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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025059181
(43)【公開日】2025-04-10
(54)【発明の名称】冷却器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6554 20140101AFI20250403BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20250403BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20250403BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20250403BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20250403BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01L23/46 Z
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023169025
(22)【出願日】2023-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】冨倉 康治
【テーマコード(参考)】
5F136
5H031
【Fターム(参考)】
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA27
5F136GA02
5F136GA04
5F136GA11
5H031KK01
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】幅の広い発熱体に対応可能とする。
【解決手段】冷却器1は、長手方向Lに延びる冷却液通路11と、第一長手方向L1及び第二長手方向L2における冷却液通路11の端部を下方H2に開放する第一開口12及び第二開口13と、を有する第一冷却プレート10と、第一冷却プレート10と幅方向Wに隣接して、長手方向Lに延びる冷却液通路31と、第一長手方向L1及び第二長手方向L2における冷却液通路31の端部を下方H2に開放する第一開口32及び第二開口33と、を有する第二冷却プレート30と、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を跨いで第二開口13及び第二開口33を覆うように第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合されることで、第二開口13と第二開口33とを連通する第一冷却液連通路61を形成する第一連通用蓋60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる冷却液通路と、前記長手方向の一方の方向である第一長手方向における前記冷却液通路の端部を前記長手方向と直交する高さ方向の一方である下方に開放する第一開口と、前記第一長手方向とは反対の第二長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方に開放する第二開口と、を有し、前記長手方向及び前記高さ方向と直交する幅方向に互いに隣接する複数の冷却プレートと、
前記複数の冷却プレートを跨いで前記複数の冷却プレートの前記第二開口を覆うように前記複数の冷却プレートに接合されることで、前記複数の冷却プレートの前記第二開口に連通される第一冷却液連通路を形成する第一連通用蓋と、を備える、
冷却器。
【請求項2】
前記第一連通用蓋は、
前記複数の冷却プレートのそれぞれの前記第二開口を覆うように前記複数の冷却プレートのそれぞれに接合されて前記複数の冷却プレートのそれぞれの前記第二開口に連通される第三開口が形成された複数の冷却プレート用蓋部を有する、第一内蓋部と、
前記複数の冷却プレート用蓋部の前記第三開口を覆うように前記複数の冷却プレート用蓋部に接合されて、前記複数の冷却プレート用蓋部の前記三開口に連通される第一蓋内連通路を形成する第一外蓋部と、を有する、
請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記複数の冷却プレートのそれぞれは、冷却壁部と、前記冷却壁部の前記下方に配置されて前記冷却壁部と前記高さ方向に対向する底壁部と、前記冷却壁部及び前記底壁部に接続されて前記幅方向に対向される一対の側壁部と、を有し、
前記第一連通用蓋は、前記複数の冷却プレートの前記冷却壁部の前記下方に配置される、
請求項1又は2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記複数の冷却プレートのそれぞれは、前記底壁部及び前記一対の側壁部の前記第一長手方向における端部が切り欠かれた第一切欠きと、前記底壁部及び前記一対の側壁部の前記第二長手方向における端部が切り欠かれた第二切欠きと、を有しており、
前記第一開口は、前記第一切欠きにより形成されており、
前記第二開口は、前記第二切欠きにより形成されている、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項5】
前記第一長手方向における前記底壁部の先端は、前記第一長手方向における前記冷却壁部の先端よりも前記第二長手方向側に位置しており、
前記第二長手方向における前記底壁部の先端は、前記第二長手方向における前記冷却壁部の先端よりも前記第一長手方向側に位置している、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項6】
前記第一開口は、前記底壁部と、前記第一長手方向における前記一対の側壁部の端面と、前記冷却壁部と、により形成されて、前記第一長手方向における前記一対の側壁部の前記端面は、前記第一長手方向における前記底壁部の先端から前記冷却壁部まで、前記第一長手方向側に傾斜して延びており、
前記第二開口は、前記底壁部と、前記第二長手方向における前記一対の側壁部の端面と、前記冷却壁部と、により形成されて、前記第二長手方向における前記一対の側壁部の前記端面は、前記第二長手方向における前記底壁部の先端から前記冷却壁部まで、前記第二長手方向側に傾斜して延びている、
請求項5に記載の冷却器。
【請求項7】
前記複数の冷却プレートのそれぞれは、前記冷却壁部から前記底壁部まで延びて前記冷却液通路を前記幅方向に区画する区画壁部を有し、
前記冷却液通路は、前記区画壁部により複数の小通路に区画された区画領域と、前記区画領域と前記第一開口との間に位置して前記複数の小通路が連通される第一チャンバ領域と、前記区画領域と前記第二開口との間に位置して前記複数の小通路が連通される第二チャンバ領域と、を有する、
請求項4に記載の冷却器。
【請求項8】
前記複数の冷却プレートのそれぞれは、前記冷却壁部から前記下方に突出して前記区画壁部から前記第一開口まで延びる第一開口側リブ部と、前記冷却壁部から前記下方に突出して前記区画壁部から前記第二開口まで延びる第二開口側リブ部と、を有する、
請求項7に記載の冷却器。
【請求項9】
前記複数の冷却プレートの一つである第一冷却プレートの前記第一開口を覆うように前記第一冷却プレートに接合される入口側終端用蓋と、
冷却液の供給口となる入口ポート部と、を更に備え、
前記第一冷却プレートの前記冷却壁部は、前記第一長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方とは反対の上方に開放する入口用開口を有し、
前記入口ポート部は、前記入口用開口に連通されるように前記第一冷却プレートの前記冷却壁部に接合される、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項10】
前記複数の冷却プレートの一つである第二冷却プレートの前記第一開口を覆うように前記第二冷却プレートに接合される出口側終端用蓋と、
冷却液の排出口となる出口ポート部と、を更に備え、
前記第二冷却プレートの前記冷却壁部は、前記第一長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、
前記出口ポート部は、前記出口用開口に連通されるように前記第二冷却プレートの前記冷却壁部に接合される、
請求項9に記載の冷却器。
【請求項11】
前記第二冷却プレートは、前記第一冷却プレートと前記幅方向に隣接している、
請求項10に記載の冷却器。
【請求項12】
前記複数の冷却プレートを跨いで前記複数の冷却プレートの前記第一開口を覆うように前記複数の冷却プレートに接合されることで、前記複数の冷却プレートの前記冷却液通路に連通される第二冷却液連通路を形成する第二連通用蓋を更に備える、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項13】
冷却液の供給口となる入口ポート部を更に備え、
前記複数の冷却プレートの一つである第一冷却プレートの前記冷却壁部は、前記第一長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方とは反対の上方に開放する入口用開口を有し、
前記入口ポート部は、前記入口用開口に連通されるように前記第一冷却プレートの前記冷却壁部に接合される、
請求項12に記載の冷却器。
【請求項14】
冷却液の排出口となる出口ポート部を更に備え、
前記第一冷却プレートの前記冷却壁部は、前記第二長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、
前記出口ポート部は、前記出口用開口に連通されるように前記第一冷却プレートの前記冷却壁部に接合される、
請求項13に記載の冷却器。
【請求項15】
冷却液の排出口となる出口ポート部を更に備え、
前記複数の冷却プレートの一つである第二冷却プレートの前記冷却壁部は、前記第二長手方向における前記冷却液通路の端部を前記下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、
前記出口ポート部は、前記出口用開口に連通されるように前記第二冷却プレートの前記冷却壁部に接合される、
請求項13に記載の冷却器。
【請求項16】
前記複数の冷却プレーは、第三冷却プレートと、前記第三冷却プレートと前記幅方向に隣接する第四冷却プレートと、を有し、
前記第三冷却プレートの前記一対の側壁部のうち、一方は、前記第四冷却プレート側に配置される第一内側側壁部であり、他方は、前記第四冷却プレートとは反対側に配置される第一外側側壁部であり、
前記第四冷却プレートの前記一対の側壁部のうち、一方は、前記第三冷却プレート側に配置される第二内側側壁部であり、他方は、前記第三冷却プレートとは反対側に配置される第二外側側壁部であり、
前記第一内側側壁部及び前記第二内側側壁部の何れか一方は、前記幅方向に突出する第一凸部を有し、
前記第一内側側壁部及び前記第二内側側壁部の何れか他方は、前記幅方向に突出して前記高さ方向において前記第一凸部と重ね合わされる第二凸部を有する、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項17】
前記複数の冷却プレーは、第三冷却プレートと、前記第三冷却プレートと前記幅方向に隣接する第四冷却プレートと、を有し、
前記第三冷却プレートの前記一対の側壁部のうち、一方は、前記第四冷却プレート側に配置される第一内側側壁部であり、他方は、前記第四冷却プレートとは反対側に配置される第一外側側壁部であり、
前記第四冷却プレートの前記一対の側壁部のうち、一方は、前記第三冷却プレート側に配置される第二内側側壁部であり、他方は、前記第三冷却プレートとは反対側に配置される第二外側側壁部であり、
前記第一内側側壁部及び前記第二内側側壁部の何れか一方は、前記幅方向に突出する凸部を有し、
前記第一内側側壁部及び前記第二内側側壁部の何れか他方は、前記凸部が嵌め込まれる凹部を有する、
請求項3に記載の冷却器。
【請求項18】
前記凸部及び前記凹部は、第一内側側壁部及び前記第二内側側壁部の前記高さ方向における中央部に位置している、
請求項17に記載の冷却器。
【請求項19】
前記長手方向と直交する断面において、前記第一内側側壁部と前記第二内側側壁部とは点対称の関係にあり、前記第一外側側壁部と前記第二外側側壁部とは点対称の関係にある、
請求項16に記載の冷却器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、バッテリ等の発熱体を冷却する冷却器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリ等の発熱体を冷却する冷却器が記載されている。この冷却器は、複数の区画壁によって区画される複数の冷媒通路を有する押出成形材である冷却プレートと、冷却プレートの長手方向の一端に形成された第1の切欠き部にろう付けされた第1の上蓋体と、冷却プレートの長手方向の他端に形成された第2の切欠き部にろう付けされた第2の上蓋体と、を備えている。そして、第1の上蓋体及び第2の上蓋体に、冷媒通路に連通する冷媒流入口及び冷媒流出口が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6494134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された冷却器では、冷却プレートを押出成形により作製しているが、押出成形で作製できる冷却プレートの幅には限界があるため、幅の広い発熱体に対応することが難しいという問題がある。
【0005】
ここで、複数の冷却器を幅方向に配列して複数の冷却器間をホース又はコネクタで接続することが考えられる。しかしながら、ホース又はコネクタの取り回しが煩雑になるとともに、ホース又はコネクタの取り回しによっては冷却プレートの長手方向及び高さ方向に大型化する可能性もある。このため、ホース又はコネクタを用いずに、幅の広い発熱体に対応することが望まれる。
【0006】
本発明の一側面は、幅の広い発熱体に対応することができる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 本発明の一側面に係る冷却器は、長手方向に延びる冷却液通路と、長手方向の一方の方向である第一長手方向における冷却液通路の端部を長手方向と直交する高さ方向の一方である下方に開放する第一開口と、第一長手方向とは反対の第二長手方向における冷却液通路の端部を下方に開放する第二開口と、を有し、長手方向及び高さ方向と直交する幅方向に互いに隣接する複数の冷却プレートと、複数の冷却プレートを跨いで複数の冷却プレートの第二開口を覆うように複数の冷却プレートに接合されることで、複数の冷却プレートの第二開口に連通される第一冷却液連通路を形成する第一連通用蓋と、を備える。
【0008】
この冷却器では、複数の冷却プレートのそれぞれにおいて、第一開口及び第二開口の何れか一方から冷却液通路に冷却液を供給すると、冷却液は、冷却液通路を通って、第一開口及び第二開口の何れか他方から複数の冷却プレートのそれぞれの外部に排出される。これにより、複数の冷却プレートのそれぞれにおいて発熱体と冷却液とが熱交換されて発熱体が冷却されるため、冷却プレート単体でも発熱体を冷却することができる。そして、この冷却器では、複数の冷却プレートが幅方向に互いに隣接され、第一連通用蓋が複数の冷却プレートを跨いで複数の冷却プレートの第二開口を覆うように複数の冷却プレートに接合されることで、複数の冷却プレートの第二開口に連通される第一冷却液連通路が形成される。これにより、複数の冷却プレートの冷却液通路が第一冷却液連通路を介して互いに連通されるため、長手方向に大型化するのを抑制しつつ、幅の広い発熱体に対応することができる。しかも、冷却プレートを追加していくことで、冷却器の幅を更に広げることができるため、更に幅の広い発熱体にも対応することができる。
【0009】
[2] [1]に記載の冷却器において、第一連通用蓋は、複数の冷却プレートのそれぞれの第二開口を覆うように複数の冷却プレートのそれぞれに接合されて複数の冷却プレートのそれぞれの第二開口に連通される第三開口が形成された複数の冷却プレート用蓋部を有する、第一内蓋部と、複数の冷却プレート用蓋部の第三開口を覆うように複数の冷却プレート用蓋部に接合されて、複数の冷却プレート用蓋部の三開口に連通される第一蓋内連通路を形成する第一外蓋部と、を有してもよい。
【0010】
この冷却器では、複数の冷却プレートに第一内蓋部を接合し、第一内蓋部に第一外蓋部を接合することで、複数の冷却プレートのそれぞれの冷却液通路が、複数の冷却プレート用蓋部のそれぞれの第三開口及び第一蓋内連通路を介して連通される。つまり、複数の冷却プレート用蓋部のそれぞれの第三開口及び第一蓋内連通路が、複数の冷却プレートの第二開口に連通される第一冷却液連通路となる。このため、気密な第一冷却液連通路を容易に形成することができる。
【0011】
[3] [1]又は[2]に記載の冷却器において、複数の冷却プレートのそれぞれは、冷却壁部と、冷却壁部の下方に配置されて冷却壁部と高さ方向に対向する底壁部と、冷却壁部及び底壁部に接続されて幅方向に対向される一対の側壁部と、を有し、第一連通用蓋は、複数の冷却プレートの冷却壁部の下方に配置されてもよい。
【0012】
この冷却器では、複数の冷却プレートのそれぞれが、冷却壁部、底壁部、及び一対の側壁部を有するため、冷却壁部、底壁部、及び一対の側壁部内に冷却液通路が形成される。そして、第一連通用蓋が、複数の冷却プレートの冷却壁部の下方に配置されるため、複数の冷却プレートの冷却壁部に発熱体を載置した場合に、第一連通用蓋が破壊されたとしても、冷却液が発熱体にかかるのを抑制することができる。
【0013】
[4] [3]に記載の冷却器において、複数の冷却プレートのそれぞれは、底壁部及び一対の側壁部の第一長手方向における端部が切り欠かれた第一切欠きと、底壁部及び一対の側壁部の第二長手方向における端部が切り欠かれた第二切欠きと、を有しており、第一開口は、第一切欠きにより形成されており、第二開口は、第二切欠きにより形成されていてもよい。
【0014】
この冷却器では、第一開口が、底壁部及び一対の側壁部の第一長手方向における端部が切り欠かれた第一切欠きにより形成されているため、第一開口において冷却液通路を下方に開放させることができる。また、第二開口が、底壁部及び一対の側壁部の第二長手方向における端部が切り欠かれた第二切欠きにより形成されているため、第二開口において冷却液通路を下方に開放させることができる。
【0015】
[5] [3]又は[4]に記載の冷却器において、第一長手方向における底壁部の先端は、第一長手方向における冷却壁部の先端よりも第二長手方向側に位置しており、第二長手方向における底壁部の先端は、第二長手方向における冷却壁部の先端よりも第一長手方向側に位置していてもよい。
【0016】
この冷却器では、第一長手方向における底壁部の先端が、第一長手方向における冷却壁部の先端よりも第二長手方向側に位置しているため、第一長手方向における冷却液通路の端部を下方に開放させることができる。また、第二長手方向における底壁部の先端が、第二長手方向における冷却壁部の先端よりも第一長手方向側に位置しているため、第二長手方向における冷却液通路の端部を下方に開放させることができる。
【0017】
[6] [5]に記載の冷却器において、第一開口は、底壁部と、第一長手方向における一対の側壁部の端面と、冷却壁部と、により形成されて、第一長手方向における一対の側壁部の端面は、第一長手方向における底壁部の先端から冷却壁部まで、第一長手方向側に傾斜して延びており、第二開口は、底壁部と、第二長手方向における一対の側壁部の端面と、冷却壁部と、により形成されて、第二長手方向における一対の側壁部の端面は、第二長手方向における底壁部の先端から冷却壁部まで、第二長手方向側に傾斜して延びていてもよい。
【0018】
この冷却器では、第一開口をなす、第一長手方向における一対の側壁部の端面が、第一長手方向における底壁部の先端から冷却壁部まで第一長手方向側に傾斜して延びており、第二開口をなす、第二長手方向における一対の側壁部の端面が、第二長手方向における底壁部の先端から冷却壁部まで第二長手方向側に傾斜して延びている。このため、複数の冷却プレートに対して第一連通用蓋を溶接により接合する場合に、上方から複数の冷却プレートに対して第一連通用蓋を溶接することができる。つまり、一方向から溶接することができる。これにより、複数の冷却プレートに対する第一連通用蓋の接合を容易に行うことができる。
【0019】
[7] [4]~[6]の何れかに記載の冷却器において、複数の冷却プレートのそれぞれは、冷却壁部から底壁部まで延びて冷却液通路を幅方向に区画する区画壁部を有し、冷却液通路は、区画壁部により複数の小通路に区画された区画領域と、区画領域と第一開口との間に位置して複数の小通路が連通される第一チャンバ領域と、区画領域と第二開口との間に位置して複数の小通路が連通される第二チャンバ領域と、を有してもよい。
【0020】
この冷却器では、冷却液通路が、区画壁部により複数の小通路に区画された区画領域と、区画領域と第一開口との間に位置して複数の小通路が連通される第一チャンバ領域と、区画領域と第二開口との間に位置して複数の小通路が連通される第二チャンバ領域と、を有する。このため、第一開口に供給された冷却液は、一旦第一チャンバ領域に溜められたのち、複数の小通路に分配供給され、複数の小通路を流れてきた冷却液は、一旦第二チャンバ領域に溜められたのち、第二開口に供給される。また、第二開口に供給された冷却液は、一旦第二チャンバ領域に溜められたのち、複数の小通路に分配供給され、複数の小通路を流れてきた冷却液は、一旦第一チャンバ領域に溜められたのち、第一開口に供給される。このため、複数の小通路間での冷却液の流量の差を小さくすることができる。
【0021】
[8] [7]に記載の冷却器において、複数の冷却プレートのそれぞれは、冷却壁部から下方に突出して区画壁部から第一開口まで延びる第一開口側リブ部と、冷却壁部から下方に突出して区画壁部から第二開口まで延びる第二開口側リブ部と、を有してもよい。
【0022】
この冷却器では、複数の冷却プレートのそれぞれが、冷却壁部から下方に突出して区画壁部から第一開口まで延びる第一開口側リブ部と、冷却壁部から下方に突出して区画壁部から第二開口まで延びる第二開口側リブ部と、を有するため、複数の冷却プレートのそれぞれの第一チャンバ領域及び第二チャンバ領域における剛性を高めることができる。
【0023】
[9] [3]~[8]の何れかに記載の冷却器において、複数の冷却プレートの一つである第一冷却プレートの第一開口を覆うように第一冷却プレートに接合される入口側終端用蓋と、冷却液の供給口となる入口ポート部と、を更に備え、第一冷却プレートの冷却壁部は、第一長手方向における冷却液通路の端部を下方とは反対の上方に開放する入口用開口を有し、入口ポート部は、入口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合されてもよい。
【0024】
この冷却器では、入口側終端用蓋が第一冷却プレートの第一開口を覆うように第一冷却プレートに接合され、第一冷却プレートの冷却壁部が第一長手方向における冷却液通路の端部を上方に開放する入口用開口を有し、入口ポート部が入口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合される。このため、入口ポート部から第一冷却プレートの冷却液通路に冷却液を供給することができる。そして、複数の冷却プレートの冷却壁部に発熱体を載置した場合に、発熱体及び冷却器の高さ方向における寸法の増大化を抑制することができるため、配置自由度を向上することができる。
【0025】
[10] [9]に記載の冷却器において、複数の冷却プレートの一つである第二冷却プレートの第一開口を覆うように第二冷却プレートに接合される出口側終端用蓋と、冷却液の排出口となる出口ポート部と、を更に備え、第二冷却プレートの冷却壁部は、第一長手方向における冷却液通路の端部を下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部は、出口用開口に連通されるように第二冷却プレートの冷却壁部に接合されてもよい。
【0026】
この冷却器では、出口側終端用蓋が第二冷却プレートの第一開口を覆うように第二冷却プレートに接合され、第二冷却プレートの冷却壁部が第一長手方向における冷却液通路の端部を上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部が出口用開口に連通されるように第二冷却プレートの冷却壁部に接合される。このため、第二冷却プレートの冷却液通路に供給された冷却液を出口ポート部から排出することができる。そして、複数の冷却プレートの冷却壁部に発熱体を載置した場合に、発熱体及び冷却器の高さ方向における寸法の増大化を抑制することができるため、配置自由度を向上することができる。
【0027】
[11] [10]に記載の冷却器において、第二冷却プレートは、第一冷却プレートと幅方向に隣接していてもよい。
【0028】
この冷却器では、第二冷却プレートが第一冷却プレートと幅方向に隣接しているため、入口ポート部に冷却液を供給すると、この冷却液は、第一冷却プレートの冷却液通路を第二長手方向に流れ、第一冷却液連通路を通り、第二冷却プレートの冷却液通路を第一長手方向に流れ、出口ポートから排出される。これにより、冷却液を効率的に複数の冷却プレートに流すことができる。
【0029】
[12] [3]~[8]の何れかに記載の冷却器において、複数の冷却プレートを跨いで複数の冷却プレートの第一開口を覆うように複数の冷却プレートに接合されることで、複数の冷却プレートの冷却液通路に連通される第二冷却液連通路を形成する第二連通用蓋を更に備えてもよい。
【0030】
この冷却器では、第二連通用蓋が複数の冷却プレートを跨いで複数の冷却プレートの第一開口を覆うように複数の冷却プレートに接合されることで、複数の冷却プレートの冷却液通路に連通される第二冷却液連通路が形成される。これにより、複数の冷却プレートの冷却液通路が第二冷却液連通路を介して互いに連通されるため、第一連通用蓋により形成される第一冷却液連通路と第二連通用蓋により形成される第二冷却液連通路との間で、複数の冷却プレートの冷却液通路を第一長手方向又は第二長手方向に並列に流れる流路とすることができる。
【0031】
[13] [12]に記載の冷却器において、冷却液の供給口となる入口ポート部を更に備え、複数の冷却プレートの一つである第一冷却プレートの冷却壁部は、第一長手方向における冷却液通路の端部を下方とは反対の上方に開放する入口用開口を有し、入口ポート部は、入口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合されてもよい。
【0032】
この冷却器では、第一冷却プレートの冷却壁部が第一長手方向における冷却液通路の端部を上方に開放する入口用開口を有し、入口ポート部が入口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合される。このため、入口ポート部を通じて第一冷却プレートの冷却液通路に冷却液を供給することができるとともに、第一冷却プレートの冷却液通路から第二冷却液連通路を通じて複数の冷却プレートの冷却液通路に冷却液を分配供給することができる。
【0033】
[14] [13]に記載の冷却器において、冷却液の排出口となる出口ポート部を更に備え、第一冷却プレートの冷却壁部は、第二長手方向における冷却液通路の端部を下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部は、出口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合されてもよい。
【0034】
この冷却器では、第一冷却プレートの冷却壁部が第二長手方向における冷却液通路の端部を上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部が出口用開口に連通されるように第一冷却プレートの冷却壁部に接合される。このため、第二冷却液連通路から複数の冷却プレートの冷却液通路に分配供給された冷却液を、第一冷却液連通路を通じて合流させて、出口ポートから排出することができる。しかも、入口用開口及び出口用開口が第一冷却プレートに形成されて、入口ポート部及び出口ポート部が第一冷却プレートに接続されているため、冷却器を簡易な構成をすることができる。
【0035】
[15] [13]に記載の冷却器において、冷却液の排出口となる出口ポート部を更に備え、複数の冷却プレートの一つである第二冷却プレートの冷却壁部は、第二長手方向における冷却液通路の端部を下方とは反対の上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部は、出口用開口に連通されるように第二冷却プレートの冷却壁部に接合されてもよい。
【0036】
この冷却器では、第二冷却プレートの冷却壁部が第二長手方向における冷却液通路の端部を上方に開放する出口用開口を有し、出口ポート部が出口用開口に連通されるように第二冷却プレートの冷却壁部に接合される。このため、第二冷却液連通路から複数の冷却プレートの冷却液通路に分配供給された冷却液を、第一冷却液連通路を通じて合流させて、出口ポートから排出することができる。しかも、複数の冷却プレートのそれぞれの冷却液通路を流れる冷却液は、必ず第一連通用蓋により形成される第一冷却液連通路又は第二連通用蓋により形成される第二冷却液連通路を通ることになるため、複数の冷却プレートのそれぞれの冷却液通路を流れる冷却液の流量の均一化を図ることができる。
【0037】
[16] [3]~[15]の何れかに記載の冷却器において、複数の冷却プレーは、第三冷却プレートと、第三冷却プレートと幅方向に隣接する第四冷却プレートと、を有し、第三冷却プレートの一対の側壁部のうち、一方は、第四冷却プレート側に配置される第一内側側壁部であり、他方は、第四冷却プレートとは反対側に配置される第一外側側壁部であり、第四冷却プレートの一対の側壁部のうち、一方は、第三冷却プレート側に配置される第二内側側壁部であり、他方は、第三冷却プレートとは反対側に配置される第二外側側壁部であり、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか一方は、幅方向に突出する第一凸部を有し、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか他方は、幅方向に突出して高さ方向において第一凸部と重ね合わされる第二凸部を有してもよい。
【0038】
第一内側側壁部と第二内側側壁部との幅方向における突き当て面同士を溶接すると、溶接による熱膨張などの影響で、第三冷却プレートと第四冷却プレートとの間の幅方向におけるクリアランス精度が低下する可能性がある。この冷却器では、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか一方の第一凸部と第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか他方の第二凸部とが高さ方向において重ね合わせられる。これにより、レーザー溶接等により第一凸部と第二凸部とを高さ方向に接合することができるため、第三冷却プレートと第四冷却プレートとの間の幅方向におけるクリアランス精度を高めることができる。
【0039】
[17] [3]~[15]の何れかに記載の冷却器において、複数の冷却プレーは、第三冷却プレートと、第三冷却プレートと幅方向に隣接する第四冷却プレートと、を有し、第三冷却プレートの一対の側壁部のうち、一方は、第四冷却プレート側に配置される第一内側側壁部であり、他方は、第四冷却プレートとは反対側に配置される第一外側側壁部であり、第四冷却プレートの一対の側壁部のうち、一方は、第三冷却プレート側に配置される第二内側側壁部であり、他方は、第三冷却プレートとは反対側に配置される第二外側側壁部であり、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか一方は、幅方向に突出する凸部を有し、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか他方は、凸部が嵌め込まれる凹部を有してもよい。
【0040】
この冷却器では、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか一方の凸部を、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか他方の凹部に嵌め込むことで、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか一方の凸部が、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の何れか他方と高さ方向に重ね合わせられる。これにより、これらを上方側又は下方側からのレーザー溶接により接合することができるため、第三冷却プレートと第四冷却プレートとの間の幅方向におけるクリアランス精度を高めることができる。
【0041】
[18] [17]に記載の冷却器において、凸部及び凹部は、第一内側側壁部及び第二内側側壁部の高さ方向における中央部に位置してもよい。
【0042】
この冷却器では、凸部及び凹部が第一内側側壁部及び第二内側側壁部の高さ方向における中央部に位置しているため、第一冷却プレート及び第二冷却プレートを押出成形する際に第一冷却プレート及び第二冷却プレートが撓むのを抑制することができる。
【0043】
[19] [16]又は[17]に記載の冷却器において、長手方向と直交する断面において、第一内側側壁部と第二内側側壁部とは点対称の関係にあり、第一外側側壁部と第二外側側壁部とは点対称の関係にあってもよい。
【0044】
この冷却器では、長手方向と直交する断面において、第一内側側壁部と第二内側側壁部、及び第一外側側壁部と第二外側側壁部とが、それぞれ点対称の関係にあるため、共通の押出成形材から第一冷却プレート及び第二冷却プレートを作製することができる。これにより、製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の一側面によれば、幅の広い発熱体に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第一実施形態に係る冷却器を示す、下方から見た斜視図である。
図2図1に示す冷却器の平面図である。
図3図1に示す冷却器の正面図である。
図4図1に示す冷却器の底面図である。
図5】第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第一長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。
図6】第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第二長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。
図7図2に示すVII-VII線における端面図である。
図8図7に示すVIII-VIII線における断面図である。
図9図7に示すIX-IX線における断面図である。
図10】冷却器の第一長手方向における端部を示す底面図である。
図11図10に示すXI-XI線における端面図である。
図12図10に示すXI-XI線における一部拡大端面図である。
図13図10に示すXI-XI線における一部拡大端面図である。
図14】冷却器の第二長手方向における端部を示す底面図である。
図15図14に示すXV-XV線における端面図である。
図16図14に示すXV-XV線における一部拡大端面図である。
図17】冷却プレートとなる押出成形材を示す側面図である。
図18図17に示す押出成形材の正面図である。
図19図18に示す押出成形材を切り欠いた状態を示す正面図である。
図20図19に示す押出成形材を切り欠いた状態を示す正面図である。
図21】第二実施形態に係る冷却器を示す平面図である。
図22図21に示す冷却器の底面図である。
図23】第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第一長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。
図24】第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第二長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。
図25図22に示すXXV-XXV線における端面図である。
図26図22に示すXXVI-XXVI線における端面図である。
図27】変形例の冷却器を示す底面図である。
図28】他の変形例の冷却器の、長手方向と直交する断面における端面図である。
図29】他の変形例の冷却器の、長手方向と直交する断面における端面図である。
図30】他の変形例の冷却器の、長手方向と直交する断面における端面図である。
図31】他の変形例の冷却器を示す平面図である。
図32図31に示す冷却器の底面図である。
図33】他の変形例の冷却器を示す平面図である。
図34図33に示す冷却器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、図面を参照して、実施形態に係る冷却器を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る冷却器を示す、下方から見た斜視図である。図2は、図1に示す冷却器の平面図である。図3は、図1に示す冷却器の正面図である。図4は、図1に示す冷却器の底面図である。図1図4に示すように、本実施形態に係る冷却器1は、発熱体B(図3参照)を冷却するためのものである。冷却器1が冷却する発熱体Bは、冷却器1に載置される。つまり、冷却器1は、冷却器1に載置された発熱体Bを冷却する。発熱体Bとしては、特に限定されるものではないが、例えば、電気自動車等の車両に搭載されるバッテリである。
【0049】
冷却器1は、長手方向L及び長手方向Lに垂直な幅方向Wに延びる矩形状に形成されており、長手方向L及び幅方向Wに垂直な高さ方向Hが薄くなっている。長手方向Lの一方の方向を第一長手方向L1といい、長手方向Lの他方の方向(第一長手方向L1の反対方向)を第二長手方向L2という。また、高さ方向Hの一方を上方H1といい、高さ方向Hの他方(上方H1の反対側)を下方H2という。なお、高さ方向H、上方H1、及び下方H2は、冷却器1が設置された状態における冷却器1の高さ方向、上方、及び下方でもある。また、冷却器1の上方H1は、冷却器1に対する発熱体B側であり、冷却器1の下方H2は、冷却器1に対する発熱体Bとは反対側でもある。
【0050】
冷却器1は、複数の冷却プレートとしての第一冷却プレート10(第三冷却プレート)及び第二冷却プレート30(第四冷却プレート)と、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される終端用蓋50と、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される第一連通用蓋60と、第一冷却プレート10に接合される入口ポート部70と、第二冷却プレート30に接合される出口ポート部80と、を備える。これらの接合は、例えば、レーザー溶接等の溶接、ろう付けなどにより行うことができる。
【0051】
(第一冷却プレート)
図5は、第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第一長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。図6は、第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第二長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。図7は、図2に示すVII-VII線における端面図である。図8は、図7に示すVIII-VIII線における断面図である。図1図8に示すように、第一冷却プレート10は、高さ方向Hが薄く、長手方向L及び幅方向Wに延びる矩形板状に形成されている。第一冷却プレート10は、幅方向Wよりも長手方向Lの方が長く形成されている。
【0052】
第一冷却プレート10は、長手方向Lに延びる冷却液通路11と、第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を下方H2に開放する第一開口12と、第二長手方向L2における冷却液通路11の端部を下方H2に開放する第二開口13と、を有する。冷却液通路11は、冷却液が流通可能な通路(空間)である。第一開口12及び第二開口13は、冷却液通路11を第一冷却プレート10の外部に開放する開口である。
【0053】
また、第一冷却プレート10は、冷却壁部14と、底壁部15と、第一内側側壁部16と、第一外側側壁部17と、複数の区画壁部18と、複数の第一開口側リブ部19と、複数の第二開口側リブ部20と、を有する。
【0054】
冷却壁部14は、冷却器1の天壁の一部となって、発熱体Bが載置される部分である。つまり、第一冷却プレート10では、発熱体Bは、冷却壁部14に載置される。冷却壁部14は、長手方向L及び幅方向Wに延びる矩形の板状に形成されている。
【0055】
底壁部15は、第一冷却プレート10の底壁となる部分である。底壁部15は、冷却壁部14の下方H2(冷却壁部14の発熱体Bとは反対側)に配置されて、冷却壁部14と高さ方向Hに対向している。底壁部15は、冷却壁部14と同様に長手方向L及び幅方向Wに延びる矩形の板状に形成されている。
【0056】
第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17は、第一冷却プレート10の一対の側壁となる部分である。第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17は、冷却壁部14と底壁部15とに接続されて、互いに幅方向Wに対向している。つまり、第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17は、冷却壁部14及び底壁部15に接続されて幅方向Wに対向される一対の側壁部である。第一内側側壁部16は、一対の側壁部のうちの、第二冷却プレート30側に配置される側壁部であり、第一外側側壁部17は、一対の側壁部のうちの、第二冷却プレート30とは反対側に配置される側壁部である。第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17は、長手方向L及び高さ方向Hに延びる細長い板状に形成されている。第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17は、高さ方向Hにおける両端部において、冷却壁部14及び底壁部15の幅方向Wにおける両端部に接続されている。
【0057】
第一内側側壁部16は、幅方向Wに突出する第一凸部16cを有する。第一凸部16cは、第二冷却プレート30と高さ方向Hにおいて重ね合わされる部位である。第一凸部16cは、第一内側側壁部16の高さ方向Hにおける下方H2側の半分に形成されて、第一内側側壁部16の長手方向Lにおける全域に延びている。つまり、第一凸部16cは、長手方向Lと直交する断面が矩形状に形成されており、第一内側側壁部16の下方H2側の先端である下端から、第一内側側壁部16の高さ方向Hにおける中央まで延びている。
【0058】
第一冷却プレート10では、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17により、冷却液通路11が形成されている。つまり、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17に囲まれた第一冷却プレート10の内部空間が、冷却液通路11となっている。また、第一冷却プレート10では、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17により、冷却液通路11を第一冷却プレート10の外部に開放する第一開口12及び第二開口13が形成されている。冷却液通路11は、第一開口12から第二開口13まで長手方向Lに延びて、第一冷却プレート10を長手方向Lに貫通している。
【0059】
第一冷却プレート10は、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17の第一長手方向L1における端部が切り欠かれた第一切欠き21(図8参照)と、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17の第二長手方向L2における端部が切り欠かれた第二切欠き22(図8参照)と、を有している。第一開口12は、第一切欠き21により形成されており、第二開口13は、第二切欠き22により形成されている。
【0060】
第一長手方向L1における第一冷却プレート10の端部では、冷却液通路11の第一長手方向L1側に壁が設けられないことで、冷却液通路11が第一長手方向L1に開放されている。また、第一長手方向L1における第一冷却プレート10の端部では、第一長手方向L1における底壁部15の先端が、第一長手方向L1における冷却壁部14の先端よりも第二長手方向L2側に位置することで、冷却液通路11が下方H2に開放されている。つまり、第一長手方向L1における第一冷却プレート10の端部では、冷却壁部14が設けられるが底壁部15が設けられないことで、冷却液通路11が下方H2に開放されている。
【0061】
第一長手方向L1における第一内側側壁部16の端面16a及び第一長手方向L1における第一外側側壁部17の端面17aは、第一長手方向L1における底壁部15の先端から冷却壁部14まで第一長手方向L1側に傾斜して延びている。そして、第一開口12は、底壁部15と、第一長手方向L1における第一内側側壁部16の端面16aと、第一長手方向L1における第一外側側壁部17の端面17aと、冷却壁部14と、により形成されている。なお、上述した第一切欠き21は、底壁部15と、第一長手方向L1における第一内側側壁部16の端面16aと、第一長手方向L1における第一外側側壁部17の端面17aと、により形成されている。
【0062】
第二長手方向L2における第一冷却プレート10の端部では、冷却液通路11の第二長手方向L2側に壁が設けられないことで、冷却液通路11が第二長手方向L2に開放されている。また、第二長手方向L2における第一冷却プレート10の端部では、第二長手方向L2における底壁部15の先端が、第二長手方向L2における冷却壁部14の先端よりも第一長手方向L1側に位置することで、冷却液通路11が下方H2に開放されている。つまり、第二長手方向L2における第一冷却プレート10の端部では、冷却壁部14が設けられるが底壁部15が設けられないことで、冷却液通路11が下方H2に開放されている。
【0063】
第二長手方向L2における第一内側側壁部16の端面16b及び第二長手方向L2における第一外側側壁部17の端面17bは、第二長手方向L2における底壁部15の先端から冷却壁部14まで第二長手方向L2側に傾斜して延びている。そして、第二開口13は、底壁部15と、第二長手方向L2における第一内側側壁部16の端面16bと、第二長手方向L2における第一外側側壁部17の端面17bと、冷却壁部14と、により形成されている。なお、上述した第二切欠き22は、底壁部15と、第二長手方向L2における第一内側側壁部16の端面16bと、第二長手方向L2における第一外側側壁部17の端面17bと、により形成されている。
【0064】
複数の区画壁部18は、長手方向Lに延びて、幅方向Wに冷却液通路11を区画する。つまり、長手方向Lに延びる複数の区画壁部18が、幅方向Wに配列されている。複数の区画壁部18のそれぞれは、長手方向Lにおける底壁部15の全域に延びており、高さ方向Hにおける両端部において、冷却壁部14及び底壁部15に接続されている。複数の区画壁部18のそれぞれは、長手方向L及び高さ方向Hに延びる細長い板状に形成されている。そして、第一冷却プレート10では、冷却液通路11が、複数の区画壁部18により複数の小通路11aに区画(分割)されている。複数の小通路11aは、長手方向Lに延びて、幅方向Wに配列されている。複数の小通路11aのうち、第二冷却プレート30側の端に配置される小通路11aは、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び区画壁部18により形成され、第二冷却プレート30とは反対側の端に配置される小通路11aは、冷却壁部14、底壁部15、第一外側側壁部17、及び区画壁部18により形成され、それ以外の小通路11aは、冷却壁部14、底壁部15、及び隣り合う一対の区画壁部18により形成される。
【0065】
冷却液通路11は、複数の区画壁部18により複数の小通路11aに区画された区画領域11bと、区画領域11bと第一開口12との間に位置して複数の小通路11aが連通された第一チャンバ領域11cと、区画領域11bと第二開口13との間に位置して複数の小通路11aが連通された第二チャンバ領域11dと、により構成されている。冷却液通路11は、冷却壁部14と底壁部15とが対向している領域、つまり、冷却壁部14の下方H2に底壁部15が設けられている領域である。第一チャンバ領域11cは、区画領域11bの第一開口12側に隣接する領域である。また、第一チャンバ領域11cは、冷却壁部14の下方H2に底壁部15が設けられておらず、冷却液通路11が複数の区画壁部18により複数の小通路11aに区画(分割)されていない領域である。第二チャンバ領域11dは、区画領域11bの第二開口13側に隣接する領域である。また、第二チャンバ領域11dは、冷却壁部14の下方H2に底壁部15が設けられておらず、冷却液通路11が複数の区画壁部18により複数の小通路11aに区画(分割)されていない領域である。
【0066】
第一長手方向L1における冷却壁部14の端部には、第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する入口用開口23が形成されている。入口用開口23は、冷却液を冷却液通路11に供給するための開口であり、第一チャンバ領域11cに開口している。
【0067】
複数の第一開口側リブ部19は、第一チャンバ領域11cに設けられて、第一チャンバ領域11cにおいて第一冷却プレート10を補強する部位である。複数の第一開口側リブ部19のそれぞれは、冷却壁部14から下方H2に突出して、複数の区画壁部18のそれぞれから第一開口12まで長手方向Lに延びている。なお、複数の第一開口側リブ部19は、入口用開口23を塞がないように、入口用開口23上には形成されていない。つまり、複数の第一開口側リブ部19は、入口用開口23上で途切れている。高さ方向Hにおける複数の第一開口側リブ部19の突出高さは、特に限定されるものではないが、例えば、高さ方向Hにおける冷却壁部14と底壁部15との離間距離の75%以下とすることができる。
【0068】
複数の第二開口側リブ部20は、第二チャンバ領域11dに設けられて、第二チャンバ領域11dにおいて第一冷却プレート10を補強する部位である。複数の第二開口側リブ部20のそれぞれは、冷却壁部14から下方H2に突出して、複数の区画壁部18のそれぞれから第二開口13まで長手方向Lに延びている。高さ方向Hにおける複数の第二開口側リブ部20の突出高さは、特に限定されるものではないが、例えば、高さ方向Hにおける複数の第一開口側リブ部19の突出高さと同じとすることができる。
【0069】
(第二冷却プレート)
図9は、図7に示すIX-IX線における断面図である。図1図7及び図9に示すように、第二冷却プレート30は、第一冷却プレート10と幅方向Wに隣接される。第二冷却プレート30は、基本的に第一冷却プレート10と同じであり、第一冷却プレート10の第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17に対応する部分のみ、第一冷却プレート10と相違する。
【0070】
第二冷却プレート30は、長手方向Lに延びる冷却液通路31と、第二長手方向L2における冷却液通路31の端部を下方H2に開放する第一開口32と、第二長手方向L2における冷却液通路31の端部を下方H2に開放する第二開口33と、を有する。冷却液通路31、第一開口32、及び第二開口33は、第一冷却プレート10の冷却液通路11、第一開口12、及び第二開口13と同様である。
【0071】
また、第二冷却プレート30は、冷却壁部34と、底壁部35と、第二内側側壁部36と、第二外側側壁部37と、複数の区画壁部38と、複数の第一開口側リブ部39と、複数の第二開口側リブ部40と、を有する。冷却壁部34、底壁部35、複数の区画壁部38、複数の第一開口側リブ部39、複数の第二開口側リブ部40は、第一冷却プレート10の冷却壁部14、底壁部15、複数の区画壁部18、複数の第一開口側リブ部19、及び複数の第二開口側リブ部20と同様である。
【0072】
第二内側側壁部36及び第二外側側壁部37は、第二冷却プレート30の一対の側壁となる部分である。第二内側側壁部36及び第二外側側壁部37は、冷却壁部34と底壁部35とに接続されて、互いに幅方向Wに対向している。つまり、第二内側側壁部36及び第二外側側壁部37は、冷却壁部34及び底壁部35に接続されて幅方向Wに対向される一対の側壁部である。第二内側側壁部36は、一対の側壁部のうちの、第一冷却プレート10側に配置される側壁部であり、第二外側側壁部37は、一対の側壁部のうちの、第一冷却プレート10とは反対側に配置される側壁部である。第二内側側壁部36及び第二外側側壁部37は、長手方向L及び高さ方向Hに延びる細長い板状に形成されている。第二内側側壁部36及び第二外側側壁部37は、高さ方向Hにおける両端部において、冷却壁部34及び底壁部35の幅方向Wにおける両端部に接続されている。
【0073】
第二内側側壁部36は、幅方向Wに突出する第二凸部36cを有する。第二凸部36c第は、第一冷却プレート10の第一凸部16cと高さ方向Hにおいて重ね合わされる部位である。第二凸部36cは、第二内側側壁部36の高さ方向Hにおける上方H1側の半分に形成されて、第二内側側壁部36の長手方向Lにおける全域に延びている。つまり、第二凸部36cは、長手方向Lと直交する断面が矩形状に形成されており、第二内側側壁部36の上方H1側の先端である上端から、第二内側側壁部36の高さ方向Hにおける中央まで延びている。そして、第二内側側壁部36は、第一凸部16cと第二凸部36cとが高さ方向Hに重ね合わされた状態で、第一内側側壁部16と接合されている。第一内側側壁部16と第二内側側壁部36との接合は、例えば、レーザー溶接等の溶接、ろう付けなどにより行うことができる。第一内側側壁部16と第二内側側壁部36とをレーザー溶接により接合する場合は、例えば、上方H1側又は下方H2側から、高さ方向Hに重ね合わされた第一凸部16c及び第二凸部36cにレーザーを照射することにより行うことができる。これにより、第一凸部16c及び第二凸部36cの高さ方向Hに対向する面が、互いに溶接される。
【0074】
そして、長手方向Lと直交する断面において、第一内側側壁部16と第二内側側壁部36とが点対称の関係となっており、第一外側側壁部17と第二外側側壁部37とが点対称の関係となっている。つまり、長手方向Lと直交する断面において、第一冷却プレート10の第一内側側壁部16及び第一外側側壁部17の形状が、長手方向Lに延びる軸線を中心に第二冷却プレート30を180度回転させたときの第二冷却プレート30の第二内側側壁部36と第二外側側壁部37の形状と同じとなっている。
【0075】
第二冷却プレート30では、第一冷却プレート10と同様に、冷却壁部34、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37により、冷却液通路31が形成されている。また、第二冷却プレート30では、第一冷却プレート10と同様に、冷却壁部34、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37により、冷却液通路31を第二冷却プレート30の外部に開放する第一開口32及び第二開口33が形成されている。冷却液通路31は、第一開口32から第二開口33まで長手方向Lに延びて、第二冷却プレート30を長手方向Lに貫通している。
【0076】
第二冷却プレート30は、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37の第一長手方向L1における端部が切り欠かれた第一切欠き41(図9参照)と、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37の第二長手方向L2における端部が切り欠かれた第二切欠き42(図9参照)と、を有している。第一開口32は、第一切欠き41により形成されており、第二開口33は、第二切欠き42により形成されている。
【0077】
第一長手方向L1における第二冷却プレート30の端部では、冷却液通路31の第一長手方向L1側に壁が設けられないことで、冷却液通路31が第一長手方向L1に開放されている。また、第一長手方向L1における第二冷却プレート30の端部では、第一長手方向L1における底壁部35の先端が、第一長手方向L1における冷却壁部34の先端よりも第二長手方向L2側に位置することで、冷却液通路31が下方H2に開放されている。つまり、第一長手方向L1における第二冷却プレート30の端部では、冷却壁部34が設けられるが底壁部35が設けられないことで、冷却液通路31が下方H2に開放されている。
【0078】
第一長手方向L1における第二内側側壁部36の端面36a及び第一長手方向L1における第二外側側壁部37の端面37aは、第一長手方向L1における底壁部35の先端から冷却壁部34まで第一長手方向L1側に傾斜して延びている。そして、第一開口32は、底壁部35と、第一長手方向L1における第二内側側壁部36の端面36aと、第一長手方向L1における第二外側側壁部37の端面37aと、冷却壁部34と、により形成されている。なお、上述した第一切欠き41は、底壁部35と、第一長手方向L1における第二内側側壁部36の端面36aと、第一長手方向L1における第二外側側壁部37の端面37aと、により形成されている。
【0079】
第二長手方向L2における第二冷却プレート30の端部では、冷却液通路31の第二長手方向L2側に壁が設けられないことで、冷却液通路31が第二長手方向L2に開放されている。また、第二長手方向L2における第二冷却プレート30の端部では、第二長手方向L2における底壁部35の先端が、第二長手方向L2における冷却壁部34の先端よりも第一長手方向L1側に位置することで、冷却液通路31が下方H2に開放されている。つまり、第二長手方向L2における第二冷却プレート30の端部では、冷却壁部34が設けられるが底壁部35が設けられないことで、冷却液通路31が下方H2に開放されている。
【0080】
第二長手方向L2における第二内側側壁部36の端面36b及び第二長手方向L2における第二外側側壁部37の端面37bは、第二長手方向L2における底壁部35の先端から冷却壁部34まで第二長手方向L2側に傾斜して延びている。そして、第二開口33は、底壁部35と、第二長手方向L2における第二内側側壁部36の端面36bと、第二長手方向L2における第二外側側壁部37の端面37bと、冷却壁部34と、により形成されている。なお、上述した第二切欠き42は、底壁部35と、第二長手方向L2における第二内側側壁部36の端面36bと、第二長手方向L2における第二外側側壁部37の端面37bと、により形成されている。
【0081】
複数の区画壁部38は、長手方向Lに延びて、幅方向Wに冷却液通路31を区画する。第二冷却プレート30では、冷却液通路31が、複数の区画壁部38により複数の小通路31aに区画(分割)されている。複数の区画壁部38及び複数の小通路31aは、第一冷却プレート10の複数の区画壁部18及び複数の小通路11aと同様である。
【0082】
冷却液通路31は、複数の区画壁部38により複数の小通路31aに区画された区画領域31bと、区画領域31bと第一開口32との間に位置して複数の小通路31aが連通された第一チャンバ領域31cと、区画領域31bと第二開口33との間に位置して複数の小通路31aが連通された第二チャンバ領域31dと、により構成されている。区画領域31b、第一チャンバ領域31c、及び第二チャンバ領域31dは、第一冷却プレート10の区画領域11b、第一チャンバ領域11c、及び第二チャンバ領域11dと同様である。
【0083】
第一長手方向L1における冷却壁部34の端部には、第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する出口用開口43が形成されている。出口用開口43は、冷却液を冷却液通路31から排出するための開口であり、第一チャンバ領域31cに開口している。
【0084】
複数の第一開口側リブ部39は、第一チャンバ領域31cに設けられて、第一チャンバ領域31cにおいて第二冷却プレート30を補強する部位である。複数の第一開口側リブ部39のそれぞれは、冷却壁部34から下方H2に突出して、複数の区画壁部38のそれぞれから第一開口32まで長手方向Lに延びている。なお、複数の第一開口側リブ部39は、出口用開口43を塞がないように、出口用開口43上には形成されていない。つまり、複数の第一開口側リブ部39は、出口用開口43上で途切れている。高さ方向Hにおける複数の第一開口側リブ部39の突出高さは、特に限定されるものではないが、例えば、高さ方向Hにおける複数の第一開口側リブ部19の突出高さと同じとすることができる。
【0085】
複数の第二開口側リブ部40は、第二チャンバ領域31dに設けられて、第二チャンバ領域31dにおいて第二冷却プレート30を補強する部位である。複数の第二開口側リブ部40のそれぞれは、冷却壁部34から下方H2に突出して、複数の区画壁部38のそれぞれから第二開口33まで長手方向Lに延びている。高さ方向Hにおける複数の第一開口側リブ部39の突出高さは、特に限定されるものではないが、例えば、高さ方向Hにおける複数の第二開口側リブ部20の突出高さと同じとすることができる。
【0086】
(終端用蓋)
図10は、冷却器の第一長手方向における端部を示す底面図である。図11は、図10に示すXI-XI線における端面図である。図12は、図10に示すXI-XI線における一部拡大端面図である。図13は、図10に示すXI-XI線における一部拡大端面図である。図1図13に示すように、終端用蓋50は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を跨いで第一開口12及び第一開口32を覆うように第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される。このため、終端用蓋50は、第一開口12を覆うように第一冷却プレート10に接合される入口用蓋部であるとともに、第一開口32を覆うように第二冷却プレート30に接合される出口用蓋部でもある。終端用蓋50が第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合されることで、第一チャンバ領域11cの下方H2が閉ざされるとともに、第一チャンバ領域31cの下方H2が閉ざされる。これにより、第一チャンバ領域11cは、入口用開口23及び複数の小通路11aのみに開放されるため、入口用開口23から供給された冷却液は、一旦第一チャンバ領域11cに溜められたのち、複数の小通路11aに分配供給される。また、第一チャンバ領域31cは、出口用開口43及び複数の小通路31aのみに開放されるため、複数の小通路31aから排出された冷却液は、一旦第一チャンバ領域31cに集められたのち、出口用開口43から排出される。
【0087】
(第一連通用蓋)
図14は、冷却器の第二長手方向における端部を示す底面図である。図15は、図14に示すXV-XV線における端面図である。図16は、図14に示すXV-XV線における一部拡大端面図である。図1図9及び図14図16に示すように、第一連通用蓋60は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を跨いで第二開口13及び第二開口33を覆うように第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される。第一連通用蓋60は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合されることで、第二開口13と第二開口33とに連通される第一冷却液連通路61を形成する。第一冷却液連通路61は、第二開口13及び第二開口33のみに開放される通路である。
【0088】
第一連通用蓋60は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を跨いで第二開口13及び第二開口33を覆うように第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される第一内蓋部62と、第一内蓋部62に接合される第一外蓋部63と、を備える。
【0089】
第一内蓋部62は、第一冷却プレート10の第二開口13を覆うように第一冷却プレート10に接合される冷却プレート用蓋部64と、第二冷却プレート30の第二開口33を覆うように第二冷却プレート30に接合される冷却プレート用蓋部65と、を有する。冷却プレート用蓋部64には、第一冷却プレート10の第二開口13に連通される第三開口66が形成されている。冷却プレート用蓋部65には、第二冷却プレート30の第二開口33に連通される第三開口67が形成されている。
【0090】
第一外蓋部63は、冷却プレート用蓋部64の第三開口66及び冷却プレート用蓋部65の第三開口67を覆うように第一内蓋部62に接合される。第一外蓋部63は、第一内蓋部62に接合されることで、冷却プレート用蓋部64の第三開口66と冷却プレート用蓋部65の第三開口67とに連通される第一蓋内連通路68を形成する。第一蓋内連通路68は、第一内蓋部62と第一外蓋部63との間に形成される。
【0091】
第三開口66、第一蓋内連通路68、及び第三開口67は、第二開口13と第二開口33とに連通される第一冷却液連通路61を形成する。そして、第三開口66は、冷却液通路11及び第一冷却液連通路61のみに開放され、第一冷却液連通路61は、第三開口66及び第三開口67のみに開放され、第三開口67は、冷却液通路31及び第一冷却液連通路61のみに開放されるため、冷却液通路11から第二開口13に供給された冷却液は、第三開口66、第一蓋内連通路68、及び第三開口67を通って第二開口33から冷却液通路31に排出される。
【0092】
(入口ポート部)
入口ポート部70は、冷却液の供給口となる部位である。入口ポート部70は、入口用開口23と連通されるように冷却壁部14に接合されている。入口ポート部70は、冷却壁部14から上方H1に延びて、第一長手方向L1に延びている。入口ポート部70は、円筒状(管状)に形成されており、冷却液を供給するためのチューブ等の配管を接続することが可能となっている。
【0093】
(出口ポート部)
出口ポート部80は、冷却液の排出口となる部位である。出口ポート部80は、出口用開口43と連通されるように冷却壁部34に接合されている。出口ポート部80は、冷却壁部34から上方H1に延びて、第一長手方向L1に延びている。出口ポート部80は、円筒状(管状)に形成されており、冷却液を排出するためのチューブ等の配管を接続することが可能となっている。
【0094】
ここで、図17図20を参照して、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30の製造方法の例について説明する。図17は、冷却プレートとなる押出成形材を示す側面図である。図18は、図17に示す押出成形材の正面図である。図19は、図18に示す押出成形材を切り欠いた状態を示す正面図である。図20は、図19に示す押出成形材を切り欠いた状態を示す正面図である。
【0095】
まず、図17及び図18に示すように、押出成形により、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30の元となる押出成形材90を二つ作製する。押出成形材90は、矩形板状の第一壁部94と、第一壁部94の下方H2に配置されて第一壁部94と高さ方向Hに対向する矩形板状の第二壁部95と、第一壁部94及び第二壁部95に接続されて幅方向Wに対向される第三壁部96及び第四壁部97と、第一壁部94から第二壁部95まで延びて第三壁部96と第四壁部97との間を幅方向Wに区画する矩形板状の複数の区画壁部98と、を備え、第三壁部96は、幅方向Wに突出する凸部96aを有するものである。凸部96aは、第三壁部96の高さ方向Hにおける上方H1又は下方H2側の半分に形成されて、第三壁部96の長手方向Lにおける全域に延びたものである。
【0096】
次に、図19に示すように、一方の押出成形材90については、第二壁部95、第三壁部96、第四壁部97、及び複数の区画壁部98の長手方向Lにおける両端部を斜めに切り欠く。他方の押出成形材90については、第一壁部94と第二壁部95が逆になるように押出成形材90を反転させた状態で、第二壁部95、第三壁部96、第四壁部97、及び複数の区画壁部98の長手方向Lにおける両端部を斜めに切り欠く。これらの切欠きは、例えば、エンドミル等の切削工具を用いた切削加工により行うことができる。
【0097】
次に、図20に示すように、二つの押出成形材90について、斜めに切り欠いた部分から、更に複数の区画壁部98を高さ方向Hに切り欠く。これらの切欠きは、例えば、エンドミル等の切削工具を用いた切削加工により行うことができる。これにより、一方の押出成形材90は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30の何れか一方となり、他方の押出成形材90は、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30の何れか他方となる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器1では、第一冷却プレート10において、第一開口12及び第二開口13の何れか一方から冷却液通路11に冷却液を供給すると、冷却液は、冷却液通路11を通って、第一開口12及び第二開口13の何れか他方から第一冷却プレートの外部に排出される。これにより、第一冷却プレート10において発熱体Bと冷却液とが熱交換されて、発熱体Bが冷却される。また、第二冷却プレート30において、第一開口32及び第二開口33の何れか一方から冷却液通路31に冷却液を供給すると、冷却液は、冷却液通路31を通って、第一開口32及び第二開口33の何れか他方から第二冷却プレート30の外部に排出される。これにより、第二冷却プレート30において発熱体Bと冷却液とが熱交換されて、発熱体Bが冷却される。このため、第一冷却プレート10又は第二冷却プレート30の単体でも、発熱体Bを冷却することができる。そして、この冷却器1では、第一冷却プレート10と第二冷却プレート30とが幅方向Wに隣接され、第一連通用蓋60が第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を跨いで第二開口13及び第二開口33を覆うように第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合されることで、第二開口13及び第二開口33に連通される第一冷却液連通路61が形成される。これにより、冷却液通路11及び冷却液通路31が第一冷却液連通路61を介して互いに連通されるため、長手方向に大型化するのを抑制しつつ、幅の広い発熱体Bに対応することができる。しかも、第一冷却プレート10又は第二冷却プレート30と同様の冷却プレート及び第一連通用蓋60と同様の蓋を追加していくことで、冷却器1の幅を更に広げることができるため、更に幅の広い発熱体Bにも対応することができる。
【0099】
また、この冷却器1では、第二冷却プレート30が第一冷却プレート10と幅方向Wに隣接しているため、入口ポート部70に冷却液を供給すると、この冷却液は、第一冷却プレート10の冷却液通路11を第二長手方向L2に流れ、第一冷却液連通路61を通り、第二冷却プレート30の冷却液通路31を第一長手方向L1に流れ、出口ポート部80から排出される。これにより、冷却液を効率的に第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に流すことができる。
【0100】
また、この冷却器1では、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に第一内蓋部62を接合し、第一内蓋部62に第一外蓋部63を接合することで、冷却液通路11及び冷却液通路31が、第三開口66、第三開口67、及び第一蓋内連通路68を介して連通される。つまり、冷却液通路11及び冷却液通路31が、第二開口13及び第二開口33が連通される第一冷却液連通路61となる。このため、気密な第一冷却液連通路61を容易に形成することができる。
【0101】
また、この冷却器1では、第一冷却プレート10が、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17を有するため、冷却壁部14、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17内に冷却液通路11が形成される。また、第二冷却プレート30が、冷却壁部34、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37を有するため、冷却壁部34、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37内に冷却液通路31が形成される。そして、第一連通用蓋60が、冷却壁部14及び冷却壁部34の下方H2に配置されるため、冷却壁部14及び冷却壁部34に発熱体Bを載置した場合に、第一連通用蓋60が破壊されたとしても、冷却液が発熱体Bにかかるのを抑制することができる。
【0102】
また、この冷却器1では、第一開口12が、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17の第一長手方向における端部が切り欠かれた第一切欠き21により形成されているため、第一開口12において冷却液通路11を下方H2に開放させることができる。また、第二開口13が、底壁部15、第一内側側壁部16、及び第一外側側壁部17の第二長手方向L2における端部が切り欠かれた第二切欠き22により形成されているため、第二開口13において冷却液通路11を下方H2に開放させることができる。また、第一開口32が、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37の第一長手方向L1における端部が切り欠かれた第一切欠き41により形成されているため、第一開口32において冷却液通路31を下方H2に開放させることができる。また、第二開口33が、底壁部35、第二内側側壁部36、及び第二外側側壁部37の第二長手方向L2における端部が切り欠かれた第二切欠き42により形成されているため、第二開口33において冷却液通路31を下方H2に開放させることができる。
【0103】
また、この冷却器1では、第一長手方向L1における底壁部15の先端が、第一長手方向L1における冷却壁部14の先端よりも第二長手方向L2側に位置しているため、第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を下方H2に開放させることができる。また、第二長手方向L2における底壁部15の先端が、第二長手方向L2における冷却壁部14の先端よりも第一長手方向L1側に位置しているため、第二長手方向L2における冷却液通路11の端部を下方H2に開放させることができる。また、第一長手方向L1における底壁部35の先端が、第一長手方向L1における冷却壁部34の先端よりも第二長手方向L2側に位置しているため、第一長手方向L1における冷却液通路31の端部を下方H2に開放させることができる。また、第二長手方向L2における底壁部35の先端が、第二長手方向L2における冷却壁部34の先端よりも第一長手方向L1側に位置しているため、第二長手方向L2における冷却液通路31の端部を下方H2に開放させることができる。
【0104】
また、この冷却器1では、第一開口12をなす、第一長手方向L1における第一内側側壁部16の端面16a及び第一長手方向L1における第一外側側壁部17の端面17aが、第一長手方向L1における底壁部15の先端から冷却壁部14まで第一長手方向L1側に傾斜して延びており、第二開口13をなす、第二長手方向L2における第一内側側壁部16の端面16b及び第二長手方向L2における第一外側側壁部17の端面17bが、第二長手方向L2における底壁部15の先端から冷却壁部14まで第二長手方向L2側に傾斜して延びており、第一開口32をなす、第一長手方向L1における第二内側側壁部36の端面36a及び第一長手方向L1における第二外側側壁部37の端面37aが、第一長手方向L1における底壁部35の先端から冷却壁部34まで第一長手方向L1側に傾斜して延びており、第二開口33をなす、第二長手方向L2における第二内側側壁部36の端面36b及び第二長手方向L2における第二外側側壁部37の端面37bが、第二長手方向L2における底壁部35の先端から冷却壁部34まで第二長手方向L2側に傾斜して延びている。このため、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に対して終端用蓋50及び第一連通用蓋60を溶接により接合する場合に、上方から第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に対して終端用蓋50及び第一連通用蓋60を溶接することができる。つまり、一方向から溶接することができる。これにより、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に対する終端用蓋50及び第一連通用蓋60の接合を容易に行うことができる。
【0105】
また、この冷却器1では、冷却液通路11が、複数の区画壁部18により複数の小通路11aに区画された区画領域11bと、区画領域11bと第一開口12との間に位置して複数の小通路11aが連通される第一チャンバ領域11cと、区画領域11bと第二開口13との間に位置して複数の小通路11aが連通される第二チャンバ領域11dと、を有するため、第一開口12に供給された冷却液は、一旦第一チャンバ領域11cに溜められたのち、複数の小通路11aに分配供給され、複数の小通路11aを流れてきた冷却液は、一旦第二チャンバ領域11dに溜められたのち、第二開口13に供給される。このため、複数の小通路11a間での冷却液の流量の差を小さくすることができる。また、冷却液通路31が、複数の区画壁部38により複数の小通路31aに区画された区画領域31bと、区画領域31bと第一開口32との間に位置して複数の小通路31aが連通される第一チャンバ領域31cと、区画領域31bと第二開口33との間に位置して複数の小通路31aが連通される第二チャンバ領域31dと、を有するため、第二開口33から供給された冷却液は、一旦第二チャンバ領域31dに溜められたのち、複数の小通路に分配供給され、複数の小通路31aを流れてきた冷却液は、一旦第一チャンバ領域31cに溜められたのち、第一開口32に供給される。このため、複数の小通路31a間での冷却液の流量の差を小さくすることができる。
【0106】
また、この冷却器1では、第一冷却プレート10が、冷却壁部14から下方H2に突出して複数の区画壁部18のそれぞれから第一開口12まで延びる複数の第一開口側リブ部19と、冷却壁部14から下方H2に突出して複数の区画壁部18のそれぞれから第二開口13まで延びる複数の第二開口側リブ部20と、を有するため、第一チャンバ領域11c及び第二チャンバ領域11dにおける第一冷却プレート10の剛性を高めることができる。また、第二冷却プレート30が、冷却壁部34から下方H2に突出して複数の区画壁部38のそれぞれから第一開口32まで延びる第一開口側リブ部39と、冷却壁部34から下方H2に突出して複数の区画壁部38のそれぞれから33まで延びる第二開口側リブ部40と、を有するため、第一チャンバ領域31c及び第二チャンバ領域31dにおける第二冷却プレート30の剛性を高めることができる。
【0107】
また、この冷却器1では、終端用蓋50が第一開口12を覆うように第一冷却プレート10に接合され、冷却壁部14が第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する入口用開口23を有し、入口ポート部70が入口用開口23に連通されるように冷却壁部14に接合される。このため、入口ポート部70を通じて冷却液通路11に冷却液を供給することができる。そして、冷却壁部14に発熱体Bを載置した場合に、発熱体B及び冷却器1の高さ方向における寸法の増大化を抑制することができるため、配置自由度を向上することができる。
【0108】
また、この冷却器1では、終端用蓋50が第二開口33を覆うように第二冷却プレート30に接合され、冷却壁部34が第一長手方向L1における冷却液通路31の端部を上方H1に開放する出口用開口43を有し、出口ポート部80が出口用開口43に連通されるように冷却壁部34に接合される。このため、冷却液通路31に供給された冷却液を出口ポート部80から排出することができる。そして、冷却壁部34に発熱体Bを載置した場合に、発熱体B及び冷却器1の高さ方向における寸法の増大化を抑制することができるため、配置自由度を向上することができる。
【0109】
ここで、第一内側側壁部16と第二内側側壁部36との幅方向Wにおける突き当て面同士を溶接すると、溶接による熱膨張などの影響で、第一冷却プレート10と第二冷却プレート30との間の幅方向Wにおけるクリアランス精度が低下する可能性がある。しかしながら、この冷却器1では、第一内側側壁部16の第一凸部16cと第二内側側壁部36の第二凸部36cとが高さ方向Hにおいて重ね合わせられる。これにより、レーザー溶接等により第一凸部16cと第二凸部36cとを高さ方向Hに接合することができるため、第一冷却プレート10と第二冷却プレート30との間の幅方向Wにおけるクリアランス精度を高めることができる。
【0110】
また、この冷却器1では、長手方向Lと直交する断面において、第一内側側壁部16と第二内側側壁部36、及び第一外側側壁部17と第二外側側壁部37とが、それぞれ点対称の関係にあるため、共通の押出成形材90から第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30を作製することができる。これにより、製造コストを低減することができる。
【0111】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様である。このため、以下の説明では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の説明を省略する。
【0112】
図21第二実施形態に係る冷却器を示す平面図である。図22は、図21に示す冷却器の底面図である。図21及び図22に示すように、本実施形態に係る冷却器101は、複数の冷却プレートとしての第一冷却プレート110(第三冷却プレート)及び第二冷却プレート130(第四冷却プレート)と、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合される第一連通用蓋60と、第一冷却プレート10及び第二冷却プレート30に接合される第二連通用蓋150と、第一冷却プレート110に接合される入口ポート部70と、第一冷却プレート110に接合される出口ポート部80と、を備える。これらの接合は、例えば、レーザー溶接等の溶接、ろう付けなどにより行うことができる。
【0113】
(第一冷却プレート)
図23は、第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第一長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。図24は、第一冷却プレート及び第二冷却プレートの第二長手方向における端部を示す、下方から見た斜視図である。図21図24に示すように、第一冷却プレート110は、基本的に第一実施形態の第一冷却プレート10と同様であり、第一実施形態の第二冷却プレート30に形成された出口用開口43(図5参照)に対応する出口用開口124が形成されている点のみ、第一実施形態の第一冷却プレート10と相違する。すなわち、第一冷却プレート110では、第一長手方向L1における冷却壁部14の端部に、第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する入口用開口23が形成されており、第二長手方向L2における冷却壁部14の端部に、第二長手方向L2における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する出口用開口124が形成されている。
【0114】
(第二冷却プレート)
第二冷却プレート130は、基本的に第一実施形態の第二冷却プレート30と同様であり、出口用開口43(図5参照)が形成されていない点のみ、第一実施形態の第二冷却プレート30と相違する。すなわち、第二冷却プレート130では、第一長手方向L1における冷却壁部34の端部及び第二長手方向L2における冷却壁部34の端部の何れにも、冷却液通路11の端部を上方H1に開放する開口が形成されていない。
【0115】
(第二連通用蓋)
図25は、図22に示すXXV-XXV線における端面図である。図21図23及び図25に示すように、第二連通用蓋150は、第一実施形態の第一連通用蓋60と同様の構成を有している。第二連通用蓋150は、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130を跨いで第一冷却プレート110の第一開口12及び第二冷却プレート130の第一開口32を覆うように第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合される。第二連通用蓋150は、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合されることで、第一冷却プレート110の第一開口12と第二冷却プレート130の第一開口32とに連通される第二冷却液連通路151を形成する。第二冷却液連通路151は、第一冷却プレート110の第一開口12及び第二冷却プレート130の第一開口32のみに開放される通路である。
【0116】
第二連通用蓋150は、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130を跨いで第一冷却プレート110の第一開口12及び第二冷却プレート130の第一開口32を覆うように第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合される第二内蓋部152と、第二内蓋部152に接合される第二外蓋部153と、を備える。
【0117】
第二内蓋部152は、第一冷却プレート110の第一開口12を覆うように第一冷却プレート110に接合される冷却プレート用蓋部154と、第二冷却プレート130の第一開口32を覆うように第二冷却プレート130に接合される冷却プレート用蓋部155と、を有する。冷却プレート用蓋部154には、第一冷却プレート110の第一開口12に連通される第三開口156が形成されている。冷却プレート用蓋部155には、第二冷却プレート130の第一開口32に連通される第三開口157が形成されている。
【0118】
第二外蓋部153は、冷却プレート用蓋部154の第三開口156及び冷却プレート用蓋部155の第三開口157を覆うように第二内蓋部152に接合される。第二外蓋部153は、第二内蓋部152に接合されることで、冷却プレート用蓋部154の第三開口156と冷却プレート用蓋部155の第三開口157とに連通される第二蓋内連通路158を形成する。第二蓋内連通路158は、第二内蓋部152と第二外蓋部153との間に形成される。
【0119】
第三開口156、第二蓋内連通路158、及び第三開口157は、第一冷却プレート110の第一開口12と第二冷却プレート130の第一開口32とに連通される第二冷却液連通路151を形成する。そして、第三開口156は、第一冷却プレート110の冷却液通路11及び第二冷却液連通路151のみに開放され、第二冷却液連通路151は、第三開口156及び第三開口157のみに開放され、第三開口157は、第二冷却プレート130の冷却液通路31及び第二冷却液連通路151のみに開放される。
【0120】
このため、第一冷却プレート110の入口用開口23から第一冷却プレート110の冷却液通路11に供給された冷却液は、第二冷却液連通路151(第三開口156、第二蓋内連通路158、及び第三開口157)を通って、第二冷却プレート130の冷却液通路31にも分配供給される。
【0121】
(第一連通用蓋)
図26は、図22に示すXXVI-XXVI線における端面図である。図21図22図24及び図26に示すように、第一連通用蓋60は、第一実施形態のものと同様である。第二実施形態では、第一連通用蓋60は、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130を跨いで第一冷却プレート110の第二開口13及び第二冷却プレート130の第二開口33を覆うように第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合される。そして、第一連通用蓋60は、第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合されることで、第一冷却プレート110の第二開口13と第二冷却プレート130の第二開口33とに連通される第一冷却液連通路61を形成する。第一冷却液連通路61は、第一冷却プレート110の第二開口13及び第二冷却プレート130の第二開口13のみに開放される通路である。
【0122】
このため、第一冷却プレート110の冷却液通路11に供給された冷却液は、第一冷却プレート110の出口用開口124から排出され、第二冷却プレート130の冷却液通路31に供給された冷却液は、第一冷却液連通路61(第三開口66、第一蓋内連通路68、及び第三開口67)を通って第一冷却プレート110の冷却液通路11に供給された後、第一冷却プレート110の出口用開口124から排出される。
【0123】
(入口ポート部)
入口ポート部70は、第一実施形態のものと同様である。第二実施形態では、入口ポート部70は、第一冷却プレート110の入口用開口23と連通されるように第一冷却プレート110の冷却壁部14に接合されている。そして、入口ポート部70は、第一冷却プレート110の冷却壁部14から上方H1に延びて、幅方向Wにおける第二冷却プレート130とは反対側に延びている。
【0124】
(出口ポート部)
出口ポート部80は、第一実施形態のものと同様である。第二実施形態では、出口ポート部80は、第一冷却プレート110の出口用開口124と連通されるように第一冷却プレート110の冷却壁部34に接合されている。そして、出口ポート部80は、第一冷却プレート110の冷却壁部34から上方H1に延びて、幅方向Wにおける第二冷却プレート130とは反対側に延びている。
【0125】
以上説明したように、本実施形態に係る冷却器101では、第二連通用蓋150が第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130を跨いで第一冷却プレート110の第一開口12及び第二冷却プレート130の第一開口32を覆うように第一冷却プレート110及び第二冷却プレート130に接合されることで、第一冷却プレート110の冷却液通路11及び第二冷却プレート130の冷却液通路31に連通される第二冷却液連通路151が形成される。これにより、第一冷却プレート110の冷却液通路11及び第二冷却プレート130の冷却液通路31が第二冷却液連通路151を介して互いに連通されるため、第一連通用蓋60により形成される第一冷却液連通路61と第二連通用蓋150により形成される第二冷却液連通路151との間で、第一冷却プレート110の冷却液通路11及び第二冷却プレート130の冷却液通路31を第一長手方向L1又は第二長手方向L2に並列に流れる流路とすることができる。
【0126】
また、この冷却器101では、第一冷却プレート110の冷却壁部14が第一長手方向L1における冷却液通路11の端部を上方H1に開放する入口用開口23を有し、入口ポート部70が入口用開口23に連通されるように第一冷却プレート110の冷却壁部14に接合される。このため、入口ポート部70を通じて第一冷却プレート110の冷却液通路11に冷却液を供給することができるとともに、第一冷却プレート110の冷却液通路11から第二冷却液連通路151を通じて第二冷却プレート130の冷却液通路31に冷却液を分配供給することができる。
【0127】
また、この冷却器101では、第一冷却プレート110の冷却壁部14が第二長手方向L2における冷却液通路11の端部を上方に開放する出口用開口124を有し、出口ポート部80が出口用開口124に連通されるように第一冷却プレート110の冷却壁部14に接合される。このため、第二冷却液連通路151から第二冷却プレート130の冷却液通路31に分配供給された冷却液を、第一冷却液連通路61を通じて、第一冷却プレート110の冷却液通路11に供給された冷却液に合流させて、出口ポート部80から排出することができる。しかも、入口用開口23及び出口用開口124が第一冷却プレート110に形成されて、入口ポート部70及び出口ポート部80が第一冷却プレート110に接続されているため、冷却器101を簡易な構成をすることができる。
【0128】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0129】
例えば、上記実施形態では、冷却器が二枚の冷却プレートが幅方向に隣接されたものとして説明したが、冷却器は、三枚以上の冷却プレートが幅方向に隣接されたものであってもよい。
【0130】
図27は、変形例の冷却器を示す正面図である。図27に示す冷却器201は、第一冷却プレート210Aと、第二冷却プレート210Bと、第三冷却プレート210Cとが、幅方向Wに互いに隣接されて構成されている。第一冷却プレート210Aは、例えば、上記実施形態の第一冷却プレート10である。第二冷却プレート210B及び第三冷却プレート210Cは、例えば、上記実施形態の第一冷却プレート10又は第二冷却プレート30に対応するプレートである。第一長手方向L1における第一冷却プレート210Aの端部には、入口側終端用蓋50A及び入口ポート部70が接合されており、第二長手方向L2における第一冷却プレート210A及び第二冷却プレート210Bの端部には、第一連通用蓋60が接合されており、第一長手方向L1における第二冷却プレート210B及び第三冷却プレート210Cの端部には、第一連通用蓋60が接合されており、第二長手方向L2における第三冷却プレート210Cの端部には、出口側終端用蓋50B及び出口ポート部80が接合されている。
【0131】
入口側終端用蓋50Aは、上記実施形態に係る冷却器1の終端用蓋50のうちの、第一冷却プレート10に接合される部分に対応するものであり、出口側終端用蓋50Bは、上記実施形態に係る冷却器1の終端用蓋50のうちの、第二冷却プレート30に接合される部分に対応するものである。第一冷却プレート210Aと第二冷却プレート210Bとに接合される第一連通用蓋60は、例えば、上記実施形態の第一連通用蓋60である。第二冷却プレート210Bと第三冷却プレート210Cとに接合される第一連通用蓋60は、例えば、上記実施形態の第一連通用蓋60と同様の蓋である。第一長手方向L1における第一冷却プレート210Aの端部には、上記実施形態と同様の入口用開口23が形成されており、入口ポート部70は、入口用開口23に連通されている。また、第二長手方向L2における第三冷却プレート210Cの端部には、上記実施形態に係る冷却器1の出口用開口43に対応する出口用開口243が形成されており、出口ポート部80は、出口用開口243に連通されている。なお、幅方向Wにおける中央部に配置される第二冷却プレート210Bには、入口用開口23及び出口用開口43に対応する開口は形成されていない。
【0132】
この冷却器201では、入口ポート部70に冷却液が供給されると、冷却液は、第一冷却プレート210A内の冷却液通路を第二長手方向L2に流れ、第一連通用蓋60内の第一冷却液連通路を通って第二冷却プレート210B内の冷却液通路に供給され、第二冷却プレート210B内の冷却液通路を第一長手方向L1に流れ、第一連通用蓋60内の第一冷却液連通路を通って第三冷却プレート210C内の冷却液通路に供給され、第三冷却プレート210C内の冷却液通路を第二長手方向L2に流れ、出口ポート部80から排出される。
【0133】
また、冷却プレートの側壁部の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図28図30のような形状とすることができる。図28図30は、他の変形例の冷却器の、長手方向と直交する断面における端面図であって、図27に示すXXVIII-XXVIII線に対応する端面図である。図28図30に示す冷却器は、図27に示す冷却器201と同様に、三枚の冷却プレートが幅方向に互いに隣接されて構成されたものである。
【0134】
図28に示す冷却器301では、第一冷却プレート310Aの一対の側壁部316A,317Aが、幅方向Wに突出する凸部316Aa,317Aaを有しており、第二冷却プレート310Bの一対の側壁部316B,317Bが、幅方向Wに突出する凸部316Ba,317Baを有しており、第三冷却プレート310Cの一対の側壁部316C,317Cが、幅方向Wに突出する凸部316Ca,317Caを有している。凸部316Aa,317Aaは、第一冷却プレート310Aの高さ方向Hにおける同じ位置に形成されており、凸部316Ba,317Baは、第二冷却プレート310Bの高さ方向Hにおける同じ位置に形成されており、凸部316Ca,317Caは、第三冷却プレート310Cの高さ方向Hにおける同じ位置に形成されている。そして、第一冷却プレート310Aの凸部317Aaと第二冷却プレート310Bの凸部316Baとが、高さ方向Hに重ね合わされた状態で上方H1側又は下方H2側からレーザー溶接されている。また、第二冷却プレート310Bの凸部317Baと第三冷却プレート310Cの凸部316Aaとが、高さ方向Hに重ね合わされた状態で上方H1側又は下方H2側からレーザー溶接されている。
【0135】
このように、冷却器101では、各冷却プレートの一対の側壁部に形成される一対の凸部が、各冷却プレートの高さ方向Hにおける同じ位置に形成されているため、各冷却プレートを押出成形する際に各冷却プレートが撓むのを抑制することができる。
【0136】
図29に示す冷却器401では、第一冷却プレート410Aの一対の側壁部416A,417Aのうちの第二冷却プレート410B側の側壁部417Aが、幅方向Wに突出する凸部417Aaを有しており、第二冷却プレート410Bの一対の側壁部416B,417Bが、幅方向Wに突出する凸部416Ba,417Baを有しており、第三冷却プレート410Cの一対の側壁部416C,417Cのうちの第二冷却プレート410B側の側壁部416Cが、幅方向Wに突出する凸部416Caを有している。そして、第一冷却プレート410Aの凸部417Aaと第二冷却プレート410Bの凸部416Baとが、高さ方向Hに重ね合わされた状態で上方H1側又は下方H2側からレーザー溶接されている。また、第二冷却プレート410Bの凸部417Baと第三冷却プレート410Cの凸部416Caとが、高さ方向Hに重ね合わされた状態で上方H1側又は下方H2側からレーザー溶接されている。
【0137】
図30に示す冷却器501では、第一冷却プレート510Aの一対の側壁部516A,517Aが、高さ方向Hにおける中央部において幅方向Wに窪む凹部516Aa,517Aaを有しており、第二冷却プレート510Bの一対の側壁部516B,517Bが、高さ方向Hにおける中央部において幅方向Wに突出する凸部516Ba,517Baを有しており、第三冷却プレート510Cの一対の側壁部516C,517Cが、高さ方向Hにおける中央部において幅方向Wに窪む凹部516Ca,517Caを有している。そして、第二冷却プレート510Bの凸部516Baが第一冷却プレート510Aの凹部517Aaに嵌め込まれており、第二冷却プレート510Bの凸部517Baが第三冷却プレート510Cの凹部516Caに嵌め込まれている。
【0138】
このように、冷却器501では、第二冷却プレート510Bの凸部516Ba,517Ba及び第二冷却プレート510Bの凸部517Baが、第一冷却プレート510A及び第三冷却プレート510Cと高さ方向Hに重ね合わせられる。これにより、これらを上方H1側又は下方H2側からのレーザー溶接により接合することができるため、第一冷却プレート510Aと第二冷却プレート510Bとの間の幅方向Wにおけるクリアランス精度、及び第二冷却プレート510Bと第三冷却プレート510Cとの間の幅方向Wにおけるクリアランス精度を高めることができる。
【0139】
また、冷却器501では、第一冷却プレート510Aの凹部516Aa,517Aa、第二冷却プレート510Bの凸部516Ba,517Ba、及び第三冷却プレート510Cの凹部516Ca,517Caが、高さ方向Hにおける中央部に位置しているため、第一冷却プレート510A、第二冷却プレート510B、及び第三冷却プレート510Cを押出成形する際に第一冷却プレート510A、第二冷却プレート510B、及び第三冷却プレート510Cが撓むのを抑制することができる。
【0140】
図31は、他の変形例の冷却器を示す平面図である。図32は、図31に示す冷却器の底面図である。図31及び図32に示す冷却器601は、第一冷却プレート610Aと、第二冷却プレート610Bと、第三冷却プレート610Cとが、幅方向Wに互いに隣接されて構成されている。第一冷却プレート610Aは、例えば、上記実施形態の第一冷却プレート10である。第二冷却プレート610B及び第三冷却プレート610Cは、例えば、上記実施形態の第一冷却プレート10又は第二冷却プレート30に対応するプレートである。第一長手方向L1における第一冷却プレート610A、第二冷却プレート610B、及び第三冷却プレート610Cの端部には、第二連通用蓋650が接合されており、第二長手方向L2における第一冷却プレート610A、第二冷却プレート610B、及び第三冷却プレート610Cの端部には、第一連通用蓋660が接合されている。また、第一長手方向L1における第一冷却プレート610Aの端部には、入口ポート部70が接合されており、第二長手方向L2における第一冷却プレート610Aの端部には、出口ポート部80が接合されている。
【0141】
第二連通用蓋650は、第二実施形態の第二連通用蓋150が幅方向Wに長くなったものである。第二連通用蓋650は、第一冷却プレート610A、第二冷却プレート610B、及び第三冷却プレート610Cを跨いで第一冷却プレート610Aの第一開口(不図示)、第二冷却プレート610Bの第一開口(不図示)、及び第三冷却プレート610Cの第一開口(不図示)を覆うように第一冷却プレート610A、第二冷却プレート610B、及び第三冷却プレート610Cに接合される。第二連通用蓋650は、第一冷却プレート610A、第二冷却プレート610B、及び第三冷却プレート610Cに接合されることで、第一冷却プレート610Aの第一開口、第二冷却プレート610Bの第一開口、及び第三冷却プレート610Cの第一開口に連通される第二冷却液連通路651を形成する。第二冷却液連通路151は、第一冷却プレート610Aの第一開口、第二冷却プレート610Bの第一開口、及び第三冷却プレート610Cの第一開口のみに開放される通路である。
【0142】
第一長手方向L1における第一冷却プレート610Aの端部には、第二実施形態と同様の入口用開口23が形成されており、入口ポート部70は、入口用開口23に連通されるように第一冷却プレート610Aに接合されている。また、第二長手方向L2における第一冷却プレート610Aの端部には、第二実施形態と同様の出口用開口124が形成されており、出口ポート部80は、出口用開口124に連通されるように第一冷却プレート610Aに接合されている。なお、第二冷却プレート610B及び第三冷却プレート610Cには、入口用開口23及び出口用開口124に対応する開口は形成されていない。
【0143】
この冷却器601では、入口ポート部70に冷却液が供給されると、冷却液は、第一冷却プレート610Aの冷却液通路に供給されるとともに、第一冷却プレート610Aの冷却液通路から第二冷却液連通路651を通じて第二冷却プレート610Bの冷却液通路及び第三冷却プレート610Cの冷却液通路に分配供給される。これらの冷却液は、第一冷却プレート610Aの冷却液通路、第二冷却プレート610Bの冷却液通路、及び第三冷却プレート610Cの冷却液通路を第二長手方向L2に流れて行く。そして、第一冷却プレート610Aの冷却液通路を流れる冷却液は、そのまま出口ポート部80から排出され、第二冷却プレート610Bの冷却液通路及び第三冷却プレート610Cの冷却液通路を流れる冷却液は、第一冷却液連通路661を通じて、第一冷却プレート610Aの冷却液通路に供給されて、第一冷却プレート610Aの冷却液通路を流れる冷却液に合流して、出口ポート部80から排出される。
【0144】
また、図31及び図32に示す冷却器601のように、3以上の冷却プレートが幅方向に互いに隣接されて、液体が各冷却プレートの冷却液通路を同方向に並列に流れる冷却器においては、図33及び図34に示す冷却器のように、入口用開口が形成されて入口ポート部が接合される冷却プレートと出口用開口が形成されて出口ポート部が接合される冷却プレートとが、異なる冷却プレートであってもよい。
【0145】
図33は、他の変形例の冷却器を示す平面図である。図34は、図33に示す冷却器の底面図である。図33及び図34に示す冷却器701は、基本的に図31及び図32に示す冷却器601と同様であるが、入口用開口が形成される冷却プレートと出口用開口が形成される冷却プレートとが異なっている。冷却器701は、第一冷却プレート710Aと、第二冷却プレート710Bと、第三冷却プレート710Cとが、幅方向Wに互いに隣接されて構成されている。第一長手方向L1における第一冷却プレート710A、第二冷却プレート710B、及び第三冷却プレート710Cの端部には、第二連通用蓋650が接合されており、第二長手方向L2における第一冷却プレート710A、第二冷却プレート710B、及び第三冷却プレート710Cの端部には、第一連通用蓋660が接合されている。
【0146】
第一長手方向L1における第一冷却プレート710Aの端部には、入口用開口23が形成されており、入口ポート部70は、入口用開口23に連通されるように第一冷却プレート710Aに接合されている。また、第二長手方向L2における第三冷却プレート710Cの端部には、出口用開口124に対応する出口用開口724が形成されており、出口ポート部80は、出口用開口724に連通されるように第三冷却プレート710Cに接合されている。なお、第二長手方向L2における第一冷却プレート710Aの端部、第二冷却プレート710B、及び第一長手方向L1における第三冷却プレート710Cの端部には、入口用開口23及び出口用開口124に対応する開口は形成されていない。
【0147】
この冷却器701では、入口ポート部70に冷却液が供給されると、冷却液は、第一冷却プレート710Aの冷却液通路に供給されるとともに、第一冷却プレート710Aの冷却液通路から第二冷却液連通路651を通じて第二冷却プレート710Bの冷却液通路及び第三冷却プレート710Cの冷却液通路に分配供給される。これらの冷却液は、第一冷却プレート710Aの冷却液通路、第二冷却プレート710Bの冷却液通路、及び第三冷却プレート710Cの冷却液通路を第二長手方向L2に流れて行く。そして、第三冷却プレート710Cの冷却液通路を流れる冷却液は、そのまま出口ポート部80から排出され、第一冷却プレート710Aの冷却液通路及び第二冷却プレート710Bの冷却液通路を流れる冷却液は、第一冷却液連通路661を通じて、第三冷却プレート710Cの冷却液通路に供給されて、第三冷却プレート710Cの冷却液通路を流れる冷却液に合流して、出口ポート部80から排出される。
【0148】
このように、冷却器701では、第一冷却プレート710A、第二冷却プレート710B、及び第三冷却プレート710Cのそれぞれの冷却液通路を流れる冷却液は、必ず第一連通用蓋660により形成される第一冷却液連通路661又は第二連通用蓋650により形成される第二冷却液連通路651を通ることになる。このため、第一冷却プレート710A、第二冷却プレート710B、及び第三冷却プレート710Cのそれぞれの冷却液通路を流れる冷却液の流量の均一化を図ることができる。
【0149】
また、上記実施形態では、複数の冷却プレートのそれぞれは、第一開口側リブ部及び第二開口側リブ部を有するものとして説明したが、第一開口側リブ部及び第二開口側リブ部を有しないものであってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1…冷却器、10…第一冷却プレート(第三冷却プレート)、11…冷却液通路、11a…小通路、11b…区画領域、11c…第一チャンバ領域、11d…第二チャンバ領域、12…第一開口、13…第二開口、14…冷却壁部、15…底壁部、16…第一内側側壁部、16a…端面、16b…端面、16c…第一凸部、17…第一外側側壁部、17a…端面、17b…端面、18…区画壁部、19…第一開口側リブ部、20…第二開口側リブ部、21…第一切欠き、22…第二切欠き、23…入口用開口、30…第二冷却プレート(第四冷却プレート)、31…冷却液通路、31a…小通路、31b…区画領域、31c…第一チャンバ領域、31d…第二チャンバ領域、32…第一開口、33…第二開口、34…冷却壁部、35…底壁部、36…第二内側側壁部、36a…端面、36b…端面、36c…第二凸部、37…第二外側側壁部、37a…端面、37b…端面、38…区画壁部、39…第一開口側リブ部、40…第二開口側リブ部、41…第一切欠き、42…第二切欠き、43…出口用開口、50…終端用蓋、50A…入口側終端用蓋、50B…出口側終端用蓋、60…第一連通用蓋、61…第一冷却液連通路、62…第一内蓋部、63…第一外蓋部、64…冷却プレート用蓋部、65…冷却プレート用蓋部、66…第三開口、67…第三開口、68…第一蓋内連通路、70…入口ポート部、80…出口ポート部、90…押出成形材、94…第一壁部、95…第二壁部、96…第三壁部、96a…凸部、97…第四壁部、98…区画壁部、101…冷却器、110…第一冷却プレート(第三冷却プレート)、124…出口用開口、130…第二冷却プレート(第四冷却プレート)、150…第二連通用蓋、151…第二冷却液連通路、152…第二内蓋部、153…第二外蓋部、154…冷却プレート用蓋部、155…冷却プレート用蓋部、156…第三開口、157…第三開口、158…第二蓋内連通路、201…冷却器、210A…第一冷却プレート、210B…第二冷却プレート、210C…第三冷却プレート、243…出口用開口、301…冷却器、310A…第一冷却プレート、310B…第二冷却プレート、310C…第三冷却プレート、316A…側壁部、316Aa…凸部、316B…側壁部、316Ba…凸部、316C…側壁部、316Ca…凸部、317A…側壁部、317Aa…凸部、317B…側壁部、317Ba…凸部、317C…側壁部、317Ca…凸部、401…冷却器、410A…第一冷却プレート、410B…第二冷却プレート、410C…第三冷却プレート、416A…側壁部、416B…側壁部、416Ba…凸部、416C…側壁部、416Ca…凸部、417A…側壁部、417Aa…凸部、417B…側壁部、417Ba…凸部、417C…側壁部、501…冷却器、510A…第一冷却プレート、510B…第二冷却プレート、510C…第三冷却プレート、516A…側壁部、516Aa…凹部、516B…側壁部、516Ba…凸部、516C…側壁部、516Ca…凹部、517A…側壁部、517Aa…凹部、517B…側壁部、517Ba…凸部、517C…側壁部、517Ca…凹部、601…冷却器、610A…第一冷却プレート、610B…第二冷却プレート、610C…第三冷却プレート、650…第二連通用蓋、651…第二冷却液連通路、660…第一連通用蓋、661…第一冷却液連通路、701…冷却器、710A…第一冷却プレート、710B…第二冷却プレート、710C…第三冷却プレート、724…出口用開口、B…発熱体、H…高さ方向、H1…上方、H2…下方、L…長手方向、L1…第一長手方向、L2…第二長手方向、W…幅方向。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
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図28
図29
図30
図31
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図33
図34