとなるので、サブ通常画像31はそのまま表示されてゲーム数画像31bの更新表示が行われるのである。
なお、所定のレア役に当選していないゲームにおいても、所定の確率で副制御装置20による表示更新制御(第1表示更新制御)が実行されて、そのとき表示されていた画像が新たな画像に更新表示されることとなる。例えば、通常遊技状態中のゲーム数が、天井ゲーム数に近づいた場合には、所定のレア役に当選していなかった場合でも、所定の確率で表示更新制御が行われる。
【0069】
次に、図7は、通常遊技状態中のゲームにおいて、通常遊技状態中のゲーム数が天井ゲーム数に到達して、疑似ボーナス状態に移行した場合のメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18における演出画像を示している。
図7(a)に示すように、通常遊技状態中においては、第1演出表示手段としてのメイン演出表示器8の画面主要部に、通常遊技状態中であることを報知する第1画像としての通常遊技状態画像30が表示される。
なお、通常遊技状態中に実行されたゲーム数が天井ゲーム数に到達する直前(例えば、16ゲーム前)においては前兆演出(本前兆演出)が実行されることとなるが、前兆演出も通常遊技状態中に実行されるものなので、通常遊技状態画像30(第1画像)として前兆演出に対応した画像が表示されることとなる。
また、通常遊技状態(前兆演出)中においては、第2演出表示手段としてのサブ演出表示器18の画面主要部に、第2画像としてのサブ通常画像31が表示される。
【0070】
そして、通常遊技状態中に実行されたゲーム数が天井ゲーム数に到達した場合には、副制御装置20による第1表示更新制御が実行されて、図7(b)に示すように、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりにメイン演出表示器8の画面主要部に、新たな画像として疑似ボーナス状態に移行したこと報知するボーナス発生画像33が表示される。
なお、ボーナス発生画像33は、疑似ボーナス状態の移行を祝福する所定の装飾画像と、文字情報(図示「ボーナス確定おめでとう」)からなるが、疑似ボーナス状態の最初のゲーム開始時のみ表示され、以降は疑似ボーナス状態中の画像に切り替わることとなる。
また、疑似ボーナス状態に移行した場合には、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11において所定態様の発光を行うようにすることが好ましい。
【0071】
また、通常遊技状態中に実行されたゲーム数が天井ゲーム数に到達した場合には、副制御装置20による第2表示更新制御が実行されて、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31が消去されるとともに、代わりにサブ演出表示器18の画面主要部に、新たな画像として疑似ボーナス状態に移行したこと報知するサブボーナス発生画像34が表示される。
なお、サブボーナス発生画像34は、疑似ボーナス状態の移行を祝福する所定の装飾画像と、文字情報(図示「ボーナス確定」)からなるが、疑似ボーナス状態の最初のゲーム開始時のみ表示され、以降は疑似ボーナス状態中の画像に切り替わることとなる。
【0072】
このように、通常遊技状態から遊技者にとって有利な特定遊技状態としての疑似ボーナス状態に移行した場合には、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりに新たな画像としてボーナス発生画像33が表示され、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31が消去されるとともに、代わりに新たな画像としてサブボーナス発生画像34が表示されることとなるのである。
すなわち、疑似ボーナス状態に移行した場合には、今回の通常遊技状態中のゲームの進行は終了することとなるので、サブ通常画像31は消去されてゲーム数画像31bも消去されることとなのである。
【0073】
次に、図8は、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したことに基づき、疑似遊技が実行された場合のメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18における演出画像を示している。
図8(a)に示すように、通常遊技状態中においては、第1演出表示手段としてのメイン演出表示器8の画面主要部に、通常遊技状態中であることを報知する第1画像としての通常遊技状態画像30が表示される。
また、通常遊技状態(前兆演出)中においては、第2演出表示手段としてのサブ演出表示器18の画面主要部に、第2画像としてのサブ通常画像31が表示される。
【0074】
そして、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、以降のゲームにおいて疑似遊技が実行されることとなるが、本実施形態においては、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した以降のゲームにおいて、最初にリプレイ役に当選した場合に疑似遊技開始条件を成立されるようにしている。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した以降のゲームにおいて、最初にリプレイ役に当選した場合には、図8(b)に示すように疑似遊技が実行されることとなる。
図8(b)に示すように、疑似遊技が実行されると、副制御装置20による第1表示更新制御が実行されて、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりにメイン演出表示器8の画面主要部に、新たな画像として疑似遊技が実行されたことを報知する疑似遊技画像35が表示される。
なお、疑似遊技画像35は、遊技者の期待感を高める所定の装飾画像と、文字情報(図示「CHANCE」)からなり、疑似遊技が終了(本遊技が開始)するまで表示される。
また、疑似遊技が実行された場合には、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11において所定態様の発光を行うようにすることが好ましい。
【0075】
また、疑似遊技が実行された場合には、副制御装置20による第2表示更新制御が実行されて、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31が消去されるとともに、代わりにサブ演出表示器18の画面主要部に、新たな画像として疑似遊技が実行されたこと、および疑似遊技の回数(疑似停止回数)を報知するサブ疑似遊技画像36が表示される。
なお、サブ疑似遊技画像36は、遊技者の期待感を高める所定の装飾画像と、疑似遊技の回数(疑似停止回数)を報知する情報(図示「疑似遊技1回目」)からなる。
また、疑似遊技の終了により本遊技が開始された場合には、メイン演出表示器8の通常遊技状態画像30およびサブ演出表示器18のサブ通常画像31が復帰表示されることとなる。このときゲーム数画像31bは、疑似遊技の実行回数(疑似停止回数)に関係なく、前回のゲームにおけるゲーム数に「+1」された数値になる。
【0076】
このように、通常遊技状態中の所定のゲームにおいて疑似遊技が実行された場合には、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりに新たな画像として疑似遊技画像35が表示され、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31が消去されるとともに、代わりに新たな画像としてサブ疑似遊技画像36が表示されることとなるのである。
すなわち、疑似遊技の実行中には、リール41が所定回数疑似停止することとなるが、このとき通常遊技状態中のゲームの進行は中断しているので、サブ通常画像31は消去されてゲーム数画像31bも消去されることとなのである。
【0077】
以上のように、本実施形態においては、通常遊技状態中のゲームにおいて、例えば、所定のレア役に当選して当選演出が実行された場合や疑似ボーナス状態に移行した場合には、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30が消去されるとともに、代わりにメイン演出表示器8に、新たな画像として当選演出画像32やボーナス発生画像33が表示されるのである。
すなわち、第1表示制御手段としての副制御装置20は、第1画像(通常遊技状態画像30)を消去するとともに新たな画像(当選演出画像32、ボーナス発生画像33)を表示させる第1表示更新制御を実行可能な第1表示更新制御手段を備えるのである。
【0078】
また、疑似ボーナス状態に移行した場合には、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31が消去されるとともに、代わりにサブ演出表示器に、新たな画像としてサブボーナス発生画像34が表示されることとなるのである。
すなわち、第2表示制御手段としての副制御装置20は、第2画像(サブ通常画像31)を消去するとともに新たな画像(サブボーナス発生画像34)を表示させる第2表示更新制御を実行可能な第2表示更新制御手段を備えるのである。
ただし、通常遊技状態において当選演出が実行された場合には、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31がそのまま継続して表示されるのである。
【0079】
そして、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30は、通常遊技状態中のゲームにおいて当選演出が実行された場合や疑似遊技が実行された場合には、新たな画像に変更されることとなるのに対して、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31は、通常遊技状態中のゲームにおいて当選演出が実行された場合には、新たな画像に変更されずにそのまま表示が継続されることとなるが、通常遊技状態中のゲームにおいて疑似遊技が実行された場合には、新たな画像に変更されることとなるのである。
すなわち、第1表示更新制御手段としての副制御装置20は、ゲームの進行に関わる所定条件の成立(例えば、当選演出の実行)に基づき、第1表示更新制御を実行可能とするとともに、疑似ゲーム(疑似遊技)の実行に基づき、第1表示更新制御を実行可能とし、第2表示更新制御手段としての副制御装置20は、所定条件の成立(例えば、当選演出の実行)に基づき、第2表示更新制御を実行不能とするとともに、疑似ゲーム(疑似遊技)の実行に基づき、第2表示更新制御を実行可能とするのである。
【0080】
したがって、通常遊技状態中のゲームにおいて当選演出や疑似遊技が実行された場合には、メイン演出表示器8に新たな画像が表示されることとなるので、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
一方、通常遊技状態中のゲームにおいて疑似遊技が実行された場合には、サブ演出表示器18におけるゲーム数画像31bは消去されることとなるので、疑似遊技が実行されたことにより、実際のゲームの実行回数と、リール41での図柄の導出回数とに差が生ずることによる不自然な状況が発生してしまうことを防止可能となるのである。すなわち、疑似遊技が実行された場合には、1回のゲーム中に複数回の図柄が導出表示されることとなるのが、この導出回数分ゲーム数が加算されないことにより、遊技者が不信感を抱くことを防止可能となるのである。
【0081】
なお、上記所定条件の成立として、当選演出の実行(所定のレア役の当選)を例示しているが、所定条件は、上記以外の場合に成立させるようにしてもよく、メイン演出表示器8において何らかの演出が実行される場合であればいずれでもよく、例えば、通常遊技状態中のゲームにおいて、レア役以外の役の当選に基づき成立させてもよいし、前兆演出(フェイク前兆演出を含む)の発生に基づき成立させてもよいし、複数のキャラクタが所定ゲーム数間対戦する対戦演出の発生に基づき成立させてもよい。
【0082】
また、通常遊技状態から疑似ボーナス状態に移行した場合には、メイン演出表示器8に表示されていた通常遊技状態画像30と、サブ演出表示器18に表示されていたサブ通常画像31の双方が、新たな画像に変更されることとなるのである。
すなわち、第1表示更新制御手段としての副制御装置20は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生に基づき、第1表示更新制御を実行可能とし、第2表示更新制御手段としての副制御装置20は、特定遊技状態の発生に基づき、第2表示更新制御を実行可能とするのである。
したがって、多彩な演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させるとともに、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0083】
次に、図9を参照して、疑似遊技が実行されている間の演出について詳しく説明する。
前述したように、通常遊技状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、その後のゲームにおいて、例えば、リプレイ役の当選により疑似遊技の実行条件が成立して、当該ゲームの前半部において疑似遊技が実行されることとなる。
まず、図9(a)に示すように、疑似遊技の開始当初には、メイン演出表示器8において疑似遊技画像35が表示されて、遊技者の期待感が高められることとなる。
また、サブ演出表示器18においてサブ疑似遊技画像36が表示されることとなるが、1回目の疑似遊技の間(1段階目の疑似遊技の間)、すなわち、最初にリール41が疑似停止するまでの間においては、サブ疑似遊技画像36中にその旨を報知する文字情報(図示「疑似遊技1回目」)が含まれることとなる。
なお、1回目の疑似遊技の報知は、上記した文字情報以外で行うようにしてもよく、他の文字情報を表示してもよいし、所定のキャラクタ画像や配色等により報知してもよい。
【0084】
そして、1回目の疑似遊技中に、停止ボタン5が有効化されて、その後遊技者が停止ボタン5を操作すると、リール41が疑似停止して、図示するように「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが導出表示されることとなる。
【0085】
そして、疑似遊技が継続する場合、すなわち、2回目の疑似遊技(2段階目の疑似遊技)が開始される場合には、その後、有効化されたスタートレバー3を遊技者が操作すると、図9(b)に示すように、メイン演出表示器8の画面の下方部であって疑似遊技画像35の下方に、疑似遊技が継続することを報知する継続画像37(図示「まだまだ」)と、リール41に注目することを促す矢印画像38が表示されるとともに、疑似停止していたリール41の回転が再開することとなる。
また、このとき、サブ演出表示器18においはサブ疑似遊技画像36が継続表示されることとなるが、2回目の疑似遊技の間、すなわち、2回目にリール41が疑似停止するまでの間においては、サブ疑似遊技画像36中の文字情報が2回目に対応する情報(図示「疑似遊技2回目」)に変化することとなる。
なお、疑似遊技が継続しない場合、すなわち、疑似遊技が1回で終了する場合には、その後、有効化されたスタートレバー3を遊技者が操作すると、疑似停止していたリール41の回転が再開して本遊技が開始されることとなる。
【0086】
そして、2回目の疑似遊技(2段階目の疑似遊技)中に、停止ボタン5が有効化されて、その後遊技者が停止ボタン5を操作すると、図9(c)に示すように、リール41が疑似停止して、1回目の疑似遊技時と同様に、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが再度導出表示されることとなる。
その後、3回目の疑似遊技が実行される場合には、2回目と同様にスタートレバー3の操作により3回目の疑似遊技が開始され、3回目の疑似遊技が実行されない場合には、スタートレバー3の操作により本遊技が開始されることとなる。
【0087】
なお、各段階での疑似遊技時において、遊技者が停止ボタン5をいずれのタイミングで操作しても「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが導出表示されるようにリール41が疑似停止することとなるが、所定のタイミングで停止した場合に限り「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せを導出表示するようにしてもよい。
また、各段階での疑似遊技時において、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが導出表示されている間に、リール41を小刻みに上下動させるようにしてもよい。
また、各段階での疑似遊技時において、リール41の一部(例えば、中リール41b)のみを停止するような指示報知を行い、一部のリール41でのみ所定の図柄(例えば、「BAR」)を疑似停止して、その他のリール41はそのまま回転を継続させるようにしてもよい。
また、各段階での疑似遊技時において、停止ボタン5が有効化されても、遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合には、所定時間経過後に自動的にリール41を疑似停止するようにしてもよい。
また、各段階での疑似遊技時において、遊技者による停止ボタン5の操作無しで、各段階の疑似遊技開始から所定時間経過後に自動的にリール41が疑似停止して、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが導出表示されるような非操作疑似遊技を実行するようにしてもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態においては、疑似遊技が実行された場合には、種々の演出が実行されることとなるので、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、疑似遊技が実行された場合には、サブ演出表示器18におけるゲーム数画像31bは消去されて、代わりにサブ疑似遊技画像36が表示されることとなるので、疑似遊技が実行されたことにより、実際のゲームの実行回数と、リール41での図柄の導出回数とに差が生ずることによる不自然な状況が発生してしまうことを防止可能となる他、サブ疑似遊技画像36の表示により的確に疑似遊技中の進行を遊技者に認識させることが可能となるのである。
【0089】
また、前述したように、メダルレス遊技機1の上方部であって、メイン演出表示器8の上方部には、遊技設備装置100が配設され、遊技設備装置100においては、当該メダルレス遊技機1における通常遊技状態中のゲーム数が表示されることとなるが、疑似遊技が実行された場合には、1回のゲーム中に複数回の図柄が導出表示されても、この導出回数分遊技設備装置100でのゲーム数が加算されないこととなる。
これに対して、疑似遊技中においては、各段階が進行する時点で、特定の画像として、継続画像37がメイン演出表示器8の下方部に表示され、さらに、矢印画像38が表示されてリール41に注目することが促されることとなる。
すなわち、第1表示制御手段としての副制御装置20は、疑似ゲーム(疑似遊技)において所定の図柄(「BAR」)が導出表示された後に、特定の画像(継続画像37、矢印画像38)を第1演出表示手段に表示させる制御を実行可能とするのである。
したがって、疑似遊技中において、遊技者の視点を遊技設備装置100から外すことが可能となり、サブ演出表示器18においてゲーム数画像31bを表示する場合と同様に、疑似遊技が実行されたことにより、遊技設備装置100での実際のゲームの実行回数と、リール41での図柄の導出回数とに差が生ずることによる不自然な状況を遊技者が認識してしまうことを防止可能となるのである。
【0090】
なお、本実施形態においては、疑似遊技中において、各段階が進行する時点で、特定の画像として、継続画像37と矢印画像38をメイン演出表示器8に表示するようにしているが、図10に示す変形例のように、役物装置39を備えて、役物装置39の動作により遊技者がリール41に注目するようにしてもよい。
図10に示すように、本変形例においては、メイン演出表示器8の右側方に、役物装置39を配設し、常態(非作動時)において上方側に位置されている役物装置39を、疑似遊技中における各段階が進行する時点であって、継続画像37と矢印画像38がメイン演出表示器8に表示された場合に、作動条件が成立して下方側(メイン演出表示器8の方向)に変換するようにしている。
したがって、この役物装置39の変換動作により、疑似遊技中において、さらに遊技者の視点を遊技設備装置100から外すことが可能となるのである。
なお、役物装置39は、上方側から下方側に変換動作するものであれば、回動により変換部を変換動作するものでもよいし、スライド動作により変換部を変換動作するものでもよい。
【0091】
[ボタン演出を伴う疑似遊技中の演出]
次に、図11図13を参照して、ボタン演出を伴う疑似遊技中の演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように、例えば、通常遊技状態中のゲームにおいて、疑似遊技を実行するようにしているが、疑似遊技の一部においてボタン演出を実行するようにしている。
【0092】
ボタン演出は、例えば、所定のゲーム実行中に、先ず、メイン演出表示器8に、操作手段として例示する第1演出ボタン2gの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「押せ」)等からなる操作画像を表示し、その後、表示された第1演出ボタン2gが操作された場合に、メイン演出表示器8に当選したレア役の種類を報知する画像や、遊技者の期待感を高めるような画像を現出させる演出となっている。
本実施形態においては、ボタン演出を種々の状態で実行するようにしているが、疑似遊技が実行された場合の一部でも行うようにしている。例えば、疑似遊技の実行が決定された場合に、主制御装置10あるいは副制御装置20において、ボタン演出を実行するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した場合にボタン演出を実行するようにしている。また、このときの抽選の当選確率は、疑似ボーナス状態への移行が決定されていた場合には、決定されていない場合よりも高い確率に設定するようにしている。
【0093】
したがって、疑似遊技が実行された場合に、当該疑似遊技中にボタン演出が実行された場合の方が、実行されなかった場合よりも疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高まるのである。
なお、ボタン演出の実行の決定は、後述するように、主制御装置10と副制御装置20のいずれかで行うようにしている。
すなわち、主制御装置10あるいは副制御装置20は、疑似ゲームの実行に関連して、操作手段(例えば、第1演出ボタン2g)の操作を伴う操作演出(ボタン演出)を実行させることが可能な操作演出制御手段を備えるのである。
【0094】
また、本実施形態においては、主制御装置10あるいは副制御装置20では、疑似遊技中にボタン演出を実行する場合に、どの段階でボタン演出を実行するかを抽選により決定するようにしていて、例えば、疑似ボーナス状態への移行が決定されていた場合には、決定されていない場合よりも、後の段階でボタン演出が実行される確率が高くなるような抽選を行うようにしている。
したがって、疑似遊技の実行中において、例えば、1段階目の疑似遊技中にボタン演出が実行された場合よりも、3段階目の疑似遊技中にボタン演出が実行された場合の方が、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高まるのである。
【0095】
さらに、本実施形態においては、第1演出ボタン2gは、当該第1演出ボタン2gにおける操作部を、下方に位置させた通常状態から、電気的駆動源(例えば、ソレノイド)の作用により上方に変位させた突出状態に変換可能とされるとともに、第1演出ボタン2gが通常状態のときでも、突出状態のときでも下方への押圧操作が可能に構成されていて、副制御装置20の制御により、第1演出ボタン2gの変換制御が可能とされている。
すなわち、操作手段としての第1演出ボタン2gは、通常状態と、操作部を通常状態よりも操作方向とは反対側に変位させた突出状態とに変換可能に構成されているのである。
【0096】
また、主制御装置10あるいは副制御装置20では、疑似遊技中にボタン演出を実行する場合に、第1演出ボタン2gを、通常状態にするか突出状態にするかを抽選により決定するようにしていて、例えば、疑似ボーナス状態への移行が決定されていた場合には、決定されていない場合よりも、第1演出ボタン2gが突出状態でボタン演出が実行される確率が高くなるような抽選を行うようにしている。
したがって、疑似遊技が実行された場合に、第1演出ボタン2gが突出状態でボタン演出が実行された場合の方が、通常状態でボタン演出が実行された場合よりも疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高まるのである。
【0097】
図11は、疑似遊技中にボタン演出が実行された場合のメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18における演出画像、および第1演出ボタン2gの状態を示している。
なお、図11は、3回目(3段階目)の疑似遊技中であって、3回目のリール41が疑似停止した後に、第1演出ボタン2gが突出状態でボタン演出が実行された場合の例示となっている。したがって、図示は省略するが、1回目の疑似遊技中や2回目の疑似遊技中においても同様のボタン演出の実行を可能としている。
【0098】
まず、図11(a)に示すように、3回目(3段階目)の疑似遊技中においては、メイン演出表示器8において疑似遊技画像35が表示されるとともに、サブ演出表示器18において3回目の疑似遊技に対応するサブ疑似遊技画像36(図示「疑似遊技3回目」)が表示されることとなる。
3回目の疑似遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作すると、リール41が疑似停止して、「BAR・BAR・BAR」の図柄組合せが導出表示されることとなる。
【0099】
そして、3回目のリール41が疑似停止すると、図11(b)に示すように、メイン演出表示器8の画面の下方部であって疑似遊技画像35の下方に、第1演出ボタン2gを模したボタン画像40と、第1演出ボタン2gの操作を指示する文字情報からなる操作画像42(図示「押せ」)と、リール41や第1演出ボタン2gに注目することを促す矢印画像38が表示されてボタン演出(操作指示演出)が開始される。
そして、3回目のリール41が疑似停止すると、第1演出ボタン2gが通常状態から突出状態に変換されるとともに、第1演出ボタン2gの操作が有効化されて、内部の発光源が発光される。
なお、ボタン画像40、操作画像42、矢印画像38の表示は第1演出ボタン2gが突出状態への変換が完了した時点で行うようにしてもよい。また、第1演出ボタン2gの有効化は、第1演出ボタン2gが突出状態への変換が完了した時点で行うことが好ましい。
【0100】
そして、遊技者が突出状態の第1演出ボタン2gを操作すると、メイン演出表示器8の画面下方部のボタン画像40、操作画像42、矢印画像38が消去されて、代わりに遊技者の期待感を高める文字情報からなる期待度アップ画像43(図示「激アツ」)が表示されて期待度演出が実行される。
なお、このとき表示される期待度アップ画像43には、複数種類が設定されていて、疑似ボーナス状態への移行の有無に応じていずれかの画像が選択的に決定され、遊技者の期待感に変化を持たせるようになっている。
また、図示は省略するが、ボタン演出の実行時に、第1演出ボタン2gを通常状態にすることが選択決定された場合には、上方への変位が行われない常態での第1演出ボタン2gが有効化されることとなる。
また、突出状態の第1演出ボタン2gが操作(押圧操作)された場合には、通常状態の第1演出ボタン2gが操作された場合と同じ位置でセンサーが反応するように構成されていることから、突出状態の第1演出ボタン2gを操作する場合には、下方端部付近まで操作部を変位させなければ操作信号が出力しないものとなっている。
【0101】
そして、3回目のリール41が疑似停止した時点から所定時間が経過すると、スタートレバー3が有効化され、遊技者がスタートレバー3を操作すると、メイン演出表示器8およびサブ演出表示器18に表示されていた各演出画像が消去されるとともに、リール41の回転が再開されて、本遊技が開始されることとなる。
なお、3回目のリール41が疑似停止した後に、遊技者が第1演出ボタン2gを操作しなかった場合にも、所定時間経過後にスタートレバー3を有効化することが好ましい。また、スタートレバー3が有効化されたにもかかわらず、遊技者がスタートレバー3を操作しなかった場合には、遊技者による第1演出ボタン2gの操作の有無を問わず、所定時間経過後に自動的にリール41の回転を再開して本遊技を開始することが好ましい。
また、1回目および2回目の疑似遊技の終了時にボタン演出を行う場合には、ボタン演出の終了後に、前述した継続画像37や矢印画像38を表示して疑似遊技を継続させてもよいし、最後の段階の疑似遊技の終了後にのみボタン演出を実行するようにしてもよい。
また、ボタン演出時に第1演出ボタン2gを操作するようにしているが、操作手段としては、第2演出ボタン2h、MAXベットボタン2b、スタートレバー3を用いてもよい。
【0102】
以上のように、本実施形態においては、疑似遊技の実行中においてボタン演出を実行可能とするのである。
すなわち、副制御装置20は、疑似ゲームの実行に関連して、操作手段(第1演出ボタン2g)の操作を伴う操作演出(ボタン演出)を実行させることが可能な操作演出制御手段を備えるのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、疑似遊技の実行中にボタン演出を実行する場合には、第1演出ボタン2gを突出状態に変換してボタン演出を実行可能とするのである。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、操作演出(ボタン演出)の実行に関連して、操作手段(第1演出ボタン2g)を突出状態に変換可能とするのである。
したがって、ボタン演出をより多彩化することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となるのである。
【0103】
次に、図12のタイミングチャートを参照して、疑似遊技の実行中にボタン演出が実行された場合における、第1演出ボタン2gの状態、および対応する演出の関係について詳しく説明する。
なお、図12のタイミングチャートは、図11で示した、3回目の疑似遊技の終了後に、突出状態の第1演出ボタン2gによりボタン演出が実行された場合に対応している。
【0104】
図12に示すように、3回目の疑似遊技の終了時点、すなわち3回目のリール41の疑似停止が行われた時点(タイミングt1)でボタン演出が実行されると、第1演出ボタン2gが通常状態(非突出)から突出状態に変換される。
また、第1演出ボタン2gが突出状態に変換されると、メイン演出表示器8にボタン画像40、操作画像42および矢印画像38が表示されて、ボタン演出の一部である操作指示演出が実行される。
そして、突出状態の第1演出ボタン2gを遊技者が操作すると(タイミングt2)、第1演出ボタン2gが通常状態に変換されるとともに、メイン演出表示器8に期待度アップ画像43が表示されて、ボタン演出の一部である期待度演出が実行される。
【0105】
また、第1演出ボタン2gの突出状態への変換を伴うボタン演出が実行された場合には、3回目のリール41の疑似停止が行われた時点から所定時間(例えば、30秒)が経過するまでの時点(タイミングt4)は、主制御装置10の制御により、ボタン演出を実行するまでの特定期間(スタートレバー操作無効期間)が設定され、この間においてはスタートレバー3の入力は無効化され、かりにスタートレバー3が操作されても(タイミングt3)本遊技の開始は無効となる。
したがって、3回目のリール41の疑似停止が行われた後に、突出状態の第1演出ボタン2gによりボタン演出が実行された場合には、ボタン演出が実行されるのに十分な時間が確保されることとなるのである。
【0106】
そして、特定期間が終了した時点(タイミングt4)で、スタートレバー3の操作が有効化され、遊技者がスタートレバー3を操作するとリール41の回転が再開されて本遊技が開始(ゲームの進行が再開)されることとなる。
また、特定期間が終了した後、所定時間(例えば、20秒)経過してもスタートレバー3の操作が行われなかった場合には、自動的に本遊技が開始されることとなる。
なお、特定期間においてスタートレバー3が操作された場合に、当該操作されたことを主制御装置10で一時的に記憶保持し、特定期間が終了した時点で記憶保持した情報に基づき本遊技を開始するようにしてもよい。したがって、この場合には、特定期間の終了後にスタートレバー3が操作されなくとも自動的にリール41の回転が再開されて本遊技が開始されることとなる。
また、1回目および2回目のリール41の疑似停止が行われた後にボタン演出が実行された場合にも、上記同様の制御が行われる。
【0107】
以上のように、本実施形態においては、疑似遊技が実行される場合には、例えば、3回目のリール41の疑似停止が行われた後に、ボタン演出が実行可能とされるのである。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、疑似ゲーム(疑似遊技)において所定の図柄(「BAR」)が導出表示された後に、操作演出(ボタン演出)を実行可能とするのである。
【0108】
また、3回目のリール41の疑似停止が行われた後において、ボタン演出を実行するための十分な時間を確保するために特定期間が設定され、この間においてはスタートレバー3の入力が無効化され、スタートレバー3が操作されても本遊技の開始が無効とされるのである。
すなわち、疑似ゲーム制御手段としての主制御装置10は、疑似ゲーム(疑似遊技)において所定の図柄(「BAR」)が導出表示された後から、ゲームの進行が可能となるまでの間に、操作演出(ボタン演出)の実行に関わる特定期間を設定可能とするのである。
したがって、何らかの誤操作によりボタン演出が中止(キャンセル)されてしまうことを防止可能となり、興趣性の高いボタン演出を確実に実行することが可能となるのである。
【0109】
次に、図13を参照して、ボタン演出の制御について詳しく説明する。
図13に示すように、本実施形態においては、ボタン演出として、ボタン演出Aとボタン演出Bの2種類を設けていて、各々異なる制御形態により実行可能としている。
ボタン演出Aは、前述した第1演出ボタン2gの突出状態への変換を伴うボタン演出であり、主に主制御装置10で制御(管理)されるものである。
したがって、ボタン演出Aの発生の有無やその実行期間等は主制御装置10で制御(管理)され、それらの制御に関わる制御情報を主制御装置10が副制御装置20に送信することで、第1演出ボタン2gの有効化および入力管理、通常状態から突出状態への変換、ボタン演出に関わる各種演出画像の表示等のボタン演出に関わる制御が行われるものとなっている。さらに、主制御装置10では、ボタン演出Aを実行する場合に、スタートレバー無効期間(特定期間)を設定し、副制御装置20では、この特定期間の間に第1演出ボタン2gを突出状態に変換することとなる。
【0110】
ボタン演出Bは、前述した第1演出ボタン2gの突出状態への変換を伴わないボタン演出であり、主に副制御装置20で制御(管理)されるものである。
したがって、ボタン演出Bの発生の有無やその実行期間等は副制御装置20で制御(管理)され、上記ボタン演出に関わる制御は、主制御装置10からの指示なしで、副制御装置20により独自に行われるものとなっている。
また、ボタン演出Bが実行された場合には、主制御装置10によりスタートレバー無効期間(特定期間)が設定されないものとなっている。したがって、ボタン演出Bの実行中において、MAXベットボタン2bやスタートレバー3の操作によりゲームが進行された場合には、ボタン演出Bはその時点で中止(キャンセル)されるものとなっている。
つまり、スタートレバー無効期間(特定期間)が設定されていない場合には、第1演出ボタン2gの物理的な変換のないボタン演出Bが副制御装置20で実行されるのである。
なお、本実施形態においては、ボタン演出Bよりもボタン演出Aの方が、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行する確率が高まるように各ボタン演出の発生が振り分けられるように設定されている。
また、主制御装置10で管理するボタン演出は、第1演出ボタン2gの突出状態への変換を伴うボタン演出のみとしているが、それ以外のボタン演出を管理するようにしてもよい。
【0111】
以上のように、本実施形態においては、主に主制御装置10で管理されるボタン演出Aと、主に副制御装置20で管理されるボタン演出Bとを設け、ボタン演出Aとして、第1演出ボタン2gの突出状態への変換を伴うボタン演出が設定されるのである。
また、副制御装置20では、スタートレバー無効期間(特定期間)が設定されていない場合には、第1演出ボタン2gの物理的な変換のないボタン演出Bを実行するのである。
すなわち、操作演出制御手段としての副制御装置20は、疑似ゲーム制御手段(主制御装置10)により特定期間が設定されていないことに基づき、操作手段(第1演出ボタン2g)を突出状態に変換しない操作演出(ボタン演出B)を実行可能とするのである。
したがって、より多彩なボタン演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、物理的なボタン変換を伴うボタン演出Bの実行時に演出がキャンセルされてしまうと、第1演出ボタン2gの復帰動作等の不自然な状態が遊技中に形成されてしまうこととなるが、このような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0112】
<遊技メダル数に応じた演出>
次に、図14図17を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における遊技メダル数に応じた演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、遊技メダル数表示装置7において記憶されている遊技メダル数(クレジット数)に基づきゲームを実行するようにしている。
また、副制御装置20では、遊技メダル数表示装置7から記憶されている遊技メダル数を受信し、この遊技メダル数に応じて、例えば、メイン演出表示器8における種々の演出制御を実行するようにしている。
【0113】
まず、図14のフローチャートを参照して、遊技メダル数に応じた演出内容の変更、および特定情報の表示について説明する。
図14は、副制御装置20で実行される演出態様変更処理を示している。
なお、本演出態様変更処理は、通常遊技状態中に実行される。
まず、ステップS1において、遊技メダル数表示装置7から遊技メダル数情報を受信する処理を行う。
この処理により、その時点の遊技メダル数が副制御装置20において記憶されることとなる。
【0114】
次に、ステップS2において、遊技メダル数は所定数以下か否かの判定を行う。
例えば、遊技メダル数が「10」以下の場合には、ステップS3に移行し、「10」よりも多い場合には、本演出態様変更処理を終了する。
なお、ステップS2において判定される遊技メダル数は「10」以外の数値でもよいが、例えば、「20」等の直ぐに遊技メダル数が無くなってしまうような比較的小さい値が好ましい。
【0115】
次に、ステップS3において、演出内容の変更処理を行う。
例えば、ゲーム中に実行される当選演出等の各種演出の発生確率を高める処理を行う。
なお、発生確率が高められる演出は、メイン演出表示器8等における演出画像の変化が頻繁になるものであればいずれでもよく、例えば、レア役等に当選していない場合に発生するキャラクタのセリフを伴う演出等でもよい。
【0116】
次に、ステップS4において、遊技メダル数は「2」以下か否かの判定を行う。
遊技メダル数が「2」以下の場合には、ステップS5に移行し、「2」よりも多い場合には、本演出態様変更処理を終了する。
【0117】
次に、ステップS5において、MAXベットボタン2bが操作されたか否かの判定を行う。
MAXベットボタン2bが操作された場合には、ステップS6に移行し、MAXベットボタン2bが操作されていない場合には、本演出態様変更処理を終了する。
【0118】
次に、ステップS6において、特定の情報を表示する処理を行い、本演出態様変更処理を終了する。
例えば、メイン演出表示器8において特定の情報を表示する。
【0119】
次に、図15を参照して、上記演出態様変更処理のステップS6の処理により表示される特定の情報について詳しく説明する。
図15に示すように、通常遊技状態中においては、メイン演出表示器8において通常遊技状態画像30が表示されるとともに、遊技メダル数が「2」の場合には、遊技メダル数表示器7aにおいて「2」の数値が表示されることとなる。
この状態(遊技メダル数が「2」以下の状態)において、MAXベットボタン2bが操作されると、メイン演出表示器8の画面下方部であって、通常遊技状態画像30の下方に「そろそろかも?」の文字情報からなる特定示唆画像44が特定の情報として表示される。
なお、本メダルレス遊技機1においては、ベット数が「3」の場合のみゲームを実行可能としているので、上記状態(遊技メダル数が「2」以下の状態)においてMAXベットボタン2bが操作されても、ベット数の入力は行われずに、特定示唆画像44の表示のみが行われることとなる。
【0120】
特定示唆画像44は、遊技者にとって有利な遊技状態の発生が近づいていることを示唆するもので、この情報の表示により遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
なお、本実施形態においては、特定の情報の表示条件が成立した場合に、疑似ボーナス状態やAT状態の移行に関わる制御状態に関係なく特定示唆画像44を表示しているが、例えば、通常遊技状態中に実行されたゲーム数が、天井ゲーム数に到達するまでに「100」以内となった場合に表示するようにしてもよい。すなわち、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の移行時期が実際に近づいて間において、特定の情報の表示条件が成立した場合に特定示唆画像44を表示するようにしてもよいのである。
また、特定示唆画像44は、遊技者にとって有利な遊技状態の発生が近づいていること示唆可能なものであれば、上記以外でもよく、所定のキャラクタやアイテムを表示するようにしてもよい。また、遊技者にとって有利な遊技状態の発生が近づいていること示唆するものではなく、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する可能性が高いことを示唆するものでもよい。
また、上記演出は、メイン演出表示器8だけではなく、サブ演出表示器18で行うものでもよい。
【0121】
以上のように、本実施形態においては、通常遊技状態中において、遊技メダル数が所定数(例えば、「10」)以下となった場合に、演出内容の変更処理が行われるのである。
すなわち、副制御装置20は、遊技メダル数に応じて演出内容を変更可能な演出変更制御手段を備えるのである。
したがって、遊技メダル数が少なくなり、遊技者が遊技を終了する可能性が高まったときに、所定の演出の発生率が高まる等の演出内容が変更されることとなり、遊技を終了しようとした遊技者の遊技意欲を高めることが可能となるので、メダルレス遊技機1における稼働率を高めることが可能となるのである。
【0122】
また、通常遊技状態中において、遊技メダル数は「2」以下の状態でMAXベットボタン2bが操作された場合には、メイン演出表示器8において特定の情報が表示されて、遊技者にとって有利な遊技状態の発生に関わる示唆が行われるのである。
すなわち、副制御装置20は、遊技メダル数に応じて、遊技者にとって有利な遊技状態の発生に関わる示唆演出を実行可能な示唆演出制御手段を備えるのである。
したがって、既に遊技メダル数が1回のゲームを実行できない値となったときに、遊技者にとって有利な遊技状態の発生に関わる示唆演出が実行されることとなり、遊技を終了しようとした遊技者の遊技意欲を高めることが可能となるので、メダルレス遊技機1における稼働率を高めることが可能となるのである。
【0123】
なお、ゲームを継続して実行している状態では、遊技メダル数は「2」以下となった場合に、そのことに気付かずにMAXベットボタン2bを操作してしまう遊技者も少なくないが、この場合にも遊技者にとって有利な遊技状態の発生を示唆する演出が実行されることとなるので、遊技者が意識せずにゲームの進行上における自然な流れで上記示唆演出を実行することも可能となるのである。
また、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の移行時期が実際に近づいている間において、特定の情報の表示条件が成立した場合に特定示唆画像44を表示するようにした場合には、遊技メダル数が「0」となり遊技を終了しようとしている遊技者が、最後にMAXベットボタン2bを操作して、特定示唆画像44が表示されるか否かを確認することも可能となるのである。
【0124】
次に、図17のフローチャートを参照して、貸出回数に応じた演出内容の変更について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数(クレジット数)が無くなった場合には、専用ユニット19の貸出操作により遊技メダルの貸出しを行うこととなる。
副制御装置20では、遊技メダルの貸出しを、例えば、メイン演出表示器8における表示制御に利用するようにしている。
【0125】
図17のフローチャートは、貸出回数に応じた演出内容の変更に際して行われる処理であって、副制御装置20での貸出回数監視処理を示している。
なお、本貸出回数監視処理は、通常遊技状態中に実行される。
まず、ステップS7において、遊技メダル数表示装置7から遊技メダルの貸出しが行われた場合に、貸出情報を受信する処理を行う。
次に、ステップS8において、所定期間内の貸出回数を算出する処理を行い、本貸出回数監視処理を終了する。
例えば、20分間における貸出回数を算出する処理を行う。
【0126】
そして、副制御装置20では、上記算出した貸出回数に基づき、メイン演出表示器8における演出内容の変更処理を行うこととなる。
例えば、20分間に10回以上の貸出しがあった場合には、その後、所定期間(例えば、30分間)内において疑似ボーナス状態に移行する場合に、それ以外の場合では極めて実行確率の低い所謂プレミア演出を実行したり、プレミア演出の実行確率を高めたりするような演出制御を行うのである。
このような演出内容の変更により、短い期間に多数の貸出しを行う遊技者に対して、それ以外の遊技者ではあまり見ることができないような演出が実行されることとなるのである。
なお、変更する演出内容は、短い期間に多数の貸出しを行う遊技者に対して満足感を与えるものであれば上記以外でもよく、例えば、確率設定装置16での設定値を示唆する演出の発生確率を高めたり、より信頼度の高いものに変更したりするようにしてもよい。
【0127】
以上のように、本実施形態においては、所定期間(例えば、20分)内における遊技メダルの貸出回数が所定回数(例えば、「10」)以上となった場合に、演出内容の変更処理が行われるのである。
すなわち、演出変更制御手段としての副制御装置20は、遊技メダルの貸出回数に応じて演出内容を変更可能とするのである。
したがって、短い期間に多数の貸出しを行う遊技者に対して満足感を与えることが可能となり、メダルレス遊技機1における稼働率を向上させることが可能となるのである。
なお、上記演出は、メイン演出表示器8だけではなく、サブ演出表示器18で行うものでもよい。
【0128】
<押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲーム>
次に、図18図27を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームについて詳しく説明する。
【0129】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、疑似ボーナス状態中において、AT状態の移行条件を成立させるか否かを決定するようにしているが、当該決定は、疑似ボーナス状態の終盤で実行される押し順判定ゲームの結果態様により行われる。
すなわち、主制御装置10は、遊技者に対して特定の特典(AT状態)を付与するための制御を実行可能な特定特典付与制御手段を備えるのである。
本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終盤において押し順ベル役に当選したゲームを押し順判定ゲームに設定し、その押し順判定ゲームにおける停止ボタン5の押し順(リール41の停止順序)、すなわち、当選している押し順ベル役に対応した押し順と、予め設定されている予想押し順とを比較判定して、その判定結果により、上記特定の特典としてのAT状態の移行条件を成立させるか否か、およびAT状態の移行条件が成立した場合には、特定の特典とは異なる特典を付与するか否かを決定するようにしている。
【0130】
具体的には、主制御装置10は、押し順判定ゲームでの当選している押し順ベル役における最初(1段階目)に操作する停止ボタン5の位置(リール41の停止順序における最初の順番)と、予め設定されている予想押し順における最初に操作する停止ボタン5の位置との比較により、AT状態の移行条件を成立させるか否かの判定を行い、さらに両者の押し順(停止順序)の全ての比較により、AT状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)を加算するか否かの判定を行うようにしている。
すなわち、リール41を停止する際には、3個のリール41a、41b、41cを停止操作する毎に複数の停止段階が形成されるが、主制御装置10は、最初の段階である最初に停止ボタン5を停止操作した時点で、そのときの両者の押し順(最初の押し順)を判定して、AT状態の移行条件を成立させるか否かを決定するのである。
なお、上記両者の押し順を判定する時期は上記以外でもよく、押し順判定ゲームの開始時点(スタートレバー3の入力信号がOFFからONに切り替わった時点)でもよいし、押し順判定ゲームの終了時点(最後に停止操作した停止ボタン5の入力信号がONからOFFに切り替わった時点)でもよい。
【0131】
また、本実施形態においては、押し順判定ゲームにおいて用いられる予想押し順を、遊技者が任意に設定可能としている。
すなわち、主制御装置10は、詳細は後述するが、押し順判定ゲームが実行される以前の所定のゲームにおいて、遊技者による停止ボタン5の操作入力により、予想押し順を予め設定可能としているのである。
【0132】
[疑似ボーナス状態中のゲーム内容]
まず、図18を参照して、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームに関連する疑似ボーナス状態中のゲーム内容について説明する。
【0133】
前述したように、疑似ボーナス状態中は20回のゲームが実行されることとなるが、図示するように、このうち前半の17ゲーム目までを前半パートとして、以降のゲームが行われる間を後半パートとしている。
前半パートでは、各ゲームで実行される押し順ナビに従ってゲームを進行することで遊技者は所定数の遊技メダルを獲得することとなるが、前半パートの5ゲーム目(タイミングt5)と10ゲーム目(タイミングt6)と15ゲーム目(タイミングt7)を基本的に押し順選択ゲームとしている。すなわち、5ゲーム目が1回目の押し順選択ゲームとなり、10ゲーム目が2回目の押し順選択ゲームとなり、15ゲーム目が3回目の押し順選択ゲームとなる。
なお、5ゲーム目と10ゲーム目と15ゲーム目に押し順ベル役に当選した場合に、そのゲームを押し順選択ゲームとしていて、各ゲームで押し順ベル役に当選しなかった場合には、その後に押し順ベル役に当選したゲームが押し順選択ゲームに各々設定されることとなる。
【0134】
そして、押し順ベル役に当選した各押し順選択ゲームにおいては、押し順ナビは実行されずに、遊技者が任意の順序で停止ボタン5を操作することとなり、このときの入力信号を主制御装置10が受信して予想押し順を設定することとなる。
したがって、前半パートにおいては計3回の予想押し順が設定されることとなる。
なお、本実施形態においては、押し順ベル役に当選した場合に、各ゲームを押し順選択ゲームに設定するようにしているが、リプレイ役に当選した場合あるいは抽選結果がハズレとなった場合に、リプレイ役に当選したゲームあるいは抽選結果がハズレとなったゲーム(計3回のゲーム)を押し順選択ゲームに設定し、当該ゲームにおいて予想押し順を設定するようにしてもよい。
また、所定のゲーム間であって、ゲームが実行されていない期間(3回)において、主制御装置10が停止ボタン5の操作を有効にして、遊技者が任意に予想押し順を入力(設定)するようにしてもよい。この場合、予想押し順の入力はゲームの進行に無関係となる。
また、疑似ボーナス状態中の前半パートで実行される所定のゲームにおいて疑似遊技を所定回数実行し、この疑似遊技中に遊技者が予想押し順を設定するようにしてもよい。
【0135】
一方、後半パートは、上記した予想押し順と実際に当選した押し順ベル役での押し順とを判定するゲームが実行される期間であり、図示するように、18ゲーム目(タイミングt8)と19ゲーム目(タイミングt9)と20ゲーム目(タイミングt10)が基本的に押し順判定ゲームとなる。すなわち、18ゲーム目が1回目の押し順判定ゲームとなり、19ゲーム目が2回目の押し順判定ゲームとなり、20ゲーム目が3回目の押し順判定ゲームとなる。
なお、18ゲーム目と19ゲーム目と20ゲーム目に押し順ベル役に当選した場合には、そのゲームが押し順判定ゲームとなるが、各ゲームで押し順ベル役に当選しなかった場合には、その後に押し順ベル役に当選したゲームが押し順判定ゲームに各々設定されることとなる。したがって、後半パートで押し順ベル役に当選したかった場合には、疑似ボーナス状態中のゲーム数が変更されることもあるのである。
【0136】
そして、押し順ベル役に当選した各押し順判定ゲームにおいては、通常通り押し順ナビが実行されることとなるが、このときの押し順ナビ、すなわち当選した押し順ベル役に対応する停止ボタン5の操作順序と、予め設定されている予想押し順とが主制御装置10により判定されることとなる。
なお、1回目の押し順判定ゲームでは、1回目の押し順選択ゲームで設定された予想押し順が判定基準となり、2回目の押し順判定ゲームでは、2回目の押し順選択ゲームで設定された予想押し順が判定基準となり、3回目の押し順判定ゲームでは、3回目の押し順選択ゲームで設定された予想押し順が判定基準となる。
したがって、後半パートにおいては計3回の実際に当選した押し順ベル役での押し順と、予想押し順とが各々判定されることとなる。
【0137】
そして、計3回の押し順判定ゲームの各々において、当選した押し順ベル役における最初に操作する停止ボタン5の位置(リール41の停止順序における最初の順番)と、それに対応して設定されている予想押し順における最初に操作する停止ボタン5の位置(リール41の停止順序における最初の順番)との比較により第1判定が実行され、両者が2回以上一致した場合にAT状態の移行条件が成立することとなる。
また、各押し順判定ゲームにおいては、当選した押し順ベル役における押し順の全てと、それに対応して設定されている予想押し順における押し順の全てとの比較により第2判定が実行され、両者が一致した場合には、一致毎にAT状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)が加算されることとなる。ただし、所定ゲーム数の加算は、AT状態の移行条件が成立した場合に限り行われることとなる。したがって、1回両者の全てが一致した場合でも、AT状態の移行条件が成立しなかった場合には、所定ゲーム数の加算は無効となる。
なお、2番目に停止ボタン5を停止操作した時点で、押し順の全ては把握可能となるので、上記第2判定は、リール41の全てが停止した時点で行ってもよいし、2つのリール41が停止した時点で行ってもよい。
また、押し順判定ゲームにおいては、当選した押し順ベル役に対応する押し順が遊技者により行われなかった場合でも、主制御装置10では、当選した押し順ベル役に対応して予め設定されている押し順を比較対象としている。
【0138】
[押し順選択ゲーム中の演出]
次に、図19図20を参照して、押し順選択ゲーム中の演出について説明する。
まず、図19は、疑似ボーナス状態中の押し順選択ゲーム、すなわち5ゲーム目と10ゲーム目と15ゲーム目のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合のメイン演出表示器8における演出画像を示している。
前述したように、主制御装置10では、押し順選択ゲームにおける遊技者による停止ボタン5の停止操作に基づき予想押し順を設定することとなるが、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、押し順選択ゲームにおいて、以下に示すような表示を行うようにしている。
【0139】
図19(a)に示すように、押し順選択ゲームが実行されてリール41が回転すると、メイン演出表示器8における画面上方部に、押し順選択ゲームが実行されたこと、および遊技者に停止ボタン5の操作順序(リール41の停止順序)を任意に選択することを報知する文字情報からなる押し順選択タイトル画像50a(図示「押し順選択」)が表示される。
また、押し順選択タイトル画像50aの下方には、左押し順選択結果画像51a、中押し順選択結果画像51b、右押し順選択結果画像51cが左右方向に並んで構成される押し順選択結果画像51が表示される。
押し順選択結果画像51は、円形の囲い枠の内側に数字や記号等が表示されるもので、押し順選択ゲームの当初では、まだ遊技者による操作順序が決定されていないことを示す「?」の記号が表示される。
なお、押し順選択ゲームにおいては、押し順ベル役に当選していても押し順ナビは行われない。
【0140】
そして、押し順選択ゲームの実行中において、遊技者による停止ボタン5の操作が行われることとなるが、例えば、遊技者が、中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に停止操作を行うと、図19(b)に示すように、リール41の全てが停止して、メイン演出表示器8における画面上方部に表示されていた押し順選択タイトル画像50aが消去されるとともに、代わりに押し順が決定されたことを報知する文字情報からなる押し順決定タイトル画像50b(図示「押し順決定」)が表示される。

また、押し順選択結果画像51の囲い枠の内側に表示されていた「?」の記号が、各停止ボタン5の操作に応じた数字に切り替わることとなる。例えば、図19(b)に示すように、遊技者により中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に停止操作が行われた場合には、左押し順選択結果画像51aには「3」の数字、中押し順選択結果画像51bには「1」の数字、右押し順選択結果画像51cには「2」の数字が表示されることとなる。
【0141】
このように、押し順選択ゲームにおいて、遊技者が任意の順序で停止ボタン5を操作すると、当該操作入力に基づき、予想押し順が設定されて主制御装置10において記憶されることとなる。
また、疑似ボーナス状態中においては上記同様に計3回の押し順選択ゲームが実行されて、1回目の予想押し順、2回目の予想押し順、3回目の予想押し順が個別に記憶されることとなる。
なお、疑似ボーナス状態中に、遊技者が設定した各予想押し順をメイン演出表示器8において報知するようにしてもよい。
【0142】
また、本実施形態においては、図20に示すように、押し順選択ゲームにおいて、当選している押し順ベル役を入賞させた場合、すなわち、遊技者が任意に選択した予想押し順と、押し順選択ゲームにおいて当選している押し順ベル役に対応する押し順が一致した場合には、詳細は後述するが、押し順判定ゲームにおける1回の判定を、強制的に当たり判定結果に切り替えるための強制当りの抽選が主制御装置10で行われることとなる。
すなわち、図20に示すように、押し順選択ゲームにおいて、所定の特典が付与(役の入賞、あるいは所定数(8枚)の遊技メダルが付与)されることとなる特定の押し順が、「中→右→左」とする押し順ベル役に当選していて、遊技者により中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に停止操作が行われた場合には、強制当りの抽選が行われるのである。
したがって、以降に行われる押し順判定ゲームでの判定基準を設定するための押し順選択ゲームにおける予想押し順が、当該押し順選択ゲームでの押し順ベル役を入賞させるものであった場合には、予想押し順の設定の他に所定の特典が付与されることとなるのである。
また、強制当りの抽選の有無は、計3回の押し順選択ゲームの各々において決定されることとなる。
【0143】
以上のように、疑似ボーナス状態中の前半パートにおいては、計3回の押し順選択ゲームが実行され、各押し順選択ゲームにおいては、遊技者による停止ボタン5の任意の操作により予想押し順が設定されることとなるのである。
すなわち、特定特典付与制御手段としての主制御装置10は、所定のゲーム(押し順選択ゲーム)において、特定役(押し順ベル役)に関わる予想停止態様(予想押し順)として、遊技者が表示手段(リール41)の停止態様を予め設定可能な停止態様設定手段を備えるのである。
したがって、遊技者が任意に予想押し順を設定することが可能となり、AT状態の移行条件の成立に対して遊技者が何ら不信感を持つことなく、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0144】
[押し順判定ゲーム中の演出]
次に、図21を参照して、押し順判定ゲーム中の演出について説明する。
図21は、疑似ボーナス状態中の押し順判定ゲーム、すなわち18ゲーム目と19ゲーム目と20ゲーム目のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合のメイン演出表示器8における演出画像を示している。
前述したように、主制御装置10では、押し順選択ゲームにおいて設定した予想押し順と、押し順判定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順とを判定することとなるが、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、押し順判定ゲームにおいて、以下に示すような表示(演出)を行うようにしている。
【0145】
図21に示すように、押し順判定ゲームにおいては、スタートレバー3が操作されてゲームの開始条件が成立しても、開始から所定時間(例えば、5秒)は、リール41の回転や停止ボタン5の有効化は行われずにゲームの進行が一時的に停止することとなる。
なお、ゲームの進行が一時的に停止している間に、リール41を所定方向(例えば、上方)に所定コマ数(例えば、1コマ)だけ回転させたり、その動作を繰り返したりする所謂リール演出を実行するとともに、効果音をスピーカ9から出力するようにして、遊技者の期待感を向上させるようにしてもよい。
また、押し順判定ゲームの開始条件が成立すると、メイン演出表示器8における画面上方部に、押し順判定ゲームが実行されること、および何回目(図示は1回目)の押し順判定ゲームであることを報知する文字情報と数値情報からなる押し順判定タイトル画像52(図示「ジャッジメント1」)が表示される。
【0146】
また、押し順判定タイトル画像52の下方には、左押し順予想画像53a、中押し順予想画像53b、右押し順予想画像53cが左右方向に並んで構成される押し順予想画像53が表示される。
押し順予想画像53は、円形の囲い枠の内側に数字や記号等が表示されるもので、押し順選択ゲームにおいて、遊技者が予め選択している予想押し順が数字で表示される。例えば、図21に示すように、1回目の押し順選択ゲームにおいて、遊技者により中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に停止操作が行われていた場合には、左押し順予想画像53aには「3」の数字、中押し順予想画像53bには「1」の数字、右押し順予想画像53cには「2」の数字が表示されることとなる。
なお、2回目および3回目の押し順判定ゲームにおいても、上記同様に対応した予想押し順が押し順予想画像53で表示されることとなる。
【0147】
また、メイン演出表示器8の画面左下には、3回の押し順判定ゲームにおける第1判定の結果を報知する履歴画像54が表示される。
履歴画像54は、初期状態では「123」の数字情報のみが表示され、各数字は押し順判定ゲームの回数に対応していて、各押し順判定ゲームにおける第1判定の結果を数字情報に関連付けて表示可能となっている。例えば、1回目の押し順判定ゲームにおける第1判定の結果、両者が一致した場合には、履歴画像54の「1」に円形の囲い枠が付加されることとなる。
【0148】
そして、押し順判定ゲームの開始条件が成立してから所定時間が経過すると、リール41の回転が開始されるとともに、停止ボタン5が有効化されて、当該ゲームにおける第1停止段階(最初のリール41を停止させる段階)に移行することとなる。
また、リール41の回転開始に対応して、メイン演出表示器8における押し順予想画像53の下方に、左押し順ナビ画像55a、中押し順ナビ画像55bおよび右押し順ナビ画像55cから構成される押し順ナビ画像55が表示される。
【0149】
押し順ナビ画像55は、当該押し順判定ゲームにおいて当選している押し順ベル役に対応する押し順を報知するもので、通常は、押し順ナビ画像55の表示と同時に、左押し順ナビ画像55a、中押し順ナビ画像55bおよび右押し順ナビ画像55cの各々に数値情報が表示されて、当選している押し順ベル役に対応する押し順が報知されることとなる。
しかしながら、押し順判定ゲームにおいては、全てのリール41が回転している間は最初に停止操作すべき停止ボタン5(停止すべきリール41)のみが報知される。したがって、図示するように、中押し順ナビ画像55bのみに「1」の数字が表示され、左押し順ナビ画像55aおよび右押し順ナビ画像55cには「?」の記号が表示されて、2番目および3番目に停止操作すべき停止ボタン5は報知されないこととなる。
【0150】
そして、このとき予想押し順(押し順予想画像53)における最初の順番が表示された停止ボタン5の位置(「1」が表示された中押し順予想画像53b)と、当選している押し順ベル役に対応する押し順(押し順ナビ画像55)における最初の順番が表示された停止ボタン5の位置(「1」が表示された中押し順ナビ画像55b)とが比較判定(第1判定)され、両者が一致した場合には、AT状態の移行条件のうちの1つの条件が成立して、主制御装置10において条件カウンタが「+1」されることとなる。
上記条件カウンタは、AT状態の移行条件を成立させる際に用いられるもので、条件カウンタが「2」以上となった場合にAT状態の移行条件が成立することとなる。
【0151】
この状態で、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、図21(c)に示すように、中リール41bが停止するとともに、左押し順ナビ画像55aおよび右押し順ナビ画像55cに数値情報が表示されることとなる。
また、条件カウンタが「1」となった場合、すなわち、1回目の予想押し順と押し順判定ゲームでの押し順における最初に停止操作する停止ボタン5が一致した場合には、図示するように、履歴画像54の「1」に円形の囲い枠が付加されることとなる。
なお、このとき誤操作等により中停止ボタン5bを遊技者が停止操作できなかった場合でも、条件カウンタが「+1」されることとなる。
【0152】
その後、当該ゲームにおける第2停止段階(2番目のリール41を停止させる段階)および第3停止段階(最後のリール41を停止させる段階)に移行することとなり、遊技者は押し順ナビに従って停止ボタン5を停止操作してリール41を停止することとなるが、図21(d)に示すように、第3停止段階の終了後(ゲーム終了後)、予想押し順(押し順予想画像53)における全ての押し順と、当選している押し順ベル役に対応する押し順(押し順ナビ画像55)における全ての押し順とが判定(第2判定)され、両者が一致した場合には、AT状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数(10ゲーム)が加算される可能性があることを報知する上乗せ画像56(図示「+10G」)が表示される。
なお、このときの主制御装置10は、上乗せゲームカウンタの値に上記所定ゲーム数を加算することとなる。
また、上乗せゲームカウンタの値は、その後にAT状態の移行条件が成立した場合に上乗せされるゲーム数であり、この時点では上乗せは確定していないこととなる。
また、両者の押し順の全ては、第2停止段階時でも判定可能であるので、第2判定は、第2停止段階時に行ってもよい。
【0153】
このように、押し順判定ゲームにおいて、遊技者が予め任意に設定した予想押し順と、押し順判定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順とが、主制御装置10において比較判定され、AT状態を移行条件(条件カウンタを更新)させるか否か、およびAT状態の移行条件の成立とは異なる特典として、AT状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数を加算するか否かが決定されることとなるのである。
また、疑似ボーナス状態中においては上記同様に計3回の押し順判定ゲームが実行されて、その結果条件カウンタが「2」以上となった場合に、AT状態の移行条件が付与されることとなる。
【0154】
以上のように、疑似ボーナス状態中の後半パートにおいては、計3回の押し順判定ゲームが実行され、各押し順判定ゲームにおいては、以前に実行された押し順選択ゲームにおいて遊技者が任意に設定した予想押し順と、押し順判定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順と、が主制御装置10において比較判定されることとなるのである。
すなわち、特定特典付与制御手段としての主制御装置10は、所定のゲーム(押し順選択ゲーム)の後のゲーム(押し順判定ゲーム)において、特定役抽選手段(主制御装置10)における抽選結果が複数の特定役(押し順ベル役)の何れかの当選であった場合に、当該当選した特定役に対応する表示手段(リール41)の停止態様と、停止態様設定手段(主制御装置10)により設定された予想停止態様(予想押し順)とを判定可能な判定手段を備えるのである。
なお、上記判定手段で判定されることとなる表示手段の停止態様と予想停止態様は、全ての停止態様でもよいし一部の停止態様でもよい。
【0155】
また、主制御装置10は、第1判定により、予想押し順と、押し順判定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順とを比較判定し、両者における最初の押し順(最初に操作する停止ボタン5の位置)が一致した場合に、条件カウンタの値を更新(「+1」)することとなる。
そして、3回の押し順判定ゲームの結果、条件カウンタの値が所定数(「2」)以上となった場合に、AT状態の移行条件を付与することとなるのである。
すなわち、特定特典付与制御手段としての主制御装置10は、判定手段(主制御装置10)による判定結果に基づき、特定の特典(AT状態)の付与条件を成立させることが可能な特定特典付与条件成立手段を備えるのである。
したがって、疑似ボーナス状態中における遊技の興趣性を向上させるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、予想押し順は、遊技者の任意に設定(選択)することとなるので、遊技者にとって有利なAT状態が発生する過程において、遊技者が何ら不信感を持つことがないばかりか、AT状態が発生した場合には、遊技者の達成感をより向上させることが可能となるのである。例えば、予想押し順を遊技者が設定するのではなく、主制御装置10で自動的に設定した場合には、かりに乱数等を用いて設定したとしても、その設定(生成)過程が遊技者は確認できないことから不信感を持つ可能性が生ずるが、このような事態を防止することが可能となるのである。
【0156】
また、主制御装置10は、押し順判定ゲームにおける複数の停止段階(第1停止段階、第2停止段階、第3停止段階)のうち、最初の停止段階の時点で、第1判定(条件カウンタの値を更新するための判定)を行うのである。
すなわち、判定手段としての主制御装置10は、複数の停止段階における最初の停止段階(第1停止段階)の時点で判定(第1判定)を実行可能とするのである。
したがって、遊技内容をより多彩化することができるとともに、特定の特典の付与に関わる判定を確実に実行することが可能となるのである。
【0157】
また、主制御装置10は、押し順判定ゲームにおける複数の停止段階(第1停止段階、第2停止段階、第3停止段階)のうち、第3停止段階の時点で、第2判定(上乗せゲーム数を加算するための判定)を行うのである。
すなわち、判定手段としての主制御装置10は、最初の停止段階(第1停止段階)の後の停止段階(第3停止段階)において、当選した特定役(押し順ベル役)に対応する表示手段(リール41)の停止態様と、停止態様設定手段(主制御装置10)により設定された予想停止態様(予想押し順)とを判定可能とし、後の停止段階における判定手段による判定結果に基づき特定の特典とは異なる特典(ゲーム数の上乗せ)を付与可能とするのである。
したがって、遊技内容を多彩化することができるとともに、特定の特典とは異なる特典の付与に関わる判定を確実に実行することが可能となるのである。
また、1回のゲームにおける複数の停止段階で、第1判定および第2判定の異なる判定が行われることとなり、遊技内容をより多彩化して、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0158】
なお、本実施形態においては、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームにおいて、メイン演出表示器8で各ゲームに対応する演出を行うようにしているが、当該演出をサブ演出表示器18で行ってもよいし、メイン演出表示器8とサブ演出表示器18の両方で行ってもよい。
また、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームの実行時には、スピーカ9から所定の効果音を出力したり、ランプ11を所定の態様で発光させたりすることが好ましい。
また、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームの各々を、3回実行するようにしているが、実行回数はその他の回数でもよく、また、AT状態の移行条件を、条件カウンタの値が「2」以上となった場合に成立させるようにしているが、条件カウンタの値の閾値は「2」以外でもよい。
また、第1停止段階において第1判定を行うようにして、両者における最初の押し順が一致した場合に、条件カウンタの値を更新(「+1」)するようにしているが、第1判定を第2停止段階もしくは第3停止段階の時点で行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、疑似ボーナス状態中に押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームを実行するようにしているが、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームを通常遊技状態中に実行するようにしてもよい。例えば、AT状態を、疑似ボーナス状態を介さずに通常遊技状態から直接移行させるようにした場合には、押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームを通常遊技状態中に実行することとなる。
【0159】
また、押し順選択ゲームにおいて、最後に停止操作する停止ボタン5(最後に停止するリール41)を選択し、それを第1判定を行うための予想押し順として設定するようにしてもよい。
この場合、押し順判定ゲームにおいて、最初のリール41の停止後にゲームの進行を一時停止状態にして、遊技者の期待感を高めるような煽り演出を行うようにしてもよい。
また、遊技者による予想押し順の設定時の入力手段は、主制御装置10で管理する入力手段であれば停止ボタン5以外の入力手段(例えば、MAXベットボタン2b)でもよい。
また、1回目、2回目の押し順判定ゲームは、従来のような主制御装置10で予想押し順を設定するものとし、最後の押し順判定ゲーム(後1回当たったらAT状態となる押し順判定ゲーム)のみで、遊技者が設定したものを採用するようにしてもよい。この場合は、押し順選択ゲームは疑似ボーナス状態中に1回のみ行われることとなる。
【0160】
また、押し順判定ゲームにおいて、例えば、左停止ボタン5a(左リール41a)を最初に停止操作する押し順ベル役に当選した場合には無条件で当りとし、中停止ボタン5bあるいは右停止ボタン5cの最初に停止操作する押し順のみを遊技者が選択して設定するようにしてもよい。
また、例えば、疑似ボーナス状態の開始時に、予め「自動選択」を選択(例えば、MAXベットボタン2bの操作で選択)できる機能を設け、「自動選択」が設定された場合には、主制御装置10で自動的に全ての押し順選択ゲームでの予想押し順を事前に設定するようにしてもよい。
【0161】
[強制当りの抽選]
次に、図22を参照して、本実施形態における強制当りの抽選について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように、疑似ボーナス状態における前半パートにおいては、主に押し順選択ゲームの実行により遊技者の希望する予想押し順を設定することが行われるが、前半パートにおいては、その他、強制当りの抽選も行うようにしている。
強制当りの抽選は、後半パートにおける押し順判定ゲームでの第1判定の結果に関係なく、条件カウンタを強制的に更新(「+1」)するための抽選である。
したがって、疑似ボーナス状態の前半パートにおけるゲームにおいて、強制当りの抽選が行われ、その抽選に当選した場合には、後半パートに移行する前に条件カウンタが更新されることとなり、遊技者にとって有利となるのである。
【0162】
図22は、主制御装置10において上記強制当りの抽選時に用いられる強制当り抽選テーブルを示している。
強制当りの抽選は、疑似ボーナス状態の前半パートのゲームにおいて、弱レア役(スイカ役、弱チェリー役)と強レア役(強チェリー役、チャンス役)に当選した場合、および図20で示したように、押し順選択ゲームにおいて押し順ベル役が入賞した場合(所定数の遊技メダルが付与された場合)に実行される。
なお、強制当りの抽選は、各ゲーム実行時に抽出される乱数値(256個の乱数値)を用いて実行されることとなるが、図22では、抽出した乱数値のうち当りとなる乱数値の数を示している。
【0163】
図22に示すように、前半パートのゲームにおいて弱レア役に当選した場合には、5/256の確率で強制当りの抽選が当選となり、251/256の確率で強制当りの抽選が非当選となり、強レア役に当選した場合には、10/256の確率で強制当りの抽選が当選となり、246/256の確率で強制当りの抽選が非当選となり、押し順選択ゲームにおいて押し順ベル役が入賞した場合(図示「押し順選択時ベル役入賞」)には、25/256の確率で強制当りの抽選が当選となり、231/256の確率で強制当りの抽選が非当選となるような抽選が行われる。
【0164】
したがって、当選確率の低いレア役に当選した場合には強制当りの抽選が行われることとなり、また、より当選確率の低い強レア役に当選した場合には、当選確率の高い抽選が行われるのである。また、押し順選択ゲームにおいて押し順ベル役が入賞した場合には、さらに当選確率の高い抽選が行われるのである。
そして、前半パートのゲームにおいて、上記抽選に当選する毎に条件カウンタの値が更新(「+1」)されることとなる。
また、このときの条件カウンタの値が更新された場合には、後半パートへの移行前から遊技者にとって有利な状態となるばかりが、当該値がこの時点で所定数(「2」)以上となった場合には、AT状態の移行条件が成立することとなる。すなわち、後半パートに移行する前にAT状態の移行条件が成立することも可能となるのである。
【0165】
以上のように、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の前半パートにおいても、AT状態の移行条件の成立に関わる強制当りの抽選が行われるのである。
そして、強制当りの抽選結果が当選となった場合には、条件カウンタの値が更新されることとなるが、このときの値が所定数(「2」)以上となった場合には、AT状態の移行条件が成立することとなるのである。
すなわち、特定特典付与条件成立手段としての主制御装置10は、押し順判定ゲームが実行される以前において、特定の特典(AT状態)の付与条件を成立させることを可能するのである。
したがって、疑似ボーナス状態の実行期間を通して、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0166】
なお、強制当りの抽選に当選した場合には、例えば、その旨をメイン演出表示器8において報知することが好ましい。
また、強制当りの抽選は、上記した契機以外でもよく、前半パートにおいて予め設定されている契機に基づき強制当りの抽選を行うようにしてもよい。また、後半パートにおいてレア役に当選した場合にも、上記同様の強制当りの抽選を行うようにしてもよい。
また、強制当りの抽選に当選する確率は、上記した傾向が形成できるものであれば、上記以外でもよい。
また、強制当りの抽選に当選する確率を、確率設定装置16における設定値に応じて変更するようにしてもよい。
【0167】
[押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームの履歴情報]
次に、図23を参照して、本実施形態における押し順選択ゲームおよび押し順判定ゲームの履歴情報について説明する。
前述したように、本実施形態においては、押し順選択ゲームにおいて遊技者により予想押し順が設定され、その後、押し順判定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順(押し順結果)と、予想押し順との比較判定が行われることとなるが、副制御装置20では、過去の予想押し順、押し順結果、および判定結果を、押し順判定ゲーム毎に記憶部に記憶して履歴情報を生成するとともに、履歴情報の表示条件の成立に基づき、当該履歴情報をメイン演出表示器8に表示するようにしている。
履歴情報の表示条件は、ゲームが実行されていない間における第1演出ボタン2gの操作により成立するようにしているが、遊技者の操作により成立するものであれば、その他でもよく、例えば、第2演出ボタン2hの操作や、サブ演出表示器18をタッチパネル式の表示器で構成し、タッチパネルへのタッチ操作で成立するようにしてもよい。
【0168】
図23は、履歴情報の表示条件が成立した場合におけるメイン演出表示器8の表示内容を示している。
図23に示すように、履歴情報の表示条件が成立すると、メイン演出表示器8の画面主要部に履歴情報画像49が表示される。
履歴情報画像49で表示される履歴情報は、その時点から遡って所定回数前までに実行された押し順判定ゲーム毎に、そのときの予想押し順、押し順結果、判定結果を表形式で表示するものである。
【0169】
具体的には、図示するように、1回前の押し順判定ゲーム(図示「1回前」)では、予想押し順が「左→中→右」(図示「左中右」)であり、押し順結果が「右→左→中」(図示「右左中」)であり、判定結果が第1判定および第2判定が共に不一致(図示「ハズレ」)であることが表示され、2回前の押し順判定ゲーム(図示「2回前」)では、予想押し順が「中→右→左」(図示「中右左」)であり、押し順結果が「中→左→右」(図示「中左右」)であり、判定結果が第1判定のみが一致(図示「正解」)であることが表示され、3回前の押し順判定ゲーム(図示「3回前」)では、予想押し順が「右→中→左」(図示「右中左」)であり、押し順結果が「右→中→左」(図示「右中左」)であり、判定結果が第1判定および第2判定の双方が一致(図示「大正解」)であることが表示される。
なお、判定結果が第1判定のみが一致の場合、両者における最初の押し順の箇所が円形の画像で囲われ、判定結果が第1判定および第2判定の双方が一致の場合、両者における押し順の全体が円形の画像で囲われて、判定態様が詳細に報知される。
【0170】
このように、履歴情報が表示されることで、遊技者は、例えば、押し順選択ゲームの直前において、過去の予想押し順、押し順結果、判定結果を確認することができ、過去の結果を参考にして今回の予想押し順を選択することが可能となるので、遊技者の満足感を向上させることが可能となるのである。
なお、本実施形態においては、履歴情報として過去3回分の押し順判定ゲーム分の情報を表示するようにしているが、4回以上前の押し順判定ゲーム分の情報を表示するようにしてもよい。
【0171】
[押し順選択ゲームに関連する変形例1]
次に、図24を参照して、本実施形態における押し順選択ゲームに関連する変形例1について説明する。
なお、本変形例1を含み以降に説明する各変形例においては、予想押し順の設定に関わる制御のみが前述した実施形態と異なり、その他は前述した実施形態と同様なので、異なる箇所のみ説明する。
【0172】
まず、本変形例1においては、6種類の押し順ベル役、すなわち、特定の押し順を「左→中→右」とする押し順ベル役1、特定の押し順を「左→右→中」とする押し順ベル役2、特定の押し順を「中→左→右」とする押し順ベル役3、特定の押し順を「中→右→左」とする押し順ベル役4、特定の押し順を「右→左→中」とする押し順ベル役5、特定の押し順を「右→中→左」とする押し順ベル役6の当選確率に関して、押し順ベル役1と2、すなわち、左リール41aを最初に停止させた場合に入賞となる押し順ベル役の当選確率を、他の押し順ベル役の当選確率よりも低く設定するようにしている。
そして、押し順選択ゲームにおいて、遊技者が予想押し順を、押し順ベル役1あるいは押し順ベル役2に対応する押し順に設定し、さらに押し順判定ゲームにおける第1判定において当選した場合には、所定の特典の付与として、AT状態に移行した場合に、初期ゲーム数に所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)を加算するようにしている。
【0173】
図24は、本変形例1における疑似ボーナス状態中の押し順選択ゲーム、すなわち5ゲーム目と10ゲーム目と15ゲーム目のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合のメイン演出表示器8における演出画像を示している。
図24に示すように、押し順選択ゲームが開始されると、メイン演出表示器8の画面における左押し順選択結果画像51aの上方に、「特典」の文字情報からなる特典画像57が表示される。
特典画像57は、左停止ボタン5aを最初に停止操作(左リール41aを最初に停止)する予想押し順を選択した場合には、所定の特典が付与される可能性があることを示すものである。
したがって、左押し順選択結果画像51aに「1」を設定した場合には、当該押し順選択ゲームに対応する押し順判定ゲームにおいて、押し順ベル役1あるいは押し順ベル役2に当選した場合には、所定の特典が付与されることとなる。
【0174】
以上のように、本変形例1においては、主制御装置10は、遊技者による任意の操作により、相対的に当選確率の低い押し順ベル役1あるいは押し順ベル役2に対応する押し順を予想押し順として設定可能として、対応する押し順判定ゲームにおける第1判定で両者が一致した場合には、所定の特典を付与するようにしているのである。
したがって、第1判定で両者が一致する確率は低くなるが、一致した場合には所定の特典が付与されることとなるので、射幸性が適度に高められて遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
なお、上記所定の特典の付与としては、初期ゲーム数に所定ゲーム数を上乗せする以外でもよく、例えば、条件カウンタの値を更新(「+1」)するようにしてもよい。
また、押し順ベル役1と2の当選確率を他の押し順ベル役よりも低く設定するようにしているが、押し順ベル役1と2の当選確率を他の押し順ベル役よりも低く設定されていれば、他の押し順ベル役の当選確率は同一のものでもよいし異なるものでもよい。
【0175】
[押し順選択ゲームに関連する変形例2]
次に、図25を参照して、本実施形態における押し順選択ゲームに関連する変形例2について説明する。
本変形例2においては、一旦押し順選択ゲームにおいて設定した予想押し順を、遊技者の任意の操作により変更可能としている。
【0176】
図25は、本変形例2における疑似ボーナス状態中のゲーム内容を示している。
図25に示すように、前述同様に、疑似ボーナス状態の5ゲーム目(タイミングt11)、10ゲーム目(タイミングt12)、15ゲーム目(タイミングt13)には押し順選択ゲームが実行されることとなるが、各押し順選択ゲームで設定した予想押し順を、各押し順選択ゲーム後の所定期間において変更可能としている。
【0177】
すなわち、図示するように、各押し順選択ゲーム後において所定数のゲーム(例えば、5ゲーム)が実行される期間を変更可能期間として、この変更可能期間において実行される所定のゲームにおいて、再度予想押し順を遊技者が設定することで、直前に設定した予想押し順を再設定した予想押し順に変更可能とするのである。
なお、予想押し順の再設定(変更)の態様はいずれの態様でもよいが、例えば、当該変更可能期間においてリプレイ役に当選した場合に、リプレイ役に当選したこと、および逆押し操作(右→中→左)によりリール41を停止させれば、予想押し順の再設定が可能であることを報知し、当該ゲームにおいて逆押し操作が行われた場合には、主制御装置10は、予想押し順の再設定の入力があると判断し、その後に押し順ベル役に当選したゲームにおいて、再度前述と同様の押し順選択ゲームを実行すればよい。また、変更可能期間におけるゲームが実行されていないゲーム間において、MAXベットボタン2bの押圧操作を所定時間(例えば、5秒)継続することで、主制御装置10が予想押し順の再設定の入力(遊技者による予想押し順の変更の希望)があると判断し、その後に押し順ベル役に当選したゲームにおいて、再度押し順選択ゲームを実行するようにしてもよい。
【0178】
以上のように、本変形例2においては、一旦設定した予想押し順を取り消して、遊技者の任意の操作により再度予想押し順を設定可能とするのである。
すなわち、主制御装置10は、停止態様設定手段(主制御装置10)により設定された予想停止態様(予想押し順)を、遊技者が変更可能な予想停止態様変更手段を備えるのである。
したがって、遊技者は一旦設定した予想押し順を変更して新たな予想押し順に設定し直すことが可能となるので、予想押し順の設定後において心境の変化等が生じた場合でも遊技者の満足感を向上させることが可能となるのである。
なお、新たな予想押し順に再設定した後、さらに予想押し順を上記同様の手順で変更可能にしてもよい。
【0179】
[押し順選択ゲームに関連する変形例3]
次に、図26図27を参照して、本実施形態における押し順選択ゲームに関連する変形例3について説明する。
本変形例3においては、押し順選択ゲームにおける遊技者による予想押し順の他に、押し順判定ゲームの実行時期を遊技者が予め予想して設定可能な機能を設けるようにしている。
【0180】
図26は、本変形例3における疑似ボーナス状態中のゲーム内容を示している。
図26に示すように、前述同様に、疑似ボーナス状態の後半パートでは、後半パートに移行してから最初に押し順ベル役に当選したゲーム(タイミングt21でのゲーム)が最初の押し順判定ゲームとなるが、後半パートに移行しても押し順ベル役に当選しなかった場合には、最初の押し順判定ゲームは待機することとなる。
本変形例3においては、後半パートに移行(タイミングt20)してから最初の押し順判定ゲームが実行されるゲーム数を予め遊技者が任意に予想ゲーム数として設定可能とし、この設定した予想ゲーム数と、実際に最初に押し順判定ゲームが実行されたゲーム数とを比較判定して、両者が一致した場合に、所定の特典を付与するようにしている。
上記所定の特典の付与としては、AT状態に移行した場合に、初期ゲーム数に所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)を加算するようにしているが、遊技者にとって有利となるものであればその他の特典を付与するようにしてもよい。
【0181】
図27は、本変形例3における予想ゲーム数の設定態様を示している。
遊技者による予想ゲーム数の設定は、例えば、疑似ボーナス状態の前半パートの開始から最初にリプレイ役に当選したゲーム中に行われ、当該ゲーム中には、図27に示すように、メイン演出表示器8の画面に、各々「?」の記号が表示された左押し順ナビ画像55a、中押し順ナビ画像55bおよび右押し順ナビ画像55cが表示されるとともに、各ナビ画像の上方に、遊技者が予想する予想ゲーム数を示す予想ゲーム数画像60が表示される。
予想ゲーム数画像60は、左押し順ナビ画像55aの上方に表示され、予想ゲーム数を「1ゲーム目」とする左予想ゲーム数画像60a(図示「1G目」)と、中押し順ナビ画像55bの上方に表示され、予想ゲーム数を「2ゲーム目」とする中予想ゲーム数画像60b(図示「2G目」)と、右押し順ナビ画像55cの上方に表示され、予想ゲーム数を「3ゲーム以上」とする右予想ゲーム数画像60c(図示「3G以上」)とから構成される。
【0182】
そして、遊技者が予想ゲーム数を「1ゲーム目」とする場合には、当該ゲームにおいて最初に左停止ボタン5aを停止操作(左リール41aを停止)し、予想ゲーム数を「2ゲーム目」とする場合には、当該ゲームにおいて最初に中停止ボタン5bを停止操作(中リール41bを停止)し、予想ゲーム数を「3ゲーム以上」とする場合には、当該ゲームにおいて最初に右停止ボタン5cを停止操作(右リール41cを停止)することで、主制御装置10において予想ゲーム数が設定されることとなる。
主制御装置10では、予め設定されて記憶保持した予想ゲーム数と、後半パートにおいて実際に押し順判定ゲームが実行されたゲーム数とを比較判定することとなり、比較判定により両者が一致した場合には、AT状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数を上乗せする権利を付与することとなる。ただし、この時点ではまだAT状態の移行は確定していないので、ゲーム数の上乗せは行われない。
なお、両者が一致した場合には、当該一致したこと、あるいは所定の特典が付与される可能性があることをメイン演出表示器8の画面上で報知することが好ましい。
【0183】
以上のように、本変形例3においては、疑似ボーナス状態の後半パートにおいて、最初に押し順判定ゲームが実行されるゲーム数、すなわち主制御装置10での第1判定(あるいは第2判定)が実際に行われるゲーム数を、遊技者が予め任意に予想してそのゲーム数を予想ゲーム数として設定可能とするのである。
すなわち、主制御装置10は、判定手段(主制御装置10)が能動化するゲームを、予想ゲーム数として遊技者が予め設定可能な予想ゲーム数設定手段を備えるのである。
したがって、遊技者は、予想押し順の他に、予想ゲーム数も設定することが可能となり、より遊技内容が多彩化して遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、予想ゲーム数が一致した場合には、予想押し順の一部が一致しなかった場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
なお、遊技者による予想ゲーム数の設定を、疑似ボーナス状態の前半パートの開始から最初にリプレイ役に当選したゲーム中に行うようにしているが、遊技者が任意に予想ゲーム数を設定できれば、後半パートでのいずれのゲーム中に実行するようにしてもよい。
【0184】
<押し順当てゲーム>
次に、図28図36を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における押し順当てゲーム、および押し順当てゲームに関連する制御等について詳しく説明する。
【0185】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、AT状態を、ゲームの実行により残ゲーム数が減算される通常AT状態と、通常AT状態よりもゲーム数の上乗せ制御が有利に行われる特化ゾーンとにより制御可能とし、初期時には通常AT状態に移行させ、通常AT状態中に特化ゾーン移行条件が成立した場合に、特別の特典の付与として所定期間特化ゾーンに移行させるようにしている。
すなわち、主制御装置10は、遊技者に対して特別の特典(特化ゾーン)を付与するための制御を実行可能な特別特典付与制御手段を備えるのである。
特化ゾーン移行条件は、図28に示すように、通常AT状態中に実行される特化ゾーン移行決定ゲームのゲーム結果により成立可能とし、特化ゾーン移行決定ゲームでのゲーム結果が特定の結果となった場合に特化ゾーン移行条件が成立して、AT状態中の遊技状態が通常AT状態から特化ゾーンに移行するものとなる(図28の矢印g)。
また、特化ゾーン移行決定ゲームは、通常AT状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、30%の確率)で実行される。
なお、特化ゾーン移行決定ゲームの実行は、通常AT状態中に所定確率で決定されるものであれば上記以外でもよい。例えば、通常AT状態中に所定の役(例えば、リプレイ役)に当選した場合に、ポイントを所定数付与し、このポイントが所定数に達した場合に、特化ゾーン移行決定ゲームを実行あるいは当該実行を決定するための抽選を行うようにしてもよい。
【0186】
特化ゾーンに移行した場合は、残ゲーム数の減算処理が停止するとともに当該期間中に実行されるゲームにおいて、残ゲーム数に対する上乗せ抽選が通常AT状態よりも遊技者にとって有利に行われることとなる。例えば、通常AT状態中において強チェリー役に当選した場合には、20%の確率で20ゲームが残ゲーム数に加算されるが、特化ゾーン中において強チェリー役に当選した場合には、100%の確率で30ゲームが残ゲーム数に加算されることとなる。
そして、特化ゾーン中に実行されたゲーム数が所定数(例えば、10回)となった場合に、AT状態中の遊技状態が特化ゾーンから通常AT状態に移行するものとなる(図28の矢印h)。
【0187】
特化ゾーン移行決定ゲームは、押し順ベル役に当選したことを条件に実行され、そのゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させた場合に特化ゾーン移行条件が成立するものとなっている。したがって、特化ゾーン移行決定ゲームは、当選した押し順ベル役に対応する押し順に対して、遊技者が予想した押し順と一致させる押し順当てゲームとして実行される。
すなわち、特別特典付与制御手段としての主制御装置10は、複数の特定役(押し順ベル役)の何れかが当選した所定のゲームにおいて、所定の特典が付与(例えば、8枚の遊技メダルが付与)されたことに基づき特別の特典を付与可能とするのである。
なお、主制御装置10では、押し順当てゲームにおいて、当選している押し順ベル役に対応する図柄組合せが停止したことに基づき、特化ゾーン移行条件を成立させるようにしてもよい。
【0188】
また、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)では、当選した押し順ベル役に対応する押し順に対して、AT状態中におけるその他のゲームと同様に押し順ナビを行う態様と、押し順ナビを全く行わない態様と、押し順ナビの一部のみを行う態様とのいずれかの態様により押し順ナビの実行制御が行われる。
すなわち、特別特典付与制御手段としての主制御装置10は、複数の特定役(押し順ベル役)に対応する表示手段(リール41)の停止態様に関わる報知の制御(押し順ナビの制御)を実行可能な報知制御手段を備えるのである。
したがって、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)において押し順ナビが全く行われなかった場合や、押し順ナビの一部のみしか行われなかった場合には、当選した押し順ベル役に対応する押し順を予想して、遊技者が任意の順序で所定の停止ボタン5を停止操作することとなるが、押し順ナビが全て行われた場合には、押し順ナビに従って停止ボタン5を停止操作すれば特化ゾーン移行条件が成立することとなる。
なお、押し順ナビが全て行われた場合、あるいは、押し順ナビの一部が行われた場合に、遊技者の誤操作等により押し順ナビとは異なる停止操作を行ってしまった結果、当選した押し順ベル役を入賞させることができなかった場合には、救済として特化ゾーン移行条件を成立させることが好ましい。
また、押し順ナビは、主制御装置10からの制御情報に基づき副制御装置20によりメイン演出表示器8で実行されることとなるので、報知制御手段は、主制御装置10と副制御装置20の協働で構成されるものと捉えることもできる。
【0189】
[押し順当てゲームにおける押し順ナビ態様の抽選]
次に、図29図30を参照して、本実施形態における押し順当てゲームにおける押し順ナビ態様の抽選について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように、通常AT状態中における特化ゾーン移行決定ゲームにおいて押し順当てゲームを実行することとなるが、押し順当てゲームにおいては、押し順ナビの態様を複数態様で実行可能としている。
また、主制御装置10においては、上記押し順ナビの態様の決定に際して、2つの決定制御を実行するようにしていて、最初のリール41を停止させる前に実行される押し順ナビの態様である第1ナビ態様と、2番目のリール41を停止させる前に実行される押し順ナビの態様である第2ナビ態様との2つの段階で別々に押し順ナビの態様を決定するようにしている。
【0190】
すなわち、ゲームが開始されてから最初のリール41を停止させるまでに実行される第1段階目の押し順ナビ(第1押し順ナビ)の態様と、最初のリール41が停止してから2番目のリール41を停止させるまでに実行される第2段階目の押し順ナビ(第2押し順ナビ)の態様と、を別個に決定するのである。
各押し順ナビの態様の決定は、主制御装置10において、特化ゾーン移行決定ゲームの移行契機となったゲーム開始時における乱数の抽出に基づく抽選により行われることとなる。
なお、各押し順ナビの態様の決定は、特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前であればいずれの時期で行うようにしてもよい。
また、2番目のリール41が停止してから3番目のリール41を停止させるまでに実行される押し順ナビの態様も存在するが、最後の押し順ナビの態様の決定に関しては、第2段階目の押し順ナビの態様の決定時に自動的に決定されることとなる。
【0191】
まず、図29を参照して、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)における第1段階目の押し順ナビの態様である第1ナビ態様の決定について説明する。
図29は、第1ナビ態様を決定する際(第1ナビ態様の抽選時)に、主制御装置10で用いられる第1ナビ態様抽選テーブルを示している。
前述したように、通常AT状態中における特化ゾーン移行決定ゲームは、強チェリー役の当選時の所定確率で実行されることとなるが、強チェリー役に当選したゲームの実行時に、乱数値(256個の乱数値)を抽出することで第1ナビ態様の抽選が行われる。
なお、強チェリー役に当選しても特化ゾーン移行決定ゲームが実行されない場合もあるが、その場合には第1ナビ態様の抽選を行わないようにしてもよいし、第1ナビ態様の抽選は行うが抽選結果を無効としてもよい。
【0192】
また、第1ナビ態様の抽選は、確率設定装置16での設定値に応じて異なる抽選が行われることとなる。
なお、図29では、抽出した乱数値のうち当りとなる乱数値の数を示している。
また、表中の「ナビ無」は、押し順ナビが全く行われない態様を示している。
また、「一部ナビA」は、最初に停止操作すべきでない2つの停止ボタン5(最初に停止すべきでない2つのリール41)のうちの1つを報知する押し順ナビ態様、すなわち、選択肢を2択にする態様であることを示している。例えば、当選した押し順ベル役に対応する押し順が「中→右→左」であった場合には、「左」と「右」が停止操作すべきでない停止ボタン5となるが、このうちの「左」のみを停止操作すべきでない停止ボタン5として報知し、その他の押し順は報知しない態様を示している。
また、「一部ナビB」は、最初に停止操作すべき停止ボタン5(最初に停止すべきリール41)のみを報知し、その他の押し順は報知しない押し順ナビ態様を示している。
「全ナビ」は、押し順ナビを全て行う態様、すなわち、当選した押し順ベル役に対応する押し順を全て報知する態様を示している。
なお、「一部ナビB」と「全ナビ」が選択された場合には、第1段階目の押し順を一致させることが可能となるが、「全ナビ」が選択された場合には、第1段階目の他にこの時点で第2段階目の押し順も一致させることが可能となるのである。
【0193】
図29に示すように、例えば、確率設定装置16の設定値が「1」であった場合には、第1ナビ態様が「ナビ無」となる確率が60/256となり、「一部ナビA」となる確率が130/256となり、「一部ナビB」となる確率が41/256となり、「全ナビ」となる確率が25/256となるような抽選が行われる。
また、説明は省略するが、他の設定値においても図示するような各確率で抽選が行われる。
【0194】
以上のように、主制御装置10は、通常AT状態中のゲームにおける強チェリー役の当選時に、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)における第1段階目の押し順ナビの態様である第1ナビ態様の決定を行うのである。
すなわち、報知制御手段としての主制御装置10は、表示手段(リール41)を停止する際の1段階目の停止態様に対応する第1報知態様(第1ナビ態様)を決定する制御を実行可能な第1報知態様決定制御手段を備えるのである。
また、第1ナビ態様には、「ナビ無」、「一部ナビA」、「一部ナビB」、「全ナビ」が含まれ、これらのうちのいずれかが選択されて第1ナビ態様が決定されるのである。
すなわち、第1報知態様決定制御手段としての主制御装置10は、少なくとも、当選した特定役(押し順ベル役)に対応する1段階目における表示手段(リール41)の停止態様を報知する報知態様(例えば、「全ナビ」)と、当選した特定役に対応する1段階目における表示手段の停止態様を報知しない報知態様(例えば、「ナビ無」)とを含む複数の報知態様のうちのいずれかにより第1報知態様(第1ナビ態様)を決定可能とするのである。
したがって、第1ナビ態様が多彩化して遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0195】
また、第1ナビ態様の抽選確率は、確率設定装置16の設定値に応じて変更可能となるのである。
すなわち、第1報知態様決定制御手段としての主制御装置10は、複数の報知態様からいずれかを選択して第1報知態様(第1ナビ態様)を決定可能とし、第1報知態様を選択する際の選択確率を変更可能とするのである。
したがって、第1ナビ態様の抽選確率を自由に変更することが可能となり、例えば、外部操作(例えば、遊技店側の操作)により第1ナビ態様の抽選確率を変更するようにすれば、遊技店の営業方針に応じた第1ナビ態様の抽選を実行することが可能となるのである。
【0196】
また、第1ナビ態様の抽選は、確率設定装置16の設定値に応じて実行される結果、確率設定装置16の設定値が高くなるほど「ナビ無」や「一部ナビA」が選択される確率が低くなり、確率設定装置16の設定値が高くなるほど「一部ナビB」や「全ナビ」が選択される確率が高くなるのである。
第1ナビ態様に対する遊技者にとっての有利度は、「ナビ無」→「一部ナビA」→「一部ナビB」→「全ナビ」の順に高くなるので、確率設定装置16の設定値が高くなるほど、遊技者にとって有利な第1ナビ態様が決定されることとなるのである。
したがって、設定値が高い場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0197】
なお、上記傾向が形成できるものであれば、各確率は上記以外でもよい。
また、強チェリー役の当選時に、特化ゾーン移行決定ゲームを実行するか否か、および第1段階目の押し順ナビの態様である第1ナビ態様の決定を行うための抽選を実行するようにしているが、他の役の当選時に上記決定を行うための抽選を行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、特化ゾーン移行決定ゲームを、所定のレア役の当選時の所定確率で実行するようにしているが、確率設定装置16の設定値が高いほど、所定のレア役の当選時に高い確率で特化ゾーン移行決定ゲームを実行するようにしてもよい。
また、通常AT状態に移行する時点で、特化ゾーン移行決定ゲームを実行する権利を所定確率で付与可能とし、通常AT状態に移行した直後、あるいは、通常AT状態に移行してから所定数のゲームが実行されたときに特化ゾーン移行決定ゲームを実行するようにしてもよい。この場合、第1ナビ態様の決定を行うための抽選は、特化ゾーン移行決定ゲームの開始時に行えばよい。
【0198】
次に、図30を参照して、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)における第2段階目の押し順ナビの態様である第2ナビ態様の決定について説明する。
図30は、第2ナビ態様を決定する際(第2ナビ態様の抽選時)に、主制御装置10で用いられる第2ナビ態様抽選テーブルを示している。
第2ナビ態様の抽選は、第1ナビ態様の抽選と同様に、特化ゾーン移行決定ゲームの契機役(強チェリー役)に当選したゲームの開始時に、乱数値(256個の乱数値)を抽出することで第2ナビ態様の抽選が行われる。なお、図30では、抽出した乱数値のうち当りとなる乱数値の数を示している。
なお、第2ナビ態様の決定を行うための抽選は、特化ゾーン移行決定ゲームの開始時に行うようにしてもよい。
【0199】
また、第2ナビ態様の抽選は、ナビカウンタの値に応じて異なる抽選が行われることとなる。
ナビカウンタは、通常AT状態中のゲームにおいてスイカ役に当選した場合に「+1」されるカウンタであり、このカウンタの値に応じて第2ナビ態様の抽選結果が異なるような抽選が行われるのである。
したがって、第1ナビ態様の抽選は、確率設定装置16での設定値に応じて異なる抽選が行われるのに対して、第2ナビ態様の抽選は、通常AT状態中のゲーム結果に応じて異なる抽選が行われることとなるのである。
また、第2段階目の押し順ナビでは、既に1つのリール41が停止していて2つのリール41に対する押し順ナビとなるので、第2ナビ態様の種類の選択肢は、「ナビ無」と「全ナビ」のみとなる。
ナビカウンタの値の初期化は、遊技区間が通常区間に移行するときの他、AT状態から通常遊技状態に移行するときに行われるが、AT状態から通常遊技状態に移行するときには初期化を行わないようにしてもよい。
【0200】
なお、通常AT状態中におけるナビカウンタの値の更新は、スイカ役に当選した場合に「+1」する以外に、通常AT状態中におけるゲーム内容に応じて変化するものであればいずれでもよく、例えば、スイカ役以外のレア役に当選した場合に所定数を加算するようにしてもよいし、押し順ベル役やリプレイ役に当選した場合に所定数を加算するようにしてもよいし、ゲームが実行される毎に所定数を加算するようにしてもよいし、当選した役の種類に応じて加算する値を変更するようにしてもよい。また、所定のレア役(例えば、スイカ役)に当選した場合の所定確率(例えば、50%)で所定数(例えば「1」)を加算するようにしてもよい。
【0201】
まず、図30(a)は、ナビカウンタの値が「0」~「4」の場合の第2ナビ態様抽選テーブルを示している。
図30(a)に示すように、ナビカウンタの値が「0」~「4」であった場合には、第2ナビ態様が「ナビ無」となる確率が180/256となり、「全ナビ」となる確率が76/256となるような抽選が行われる。
【0202】
次に、図30(b)は、ナビカウンタの値が「5」~「9」の場合の第2ナビ態様抽選テーブルを示している。
図30(b)に示すように、ナビカウンタの値が「5」~「9」であった場合には、第2ナビ態様が「ナビ無」となる確率が100/256となり、「全ナビ」となる確率が156/256となるような抽選が行われる。
【0203】
次に、図30(c)は、ナビカウンタの値が「10」以上の場合の第2ナビ態様抽選テーブルを示している。
図30(c)に示すように、ナビカウンタの値が「10」以上であった場合には、第2ナビ態様が「ナビ無」となる確率が0/256となり、「全ナビ」となる確率が256/256となるような抽選が行われる。
なお、第1ナビ態様の抽選時に「全ナビ」が選択された場合には、ナビカウンタの値に関係なく第2ナビ態様も強制的に「全ナビ」が選択されることとなる。
【0204】
以上のように、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)における第2段階目の押し順ナビの態様である第2ナビ態様の決定が、第1ナビ態様の決定とは別個に主制御装置10により行われるのである。
すなわち、報知制御手段としての主制御装置10は、表示手段(リール41)を停止する際の2段階目の停止態様に対応する第2報知態様(第2ナビ態様)を決定する制御を実行な可能な第2報知態様決定制御手段を備えるのである。
また、第2ナビ態様には、「ナビ無」、「全ナビ」が含まれ、これらのうちのいずれかが選択されて第2ナビ態様が決定されるのである。
すなわち、第2報知態様決定制御手段としての主制御装置10は、当選した特定役(押し順ベル役)に対応する2段階目における表示手段の停止態様を報知する報知態様(「全ナビ」)と、当選した特定役に対応する2段階目における表示手段の停止態様を報知しない報知態様(「ナビ無」)とのうちのいずれかにより第2報知態様を決定可能とするのである。
したがって、第2ナビ態様が多彩化して遊技の興趣性を向上させることが可能となる他、第1ナビ態様との組み合わせによりナビ態様がより多彩化することとなるので、より遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0205】
また、第1ナビ態様の決定は、強チェリー役の当選に基づき実行されるのに対して、第2ナビ態様の決定は、スイカ役の当選に基づき更新されるナビカウンタの値に基づき実行されるのである。
すなわち、第1報知態様決定制御手段としての主制御装置10は、第1の役(強チェリー役)の当選に基づき第1報知態様(第1ナビ態様)を決定可能とし、第2報知態様決定制御手段としての主制御装置10は、第2の役(スイカ役)の当選に関連して第2報知態様を決定可能とするのである。
したがって、第1ナビ態様と第2ナビ態様の決定が、異なる役の当選を契機に実行されることとなるので、遊技者の期待感が種々変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0206】
また、第2ナビ態様の抽選は、ナビカウンタの値に応じて実行される結果、ナビカウンタの値が大きくなるほど「ナビ無」が選択される確率が低くなり、ナビカウンタの値が大きくなるほど「全ナビ」が選択される確率が高くなるのである。
したがって、通常AT状態中のゲームの結果に応じて第2ナビ態様が種々変化するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるとともに、ナビカウンタの値が大きくなった場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、ナビカウンタの値は、通常AT状態中のゲームの結果に応じて更新されることから、特化ゾーンへの移行に対する興趣性や期待感を通常AT状態中において向上させることが可能となるのである。
【0207】
また、第1ナビ態様と第2ナビ態様の決定を別個に実行、すなわち、第1ナビ態様は確率設定装置16の設定値に応じた抽選で決定し、第2ナビ態様はナビカウンタの値に応じた抽選で決定することから、特化ゾーン移行決定ゲーム中の押し順ナビの態様を従来にない多彩なものにすることが可能となるとともに、かりに一方のナビ態様が遊技者にとって不利なものとなった場合でも遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0208】
なお、通常AT状態中における所定条件の成立に基づき、所定期間(例えば、20ゲーム間)高期待度期間に制御可能とし、この高期待度期間において特化ゾーン移行決定ゲームが実行された場合には、高期待度期間以外の期間で実行された場合よりも、遊技者にとって有利に第1ナビ態様および/または第2ナビ態様が決定されるような抽選確率変更制御手段を主制御装置10に備えるようにしてもよい。また、高期待度期間を第1ナビ態様および第2ナビ態様毎に異なる契機で発生可能としてもよいし、異なる期間発生可能としてもよい。
また、第1ナビ態様および第2ナビ態様の決定を個別に実行し、かつ各ナビ態様の抽選に用いられる要因を別々に設定するものであれば上記以外でもよく、例えば、第1ナビ態様の抽選を、通常AT状態中における所定のレア役の当選に基づき更新されるカウンタの値に基づき実行し、第2ナビ態様の抽選を、通常AT状態中に実行されたゲーム数に基づき実行するようにしてもよい。
また、詳細は後述するが、通常AT状態中においては、メイン演出表示器8でその時点のナビカウンタの値に基づき、第2ナビ態様の種類が報知されることとなる。
【0209】
[押し順当てゲームの事前報知]
次に、図31を参照して、押し順当てゲームの事前報知について説明する。
図31は、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)の実行が決定されたゲーム終了後にメイン演出表示器8に表示される演出画像を示している。
【0210】
前述したように、通常AT状態中においては、所定のレア役に当選した場合の所定確率で特化ゾーン移行決定ゲームが実行されることとなるが、特化ゾーン移行決定ゲームの実行が決定されたゲーム終了後においては、第1ナビ態様および第2ナビ態様の事前報知が行われる。
本実施形態においては、図示は省略するが、強チェリー役の当選に基づき特化ゾーン移行決定ゲームが決定された場合に、当該ゲーム中に特化ゾーン移行決定ゲームに移行するか否かの演出をメイン演出表示器8で実行するようにしている。例えば、当該ゲーム中に宝箱を表示し、宝箱の中から宝物が現出したら特化ゾーン移行決定ゲームに移行することを報知するような演出を実行するようにしている。
そして、特化ゾーン移行決定ゲームへの移行が決定された場合には、押し順当てゲームの事前報知、すなわち、当該ゲームの終了後にその時点で決定されている第1ナビ態様および第2ナビ態様の事前報知を行うのである。
【0211】
なお、第1ナビ態様および第2ナビ態様の事前報知は、特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前であればいずれの時期でもよく、例えば、特化ゾーン移行決定ゲームが決定されたゲーム終了後ではなく、次ゲームで事前報知専用のゲームを実行し、このゲーム中に第1ナビ態様および第2ナビ態様の事前報知を行うようにしてもよい。
また、強チェリー役の当選後に所定数(例えば、3回)のゲーム間において連続演出を実行し、連続演出の結果により特化ゾーン移行決定ゲームへ移行するか否かを報知するようにしてもよい。この場合にも、連続演出の最終ゲーム終了後に第1ナビ態様および第2ナビ態様の事前報知を行うこととなる。
【0212】
図31は、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、押し順当てゲームの事前報知が行われた場合のメイン演出表示器8での演出画像を示し、第1ナビ態様および第2ナビ態様の組み合わせの一部を示している。
まず、図31(a)は、第1ナビ態様が「全ナビ」で決定され、第2ナビ態様も「全ナビ」で決定された場合のメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図31(a)に示すように、押し順当てゲームの事前報知が行われると、メイン演出表示器8の画面下部に、押し順当てゲームが行われること、および今回の第1ナビ態様および第2ナビ態様が報知されることを示す文字情報からなる事前報知タイトル画像70(図示「今回のナビパターン」)が表示される。
【0213】
また、メイン演出表示器8の画面左側には、第1ナビ態様の表示位置を示す第1ナビ態様位置画像71(図示「1st」)が表示されるとともに、その左側に左第1ナビ態様画像72a、中第1ナビ態様画像72b、右第1ナビ態様画像72cが左右方向に並んで構成される第1ナビ態様画像72が表示される。
すなわち、第1段階目の押し順の選択肢は3つとなるので、第1ナビ態様画像72もこの数に対応して表示されるのである。
各第1ナビ態様画像72は、円形の囲い枠の内側に、今回の抽選時に決定された第1ナビ態様の種類を報知する文字情報等からなり、第1ナビ態様が「全ナビ」で決定された場合には、図示するように各第1ナビ態様画像72に「全ナビ」の文字情報が表示されることとなる。
【0214】
また、第1ナビ態様位置画像71の上方には、第2ナビ態様の表示位置を示す第2ナビ態様位置画像73(図示「2st」)が表示されるとともに、その左側に左第2ナビ態様画像74a、右第2ナビ態様画像74bが左右方向に並んで構成される第2ナビ態様画像74が表示される。
すなわち、第2段階目の押し順の選択肢は2つとなるので、第2ナビ態様画像74もこの数に対応して表示されるのである。
各第2ナビ態様画像74は、円形の囲い枠の内側に、今回の抽選時に決定された第2ナビ態様の種類を報知する文字情報等からなり、第2ナビ態様が「全ナビ」で決定された場合には、図示するように各第2ナビ態様画像74に「全ナビ」の文字情報が表示されることとなる。
このような第1ナビ態様および第2ナビ態様に対する事前報知が実行されることで、特化ゾーン移行決定ゲームが実行する前に、特化ゾーン移行決定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する第1段階目および第2段階目の押し順に対して、全て報知されることが事前に報知されることとなるのである。
したがって、遊技者は、特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前に、特化ゾーン移行決定ゲームにおいて当選した押し順ベル役を確実に(6/6の確率で)入賞させることが可能であることを認識することができるのである。
【0215】
次に、図31(b)は、第1ナビ態様が「一部ナビA」で決定され、第2ナビ態様が「ナビ無」で決定された場合のメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図31(b)に示すように、第1ナビ態様が「一部ナビA」、第2ナビ態様が「ナビ無」で各々決定された場合には、各第1ナビ態様画像72に「一部ナビA」の文字情報が表示されるとともに、各第2ナビ態様画像74に「ナビ無」の文字情報が表示されることとなる。
このように第1ナビ態様および第2ナビ態様に対する事前報知が実行されることで、特化ゾーン移行決定ゲームが実行する前に、特化ゾーン移行決定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する第1段階目の押し順に対して、最初に停止操作すべきでない2つの停止ボタン5のうちの1つが事前に報知され、第2段階目の押し順に対して、全く報知が行われないことが事前に報知されることとなるのである。
【0216】
したがって、遊技者は、特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前に、第1段階目の押し順が2択で正解となり、第2段階目の押し順も2択で正解となり、押し順ベル役を入賞させる実質的な確率が1/4であることを認識することができるのである。
なお、図示は省略したが、第1ナビ態様が「一部ナビB」で決定された場合には、各第1ナビ態様画像72に「一部ナビB」の文字情報が表示されることとなり、遊技者は、第1段階目の押し順を一致させる実質的な確率が3/3であることを認識することができるのである。
【0217】
次に、図31(c)は、第1ナビ態様が「ナビ無」で決定され、第2ナビ態様が「全ナビ」で決定された場合のメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図31(c)に示すように、第1ナビ態様が「ナビ無」、第2ナビ態様が「全ナビ」で各々決定された場合には、各第1ナビ態様画像72に「ナビ無」の文字情報が表示されるとともに、各第2ナビ態様画像74に「全ナビ」の文字情報が表示されることとなる。
このような第1ナビ態様および第2ナビ態様に対する事前報知されることで、特化ゾーン移行決定ゲームが実行する前に、特化ゾーン移行決定ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する第1段階目の押し順に対して、全く報知が行われないことが事前に報知され、第2段階目の押し順に対して、全て報知されることが事前に報知されることとなるのである。
したがって、遊技者は、特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前に、第1段階目の押し順が3択で正解となり、この第1段階目の押し順を一致させさえすれば、当選した押し順ベル役を確実に入賞させることが可能で、押し順ベル役を入賞させる実質的な確率が1/3であることを認識することができるのである。
【0218】
以上のように、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)が実行する前に、主制御装置10で決定された第1ナビ態様および第2ナビ態様が事前に報知されるのである。
すなわち、報知制御手段としての主制御装置10は、第1報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第1報知態様(第1ナビ態様)を事前に報知する制御を実行可能な第1報知態様事前報知制御手段と、第2報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第2報知態様(第2ナビ態様)を事前に報知する制御を実行可能な第2報知態様事前報知制御手段と、を備えるのである。
したがって、遊技者に対して特化ゾーン移行決定ゲームが実行される前に第1ナビ態様および第2ナビ態様を事前に認識させることができ、遊技者の期待感を効果的に向上させることが可能となるのである。
【0219】
なお、第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類の報知は、遊技者が第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類を認識できるものであれば上記した以外でもよく、文字情報ではなくキャラクタやアイテム等からなるアイコン画像の種類や配色で報知するようにしてもよい。
また、押し順ナビ画像55と同様の形式(3箇所と2箇所)で各ナビ態様の種類を報知しているが、メイン演出表示器8の画面の所定位置(例えば、側方部)において1つの画像を表示することで、各ナビ態様の種類を報知するようにしてもよい。
また、メイン演出表示器8において第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類の報知するようにしているが、サブ演出表示器18において第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類の報知するようにしてもよい。
また、第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類の報知する前に、所定の演出を実行して各ナビ態様の種類を報知するようにしてもよい。例えば、メイン演出表示器8において第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類を決定するようなルーレットゲームを実行し、このルーレットゲームの実行後にナビ態様の種類を報知するようにしてもよい。
【0220】
[押し順当てゲーム中の表示]
次に、図32を参照して、押し順当てゲーム中の表示について説明する。
図32は、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)の実行中においてメイン演出表示器8に表示される演出画像を示している。
なお、図32では、第1ナビ態様が「一部ナビA」で決定されるとともに、第2ナビ態様が「ナビ無」で決定され、当選した押し順ベル役に対応する押し順が「中→右→左」の場合を例示している。
【0221】
まず、図32(a)は、押し順当てゲームが開始された時点でのメイン演出表示器8の演出画像を示している。
なお、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)は、押し順ベル役に当選していることを条件に実行されることから、特化ゾーン移行決定ゲームの実行が決定されていても押し順ベル役に当選しない場合は、押し順当てゲームの実行は、押し順ベル役に当選するまで持ち越されることとなる。また、押し順当てゲームの実行が持ち越されている間においても、第1ナビ態様および第2ナビ態様に対する事前報知は継続して実行されることとなる。
【0222】
図32(a)に示すように、押し順当てゲームが開始されると、メイン演出表示器8の画面下部に、当該ゲームでは遊技者の任意の停止操作により、当選している押し順ベル役を入賞させるものであることを示す文字情報からなる押し順当てタイトル画像75(図示「押し順を当てろ」)が表示される。
また、第1ナビ態様画像72の各々に「一部ナビA」の文字情報が表示されるとともに、第2ナビ態様画像74の各々に「ナビ無」の文字情報が表示されることとなる。
すなわち、図31(b)で示した事前報知画像が、当該ゲームにおいても継続して表示されることとなる。
【0223】
また、メイン演出表示器8における第1ナビ態様画像72の下方に、左押し順ナビ画像55a、中押し順ナビ画像55bおよび右押し順ナビ画像55cが左右方向に並んで構成される押し順ナビ画像55が表示される。
したがって、押し順当てゲーム中においても、通常AT状態中と同様に押し順ナビ画像55が表示されるのである。
ただし、通常AT状態中とは異なり、各押し順ナビ画像55の囲い枠の中には、当選している押し順ベル役に対応する押し順を示す数字は表示されずに、「一部ナビA」に対応する記号等が表示される。
【0224】
図32では、当選した押し順ベル役に対応する押し順が「中→右→左」の場合を例示しているので、左押し順ナビ画像55aに「×」、中押し順ナビ画像55bに「?」、右押し順ナビ画像55cに「?」の記号が各々表示されて、左停止ボタン5aを最初に停止操作(左リール41aを停止)すべきでないこと、および、最初に停止操作するのは中停止ボタン5bあるいは右停止ボタン5cの2択であることが報知される。
すなわち、第1ナビ態様での「一部ナビA」の選択に対応して、最初に停止操作すべきでない左停止ボタン5aと右停止ボタン5cのうちの左停止ボタン5aが、停止操作すべきでないことを意味する「×」で報知されるのである。
なお、第1ナビ態様に対して「一部ナビA」が選択された状態において、当選した押し順ベル役に対応する押し順が「中→右→左」であった場合には、最初に停止操作すべきでない停止ボタン5は、左停止ボタン5aと右停止ボタン5cとなるが、主制御装置10では、第1ナビ態様の決定時に1/2の確率でいずれかの停止ボタン5を選択することとなる。
【0225】
また、図示は省略するが、このとき第1ナビ態様において「全ナビ」が選択されていた場合には、通常AT状態中と同様に、各押し順ナビ画像55において当選している押し順ベル役に対応する押し順が全て報知され、第1ナビ態様において「一部ナビB」が選択されていた場合には、最初に停止操作すべき停止ボタン5のみが報知されることとなる。
【0226】
そして、その後中停止ボタン5bの停止操作により中リール41bを停止させた場合には、図32(b)に示すように、中押し順ナビ画像55bが消去されるとともに、左押し順ナビ画像55aと右押し順ナビ画像55cが継続して表示される。
また、左押し順ナビ画像55aと右押し順ナビ画像55cには、「?」の記号が各々切替表示される。
すなわち、第2ナビ態様での「ナビ無」の選択に対応して、2番目に停止操作すべき停止ボタン5は報知されないこととなるのである。
【0227】
そして、その後右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に停止操作することにより全てのリール41を停止させて当選している押し順ベル役を入賞させた場合には、図32(c)に示すように、特化ゾーン移行条件が成立したことを報知する文字情報からなる移行条件成立画像76(図示「おめでとう特化ゾーン突入」)が画面下部に表示されて、次ゲームから特化ゾーンに移行することとなる。
一方、その後左停止ボタン5a→右停止ボタン5cの順に停止操作することにより全てのリール41を停止させた場合には、図示は省略するが、当選している押し順ベル役を入賞させることができずに、特化ゾーン移行条件が成立しなかったことを報知する所定の演出画像(例えば、「残念」)が画面下部に表示されて、次ゲームから通常AT状態に復帰することとなる。
【0228】
以上のように、押し順当てゲームにおいては、ゲームの停止段階における第1段階目の第1ナビ態様と、第2段階目の第2ナビ態様により押し順ナビが実行されるのである。
すなわち、報知制御手段としての主制御装置10は、所定のゲーム(押し順当てゲーム)において、第1報知態様(第1ナビ態様)と第2報知態様(第2ナビ態様)とにより報知を実行制御可能な報知実行制御手段を備えるのである。
そして、第1ナビ態様と第2ナビ態様の決定が別個に実行、すなわち、第1ナビ態様は確率設定装置16の設定値に応じた抽選で決定され、第2ナビ態様はナビカウンタの値に応じた抽選で決定されることから、特化ゾーン移行決定ゲーム中の押し順ナビの態様を従来にない多彩なものにすることが可能となるとともに、かりに一方のナビ態様が遊技者にとって不利なものとなった場合でも遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0229】
なお、本実施形態においては、決定された各ナビ態様をそのまま用いて押し順ナビを実行するようにしているが、ナビ態様を途中で変更する機能を設けるようにしてもよい。例えば、第2ナビ態様が「全ナビ」で予め決定されている際に、押し順当てゲームの開始時には、第2ナビ態様を「全ナビ」でなく「ナビ無」で報知し、最初のリール41が停止した時点で、第2ナビ態様を「全ナビ」に変更するように制御可能な報知態様変更制御手段を主制御装置10に備えるようにしてもよい。
また、報知態様を変更する場合には、押し順当てゲームの開始時(あるいはベット入力時)において、事前報知時に報知した態様から別の報知態様に変更するようにしてもよい。
また、第1ナビ態様および第2ナビ態様に対して、「正解」したものと見做す確率を予め定めておいて、例えば、第1段階目の停止操作時に、誤ってナビ通りに停止操作しなかった場合でも、当該確率に基づいて抽選を行い、当該抽選に当選した場合でも「正解」と見做すような制御を実行してもよい。
【0230】
[特化ゾーンにおけるゲーム数の抽選]
次に、図33を参照して、特化ゾーンにおけるゲーム数の抽選について説明する。
本実施形態においては、主制御装置10は、AT状態中における遊技状態を特化ゾーンに移行させる場合に、特化ゾーンの継続期間である継続ゲーム数を複数のゲーム数のうちからいずれかを選択して決定するようにしている。
したがって、継続ゲーム数が種々変化するとともに、継続ゲーム数の変化により特別の特典の種類(大きさ)が変化することとなるのである。
継続ゲーム数の決定は、主制御装置10において、特化ゾーンに移行した最初のゲーム開始時における乱数(256個の乱数)の抽出に基づく抽選により行われることとなる。
なお、継続ゲーム数の決定は、特化ゾーンに移行する前であればいずれの時期で行うようにしてもよく、例えば、特化ゾーン移行決定ゲームにおいて特化ゾーン移行条件が成立したゲーム終了時点で行うようにしてもよい。
【0231】
また、継続ゲーム数の抽選は、特化ゾーン移行決定ゲーム(押し順当てゲーム)において実行された各ナビ態様に基づき実行されることとなる。
したがって、特化ゾーン移行決定ゲームの実行に際して決定された第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類に応じて特化ゾーンの継続ゲーム数が変化するものとなるのである。
【0232】
図33は、特化ゾーンの継続ゲーム数を決定する際(継続ゲーム数の抽選時)に、主制御装置10で用いられる特化ゾーンゲーム数抽選テーブルを示している。
図33に示すように、第1ナビ態様が「ナビ無」で第2ナビ態様が「ナビ無」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/6の場合には、10ゲームが選択される確率が128/256となり、13ゲームが選択される確率が128/256となるような抽選が行われる。
また、第1ナビ態様が「一部ナビA」で第2ナビ態様が「ナビ無」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/4の場合には、10ゲームが選択される確率が180/256となり、13ゲームが選択される確率が76/256となるような抽選が行われる。
また、第1ナビ態様が「ナビ無」で第2ナビ態様が「全ナビ」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/3の場合には、10ゲームが選択される確率が200/256となり、13ゲームが選択される確率が56/256となるような抽選が行われる。
【0233】
また、第1ナビ態様が「一部ナビA」で第2ナビ態様が「全ナビ」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/2の場合には、10ゲームが選択される確率が220/256となり、13ゲームが選択される確率が36/256となるような抽選が行われる。
また、第1ナビ態様が「一部ナビB」で第2ナビ態様が「ナビ無」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/2の場合には、10ゲームが選択される確率が225/256となり、13ゲームが選択される確率が31/256となるような抽選が行われる。
【0234】
また、第1ナビ態様が「一部ナビB」で第2ナビ態様が「全ナビ」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/1の場合には、10ゲームが選択される確率が250/256となり、13ゲームが選択される確率が6/256となるような抽選が行われる。
また、第1ナビ態様が「全ナビ」で第2ナビ態様が「ナビ無」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/1の場合には、10ゲームが選択される確率が251/256となり、13ゲームが選択される確率が5/256となるような抽選が行われる。
なお、この場合、第2ナビ態様が「ナビ無」で決定された場合でも、第1ナビ態様が「全ナビ」で決定されているので、第2ナビ態様も強制的に「全ナビ」に変更される。
また、第1ナビ態様が「全ナビ」で第2ナビ態様が「全ナビ」、すなわち、特化ゾーンへ移行する確率(押し順が正解となる実質的な確率)が1/1の場合には、10ゲームが選択される確率が256/256となり、13ゲームが選択される確率が0/256となるような抽選が行われる。
【0235】
以上のように特化ゾーンの継続ゲーム数が決定されることから、押し順当てゲームにおける第1ナビ態様と第2ナビ態様の組み合わせにより特化ゾーンの継続ゲーム数が変化することとなるのである。
すなわち、特別特典付与制御手段としての主制御装置10は、第1報知態様(第1ナビ態様)と第2報知態様(第2ナビ態様)との組み合わせにより特別の特典(特化ゾーン)の種類を変更可能とするのである。
したがって、押し順当てゲームにおける第1ナビ態様および第2ナビ態様の種類に応じて、特化ゾーンの継続ゲーム数が種々変化することとなり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0236】
また、押し順当てゲームにおいて特化ゾーンへ移行させることができる確率が低いほど、すなわち、押し順当てゲームにおいて押し順ベル役を入賞させることができる確率が低いほど、継続ゲーム数が大きいものが選択される確率が高くなるのである。
したがって、難易度の高いナビ態様が選択された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるとともに、難易度の高いナビ態様が選択されたときに特化ゾーンへ移行させた際には、遊技者の満足感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0237】
また、押し順当てゲームにおいて押し順ベル役を入賞させることができる確率が同じ場合、例えば、第1ナビ態様が「一部ナビB」で第2ナビ態様が「全ナビ」と、第1ナビ態様が「全ナビ」で第2ナビ態様が「ナビ無」の場合でも、継続ゲーム数の抽選確率が変化するものとなるのである。
したがって、押し順当てゲームにおいて押し順ベル役を入賞させることができる確率が同じ場合でも、各ナビ態様の選択態様に応じて継続ゲーム数を変化させることができることとなり、押し順ベル役を入賞させることができる確率が同じ場合でも、遊技者の期待感を変化させられるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
なお、上記した各確率は、上記した傾向が形成できるものであればいずれでもよい。
【0238】
[ナビ態様の示唆]
次に、図34を参照して、ナビ態様の示唆について説明する。
本実施形態においては、通常AT状態中のゲームにおいてスイカ役の当選に基づきナビカウンタの値が更新(増加)されることとなるが、通常AT状態中に押し順当てゲームが実行された場合には、このナビカウンタの値に基づき第2ナビ態様の種類が変化することとなる。
そして、本実施形態においては、通常AT状態中におけるその時点のナビカウンタの値に基づき第2ナビ態様の種類を示唆する機能を設けるようにしている。
したがって、まだ押し順当てゲームが実行されていない通常AT状態中において、遊技者は、その後実行可能性のある第2ナビ態様の種類をある程度予想することが可能となるので、押し順当てゲームが実行される前から遊技者の期待感を変化させることが可能となるのである。
【0239】
本実施形態においては、第2ナビ態様の種類の示唆を、通常AT状態中において実行される押し順ナビを利用して実行するようにしている。
すなわち、通常AT状態中において押し順ベル役に当選した場合には、メイン演出表示器8において押し順ナビが実行されるが、このときの画像を利用して第2ナビ態様の種類の示唆を実行するのである。
【0240】
図34は、通常AT状態中におけるメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図34に示すように、通常AT状態中においては、画面の主要部に通常AT状態中であることを示す通常AT状態画像77が表示される。
また、通常AT状態中のゲームにおいて、押し順ベル役に当選した場合には、各々に押し順が表された押し順ナビ画像55が画面下方部に表示される。
各押し順ナビ画像55は、基本的には、囲い枠の内側は白色の配色(枠内配色)が施されて、その上に押し順を示す数字が表示されることとなる。
【0241】
本実施形態においては、押し順ナビ画像55のうち2番目の停止指示が行われるナビ画像、すなわち、図示では右押し順ナビ画像55cの枠内配色を変更可能としている。
例えば、右押し順ナビ画像55cで示す初期時の枠内配色である白色の場合と、右押し順ナビ画像78aで示す枠内配色である青色の場合と、右押し順ナビ画像78bで示す枠内配色である赤色の場合と、に変更可能としている。
これら枠内配色の変更制御は、スイカ役の当選時(ナビカウンタの値が更新された後)に、そのときのナビカウンタの値に応じた抽選により実行される。例えば、ナビカウンタの値が「0」~「4」の場合には、90%の確率でその時点の配色を維持し、10%の確率で一段期待度の高い配色(白色の場合には青色、青色の場合には赤色)に変更し、ナビカウンタの値が「5」~「9」の場合には、60%の確率でその時点の配色を維持し、40%の確率で一段期待度の高い配色に変更し、ナビカウンタの値が「10」以上の場合には、30%の確率でその時点の配色を維持し、70%の確率で一段期待度の高い配色に変更するような抽選が行われる。
【0242】
したがって、押し順ナビ画像55のうち2番目の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色が、白色→青色→赤色の順に変化する毎にナビカウンタの値が大きくなっている可能性が高くなり、このナビカウンタの値に応じて変化する第2ナビ態様の種類も、白色→青色→赤色の順に期待度の高いものが選択される可能性が高まるのである。
なお、本実施形態においては、押し順ナビ画像55のうち2番目の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色を変更するようにしているが、これは第2段階目の押し順ナビのナビ態様である第2ナビ態様に対応付けるためである。
また、枠内配色の維持および変更は、主制御装置10により決定されることとなるが、この決定結果を特定可能な制御情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20の制御によりメイン演出表示器8に枠内配色の維持および変更に対応する画像表示が行われることとなる。
【0243】
以上のように、本実施形態においては、通常AT状態中において、押し順ナビ画像55のうち2番目に停止指示が行われるナビ画像の枠内配色により、ナビカウンタの値が示唆されることとなるのであるが、このナビカウンタの値に応じて第2ナビ態様の種類の決定されることから、結果的にナビ画像の枠内配色により第2ナビ態様の種類が、押し順当てゲームが実行される前に示唆されることとなるのである。
すなわち、報知制御手段としての主制御装置10は、第2報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第2報知態様(第2ナビ態様)に対して、所定のゲーム(押し順当てゲーム)が実行される前に示唆可能な制御を実行可能な報知態様示唆制御手段を備えるのである。
したがって、まだ押し順当てゲームが実行される前である通常AT状態中の時点から、押し順当てゲームに対する遊技者の興味を引き付けられるような興趣性の高い遊技を実行可能となるのである。
また、ナビ画像の枠内配色により、通常AT状態中の時点から遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0244】
なお、本実施形態においては、押し順ナビ画像55のうち2番目の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色により第2ナビ態様の種類を示唆するようにしているが、押し順ナビ画像55以外の画像を変化させることにより第2ナビ態様の種類を示唆するようにしてもよい。また、配色の変化に代えて模様等を変化させるようにしてもよい。
また、通常では表示されない画像を現出表示することにより第2ナビ態様の種類を示唆するようにしてもよい。
また、ナビ画像の枠内配色を変化させることとなるナビカウンタの値の各閾値、および、一段期待度の高い配色に変化させることとなる各確率は、第2ナビ態様の種類を示唆できるものであればいずれでもよい。
また、3段階で第2ナビ態様の種類を示唆するようにしているが、4段階以上で第2ナビ態様の種類を示唆するようにしてもよい。
また、サブ演出表示器18、あるいはメイン演出表示器8とサブ演出表示器18の双方で第2ナビ態様の種類を示唆するようにしてもよい。
また、副制御装置20により2番目の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色の維持および変更制御を行うようにしてもよい。
【0245】
[ナビ態様の示唆の変形例1]
次に、図35を参照して、ナビ態様の示唆の変形例1について説明する。
本変形例1においては、ナビカウンタの更新制御、および押し順ナビの態様のみが前述した実施形態と異なっているので、異なっている点のみ説明する。
【0246】
本変形例1においては、通常AT状態中のゲームにおいて、チェリー役(強弱)の当選時に第1ナビカウンタの値を更新(「+1」)し、この第1ナビカウンタの値に基づく抽選により第1ナビ態様の種類を決定するようにしている。すなわち、前述した実施形態では、強チェリー役の当選時に確率設定装置16の設定値に基づき第1ナビ態様の種類を決定するのに対して、本変形例1においては、第1ナビカウンタの値に基づき第1ナビ態様の種類を決定するのである。
また、通常AT状態中のゲームにおいて、スイカ役の当選時に第2ナビカウンタの値を更新(「+1」)し、この第2ナビカウンタの値に基づく抽選により第2ナビ態様の種類を決定するようにしている。
したがって、第1ナビ態様の種類の決定制御が、前述した実施形態と異なるのみであり、第2ナビ態様の種類の決定制御は前述した実施形態と実質的に同様となっている。
【0247】
第1ナビ態様の種類の決定は、第1ナビカウンタの値が大きいほど遊技者にとっての有利度の高い種類の第1ナビ態様が決定されるような抽選で行われる。すなわち、第1ナビカウンタの値が大きいほど、第1ナビ態様の種類が「ナビ無」→「一部ナビA」→「一部ナビB」→「全ナビ」の順に選択される確率が高くなるような抽選が行われるのである。
なお、本変形例1では、第1ナビカウンタの値を、「0」~「4」、「5」~「9」、「10」以上に区切って3つの抽選テーブルにより各ナビ態様の選択抽選を行い、「5」~「9」の場合には、「0」~「4」の場合よりも有利度の高い第1ナビ態様が選択され、同様に、「10」以上の場合には、「5」~「9」の場合よりも有利度の高い第1ナビ態様が選択されるような選択抽選を行うようにしているが、第1ナビカウンタの値が大きいほど遊技者にとっての有利度の高い種類の第1ナビ態様が決定されるものであれば、各ナビ態様の選択抽選はいずれの抽選態様でもよい。
また、通常AT状態中においては、強チェリー役の当選時には特化ゾーン移行決定ゲームの移行抽選も行われることとなるが、強チェリー役の当選時には、特化ゾーン移行決定ゲームの移行抽選と第1ナビカウンタの値の更新の双方が行われる。
【0248】
そして、本変形例1においては、第1ナビカウンタの値に基づき第1ナビ態様の示唆を行い、第2ナビカウンタの値に基づき第2ナビ態様の示唆を行うようにしている。
また、第1ナビ態様の示唆および第2ナビ態様の種類の示唆を、前述した実施形態と同様に、通常AT状態中において実行される押し順ナビを利用して実行するようにしている。
なお、第1および第2ナビカウンタの値の初期化は、遊技区間が通常区間に移行するときの他、AT状態から通常遊技状態に移行するときに行われるが、AT状態から通常遊技状態に移行するときには初期化を行わないようにてもよい。
【0249】
図35は、本変形例1において、通常AT状態中におけるメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図35に示すように、通常AT状態中においては、画面の主要部に通常AT状態中であることを示す通常AT状態画像77が表示されるとともに、押し順ベル役に当選した場合には、各々に押し順が表された押し順ナビ画像55が画面下方部に表示される。
各押し順ナビ画像55は、基本的には、囲い枠の内側は白色の配色(枠内配色)が施されて、その上に押し順を示す数字が表示されることとなる。
【0250】
本変形例1においては、前述した実施形態と同様に、押し順ナビ画像55のうち2番目の停止指示が行われるナビ画像、すなわち、図示では右押し順ナビ画像55cの枠内配色を変更可能とし、右押し順ナビ画像55cの枠内配色により第2ナビ態様の種類を示唆するようにしている。
さらに、本変形例1においては、押し順ナビ画像55のうち最初の停止指示が行われるナビ画像、すなわち、図示では中押し順ナビ画像55bの枠内配色を変更可能とし、中押し順ナビ画像55bの枠内配色により第2ナビ態様の種類を示唆するようにしている。
例えば、右押し順ナビ画像55cの枠内配色と同様に、中押し順ナビ画像55bで示す初期時の枠内配色である白色の場合と、中押し順ナビ画像79aで示す枠内配色である青色の場合と、中押し順ナビ画像79bで示す枠内配色である赤色の場合と、に変更可能としている。
【0251】
中押し順ナビ画像55bの枠内配色の変更制御は、スイカ役の当選時における右押し順ナビ画像55cの枠内配色の変更制御と同じような形で行われる。例えば、チェリー役の当選時(第1ナビカウンタの値の更新後)における第1ナビカウンタの値が「0」~「4」の場合には、90%の確率でその時点の配色を維持し、10%の確率で一段期待度の高い配色(白色の場合には青色、青色の場合には赤色)に変更し、ナビカウンタの値が「5」~「9」の場合には、60%の確率でその時点の配色を維持し、40%の確率で一段期待度の高い配色に変更し、ナビカウンタの値が「10」以上の場合には、30%の確率でその時点の配色を維持し、70%の確率で一段期待度の高い配色に変更するような抽選が行われる。
【0252】
したがって、押し順ナビ画像55のうち最初の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色が、白色→青色→赤色の順に変化する毎に第1ナビカウンタの値が大きくなっている可能性が高くなり、この第1ナビカウンタの値に応じて変化する第1ナビ態様の種類も、白色→青色→赤色の順に期待度の高いものが選択される可能性が高まるのである。
【0253】
以上のように、本変形例1においては、通常AT状態中において、押し順ナビ画像55のうち最初の停止指示、および2番目の停止指示が行われるナビ画像の枠内配色により、第1および第2ナビカウンタの値が示唆されることとなるのであるが、各ナビカウンタの値に応じて第1および第2ナビ態様の種類の決定されることから、結果的に各ナビ画像の枠内配色により第1および第2ナビ態様の種類が、押し順当てゲームが実行される前に示唆されることとなるのである。
すなわち、報知態様示唆制御手段としての主制御装置10は、第1報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第1報知態様(第1ナビ態様)、および、第2報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第2報知態様(第2ナビ態様)に対して、所定のゲーム(押し順当てゲーム)が実行される前に示唆可能な制御を実行可能とするのである。
【0254】
したがって、まだ押し順当てゲームが実行される前である通常AT状態中の時点から、押し順当てゲームに対する遊技者の興味をより引き付けられるような極めて興趣性の高い遊技を実行可能となるのである。
また、ナビ画像の枠内配色により、通常AT状態中の時点から遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
また、第1ナビ態様の種類と第2ナビ態様の種類は個別に決定されることから、示唆態様が多彩化してより興趣性の高い遊技を実行することが可能となるとともに、一方のナビ態様が期待感の低いものであった場合も、他方のナビ態様が期待感の高いものであった場合には、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0255】
[ナビ態様の示唆の変形例2]
次に、図36を参照して、ナビ態様の示唆の変形例2について説明する。
本変形例2においては、第1ナビカウンタの値に基づき第1ナビ態様の種類を決定する点、および、第2ナビカウンタの値に基づき第2ナビ態様の種類を決定する点は、前述したナビ態様の示唆の変形例1と同様であるが、第1ナビカウンタの値の更新期間と、各ナビ態様の種類の示唆態様が前述したナビ態様の示唆の変形例1と異なっているので、異なっている点のみ説明する。
【0256】
本変形例2においては、第1ナビカウンタの値の更新を、通常遊技状態中のゲームにおけるチェリー役(強弱)の当選に基づき行うようにしている。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおけるチェリー役(強弱)に当選した場合には、第1ナビカウンタの値に所定数(例えば、「+1」)を加算するようにしている。
なお、通常遊技状態は通常AT状態よりも長く継続することが多いので、チェリー役(強弱)が所定数(例えば、5回)当選する毎に第1ナビカウンタの値に所定数(例えば、「+1」)を加算する等、第1ナビカウンタの更新態様を変更するようにしてもよい。
そして、第1ナビカウンタの値に基づき第1ナビ態様の種類を示唆することとなるが、本変形例2においては、第1ナビ態様の種類の示唆を通常遊技状態中に実行するようにしている。
また、第2ナビカウンタの値の更新は、ナビ態様の示唆の変形例1と同様に通常AT状態中のゲームにおけるスイカ役の当選に基づき行われる。
【0257】
ナビ態様の種類の決定は、ナビ態様の示唆の変形例1と同様に行われ、第1ナビカウンタの値および第2ナビカウンタの値が大きいほど遊技者にとっての有利度の高い種類の第1ナビ態様および第2ナビ態様が決定されるような抽選で行われる。すなわち、第1ナビカウンタの値が大きいほど、第1ナビ態様の種類が「ナビ無」→「一部ナビA」→「一部ナビB」→「全ナビ」の順に選択される確率が高くなるような抽選が行われ、第2ナビカウンタの値が大きいほど、第2ナビ態様の種類が「ナビ無」→「全ナビ」の順に選択される確率が高くなるような抽選が行われるのである。
【0258】
図36は、本変形例2において、ナビ態様の示唆が行われた場合のメイン演出表示器8での演出画像を示している。
まず、図36(a)は、通常遊技状態中におけるメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図36(a)に示すように、通常遊技状態中においては、画面の主要部に通常遊技状態中であることを示す通常遊技状態画像30が表示される。
また、画面の左下方部に、第1ナビ態様の種類を示唆する第1示唆画像80aが表示される。
【0259】
本変形例2においては、第1示唆画像80aは、円形の枠内に所定の画像(例えば、アイテム画像)が表示されるとともに、枠内配色(枠内のベース色)が変更可能となっている。
例えば、初期時の配色である枠内配色が白色の場合と、青色の場合と、赤色の場合とに変更可能となっている。
これら枠内配色の変更制御は、通常遊技状態中におけるチェリー役(強弱)の当選時(第1ナビカウンタの値が更新された後)に、そのときの第1ナビカウンタの値に応じた抽選により実行される。例えば、第1ナビカウンタの値が「0」~「4」の場合には、90%の確率でその時点の配色を維持し、10%の確率で一段期待度の高い配色(白色の場合には青色、青色の場合には赤色)に変更し、第1ナビカウンタの値が「5」~「9」の場合には、60%の確率でその時点の配色を維持し、40%の確率で一段期待度の高い配色に変更し、第1ナビカウンタの値が「10」以上の場合には、30%の確率でその時点の配色を維持し、70%の確率で一段期待度の高い配色に変更するような抽選が行われる。
【0260】
したがって、通常遊技状態中に表示される第1示唆画像80aにおける枠内配色が、白色→青色→赤色の順に変化する毎に第1ナビカウンタの値が大きくなっている可能性が高くなり、この第1ナビカウンタの値に応じて変化する第1ナビ態様の種類も、白色→青色→赤色の順に期待度の高いものが選択される可能性が高まるのである。
つまり、疑似ボーナス状態やAT状態に移行する前である通常遊技状態中において、第1ナビ態様の種類の報知が行われるのである。
なお、第1ナビカウンタの値の初期化は、遊技区間が通常区間に移行するときの他、疑似ボーナス状態に移行するときや、AT状態に移行するときに行ってもよいし、疑似ボーナス状態に移行するときには行わずに、AT状態に移行するときに行ってもよい。また、疑似ボーナス状態やAT状態に移行するときには行わないようにてもよい。
【0261】
次に、図36(b)は、通常AT状態中におけるメイン演出表示器8での演出画像を示している。
図36(b)に示すように、通常AT状態中においては、画面の主要部に通常AT状態中であることを示す通常AT状態画像77が表示される。
また、画面の左下方部に、第2ナビ態様の種類を示唆する第2示唆画像80bが表示される。
【0262】
第2示唆画像80bは、第1示唆画像80aと同様に、円形の枠内に所定の画像が表示されるとともに、枠内配色が変更可能となっている。
例えば、初期時の配色である枠内配色が白色の場合と、青色の場合と、赤色の場合とに変更可能となっている。
これら枠内配色の変更制御は、通常AT状態中におけるスイカ役の当選時(第2ナビカウンタの値が更新された後)に、第2ナビカウンタの値に基づき実行される。
なお、第2示唆画像80bにおける枠内配色の変更制御は、第2ナビカウンタの値に基づき実行されること以外は、第1示唆画像80aにおける第1ナビカウンタの値に基づく枠内配色の変更制御と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0263】
以上のように、本変形例2においては、通常遊技状態中において、第1示唆画像80aにおける枠内配色により、第1ナビカウンタの値が示唆されることとなるのであるが、第1ナビカウンタの値に応じて第1ナビ態様の種類の決定されることから、結果的に第1示唆画像80aにおける枠内配色により第1ナビ態様の種類が、疑似ボーナス状態に移行する前の通常遊技様態中において示唆されることとなるのである。
すなわち、報知態様示唆制御手段としての主制御装置10は、第1報知態様決定制御手段(主制御装置10)により決定された第1報知態様(第1ナビ態様)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)に移行する前に示唆可能な制御を実行可能とするのである。
【0264】
したがって、まだ遊技者にとって有利な遊技状態に移行する前である通常遊技状態中の時点から、押し順当てゲームに対する遊技者の興味をより引き付けられるような極めて興趣性の高い遊技を実行可能となるのである。
また、通常遊技状態中の時点から遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、通常遊技状態中において、第1ナビ態様の種類の示唆が行われることから、疑似ボーナス状態あるいはAT状態に移行していないときでも、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止可能となるので、メダルレス遊技機1の稼働率を向上させることも可能となるのである。
また、第1ナビ態様の種類と第2ナビ態様の種類は個別に決定され、さらに、第1ナビ態様の種類の示唆は通常遊技状態中に実行され、第2ナビ態様の種類の示唆は通常AT状態中に実行されることとなるので、より長い期間においてナビ態様の種類の示唆が実行されることとなり、遊技の興趣性や遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0265】
なお、本変形例2においては、通常遊技状態中において第1ナビ態様の種類の示唆するようにしているが、通常遊技状態に代えて、疑似ボーナス状態中のゲームにおけるチェリー役(強弱)の当選に基づき第1ナビカウンタの値を更新し、疑似ボーナス状態中に更新された第1ナビカウンタの値に基づき、疑似ボーナス状態中に第1ナビ態様の種類の示唆するようにしてもよい。
また、通常遊技状態中において第1ナビ態様の種類の示唆を行うようにしているが、第1ナビ態様の種類の示唆を、その後に移行する可能性のある疑似ボーナス状態においても継続して行うようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてもチェリー役(強弱)の当選に基づき第1ナビカウンタの値を更新し、疑似ボーナス状態中に更新された第1ナビカウンタの値を、第1ナビ態様の種類の示唆に反映させるようにしてもよい。
【0266】
また、本変形例2においては、第1ナビカウンタの値に基づき通常遊技状態中に第1示唆画像80aにおける枠内配色を変更し、第2ナビカウンタの値に基づき通常AT状態中に第2示唆画像80bにおける枠内配色を変更するようにしているが、ナビカウンタを用いずに、通常遊技状態中および/または通常AT状態中に所定のレア役で、第1段階目の押し順ナビの態様を「ナビ無」以外の態様が行われる権利(1stナビアイテム)の獲得抽選、第2段階目の押し順ナビの態様を「ナビ無」以外の態様が行われる権利(2ndナビアイテム)の獲得抽選を行い、当該獲得抽選で当選した場合、1stナビアイテムまたは2ndナビアイテムを獲得できるようにし、その個数をメイン演出表示器8等で報知できるようにしてもよい。
また、1stナビアイテムについては、ナビ態様毎に、異なる種別のアイテムを獲得・報知できるようにしてもよい。例えば、「一部ナビA」の権利を獲得した場合にはリンゴアイテムを表示し、「全ナビ」の権利を獲得した場合にはメロンアイテムを表示する。
また、獲得個数は「×○個」のように直接的に表示するようにしてもよいし、獲得アイテムの大きさで間接的に表示するようにしてもよい。
【0267】
以上説明したように、本発明は、複数の図柄(例えば、「BAR」)が表された表示手段(リール41)を備え、遊技者の操作に基づき前記表示手段の変動表示を伴うゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して特典(例えば、遊技価値)を付与可能とする遊技機(メダルレス遊技機1)において、複数の情報を表示可能な第1演出表示手段(メイン演出表示器8)と、複数の情報を表示可能な第2演出表示手段(サブ演出表示器18)と、前記第1演出表示手段に対して、第1画像(通常遊技状態画像30)を表示させるための制御が可能な第1表示制御手段(副制御装置20)と、前記第2演出表示手段に対して、前記ゲームの進行状態に関わる進行情報(ゲーム数画像31b)を含む第2画像(サブ通常画像31)を表示させるための制御が可能な第2表示制御手段(副制御装置20)と、前記ゲームの途中において前記表示手段に所定の図柄を導出表示させる疑似ゲームの制御を実行可能な疑似ゲーム制御手段(主制御装置10)と、を備え、前記第1表示制御手段は、前記第1画像を消去するとともに新たな画像(当選演出画像32)を表示させる第1表示更新制御を実行可能な第1表示更新制御手段(副制御装置20)を備え、前記第2表示制御手段は、前記第2画像を消去するとともに新たな画像(サブボーナス発生画像34)を表示させる第2表示更新制御を実行可能な第2表示更新制御手段(副制御装置20)を備え、前記第1表示更新制御手段は、前記ゲームの進行に関わる所定条件の成立(当選演出の実行)に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とし、前記第2表示更新制御手段は、前記所定条件の成立に基づき、前記第2表示更新制御を実行不能とするとともに、前記疑似ゲームの実行に基づき、前記第2表示更新制御を実行可能な構成としている。
【0268】
したがって、ゲームの進行に関わる所定条件が成立した場合や疑似ゲームが実行された場合には、第1演出表示手段に新たな画像が表示されることとなるので、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
一方、疑似ゲームが実行された場合には、第2演出表示手段におけるゲームの進行状態に関わる進行情報は消去されることとなるので、疑似ゲームが実行されたことにより、実際のゲームの進行状況と、表示手段での図柄の導出回数とに差が生ずることによる不自然な状況が発生してしまうことを防止可能となり、遊技者が不信感を抱くことを防止可能となる。
【0269】
また、前記第1演出表示手段は、当該遊技機の情報(例えば、ゲーム数情報)を表示可能な遊技設備装置(100)の下方に配設される構成としている。
したがって、遊技者に対して満足感の高い遊技環境を提供することが可能となる。
【0270】
また、前記第1表示更新制御手段は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生に基づき、前記第1表示更新制御を実行可能とし、前記第2表示更新制御手段は、前記特定遊技状態の発生に基づき、前記第2表示更新制御を実行可能な構成としている。
したがって、多彩な演出が実行されることとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0271】
また、前記第1表示制御手段は、前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後に、特定の画像(継続画像37、矢印画像38)を前記第1演出表示手段に表示させる制御を実行可能な構成としている。
したがって、疑似ゲーム中において、遊技者の視点を遊技設備装置から外すことが可能となり、第2演出表示手段と同様に、疑似ゲームが実行されたことにより、遊技設備装置でのゲームの進行状態に関わる進行情報と、表示手段での図柄の導出回数とに差が生ずることによる不自然な状況を遊技者が認識してしまうことを防止可能となる。
【0272】
また、遊技者が操作可能な操作手段(第1演出ボタン2g)と、前記疑似ゲームの実行に関連して、前記操作手段の操作を伴う操作演出(ボタン演出)を実行させることが可能な操作演出制御手段(副制御装置20)と、を備え、前記操作手段は、通常状態と、操作部を前記通常状態よりも操作方向とは反対側に変位させた突出状態とに変換可能とし、前記操作演出制御手段は、前記操作演出の実行に関連して、前記操作手段を前記突出状態に変換可能な構成としている。
したがって、操作演出をより多彩化することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となる。
【0273】
また、前記操作演出制御手段は、前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後に、前記操作演出を実行可能とし、前記疑似ゲーム制御手段は、前記疑似ゲームにおいて前記所定の図柄が導出表示された後から、前記ゲームの進行が可能となるまでの間に、前記操作演出の実行に関わる特定期間を設定可能な構成としている。
したがって、何らかの誤操作により操作演出が中止されてしまうことを防止可能となり、興趣性の高いボタン演出を確実に実行することが可能となる。
【0274】
また、前記操作演出制御手段は、前記疑似ゲーム制御手段により前記特定期間が設定されていないことに基づき、前記操作手段を前記突出状態に変換しない操作演出を実行可能な構成としている。
したがって、より多彩な操作演出を実行することが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、操作演出が中止されてしまうと、操作手段を通常状態に復帰させる復帰動作等の不自然な状態を遊技中に形成してしまうこととなるが、このような事態を未然に防止することが可能となる。
【0275】
なお、第1表示制御手段、第2表示制御手段、疑似ゲーム制御手段、第1表示更新制御手段、第2表示更新制御手段、操作演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよいし、また、遊技メダル数表示装置7が備えるものであってもよい。また、主制御装置10、副制御装置20および遊技メダル数表示装置7の協働により構成されるものであってもよい。
【0276】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2014-083374)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機では、報知性を向上させる上で十分とはいえないものであった。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0277】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、主制御装置10は、CPUを搭載する主基板を2枚とすることもできる。
この場合、主制御装置10は、主制御CPUが搭載された主制御基板とメダル数制御CPUが搭載されたメダル数制御基板とで構成することができる。
具体的には、メダル数制御CPUに、遊技メダル数表示装置7の制御や、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を担わせ、それ以外の遊技を統括的に制御する動作を主制御CPUに担わせることができる。
【0278】
また、主制御装置10が担う動作の一部又は全部を副制御装置20が担う構成でもよく、副制御装置20が担う動作の一部又は全部を主制御装置10が担う構成でもよい。
例えば、副制御装置20により遊技メダル数表示装置7を制御してもよく、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を副制御装置20が担ってもよい。
また、主制御装置10により計数ボタンランプ2eやベット数ランプ2fの動作を制御してもよい。
また、本実施形態中において、「一方よりも他方の方が確率が高い」、あるいは「一方よりも他方の方が確率が低い」、と表現した場合には、一方の確率は0%を含み、他方の確率が100%を含むものとする。
また、本実施形態中において、各種抽選時に規定された数値は一例であり、幅を持った数値(2以上)でもよいし、幅を持たない数値(1)でもよい。
【0279】
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、遊技機は、遊技メダル数表示装置7に対応する遊技球数表示装置を設けることができる。
その上で、例えば、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数の多寡に応じて報知態様を変更してもよく、また、計数ボタンを長押しした場合には短押しの場合よりも計数の量を多くし、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数が0となった後も長押しされたまま遊技球を獲得した場合に、当該遊技球を計数してもよい。
【符号の説明】
【0280】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
2d 精算ボタン
2f ベット数ランプ
2g 第1演出ボタン
7 遊技メダル数表示装置
7a 遊技メダル数表示器
8 メイン演出表示器
10 主制御装置
18 サブ演出表示器
19 専用ユニット
41 リール
図1
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