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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005933
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】記録システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/00 20060101AFI20250109BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20250109BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20250109BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
H04N1/387
H04N1/393
G06F3/12 350
G06F3/12 319
G06F3/12 362
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106381
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅司
(72)【発明者】
【氏名】荒金 覚
(72)【発明者】
【氏名】次村 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中村 直行
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】中野 靖大
【テーマコード(参考)】
2C187
【Fターム(参考)】
2C187AC05
2C187AC07
2C187AC08
2C187AD03
2C187AD04
2C187AD14
2C187AG01
2C187BF44
2C187CC03
2C187DB09
2C187DB21
2C187DB27
2C187DB30
2C187DB33
2C187DC06
(57)【要約】
【課題】偶数ページ分の画像を1枚の記録媒体に記録する場合に記録媒体の余白領域を小さくする。
【解決手段】プリンタのCPUは、データ生成処理において、4つの印刷ジョブのうち第1条件を満たす「1」の印刷ジョブの画像51と、4つの印刷ジョブのうち第2条件を満たす「3」の印刷ジョブの画像52とを結合させた記録データである結合記録データを生成する。結合記録データは、「1」の印刷ジョブの奇数ページ数の画像のうちの最終のページの画像51と、「3」の印刷ジョブで指定される1又は複数ページ数の画像のうちの最初のページの画像52とを、1枚の用紙16に記録させる記録データである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録指令と、記録部へ搬送される記録媒体のサイズを示す媒体サイズ情報と、を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記複数の記録指令のそれぞれは、画像データと、前記画像データに基づく画像のサイズを示す画像サイズ情報と、を含み、
前記制御部は、
前記複数の記録指令と前記媒体サイズ情報とに基づいて、前記記録部に画像を記録させるためのデータである記録データを生成するデータ生成処理を実行可能であり、
前記データ生成処理において、前記複数の記録指令のうち第1条件を満たす第1記録指令の画像と、前記複数の記録指令のうち第2条件を満たす第2記録指令の画像とを結合させた記録データである結合記録データを生成し、
前記第1記録指令が奇数ページ数の画像の記録を指令するものである場合、前記結合記録データは、前記第1記録指令の前記奇数ページ数の画像のうちの最終のページの第1画像と、前記第2記録指令で指定される1又は複数ページ数の画像のうちの最初のページの第2画像とを、1枚の記録媒体に記録させる記録データであることを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記第1画像の前記画像サイズ情報、及び、前記第2画像の前記画像サイズ情報のそれぞれは、前記媒体サイズ情報が示すサイズの半分のサイズを示すことを特徴とする、請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記データ生成処理において、前記第1画像及び前記第2画像の少なくとも1つの向きを変更して、前記結合記録データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の記録システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記データ生成処理において、前記第1画像及び前記第2画像の少なくとも1つを拡大又は縮小して、前記結合記録データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の記録システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記データ生成処理において、前記第1画像及び前記第2画像の少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかを行うことで、前記第1画像のサイズと前記第2画像のサイズとを互いに同じにして、前記結合記録データを生成することを特徴とする、請求項1に記載の記録システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記データ生成処理において、
ユーザの指示に基づく、前記第1記録指令及び前記第2記録指令を示す選択データを受信し、
前記複数の記録指令のうち、前記選択データが示す前記第1記録指令の前記第1画像と、前記選択データが示す前記第2記録指令の前記第2画像とを結合させることを特徴とする、請求項1に記載の記録システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記データ生成処理において、
前記選択データを受信した後、前記複数の記録指令のうち、前記選択データが示す前記第1記録指令の前記第1画像と、前記選択データが示す前記第2記録指令の前記第2画像との少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかの報知を行い、
前記報知に応じたユーザの指示に基づいて、前記第1画像及び前記第2画像の少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかを行うことで、前記結合記録データを生成することを特徴とする、請求項6に記載の記録システム。
【請求項8】
前記記録部と、
記録媒体を切断する切断部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記データ生成処理の後、
前記記録データに基づいて、前記記録部に記録媒体に画像を記録させる記録処理と、
前記第1画像と前記第2画像とが分割されるように、前記切断部に記録媒体を切断させる切断処理と、
をさらに実行可能であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録部に画像を記録させるためのデータである記録データを生成する記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2ページ分の画像を1枚のカットシート(記録媒体)に印刷し、当該カットシートを切断して2枚のカットシートに分割することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-54896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように2ページ分の画像を1枚のカットシート(記録媒体)に印刷する場合、ページ数によっては、最終ページの画像が記録されるカットシートにおいて、画像が記録されない余白領域が大きくなり得る。
【0005】
本発明の目的は、偶数ページ分の画像を1枚の記録媒体に記録する場合に記録媒体の余白領域を小さくできる記録システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、複数の記録指令と、記録部へ搬送される記録媒体のサイズを示す媒体サイズ情報と、を記憶する記憶部と、制御部と、を備え、前記複数の記録指令のそれぞれは、画像データと、前記画像データに基づく画像のサイズを示す画像サイズ情報と、を含み、前記制御部は、前記複数の記録指令と前記媒体サイズ情報とに基づいて、前記記録部に画像を記録させるためのデータである記録データを生成するデータ生成処理を実行可能であり、前記データ生成処理において、前記複数の記録指令のうち第1条件を満たす第1記録指令の画像と、前記複数の記録指令のうち第2条件を満たす第2記録指令の画像とを結合させた記録データである結合記録データを生成し、前記第1記録指令が奇数ページ数の画像の記録を指令するものである場合、前記結合記録データは、前記第1記録指令の前記奇数ページ数の画像のうちの最終のページの第1画像と、前記第2記録指令で指定される1又は複数ページ数の画像のうちの最初のページの第2画像とを、1枚の記録媒体に記録させる記録データであることを特徴とする記録システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
第1記録指令が奇数ページ数の画像の記録を指令するものである場合に、第1記録指令従って生成された記録データに基づいて記録処理が実行されると、第1記録指令の最終のページの画像が記録された記録媒体に、大きな余白領域が生じてしまう。これに対し、本発明では、上記の場合に、第1記録指令の画像と第2記録指令の画像とを結合させた第1記録データが生成される。当該第1記録データに基づいて記録処理が実行されると、第1記録指令の最終のページの画像が記録される記録媒体において、第2記録指令の最初のページの画像が記録されるため、余白領域を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図2図1のプリンタの内部構造を示す縦断面図である。
図3図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図4図1のプリンタの表示部に表示される画面の一例を示す模式図である。
図5図4(a)で「印刷」ボタンが押下された場合に2枚の用紙に2つの印刷ジョブの画像のそれぞれが個別に記録される様子を示す模式図である。
図6図4(b)で「印刷」ボタンが押下された場合に1枚の用紙に2つの印刷ジョブの画像が記録される様子を示す模式図である。
図7図4(c)で「印刷」ボタンが押下された場合に1枚の用紙に2つの印刷ジョブの画像が記録される様子を示す模式図である。
図8図1のプリンタのCPUが実行する制御内容を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、本発明の一実施形態に係るプリンタ1が使用可能に設置された図1の状態を基準として、プリンタ1の上下、左右及び前後の各方向が定義されている。
【0010】
プリンタ1は、図1に示すように、略直方体形状を有する筐体12と、筐体12の下部に設けられた給紙トレイ11と、筐体12における給紙トレイ11の上方に設けられた排紙トレイ13と、筐体12の前面に設けられた表示部14と、を有する。給紙トレイ11は、筐体12に対して着脱可能である。表示部14は、タッチパネル式のディスプレイであり、入力部としても機能する。
【0011】
プリンタ1は、筐体12の内部に、搬送部15と、記録部21と、切断部24と、制御装置40と、を有する(図2参照)。
【0012】
給紙トレイ11は、複数枚の用紙16を収容可能である。用紙16は、本発明の「記録媒体」に該当する。
【0013】
搬送部15は、給紙トレイ11に収容された用紙16を、記録部21の下方を通って排紙トレイ13に至る搬送経路29に沿って、搬送する。搬送部15は、給紙ローラ17と、搬送ローラ対19,22,23,25と、搬送モータ(図示略)と、を有する。給紙ローラ17及び搬送ローラ対19,22,23,25は、搬送モータの駆動により回転する。
【0014】
給紙ローラ17は、給紙トレイ11に収容された複数枚の用紙16のうち最も上方にある用紙16の表面と接触するように配置されている。制御装置40による制御の下、搬送モータが駆動されると、給紙ローラ17が回転し、当該用紙16が搬送経路29に送り出される。搬送ローラ対19,22,23,25が用紙16を挟持しつつ回転することで、用紙16が搬送経路29に沿って搬送方向(搬送経路29に沿った方向)Dに搬送される。
【0015】
記録部21は、インクジェット方式であり、複数のノズルを有するインク流路と、ドライバICと、を含む。複数のノズルは、記録部21の下面に開口している。制御装置40による制御の下、ドライバICが駆動されると、インク流路に圧力が付与され、ノズルからインクが吐出される。これにより、用紙16上に、インクのドットが形成され、画像が記録される。記録部21は、ライン式及びシリアル式のいずれでもよい。
【0016】
切断部24は、切断刃と、切断モータと、を有する。切断刃は、固定刃と、回転刃と、を含む。制御装置40による制御の下、切断モータが駆動されると、回転刃が回転しながら左右方向に移動する。これにより、搬送部15により搬送される用紙16が、搬送方向Dの上流部分と下流部分とに分割されるように、切断される。
【0017】
制御装置40は、図3に示すように、CPU41と、ROM42と、RAM43と、を含む。CPU41が本発明の「制御部」に該当し、RAM43が本発明の「記憶部」に該当する。ROM42には、CPU41が各種制御を行うためのプログラムやデータが格納されている。RAM43は、CPU41がプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。
【0018】
制御装置40は、表示部14、搬送部15、記録部21及び切断部24と電気的に接続されている。また、制御装置40は、外部装置(パーソナルコンピュータ等)100と電気的に接続されている。
【0019】
RAM43は、外部装置100から受信した複数の印刷ジョブと、給紙トレイ11内の用紙16(即ち、記録部21へ搬送される用紙16)のサイズを示す媒体サイズ情報と、を記憶する。「印刷ジョブ」は、本発明の「記録指令」に該当する。
【0020】
複数の印刷ジョブのそれぞれは、画像データと、当該画像データに基づく画像のサイズを示す画像サイズ情報と、当該画像データに基づく画像の向きを示す向き情報と、を含む。複数の印刷ジョブは、ユーザ毎に分類されて、RAM43に記憶される。
【0021】
媒体サイズ情報及び画像サイズ情報は、例えば「A4」「A5」である。向き情報は、画像の長辺が搬送方向Dに沿うことを意味する「縦」、又は、画像の短辺が搬送方向Dに沿うことを意味する「横」である。「A4縦」は、A4サイズの画像の長辺が搬送方向Dに沿うことを意味する。「A5横」は、A5サイズの画像の短辺が搬送方向Dに沿うことを意味する。
【0022】
媒体サイズ情報は、例えば、給紙トレイ11の着脱時に、ユーザが表示部14を介して入力した情報に基づいて、RAM43に記憶される。本実施形態において、媒体サイズ情報は「A4」である。なお、給紙トレイ11内の用紙16は、長辺が搬送方向Dに沿うこと(「縦」)を前提としているため、本実施形態の給紙トレイ11内の用紙16は「A4縦」である。
【0023】
CPU41は、選択記録の指示を受け付けたと判断すると、表示部14に、当該ユーザがプリンタ1に送信した複数の印刷ジョブの情報を表示すると共に、複数の印刷ジョブのいずれかを選択するよう促すメッセージを表示する(図4(a)参照)。選択記録とは、複数の印刷ジョブの中から選択された1又は複数の印刷ジョブの画像を記録することをいう。例えば、CPU41は、パスワード等によるユーザ認証が完了すると、選択記録の指示を受け付けたと判断する。
【0024】
図4(a)において、表示部14には、「1」~「4」の4つの印刷ジョブそれぞれの情報として、画像データのファイル名(「AAAAA.docx」等)と、画像サイズ情報(「A5」「A4」等)と、向き情報(「縦」又は「横」)と、が表示されている。また、表示部14には、「結合」「印刷」のボタンが表示されている。
【0025】
ユーザが「1」「3」の印刷ジョブを選択しかつ「印刷」ボタンを押下すると、CPU41は、図5に示すように、2枚の用紙16に「1」「3」の2つの印刷ジョブの画像51,52のそれぞれが個別に記録されるように、搬送部15及び記録部21を制御し、記録処理を実行する。「1」の印刷ジョブの画像51が1枚の用紙16に記録された後、「3」の印刷ジョブの画像52が別の1枚の用紙16に記録される。当該別の1枚の用紙16は、搬送方向Dの上流部分(画像52が記録された部分)と下流部分(余白部分)とに分割されるように切断されてよい。
【0026】
ユーザが「1」「3」の印刷ジョブを選択しかつ「結合」ボタンを押下すると、CPU41は、表示部14に、各印刷ジョブの画像51,52についての、向きの変更に係る選択肢(「回転有」「回転無」)と、倍率に係る選択肢(「等倍」「拡大」「縮小」)とを表示する(図4(b),(c)参照)。
【0027】
図4(b),(c)において、「回転有」は、画像の向きを90°回転させることを意味する(図6の画像51を参照)。「回転無」は、画像の向きを変更しないことを意味する(図6の画像52、図7の画像51,52を参照)。「等倍」は、画像のサイズを変更しないことを意味する(図6の画像51,52、図7の画像52を参照)。「縮小」は、画像のサイズを縮小することを意味する(図7の画像51を参照)。
【0028】
CPU41は、向きの変更に係る選択肢(「回転有」「回転無」)と、倍率に係る選択肢(「等倍」「拡大」「縮小」)とにおいて、1枚の用紙16に「1」「3」の印刷ジョブの画像51,52を結合して記録可能でありかつ用紙16に大きな余白領域が生じない選択肢を表示する。例えば、図4(b)に示すように、「1」の印刷ジョブの画像について、向きの変更に係る選択肢として「回転有」が選択されると、倍率に係る選択肢として「等倍」のみが表示される。「3」の印刷ジョブの画像について、向きの変更に係る選択肢として「回転無」が選択されると、倍率に係る選択肢として「等倍」のみが表示される。図4(c)に示すように、「1」の印刷ジョブの画像について、向きの変更に係る選択肢として「回転無」が選択されると、倍率に係る選択肢として「縮小」のみが表示される。
【0029】
図4(b)に示すように、ユーザが、「1」の印刷ジョブの画像について「回転有」「等倍」を選択し、「3」の印刷ジョブの画像について「回転無」「等倍」を選択した上で、「印刷」ボタンを押下した場合、CPU41は、図6に示すように、1枚の用紙16に「1」「3」の2つの印刷ジョブの画像51,52が記録されるように、搬送部15及び記録部21を制御し、記録処理を実行する。図6では、「1」の印刷ジョブの画像51の向きが90°回転した状態である。
【0030】
図4(c)に示すように、ユーザが、「1」の印刷ジョブの画像について「回転無」「縮小」を選択し、「3」の印刷ジョブの画像について「回転無」「等倍」を選択した上で、「印刷」ボタンを押下した場合、CPU41は、図7に示すように、1枚の用紙16に「1」「3」の2つの印刷ジョブの画像51,52が記録されるように、搬送部15及び記録部21を制御し、記録処理を実行する。図7では、「1」の印刷ジョブの画像51が縮小された状態である。
【0031】
CPU41は、記録処理を実行する前に、データ生成処理を実行する。
【0032】
データ生成処理において、CPU41は、複数の印刷ジョブと媒体サイズ情報とに基づいて、記録部21に画像を記録させるためのデータである記録データを生成する。本実施形態において、記録部21はインクジェット方式であり、記録データは記録部21の複数のノズルのそれぞれから吐出されるインクの量(ゼロ、小、中、大のいずれか)を示すデータである。
【0033】
図6及び図7のような記録処理を実行する前の、データ生成処理において、CPU41は、「1」~「4」の4つの印刷ジョブのうち第1条件を満たす「1」の印刷ジョブ(第1記録指令)の画像51と、「1」~「4」の4つの印刷ジョブのうち第2条件を満たす「3」の印刷ジョブ(第2記録指令)の画像52とを結合させた記録データである結合記録データを生成する。
【0034】
第1条件及び第2条件は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。第1条件は、例えば、ユーザによって選択されるという条件、画像サイズ情報が示すサイズが媒体サイズ情報が示すサイズよりも小さいという条件等であってよい。第2条件は、例えば、ユーザによって選択されるという条件、画像サイズ情報が示すサイズが媒体サイズ情報が示すサイズよりも小さいという条件、A4とA5との組み合わせを許すという条件等であってよい。
【0035】
「1」の印刷ジョブは、奇数ページ数(1ページ)の画像の記録を指令するものである。この場合、結合記録データは、「1」の印刷ジョブの奇数ページ数の画像のうちの最終のページの画像51(第1画像)と、「3」の印刷ジョブで指定される1又は複数ページ数の画像のうちの最初のページの画像52(第2画像)とを、1枚の用紙16に記録させる記録データである。
【0036】
本実施形態では、「1」「3」の印刷ジョブ(第1記録指令及び第2記録指令)が共に1ページの画像の記録を指令するものである。この場合、CPU41は、データ生成処理において、1枚の用紙16に「1」「3」の印刷ジョブの画像51,52を記録させるための記録データである、結合記録データを生成する。
【0037】
第1記録指令が、複数かつ奇数のページ数の画像を記録を指令するものである場合、CPU41は、データ生成処理において、第1記録指令の最初のページの画像から最終のページの1つ前のページの画像までを、1又は複数枚の用紙16のそれぞれに、用紙16毎に2ページ分の画像が含まれるように、記録させるための記録データを生成する。さらに、CPU41は、第1記録指令の最終のページの画像(第1画像)と第2記録指令の最初のページの画像(第2画像)とを結合させて1枚の用紙16に記録させる結合記録データを生成する。
【0038】
第1記録指令が奇数ページ数の画像の記録を指令するものである場合に、第1記録指令の最終ページの画像と第2記録指令の最初のページの画像とを結合させず、1枚の用紙16に最終ページの画像1つのみを記録させると、当該用紙16に大きな余白領域が生じてしまう。例えば、用紙16の搬送方向の下流部分が余白になってしまう。これに対し、本実施形態では、上記の場合に、第1記録指令の最終ページの画像と第2記録指令の最初のページの画像とを結合させた結合記録データが生成される。当該結合記録データに基づいて記録処理が実行されると、図6及び図7に示すように、第1記録指令(「1」の印刷ジョブ)の最終のページの画像51(第1画像)が記録される用紙16において、当該画像51だけでなく、第2記録指令(「3」の印刷ジョブ)の最初のページの画像52(第2画像)が記録されるため、余白領域を小さくできる。
【0039】
第1記録指令(「1」の印刷ジョブ)の画像51(第1画像)の画像サイズ情報が示す「A5」、及び、第2記録指令(「3」の印刷ジョブ)の画像52(第2画像)の画像サイズ情報が示す「A5」は、媒体サイズ情報が示す「A4」の半分のサイズである。この場合、同一サイズ(A5)の画像51,52を結合させたものを、これらの倍のサイズ(A4)の用紙16に記録することで、余白領域をより確実に小さくできる。
【0040】
CPU41は、データ生成処理において、図4(b)及び図6に示すように、画像51(第1画像)及び画像52(第2画像)の少なくとも1つの向きを変更して、結合記録データを生成する。この場合、効率的に余白領域を小さくできる。
【0041】
CPU41は、データ生成処理において、図4(c)及び図7に示すように、画像51(第1画像)及び画像52(第2画像)の少なくとも1つを拡大又は縮小して、結合記録データを生成する。この場合、効率的に余白領域を小さくできる。
【0042】
CPU41は、データ生成処理において、図4(c)及び図7に示すように、画像51(第1画像)及び画像52(第2画像)の少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかを行うことで、画像51(第1画像)のサイズと画像52(第2画像)のサイズとを互いに同じにして、結合記録データを生成する。この場合、画像51,52を同一のサイズに調整にしてから結合させることで、より一層効率的に余白領域を小さくできる。
【0043】
CPU41は、データ生成処理において、図4(a)に示す画面を介したユーザの指示に基づく、「1」の印刷ジョブ(第1記録指令)及び「3」の印刷ジョブ(第2記録指令)を示す選択データを受信し、「1」~「4」の4つの印刷ジョブのうち、選択データが示す「1」の印刷ジョブの画像51(第1画像)と、選択データが示す「3」の印刷ジョブの画像52(第2画像)とを結合させる。この場合、ユーザ所望の画像を得ることができる。
【0044】
CPU41は、「1」の印刷ジョブ(第1記録指令)及び「3」の印刷ジョブ(第2記録指令)を示す選択データを受信した後、「1」~「4」の4つの印刷ジョブのうち、選択データが示す「1」の印刷ジョブの画像51(第1画像)と、選択データが示す「3」の印刷ジョブの画像52(第2画像)との少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかの報知を行う(図4(b),(c)参照)。そしてCPU41は、当該報知に応じたユーザの指示に基づいて、画像51,52の少なくとも1つについて、向きの変更と拡大又は縮小との少なくともいずれかを行うことで、結合記録データを生成する。この場合、ユーザ所望の画像において余白領域を小さくできる。
【0045】
CPU41は、データ生成処理の後、データ生成処理で生成された記録データに基づいて記録部21に用紙16に画像を記録させる記録処理と、画像51(第1画像)と画像52(第2画像)とが分割されるように切断部24に用紙16を切断させる切断処理と、を実行する。具体的には、CPU41は、図8に示すように、ユーザが「印刷」ボタンを押下したと判断すると(S1:YES)、上記のようにデータ生成処理S2を実行し、その後記録処理S3し、さらに切断処理S4を実行した後、当該ルーチンを終了する。この場合、プリンタ1において用紙16が切断されるため、ユーザが用紙16を切断する必要がなく、切断の手間を省くことができる。なお、切断処理は、記録処理の前及び後のいずれに実行されてもよい。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0047】
例えば、切断部24は、上述の実施形態では記録部21に対して搬送方向Dの下流に位置するが、記録部21に対して搬送方向Dの上流に位置してもよい。
【0048】
上述の実施形態では、1枚の記録媒体に2ページ分の画像を記録するが、1枚の記録媒体に4ページ分、6ページ分等の画像を記録してもよい。
【0049】
第1記録指令及び第2記録指令は、ユーザの指示に基づくものに限定されず、制御部が複数の記録指令の中から所定の条件に基づいて選択したものであってもよい。
【0050】
記録媒体は、用紙に限定されず、布、樹脂部材等であってもよい。
【0051】
記録部は、インクジェット方式に限定されず、レーザー方式、熱転写方式等であってもよい。
【0052】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等であってもよい。
【0053】
本発明は、プリンタ等の記録装置に限定されず、記録装置に接続される外部装置(パーソナルコンピュータ等)であってもよく、或いは、記録装置と外部装置との組み合わせであってもよい。本発明に係る記録システムは、記録部及び切断部を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 プリンタ(記録システム)
16 用紙(記録媒体)
21 記録部
24 切断部
41 CPU(制御部)
43 RAM(記憶部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8