(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005906
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】給湯システム、及び給湯システムにおけるタンクユニット
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20250109BHJP
F24H 4/02 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
F24H1/18 B
F24H4/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106337
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】坂井 康弘
(72)【発明者】
【氏名】花井 悠哉
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA03
3L122AA23
3L122AA54
3L122AA63
3L122AA64
3L122AB01
3L122AB22
(57)【要約】
【課題】ユーザーの家族構成やライフスタイル等に応じてタンクユニットの容量を適切に調整可能である上、ユーザーの家族構成やライフスタイル等が変化した際にも柔軟に対応可能な給湯システムを提供する。
【解決手段】タンクユニット1は、ヒートポンプ2との間で湯水を循環させるための循環路9、タンクユニット1に水道水を供給するための給水管6、及びタンクユニット1に貯留されている湯水を給湯栓29や浴槽41へ供給するための中継管12が接続されたタンク本体1aを備えているとともに、タンク本体1aには、湯水を貯留可能な補助タンク1bを、タンク本体1aに対して通水可能に連結可能としており、タンク本体1aに補助タンク1bを連結するか否かによって、タンクユニット1の容量を調整可能とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯留するタンクユニットと、前記タンクユニットに貯留されている湯水を加熱するヒートポンプと、供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、前記タンクユニットに貯留されている湯水を所定の使用箇所側へ供給する第1供給路、及び前記タンクユニットを介さずに水道水を前記給湯器で加熱した後に前記使用箇所側へ供給する第2供給路を含む前記使用箇所への湯水の供給に係る複数の供給路を備えた給湯システムであって、
前記タンクユニットは、前記ヒートポンプとの間で湯水を循環させるための循環路、前記タンクユニットに水道水を供給するための給水管、及び前記第1供給路を構成する供給管が接続されたタンク本体を備えているとともに、
前記タンク本体には、湯水を貯留可能な補助タンクを、前記タンク本体に対して通水可能に連結可能としており、
前記タンク本体に前記補助タンクを連結するか否かによって、前記タンクユニットの容量を調整することができることを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
前記タンク本体に連結された前記補助タンクに対して、別の前記補助タンクを更に連結可能であり、
連結する前記補助タンクの個数によって、前記タンクユニットの容量を調整することができることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
所定の使用箇所へ湯水を供給するための給湯システムにおいて湯水を貯留するタンクユニットであって、
前記タンクユニットに貯留されている湯水を加熱するヒートポンプとの間で湯水を循環させるための循環路、前記タンクユニットに水道水を供給するための給水管、及び前記使用箇所へ湯水を供給するための供給管が接続されたタンク本体を備えているとともに、
前記タンク本体には、湯水を貯留可能な補助タンクを、前記タンク本体に対して通水可能に連結可能としており、
前記タンク本体に前記補助タンクを連結するか否かによって、貯留可能な湯水の容量を調整することができることを特徴とするタンクユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナを備えて通水を加熱可能な給湯器と、ヒートポンプを備えて加熱された湯水を貯留するタンクユニットとが併設されてなるハイブリッド式の給湯システム、及び給湯システムにおけるタンクユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプと、ヒートポンプで加熱された湯水を貯留するタンクユニットとを備え、タンクユニットに貯留されている湯を台所や浴室等に供給するヒートポンプ式の給湯システムが実用に供されている。ただ、従来のヒートポンプ式の給湯システムでは、浴槽への湯張り時に必要とされる多量の湯水を貯留可能とするために、タンクユニットを非常に大型化しなければならないという問題があった。そこで、たとえば特許文献1に記載されているように、湯水が貯留されるタンクユニットの下流側の供給路に、給湯器であるバーナ加熱装置を設置したハイブリッド式の給湯システムが考案されている。この特許文献1に記載のハイブリッド式の給湯システムでは、湯張りの際にタンクユニットに貯留されている湯量が少ないと、ヒートポンプによる加熱に加えてバーナ加熱装置を作動させることで湯量の不足分を補うようになっており、結果としてタンクユニットの小型化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の給湯システムでは、湯水が貯留されるタンクユニットの小型化を図ることができる。しかしながら、タンクユニットの容量をどの程度とすれば良いのかということは、ユーザーの家族構成やライフスタイル等に応じて違ってくる。また、転居や家族が増える等して、ユーザーの家族構成やライフスタイル等が変わるという状況も十分に考えられる。そして、従来の給湯システムでは、そのような違いや変化に柔軟に対応することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、ユーザーの家族構成やライフスタイル等に応じてタンクユニットの容量を適切に調整可能である上、ユーザーの家族構成やライフスタイル等が変化した際にも柔軟に対応可能な給湯システム、及び給湯システムにおけるタンクユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、湯水を貯留するタンクユニットと、タンクユニットに貯留されている湯水を加熱するヒートポンプと、供給された湯水を燃料ガスの燃焼熱により加熱する給湯器と、タンクユニットに貯留されている湯水を所定の使用箇所側へ供給する第1供給路、及びタンクユニットを介さずに水道水を給湯器で加熱した後に使用箇所側へ供給する第2供給路を含む使用箇所への湯水の供給に係る複数の供給路を備えた給湯システムであって、タンクユニットは、ヒートポンプとの間で湯水を循環させるための循環路、タンクユニットに水道水を供給するための給水管、及び第1供給路を構成する供給管が接続されたタンク本体を備えているとともに、タンク本体には、湯水を貯留可能な補助タンクを、タンク本体に対して通水可能に連結可能としており、タンク本体に補助タンクを連結するか否かによって、タンクユニットの容量を調整することができることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、タンク本体に連結された補助タンクに対して、別の補助タンクを更に連結可能であり、連結する補助タンクの個数によって、タンクユニットの容量を調整することができることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、所定の使用箇所へ湯水を供給するための給湯システムにおいて湯水を貯留するタンクユニットであって、タンクユニットに貯留されている湯水を加熱するヒートポンプとの間で湯水を循環させるための循環路、タンクユニットに水道水を供給するための給水管、及び使用箇所へ湯水を供給するための供給管が接続されたタンク本体を備えているとともに、タンク本体には、湯水を貯留可能な補助タンクを、タンク本体に対して通水可能に連結可能としており、タンク本体に補助タンクを連結するか否かによって、貯留可能な湯水の容量を調整することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、タンクユニットは、ヒートポンプとの間で湯水を循環させるための循環路、タンクユニットに水道水を供給するための給水管、及び第1供給路を構成する供給管が接続されたタンク本体を備えているとともに、タンク本体には、湯水を貯留可能な補助タンクを、タンク本体に対して通水可能に連結可能としており、タンク本体に補助タンクを連結するか否かによって、タンクユニットの容量を調整することができるようにした。したがって、ユーザーの家族構成やライフスタイル等に応じてタンクユニットの容量を適切に調整可能である上、ユーザーの家族構成やライフスタイル等が変化した際にも柔軟に対応可能な給湯システムとすることができる。さらに、循環路、給水管、及び供給管が接続されているタンク本体に補助タンクを連結する/しないだけでタンクユニットの容量を調整することができるため、ヒートポンプによる保温に係る配管やタンクユニットへの水道水の供給に係る配管、使用箇所側へ湯水を供給するための配管等を変更することなく、タンクユニットの容量を調整することができ、タンクユニットの容量調整に係る作業を容易に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、タンク本体に連結された補助タンクに対して、別の補助タンクを更に連結可能であり、連結する補助タンクの個数によって、タンクユニットの容量を調整することができるようにした。したがって、タンクユニットの容量をより細かく調整することができ、極めて使い勝手の良い給湯システムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】補助タンクが連結された給湯システムの概略を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である給湯システムについて、図面にもとづき詳細に説明する。
図1は、給湯システムS1の概略を示した説明図である。
給湯システムS1は、湯水を貯留するタンクユニット1と、タンクユニット1に貯留されている湯水を加熱するヒートポンプ2と、供給された湯水を燃料ガスの燃焼により加熱する給湯器3と、コントローラ4と、リモコン5とを備えてなる。タンクユニット1は、1つのタンク本体1aから構成されており、該タンク本体1aの容量は、一般的な浴槽41よりも十分に容量の少ない20Lとなっている。また、タンク本体1aには、外部の水道管に接続された給水管6が接続されている。ヒートポンプ2は、蒸発器、圧縮器、及び熱交換器等を備え、熱媒体と通水との熱交換で通水を加熱する公知の装置で、出力は2.0kWとなっている。
【0010】
また、タンク本体1aの上部とヒートポンプ2の出口との間にはタンク往き管7が、タンク本体1aの下部とヒートポンプ2の入り口との間にはタンク戻り管8が夫々接続されている。そして、タンク往き管7とタンク戻り管8とにより、タンクユニット1(ここではタンク本体1aのみ)とヒートポンプ2との間を湯水が循環する循環路9が形成されている。また、タンク戻り管8には、湯水を循環させるためのポンプ10と、タンク戻り管8内の湯水の温度を検出するための戻り温度サーミスタ11とが設けられている。さらに、タンク本体1aの上部には、後述する給湯器3の給湯熱交換器23に接続される中継管12が接続されている。中継管12には、中継管12内を流れる湯水の温度を検出するための中継温度サーミスタ13と、中継管12内を流れる湯水の流量を検出するための中継流量センサ14とが設けられている。また、中継管12における給湯器3よりも上流側となる箇所と給水管6との間には、タンクユニット1をバイパスして給水管6内の水を給湯器3側に直接給水するための直接給水管15が接続されている。さらに、中継管12と直接給水管15との接続部には、タンクユニット1に貯留されている湯水を給湯熱交換器23側へ供給するか、それとも直接給水管15から水道水を給湯熱交換器23側へ供給するかで切り替え可能な切替電磁弁16が設けられている。なお、切替電磁弁16は、通常、タンクユニット1に貯留されている湯水が給湯熱交換器23側へ供給されるような切替状態となっている。
【0011】
そして、リモコン5が操作されてヒートポンプ2による保温運転が指示されると、コントローラ4は、ヒートポンプ2及びポンプ10を稼働させる。すると、タンクユニット1に貯留されている湯水が循環路9を循環し、ヒートポンプ2を通過する際に加熱される。また、その湯水は、ヒートポンプ2において一旦高温(たとえば75℃)まで加熱された後、戻り温度サーミスタ11の検出温度にもとづいてヒートポンプ2がON/OFF制御されることにより、所定の保温温度(たとえば65℃)に維持される。
【0012】
一方、給湯器3は、給湯加熱部20と風呂加熱部21とを備えている。給湯加熱部20は、給湯バーナ22と給湯熱交換器23とを有しており、給湯熱交換器23の入口に、上記中継管12が接続されている。また、給湯熱交換器23の出口には、出湯管26が接続されており、出湯管26には、出湯温度を検出するための出湯温度サーミスタ27が設けられている。また、出湯管26には、たとえば洗面所、台所、浴室等に夫々配される複数の給湯栓29が設けられた外部配管28が接続されている。さらに、直接給水管15における切替電磁弁16よりも上流側となる箇所と出湯管26との間には、出湯管26内に水道水を供給して出湯温度を調整するためのミキシング管30が接続されている。そして、直接給水管15とミキシング管30との接続部には、直接給水管15からミキシング管30に流れる水量を制御可能な水量制御弁31が設けられている。
【0013】
風呂加熱部21は、風呂バーナ24と風呂熱交換器25とを有している。風呂熱交換器25の入口と外部の浴槽41との間には、風呂戻り管42が接続されている。風呂戻り管42には、循環ポンプ43と風呂温度サーミスタ44とが設けられている。風呂熱交換器25の出口と浴槽41との間には、風呂往き管45が接続されている。そして、風呂戻り管42と風呂往き管45とによって、風呂熱交換器25と浴槽41との間を湯水が循環する追い焚き循環路46が形成されている。また、風呂戻り管42と出湯管26との間には、落とし込み管47が接続されている。落とし込み管47には、落とし込み電磁弁48と落とし込み流量センサ49とが設けられている。
【0014】
さらに、給湯バーナ22及び風呂バーナ24への燃料ガスの供給を行うガス管34は、給湯加熱部20側の給湯分岐管35と、風呂加熱部21側の風呂分岐管36とに分岐している。給湯分岐管35が給湯バーナ22へ燃料ガスを供給し、風呂分岐管36が風呂バーナ24へ燃料ガスを供給する。給湯分岐管35に給湯ガス切替弁37が設けられ、風呂分岐管36に風呂ガス切替弁38が設けられている。また、分岐前のガス管34には、上流側から元電磁弁39、比例制御弁40が設けられている。
【0015】
リモコン5は、ユーザーにより適宜操作されるもので、たとえば湯温等を設定するための設定ボタン(図示せず)、浴槽41への湯張りを指令するための湯張りボタン(図示せず)、及び浴槽41内の湯水の追い焚きを指令するための追い焚きボタン(図示せず)が設けられている。コントローラ4は、CPU及びCPUに接続されたメモリを含んで構成され、各サーミスタ及び各センサ、各弁と電気的に接続されている。該コントローラ4は、リモコン5からの運転指令と、リモコン5で設定された設定温度と、各サーミスタ及び各センサから得られる情報とにもとづいて、CPUに接続されたメモリを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されているプログラムに従い、タンクユニット1に貯留されている湯水の保温運転、給湯栓29から湯を出湯する給湯運転、浴槽41に湯張りする湯張り運転、浴槽41内の湯水を追い焚きする追い焚き運転等を実行する。
【0016】
まず給湯運転について説明する。コントローラ4は、給湯栓29が開栓されて中継流量センサ14による通水を確認すると、循環路9における湯水の温度、すなわち戻り温度サーミスタ11の検出温度が所定の保温温度以上であるか否かを判別する。そして、保温温度以上であることを確認すると、タンクユニット1に貯留されている湯水を使用した給湯動作を実行する。つまり、タンクユニット1に貯留されている湯水が給湯熱交換器23側へ供給されるように切替電磁弁16の切替状態を保持したままとする。すると、給水管6からタンクユニット1に水道水が供給されてタンクユニット1に貯留されている湯水が中継管12から給湯熱交換器23内を通って出湯管26に流れ、給湯栓29から出湯される。なお、コントローラ4は、出湯温度サーミスタ27で検出される湯の温度がリモコン5で設定される設定温度よりも高いと、水量制御弁31を所定開度に制御して直接給水管15から水道水をミキシング管30へ流し、出湯管26内の湯に混合させて設定温度に調整する。また、このとき給湯バーナ22への点火、すなわち給湯熱交換器23での湯水の加熱は行わない。
【0017】
また、中継管12内の通水確認後における判別の結果、戻り温度サーミスタ11の検出温度が保温温度を下回っていると、給湯器3による湯水の加熱を利用した給湯動作を実行する。つまり、タンクユニット1に貯留されている湯水が給湯熱交換器23側へ供給されるように切替電磁弁16の切替状態を保持したまま、ガス管34の元電磁弁39、給湯ガス切替弁37を開弁させるとともに、比例制御弁40を所定開度で開弁させて、給湯バーナ22へ燃料ガスを供給する。さらに、イグナイタを作動させて給湯バーナ22に点火する。すると、タンクユニット1から送られてきた湯水が、中継管12から給湯熱交換器23を通る際に燃焼排気との熱交換で加熱される。そして、そのようにして加熱された湯が出湯管26に流れ、給湯栓29から出湯される。このときもコントローラ4は、出湯温度サーミスタ27で検出される湯の温度がリモコン5で設定される設定温度よりも高いと、上記同様に水量制御弁31を所定開度に制御して直接給水管15から水道水をミキシング管30へ流し、出湯管26内の湯に混合させて設定温度に調整する。
【0018】
次に湯張り運転について説明する。コントローラ4は、リモコン5において湯張りボタン52が操作されると、浴槽41内へ湯を供給する湯張り動作を実行する。つまり、中継流量センサ14による中継管12内の通水の確認後、中継温度サーミスタ13で検出される湯の温度がリモコン5で設定される設定温度以上であると、タンクユニット1に貯留されている湯水が給湯熱交換器23側へ供給されるように切替電磁弁16の切替状態を保持したまま、上記同様に給湯バーナ22への点火等は行うことなく、タンクユニット1から送られてきた湯水を出湯管26に流す。その後、中継温度サーミスタ13で検出される湯の温度がリモコン5で設定される設定温度を下回ると、切替電磁弁16を制御して、タンクユニット1からの湯水の給湯熱交換器23側への供給が停止され、代わりに直接給水管15から水道水が給湯熱交換器23側へ供給されるように切り替える。また、ガス管34の元電磁弁39、給湯ガス切替弁37を開弁させる等して給湯バーナ22へ燃料ガスを供給し、イグナイタを作動させて給湯バーナ22に点火する。すると、水道水は、給水管6から直接給水管15を介して中継管12、そして給湯熱交換器23を通ることになり、燃焼排気との熱交換で加熱された後に出湯管26に流れる。
【0019】
また、コントローラ4は、落とし込み管47の落とし込み電磁弁48を開弁させて浴槽41への落とし込みを開始する。よって、給湯熱交換器23を通過して加熱された湯が出湯管26から落とし込み管47に流れ、風呂戻り管42から浴槽41へ供給される。さらに、コントローラ4は、落とし込み流量センサ49で検出された流量が予め設定された設定湯量に到達したことを確認すると、落とし込み電磁弁48を閉弁させるとともに給湯バーナ22の燃焼を停止させ、浴槽41への湯の供給、すなわち湯張り動作を終了する。なお、上述したように中継温度サーミスタ13で検出される湯の温度がリモコン5で設定される設定温度を下回るまでタンクユニット1に貯留されている湯を出湯管26へ流すが、この際ヒートポンプ2は作動させない。また、出湯温度サーミスタ27で検出の結果、タンクユニット1に貯留されている湯の温度又は給湯器3で加熱後の湯の温度がリモコン5で設定される設定温度よりも高いと、上記同様に水量制御弁31を所定開度に制御して水道水をミキシング管30へ流し、出湯管26内の湯に混合させて設定温度に調整する。さらに、湯張り動作の終了に伴い、切替電磁弁16の切替状態を、タンクユニット1に貯留されている湯水が給湯熱交換器23側へ供給される状態へと復帰させる。
【0020】
さらに追い焚き運転について説明する。上述したような湯張り後、コントローラ4は、リモコン5において追い焚きボタン53が操作されると、浴槽41内の湯を加熱する追い焚き動作を実行する。つまり、循環ポンプ43を作動させるとともに、風呂ガス切替弁38を開弁させて風呂バーナ24に点火し、浴槽41内の湯を追い焚き循環路46で循環させて追い焚きする。なお、風呂温度サーミスタ44による検出温度が予め設定された追い焚き温度に達すると、循環ポンプ43を停止させるとともに風呂バーナ24の燃焼を停止させ、追い焚き動作を終了する。
【0021】
一方、上述したような給湯システムS1では、ユーザーの家族構成に起因してタンクユニット1の容量が足りず、タンクユニット1(ここではタンク本体1aのみ)内の湯水が頻繁に湯切れしてしまうという状況が考えられる。また、家族が増えたことによって、タンクユニット1の容量が足りなくなり、湯切れが頻繁に生じるようになってしまったという状況も考えられる。そこで、そのような場合には、タンクユニット1の容量が増した給湯システムS2とすることで対応すればよい。
【0022】
以下、
図2に示す給湯システムS2について説明する。
図2は、補助タンク1b、1bが連結された給湯システムS2の概略を示した説明図である。
給湯システムS2は、上記給湯システムS1同様、湯水を貯留するタンクユニット1と、タンクユニット1に貯留されている湯水を加熱するヒートポンプ2と、供給された湯水を燃料ガスの燃焼により加熱する給湯器3と、コントローラ4と、リモコン5とを備えてなる。ただ、タンクユニット1は、1つのタンク本体1aと、タンク本体1aに連結される第1の補助タンク1bと、第1の補助タンク1bに連結される第2の補助タンク1bとから構成されている。各補助タンク1bの容量は、タンク本体1aよりも容量の少ない10Lとなっており、該給湯システムS2でのタンクユニット1の容量は40Lとなる。また、タンク本体1aの一側面、及び補助タンク1bの左右両側面には、タンク同士を通水可能に連結するための連結管18、18が着脱可能となっている。そして、連結管18、18により、タンク本体1aと補助タンク1bとが連結されているとともに、補助タンク1b、1b同士も連結されている。
【0023】
なお、給水管6、中継管12、タンク往き管7、及びタンク戻り管8は、上記給湯システムS1同様タンク本体1aに接続されている。したがって、給湯システムS1のタンク本体1aに1つの補助タンク1bを連結し、連結した補助タンク1bに別の補助タンク1bを更に連結するだけで給湯システムS2を構成することができる。また、給湯システムS2においても、タンクユニット1(ここではタンク本体1a及び2つの補助タンク1b、1b)とヒートポンプ2との間を湯水が循環する循環路9が形成されており、タンクユニット1に貯留される湯水はヒートポンプ2によって所定の保温温度に維持される。さらに、給湯システムS2における給湯栓29からの出湯動作や浴槽41への湯張り動作等は、上記給湯システムS1と同じ制御で実行される。
【0024】
以上のような構成を有する給湯システムS1、S2によれば、タンクユニット1は、ヒートポンプ2との間で湯水を循環させるための循環路9、タンク1内に水道水を供給するための給水管6、及びタンク1内の湯水を給湯栓29や浴槽41へ供給するための中継管12が接続されたタンク本体1aを備えているとともに、タンク本体1aには、湯水を貯留可能な補助タンク1bを、タンク本体1aに対して通水可能に連結可能としており、タンク本体1aに補助タンク1bを連結するか否かによって、タンクユニット1の容量を調整することができるようにした。したがって、ユーザーの家族構成やライフスタイル等に応じてタンクユニット1の容量を適切に調整可能である上、ユーザーの家族構成やライフスタイル等が変化した際にも柔軟に対応可能な給湯システムS1、S2とすることができる。さらに、循環路9、給水管6、及び中継管12が接続されているタンク本体1aに補助タンク1bを連結する/しないだけでタンクユニット1の容量を調整することができるため、ヒートポンプ2による保温に係る配管やタンクユニット1への水道水の供給に係る配管、給湯栓29や浴槽41等の使用箇所側へ湯水を供給するための配管等を変更することなく、タンクユニット1の容量を調整することができ、タンクユニット1の容量調整に係る作業を容易に行うことができる。
【0025】
また、タンク本体1aに連結された補助タンク1bに対して、別の補助タンク1bを更に連結可能であり、連結する補助タンク1bの個数によって、タンクユニット1の容量を調整することができるようにした。したがって、タンクユニット1の容量をより細かく調整することができ、極めて使い勝手の良い給湯システムS1、S2とすることができる。加えて、連結する補助タンク1bの個数を変更することによりタンクユニット1の容量を調整可能であるため、ヒートポンプ2による保温に係る配管やタンクユニット1への水道水の供給に係る配管、給湯栓29や浴槽41等の使用箇所側へ湯水を供給するための配管等を変更することなく、タンクユニット1の容量を調整することができ、タンクユニット1の容量調整に係る作業を容易に行うことができる。
【0026】
なお、本発明に係る給湯システム及び給湯システムにおけるタンクユニットは、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、給湯システムの全体的な構成は勿論、タンクユニットの容量調整に係る構成についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0027】
たとえば、上記実施形態では、1つのタンク本体に1つの補助タンクを連結しているが、1つのタンク本体に複数の補助タンクを連結可能に構成することも可能である。なお、タンク本体に対して補助タンクを通水可能に連結するための具体的構成については適宜設計変更可能であり、上記連結管を利用する構成に何ら限定されることはない。
【0028】
また、上記実施形態では、1つのタンク本体と2つの補助タンクとで構成されたタンクユニットを有する給湯システムとしているが、1つのタンク本体と1つの補助タンクとでタンクユニットを構成してもよいし、1つのタンク本体と3つ以上の補助タンクとでタンクユニットを構成しても当然良い。さらに、1つの補助タンクに対して2つのタンク(上記実施形態ではタンク本体と補助タンク)を連結可能としているが、3つ以上のタンクを連結可能に構成してもよいし、1つのタンクにしか連結できないように構成することも可能であり、それら複数タイプの補助タンクを組み合わせてタンクユニットを構成するとしても何ら問題はない。なお、補助タンク同士を通水可能に連結するための具体的構成についても言うまでもなく適宜設計変更することができる。
【0029】
加えて、タンク本体の容量は、上記形態の20Lに限らず、15.00L~25.00Lの間で適宜設定しても良い。補助タンクの容量についても上記形態の10Lに限らず、タンク本体と補助タンクとが同じ容量のタンクであってもよいし、容量の異なる複数種類の補助タンクを用意するとしても何ら問題はない。
また、給湯器の熱交換器は、顕熱を回収する一次熱交換器と、潜熱を回収する二次熱交換器とを併設したものであってもよい。
さらに、上記形態の給湯器は、風呂加熱部を備えているが、風呂加熱部のない給湯器を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0030】
1・・タンクユニット、1a・・タンク本体、1b・・補助タンク、2・・ヒートポンプ、3・・給湯器、4・・コントローラ、5・・リモコン、6・・給水管、9・・循環路、12・・中継管(供給管)、29・・給湯栓、41・・浴槽、S1、S2・・給湯システム。