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特開2025-59117マンコンベヤ欄干装置、マンコンベヤ及び雌ネジ材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025059117
(43)【公開日】2025-04-10
(54)【発明の名称】マンコンベヤ欄干装置、マンコンベヤ及び雌ネジ材
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/22 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
B66B23/22 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164663
(22)【出願日】2023-09-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上垣 康司
(72)【発明者】
【氏名】大桐 貢史
(72)【発明者】
【氏名】谷口 洸爾
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA01
3F321CE17
(57)【要約】
【課題】 パネル支持部に対するパネルの高さ方向の位置を変更することができるマンコンベヤ欄干装置を提供する。
【解決手段】 マンコンベヤ欄干装置は、パネルと、パネルを支持するパネル支持部と、パネル支持部に対するパネルの高さ方向の位置を変更可能な変更機構と、を備え、変更機構は、パネルよりも下方に配置され、パネル支持部に対する位置が固定される雌ネジ材と、雌ネジ材と螺合することによって、雌ネジ材から上方へ突出する量が変更可能であり、上端がパネルを下方から当て止めする雄ネジ材と、を備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、
前記パネルを支持するパネル支持部と、
前記パネル支持部に対する前記パネルの高さ方向の位置を変更可能な変更機構と、を備え、
前記変更機構は、
前記パネルよりも下方に配置され、前記パネル支持部に対する位置が固定される雌ネジ材と、
前記雌ネジ材と螺合することによって、前記雌ネジ材から上方へ突出する量が変更可能であり、上端が前記パネルを下方から当て止めする雄ネジ材と、を備える、マンコンベヤ欄干装置。
【請求項2】
前記パネルの下端部が挿入される凹部を有し、前記パネル支持部に支持されるフレーム材をさらに備え、
前記凹部は、底部に、前記高さ方向へ貫通する孔を備え、
前記雄ネジ材は、前記孔に挿入される、請求項1に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項3】
前記雌ネジ材は、前記フレーム材の前記孔に着脱可能である、請求項2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項4】
前記雌ネジ材は、
前記凹部の底部に収容されるベース部と、
前記ベース部から下方へ延び、前記孔から下方へ突出する突出部と、
前記突出部の下端から上方へ延び、前記雄ネジ材と螺合する雌ネジ部と、を備える、請求項3に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項5】
前記凹部の底部は、前記パネルの厚み方向で離れる一対の底側面を備え、
前記ベース部の前記厚み方向と直交する方向の長さは、前記一対の底側面間の距離よりも、長い、請求項4に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項6】
前記凹部の底部は、前記パネルの厚み方向で離れる一対の底側面を備え、
前記一対の底側面間の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなり、
前記ベース部の前記厚み方向の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、請求項4に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のマンコンベヤ欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【請求項8】
請求項3~6の何れか1項に記載のマンコンベヤ欄干装置に用いられる、雌ネジ材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤ欄干装置、マンコンベヤ及び雌ネジ材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ欄干装置は、パネルと、パネルを支持するパネル支持部とを備えている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係るマンコンベヤ欄干装置においては、パネル支持部の位置を変更することによって、パネルの高さ方向の位置を変更している。ところで、パネル支持部に対するパネルの高さ方向の位置を変更することによって、パネルの高さ方向の位置を変更したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-124181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、パネル支持部に対するパネルの高さ方向の位置を変更することができるマンコンベヤ欄干装置、マンコンベヤ及び雌ネジ材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤ欄干装置は、
パネルと、
前記パネルを支持するパネル支持部と、
前記パネル支持部に対する前記パネルの高さ方向の位置を変更可能な変更機構と、を備え、
前記変更機構は、
前記パネルよりも下方に配置され、前記パネル支持部に対する位置が固定される雌ネジ材と、
前記雌ネジ材と螺合することによって、前記雌ネジ材から上方へ突出する量が変更可能であり、上端が前記パネルを下方から当て止めする雄ネジ材と、を備える。
【0006】
マンコンベヤは、前記のマンコンベヤ欄干装置を備える。
【0007】
雌ネジ材は、前記のマンコンベヤ欄干装置に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの概要図
図2図1のII領域の内視拡大図
図3図2のIII-III線の要部断面図
図4】同実施形態に係るフレーム材の図(a:要部正面図、b:aのIV-IV線断面図)
図5図2のV領域拡大図であって、一部縦断面を示す図
図6図3のVI領域拡大図
図7】同実施形態に係る雌ネジ材の図(a:右側面図、b:正面図、c:底面図)
図8】他の実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置の要部正面図
図9】さらに他の実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置の要部正面図
図10】さらに他の実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置の要部正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、マンコンベヤ、マンコンベヤ欄干装置及び雌ネジ材における一実施形態について、図1図7を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤ、マンコンベヤ欄干装置及び雌ネジ材の構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ、マンコンベヤ欄干装置及び雌ネジ材の構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)のマンコンベヤ欄干装置(以下、単に「欄干装置」ともいう)4と、搬送部3及び欄干装置4を駆動させる駆動部5とを備えていてもよい。
【0013】
図1において、第1方向D1は、第1水平方向D1であり、第2方向D2は、第1水平方向D1と直交する第2水平方向D2であり、第3方向D3は、鉛直方向D3であり、第4方向は、搬送部3が人を搬送する方向であって、第1水平方向D1視にて第2水平方向D2に対して傾斜する搬送方向D4であり、第5方向D5は、第1水平方向D1視にて搬送方向D4と直交する搬送垂直方向D5である。
【0014】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0015】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2水平方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2aを備えていてもよい。また、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。
【0016】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0017】
また、例えば、走行部3aは、第1水平方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1水平方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0018】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、走行部3aの第2水平方向D2の第1端部が巻き掛けられて且つ第1水平方向D1を軸にして回転する回転部5aと、走行部3aの第2水平方向D2の第2端部を支持する走行支持部5bと、回転部5aを回転させる駆動源5cとを備えていてもよい。これにより、ステップ3bは、回転部5aによって反転し、また、走行支持部5bによって反転する。
【0019】
特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、走行支持部5bは、例えば、走行部3aを反転するようにガイドするガイド部材であってもよく、また、例えば、走行部3aが巻き掛けられて且つ第1水平方向D1を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。
【0020】
図1図3に示すように、欄干装置4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、平板状に形成されるパネル6と、パネル6の上端部が挿入され、手摺ベルト4aをガイドするガイド材7と、パネル6の下端部が挿入されるフレーム材8と、フレーム材8を支持することによって、パネル6を支持するパネル支持部9とを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0021】
図2及び図3図4図10も同様)において、第1方向D1は、第1水平方向D1であって、パネル6の厚み方向D1であり、第6方向D6は、パネル6の高さ方向D6であり、第7方向D7は、パネル6の幅方向D7である。高さ方向D6は、例えば、鉛直方向D3であったり、搬送垂直方向D5であったりし、また、幅方向D7は、例えば、第2水平方向D2であったり、搬送方向D4であったりする。
【0022】
本明細書において、「上(上方、上端、上端部等)」とは、特に明記が無い限り、高さ方向D6における上(上方、上端、上端部等)を意味し、また、「下(下方、下端、下端部等)」とは、特に明記が無い限り、高さ方向D6における下(下方、下端、下端部等)を意味する。また、本明細書において、特に明記がない限り、厚み方向D1、高さ方向D6及び幅方向D7は、欄干装置4に設置されたパネル6における各方向D1,D6,D7を意味する。
【0023】
パネル6は、例えば、本実施形態のように、複数備えられ、互いに接するようにして、幅方向D7(第2水平方向D2や搬送方向D4)へ並べられていてもよい。特に限定されないが、パネル6は、例えば、ガラスや硬質樹脂で形成されていてもよい。また、パネル支持部9は、例えば、本実施形態のように、複数備えられ、互いに離れるようにして、幅方向D7(第2水平方向D2や搬送方向D4)へ並べられていてもよい。
【0024】
図2及び図3に示すように、欄干装置4は、例えば、パネル支持部9を構造体2に固定する固定手段4bと、パネル6の下端部とフレーム材8とパネル支持部9とを覆うカバー材4cと、カバー材4c及びフレーム材8間を封止する封止材4dとを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、固定手段4bは、例えば、本実施形態のように、構造体2に対するパネル支持部9の高さ方向D6の位置を変更可能な構成であってもよい。
【0025】
パネル支持部9は、例えば、本実施形態のように、フレーム材8の下方部が挿入される支持凹部9aを備えていてもよい。これにより、パネル支持部9は、フレーム材8を支持している。また、欄干装置4は、例えば、本実施形態のように、フレーム材8をパネル支持部9に固定させるために、支持凹部9aに挿入される楔材4eを備えていてもよい。
【0026】
ガイド材7は、例えば、本実施形態のように、パネル6の上端部が挿入されるガイド凹部7aを備えていてもよい。これにより、ガイド材7は、パネル6に支持されている。また、ガイド材7は、例えば、本実施形態のように、並べられる複数のパネル6の上端部に沿って、幅方向D7へ延びていてもよい。
【0027】
図2図4に示すように、フレーム材8は、例えば、パネル6の下端部が挿入されるフレーム凹部8aを備えていてもよい。また、フレーム材8は、例えば、本実施形態のように、並べられる複数のパネル6の下端部に沿って、幅方向D7へ延びていてもよい。これにより、複数のパネル6の下端部が、フレーム材8のフレーム凹部8aに挿入されている。
【0028】
フレーム凹部8aの底部8bは、例えば、本実施形態のように、厚み方向D1で離れる一対の底側面8c,8cと、一対の底側面8c,8cを接続する凹底面8dと、高さ方向D6へ貫通する孔8eとを備えていてもよい。また、フレーム材8は、例えば、本実施形態のように、フレーム凹部8aの上端から厚み方向D1へ延びて封止材4dに接続されるフレーム接続部8f,8fを備えていてもよい。
【0029】
また、欄干装置4は、例えば、本実施形態のように、パネル6及びフレーム材8間に高さ方向D6の隙間を形成するために、高さ方向D6でパネル6とフレーム材8との間に挟まれる介挿材4fを備えていてもよい。特に限定されないが、介挿材4fは、例えば、弾性材(例えば、ゴム)で形成されていてもよい。
【0030】
ところで、例えば、パネル6によるガイド材7の支持を安定させることによって、手摺ベルト4aの走行を安定させることができるため、並べられる複数のパネル6の上端の高さ方向D6の位置を合わせる必要がある。一方で、例えば、パネル6のサイズ(例えば、高さ方向D6の寸法)が多少異なる場合がある。
【0031】
そこで、図5図7に示すように、欄干装置4は、例えば、フレーム材8に対するパネル6の高さ方向D6の位置を変更可能な変更機構11を備えていてもよい。変更機構11は、例えば、パネル6よりも下方に配置される雌ネジ材12と、雌ネジ材12と螺合する雄ネジ材13とを備えていてもよい。
【0032】
これにより、雌ネジ材12及び雄ネジ材13は、互いに螺合するネジ部12a,13a(具体的には、雌ネジ部12a及び雄ネジ部13a)を備えている。なお、図5において、フレーム材8は、縦断面を示しており、図7(a)及び図7(b)において、雄ネジ材13は、二点鎖線で図示されている。
【0033】
また、雌ネジ材12は、例えば、本実施形態のように、フレーム材8の孔8eに着脱可能であってもよく、雄ネジ材13は、例えば、本実施形態のように、雌ネジ材12に着脱可能であってもよい。これにより、フレーム材8、雌ネジ材12及び雄ネジ材13は、互いに分離可能な別部品となっている。
【0034】
雌ネジ材12は、例えば、本実施形態のように、フレーム凹部8aの底部8bに収容される(フレーム凹部8aの底部8bの内部に配置される)ベース部12bと、ベース部12bから下方へ延び、フレーム凹部8aの孔8eから下方へ突出する突出部12cとを備えていてもよい。これにより、雌ネジ材12をフレーム材8の孔8eに装着することができ、そして、パネル支持部9(図2及び図3参照)に対する雌ネジ材12の位置を固定することができる。
【0035】
なお、例えば、本実施形態のように、一対の底側面8c,8c間の厚み方向D1の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなり、ベース部12bの厚み方向D1の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、という構成でもよい。これにより、ベース部12bがフレーム凹部8aの底部8bに嵌まるため、フレーム凹部8aの底部8bに雌ネジ材12を安定して装着することができる。
【0036】
そして、雌ネジ部12aは、突出部12cの下端から上方(高さ方向D6)へ、雌ネジ材12の上端まで延びており、雄ネジ部13aは、高さ方向D6へ延びている。これにより、雄ネジ部13aが雌ネジ部12aと螺合することによって、雄ネジ材13は、雌ネジ材12を介して、フレーム材8の孔8eに挿入される。
【0037】
なお、例えば、本実施形態のように、ベース部12bの幅方向D7の長さは、一対の底側面8c,8c間の厚み方向D1の距離よりも、長くてもよい。これにより、雄ネジ材13が雌ネジ部12aと螺合するときに、ベース部12bが雌ネジ部12aの軸回り方向で底側面8cに当て止めされるため、雌ネジ材12が雄ネジ材13と共回りすることを抑制することができる。したがって、例えば、雌ネジ材12と雄ネジ材13との螺合を容易に行うことができる。
【0038】
また、雄ネジ部13aが雌ネジ部12aと螺合することによって、雄ネジ材13のうち、雌ネジ材12から上方へ突出する量が、変更され、そして、雄ネジ材13の上端が、パネル6の下端を下方から当て止めする。これにより、雌ネジ材12に対する雄ネジ材13の上方への突出量を変更することによって、パネル支持部9に対するパネル6の高さ方向D6の位置を変更することができる。したがって、例えば、パネル6の高さ方向D6のサイズが異なる場合でも、並べられる複数のパネル6の上端の高さ方向D6の位置を合わせることができる。
【0039】
なお、雄ネジ材13は、例えば、本実施形態のように、フレーム凹部8aの外部(本実施形態においては、下端部)に配置される操作部13bを備えていてもよい。これにより、雄ネジ材13をフレーム凹部8aの外部で操作することによって、雄ネジ材13を雌ネジ材12に螺合させることができる。特に限定されないが、雄ネジ材13は、例えば、本実施形態のように、操作部13bが頭部であるボルトとしてもよい。
【0040】
また、パネル6は、雄ネジ材13及び介挿材4f(図2参照)を介して、フレーム材8に支持されており、フレーム材8は、パネル支持部9(図2及び図3参照)に支持されている。したがって、パネル6は、雄ネジ材13、介挿材4f及びフレーム材8を介して、パネル支持部9に支持されている。
【0041】
[1]
以上より、マンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、
パネル6と、
前記パネル6を支持するパネル支持部9と、
前記パネル支持部9に対する前記パネル6の高さ方向D6の位置を変更可能な変更機構11と、を備え、
前記変更機構11は、
前記パネル6よりも下方に配置され、前記パネル支持部9に対する位置が固定される雌ネジ材12と、
前記雌ネジ材12と螺合することによって、前記雌ネジ材12から上方へ突出する量が変更可能であり、上端が前記パネル6を下方から当て止めする雄ネジ材13と、を備える、
という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、雌ネジ材12がパネル6よりも下方に配置され、パネル支持部9に対する雌ネジ材12の位置が固定されている。そして、雄ネジ材13が雌ネジ材12と螺合することによって、雄ネジ材13のうち、雌ネジ材12から上方へ突出する量が、変更し、雄ネジ材13の上端は、パネル6を下方から当て止めしている。これにより、パネル支持部9に対するパネル6の高さ方向D6の位置を変更することができる。
【0043】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、
前記パネル6の下端部が挿入される凹部(フレーム凹部)8aを有し、前記パネル支持部9に支持されるフレーム材8をさらに備え、
前記凹部8aは、底部8bに、前記高さ方向D6へ貫通する孔8eを備え、
前記雄ネジ材13は、前記孔8eに挿入される、
という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、パネル6の下端部がフレーム材8の凹部(フレーム凹部)8aに挿入され、フレーム材8は、パネル支持部9に支持されている。そして、雄ネジ材13が、凹部8aの底部8bに備えられる孔8eに挿入されることによって、雄ネジ材13の上端は、パネル6を下方から当て止めする。
【0045】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記雌ネジ材12は、前記フレーム材8の前記孔8eに着脱可能である、
という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、雌ネジ材12がフレーム材8の孔8eに装着されることによって、パネル支持部9に対する雌ネジ材12の位置が固定される。これにより、雌ネジ材12をフレーム材8と別部品にすることができる。
【0047】
[4]
また、上記[3]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記雌ネジ材12は、
前記凹部(フレーム凹部)8aの底部8bに収容されるベース部12bと、
前記ベース部12bから下方へ延び、前記孔8eから下方へ突出する突出部12cと、
前記突出部12cの下端から上方へ延び、前記雄ネジ材13と螺合する雌ネジ部12aと、を備える、
という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、ベース部12bは、フレーム材8の凹部(フレーム凹部)8aの底部8bに収容され、突出部12cは、ベース部12bから下方へ延び、フレーム材8の孔8eから下方へ突出している。これにより、雌ネジ材12をフレーム材8の孔8eに装着することができ、そして、パネル支持部9に対する雌ネジ材12の位置を固定することができる。
【0049】
そして、雌ネジ部12aは、突出部12cの下端から上方へ延びており、雄ネジ材13は、雌ネジ部12aと螺合している。これにより、雄ネジ材13は、フレーム材8の孔8eに挿入され、雄ネジ材13の上端は、パネル6を下方から当て止めする。
【0050】
[5]
また、上記[4]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記凹部(フレーム凹部)8aの底部8bは、前記パネル6の厚み方向D1で離れる一対の底側面8c,8cを備え、
前記ベース部12bの前記厚み方向D1と直交する方向(幅方向)D7の長さは、前記一対の底側面8c,8c間の距離よりも、長い、
という構成が好ましい。
【0051】
斯かる構成によれば、ベース部12bの厚み方向D1と直交する方向(幅方向)D7の長さが、一対の底側面8c,8c間の距離よりも、長いため、ベース部12bは、雌ネジ部12aの軸回り方向で底側面8cに当て止めされる。これにより、雄ネジ材13が雌ネジ部12aと螺合するときに、雌ネジ材12が雄ネジ材13と共回りすることを抑制することができる。
【0052】
[6]
また、上記[4]又は[5]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記凹部(フレーム凹部)8aの底部8bは、前記パネル6の厚み方向D1で離れる一対の底側面8c,8cを備え、
前記一対の底側面8c,8c間の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなり、
前記ベース部12bの前記厚み方向D1の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、
という構成が好ましい。
【0053】
斯かる構成によれば、一対の底側面8c,8c間の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなっていることに対して、ベース部12bの厚み方向D1の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなっている。これにより、例えば、ベース部12bが凹部(フレーム凹部)8aの底部8bに嵌まるため、フレーム材8の凹部8aの底部8bに雌ネジ材12を安定して装着することができる。
【0054】
[7]
また、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、
上記[1]~[6]の何れか1つのマンコンベヤ欄干装置4を備える、
という構成が好ましい。
【0055】
斯かる構成によれば、パネル支持部9に対するパネル6の高さ方向D6の位置を変更することができる。
【0056】
[8]
また、雌ネジ材12は、本実施形態のように、
上記[3]~[6]の何れか1つのマンコンベヤ欄干装置4に用いられる、
という構成が好ましい。
【0057】
斯かる構成によれば、パネル支持部9に対するパネル6の高さ方向D6の位置を変更することができる。
【0058】
なお、マンコンベヤ1、マンコンベヤ欄干装置4及び雌ネジ材12は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1、マンコンベヤ欄干装置4及び雌ネジ材12は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0059】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、雌ネジ材12は、フレーム材8の孔8eに装着されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0060】
例えば、図8に示すように、雌ネジ材12は、固定手段14によって、パネル支持部9に固定されている、という構成でもよい。なお、図8に係る構成においては、雄ネジ材13は、雌ネジ材12の雌ネジ部12aと螺合し、フレーム材8の孔8eに挿入されており、雄ネジ材13の上端は、パネル6を下方から当て止めしている。
【0061】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、パネル6の下端部は、フレーム材8のフレーム凹部8aに挿入され、フレーム材8の下方部は、パネル支持部9の支持凹部9aに挿入されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0062】
例えば、欄干装置4は、フレーム材8を備えておらず、パネル6の下端部は、パネル支持部9の支持凹部9aに直接に挿入されている、という構成でもよい。なお、斯かる構成においては、雌ネジ材12は、例えば、パネル支持部9に固定されていてもよく、また、例えば、構造体2に固定されていてもよい。
【0063】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、雌ネジ材12は、フレーム材8の孔8eに着脱可能である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0064】
例えば、図9に示すように、雌ネジ材12は、フレーム材8の孔8eから離脱不能となるように、フレーム材8に固定されている、という構成でもよい。特に限定されないが、図9に係る構成においては、雌ネジ材12は、例えば、溶接や接着等によって、フレーム材8の孔8eに固定されていてもよい。また、特に限定されないが、図9に係る雌ネジ材12は、例えば、ナットとしてもよい。
【0065】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、雌ネジ材12は、フレーム凹部8aの底部8bに収容されるベース部12bと、ベース部12bから下方へ延び、フレーム材8の孔8eから下方へ突出する(フレーム凹部8aの外部に配置される)突出部12cとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0066】
例えば、雌ネジ材12は、ベース部12bを備えており、突出部12cを備えていない、という構成でもよい。そして、例えば、雌ネジ材12の全体は、フレーム凹部8aの内部に配置されている、という構成でもよい。
【0067】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、ベース部12bの幅方向D7の長さは、一対の底側面8c,8c間の厚み方向D1の距離よりも、長い、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0068】
例えば、ベース部12bの幅方向D7の長さは、一対の底側面8c,8c間の厚み方向D1の距離よりも、短い、という構成でもよい。また、例えば、ベース部12bの幅方向D7の長さは、一対の底側面8c,8c間の厚み方向D1の距離と、同じ、という構成でもよい。
【0069】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、一対の底側面8c,8c間の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなり、ベース部12bの厚み方向D1の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0070】
例えば、一対の底側面8c,8c間の距離は、高さ方向D6に亘って、一定であり、ベース部12bの厚み方向D1の幅は、高さ方向D6に亘って、一定である、という構成でもよい。また、例えば、一対の底側面8c,8c間の距離は、高さ方向D6に亘って、一定であり、ベース部12bの厚み方向D1の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、という構成でもよい。
【0071】
(G)また、マンコンベヤ1においては、例えば、フレーム材8の孔8eは、雌ネジ材12のベース部12bが下方から通過可能な大きさに形成されている、という構成でもよい。斯かる構成においては、例えば、図10(a)に示すように、孔8eは、幅方向D7に沿って、延びていてもよい。
【0072】
これにより、まず、図10(b)に示すように、ベース部12bの一方部(図10の左方部)が孔8eを通過して、その後、図10(c)に示すように、ベース部12bの他方部(図10の右方部)が孔8eを通過することによって、ベース部12bは、フレーム凹部8aの内部に配置される。したがって、例えば、パネル6の下端部がフレーム凹部8aに挿入された後に、フレーム材8の下方から、雌ネジ材12をフレーム材8の孔8eに装着することができる。
【0073】
(H)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0074】
1…マンコンベヤ、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干装置、4a…手摺ベルト、4b…固定手段、4c…カバー材、4d…封止材、4e…楔材、4f…介挿材、5…駆動部、5a…回転部、5b…走行支持部、5c…駆動源、6…パネル、7…ガイド材、7a…ガイド凹部、8…フレーム材、8a…フレーム凹部、8b…底部、8c…底側面、8d…凹底面、8e…孔、8f…フレーム接続部、9…パネル支持部、9a…支持凹部、11…変更機構、12…雌ネジ材、12a…雌ネジ部、12b…ベース部、12c…突出部、13…雄ネジ材、13a…雄ネジ部、13b…操作部、14…固定手段、D1…厚み方向(第1水平方向)、D2…第2水平方向、D3…鉛直方向、D4…搬送方向、D5…搬送垂直方向、D6…高さ方向、D7…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルと、
前記パネルを支持するパネル支持部と、
前記パネル支持部に対する前記パネルの高さ方向の位置を変更可能な変更機構と、を備え、
前記変更機構は、
前記パネルよりも下方に配置され、前記パネル支持部に対する位置が固定される雌ネジ材と、
前記雌ネジ材と螺合することによって、前記雌ネジ材から上方へ突出する量が変更可能であり、上端が前記パネルを下方から当て止めする雄ネジ材と、を備える、マンコンベヤ欄干装置であって、
前記パネルの下端部が挿入される凹部を有し、前記パネル支持部に支持されるフレーム材をさらに備え、
前記凹部は、底部に、前記高さ方向へ貫通する孔を備え、
前記雄ネジ材は、前記孔に挿入される、マンコンベヤ欄干装置。
【請求項2】
前記雌ネジ材は、前記フレーム材の前記孔に着脱可能である、請求項に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項3】
前記雌ネジ材は、
前記凹部の底部に収容されるベース部と、
前記ベース部から下方へ延び、前記孔から下方へ突出する突出部と、
前記突出部の下端から上方へ延び、前記雄ネジ材と螺合する雌ネジ部と、を備える、請求項に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項4】
前記凹部の底部は、前記パネルの厚み方向で離れる一対の底側面を備え、
前記ベース部の前記厚み方向と直交する方向の長さは、前記一対の底側面間の距離よりも、長い、請求項に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項5】
前記凹部の底部は、前記パネルの厚み方向で離れる一対の底側面を備え、
前記一対の底側面間の距離は、下方へ行くにつれて、小さくなり、
前記ベース部の前記厚み方向の幅は、下方へ行くにつれて、小さくなる、請求項に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載のマンコンベヤ欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【請求項7】
請求項2~5の何れか1項に記載のマンコンベヤ欄干装置に用いられる、雌ネジ材。