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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025059677
(43)【公開日】2025-04-10
(54)【発明の名称】クロック異常検出回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 5/19 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
H03K5/19 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023169915
(22)【出願日】2023-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真人
【テーマコード(参考)】
5J039
【Fターム(参考)】
5J039HH04
5J039KK09
5J039KK10
5J039KK11
5J039KK13
5J039MM11
(57)【要約】
【課題】
簡単な構成で被検査対象クロックの周期異常を高精度で検出することができるクロック異常検出回路を提供する。
【解決手段】
被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を生成する周期信号生成回路と、周期信号を被検査クロック信号の規定周期より短い時間だけ又は長い時間だけ遅延させて周期信号の遅延信号を出力する遅延回路と、被検査クロック信号の1周期の開始時点毎に遅延信号のレベルを保持して保持信号を生成する保持回路と、周期信号のレベルと保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する判別手段と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路であって、
前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を生成する周期信号生成回路と、
前記周期信号を前記被検査クロック信号について規定された周期より短い時間だけ又は長い時間だけ遅延させて前記周期信号の遅延信号を出力する遅延回路と、
前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎に前記遅延信号のレベルを保持して保持信号を生成する保持回路と、
前記周期信号のレベルと前記保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する判別回路と、を備えることを特徴とするクロック異常検出回路。
【請求項2】
前記判別結果が前記周期信号のレベルと前記保持信号のレベルとの不一致を示すときに前記被検査クロック信号の周期の異常を示す周期異常フラグ信号を生成して保持する周期異常信号生成回路を有することを特徴とする請求項1記載のクロック異常検出回路。
【請求項3】
前記周期信号生成回路は、前記被検査クロック信号を2分周する分周回路からなることを特徴とする請求項1記載のクロック異常検出回路。
【請求項4】
前記判別回路は、前記周期信号のレベルと前記保持信号のレベルとの排他的論理和をとるXOR回路からなることを特徴とする請求項1記載のクロック異常検出回路。
【請求項5】
被検査クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路であって、
前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を生成する周期信号生成回路と、
前記周期信号を前記被検査クロック信号について規定された周期より短い時間だけ遅延させて前記周期信号の第1遅延信号を出力する第1遅延回路と、
前記周期信号を前記規定された周期より長い時間だけ遅延させて前記周期信号の第2遅延信号を出力する第2遅延回路と、
前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎に前記第1遅延信号のレベルを保持して第1保持信号を生成し、かつ前記第2遅延信号のレベルを保持して第2保持信号を生成する保持回路と、
前記周期信号のレベルと前記第1保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する第1判別回路と、
前記周期信号のレベルと前記第2保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する第2判別回路と、を備えることを特徴とするクロック異常検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電子回路は、入力されるクロック信号に同期して動作させることが多く、そのクロック信号の周期が1周期でも規定周期より短周期であった異常の場合に、その回路動作を保証することができなくなる。また、同様に、規定周期より長周期であった異常の場合には、その回路に要求される動作パフォーマンスを満たさないことが想定される。
【0003】
従来、クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路としては、例えば特許文献1に開示されたものがあった。
【0004】
特許文献1に開示されたクロック異常検出回路は、被検査クロック信号を1周期だけ遅延させる遅延回路と、被検査クロック信号と遅延回路から得られる遅延クロック信号とを比較する比較回路と、比較回路のハイレベル出力状態の期間を計測するカウンタとを備えている。被検査クロック信号と遅延クロック信号とが一致する場合には比較回路の出力信号はローレベルとなり、被検査クロック信号は正常と判定される一方、被検査クロック信号と遅延クロック信号とが不一致である場合には比較回路の出力信号はハイレベルとなる。比較回路のハイレベル出力状態の期間はカウンタにより計測される。ハイレベルの期間が予め設定された周期異常検出期間を越えると、カウンタから異常検出信号が生成され、それにより被検査クロック信号は異常と判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-240374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のクロック異常検出回路では、カウンタによる比較回路のハイレベル出力状態の期間の計測のために、カウンタには被検査クロック信号とは別に高速のクロック信号が供給される。カウンタはその高速のクロック信号のパルスを計数することにより比較回路のハイレベル出力状態の期間を計測する。
【0007】
しかしながら、従来のクロック異常検出回路では、高速のクロック信号を用意すると共にその高速のクロック信号のパルスを計数するカウンタを備える必要があり、回路構成が複雑になるという課題があった。また、その高速のクロック信号の精度を考慮する必要があるので、被検査クロック信号の周期異常の検出期間の許容範囲を予め定める必要があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で被検査対象クロックの周期異常を高精度で検出することができるクロック異常検出回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のクロック異常検出回路は、被検査クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路であって、前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を生成する周期信号生成回路と、前記周期信号を前記被検査クロック信号について規定された周期より短い時間だけ又は長い時間だけ遅延させて前記周期信号の遅延信号を出力する遅延回路と、前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎に前記遅延信号のレベルを保持して保持信号を生成する保持回路と、前記周期信号のレベルと前記保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する判別回路と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明のクロック異常検出回路は、被検査クロック信号の周期の異常を検出するクロック異常検出回路であって、前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を生成する周期信号生成回路と、前記周期信号を前記被検査クロック信号について規定された周期より短い時間だけ遅延させて前記周期信号の第1遅延信号を出力する第1遅延回路と、前記周期信号を前記規定された周期より長い時間だけ遅延させて前記周期信号の第2遅延信号を出力する第2遅延回路と、前記被検査クロック信号の1周期の開始時点毎に前記第1遅延信号のレベルを保持して第1保持信号を生成し、かつ前記第2遅延信号のレベルを保持して第2保持信号を生成する保持回路と、前記周期信号のレベルと前記第1保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する第1判別回路と、前記周期信号のレベルと前記第2保持信号のレベルとが一致するか否かを判別して判別結果を生成する第2判別回路と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のクロック異常検出回路によれば、被検査クロック信号の1周期の開始時点毎にレベル反転する周期信号を遅延回路により被検査クロック信号の1規定周期より短い時間だけ又は長い時間強の時間だけ遅延させて遅延信号を生成し、被検査クロック信号の1周期期間の開始時点毎に遅延信号のレベルを保持して保持信号を生成し、判別回路により周期信号のレベルと保持信号のレベルとの一致を判別するので、被検査クロック信号の周期異常を簡単な構成でかつ高精度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1のクロック異常検出回路10の回路図である。
図2】被検査クロック信号の正常時のクロック異常検出回路10の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
図3】被検査クロック信号の異常時のクロック異常検出回路10の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
図4】本発明の実施例2のクロック異常検出回路40の回路図である。
図5】被検査クロック信号の正常時のクロック異常検出回路40の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
図6】被検査クロック信号の異常時のクロック異常検出回路40の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
図7】クロック異常検出回路10の変形例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例0014】
図1は実施例1のクロック異常検出回路10の回路図を示している。このクロック異常検出回路10は、3つのレジスタ11、14、18と、インバータ12、16と、遅延回路13と、XOR回路15と、OR回路17、20と、AND回路19、21とを備えている。クロック異常検出回路10には、被検査クロック信号CKとリセット信号RSとが入力される。クロック異常検出回路10は、被検査クロック信号CKの実際の周期が被検査クロック信号CKについて予め規定された周期(規定周期TCK)より短くなる短周期異常を検出する。
【0015】
レジスタ11、インバータ12、及びAND回路19は被検査クロック信号CKを2分周する分周回路(周期信号生成回路)を構成している。AND回路19の2つの入力端の一方にはリセット信号RSが供給される。AND回路19の他方の入力端にはインバータ12の出力端が接続されている。AND回路19の出力端はレジスタ11の入力端に接続されている。レジスタ11はその入力端の他にクロック端と出力端とを有している。レジスタ11のクロック端には被検査クロック信号CKが供給され、出力端はインバータ12の入力端に接続されている。レジスタ11はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持して保持信号を出力端から出力する。インバータ12はレジスタ11の出力端のレベルを反転し、その反転したレベルを有する信号を出力する。AND回路19はリセット信号RSのレベルとインバータ12の出力信号レベルとの論理積をとる。
【0016】
遅延回路13は被検査クロック信号CKの規定周期TCKより若干短い遅延時間(規定周期TCK弱)だけ入力信号を遅延させる。遅延回路13の入力端はレジスタ11の出力端に接続され、入力信号としてレジスタ11の保持信号を受け入れる。遅延回路13の出力端はOR回路20の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。OR回路20の他方の入力端は反転入力端であり、その反転入力端にはリセット信号RSが供給される。OR回路20の出力端はレジスタ14の入力端に接続されている。レジスタ14はその入力端の他にクロック端と反転出力端とを有している。レジスタ14のクロック端には被検査クロック信号CKが供給され、反転出力端はXOR回路15の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。レジスタ14はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持し、その保持レベルの反転レベルを出力端から出力する。
【0017】
XOR回路15の他方の入力端はレジスタ11の出力端に接続されている。XOR回路15は判別回路に相当し、レジスタ11、14の出力信号レベルの排他的論理和をとる。後述するが、XOR回路15の出力信号レベルが低レベル(L)から高レベル(H)になると、被検査クロック信号CKの短周期異常が検出されたこととなる。
【0018】
インバータ16、OR回路17、レジスタ18、及びAND回路21はXOR回路15の高レベル出力を保持する保持回路を構成している。OR回路17の2つの入力端のうちの一方の入力端にはXOR回路15の出力端が接続され、他方の入力端はレジスタ18の出力端に接続されている。また、OR回路17の出力端はAND回路21の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。AND回路21の他方の入力端にはリセット信号RSが供給される。AND回路21の出力端はレジスタ18の入力端に接続されている。レジスタ18はその入力端の他にクロック端と出力端とを有している。レジスタ18のクロック端には被検査クロック信号CKがインバータ16を介して供給され、出力端は上述したようにOR回路17の他方の入力端に接続されている。レジスタ18はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの反転信号の立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持して出力端から出力する。レジスタ48の出力端からは異常検出フラグ信号が出力され、高レベルの異常検出フラグ信号が出力される場合は被検査クロック信号CKの短周期異常が検出されたことを示す。
【0019】
次に、上述した構成を有するクロック異常検出回路10の動作について図2及び図3のタイムチャートを用いて説明する。
【0020】
図2及び図3に示した被検査クロック信号CKは、正常時には規定周期TCKを有し、デューティ比50%で低レベルと高レベルとを繰り返すとしている。なお、被検査クロック信号CKのデューティ比は50%以外でも良いことは勿論である。また、本実施例1では被検査クロック信号CKの1周期の開始時点を被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミングとしているが、これ以外のタイミングを開始時点としても良い。
図2に示した被検査クロック信号CKの例ではその周期が常に規定周期TCKである正常の場合である。図3に示した被検査クロック信号CKの例では、その周期が規定周期TCKより短くなる短周期異常が生じる場合である。
【0021】
先ず、図2に示した被検査クロック信号CKでは、時点T11~T22のうちの奇数番T11、T13、・・・が立ち下がりタイミングであり、偶数番T12、T14、・・・が立ち上がりタイミングである。時点T11では被検査クロック信号CKは低レベルであり、時点T12では被検査クロック信号CKは高レベルであり、以降の時点T13~T22でそれを繰り返す。
【0022】
レジスタ11は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T12、T14、・・・で入力端のレベル(AND回路19の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ14は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T12、T14、・・・で入力端のレベル(OR回路20の出力信号レベル)を保持してその保持レベルの反転レベルを出力し、レジスタ18は被検査クロック信号CKの立ち下がりの時点T11、T13、・・・で入力端のレベル(AND回路21の出力信号レベル)を保持出力する。
【0023】
図2に示すように、リセット信号RSが時点T12と時点T13との間において低レベルから高レベルに変化する場合には、それより前の時点T11では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路21の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ18の出力信号レベルが時点T11において低レベルとなる。レジスタ18の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0024】
時点T12では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路19の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ11の出力信号は時点T12で低レベルになる。また、時点T12でOR回路20の出力信号が高レベルであるので、この高レベルによりレジスタ14の出力信号は低レベルとなる。時点T12までではクロック異常検出回路10はリセット状態である。
【0025】
時点T13では、リセット信号RSが高レベルとなっているので、リセット状態にあったクロック異常検出回路10はクロック異常検出動作を開始し、レジスタ11の低レベルの出力信号とレジスタ14の低レベルの出力信号との排他的論理和がXOR回路15によって得られる。XOR回路15は低レベルの出力信号を生成するので、OR回路17から低レベルの出力信号がAND回路21に供給されるので、AND回路21の出力信号は低レベルに維持される。レジスタ18の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T13で低レベルに維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。すなわち、高レベルの異常検出フラグ信号は生成しない。
【0026】
時点T14以降の被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、それまでレジスタ11に保持されたレベルがインバータ12によって反転されることにより保持レベルの反転レベルを次の立ち上がりのタイミングでレジスタ11が保持出力することが行われ、レジスタ11の出力信号は被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミング毎に高レベルと低レベルとを切り替える。これによりレジスタ11の出力信号は被検査クロック信号CKの周期の2倍の周期を有することとなる。
【0027】
時点T14では、レジスタ11の出力信号が遅延回路13によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間だけ遅延され、その遅延された信号がOR回路20を介してレジスタ14の入力端に入力される。遅延回路13の遅延時間が検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間であることから、時点T14ではOR回路20の低レベル出力信号がレジスタ14に保持されるが、レジスタ14からは反転出力により高レベルが出力される。
【0028】
時点T15では、時点T13とは逆にレジスタ11の高レベルの出力信号とレジスタ14の高レベルの出力信号とがXOR回路15に入力されるが、XOR回路15は低レベルの出力信号をそのまま継続して生成するので、時点T13と同様に、OR回路17から低レベルの出力信号がAND回路21に供給されるので、AND回路21の出力信号は低レベルに維持される。レジスタ18から出力される異常検出フラグ信号は時点T15で低レベルを引き続き維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0029】
時点T15以降においても被検査クロック信号CKの立ち上がり(偶数番時点)で、レジスタ11、14の出力信号レベルが反転し、被検査クロック信号CKの立ち下がり(奇数番時点)でレジスタ11、14の出力信号レベルが一致すること(レジスタ11、14の保持信号レベルが互いに異なること)を確認し続ける。被検査クロック信号CKの周期が異常でない図2の例では、レジスタ18から出力される異常検出フラグ信号は常に低レベルとなり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0030】
次に、短周期異常が生じる図3に示した被検査クロック信号CKの例では、時点T31~T43のうちの奇数番T31、T33、・・・が立ち下がりタイミングであり、偶数番T32、T34、・・・が立ち上がりタイミングである。時点T31では被検査クロック信号CKは低レベルであり、時点T32では被検査クロック信号CKは高レベルであり、以降の時点T33~T43でそれを繰り返す。
【0031】
レジスタ11は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T32、T34、・・・で入力端のレベル(AND回路19の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ14は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T32、T34、・・・で入力端のレベル(OR回路20の出力信号レベル)を保持してその保持レベルの反転レベルを出力し、レジスタ18は被検査クロック信号CKの立ち下がりの時点T31、T33、・・・で入力端のレベル(AND回路21の出力信号レベル)を保持出力する。
【0032】
図3に示すように、リセット信号RSが時点T32と時点T33との間において低レベルから高レベルに変化する場合には、それより前の時点T31では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路21の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ18の出力信号レベルが時点T31において低レベルとなる。レジスタ18の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0033】
時点T32では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路19の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ11の出力信号は時点T32で低レベルになる。また、時点T32でOR回路20の出力信号が高レベルであるので、この高レベルによりレジスタ14の出力信号は低レベルとなる。
【0034】
時点T33では、リセット信号RSが高レベルとなっているので、リセット状態にあったクロック異常検出回路10はクロック異常検出動作を開始し、レジスタ11の低レベルの出力信号とレジスタ14の低レベルの出力信号との排他的論理和がXOR回路15によって得られる。XOR回路15は低レベルの出力信号を生成するので、OR回路17から低レベルの出力信号がAND回路21に供給されるので、AND回路21は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ18の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T33で低レベルに維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。すなわち、高レベルの異常検出フラグ信号は生成されない。
【0035】
時点T34以降の被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、それまでレジスタ11に保持されたレベルがインバータ12によって反転されることにより保持レベルの反転レベルを次の立ち上がりのタイミングでレジスタ11が保持出力することが行われ、レジスタ11の出力信号は被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミング毎に高レベルと低レベルとを切り替える。
【0036】
時点T34では、レジスタ11の出力信号が遅延回路13によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間だけ遅延され、その遅延された信号がOR回路20を介してレジスタ14の入力端に入力される。遅延回路13の遅延時間が検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間であることから、時点T34ではOR回路20の低レベル出力信号がレジスタ14に保持されるが、レジスタ14からは反転出力により高レベルが出力される。
【0037】
ここで、図3に示すように、時点T34から時点T36までの期間が被検査クロック信号CKの短周期異常クロック期間とし、その期間では1規定周期TCKよりも短くなっている。
【0038】
短周期異常クロック期間内の時点T35では、時点T33とは逆にレジスタ11の高レベルの出力信号とレジスタ14の高レベルの出力信号とがXOR回路15に入力されるが、XOR回路15は低レベルの出力信号をそのまま継続して生成するので、時点T33と同様に、OR回路17から低レベルの出力信号がAND回路21に供給されるので、AND回路21は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ18の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T35で低レベルに引き続き維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0039】
短周期異常クロック期間が終了する時点T36では、時点T34におけるレジスタ11の低レベル出力信号が遅延回路13によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間だけ遅延され、その遅延された低レベル信号がOR回路20を介してレジスタ14の入力端に入力される。すなわち、遅延回路13の遅延時間は検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間であるが、この短周期異常クロック期間終了時点T36では遅延回路13の出力信号は低レベルのままとなる。よって、OR回路20の低レベル出力信号がレジスタ14に保持されるので、レジスタ14の反転出力からは高レベルが出力され続ける。
【0040】
時点T36では、レジスタ11の低レベルの出力信号とレジスタ14の高レベルの出力信号との排他的論理和がXOR回路15によって得られる。図3に示すようにXOR回路15は低レベルに代えて高レベルの出力信号を生成するので、OR回路17から高レベルの出力信号がAND回路21に供給される。これによりAND回路21の出力信号は低レベルから高レベルに変化する。この高レベルは時点T37においてレジスタ18に保持されるので、レジスタ18の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T37で低レベルから高レベルに変化することになり、被検査クロック信号CKの異常を示す。
【0041】
時点T36以降は被検査クロック信号CKの周期は規定周期TCKに戻り正常となる。これにより時点T38以降はレジスタ11の出力信号レベルとレジスタ14の出力信号レベルとが一致するので、XOR回路15の出力信号は低レベルに戻る。しかしながら、レジスタ18の高レベルの出力信号がOR回路17を介してAND回路21に供給されるので、AND回路21は高レベルの出力信号を維持することとなり、その高レベルをレジスタ18は奇数番時点T39、T41、・・・で保持するので、レジスタ18の出力信号である異常検出フラグ信号は高レベルを維持することなり、被検査クロック信号CKの異常を示す。
【0042】
このように実施例1のクロック異常検出回路10では、被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミング毎にレベル反転する周期信号を、レジスタ11を含む分周回路により生成し、遅延回路13により周期信号を被検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間だけ遅延させて遅延信号を生成し、被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミング毎にその遅延信号のレベルをレジスタ14に保持して保持信号を生成し、周期信号のレベルと保持信号のレベルとの一致をXOR回路15により判別し、XOR回路15から一致の判別結果が得られない場合に被検査クロック信号CKの異常を示す高レベルの異常検出フラグ信号を生成するので、被検査クロック信号CKの周期が規定周期TCKより短くなる短周期異常を簡単な構成でかつ高精度で検出することができる。
【実施例0043】
図4は実施例2のクロック異常検出回路40の回路図を示している。このクロック異常検出回路40は、3つのレジスタ41、44、48と、インバータ42、46と、遅延回路43と、XOR回路45と、OR回路47、50と、AND回路49、51、52とを備えている。クロック異常検出回路40には、被検査クロック信号CKとリセット信号RSとが入力される。クロック異常検出回路40は、被検査クロック信号CKの実際の周期が規定周期より長くなる長周期異常を検出する。
【0044】
レジスタ41、インバータ42、及びAND回路49は被検査クロック信号CKを2分周する分周回路を構成している。AND回路49の2つの入力端の一方にはリセット信号RSが供給される。AND回路49の他方の入力端にはインバータ42の出力端が接続されている。AND回路49の出力端はレジスタ41の入力端に接続されている。レジスタ41はその入力端の他にクロック端と出力端とを有している。レジスタ41のクロック端には被検査クロック信号CKが供給され、出力端はインバータ42の入力端に接続されている。レジスタ41はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持して出力端から出力する。インバータ42はレジスタ41の出力端のレベルを反転し、その反転したレベルを有する信号を出力する。AND回路49はリセット信号RSのレベルとインバータの出力信号レベルとの論理積をとる。
【0045】
OR回路50の2つの入力端の一方は反転入力端であり、その反転入力端にはリセット信号RSが供給される。OR回路50の他方の入力端は非反転入力端であり、レジスタ41の出力端に接続されている。OR回路50の出力端は遅延回路13の入力端に接続されている。
【0046】
遅延回路43は被検査クロック信号CKの規定周期TCKより若干長い遅延時間(規定周期TCK強)だけ入力信号を遅延させる。遅延回路43の出力端はAND回路51の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。AND回路51の他方の入力端にはリセット信号RSが供給される。AND回路51の出力端はレジスタ44の入力端に接続されている。レジスタ44はその入力端の他にクロック端と出力端とを有している。レジスタ44のクロック端には被検査クロック信号CKが供給され、出力端はXOR回路45の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。レジスタ44はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持して出力端から出力する。
【0047】
XOR回路45の他方の入力端はレジスタ41の出力端に接続されている。XOR回路45は判別回路に相当し、レジスタ41、44の出力信号レベルの排他的論理和をとる。後述するが、XOR回路45の出力信号レベルが低レベル(L)から高レベル(H)になると、被検査クロック信号CKの長周期異常が検出されたこととなる。
【0048】
インバータ46、OR回路47、レジスタ48、及びAND回路52はXOR回路45の高レベル出力を保持する保持回路を構成している。OR回路47の2つの入力端のうちの一方の入力端にはXOR回路45の出力端が接続され、他方の入力端はレジスタ48の出力端に接続されている。また、OR回路47の出力端はAND回路52の2つの入力端のうちの一方の入力端に接続されている。AND回路52の他方の入力端にはリセット信号RSが供給される。AND回路52の出力端はレジスタ48の入力端に接続されている。レジスタ48はその入力端の他にクロック端と出力端とを有している。レジスタ48のクロック端には被検査クロック信号CKがインバータ46を介して供給され、出力端は上述したようにOR回路47の他方の入力端に接続されている。レジスタ48はクロック端に供給される被検査クロック信号CKの反転信号の立ち上がりに応答して入力端の信号レベルを保持して出力端から出力する。レジスタ48の出力端からは異常検出フラグ信号が出力され、高レベルの異常検出フラグ信号が出力される場合は被検査クロック信号CKの長周期異常が検出されたことを示す。
【0049】
次に、上述した構成を有するクロック異常検出回路40の動作について図5及び図6のタイムチャートを用いて説明する。
【0050】
図5及び図6に示した被検査クロック信号CKは、正常時には規定周期TCKを有し、デューティ比50%で低レベルと高レベルとを繰り返すとする。なお、被検査クロック信号CKのデューティ比は50%以外でも良いことは勿論である。また、本実施例2でも被検査クロック信号CKの1周期の開始時点を被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミングとしているが、これ以外のタイミングを開始時点としても良い。
図5に示した被検査クロック信号CKの例ではその周期が常に規定周期TCKである正常の場合である。図6に示した被検査クロック信号CKの例では、その周期が規定周期TCKより長くなる長周期異常が生じる場合である。
【0051】
先ず、図5に示した被検査クロック信号CKでは、時点T51~T64のうちの奇数番T51、T53、・・・が立ち下がりタイミングであり、偶数番T52、T54、・・・が立ち上がりタイミングである。時点T51では被検査クロック信号CKは低レベルであり、時点T52では被検査クロック信号CKは高レベルであり、以降の時点T53~T64でそれを繰り返す。
【0052】
レジスタ41は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T52、T54、・・・で入力端のレベル(AND回路49の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ44は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T52、T54、・・・で入力端のレベル(AND回路51の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ48は被検査クロック信号CKの立ち下がりの時点T51、T53、・・・で入力端のレベル(AND回路52の出力信号レベル)を保持出力する。
【0053】
図5に示すように、リセット信号RSが時点T54と時点T55との間において低レベルから高レベルに変化する場合には、それより前の時点T51、T52、T53では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路52の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ48の出力信号レベルが時点T51において低レベルとなる。レジスタ48の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0054】
時点T52では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路49の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ41の出力信号は時点T52で低レベルになる。また、時点T52でAND回路51の出力信号が低レベルであるので、この低レベルによりレジスタ44の出力信号は低レベルとなる。
【0055】
時点T53では、上述したようにリセット信号RSが低レベルであるので、時点T51の場合と同様に、AND回路52の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ48の出力信号レベルが時点T53において低レベルとなる。レジスタ48の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0056】
時点T54では、リセット信号RSが低レベルであるので、時点T52の場合と同様に、AND回路49の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ41の出力信号は時点T54で低レベルになる。また、時点T54でAND回路51の出力信号が低レベルであるので、この低レベルによりレジスタ44の出力信号は低レベルとなる。時点T54までではクロック異常検出回路40はリセット状態である。
【0057】
時点T55では、リセット信号RSが高レベルとなるので、リセット状態にあったクロック異常検出回路40はクロック異常検出動作を開始し、レジスタ41の低レベルの出力信号レベルはOR回路50を介して遅延回路43に供給される。また、レジスタ41の低レベルの出力信号とレジスタ44の低レベルの出力信号との排他的論理和がXOR回路45によって得られる。XOR回路45は低レベルの出力信号を生成するので、OR回路47から低レベルの出力信号がAND回路52に供給されるので、AND回路52は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ48の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T55で低レベルに維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。すなわち、高レベルの異常検出フラグ信号は生成しない。
【0058】
時点T56以降の被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、それまでレジスタ41に保持されたレベルがインバータ42によって反転されることにより保持レベルの反転レベルを次の立ち上がりのタイミングでレジスタ41が保持出力することが行われ、レジスタ41の出力信号は被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミング毎に高レベルと低レベルとを切り替える。これによりレジスタ41の出力信号は被検査クロック信号CKの周期の2倍の周期を有することとなる。
【0059】
時点T56では、レジスタ41の高レベルの出力信号がそのままOR回路50を介して遅延回路43に供給されるので、そのレジスタ41の高レベルの出力信号は遅延回路43によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間だけ遅延され、その遅延された信号がAND回路51を介してレジスタ44の入力端に入力される。遅延回路43の遅延時間が検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間であることから、時点T56ではAND回路51の高レベル出力信号がレジスタ44に保持出力される。
【0060】
時点T57では、時点T55とは逆にレジスタ41の高レベルの出力信号とレジスタ44の高レベルの出力信号とがXOR回路45に入力されるが、XOR回路45は低レベルの出力信号をそのまま生成するので、時点T55と同様に、OR回路47から低レベルの出力信号がAND回路52に供給されるので、AND回路52は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ48の出力信号は時点T57で低レベルに引き続き維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0061】
時点T57以降においても被検査クロック信号CKの立ち上がり(偶数番時点)で、レジスタ41、44の出力信号レベルが反転し、被検査クロック信号CKの立ち下がり(奇数番時点)でレジスタ41、44の出力信号レベルが一致すること(レジスタ41、14の保持信号レベルが互いに異なること)を確認し続ける。被検査クロック信号CKの周期が異常でない図5の例では、レジスタ48から出力される異常検出フラグ信号は常に低レベルとなり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0062】
次に、長周期異常が生じる図6に示した被検査クロック信号CKの例では、時点T71~T84のうちの奇数番T71、T73、・・・が立ち下がりタイミングであり、偶数番T72、T74、・・・が立ち上がりタイミングである。時点T71では被検査クロック信号CKは低レベルであり、時点T72では被検査クロック信号CKは高レベルであり、以降の時点T73~T84でそれを繰り返す。
【0063】
レジスタ41は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T72、T74、・・・で入力端のレベル(AND回路49の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ44は被検査クロック信号CKの立ち上がりの時点T72、T74、・・・で入力端のレベル(AND回路51の出力信号レベル)を保持出力し、レジスタ48は被検査クロック信号CKの立ち下がりの時点T71、T73、・・・で入力端のレベル(AND回路52の出力信号レベル)を保持出力する。
【0064】
図6に示すように、リセット信号RSが時点T74と時点T75との間において低レベルから高レベルに変化する場合には、それより前の時点T71、T72、T73では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路52の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ48の出力信号レベルが時点T71において低レベルとなる。レジスタ48の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0065】
時点T72では、リセット信号RSが低レベルであるので、AND回路49の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ41の出力信号は時点T72で低レベルになる。また、時点T72でAND回路51の出力信号が低レベルであるので、この低レベルによりレジスタ44の出力信号は低レベルとなる。
【0066】
時点T73では、上述したようにリセット信号RSが低レベルであるので、時点T71の場合と同様に、AND回路52の出力信号レベルは低レベルとなり、レジスタ48の出力信号レベルが時点T73において低レベルとなる。レジスタ48の低レベルの出力信号である異常検出フラグ信号は被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0067】
時点T74では、リセット信号RSが低レベルであるので、時点T72の場合と同様に、AND回路49の出力信号は低レベルとなる。この低レベルによりレジスタ41の出力信号は時点T74で引き続き低レベルになる。また、時点T74でAND回路51の出力信号が低レベルであるので、この低レベルによりレジスタ44の出力信号は低レベルとなる。
【0068】
時点T75では、リセット信号RSが高レベルとなるので、リセット状態にあったクロック異常検出回路40はクロック異常検出動作を開始し、レジスタ41の低レベルの出力信号レベルはOR回路50を介して遅延回路43に供給される。また、レジスタ41の低レベルの出力信号とレジスタ44の低レベルの出力信号との排他的論理和がXOR回路45によって得られる。XOR回路45は低レベルの出力信号を生成するので、OR回路47から低レベルの出力信号がAND回路52に供給されるので、AND回路52は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ48の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T75で低レベルに維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。すなわち、高レベルの異常検出フラグ信号は生成しない。
【0069】
時点T76以降の被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミングで、それまでレジスタ41に保持されたレベルがインバータ42によって反転されることにより保持レベルの反転レベルを次の立ち上がりのタイミングでレジスタ41が保持出力することが行われ、レジスタ41の出力信号は被検査クロック信号CKの立ち上がりのタイミング毎に高レベルと低レベルとを切り替える。
【0070】
時点T76では、レジスタ41の高レベルの出力信号がそのままOR回路50を介して遅延回路43に供給されるので、そのレジスタ41の高レベルの出力信号は遅延回路43によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間だけ遅延され、その遅延された信号がAND回路51を介してレジスタ44の入力端に入力される。遅延回路43の遅延時間が検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間であることから、時点T76ではAND回路51の高レベル出力信号がレジスタ44に保持出力される。
【0071】
時点T77では、時点T75とは逆にレジスタ41の高レベルの出力信号とレジスタ44の高レベルの出力信号とがXOR回路45に入力されるが、XOR回路45は低レベルの出力信号を引き続きそのまま生成し、時点T75と同様に、OR回路47から低レベルの出力信号がAND回路52に供給されるので、AND回路52の出力信号は低レベルに維持される。レジスタ48の出力信号は時点T77で低レベルに引き続き維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0072】
時点T78では、レジスタ41の低レベルの出力信号がそのままOR回路50を介して遅延回路43に供給されるので、そのレジスタ41の低レベルの出力信号は遅延回路43によって被検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間だけ遅延され、その遅延された信号がAND回路51を介してレジスタ44の入力端に入力される。遅延回路43の遅延時間が検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間であることから、時点T78ではAND回路51の低レベル出力信号がレジスタ44に保持出力される。
【0073】
ここで、図6に示すように、時点T78から時点T80までの期間が被検査クロック信号CKの長周期異常クロック期間とし、その期間では1規定周期TCKよりも長くなっている。
【0074】
長周期異常クロック期間内の時点T79では、時点T77とは逆、レジスタ41の低レベルの出力信号とレジスタ44の低レベルの出力信号とがXOR回路45に入力されるが、XOR回路45は低レベルの出力信号をそのまま生成し、それまでと同様に、OR回路47から低レベルの出力信号がAND回路52に供給されるので、AND回路52は低レベルの出力信号を維持する。レジスタ48の出力信号は時点T79で低レベルに引き続き維持されることになり、被検査クロック信号CKの正常を示す。
【0075】
長周期異常クロック期間が終了する時点T80では、時点78からの遅延回路43の遅延時間が既に終了しており、遅延回路43の出力信号レベルは低レベルとなっている。低レベルがAND回路51を介してレジスタ44に供給されるので、時点T80でレジスタ44は低レベルの出力信号を維持することになり、その低レベルの出力信号がXOR回路45の一方の入力端に供給される。また、時点T80では、レジスタ41が高レベルの出力信号を生成し、その高レベルの出力信号がそのままOR回路50を介して遅延回路43に供給される一方、そのレジスタ41の高レベルの出力信号がXOR回路45の他方の入力端に入力される。よって、XOR回路45ではレジスタ41の高レベルの出力信号とレジスタ44の低レベルの出力信号との排他的論理和がとられる。図6に示すようにXOR回路45は時点80で低レベルに代えて高レベルの出力信号を生成するので、OR回路47から高レベルの出力信号がAND回路52に供給され、これによりAND回路52の出力信号は低レベルから高レベルに変化する。この高レベルは時点T81においてレジスタ48に保持されるので、レジスタ48の出力信号である異常検出フラグ信号は時点T81で低レベルから高レベルに変化することになり、被検査クロック信号CKの異常を示す。
【0076】
時点T80以降は被検査クロック信号CKの周期は規定周期TCKに戻り正常となる。これにより時点T82以降はレジスタ41の出力信号レベルとレジスタ44の出力信号レベルとが一致するので、XOR回路45の出力信号は低レベルに戻る。しかしながら、レジスタ48の高レベルの出力信号がOR回路47を介してAND回路52に供給されるので、AND回路52は高レベルの出力信号を維持することとなり、その高レベルをレジスタ48は奇数番時点T83、・・・で保持するので、レジスタ48の出力信号である異常検出フラグ信号は高レベルを維持することなり、被検査クロック信号CKの異常を示す。
【0077】
このように実施例2のクロック異常検出回路40では、被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミング毎にレベル反転する周期信号を、レジスタ41を含む分周回路により生成し、遅延回路43により周期信号を被検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間だけ遅延させて遅延信号を生成し、被検査クロック信号CKの立ち上がりタイミング毎にその遅延信号のレベルをレジスタ44に保持して保持信号を生成し、周期信号のレベルと保持信号のレベルとの一致をXOR回路45により判別し、XOR回路45から一致の判別結果が得られない場合に被検査クロック信号CKの異常を示す高レベルの異常検出フラグ信号を生成するので、被検査クロック信号CKの周期が規定周期TCKより長くなる長周期異常を簡単な構成でかつ高精度で検出することができる。
【0078】
なお、実施例1のクロック異常検出回路10及び実施例2のクロック異常検出回路40の各々の具体的な回路構成は上述したものに限定されない。例えば、クロック異常検出回路10では、図7に示すように、OR回路20に代えてAND回路20aを用いることができる。AND回路20aを用いた場合には、そのAND回路20aの出力端に接続されるレジスタ44aにはレジスタ44のように反転出力するものを用いる必要はない。その他の構成は図1に示したクロック異常検出回路10と同一である。
【0079】
実施例1のクロック異常検出回路10は被検査クロック信号CKの周期が規定周期TCKより短くなる短周期異常を検出する構成であり、実施例2のクロック異常検出回路40は被検査クロック信号CKの周期が規定周期TCKより長くなる長周期異常を検出する構成であるが、クロック異常検出回路10とクロック異常検出回路40とを1つのクロック異常検出回路として被検査クロック信号CKの短周期異常及び長周期異常の双方を検出するようにしても良い。その1つのクロック異常検出回路では、短周期異常系及び長周期異常検出系で回路を共通化することができる。例えば、被検査クロック信号CKの周期を2倍にする分周回路と、XOR回路15又は45の高レベル出力を保持して高レベルの異常検出フラグ信号を生成する周期異常信号生成回路とについては短周期異常系及び長周期異常検出系の双方で共通化することができる。
【0080】
また、実施例1、2のクロック異常検出回路10、40における遅延回路13、43の遅延時間は、短周期異常検出の場合には検査クロック信号CKの1規定周期TCK弱の時間とし、長周期異常検出の場合には検査クロック信号CKの1規定周期TCK強の時間としたが、遅延回路13、43の各々において何種類かの遅延時間を外部から選択的に設定可能とする構成にしても良い。
【0081】
また、遅延回路13の遅延時間は被検査クロック信号CKの規定周期TCKより短い時間であるが、規定周期TCKに近い時間に設定するほど短周期異常の検出精度を上げることができる。同様に、遅延回路43の遅延時間は被検査クロック信号CKの規定周期TCKより長い時間であるが、規定周期TCKに近い時間に設定するほど長周期異常の検出精度を上げることができる。
【符号の説明】
【0082】
10、40 クロック異常検出回路
11、14、14a、18、41、44、48 レジスタ
12、16、42、46 インバータ
13、43 遅延回路
15、45 XOR回路
17、20、47、50 OR回路
19、20a、21、49、51、52 AND回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7