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特開2025-5919返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラム
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  • 特開-返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005919
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0837 20230101AFI20250109BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/0837
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106356
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一樹
(72)【発明者】
【氏名】東 佑磨
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC52
(57)【要約】
【課題】返品在庫に対する通常品、仕入先の査定待ちもしくは査定後を示すステータス管理を行い、滞留在庫管理を行うことで返品在庫の管理強化を行うことができる返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得し、在庫データ、および、滞留在庫照会指示に基づいて、照会ステータスの照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置であって、
前記記憶部は、
商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得手段と、
前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会手段と、
を備えたことを特徴とする返品在庫管理装置。
【請求項2】
前記指示取得手段は、
照会期間、前記照会商品、および、前記照会ステータスを紐付けて設定した前記滞留在庫照会指示を取得し、
前記在庫照会手段は、
前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の前記在庫数、および、前記照会期間を満たす前記滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させることを特徴とする請求項1に記載の返品在庫管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記仕入先において前記査定待ちの前記商品に対する査定が完了した場合、当該商品の変更後ステータス、および、変更数を設定したステータス変更データを取得するステータス変更手段と、
前記ステータス変更データに基づいて、前記在庫データを更新する在庫登録手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の返品在庫管理装置。
【請求項4】
前記在庫登録手段は、
前記ステータス変更データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数が0になる場合、当該在庫データに設定された前記最終入荷日をブランクに更新することを特徴とする請求項3に記載の返品在庫管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記商品の前記ステータス、返品日を含む売上日、および、返品数を含む売上数を紐付けて設定した売上データを取得する売上取得手段と、
前記売上データに基づいて、前記在庫データを登録する在庫登録手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の返品在庫管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記ステータス、および、出荷可否を示す出荷可能区分を紐付けて設定したステータス紐付マスタ、
を更に備え、
前記売上取得手段は、
前記ステータス紐付マスタに基づいて、前記商品の前記ステータスを特定し、前記ステータス、前記返品日を含む前記売上日、および、前記返品数を含む前記売上数を紐付けて設定した前記売上データを取得することを特徴とする請求項5に記載の返品在庫管理装置。
【請求項7】
前記在庫データは、
更に、ロット番号が紐付けて設定され、
前記在庫照会手段は、
前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の前記ロット番号毎の前記在庫数、および、前記滞留期間を紐付けて設定した前記滞留在庫照会明細データを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の返品在庫管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置に実行させるための返品在庫管理方法であって、
前記記憶部は、
商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において実行される、
照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得ステップと、
前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会ステップと、
を含むことを特徴とする返品在庫管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置に実行させるための返品在庫管理プログラムであって、
前記記憶部は、
商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得ステップと、
前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会ステップと、
を実行させるための返品在庫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、得意先からの商品の返品があった場合、返品在庫として返品在庫数量および仕入先を商品マスタファイルで管理し、廃棄対象ではなく且つ仕入先に返品しない商品については、返品在庫数量の返品在庫としての管理から、通常在庫数量の通常在庫としての管理に変更する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-298344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、廃棄対象ではなく且つ仕入先に返品しない商品について返品在庫としてではなく通常在庫として管理するため、商品の各ステータスでの滞留状況の把握ができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、返品在庫に対する通常品、仕入先の査定待ちもしくは査定後を示すステータス管理を行い、滞留在庫管理を行うことで返品在庫の管理強化を行うことができる返品在庫管理装置、返品在庫管理方法、および、返品在庫管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る返品在庫管理装置は、記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置であって、前記記憶部は、商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部は、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得手段と、前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記指示取得手段は、照会期間、前記照会商品、および、前記照会ステータスを紐付けて設定した前記滞留在庫照会指示を取得し、前記在庫照会手段は、前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の前記在庫数、および、前記照会期間を満たす前記滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記制御部は、前記仕入先において前記査定待ちの前記商品に対する査定が完了した場合、当該商品の変更後ステータス、および、変更数を設定したステータス変更データを取得するステータス変更手段と、前記ステータス変更データに基づいて、前記在庫データを更新する在庫登録手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記在庫登録手段は、前記ステータス変更データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数が0になる場合、当該在庫データに設定された前記最終入荷日をブランクに更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記制御部は、前記商品の前記ステータス、返品日を含む売上日、および、返品数を含む売上数を紐付けて設定した売上データを取得する売上取得手段と、前記売上データに基づいて、前記在庫データを登録する在庫登録手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記記憶部は、前記ステータス、および、出荷可否を示す出荷可能区分を紐付けて設定したステータス紐付マスタ、を更に備え、前記売上取得手段は、前記ステータス紐付マスタに基づいて、前記商品の前記ステータスを特定し、前記ステータス、前記返品日を含む前記売上日、および、前記返品数を含む前記売上数を紐付けて設定した前記売上データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る返品在庫管理装置において、前記在庫データは、更に、ロット番号が紐付けて設定され、前記在庫照会手段は、前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の前記ロット番号毎の前記在庫数、および、前記滞留期間を紐付けて設定した前記滞留在庫照会明細データを表示させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る返品在庫管理方法は、記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置に実行させるための返品在庫管理方法であって、前記記憶部は、商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において実行される、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得ステップと、前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る返品在庫管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた返品在庫管理装置に実行させるための返品在庫管理プログラムであって、前記記憶部は、商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは前記仕入先の査定後を示す前記商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する指示取得ステップと、前記在庫データ、および、前記滞留在庫照会指示に基づいて、前記照会ステータスの前記照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させる在庫照会ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、返品在庫管理の精度向上および保留品の誤出荷防止に加え、滞留在庫管理の精度向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、返品在庫管理の精度向上と保留品の再出荷制御による誤出荷防止をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、取扱品が多く、返品業務が多く発生する企業での在庫管理の精度向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、最終入荷日の更新を踏まえた返品時の査定待ちステータスでの在庫計上、および、査定後のステータス振替による在庫計上をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、返品があった際に商品のステータスを自動で変更し、そのステータスでの出荷制御をかけ、どれくらい在庫として滞留しているかを確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、従来のステータス管理の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態におけるステータス紐付マスタの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態におけるステータス管理の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における返品在庫管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施形態における返品在庫管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施形態における返品在庫管理処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における返品在庫管理処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における返品在庫管理処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における返品在庫管理処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における滞留在庫確認処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、図1から図3を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、従来のステータス管理の一例を示す図である。図2は、本実施形態におけるステータス紐付マスタの一例を示す図である。図3は、本実施形態におけるステータス管理の一例を示す図である。
【0019】
従来、電設業界等においては、返品があった場合に通常の在庫とは別の棚で管理していたが、取扱品が多く、通常品在庫と返品在庫の管理が煩雑になり、返品在庫が在庫として残ったままになってしまうことが多かった。また、従来は、ステータスを自動で変更する機能がなく、同じステータスであるため、通常商品と返品商品との区別がつかず管理ができていないことが多かった。また、従来から、返品商品は、仕入先に査定依頼を行い、査定が完了したら、廃棄か再度出荷できる商品に区分けされていた。
【0020】
そこで、本実施形態においては、商品の返品があった場合に、ステータスを通常品とは区別し、出荷ができないように制御をかけ、それらの返品在庫が残ったままになってしまっていないか確認できるよう滞留在庫管理を実装することで、返品在庫の管理精度を向上する仕組みを提供している。
【0021】
例えば、図1に示すように、従来は、売上計上時、返品時および仕入先の査定後の全てのタイミングで、商品を出荷可能な通常品として管理していた。
【0022】
ここで、図2に示すように、本実施形態においては、商品のステータス分類を、A・B・Cの3つ(A:各入力画面上で制御がかからない、B:売上入力・出荷入力時に警告のメッセージを出すことができる、および、C:売上入力・出荷入力時にストップがかかる)に分けてマスタ設定している。また、本実施形態においては、ステータスを任意で追加することができ、それぞれにステータス分類を設定することができる。また、本実施形態においては、出荷区分(0:出荷可能、1:警告、2:出荷不可)によって、出荷可能チェックを実行させることができる。また、本実施形態においては、入荷時や出荷時にステータスを指定させることができる。また、従来は、新規入荷時の検品で不良と判断された商品である不良品、または、季節変動や循環変動で生産や出荷のチャンスを逃した商品である滞留品を、B(またはC)のステータス分類としていた。すなわち、従来は、商品単体としては使用できない商品、または、現状出荷できない商品であるが、生産部品もしくはサービス部品として機能的にも十分使えることができる商品である場合、これら商品のステータス分類をB(またはC)としていた。
【0023】
そこで、図3に示すように、本実施形態においては、売上計上時、返品時および仕入先の査定後のタイミングで、商品のステータスを分けて管理することで、(1)返品伝票計上の際に、自動でステータスを「査定待ち」にして在庫計上し、(2)仕入先の査定が終わり、出荷が可能となった場合、ステータス変更画面よりステータスを「査定後」に変更し、(3)返品在庫が計上されてからどれだけ在庫として滞留しているかを照会画面から確認できるようにしている。これにより、本実施形態においては、返品後、仕入先に査定依頼を行い、その査定が終わるまで出荷を制御可能とし、システム上、ステータス毎に出荷可能かどうかの設定ができるため、ステータスを変更することで出荷制御を行うことを可能とし、ステータス毎の在庫管理ができるため、返品商品がどれだけあるのかを把握を可能としている。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る返品在庫管理装置100の構成の一例について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態における返品在庫管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図4に示すように、返品在庫管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、返品在庫管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
返品在庫管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。返品在庫管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、返品在庫管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、返品在庫管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、ステータス紐付マスタ106aと在庫データベース106bとを備えている。
【0030】
ステータス紐付マスタ106aは、商品のステータスを設定したマスタである。ここで、ステータス紐付マスタ106aは、通常品、仕入先の査定待ちもしくは仕入先の査定後を示す商品のステータス、ならびに、出荷可否を示す出荷可能区分が紐付けて設定されていてもよい。
【0031】
在庫データベース106bは、商品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106bは、商品、通常品、仕入先の査定待ちもしくは仕入先の査定後を示す商品のステータス、在庫数、ならびに、最終入荷日を紐付けて設定した在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データは、ロット番号が紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
制御部102は、返品在庫管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、売上取得部102aとステータス変更部102bと在庫登録部102cと指示取得部102dと在庫照会部102eとを備えている。
【0033】
売上取得部102aは、商品の売上データを取得する。ここで、売上取得部102aは、商品のステータス、返品日を含む売上日、および、返品数を含む売上数を紐付けて設定した売上データを取得してもよい。また、売上取得部102aは、ステータス紐付マスタ106aに基づいて、商品のステータスを特定し、ステータス、返品日を含む売上日、および、返品数を含む売上数を紐付けて設定した売上データを取得してもよい。
【0034】
ステータス変更部102bは、在庫データのステータスの変更要求を設定したステータス変更データを取得する。ここで、ステータス変更部102bは、仕入先において査定待ちの商品に対する査定が完了した場合、当該商品の変更後ステータス、および、変更数を設定したステータス変更データを取得してもよい。
【0035】
在庫登録部102cは、在庫データを登録する。ここで、在庫登録部102cは、売上データに基づいて、在庫データを登録してもよい。また、在庫登録部102cは、ステータス変更データに基づいて、在庫データを更新してもよい。また、在庫登録部102cは、ステータス変更データに基づいて、在庫データに設定された在庫数が0になる場合、当該在庫データに設定された最終入荷日をブランクに更新してもよい。
【0036】
指示取得部102dは、商品の在庫照会指示を取得する。ここで、指示取得部102dは、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得してもよい。また、指示取得部102dは、照会期間、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得してもよい。
【0037】
在庫照会部102eは、在庫照会明細データを表示させる。ここで、在庫照会部102eは、在庫データ、および、滞留在庫照会指示に基づいて、照会ステータスの照会商品の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させてもよい。また、在庫照会部102eは、在庫データ、および、滞留在庫照会指示に基づいて、照会ステータスの照会商品の在庫数、および、照会期間を満たす滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させてもよい。また、在庫照会部102eは、在庫データ、および、滞留在庫照会指示に基づいて、照会ステータスの照会商品のロット番号毎の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを表示させてもよい。
【0038】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図5から図10を参照して説明する。
【0039】
[返品在庫管理処理]
ここで、図5を参照して、本実施形態における返品在庫管理処理の一例について説明する。図5は、本実施形態における返品在庫管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0040】
図5に示すように、売上取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して売上日、および、返品数が設定された場合、ステータス紐付マスタ106aに基づいて、商品のステータスを特定し、ステータス、返品日を含む売上日、および、返品数を含む売上数を紐付けて設定した売上データを取得する(ステップSA-1)。
【0041】
そして、在庫登録部102cは、売上データに基づいて、商品の在庫データを在庫データベース106bに登録する(ステップSA-2)。
【0042】
そして、ステータス変更部102bは、仕入先において査定待ちの商品に対する査定が完了した場合、当該商品の変更後ステータス、および、変更数を設定したステータス変更データを取得する(ステップSA-3)。
【0043】
そして、在庫登録部102cは、ステータス変更データに基づいて、在庫データベース106bに記憶された在庫データを更新する(ステップSA-4)。
【0044】
そして、指示取得部102dは、ユーザにより入力装置112を介して滞留在庫照会画面に照会期間、照会商品、および、照会ステータスが設定された場合、照会期間、照会商品、および、照会ステータスを紐付けて設定した滞留在庫照会指示を取得する(ステップSA-5)。
【0045】
そして、在庫照会部102eは、在庫データベース106bに記憶された在庫データ、および、滞留在庫照会指示に基づいて、照会ステータスの照会商品のロット番号毎の在庫数、および、滞留期間を紐付けて設定した滞留在庫照会明細データを出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0046】
ここで、図6から図9を参照して、本実施形態における返品在庫管理処理の一例について説明する。図6から図9は、本実施形態における返品在庫管理処理の一例を示す図である。
【0047】
本実施形態においては、図6に示すように、ステータス紐付マスタ106aが設定され、且つ、商品の在庫データが在庫データベース106bに登録されている際に、図7に示すように、売上計上または返品があった場合、売上データが取得され、売上データに基づいて、在庫データが在庫データベース106bに登録される。ここで、図7に示すように、本実施形態においては、返品の場合、自動で「1:査定待ち」で売上データのステータスに設定される。また、本実施形態においては、売上入力時または出荷入力時に、ステータス=「1:査定待ち」の在庫に対して、エラーメッセージが出力され(在庫登録不可)、ステータス=「2:査定後」の在庫に対して、警告メッセージが出力される(在庫登録可)。
【0048】
そして、本実施形態においては、図8に示すように、仕入先に返品商品の査定依頼がされ、図9に示すように、仕入先にて査定が完了した場合、ステータス変更データが取得され、返品商品の在庫データに設定されたステータスが出荷可能なランクへ変更される。ここで、図9に示すように、本実施形態においては、在庫データに設定された在庫数が0となる場合、在庫データに設定された最終入荷日が削除設定される。
【0049】
また、図10を参照して、本実施形態における滞留在庫確認処理の一例について説明する。図10は、本実施形態における滞留在庫確認処理の一例を示す図である。
【0050】
図10に示すように、本実施形態においては、入荷されてから出荷されるまでの間を滞留とし、商品毎の直近入荷日と現在会計年月とが比較され、その差の月数が滞留月数として判定される。すなわち、図10に示すように、本実施形態において、商品コード:S0001の商品においては、直近2023/1/15に入荷があり、2023年5月現在まだ出荷がされていないため、「現在会計年月の月-最終入荷日の月」の式により、滞留月数が「4(ヵ月)」と判定される。ここで、本実施形態においては、最終入荷日が2023/1/28であっても、滞留月数は同じ「4」となる。また、本実施形態においては、現在会計年月が基本情報テーブルより取得される。
【0051】
そして、図10に示すように、本実施形態においては、基本情報テーブルおよび在庫データより滞留在庫照会画面が出力され、ユーザにより設定される画面上部の「ステータス」~「滞留月数」の項目がデータを呼び出す際の抽出条件となり、抽出条件によって絞られたデータが明細部分に出力される。
【0052】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0055】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、返品在庫管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、返品在庫管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて返品在庫管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、返品在庫管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、返品在庫管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、返品在庫管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、取扱品が多く、返品業務が多く発生する機械商社を含む商社業界、および、小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0067】
100 返品在庫管理装置
102 制御部
102a 売上取得部
102b ステータス変更部
102c 在庫登録部
102d 指示取得部
102e 在庫照会部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a ステータス紐付マスタ
106b 在庫データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10