IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図1
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図2
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図3
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図4
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図5
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図6
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図7
  • 特開-空気調和装置の制御システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025059489
(43)【公開日】2025-04-10
(54)【発明の名称】空気調和装置の制御システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20250403BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20250403BHJP
   F24F 11/49 20180101ALI20250403BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/52
F24F11/49
F25B49/02 520M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023169595
(22)【出願日】2023-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樫谷 陽介
(72)【発明者】
【氏名】渕上 博
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA38
3L260BA52
3L260BA80
3L260CA50
3L260DA10
3L260DA20
3L260EA06
3L260FA20
3L260GA02
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】空気調和装置の作動を許可する制御回路を含む制御システムにおいて、接続ポートに対する安全装置及び導通部材のどちらが接続されているかを容易に判別可能とする。
【解決手段】安全装置50を含む空気調和装置10の制御システム40は、第1極T1及び第2極T2を有し、第1極T1と第2極T2との間に安全装置50又は導通部材80が接続されたときに、第1極T1と第2極T2との間に導通が生じる接続ポート49と、第1極T1と第2極T2との間に導通が生じたときに空気調和装置10の作動を許可するインターロック回路90と、第1極T1及び第2極T2の間の電圧に関わる第1の値V、又は、安全装置50から出力されるパルス信号PSに関わる第2の値Pを取得する取得部47と、を含む安全装置制御部43を備え、安全装置制御部43は、第1の値V、又は、第2の値P、又は、第1の値V又は第2の値Pに基づく第1情報J1を出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全装置(50)を含む空気調和装置(10)の制御システム(40)であって、
第1極(T1)及び第2極(T2)を有し、前記第1極(T1)と前記第2極(T2)との間に前記安全装置(50)又は前記安全装置(50)を有さない導通部材(80)が接続されたときに、前記第1極(T1)と前記第2極(T2)との間に導通が生じる接続ポート(49)と、
前記第1極(T1)と前記第2極(T2)との間に導通が生じたときに前記空気調和装置(10)の作動を許可する制御回路(90)と、
前記第1極(T1)及び前記第2極(T2)の間の電圧に関わる第1の値(V)、又は、前記安全装置(50)から出力される信号(PS)に関わる第2の値(P)を取得する取得部(47)と、
を含む制御部(43)を備え、
前記制御部(43)は、前記第1の値(V)、又は、前記第2の値(P)、又は、前記第1の値(V)又は前記第2の値(P)に基づく第1情報(J1)を出力する、空気調和装置(10)の制御システム(40)。
【請求項2】
前記制御部(43)は、第1の前記接続ポート(49a)と第2の前記接続ポート(49b)とを備え、
前記制御回路(90)は、前記第1の接続ポート(49a)に前記安全装置(50)又は前記導通部材(80)が接続され、かつ、前記第2の接続ポート(49b)に前記安全装置(50)又は前記導通部材(80)が接続されたときに、前記空気調和装置(10)の作動を許可する、請求項1に記載の空気調和装置(10)の制御システム(40)。
【請求項3】
前記第1の値(V)又は前記第2の値(P)、又は、前記第1情報(J1)を表示する表示部(60)をさらに有する、請求項1又は請求項2記載の空気調和装置(10)の制御システム(40)。
【請求項4】
前記第1情報(J1)は、
前記接続ポート(49)に対して、前記安全装置(50)が接続されているか、又は、前記導通部材(80)が接続されているかの判別結果を含む、請求項1又は請求項2記載の空気調和装置(10)の制御システム(40)。
【請求項5】
前記第1情報(J1)は、前記安全装置(50)の種類に関する情報を含む、請求項1又は請求項2記載の空気調和装置(10)の制御システム(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、安全装置を含む空気調和装置の制御システムが知られている(特許文献1参照)。前記制御システムは、空気調和装置の運転中に冷媒が漏洩した場合に安全装置を作動させる制御部を備える。前記制御部は、安全装置が接続される接続ポートと、安全装置を確実に作動させるための制御回路とを備える。この制御回路は、インターロック回路とも称される。なお、ここでいう「インターロック」とは、ある装置について一定の条件が整わない場合に、装置を動作できなくする仕組みを意味する。前記制御回路は、制御部の接続ポートに安全装置が接続されていない場合に空気調和装置を作動させないように制御する回路であり、制御部の接続ポートに安全装置が接続されている場合に空気調和装置の作動を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-076264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記空気調和装置において、前記制御回路は、接続ポートに安全装置が接続された場合だけでなく、安全装置を有さない導通部材(例えば、導線)が接続された場合にも空気調和装置の作動を許可する。このため、従来の前記空気調和装置は、作動の許可が、接続ポートに安全装置が接続されてなされたものか、あるいは、接続ポートに導通部材が接続されてなされたものかを、接続ポートを現地で確認しなければ判別することができなかった。
【0005】
本開示は、空気調和装置の作動を許可する制御回路を含む制御システムにおいて、接続ポートに対する安全装置及び導通部材のどちらが接続されているかを容易に判別可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の空気調和装置の制御システムは、安全装置を含む空気調和装置の制御システムであって、第1極及び第2極を有し、前記第1極と前記第2極との間に前記安全装置又は前記安全装置を有さない導通部材が接続されたときに、前記第1極と前記第2極との間に導通が生じる接続ポートと、前記第1極と前記第2極との間に導通が生じたときに前記空気調和装置の作動を許可する制御回路と、前記第1極及び前記第2極の間の電圧に関わる第1の値、又は、前記安全装置から出力される信号に関わる第2の値を取得する取得部と、を含む制御部を備え、前記制御部は、前記第1の値、又は、前記第2の値、又は、前記第1の値又は前記第2の値に基づく第1情報を出力する。
【0007】
上記構成の空気調和装置の制御システムは、接続ポートに安全装置及び導通部材の何れが接続されているかを、電圧に関わる第1の値、又は、安全装置から出力される信号に関わる第2の値に基づいて判別することができる。このため、接続ポートを現地で確認しなくても、接続ポートに安全装置及び導通部材の何れが接続されているかを容易に判別することができる。これにより、空気調和装置の作動を許可する制御回路を含む制御システムにおいて、接続ポートに対する安全装置及び導通部材の接続状況を容易に判別することができる。
【0008】
(2)前記(1)の態様の空気調和装置の制御システムにおいて、前記制御部は、第1の前記接続ポートと第2の前記接続ポートとを備え、前記制御回路は、前記第1の接続ポートに前記安全装置又は前記導通部材が接続され、かつ、前記第2の接続ポートに前記安全装置又は前記導通部材が接続されたときに、前記空気調和装置の作動を許可すると好ましい。
【0009】
上記構成の空気調和装置の制御システムは、第1及び第2の接続ポートを有する場合、取得部が、第1及び第2の接続ポートについて第1の値又は第2の値を取得する。制御部は、安全装置及び導通部材の何れが各接続ポートに接続されているかを、第1の値又は第2の値に基づいて判別することができる。これにより、空気調和装置の作動を許可する制御回路を含む空気調和装置の制御システムにおいて、接続ポートに対する安全装置及び導通部材の接続状況を容易に判別することができる。
【0010】
(3)前記(1)又は(2)の態様の空気調和装置の制御システムは、前記第1の値又は前記第2の値、又は、前記第1情報を表示する表示部をさらに有すると好ましい。
【0011】
上記構成の空気調和装置の制御システムは、表示部の表示を確認することによって、接続ポートに安全装置及び導通部材の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0012】
(4)前記(1)~(3)の何れかの態様の空気調和装置の制御システムにおいて、前記第1情報は、前記接続ポートに対して、前記安全装置が接続されているか、又は、前記導通部材が接続されているかの判別結果を含むと好ましい。
【0013】
上記構成の空気調和装置の制御システムは、接続ポートに対して、安全装置及び導通部材の何れが接続されているかを、第1情報に基づいて判別することができる。このため、本開示の空気調和装置の制御システムは、所定の接続ポートに安全装置及び導通部材の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0014】
(5)前記(1)~(4)の何れかの態様の空気調和装置の制御システムにおいて、前記第1情報は、前記安全装置の種類に関する情報を含むと好ましい。
【0015】
上記構成の空気調和装置の制御システムは、接続ポートに接続されている安全装置が、どの種類の安全装置であるかを、第1情報に基づいて判別することができる。このため、本開示の空気調和装置の制御システムは、所定の接続ポートに所定の安全装置が接続されているか否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の制御システムを備える空気調和装置を示す模式図である。
図2】空気調和装置の制御ブロック図である。
図3】本開示の制御システムの第1実施形態を示す模式図である。
図4】制御システムにおける安全装置制御部の説明図である。
図5】第1実施形態に係る制御システムの変形例を示す模式図である。
図6】制御システムにおける安全装置制御部の変形例の説明図である。
図7】本開示の制御システムの第2実施形態を示す模式図である。
図8】パルス信号の説明図である。
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の空気調和装置の制御システムを詳細に説明する。
【0018】
[空気調和装置の全体構成について]
図1は、本開示の制御システムを備える空気調和装置を示す模式図である。図2は、空気調和装置の制御ブロック図である。図1には、本開示の制御システムを備えた空気調和装置の一実施形態である空気調和装置10が示される。本実施形態で示す空気調和装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって室内の温度を調整する装置であり、利用側ユニット(室内機)11と、熱源側ユニット(室外機)12と、これらの間にわたって設けられた冷媒回路13とを備える。
【0019】
冷媒回路13は、冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒を生成する圧縮機14と、利用側熱交換器15と、冷媒を減圧して低温低圧の液状冷媒を生成する膨張弁16と、熱源側熱交換器17と、これらを順次接続する冷媒配管19と、を備える。利用側ユニット11は、利用側熱交換器15に送風する利用側ファン21を備える。熱源側ユニット12は、熱源側熱交換器17に送風する熱源側ファン22を備える。
【0020】
冷媒回路13は、四路切換弁18を備える。冷媒回路13は、四路切換弁18を切り換えることによって冷媒の流れを反転させ、圧縮機14から吐出される冷媒を熱源側熱交換器17と利用側熱交換器15とに切り換えて供給し、冷房運転と暖房運転とを切り換えることが可能となっている。具体的には、冷媒回路13は、冷房運転時において、四路切換弁18を実線のように切り換えることによって、圧縮機14から吐出された冷媒を熱源側熱交換器17に供給し、膨張弁16を通過した冷媒を利用側熱交換器15に供給する。この際、熱源側熱交換器17は凝縮器として機能し、高温高圧のガス状冷媒を凝縮・液化させる。また、利用側熱交換器15は蒸発器として機能し、低温低圧の液状冷媒を蒸発・気化させる。
【0021】
冷媒回路13は、暖房運転時において、四路切換弁18を点線のように切り換えることによって、圧縮機14から吐出された冷媒を利用側熱交換器15に供給し、膨張弁16を通過した冷媒を熱源側熱交換器17に供給する。この際、利用側熱交換器15は凝縮器として機能し、高温高圧のガス状冷媒を凝縮・液化させる。また、熱源側熱交換器17は蒸発器として機能し、低温低圧の液状冷媒を蒸発・気化させる。
【0022】
空気調和装置10は、リモコン30をさらに備える。空気調和装置10は、空気調和を行う対象空間に配置されたリモコン30をユーザーが操作することにより、運転及び停止がなされる。なお、本実施形態では、リモコン30によって空気調和装置10の運転及び停止がなされるが、空気調和装置10は、中央監視装置に接続されていて、前記中央監視装置によって運転及び停止がなされる構成であってもよい。
【0023】
膨張弁16、四路切換弁18、圧縮機14、及びファン21、22は、リモコン30における操作スイッチのオンオフや温度センサ等のセンサ出力に応じて制御装置(後で説明する利用側ユニット制御部41及び熱源側ユニット制御部42)によって動作が制御される。
【0024】
空気調和装置10は、図1及び図2に示す制御システム40をさらに備える。制御システム40は、本開示の制御システムの一実施形態である。図1及び図2に示すように、制御システム40は、利用側ユニット11の動作を制御する利用側ユニット制御部41と、熱源側ユニット12の動作を制御する熱源側ユニット制御部42と、後で説明する安全装置の動作を制御する安全装置制御部(制御部)43とを含んで構成される。
【0025】
本実施形態の空気調和装置10は、冷媒として、僅かな可燃性(微燃性)を有する冷媒(例えばR32冷媒)が用いられる。可燃性冷媒を使用する空気調和装置10は、安全装置50をさらに備える。本実施形態の安全装置50は、冷媒センサ51、警報装置52、遮断弁ユニット53、及び換気ファン54を含んで構成される。安全装置50は、安全装置制御部43に接続される。安全装置制御部43は、冷媒センサ51の検知結果に基づいて、警報装置52、遮断弁ユニット53、及び換気ファン54の動作を制御する。なお、本実施形態の空気調和装置10は、安全装置50として、冷媒センサ51と、警報装置52、遮断弁ユニット53、及び換気ファン54とを含んでいるが、本開示の制御システムは、これら安全装置のうちの一部を備える構成であってもよく、これら以外の安全装置をさらに含んでいてもよい。
【0026】
冷媒センサ51は、空間に存在する冷媒を検出することが可能なセンサであり、利用側ユニット11内に配置されている。冷媒センサ51は、利用側ユニット11内で冷媒が漏洩した場合に、漏洩した冷媒を検出することができる。なお、冷媒センサ51は、利用側ユニット11の内部以外の場所に配置されていてもよい。警報装置52は、冷媒センサ51が利用側ユニット11内において冷媒を検出した場合に警報を発する。警報装置52は、光を発するランプ、及び音を発するブザーを含むと好ましい。本実施形態の警報装置52は、ランプ及びブザーを作動させることによって、ユーザーに対して冷媒の漏洩を報知する。遮断弁ユニット53は、冷媒センサ51が冷媒を検出した場合に、熱源側ユニット12(圧縮機14)から利用側ユニット11へ供給される冷媒を遮断する。換気ファン54は、冷媒センサ51が冷媒を検出した場合に作動され、利用側ユニット11の空調対象である空間を換気する。空気調和装置10は、リモコン30を警報装置52として利用する構成であってもよく、例えばリモコン30の表示部に冷媒が漏洩している旨の表示を行ったり、運転ランプを点滅させたり、警報音を発報させたりしてもよい。
【0027】
[制御システムについて]
図3は、本開示の制御システムの第1実施形態を示す模式図である。図3には、本開示の制御システム40を構成する安全装置制御部43の第1実施形態が示される。以下の説明では、第1実施形態に係る安全装置制御部43を、第1安全装置制御部43Xとも称する。なお、以下の説明において、単に安全装置制御部43と称する場合、第1安全装置制御部43X、及び、後で説明する他の実施形態に係る安全装置制御部(後で説明する第2安全装置制御部43Y)において共通する構成が説明される。
【0028】
図3に示すように、安全装置制御部43は、制御基板44及び接続部48を備える。制御基板44は、電源45、コントローラ46、及び取得部47が実装された基板である。電源45は、図示しない外部電源に接続され、コントローラ46及び取得部47に電力を供給する。取得部47は、安全装置制御部43に対する安全装置50及び導通部材80の接続状況を判定するための値を、接続部48に接続されている安全装置50及び導通部材80から取得する部位である。コントローラ46は、取得部47が取得した前記値に基づいて、安全装置制御部43に対する安全装置50の接続状況についての判定を行う。以下の説明では、第1安全装置制御部43Xに備えられる取得部47を、第1取得部47Xとも称する。なお、以下の説明において、単に取得部47と称する場合、第1取得部47X、及び、後で説明する他の実施形態に係る取得部(後で説明する第2取得部47Y)において共通する構成が説明される。
【0029】
接続部48は、安全装置制御部43に対して安全装置50及び導通部材80を接続するための部位である。接続部48は、接続ポート49を備える。接続ポート49は、第1極T1及び第2極T2を備え、第1極T1及び第2極T2のそれぞれに配線が接続される。前記配線の一端側は、第1極T1又は第2極T2に接続され、前記配線の他端側は、安全装置50又は導通部材80に接続される。本実施形態の安全装置制御部43において、接続部48は、複数(2個)の接続ポート49を含む。第1の接続ポート49は、第1ポート49aと称され、第2の接続ポート49は、第2ポート49bと称される。なお、本実施形態では、安全装置制御部43を構成する接続部48が複数の接続ポート49を備える構成を例示しているが、本開示の制御システムにおいて安全装置制御部が有する接続ポートの個数は1個であってもよい。
【0030】
コントローラ46は、判定部46a、記憶部46b、及び出力部46cを備える。判定部46aは、取得部47が取得した値が入力され、その値に基づいて、1)接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているか、又は、安全装置50及び導通部材80の何れもが接続されていないか、及び、2)接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れかが接続されている場合、接続されている安全装置50及び導通部材80の種類、の判定を行う。
【0031】
記憶部46bは、遮断弁ユニット53、換気ファン54、及び導通部材80が接続ポート49に接続された場合にそれぞれから送られる信号(電気信号及びパルス信号)に関する情報が記憶されている。判定部46aは、記憶部46bに記憶されたこれらの情報に基づいて、上記1)及び2)の判定を行う。出力部46cは、空気調和装置10の作動を許可する信号Sを出力する。空気調和装置10は、例えば利用側ユニット制御部41(図2参照)に信号Sが入力されることによって、運転が可能な状態となる。
【0032】
コントローラ46は、上記1)及び2)の判定結果に基づいて第1情報J1を生成する。第1情報J1は、接続ポート49に対して、安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているか、又は、安全装置50及び導通部材80の何れも接続されていないか、の判定結果に関する情報を含む。ユーザーは、第1情報J1に基づいて、接続ポート49に、安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているか否かを判断することができる。このため、上記構成の制御システム40によれば、所定の接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0033】
[導通部材について]
図3に示すように、本開示の制御システム40は、接続部48に安全装置50が接続されない接続ポート49がある場合、その接続ポート49に対して導通部材80が接続される。導通部材80は、安全装置50を有していない導電体である。
【0034】
[インターロック回路について]
図4に示すように、コントローラ46は、インターロック回路(制御回路)90をさらに備える。インターロック回路90は、接続部48に対して安全装置50又は導通部材80が接続されていない場合に、空気調和装置10を作動できなくする制御回路である。インターロック回路90は、安全装置50又は導通部材80が、接続されるべき所定の接続ポート49に接続されている場合に、出力部46cからの信号Sの出力を許可する。換言すると、空気調和装置10は、接続部48に安全装置50又は導通部材80が接続されている場合に運転が可能となる。インターロック回路90を備える空気調和装置10は、運転中に冷媒の漏洩が生じた場合、接続部48に接続された安全装置50を、確実に作動させることができる。
【0035】
[表示部について]
図3及び図4に示すように、安全装置制御部43は、表示部60をさらに備える。表示部60は、コントローラ46の判定部46aに接続されている。判定部46aは、取得部47から取得した値(後で説明する値V又は値P)、又は、前記値に基づいて生成した情報(後で説明する第1情報J1)を、表示部60に出力する。換言すると、上記構成の制御システム40によれば、表示部60の表示を確認することによって、接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0036】
本実施形態における表示部60は、制御基板44上に設置した7セグメント表示器によって構成されると好ましい。なお、表示部60の形態はこれに限定されず、リモコン30(図1参照)の表示部を表示部60として利用してもよい。空気調和装置10が、中央監視装置(図示せず)によって管理される構成である場合には、前記中央監視装置が備えるディスプレイ装置を表示部60として利用してもよい。さらに、表示部60は、安全装置制御部43から分離されていて、前記値又は前記情報をコントローラ46との無線通信によって取得し、表示する構成であってもよい。
【0037】
[第1実施形態に係る安全装置制御部について]
図3及び図4には、第1実施形態に係る安全装置制御部43である第1安全装置制御部43Xを備えた制御システム40が示される。本実施形態では、第1安全装置制御部43Xに対して、冷媒センサ51、警報装置52、及び遮断弁ユニット53が接続される場合を例示する。なお、図3に示す第1安全装置制御部43Xは、遮断弁ユニット53に代えて、遮断弁ユニット53以外の安全装置50が接続される構成であってもよい。
【0038】
図1に示すように、遮断弁ユニット53は、利用側熱交換器15に繋がるガス側の冷媒配管19及び液側の冷媒配管19にそれぞれ設けられる一対の遮断弁53a,53bを備える。遮断弁ユニット53は、遮断弁53a,53bを閉とすることによって、熱源側ユニット12から利用側ユニット11への冷媒の供給を遮断する。
【0039】
図3に示すように、遮断弁ユニット53は、接続ポート55及び信号出力部56を備える。接続ポート55は、第1極55a及び第2極55bを備える。第1極55aは、導線70を介して、接続ポート49の第1極T1と接続される。第2極55bは、導線70を介して、接続ポート49の第2極T2と接続される。
【0040】
図3及び図4に示すように、本実施形態の第1安全装置制御部43Xは、第1ポート49aに遮断弁ユニット53が接続される。具体的には、遮断弁ユニット53は、第1極55aが導線70を介して第1ポート49aの第1極T1と接続され、第2極55bが導線70を介して第1ポート49aの第2極T2と接続される。
【0041】
安全装置制御部43は、信号出力部56を備える。信号出力部56は、安全装置50の接続状況を判定するための信号(電気信号及びパルス信号)を出力する部位である。本実施形態の第1安全装置制御部43Xは、第1の信号出力部56(以下、第1信号出力部56Xとも称する)を備える。なお、以下の説明において、単に信号出力部56と称する場合、第1信号出力部56X、及び、後で説明する他の実施形態に係る信号出力部(後で説明する第2信号出力部56Y)において共通する構成が説明される。
【0042】
第1信号出力部56Xは、所定の抵抗値を有する部位である。第1信号出力部56Xは、所定の値の電流が流されたときに、所定の電圧値を有する電気信号を生成する。換言すると、第1信号出力部56Xは、各安全装置50についての固有の「電圧に関わる値V」を出力する部位である。第1信号出力部56Xは、導線57を介して、第1極55a及び第2極55bの間に設けられる。
【0043】
本実施形態において、遮断弁ユニット53に設けられる第1信号出力部56Xは、所定の抵抗値Aを有する抵抗体であり、遮断弁ユニット53についての固有の電圧値V1を有する電気信号を出力する。抵抗値Aは、所定の値の電流が流された場合に、抵抗体の両端における電圧値がV1となる抵抗値に調整されている。本実施形態の第1信号出力部56Xは、遮断弁ユニット53について固有の「電圧に関わる値V1」を出力する。第1取得部47Xは、第1ポート49aの第1極T1及び第2極T2において「電圧に関わる値V1」を取得する。
【0044】
なお、信号出力部56は、各安全装置50の個体を識別することができるように、同じ種類の安全装置50であっても個体ごとに異なる信号(電気信号及びパルス信号)を出力するように構成されるとより好ましい。この場合、例えば、仕様、配置場所等が異なる遮断弁ユニット53が複数ある場合に、それぞれの遮断弁ユニット53があるべき接続ポート49に正しく接続されているか否かを、前記信号に基づいて判定することが可能となる。第1信号出力部56Xは、例えば、それぞれの安全装置50について固有の抵抗値を設定することによって、各安全装置50の個体を識別することが可能となる。なお、安全装置50において、前記固有の抵抗値は、変更可能に構成されていてもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、安全装置50のうちの遮断弁ユニット53が接続部48に接続され、その他の安全装置50(冷媒センサ51及び警報装置52)がコントローラ46に直接接続される構成を例示しているが、冷媒センサ51及び警報装置52は、接続部48に接続される構成であってもよい。この場合、冷媒センサ51及び警報装置52は、コントローラ46によって、取得部47が取得した値に基づく接続状況の判定が行われてもよい。なお、本開示の空気調和装置10は、冷媒センサ51及び警報装置52以外の安全装置50が、コントローラ46に直接接続される構成であってもよい。
【0046】
第1安全装置制御部43Xを構成するコントローラ46は、第1取得部47Xが取得した「電圧に関わる値V1」に基づいて、1)第1ポート49aに安全装置50が接続されている、2)第1ポート49aに接続されている安全装置50が遮断弁ユニット53である、と判定する。
【0047】
本実施形態の第1安全装置制御部43Xにおいて、接続部48の第2ポート49bは、安全装置50が接続されない。このため、第2ポート49bは、導通部材80が接続される。本実施形態では、第1の導通部材80(以下、第1導通部材81とも称する)が第2ポート49bに接続される場合を例示する。第1導通部材81は、単なる電線であり、ジャンパー線とも称される。第1導通部材81は、固有の抵抗値を有する。本実施形態の第1導通部材81は、固有の「電圧に関わる値V2」を出力する。第1取得部47Xは、第2ポート49bの第1極T1及び第2極T2において「電圧に関わる値V2」を取得する。なお、本開示の空気調和装置10において、導通部材80は、前記固有の抵抗値が変更可能に構成されていてもよく、例えば、可変抵抗付きのジャンパー線を採用し得る。
【0048】
コントローラ46は、第1取得部47Xが取得した「電圧に関わる値V2」に基づいて、1)第2ポート49bに導通部材80が接続されている、2)第2ポート49bに接続されている導通部材80が第1導通部材81である、と判定する。なお、コントローラ46は、1)の判定において接続ポート49に接続されている装置が導通部材80であると判定した場合、2)の判定を省略してもよい。
【0049】
以上説明したように、第1安全装置制御部43Xにおいて、第1取得部47Xは、「電圧に関わる値(第1の値)V」を取得する。具体的には、第1安全装置制御部43Xは、接続部48において、第1ポート49a及び第2ポート49bを備える。第1取得部47Xは、第1ポート49aから「電圧に関わる値V1」を取得し、第2ポート49bから「電圧に関わる値V2」を取得する。第1取得部47Xが取得する「電圧に関わる値V」は、電圧の値である。なお、ここでいう「電圧に関わる値」は、電圧に応じて定まる値であればよく、第1極T1及び第2極T2間を流れる電流の値、又は、第1極T1及び第2極T2間の抵抗の値であってもよい。換言すると、第1取得部47Xが取得する「電圧に関わる値V」には、電圧、電流、抵抗の値が含まれる。なお、第1信号出力部56Xの抵抗値Aは、第1導通部材81の抵抗値との差異を大きく設定すると好ましく、これにより、コントローラ46による遮断弁ユニット53及び第1導通部材81の判別が容易になる。
【0050】
接続ポート49の第1極T1及び第2極T2の間に安全装置50及び導通部材80が何れも接続されていない場合、第1取得部47Xは、「電圧に関わる値V」として、予め設定した電圧値(本実施形態では5V)を取得する。「電圧に関わる値V」が「予め設定した電圧値(5V)」である場合、コントローラ46は、1)接続ポート49に安全装置50及び導通部材80が何れも接続されていない、と判定する。
【0051】
インターロック回路90は、複数のスイッチ91,92を備える。第1スイッチ91は、第1ポート49aに安全装置50又は導通部材80が接続されている場合にONとなる(導通が生じる)。第2スイッチ92は、第2ポート49bに安全装置50又は導通部材80が接続されている場合にONとなる。インターロック回路90は、第1ポート49a及び第2ポート49bの全て(両方)に安全装置50又は導通部材80が接続されている場合に、出力部46cから発せられる信号Sを外部に出力する。換言すると、インターロック回路90は、第1ポート49a及び第2ポート49bのうちの何れかに安全装置50又は導通部材80が接続されていない場合には、空気調和装置10の運転を制限する(作動を許可しない)。
【0052】
図4に示す場合、第1ポート49aに遮断弁ユニット53が接続され、かつ、第2ポート49bに第1導通部材81が接続されている。このため、この場合のインターロック回路90は、出力部46cが発する信号Sを外部に出力し、空気調和装置10の作動を許可する。
【0053】
コントローラ46は、電圧に関わる値V1,V2、又は、第1情報J1を出力する。コントローラ46は、表示部60によって、電圧に関わる値V1,V2、又は、第1情報J1を表示させる。
【0054】
電圧に関わる値V1,V2が表示部60に表示される場合、空気調和装置10のユーザー(施工工事業者)は、表示部60の表示によって、接続部48に安全装置50及び導通部材80が正しく接続されているか否かを判断することができる。第1情報J1が表示部60に表示される場合、空気調和装置10のユーザー(施工工事業者)は、表示部60に表示された第1情報J1によって、接続部48に安全装置50及び導通部材80が正しく接続されているか否かを容易に判断することができる。
【0055】
第1情報J1は、安全装置50の種類の判定結果に関する情報をさらに含んでいてもよい。例えば、遮断弁ユニット53と換気ファン54とは、安全装置50の種類が異なっている。第1情報J1が安全装置50の種類の判定結果に関する情報を含んでいる場合、ユーザーは、第1情報J1に基づいて、接続ポート49に接続されている安全装置50の種類(例えば、遮断弁ユニット53及び換気ファン54の何れであるか)を確認することができる。換言すると、上記構成の制御システム40は、接続ポート49に接続されている安全装置50が、どの種類の安全装置であるかを、第1情報J1に基づいて判別することができる。このため、上記構成の制御システム40によれば、所定の接続ポート49に所定の安全装置50が接続されているか否かを容易に確認することができる。
【0056】
第1情報J1は、安全装置50の各個体を識別する情報をさらに含んでいてもよい。この場合、種類が同じである2つの安全装置50(例えば、2つの遮断弁ユニット53)がある場合、2つの遮断弁ユニット53の各抵抗値が互いに異なるように予め調整しておくことによって、第1の遮断弁ユニット53と第2の遮断弁ユニット53とを識別することが可能となる。第1情報J1が安全装置50の各個体を識別する情報(例えば、2つの遮断弁ユニット53の各抵抗値)を含んでいる場合、ユーザーは、第1情報J1に基づいて、所定の接続ポート49に、所定の安全装置50が正しく接続されているか否かを確認することができる。なお、コントローラ46は、第1情報J1を生成する機能が省略されていてもよい。
【0057】
[第1実施形態に係る安全装置制御部の変形例について]
図5は、第1実施形態に係る制御システムの変形例を示す模式図である。図6は、制御システムにおける安全装置制御部の変形例の説明図である。図5及び図6には、第1安全装置制御部43Xの変形例を例示している。図5及び図6に示すように、変形例に係る第1安全装置制御部43Xは、第1ポート49a及び第2ポート49bに加えて、第3ポート49c、第4ポート49d、及び第5ポート49eをさらに備える。第1取得部47Xは、第3ポート49cから「電圧に関わる値V3」を取得し、第4ポート49dから「電圧に関わる値V4」を取得し、第5ポート49eから「電圧に関わる値V5」を取得する。
【0058】
図5及び図6に示す第1安全装置制御部43Xにおいて、第1ポート49aは遮断弁ユニット53が接続され、第2ポート49bは換気ファン54が接続され、第3ポート49c及び第4ポート49dは第2の導通部材80(第2導通部材82と称する)が接続され、第5ポート49eは第1導通部材81が接続される。
【0059】
換気ファン54における第1信号出力部56Xは、所定の抵抗値Bを有する抵抗体であり、換気ファン54についての固有の電圧の値V2を出力する。抵抗値Bは、所定の電流が流された場合に、抵抗体の両端における電圧値がV2となる抵抗値に調整されている。第1取得部47Xは、第2ポート49bから「電圧に関わる値V2」を取得する。
【0060】
先に説明した第1導通部材81は、単なる電線により構成されている。一方、第2導通部材82は導線の途中に抵抗体が設けられていて、抵抗体の抵抗値が、信号出力部56の抵抗値、及び、第1導通部材81の抵抗値と異なるように構成されている。制御システム40で使用される導通部材80は、抵抗体によって抵抗値が調整された第2導通部材82であるとより好ましい。本実施形態において、第2導通部材82によって生じる「電圧に関わる値V3,V4」は、第1導通部材81によって生じる「電圧に関わる値V5」と異なる。このため、第2導通部材82を用いた場合、「電圧に関わる値V3,V4」に基づいて、その導通部材80の種類を判別することができる。この場合、ユーザーは、「電圧に関わる値V3,V4」によって、第3ポート49c及び第4ポート49dが意図的に短絡されたものであると確認することができる。
【0061】
コントローラ46は、第1取得部47Xが取得した値V1~V5に基づいて、各ポート49a~49eに対する安全装置50及び導通部材80の接続状況について、上記1)及び2)の判定を行う。
【0062】
以上説明の通り、本実施形態の空気調和装置10における制御システム40は、第1ポート49a~第5ポート49eを有する場合、第1取得部47Xが、第1ポート49a~第5ポート49eについて、値V1~V5を取得する。安全装置制御部43は、安全装置50及び導通部材80の何れが各接続ポート49に接続されているかを、値V1~V5に基づいて判別することができる。これにより、空気調和装置10の作動を許可するインターロック回路90を含む制御システム40において、接続ポート49に対する安全装置50及び導通部材80の接続状況を容易に判別することができる。
【0063】
図6に示すように、変形例に係るインターロック回路90は、第1スイッチ91及び第2スイッチ92に加えて、さらに第3スイッチ93、第4スイッチ94、及び第5スイッチ95を備える。第3スイッチ93は、第3ポート49cに安全装置50又は導通部材80が接続されている場合にONとなる(導通が生じる)。第4スイッチ94は、第4ポート49dに安全装置50又は導通部材80が接続されている場合にONとなる。第5スイッチ95は、第5ポート49eに安全装置50又は導通部材80が接続されている場合にONとなる。
【0064】
本実施形態において、コントローラ46は、第1ポート49aに遮断弁ユニット53が接続され、かつ、第2ポート49bに換気ファン54が接続され、かつ、第3ポート49c及び第4ポート49dに第2導通部材82が接続され、かつ、第5ポート49eに第1導通部材81が接続されている場合に、空気調和装置10において安全装置50及び導通部材80が正しく接続されていると判定する。この場合、コントローラ46は、出力部46cが発する信号Sを外部に出力し、これにより、空気調和装置10の作動を許可する。
【0065】
コントローラ46は、電圧に関わる値V1~V5、又は、第1情報J1を出力する。コントローラ46は、表示部60によって、電圧に関わる値V1~V5、又は、第1情報J1を表示させる。なお、本実施形態における表示部60は、制御基板44上に設置した7セグメント表示器によって、全ての電圧に関わる値V1~V5、又は、第1情報J1を1箇所にまとめて表示するとより好ましい。この場合、全ての接続ポート49に対する判定結果を一度に確認することができ、接続ポート49毎に判定結果を確認する必要がなくなる。
【0066】
[第2実施形態に係る安全装置制御部について]
図7は、本開示の制御システムの第2実施形態を示す模式図である。図8は、パルス信号の説明図である。図7には、本開示の制御システム40を構成する安全装置制御部43の第2実施形態が示される。以下の説明では、第2実施形態に係る安全装置制御部43を、第2安全装置制御部43Yとも称する。
【0067】
第2安全装置制御部43Yは、第2の取得部47(以下、第2取得部47Yとも称する)を備える点で、第1安全装置制御部43Xと異なる。第2安全装置制御部43Yに接続される安全装置50は、前述した安全装置50と構成が異なる。以下の説明では、先に説明した取得部47及び安全装置50と構成が異なる点を説明し、構成が共通する部分の説明は省略する。
【0068】
[第2安全装置制御部に接続される安全装置について]
図7に示すように、第2安全装置制御部43Yは、安全装置50として、冷媒センサ51、警報装置52、遮断弁ユニット53、及び換気ファン54が接続される。第2安全装置制御部43Yに接続される遮断弁ユニット53及び換気ファン54は、接続ポート55及び第2の信号出力部56(以下、第2信号出力部56Yとも称する)を備える。
【0069】
第2信号出力部56Yは、各安全装置50についての固有の「パルス信号PS」を出力する部位である。換言すると、第2信号出力部56Yは、安全装置50の種類に応じた所定のパルス信号PSを発する装置である。第2信号出力部56Yは、導線57を介して、第1極55a及び第2極55bの間に設けられる。図7には、第1のパルス信号PS1を生成する第2信号出力部56Yを備えた第1の遮断弁ユニット53と、第2のパルス信号PS2を生成する第2信号出力部56Yを備えた第2の遮断弁ユニット53と、第3のパルス信号PS3を生成する第2信号出力部56Yを備えた換気ファン54、が例示される。
【0070】
第2取得部47Yは、第1極T1及び第2極T2の間において「安全装置50から出力される信号に関わる値(第2の値)P」を取得する。本実施形態における前記信号は、各安全装置50から出力されるパルス信号PSである(図8参照)。第2取得部47Yは、安全装置50から出力されるパルス信号PSに基づいて、当該パルス信号PSにおけるパルス幅の値Pを取得する。なお、「信号に関わる値P」は、パルス幅の値に限定されず、例えば、パルス信号PSのパルス高さ(振幅)、又は、周波数であってもよい。なお、本実施形態の導通部材80は、パルス信号PSを出力する機能を有していないが、導通部材80は、パルス信号PSを出力可能に構成されていてもよい。この場合、第2取得部47Yは、安全装置50及び導通部材80から出力されるパルス信号PSに基づいて、値Pを取得する。
【0071】
コントローラ46は、第2取得部47Yが取得した「パルス信号PSに関わる値P」に基づいて、1)接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているか、又は、安全装置50及び導通部材80の何れもが接続されていないか、及び、2)接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れかが接続されている場合、接続されている安全装置50及び導通部材80の種類、の判定を行う。なお、パルス信号PSに関わる値Pを用いる第2安全装置制御部43Yは、電圧に関わる値Vを用いる第1安全装置制御部43Xに比べて、より高い分解能を得ることができるため、安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかの判定精度をより高めることができる。なお、ここでいう「分解能」とは、取得対象の信号(電気信号及びパルス信号)をどの程度細かく検出できるかを示す能力を意味する。
【0072】
本実施形態において、第2取得部47Yは、第1ポート49aの第1極T1及び第2極T2の間において「パルス信号PS1に関わる値P1」を取得する。コントローラ46は、第2取得部47Yが取得した「パルス信号PS1に関わる値P1」に基づいて、1)第1ポート49aに安全装置50が接続されている、2)第1ポート49aに接続されている安全装置50が遮断弁ユニット53である、と判定する。
【0073】
第2取得部47Yは、第2ポート49bの第1極T1及び第2極T2の間において「パルス信号PS2に関わる値P2」をさらに取得する。コントローラ46は、第2取得部47Yが取得した「パルス信号PS2に関わる値P2」に基づいて、1)第2ポート49bに安全装置50が接続されている、2)第2ポート49bに接続されている安全装置50が遮断弁ユニット53である、と判定する。
【0074】
第2取得部47Yは、第3ポート49cの第1極T1及び第2極T2の間において「パルス信号PS3に関わる値P3」をさらに取得する。コントローラ46は、第2取得部47Yが取得した「パルス信号PS3に関わる値P3」に基づいて、1)第3ポート49cに安全装置50が接続されている、2)第3ポート49cに接続されている安全装置50が換気ファン54である、と判定する。
【0075】
第2取得部47Yは、第4ポート49dの第1極T1及び第2極T2の間において「パルス信号PSに関わる値P4」をさらに取得する。図7に示すように、第4ポート49dの第1極T1及び第2極T2の間には、安全装置50及び導通部材80の何れも接続されていない。この場合、第2取得部47Yは、「パルス信号PSに関わる値P4」として値「0」を取得する。
【0076】
第2取得部47Yは、第5ポート49eの第1極T1及び第2極T2の間において「パルス信号PSに関わる値P5」をさらに取得する。第1導通部材81は、パルス信号PSを出力する機能を有していない。この場合、コントローラ46は、第2取得部47Yが取得した「パルス信号PSに関わる値P5」として値「0」を取得する。
【0077】
第2取得部47Yは、「電圧に関わる値V」及び「パルス信号PSに関わる値P」の両方を取得できるように構成されている。第2取得部47Yは、「パルス信号PSに関わる値P」として値「0」を取得した場合、値「0」を取得した接続ポート49について「電圧に関わる値V」をさらに取得する。この場合、コントローラ46は、値Vに基づいて、上記1)及び2)の判定を行う。
【0078】
なお、図8に示すように、パルス信号PSのパルス高さ(振幅)は、「電圧に関わる値V」に該当する。このため、本開示の安全装置制御部43は、第1取得部47X(図3参照)を備え、第1取得部47Xによって、第2信号出力部56Y(図7参照)から出力されるパルス信号PSから「電圧に関わる値V」を取得し、コントローラ46が、値Vに基づいて、上記1)及び2)の判定を行う構成としてもよい。
【0079】
図7に示す状態において、インターロック回路90は、空気調和装置10の作動を許可しない。この場合、ユーザーは、表示部60の表示に基づいて、空気調和装置10が作動しない理由(即ち、第4ポート49dに安全装置50及び導通部材80の何れもが接続されていないこと)を容易に把握することができる。この場合ユーザーは、速やかに第4ポート49dに安全装置50又は導通部材80を接続することができ、これにより、速やかに空気調和装置10を作動可能な状態とすることができる。
【0080】
[実施形態の作用効果]
(1)上記実施形態の制御システムは、安全装置50を含む空気調和装置10の制御システム40である。制御システム40は、第1極T1及び第2極T2を有し、第1極T1と第2極T2との間に安全装置50又は安全装置50を有さない導通部材80が接続されたときに、第1極T1と第2極T2との間に導通が生じる接続ポート49と、第1極T1と第2極T2との間に導通が生じたときに空気調和装置10の作動を許可するインターロック回路90と、第1極T1及び第2極T2の間の電圧に関わる第1の値V、又は、安全装置50から出力されるパルス信号PSに関わる第2の値Pを取得する取得部47と、を含む安全装置制御部43を備える。安全装置制御部43は、第1の値V、又は、第2の値P、又は、第1の値V又は第2の値Pに基づく第1情報J1を出力する。
【0081】
上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを、電圧に関わる第1の値V又はパルス信号PSに関わる第2の値Pに基づいて判別することができる。このため、接続ポート49を現地で確認しなくても、接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを容易に判別することができる。これにより、空気調和装置10の作動を許可するインターロック回路90を含む制御システム40において、接続ポート49に対する安全装置50及び導通部材80の接続状況を容易に判別することができる。
【0082】
(2)上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40において、安全装置制御部43は、第1ポート49aと第2ポート49bとを備える。インターロック回路90は、第1ポート49aに安全装置50又は導通部材80が接続され、かつ、第2ポート49bに安全装置50又は導通部材80が接続されたときに、空気調和装置10の作動を許可し、信号Sを出力する。
【0083】
上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、第1ポート49a及び第2ポート49bを有する場合、取得部47が、各ポート49a,49bについて電圧に関わる値V1,V2又はパルス信号PSに関わる値P1,P2を取得する。安全装置制御部43は、安全装置50及び導通部材80の何れが各ポート49a,49bに接続されているかを、電圧に関わる値V1,V2又はパルス信号PSに関わる値P1,P2に基づいて判別することができる。これにより、空気調和装置10の作動を許可するインターロック回路90を含む空気調和装置10の制御システム40において、接続ポート49に対する安全装置50及び導通部材80の接続状況を容易に判別することができる。
【0084】
(3)上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、電圧に関わる値V1,V2又はパルス信号PSに関わる値P1,P2、又は、第1情報J1を表示する表示部60をさらに有している。
【0085】
上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、表示部60の表示を確認することによって、接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0086】
(4)上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40において、第1情報J1は、接続ポート49に対して、安全装置50が接続されているか、又は、導通部材80が接続されているかの判別結果を含んでいる。
【0087】
上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、接続ポート49に対して、安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを、第1情報J1に基づいて判別することができる。このため、上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、所定の接続ポート49に安全装置50及び導通部材80の何れが接続されているかを容易に確認することができる。
【0088】
(5)上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40において、第1情報J1は、安全装置50の種類に関する情報を含んでいる。
【0089】
上記実施形態の空気調和装置10の制御システム40は、接続ポート49に接続されている安全装置50が、どの種類の安全装置50であるか、換言すると、遮断弁ユニット53及び換気ファン54のうちの何れであるか、を第1情報J1に基づいて判別することができる。このため、本開示の空気調和装置10の制御システム40は、所定の接続ポート49に所定の安全装置50が接続されているか否かを容易に確認することができる。
【0090】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0091】
10 :空気調和装置
40 :制御システム
43 :安全装置制御部(制御部)
47 :取得部
49 :接続ポート
49a :第1ポート
49b :第2ポート
50 :安全装置
80 :通電部材
90 :インターロック回路(制御回路)
V :電圧に関わる値(第1の値)
P :信号に関わる値(第2の値)
T1 :第1極
T2 :第2極
J1 :第1情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8