(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005953
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】風向表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20250109BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20250109BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20250109BHJP
G01P 13/02 20060101ALI20250109BHJP
F21W 111/06 20060101ALN20250109BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21S8/08
F21V5/04 600
F21V5/04 650
G01P13/02 A
F21W111:06
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106427
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】598155759
【氏名又は名称】日本光機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】青木 謙児
(72)【発明者】
【氏名】福田 真哲
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA02
2F034DB06
(57)【要約】
【課題】夜間に上方からの視認性を高くすることができる。
【解決手段】支柱に設けられる風向表示装置は、筒状の吹流しと、吹流しと支柱とを連結する取付部であって、吹流しの一方の端部に設けられた筒状の枠を有する取付部と、取付部に設けられており、吹流しの内面に光を照射する照明器具と、備える。照明器具は、発光部と、発光部が内部に設けられる空洞部を有する光学部品と、を有する光源ユニットを有する。光学部品は、水平方向に沿った第1中心軸を中心軸とする円筒形状の一部を含むレンズを有する。記光源ユニットは、枠の中心軸である第2中心軸に沿って見たときに枠の中空部と重なるように、かつ、発光部から出射された光線束の中心が水平方向又は水平方向から所定角度斜め上向きに向かうように設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に設けられる風向表示装置であって、
筒状の吹流しと、
前記吹流しと前記支柱とを連結する取付部であって、前記吹流しの一方の端部に設けられた筒状の枠を有する取付部と、
前記取付部に設けられており、前記吹流しの内面に光を照射する照明器具と、
を備え、
前記照明器具は、発光部と、前記発光部が内部に設けられる空洞部を有する光学部品と、を有する光源ユニットを有し、
前記光学部品は、水平方向に沿った第1中心軸を中心軸とする円筒形状の一部を含むレンズを有し、
前記光源ユニットは、前記枠の中心軸である第2中心軸に沿って見たときに前記枠の中空部と重なるように、かつ、前記発光部から出射された光線束の中心が水平方向又は水平方向から所定角度斜め上向きに向かうように設けられている
ことを特徴とする風向表示装置。
【請求項2】
前記レンズは、前記第1中心軸を含む断面において、前記発光部から遠い側の面が、前記発光部から遠ざかる方向に凸となる円弧形状を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の風向表示装置。
【請求項3】
前記光源ユニットは、前記第2中心軸に沿って見たときに前記第2中心軸よりも鉛直方向下側に、前記光線束の中心が水平方向から所定角度斜め上向きに向かうように設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の風向表示装置。
【請求項4】
前記照明器具は、複数の前記光源ユニットが設けられる板状部を有し、
複数の前記光源ユニットは、前記レンズの前記第1中心軸に直交する端面が平行になるように配置されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の風向表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、風向と風速に応じた吹流しの動きに追随して照明装置を動かす夜間対応吹流しが開示されている。この夜間対応吹流しは、ポールの軸の周りに回転可能な第一の回転装置と、これに回転可能に軸支され水平軸の周り(上下に)に回転して吹流し本体の傾斜角に追随して動く第二の回転装置と、第二の回転装置に付設して吹流し本体を照明する照明具と、第二の回転装置に付設して風を受ける吹流し本体とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、主として高速道路に設置される吹流しを想定しており、吹き流し全体を外側から照らしている。また、特許文献1に記載の発明は、反射体により多方向に光を反射させているが、反射体を用いていることから、近距離から吹流しを視認することが前提であると考えられる。また、特許文献1に記載の発明は、照射光を地表に送る構成を備えていることから、下方向からの視認が前提であると考えられ、上方からの視認性はかなり低いと考えられる。
【0005】
空港等に設置された吹流しの場合には、離着陸する飛行機等の操縦者や管制塔上の管制官は、吹流しを上方かつ遠方から視認する。したがって、上方かつ遠方から吹流しの視認性を高くすることが望まれている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、夜間に上方からの視認性を高くすることができる風向表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る風向表示装置は、例えば、支柱に設けられる風向表示装置であって、筒状の吹流しと、前記吹流しと前記支柱とを連結する取付部であって、前記吹流しの一方の端部に設けられた筒状の枠を有する取付部と、前記取付部に設けられており、前記吹流しの内面に光を照射する照明器具と、を備え、前記照明器具は、発光部と、前記発光部が内部に設けられる空洞部を有する光学部品と、を有する光源ユニットを有し、前記光学部品は、水平方向に沿った第1中心軸を中心軸とする円筒形状の一部を含むレンズを有し、前記光源ユニットは、前記枠の中心軸である第2中心軸に沿って見たときに前記枠の中空部と重なるように、かつ、前記発光部から出射された光線束の中心が水平方向又は水平方向から所定角度斜め上向きに向かうように設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る風向表示装置によれば、発光部と発光部が内部に設けられる空洞部を有する光学部品とを有する光源ユニットが、吹流しの一方の端部に設けられた筒状の枠の中心軸に沿って見たときに枠の中空部と重なるように設けられている。これにより、発光部が吹流しを内側から照らす。また、光学部品は、水平方向に沿った第1中心軸を中心軸とする円筒形状の一部を含むレンズを有する。これにより、光源ユニットが吹流しの上側を帯状に照らす。したがって、夜間に上方からの視認性を高くすることができる。
【0009】
前記レンズは、前記第1中心軸を含む断面において、前記発光部から遠い側の面が、前記発光部から遠ざかる方向に凸となる円弧形状を有してもよい。これにより、発光部から出射された光は、中心軸ax2に沿った方向に光を拡散し、吹流しの上側を照らす帯状の幅が広がる。したがって、吹流しの上方からの視認性がより高くなる。
【0010】
前記光源ユニットは、前記第2中心軸に沿って見たときに前記第2中心軸よりも鉛直方向下側に、前記光線束の中心が水平方向から所定角度斜め上向きに向かうように設けられていてもよい。これにより、光源ユニットが吹流しの上側を内側から直接照らすことができる。
【0011】
前記照明器具は、複数の前記光源ユニットが設けられる板状部を有し、複数の前記光源ユニットは、前記レンズの前記第1中心軸に直交する端面が平行になるように配置されていてもよい。これにより、狭い範囲に多くの光源ユニットを設けることができ、吹流しの上側をより明るく照らすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、夜間に上方からの視認性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】風向表示装置1が設けられた風向灯100の概略を示す図である。
【
図4】照明器具10の概略を示す図であり、(A)は
図3のA-A断面図であり、(B)は(A)の一部を拡大した図である。
【
図5】光学部品16を拡大表示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のB矢視であり、(c)は(b)のC矢視であり、(d)は(b)のD矢視であり、(e)は(c)の断面視(中心軸ax2における断面図)であり、(f)は(a)のE矢視である。
【
図6】光源ユニット14から投光される光の様子を模式的に示す図である。
【
図7】照明器具10と、吹き流しユニット20(吹流し21及び取付部22)との位置関係を模式的に示す図である。
【
図8】照明器具10(すなわち、光源ユニット14)が光を照射する範囲を模式的に示す図である。
【
図9】変形例にかかる照明器具10Aの概略を示す図である。
【
図10】変形例にかかる照明器具10Bの概略を示す図である。
【
図11】変形例にかかる光学部品16Aを拡大表示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のB矢視であり、(c)は(a)のF矢視(斜め上から見た斜視図)であり、(d)は(b)のD矢視であり、(e)は(a)のE矢視であり、(f)は面pにおける断面図である。
【
図12】変形例にかかる照明器具10Cの光源ユニット14A、14Bの配置を示す図である。
【
図13】変形例にかかる光学部品16Cの概略を示す斜視図である。
【
図14】変形例における照明器具10及び吹流しユニット20Aの配置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の風向表示装置は、日中及び夜間の風向指示のために使用されるものであり、空港、ヘリポート等に設置される。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る風向表示装置1が設けられた風向灯100の概略を示す図である。以下、鉛直方向をz方向とし、水平方向に沿った直交2方向をx方向及びy方向とする。
【0016】
風向表示装置1は、主として、照明器具10と、吹流しユニット20とを有する。また、風向灯100は、主として、支柱部30と、航空障害灯40と、円形帯照明50とを有する。
【0017】
まず、風向灯100の概略構成について説明する。支柱部30は、主として、支柱31と、基台32と、アーム33と、を有する。支柱31は、略棒状であり、地面Gに埋設された基台32を介して、鉛直方向に延びるよう設置されている。支柱31は基台32に対して着脱可能であり、保守作業時等に支柱31を傾けることが可能である。ただし、支柱31及び基台32は地面G以外の場所に設置されていてもよい。また、支柱31は鉛直方向に対して傾いていてもよい。
【0018】
支柱31には、航空障害灯40、円形帯照明50等が設けられている。航空障害灯40は支柱の上端に設けられている。航空障害灯40は公知であるため、説明を省略する。
【0019】
円形帯照明50は、アーム33を介して支柱31に設けられている。円形帯照明50は、風向表示装置1よりも下側に配置されており、上方から地面Gを円形に照らす。また、円形帯照明50は、複数(ここでは、4個)設けられており、支柱31を上から見たときに支柱31の周囲に略均等に配置されている。
【0020】
なお、本実施の形態では、風向灯100が4個の円形帯照明50を有するが、円形帯照明50の数や配置はこれに限られない。例えば、風向灯100が3個の円形帯照明50を有し、支柱31を上から見たときに3個の円形帯照明50が支柱31の周囲に略均等に配置されていればよい。
【0021】
次に、風向表示装置1について説明する。風向表示装置1は、支柱31に設けられている。
図2は、風向表示装置1の概略を示す図である。吹流しユニット20は、主として、吹流し21と、取付部22とを有する。照明器具10は取付部22に設けられている。
【0022】
吹流し21は、筒状であり、風を受けて風にたなびくような柔軟性のある生地を用いて形成されている。生地には、例えば、綿、麻、合成繊維が用いられる。吹流し21は、照明器具10から照射された光が外部へ透過するように光透過性を有することが好ましい。また、吹流し21は、複数の色(例えば、赤及び白)の生地が連結されて縞模様に構成されていてもよい。
【0023】
取付部22は、吹流し21と支柱31とを連結する部材である。取付部22は、主として、枠22aと、回転装置22b、22cと、取付アーム22dとを有する。
【0024】
枠22aは、筒状であり、吹流しの一方の端部に設けられている。枠22aは、回転装置22b、22cを介して支柱31に設けられている。回転装置22b、22cにはそれぞれ、支柱31が挿入される孔が設けられており、回転装置22b、22c、すなわち枠22aが支柱31に対して回転可能である。
【0025】
なお、回転装置22b、22cは必須ではない。例えば、両端が支柱31に設けられた索状体を介して枠22aが支柱31に設けられていてもよい。
【0026】
枠22aは、主として、リング22m、22nと、連結部22o、22pとを有する。リング22mは、吹流し21の一方の端に設けられており、リング22nは、吹流し21の内部に設けられている。
【0027】
連結部22o、22pは、リング22mとリング22nとを連結する部材である。連結部22oは、棒状であり、両端がリング22mとリング22nとに設けられている。連結部22pは、棒状の部材をU字形状又はコの字形状に湾曲されて形成されており、両端がリング22nに設けられており、U字又はコの字の底に相当する棒状部22qの近傍にリング22mが設けられている。これにより、枠22aが筒状に形成される。
【0028】
なお、枠22aは図示した態様に限られない。例えば、連結部22o、22pの形状や数はこれに限られない。また、例えば、連結部22pが、一対(2つ)の連結部22oと、2つの連結部22oを連結する棒状部22qとに分割されていてもよい。また、例えば、リング22mとリング22nとは、直径が異なっていてもよいし同一でもよい。
【0029】
枠22a、具体的には棒状部22qが回転装置22b、22cに設けられる。これにより、吹流し21のリング22mが設けられた側の端が支柱31に隣接して設けられる。吹流し21にリング22m側から風が流れ込み、吹流し21のリング22mが設けられていない側から風が出ていくことで、吹流し21が風を受けて舞い上がる。風向きが変わることにより吹流し21が回転装置22b、22cにより支柱31の周りを回り、吹流し21の向きが変わる。
【0030】
棒状部22qには、取付アーム22dが設けられている。取付アーム22dは、一端に棒状部22qが設けられており、他端に照明器具10が設けられている。照明器具10は、吹流し21の内面に光を照射する。照明器具10は、枠22aの中心軸ax1(本発明の第2中心軸に相当)に沿って見て、枠22aの中空部と重なるように設けられている。中心軸ax1は、水平方向(
図1、2では、x方向)に沿っている。
【0031】
図3は、照明器具10の概略を示す図である。
図4は、照明器具10の概略を示す図であり、(A)は
図3のA-A断面図であり、(B)は(A)の一部を拡大した図である。なお、
図4では、断面を示すハッチングを省略する。
【0032】
照明器具10は、主として、本体部11と、板状部12と、傘部13と、光源ユニット14とを有する。
【0033】
本体部11は、光源ユニット14の駆動回路(図示省略)が内部に設けられた円錐台形状の部材である。本体部11の直径が狭い側の端には、取付アーム22dに取り付けられる取付部11aが設けられている。
【0034】
板状部12は、本体部11の直径が広い側の端を覆うように設けられた円板形状の部材である。板状部12の表面12aには、光源ユニット14が設けられる。
【0035】
傘部13は、板状部12の周囲に設けられている。傘部13は、軸方向の一方側から他方側に向かうにつれて直径が漸次増大または減少する円錐台筒状である。傘部13の直径が小さい側の端には、本体部11及び板状部12が設けられている。傘部13の直径が大きい側の端は開口しており、この開口部からは板状部12及び光源ユニット14が視認可能である。
【0036】
照明器具10は、3個の光源ユニット14を有する。なお、光源ユニット14の数は3個に限られず、1個でもいいし、2個でもいいし、4個以上でもよい。
【0037】
光源ユニット14は、主として、発光部15と、光学部品16と、を有する。発光部15は、主として、基板15aと、発光素子15bとを有する。発光部15は、定電流が供給されることにより点灯する発光ダイオードであり、可視光を放射する。発光部15は板状部12に設けられている。光学部品16は、透光性を有し、発光部15を覆うように板状部12に設けられている。光学部品16は、主として、発光部15を覆うレンズ16aと、板状部12への取付部16bとを有する。
【0038】
図5は、光学部品16を拡大表示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のB矢視であり、(c)は(b)のC矢視であり、(d)は(b)のD矢視であり、(e)は(c)の断面視(中心軸ax2における断面図)であり、(f)は(a)のE矢視である。レンズ16aには、板状の取付部16bが設けられている。取付部16bは、B矢視において、2辺がレンズ16aの中心軸ax2(本発明の第1中心軸に相当)と平行な矩形形状である。
【0039】
レンズ16aは、中心軸ax2を中心軸とする円筒形状の一部を含む。したがって、この円筒形状の一部により、レンズ16aは、レンズ作用のない断面(中心軸ax2と直交する断面)と、レンズ作用をもつ断面(中心軸ax2と平行な断面)を有する。
【0040】
レンズ16aには、発光部15が内部に設けられる空洞部16dが形成されている。レンズ16aの外周面16e(発光部15から遠い側の面)は、正面又は背面から見たときの形状(
図5(d)参照)、及び、中心軸ax2に直交する面で切断したときの形状が半円形状である。言い換えれば、レンズ16aは半円筒形状を含む。また、レンズ16aの両端には端面16cが設けられている。端面16cは平面である。
【0041】
レンズ16aは、中心軸ax2を含む断面において(
図5(c)参照)、外周面16eが発光部15から遠ざかる方向に凸となる円弧形状を有する。したがって、外周面16eにより、円筒形状の一部によるレンズ作用をもつ断面(中心軸ax2と平行な断面)についてレンズ作用を持たせることができ、またフレネルレンズ形状に形成することでレンズ16aが薄型化される。
【0042】
図3、4の説明に戻る。以下、板状部12と直交する方向(板状部12の中心軸ax3に沿った方向)をu方向とし、u方向と直交する方向をv方向及びw方向とする。また、v方向は水平方向に沿った方向であり、y方向と同一の方向である。u方向と光軸op1とは同一の方向であり、発光部15から出射された光線束の中心が向かう方向を+u方向とする。
【0043】
ここで、光線は光の道筋を示す線を意味し、光線束は光線の集まりを意味する。また、光軸は、光線束のうちの代表となる光線、ここでは光線束の中心軸を意味する。
【0044】
光学部品16は、中心軸ax2がv方向(すなわち、水平方向)に沿うように配置されている。3個の光源ユニット14は、レンズ16aの端面16cが平行になるように板状部12に配置されている。したがって、狭い範囲に多くの光源ユニット14を設けることができる。
【0045】
発光部15から出射された光は、光軸op1を中心とした角度θ1の範囲でレンズ16aに入射する。本実施の形態では、角度θ1は略60度(60度±5度程度)である。そして、レンズ16aが中心軸ax2を中心軸とする円筒形状の一部を含むため、発光部15から出射された光は、レンズ16aにより、光軸op1を中心にw方向に扇状に広がる。
【0046】
図6は、光源ユニット14から投光される光の様子を模式的に示す図である。発光部15から出射された光は、光学部品16の中心軸ax2と直交する方向に沿って帯状に拡散される。また、発光部15から出射された光は、中心軸ax2に沿った方向に少し広げて拡散される。
【0047】
図7は、照明器具10(すなわち、光源ユニット14)と、吹き流しユニット20(吹流し21及び取付部22)との位置関係を模式的に示す図である。照明器具10の中心軸ax3は、吹流し21の中心軸ax1に対して傾いている。したがって、発光部15から出射された光線束の中心は、+u方向に、水平方向から所定角度斜め上向きに向かう。
【0048】
また、板状部12に沿っており、かつ、中心軸ax2と直交するw方向は、鉛直方向(z方向)に対して傾いている。そして、発光部15から出射された光が光軸op1を中心に±w方向に扇状に広がるため、光源ユニット14は吹流し21の上側(+z側)を帯状に照らす。
【0049】
図8は、照明器具10(すなわち、光源ユニット14)が光を照射する範囲を模式的に示す図である。照明器具10は、中心軸ax1に沿って、吹流し21の上側を帯状に光を照射する(
図8の網掛け部分参照)。
【0050】
本実施の形態によれば、照明器具10が吹流し21の中心軸ax1に沿って、吹流し21の上側を帯状に照らすため、夜間に上方からの視認性を高くすることができる。また、照明器具10が吹流し21を内側から直接照らすため、吹流し21が明るく照らされる。したがって、飛行機等の操縦者や管制塔上の管制官は、吹流し21を上方かつ遠方から視認しやすくなる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、照明器具10(光源ユニット14)を中心軸ax1に沿って見たときに中心軸ax1よりも鉛直方向下側に、光線束の中心が水平方向から所定角度斜め上向きに向かうため、吹流し21の上側を内側から確実に照らすことができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、中心軸ax2を含む断面において外周面16eが発光部15から遠ざかる方向に凸となる円弧形状を有するため、発光部15から出射された光は、中心軸ax2に沿った方向に光を拡散し、吹流し21の上側を照らす帯状の幅を広げることができる。したがって、吹流し21の上方からの視認性がより高くなる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、レンズ16aの端面16cが平行になるように複数の光源ユニット14を板状部12に配置するため、狭い範囲に多くの光源ユニット14を設けることができる。また、複数の光源ユニット14から照射される光を全てw方向に広げることができる。したがって、照明器具10から照射される光の光量を増やし、吹流し21の上側をより明るく照らし、吹流し21の視認性を高くすることができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、なお、照明器具10が本体部11と、板状部12と、傘部13と、光源ユニット14とを有したが、照明器具10の態様はこれに限られない。例えば、傘部13は必須ではない。例えば、
図9に示す傘部13を有しない照明器具10Aであっても、照明器具10と同様の作用効果が得られる。また、本体部11及び板状部12も必須ではなく、照明器具が1つの光源ユニット14及びその駆動回路を含むユニット(図示省略)のみを有していてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、照明器具10において複数の光源ユニット14がw方向にずれて配置されていたが、光源ユニット14の配置はこれに限られない。例えば、
図10に示す照明器具10Bのように、光源ユニット14のw方向の位置が同じであっても同様の作用効果が得られる。
【0056】
また、本実施の形態では、外周面16eを正面又は背面から見た(中心軸ax2に直交する面で切断したときの形状)ときの形状が半円形状であったが、光学部品16の形状はこれに限られない。
図11は、変形例にかかる光学部品16Aを拡大表示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のB矢視であり、(c)は(a)のF矢視(斜め上から見た斜視図)であり、(d)は(b)のD矢視であり、(e)は(a)のE矢視であり、(f)は面pにおける断面図である。
【0057】
光学部品16Aは、主として、レンズ16gと、取付部16bとを有する。レンズ16gは、レンズ16gが平面16hを有する点でレンズ16aと異なり、その他はレンズ16aと同一である。
【0058】
平面16hは、中心軸ax2に略沿ってレンズ16gの両端に設けられている。平面16hは、発光部15から出射された光が入射する範囲、すなわち光軸op1を中心とした角度θ1の範囲の外側に設けられている。そのため、発光部15から出射された光は、レンズ16gにより光軸op1を中心に扇状に広がる。
【0059】
また、本実施の形態では、複数の光源ユニット14(発光部15及び光学部品16)をv方向に並べたが、発光部15及び光学部品16を光源ユニット14をw方向に並べてもよい。特に、平面16hを有するレンズ16gを用いる場合には、レンズ16gをv方向に並べるのに適している。
図12は、変形例にかかる照明器具10Cの光源ユニット14A、14Bの配置を示す図である(本体部11、板状部12及び傘部13は図示省略)。光源ユニット14Aは光学部品16Aを含む。また、光源ユニット14Bは、w方向に2個のレンズ16gが一体となった光学部品16Cを含む。照明器具10Cは、一例として光源ユニット14Bをv方向中央に配置している。光学部品16Cでは、レンズ16gのそれぞれが空洞部16dを有し、各空洞部16dに発光部15が設けられている。これにより、より多くの発光部15を用い、照明器具10Bから照射される光量を増やすことができる。
【0060】
また、本実施の形態では、レンズ16aは、中心軸ax2に直交する方向から見たときに、凸レンズ形状を複数ののこぎり状の領域に分割してフレネルレンズ形状に形成された外周面16eを有し、中心軸ax2と平行な断面にも多少のレンズ作用を有したが、外周面16eは必須ではない。例えば、
図13に示す光学部品16Cのようにレンズが単なる半円筒形状であってもよい。この場合には、中心軸ax2と平行な断面についてはレンズ作用を有しない。
【0061】
また、本実施の形態では、照明器具10の中心軸ax3が吹流し21の中心軸ax1に対して傾いており、発光部15から出射された光線束の中心が水平方向から所定角度斜め上向きに向かっていたが、照明器具10の配置態様はこれに限られない。例えば、
図7では、発光部15から出射された光線束の中心が水平方向から斜め上向きに向かう角度(中心軸ax3の水平方向に対する傾斜角度)が30度程度であったが、この角度は30度には限られない。
【0062】
また、例えば、中心軸ax3と中心軸ax1とが平行、すなわち発光部15から出射された光線束の中心が水平方向に向かうように照明器具10が設けられていてもよい。
図14は、変形例における照明器具10及び吹流しユニット20Aの配置を模式的に示す図である。吹流しユニット20Aでは、照明器具10(すなわち、光源ユニット14)の光線束の中心が水平方向に向かうように設けられている。また、吹流しユニット20Aでは、照明器具10(すなわち、光源ユニット14)は、中心軸ax1に沿って見たときに中心軸ax1よりも鉛直方向上側に設けられている。したがって、吹流しユニット20Aも、照明器具10が吹流し21の上側を帯状に照らし、夜間に上方からの視認性を高くすることができる。
【0063】
ただし、照明器具10が、中心軸ax1に沿って見たときに中心軸ax1よりも鉛直方向上側に設けられていることは必須ではない。照明器具10が低い位置に設けられていたとしても、強い風が吹いておらず吹流し21が風を受けておおきく舞い上がっていない場合には、照明器具10が吹流し21の上側を帯状に照らし、夜間に上方からの視認性を高くすることができる。
【0064】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。
【符号の説明】
【0065】
1 :風向表示装置
2 :直交
10、10A、10B、10C:照明器具
11 :本体部
11a :取付部
12 :板状部
12a :表面
13 :傘部
14、14A、14B:光源ユニット
15 :発光部
15a :基板
15b :発光素子
16、16A、16C:光学部品
16a、16g:レンズ
16b :取付部
16c :端面
16d :空洞部
16e :外周面
16h :平面
20、20A:吹流しユニット
21 :吹流し
22 :取付部
22a :枠
22b、22c:回転装置
22d :取付アーム
22m :リング
22n :リング
22o、22p:連結部
22q :棒状部
30 :支柱部
31 :支柱
32 :基台
33 :アーム
40 :航空障害灯
50 :円形帯照明
100 :風向灯