(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025059245
(43)【公開日】2025-04-10
(54)【発明の名称】アルミニウム製の箸
(51)【国際特許分類】
A47G 21/10 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
A47G21/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023169206
(22)【出願日】2023-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 朗
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA15
3B115AA22
3B115BA06
3B115DA01
3B115DA22
(57)【要約】
【課題】使用時に2本の箸が引き合わず、不使用時に引き合う、再利用可能で地球環境にやさしい磁石内蔵の箸を提供すること。
【解決手段】箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面に、一対の磁石体が引き合うように配置され、持ち手側同士を揃えた時には、複数の一対の磁石体がお互いの対向しない位置に配置されているアルミニウム製の箸。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の長さの2本の1対の箸であって、
箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面に、一対の磁石体が引き合うように配置されており、
持ち手側同士を揃えた時には、一対の磁石体がお互いの対向しない位置に配置されていることを特徴とするアルミニウム製の箸。
【請求項2】
箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面であって、且つ長さ方向の複数個所に、一対の磁性体が引き合うように配置されることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム製の箸。
【請求項3】
前記一対の磁石体は、一方が磁石であり、他方は磁性体であるか、又は一方が第1磁石であり、他方が前記第1磁石に引き合う第2磁石であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム製の箸。
【請求項4】
前記磁石体が配置されている面は、平面であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム製の箸。
【請求項5】
前記箸は、陽極酸化皮膜を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム製の箸。
【請求項6】
前記箸は、持ち手側から挟み側へテーパを有しており、
箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時におおよそ直方体形状となることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム製の箸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用時には磁石の影響を受けず、不使用時には、磁石吸着により、接着できるアルミニウム製の箸に関する。
【背景技術】
【0002】
箸は同一長さの2本の棒状のものを1対として、片手で持ち食べ物を挟んで移動させることができるものであり、竹製や木製の箸が多く用いられている。食堂やレストランなどにおいては、箸2本分の1つの素材の長さ方向の一部を残して切れ目を入れて、使用する直前に切れ目の残り部を切断する割り箸が多く用いられており、通常は使い捨てで廃棄され、再利用されることはない。
【0003】
一部の国や地域ではステンレス製の箸や象牙の箸も用いられていることがあり、洗浄して再利用可能なものがある。しかし、洗浄する際にはバラバラになるため、紛失しやすい。特開平11-206542号公報には、2本の箸の中央部付近に互いに極が対向する永久磁石を埋め込んでなる箸が開示されている。この箸によれば、不使用時、バラバラになり難く、見苦しくないというものである。また、実用新案登録第3158567号公報では、2本の箸本体の各上端近くと中央部分の同じ位置の側面に穴を穿ち、該穴の中に永久磁石を、その磁束が側面に直角方向に伸び、且つ、2本の箸を並べたときに同じ位置で向き合う二つの永久磁石が互いに引き合う磁極配置で埋め込み、一度揃えたペアの2本の箸が少しの力では容易には離れないようにした磁石内蔵箸が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-206542号公報(請求項1)
【特許文献2】実用新案登録第3158567号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、先行技術文献の箸によれば、使用時、一対の磁石は対向位置にあるため、2本の箸が近づくと、箸が磁石吸着により、接着して、使用できない。また、食事途中に、2本の箸を引き離すのは、面倒であるという問題がある。
【0006】
また、竹製や木製の割り箸では再利用できず、カーボンニュートラルという考えはあるものの、地球環境に対して影響が大きいという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、使用時に2本の箸が引き合わず、不使用時に引き合う、再利用可能で地球環境にやさしい磁石内蔵の箸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
係る実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、アルミニウム製であって、2本の箸を、使用時に引き合わず、不使用時に反転して、磁石吸着するような位置に一対の磁石体を設置した箸とすれば、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明(1)は、同一の長さの2本の1対の箸であって、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面に、一対の磁石体が引き合うように配置されており、持ち手側同士を揃えた時には、一対の磁石体がお互いの対向しない位置に配置されているアルミニウム製の箸を提供するものである。
【0010】
また、本発明(2)は、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面であって、且つ長さ方向の複数個所に、一対の磁性体が引き合うように配置される前記(1)記載のアルミニウム製の箸を提供するものである。
【0011】
また、本発明(3)は、前記一対の磁石体は、一方が磁石であり、他方は磁性体であるか、又は一方が第1磁石であり、他方が前記第1磁石に引き合う第2磁石である前記(1)または(2)に記載のアルミニウム製の箸を提供するものである。
【0012】
また、本発明(4)は、前記磁石体が配置されている面は、平面である前記(1)または前記(2)に記載のアルミニウム製の箸を提供するものである。
【0013】
また、本発明(5)は、前記箸は、陽極酸化皮膜を有する前記(1)または前記(2)に記載のアルミニウム製の箸を提供するものである。
【0014】
また、本発明(6)は、前記箸は、持ち手側から挟み側へテーパを有しており、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時におおよそ直方体形状となる前記(1)または前記(2)に記載のアルミニウム製の箸を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、食事中に箸として使用する際、操作性に磁石体が影響することがなく、快適に箸を使用することができる。一方、不使用時には、磁石体により2本の箸が接着され、2本の箸が分離することがない。また、アルミニウム製であるため、再利用可能で地球環境にやさしい。更に、不使用時に、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えて接着させるので、コンパクトな形状にできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態の箸における磁石体の使用時での位置を説明する図である。
【
図2】本発明の実施の形態の箸における磁石体の不使用時での位置を説明する図である。
【
図3】本発明の実施の形態の箸における不使用時、接着状態での平面図である。
【
図6】本発明の第1変形例の箸における不使用時、接着状態での平面図である。
【
図8】本発明の第2変形例の箸における不使用時、接着状態での右側面拡大図である。
【
図9】(A)は、本発明の第3変形例の箸における不使用時、接着状態での正面図であり、(B)は、右側面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の箸を詳細に説明する。
【0018】
本発明の箸は、アルミニウム製である。アルミニウム製としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金が挙げられる。木材や竹製の箸は廃棄されると焼却処分され、二酸化炭素が排出されるが、アルミニウム製の箸は溶解して再びアルミニウム製品に生まれ変われるため、再利用可能である。
【0019】
また、アルミニウム製の箸は、ステンレス製の箸に比べると軽く、携帯するのに適している。アルミニウム製の箸は、陽極酸化被膜を有するものが、耐食性や耐衝撃性に優れ、キズか付きにくく、衛生的である点で好ましい。アルミニウムの調質は、特に限定されないが、使用時及び洗浄時に変形しない程度の強度を有していることが好ましい。
【0020】
本発明において、箸の形状としては、太さが長さ方向で均一な形状であっても、箸の持ち手側が太く、箸の挟み側が細い形状のものであってもよい。すなわち、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、磁石体近傍の接着面が平面であり、2本の箸が強く接着できればよく、従って、磁石体が配置された前記接着面以外の他の面は、曲面を有するものであってもよい。箸の持ち手側が太く、箸の挟み側が細い形状のものとしては、テーパ形状のものが好ましい。
【0021】
箸の持ち手側とは、挟み側に比べて太い側であり、挟み側とは、持ち手側に比べて太さが細い側である。なお、箸の持ち手側と挟み側が同一太さ、すなわち、太さが長さ方向で均一な形状の箸の場合、長さ方向の一方の側が、箸の持ち手側となり、他方の側が、箸の挟み側となる。
【0022】
本発明において、箸は、持ち手側から挟み側へテーパを有し、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時におおよそ直方体形状となることが、コンパクト収納が可能となる点で好ましい。特にキャンプ場などのアウトドアでの使用においては、移動時の持ち運びの際、収納のデッドスペースを作らない点で都合がよい。なお、不使用時におけるおおよそ直方体形状とは、角の面取りによる小さな丸み形状を含む意味である。
【0023】
本発明において、一対の磁石体は、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時に、お互いの対向する面に、引き合う位置に配置され、持ち手側同士を揃えた時には、お互いの対向しない位置に配置される。一対の磁石体は、2本の箸の接着時、お互いの対向する面であって、且つ長さ方向の複数個所に配置されていてもよい。一対の磁石体を長さ方向に1箇所、配置する場合、箸の長さの中心に磁性体が掛らないように配置すればよく、磁性体長さは、設置された面の幅方向の長さの2~10、好ましくは3~5倍程度が、不使用時の接着時、旋回トルクが作用しても、2本の箸がずれることがない点で好ましい。一方、一対の磁石体を長さ方向に複数個所、配置する場合、箸の長さ方向において離間して配置された磁石体が、箸の長さの中心から等距離とならない位置であればよい。また、一対の磁石体は、挟む側の先端に近い位置の配置を避けることが、磁石体が口腔内に入ることを避けることができる点で、好ましい。
【0024】
本発明の箸において、磁石体が配置されている面は、平面であることが、磁石による接着力が確実になる点で好ましい。また、磁石体が配置されていない面は、特に限定されないが、側面もほぼ平面であると、持ち手側と挟み側を逆向きとしたときに、1対の2本の箸で一体の模模様やロゴマークなどが形成される際、見映えがよくなるだけでなく、1対の組み合わせが明確にわかり、紛失する恐れがより低減する。なお、側面とは、磁石体が配置された面と直交する面を言う。本発明において、箸は、陽極酸化皮膜を有するものが、耐食性や耐衝撃性に優れるようになり、キズが付き難く、衛生的である。
【0025】
本発明において、一対の磁石体としては、持ち手側と挟み側を逆向きに合わせた際、反発することなく、磁石吸着するものであればよく、例えば、箸の一方が磁石で、箸の他方が磁性体のもの、あるいは、箸の一方が第1磁石で、箸の他方が引き合う第2磁石のものが挙げられる。一対の磁石体は、接着時、長さ方向において、1箇所または互いに離れた2箇所以上(複数個所)であり、特に好ましくは互いに離れた2箇所または3箇所である。一対の磁石体を長さ方向の複数個所とすることで、旋回トルクが作用しても、2本の箸がずれることがない。
【0026】
本発明において、一対の磁石体は、持ち手側同士を揃えた時には、箸の長さ方向において、お互いの対向しない位置(面)に配置される。これにより、食事中に箸として使用する際、操作性に磁石体が影響することがなく、快適に箸を使用することができる。なお、持ち手側同士を揃えた時、一対の磁石体の一方側と他方側は、長さ方向に10mm程度以上、離れていることが、磁石体の影響を確実に避けることができる点で好ましい。
【0027】
本発明において、磁石の種類としては、特に制限されないが、例えば、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等が挙げられる。この内、非腐食性であるものが衛生的に好ましい。また、磁性体は、磁石に付く材料であればよいが、非腐食性であるものが衛生的に好ましい。
【0028】
本発明において、磁石または磁性体の形状としては、特に制限されないが、持ち手側と挟み側を逆向きとしたときに対向する場所に位置し、同形状で対向するのが好ましい。磁石の磁力の強度は、少なくとも1対の箸をくっ付けて自然の重力では離れない程度の磁力が必要であり、強くとも1対の箸を手の力で離すことができる程度の磁力であればよい。
【0029】
くっ付いているときはしっかり接着しており、一般的な竹製や木製割り箸を割る程度の力で離すことができると、割り箸を割ったような感覚が得られる。一般的な竹製や木製割り箸では1回使用したら繰り返し割ることはできないが、本発明の磁石付き箸では、一度割ったような感覚を得た後でも磁石で再度接着させれば、何度でも割り箸を割る感覚を得ることができる。
【0030】
次に、本発明の箸の製造方法について例示を挙げて説明する。第1の箸の製造方法は、先ず、アルミニウム合金を常法で溶解し、成分調整を行い押出成形用ビレットを製造する。必要に応じて均質化処理を行い、押出成形で棒状形状の素材を作成し、所定の長さに切断し、切断片を作成する。必要に応じて切断片の挟み側を細くするような切削加工を行い、必要に応じてテーパ形状を有するものとする。
【0031】
なお、略棒状の切断片の端部は、研磨紙や研磨砂を用いて研磨し、角部を除去する。特に挟む側の先端は丸みをつけるようにする箸の使用時に人体に危害が加わる恐れが低減する。
【0032】
次いで、陽極酸化処理を行う。後の工程で磁石体が埋め込まれる個所を陽極酸化処理の通電点とする。陽極酸化処理は、硫酸アルマイト、硝酸アルマイト、シュウ酸アルマイト等を適用することができる。アルマイト後、着色処理をすることも可能である。次いで、磁石が埋め込まれる位置に穴加工で穴をあけ、磁石又は磁性体を埋め込む。磁石又は磁性体を埋め込みは、接着剤で接着してもよいし、嵌め込みで行ってもよい。
【0033】
第2の箸の製造方法は、第1の箸の製造方法と同様、先ず、アルミニウム合金を常法で溶解し、成分調整を行い押出成形用ビレットを製造する。必要に応じて均質化処理を行い、押出成形により、板状体とする。次いで、板状体を押出方向と直角に短冊状に切断し、略棒状の切断片とする。板状体の断面形状は矩形断面の平板形状でもよいし、一方の端がやや厚く、反対の端がやや薄くなっているテーパ断面の板状体であってもよい。板状体が、矩形断面の平板形状であれば、切断された切断片の挟み側を細くするような切削加工を行い、テーパ形状を有するものとする。一方、テーパ形状の板状体であれば、切断片の挟み側を細くするような切削加工を行う必要がなく、経済的である。
【0034】
なお、板状体の押出素材の断面形状(箸の長さ方向の断面形状)において、挟み側の先端付近に、1又は複数個の溝を形成しておけば、食べ物のすべりを抑制でき、持ち手側の先端付近に、1又は複数個の溝を形成しておけば、手のすべりを抑制できる。第2の箸の製造方法において、その後の工程である、棒状の切断片の端部の研磨処理、陽極酸化処理及び磁石又は磁性体の埋め込みは、第1の箸の製造方法と同様であり、その記載を省略する。
【0035】
次に、本発明の実施の形態の箸について、
図1~
図5を参照して説明する。
図1の箸10は、同一の長さの2本の1対の箸(1a、1b)であって、箸10の持ち手側(4a、4b)と挟み側(5a、5b)を互い違いに揃えた時(
図2及び
図3参照)に、お互いの対向する面(6a、6b)であって、且つ長さ方向の互いに離れた2個所に一対の磁石体(2a、3b)、(3a、2b)が配設されており、持ち手側(4a、4b)同士を揃えた時(
図1参照)には、一対の磁石体(2a、3b)、(3a、2b)がお互いの対向しない位置に配置されている。
【0036】
箸10(1a、1b)において、磁石体は、一方の箸1aの符号2a、3aは磁石であり、他方の箸1bの符号2b、3bは磁性体である。磁石及び磁性体は、円形断面形状であり、穴加工された穴に埋め込まれている。磁石2aと磁石3a間の長さと、磁性体2bと3b間の長さは同じであり、箸1aにおける磁石2aから端部までの長さと、箸1bにおける磁性体3bから端部までの長さは同じである。また、箸1aの磁石2aと磁石3aは箸1aの長さの中心から等距離の位置には配置されていない。また、箸1bの磁性体2bと磁性体3bは箸1bの長さの中心から等距離の位置には配置されていない。
【0037】
また、箸1aの磁石(2a、3a)及び箸1bの磁性体(2b、3b)が配置されている面は、それぞれ平面である。また、磁石(2a、3a)及び箸1bの磁性体(2b、3b)が配置されている平面(6a、6b)は、対向する遠位側の面(7a、7b)に対して、持ち手側から挟み側へテーパ状である。これにより、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時、幅寸法がXの、おおよそ直方体形状となる(
図3参照)。また、箸10は、磁石(2a、3a)及び磁性体(2b、3b)以外は、陽極酸化皮膜処理がされている。
【0038】
箸10によれば、食事中に箸として使用する際、操作性に磁石及び磁性体からなる磁石体が影響することがなく、快適に箸を使用することができる。一方、不使用時には、磁石吸着により、直方体形状となり、コンパクトに接着できる。従来、先行技術文献のように、箸の持ち手側が太く、挟む側が少し細く、且つ持ち手側と挟む側が同一方向で磁力等で接着させていると、太い側がより太く、細い側がより細くなってしまい、収納時の形状が不均等になってしまい、携帯性に問題があったものの、箸10によれば、特にキャンプ場などのアウトドアでの使用においては、移動時の持ち運びの際、収納がし易い点で、便利である。
【0039】
また、箸10は、磁石体が、長さ方向の2か所にあるため、旋回トルクが作用しても、2本の箸がずれることがない。また、磁石体が配置されている面6a、6bは、平面であるため、磁石による接着力が確実になる。また、箸10の表面は、陽極酸化皮膜処理がされており、耐食性や耐衝撃性に優れ、キズが付き難く、衛生的である。また、箸10は、アルミニウム合金製であるため、再利用可能で地球環境にやさしい。
【0040】
次に、本発明の実施の形態における箸の変形例について、
図6~
図9を参照して説明する。なお、
図7は
図6の箸1aの軸中心を通って切断した縦断面図である。第1変形例である
図6及び
図7の箸10aにおいて、本発明の実施の形態における
図1~
図5と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、
図6及び
図7の箸10aにおいて、
図1~
図5の箸10と異なる点は、箸の挟み側5a、5bに、3本の溝を形成したことである。複数(図では3本)の溝を形成したことで、食べ物のすべりを抑制できる。
【0041】
第2変形例である
図8の箸10bにおいて、本発明の実施の形態における
図1~
図5と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、
図8の箸10bにおいて、
図1~
図5の箸10と異なる点は、箸の持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時、側面形状が楕円状となるものである。従って、箸10bは、平面図が
図3、正面図が
図4となる。
【0042】
第3変形例である
図9の箸10cにおいて、本発明の実施の形態における
図1~
図5と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。すなわち、
図9の箸10cにおいて、
図1~
図5の箸10と異なる点は、箸10cの持ち手側と挟み側を互い違いに揃えた時、お互いの対向する面6a、6b以外の面が、円形に近いアール状となるものである。従って、箸10cは、平面図が
図3となる。また、箸10cの左拡大側面図は、
図9(B)の右拡大側面図と対称に表れる。
【産業上の利用分野】
【0043】
食事時、違和感なく使用できる一方、不使用時、バラバラにならず、コンパクト収納が可能である。また、再利用可能で地球環境にやさしい。
【符号の説明】
【0044】
1a 2本の箸の一方
1b 2本の箸の他方
2a、3a 磁石
2b、3b 磁性体
4a、4b 持ち手側
5a、5b 挟み側
6a、6b 磁石体の設置面