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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005966
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両内装用物品保持具
(51)【国際特許分類】
   F16M 13/00 20060101AFI20250109BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20250109BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250109BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20250109BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20250109BHJP
   F16M 13/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
F16M13/00 P
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
H02J50/90
B60R11/02 W
F16M13/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106445
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 由佳
(72)【発明者】
【氏名】高井 一
【テーマコード(参考)】
3D020
5G503
【Fターム(参考)】
3D020BA07
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD02
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】平面形状が矩形の物品の平面方向の位置決めをすることができ、かつコストが抑えられた車両内装用物品保持具を提供することにある。
【解決手段】平面形状が矩形の物品50を保持することのできる車両内装用物品保持具であって、周囲に側壁11が設けられた、物品50を収容することのできる収容部10を備え、側壁11が、第1の側壁111と、対向する第2の側壁112及び第3の側壁113と、第1の突出部114と、第2の突出部115と、を含み、側壁11によって物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる、車両内装用物品保持具1を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が矩形の物品を保持することのできる車両内装用物品保持具であって、
周囲に側壁が設けられた、前記物品を収容することのできる収容部を備え、
前記側壁が、第1の側壁と、前記第1の側壁の両側に設けられた、対向する第2の側壁及び第3の側壁と、前記第1の側壁と前記第2の側壁の間から前記収容部の内側に向かって突出した第1の突出部と、前記第1の側壁と前記第3の側壁の間から前記収容部の内側に向かって突出した第2の突出部と、を含み、
前記物品の主面が前記収容部の底面に対向するように前記物品を前記底面の上に置いたときに、前記物品の前記第1の側壁に対向する側面の幅に応じて、前記第1の側壁、前記第1の突出部、及び前記第2の突出部のうちの少なくとも前記第1の突出部と前記第2の突出部を含む第1の位置決め部、又は前記第1の突出部、前記第2の突出部、前記第2の側壁、及び前記第3の側壁を含む第2の位置決め部を、前記物品の前記主面に平行な方向の位置決めに用いることができる、
車両内装用物品保持具。
【請求項2】
前記第1の位置決め部が前記第1の側壁を含む、
請求項1に記載の車両内装用物品保持具。
【請求項3】
前記収容部の底面に、前記物品の滑りを抑制する滑り止め部を含む、
請求項1に記載の車両内装用物品保持具。
【請求項4】
前記収容部に収容された前記物品にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電モジュールが、前記収容部の底面の背面側に取り付けられた、
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両内装用物品保持具。
【請求項5】
前記収容部に収容された前記物品にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電モジュールが、前記収容部の底面の背面側に取り付けられ、
平面視において、前記ワイヤレス給電モジュールに含まれる給電用コイルの配置された領域が、前記滑り止め部の配置された領域に含まれる、
請求項3に記載の車両内装用物品保持具。
【請求項6】
前記第1の突出部と前記第2の突出部の間隔が120mm以上、147mm以下であり、
前記第2の側壁と前記第3の側壁の間隔が147mmより大きく、173mm以下である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の車両内装用物品保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内装用物品保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右一対で構成される保持アームと下部保持板によりスマートフォンを保持する自動車用スマートフォンホルダが知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の自動車用スマートフォンホルダにスマートフォンを保持させるときは、幅広く開いた状態でロックされた左右一対の保持アームの間に前面側からスマートフォンを挿し入れ、スマートフォンの下辺を下部保持板に下方向に押し当てることによって、ロックが解除され保持アームの幅が狭まりスマートフォンの両側面を挟持固定する。すなわち、特許文献1に記載の自動車用スマートフォンホルダにおいては、下部保持板によりスマートフォンの挿入方向の位置決めを行い、左右一対の保持アームにより挿入方向に直交する幅方向の位置決めを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-31282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の自動車用スマートフォンホルダにおいては、スマートフォンの保持に用いられる左右一対の保持アームと下部保持板を連動させるために多くの部品からなる複雑な機構を要し、そのためにコストが嵩むという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、平面形状が矩形の物品の平面方向の位置決めをすることができ、かつコストが抑えられた車両内装用物品保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記の車両内装用物品保持具を提供する。
【0008】
[1]平面形状が矩形の物品を保持することのできる車両内装用物品保持具であって、周囲に側壁が設けられた、前記物品を収容することのできる収容部を備え、前記側壁が、第1の側壁と、前記第1の側壁の両側に設けられた、対向する第2の側壁及び第3の側壁と、前記第1の側壁と前記第2の側壁の間から前記収容部の内側に向かって突出した第1の突出部と、前記第1の側壁と前記第3の側壁の間から前記収容部の内側に向かって突出した第2の突出部と、を含み、前記物品の主面が前記収容部の底面に対向するように前記物品を前記底面の上に置いたときに、前記物品の前記第1の側壁に対向する側面の幅に応じて、前記第1の側壁、前記第1の突出部、及び前記第2の突出部のうちの少なくとも前記第1の突出部と前記第2の突出部を含む第1の位置決め部、又は前記第1の突出部、前記第2の突出部、前記第2の側壁、及び前記第3の側壁を含む第2の位置決め部を、前記物品の前記主面に平行な方向の位置決めに用いることができる、車両内装用物品保持具。
[2]前記第1の位置決め部が前記第1の側壁を含む、上記[1]に記載の車両内装用物品保持具。
[3]前記収容部の底面に、前記物品の滑りを抑制する滑り止め部を含む、上記[1]に記載の車両内装用物品保持具。
[4]前記収容部に収容された前記物品にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電モジュールが、前記収容部の底面の背面側に取り付けられた、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の車両内装用物品保持具。
[5]前記収容部に収容された前記物品にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電モジュールが、前記収容部の底面の背面側に取り付けられ、平面視において、前記ワイヤレス給電モジュールに含まれる給電用コイルの配置された領域が、前記滑り止め部の配置された領域に含まれる、上記[3]に記載の車両内装用物品保持具。
[6]前記第1の突出部と前記第2の突出部の間隔が120mm以上、147mm以下であり、前記第2の側壁と前記第3の側壁の間隔が147mmより大きく、173mm以下である、上記1~3のいずれか1項に記載の車両内装用物品保持具。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、平面形状が矩形の物品の平面方向の位置決めをすることができ、かつコストが抑えられた車両内装用物品保持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る車両内装用物品保持具の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る車両内装用物品保持具の分解斜視図である。
図3図3(a)、(b)は、物品が保持された状態の例を示す、車両内装用物品保持具の平面図である。
図4図4(a)、(b)は、奥行き方向の車両内装用物品保持具の垂直断面を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る車両内装用物品保持具1の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る車両内装用物品保持具1の分解斜視図である。
【0012】
車両内装用物品保持具1は、スマートフォンなどの平面形状が矩形の物品(以下、物品50と呼ぶ)を保持することのできる車両内装用物品保持具である。ここで、上記の「平面形状が矩形の物品」とは、平面形状が完全に矩形である物品だけでなく、矩形の角が丸められた平面形状を有するものや、矩形の一部に凹凸を有するものなども含む。また、上記の「平面形状が矩形の物品を保持することのできる」は、平面形状が矩形の物品50のみを保持することができるという意味ではなく、車両内装用物品保持具1は平面形状が矩形でない物品を保持できてもよい。
【0013】
車両内装用物品保持具1は、車両室内、例えば、車両のインストルメントパネルに設けられたボックスの内部や、センターコンソールなどに設置される。
【0014】
車両内装用物品保持具1は、周囲に側壁11が設けられた、物品を収容するための収容部10を備える。車両内装用物品保持具1は、後述するように、側壁11の特殊な形状によって物品50の平面方向の位置決めを行うことができ、それによって物品が車両内装用物品保持具1内で保持される。図1、2に示される例では、収容部10は、側壁11を有する部品10aと、収容部10の底面12となる部分を有する部品10bを組み合わせることにより形成される。
【0015】
収容部10は、トレー型のケースであり、物品50を収容部10に収容するときには、通常、物品50の主面(最も面積の大きい面、例えばスマートフォンであれば表示画面を含む面)が収容部10の底面12に対向するように、物品50を底面12の上に置く。
【0016】
側壁11は、第1の側壁111と、第1の側壁111の両側に設けられた、対向する第2の側壁112及び第3の側壁113とを含む。このため、収容部10は、少なくとも三方を側壁11に囲まれている。
【0017】
また、側壁11は、第1の側壁111と第2の側壁112の間から収容部10の内側に向かって突出した第1の突出部114と、第1の側壁111と第3の側壁113の間から収容部10の内側に向かって突出した第2の突出部115と、を含む。ここで、収容部10の内側とは、収容部10の物品50を収容する空間、すなわち第1の側壁111、第2の側壁112、及び第3の側壁113に囲まれた空間の側を意味する。
【0018】
図3(a)、(b)は、物品50が保持された状態の例を示す、車両内装用物品保持具1の平面図である。図3(a)、(b)に示される点線は、収容部10に収容されたスマートフォンに代表される物品50の位置を示している。図3(a)は、比較的小さい物品50の置かれる位置を示し、図3(b)は、比較的大きい物品50の置かれる位置を示している。
【0019】
図3(a)に示されるように、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が第1の突出部114と第2の突出部115の間隔D1以下である場合には、物品50の側面51側の一部が第1の突出部114と第2の突出部115との間に入り込むように物品50を置くことができる。この状態では、物品50の側面51の両側の側面52と側面53がそれぞれ第1の突出部114と第2の突出部115と対向する。
【0020】
この場合、第1の側壁111に直交し、かつ第1の側壁111に向かう方向を奥行き方向Y、それに直交する底面12に平行な方向を横方向Xとすると、第1の側壁111によって物品50の奥行き方向Yの位置決めをすることができ、第1の突出部114と第2の突出部115によって物品50の横方向Xの位置決めをすることができる。すなわち、第1の側壁111、第1の突出部114、及び第2の突出部115によって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。さらに言い換えると、第1の側壁111と第1の突出部114で構成されるコーナーと、第1の側壁111と第2の突出部115で構成されるコーナーによって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0021】
また、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が第1の突出部114と第2の突出部115の間隔D1とほぼ等しく、第1の突出部114と第2の突出部115で物品50を挟み込むように保持できる場合には、第1の側壁111及び第1の突出部114によって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。すなわち、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が第1の突出部114と第2の突出部115の間隔D1以下である場合には、第1の側壁111、第1の突出部114、及び第2の突出部115のうちの少なくとも第1の側壁111及び第1の突出部114を含む部分によって物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0022】
なお、第1の突出部114と第2の突出部115の表面が弾性部材で構成される場合など、間隔D1が広がる方向に第1の突出部114と第2の突出部115が変形可能な場合には、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が間隔D1以下でなくても、上記第1の位置決め部によって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる場合がある。
【0023】
第1の突出部114と第2の突出部115との間の空間の奥行き寸法(奥行き方向Yの長さ)D3は、短すぎると第1の突出部114及び第2の突出部115による位置決めが難しくなり、長すぎると第1の突出部114と第2の突出部115との間の空間に入らないサイズの物品50を収容するスペースが小さくなる。このため、奥行き寸法D3は、例えば、2mm以上、7mm以下に設定される。
【0024】
図3(b)に示されるように、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が第1の突出部114と第2の突出部115の間隔D1より大きく、第2の側壁112と第3の側壁113の間隔D2以下である場合には、物品50は第1の突出部114と第2の突出部115との間に入り込まず、第2の側壁112と第3の側壁113の間に収まる。この状態では、物品50の側面51の両側の側面52と側面53がそれぞれ第2の側壁112と第3の側壁113と対向する。
【0025】
この場合、第1の突出部114と第2の突出部115によって物品50の奥行き方向Yの位置決めをすることができ、第2の側壁112と第3の側壁113によって物品50の横方向Xの位置決めをすることができる。すなわち、第1の突出部114、第2の突出部115、第2の側壁112、及び第3の側壁113によって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。さらに言い換えると、第1の突出部114と第2の側壁112で構成されるコーナーと、第2の突出部115と第3の側壁113で構成されるコーナーによって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる。
【0026】
なお、第2の側壁112と第3の側壁113の表面が弾性部材で構成される場合など、間隔D2が広がる方向に第2の側壁112と第3の側壁113が変形可能な場合には、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅が間隔D2以下でなくても、第1の突出部114、第2の突出部115、第2の側壁112、及び第3の側壁113によって、物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができる場合がある。
【0027】
すなわち、車両内装用物品保持具1によれば、物品50の主面が収容部10の底面12に対向するように物品50を底面12の上に置いたときに、物品50の第1の側壁111に対向する側面51の幅に応じて、第1の側壁111、第1の突出部114、及び第2の突出部115のうちの少なくとも第1の突出部114と第2の突出部115を含む第1の位置決め部、又は第1の突出部114、第2の突出部115、第2の側壁112、及び第3の側壁113を含む第2の位置決め部を、物品50の主面に平行な方向の位置決めに用いることができる。
【0028】
典型的には、第1の突出部114と第2の突出部115の間隔D1は、比較的小さいサイズのスマートフォンが物品50である場合に、その長手方向の側面を第1の側壁111に対向する側面51として第1の突出部114と第2の突出部115の間に入り込ませることができるような大きさ、例えば、120mm以上、147mm以下に設定される。
【0029】
また、第2の側壁112と第3の側壁113の間隔D2は、比較的大きいサイズのスマートフォンが物品50である場合に、その長手方向の側面を第1の側壁111に対向する側面51として第2の側壁112と第3の側壁113の間に収めることができるような大きさ、例えば、147mmより大きく、173mm以下に設定される。
【0030】
なお、第1の側壁111、第2の側壁112、及び第3の側壁113は、物品50の側面の全面と接触する必要はないため、その表面に凹凸を有していてもよい。
【0031】
また、車両内装用物品保持具1は、図1~3に示されるように、収容部10の底面12に、物品50の滑りを抑制する滑り止め部13を含むことが好ましい。滑り止め部13を用いることにより、収容部10内で物品50をより強く保持することができる。すなわち、車体の振動などによる物品50の位置ずれをより効果的に抑えることができる。
【0032】
滑り止め部13は、その周辺の底面12よりも制止摩擦係数が大きい。例えば、収容部10の底面12を含む部分はポリプロピレンなどの樹脂材料からなり、滑り止め部13は、例えば、TPV(Thermoplastic vulcanizates)、TPO(Thermoplastic Olefinic Elastomer)などのエラストマーからなる。滑り止め部13は、例えば、図2に示されるように、収容部10の底面12に設けられた孔120に嵌め込まれる板状の部材の表面からなる。
【0033】
車両内装用物品保持具1は、物品50としてのスマートフォンなどの充電を行うためのワイヤレス給電機能を備えていてもよい。この場合、図2に示されるように、収容部10に収容された物品50にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電モジュール20が、収容部10の底面12の背面側に取り付けられる。図2に示される例では、ワイヤレス給電モジュール20は、平板状の部品30を介して、滑り止め部13の裏側に設置され、ネジ31によって部品10bに固定される。
【0034】
ワイヤレス給電モジュール20は内部に給電用コイルを有する。ワイヤレス給電モジュール20を用いることにより、ワイヤレス給電モジュール20に含まれる給電用コイルと物品50に含まれる受電用コイルの間に生じる電磁誘導による給電を行うことができる。
【0035】
図4(a)、(b)は、奥行き方向Yの車両内装用物品保持具1の垂直断面を模式的に示す断面図であり、滑り止め部13、ワイヤレス給電モジュール20に含まれる給電用コイル21、物品50に含まれる受電用コイル54の奥行き方向Yの位置関係を示している。図4(a)は、比較的小さい物品50が置かれた場合の位置関係の例を示し、図4(b)は、比較的大きい物品50が置かれた場合の位置関係の例を示している。
【0036】
図4(a)、(b)に示されるように、物品50が比較的小さい場合、比較的大きい場合のいずれであっても、ワイヤレス給電モジュール20に含まれる給電用コイル21は、物品50に含まれる受電用コイル54との平面視での位置が給電可能な程度に重なるように配置される。ここで、平面視とは、給電用コイル21の主面に垂直な方向、すなわち図4(a)、(b)の上下方向から視ることをいう。
【0037】
スマートフォンが物品50であり、その長手方向の側面を第1の側壁111に対向する側面51として収容部10内に収容する場合、効率的にワイヤレス給電を行うためには、例えば、受電用コイル54が物品50の中心付近に設置され、奥行き方向Yの第1の側壁111の内側の面と受電用コイル54の中心との間隔が37mm前後、底面12上の受電可能範囲が8mm程度であるという典型的な構成を想定すると、奥行き方向Yの第1の側壁111の内側の面と給電用コイル21の中心との間隔D4が、29mm以上、45mm以下に設定されることが好ましい。なお、受電用コイル54はスマートフォンである物品50の中心付近に設置されていることが多いため、横方向Xの給電用コイル21の中心は、第2の側壁112と第3の側壁113の中間付近に位置することが好ましい。
【0038】
車両内装用物品保持具1においては、上述のように、収容部10の側壁11によって物品50の主面に平行な方向の位置決めをすることができるため、収容部10内の物品50の位置のずれによる給電効率の低下を抑えることができる。
【0039】
ワイヤレス給電モジュール20による給電時の物品50の位置ずれを滑り止め部13によって効果的に抑えるためには、図4(a)、(b)に示されるように、平面視において、ワイヤレス給電モジュール20に含まれる給電用コイル21の配置された領域が、滑り止め部13の配置された領域に含まれることが好ましい。ここで、平面視とは、給電用コイル21の主面に垂直な方向、すなわち図4(a)、(b)の上下方向から視ることをいう。
【0040】
なお、車両内装用物品保持具1は、典型的には、収容部10の底面12が水平に近くなるように車両に取り付けられるが、底面12が水平面から傾斜していてもよく、例えば、水平よりも垂直に近くなってもよい。その場合であっても、収容部10の側壁11の形状によって物品50を位置決めし、保持することができる。
【0041】
(実施の形態の効果)
上記の本発明の実施の形態に係る車両内装用物品保持具1においては、収容部10の側壁11の形状によってスマートフォンなどの物品50を位置決めし、保持することができる。また、車両内装用物品保持具1は、物品50の保持に多くの部品からなる複雑な機構を必要としないため、低コストで製造することができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0043】
また、上記の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0044】
1 車両内装用物品保持具
10 収容部
11 側壁
111 第1の側壁
112 第2の側壁
113 第3の側壁
114 第1の突出部
115 第2の突出部
12 底面
13 滑り止め部
20 ワイヤレス給電モジュール
21 給電用コイル
50 物品
51 側面
54 受電用コイル
図1
図2
図3
図4