(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005998
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20250109BHJP
H04L 65/80 20220101ALI20250109BHJP
H04L 67/12 20220101ALI20250109BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20250109BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20250109BHJP
H04L 67/5651 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
H04L67/50
H04L65/80
H04L67/12
H04W28/06
H04W28/04
H04L67/5651
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106496
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 淳
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 広幸
(72)【発明者】
【氏名】竹本 麻衣
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067HH25
(57)【要約】
【課題】遅延の要求を満たしつつ、無線通信の信頼度を向上させることを可能とする通信装置及び通信方法を提供する。
【解決手段】アプリケーションデータとアプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、第1アプリケーションデータを送信する場合、記憶部を参照して、第1アプリケーションデータと、第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が記憶部に記憶されているか否かを判定し、第1対応情報が記憶部に記憶されていない場合、第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を記憶部に記憶する制御部と、第1対応情報が記憶部に記憶されている場合、第1識別情報を送信し、第1対応情報が記憶部に記憶されていない場合、第1アプリケーションデータを送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、
第1アプリケーションデータを送信する場合、前記記憶部を参照して、前記第1アプリケーションデータと、前記第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を前記記憶部に記憶する制御部と、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報を送信し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータを送信する送信部と、を備える、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータの送信が成功したか否かを判定し、
前記第1アプリケーションデータの送信が成功した場合に、前記第2対応情報を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記制御部は、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報についての誤り訂正に用いられる情報を前記第1識別情報に付加する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記記憶部に記憶された前記対応情報は、前記制御部によって生成された情報、または、前記通信装置と異なる他の通信装置によって生成された情報である、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記対応情報は、前記送信部が前記対応情報に含まれる前記アプリケーションデータと同一のアプリケーションデータを送信した回数を含み、
前記制御部は、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1対応情報に含まれる第1回数に対して所定の回数を加算し、
前記記憶部が記憶する前記対応情報の数が所定の条件を満たす場合、前記第1回数が他の対応情報よりも少ない前記対応情報を前記他の対応情報よりも優先して削除する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項6】
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、
データを受信する受信部と、
前記受信部が第1データを受信した場合、前記第1データの種別が前記識別情報の第1種別と前記アプリケーションデータの第2種別とを含む複数の種別のいずれであるかを判定し、前記第1データの種別が前記第2種別である場合、前記第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報を前記記憶部に記憶する制御部と、を備える、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項7】
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶部に記憶し、
第1アプリケーションデータを送信する場合、前記記憶部を参照して、前記第1アプリケーションデータと、前記第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を前記記憶部に記憶し、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報を送信し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータを送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた対応情報を記憶部に記憶し、
第1データを受信した場合、前記第1データの種別が前記識別情報の第1種別と前記アプリケーションデータの第2種別とを含む複数の種別のいずれであるかを判定し、前記第1データの種別が前記第2種別である場合、前記第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信ネットワークでは、例えば、交通システムやスマートメータの監視システム等を含む多くのIoT(Internet of Things)サービスの展開が行われている。そのため、このような通信ネットワークには、例えば、多様な要求条件を持つサービスに対応することが求められている。
【0003】
上記のような多様なサービスに対応するため、第5世代移動体通信(以下、単に5Gとも呼ぶ)の通信規格では、第4世代移動体通信(以下、単に4Gとも呼ぶ)の標準技術に加えて、例えば、超高信頼かつ低遅延な無線通信(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)等に分類される多くのユースケースのサポートを想定した規格が策定されている。
【0004】
具体的に、URLLCでは、例えば、遠隔手術や機器の遠隔制御等のミッションクリティカルな用途における適用が想定されており、End-to-Endで数ミリ秒程度の非常に短い遅延時間が要求されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-161396号公報
【特許文献2】特表2011-524146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、5Gでは、遅延時間に対する要求が高いユースケースもある。遅延時間に対する要求が高いユースケースでは、遅延要求を満たす必要があるため、例えば、データの再送を行うことによって受信側におけるデータの受信成功率(すなわち、無線通信の信頼度)の向上を図ることが難しい場合がある。
【0007】
また、例えば、MIMO(Multi-Input and Multi-Output)の機能を用いることによって、受信側に対して複数の経路から同一のデータを同時に送信することにより、受信側におけるデータの受信成功率を向上させることが可能になる。しかしながら、この場合、受信側において複数経路から送信される各データを待ち受ける必要があるため、各データが揃うまでの待ち時間が発生する場合がある。
【0008】
そこで、一つの側面では、本発明は、遅延の要求を満たしつつ、無線通信の信頼度を向上させることを可能とする通信装置及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の形態の一態様における通信装置は、アプリケーションデータと前記アプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、第1アプリケーションデータを送信する場合、前記記憶部を参照して、前記第1アプリケーションデータと、前記第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を前記記憶部に記憶する制御部と、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報を送信し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータを送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
一つの側面によれば、遅延の要求を満たしつつ、無線通信の信頼度を向上させる無線通信を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【
図3】
図3は、端末装置2のハードウエア構成を説明する図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置1の機能について説明する図である。
【
図5】
図5は、情報処理装置1における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【
図6】
図6は、端末装置2の機能について説明する図である。
【
図7】
図7は、端末装置2における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の概略を説明するフローチャート図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の概略を説明するフローチャート図である。
【
図10】
図10は、データ送受信処理の具体例について説明する図である。
【
図11】
図11は、データ送受信処理の具体例について説明する図である。
【
図12】
図12は、データ送受信処理の具体例について説明する図である。
【
図13】
図13は、データ送受信処理の具体例について説明する図である。
【
図14】
図14は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図16】
図16は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明するフローチャート図である。
【
図17】
図17は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明する図である。
【
図18】
図18は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明する図である。
【
図19】
図19は、第1の実施の形態における第1情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【
図20】
図20は、第1の実施の形態における第1情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【
図21】
図21は、第1の実施の形態における第2情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【
図22】
図22は、第1の実施の形態における第2情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【
図23】
図23は、第1の実施の形態における情報削除処理について説明するフローチャート図である。
【
図24】
図24は、第1の実施の形態における情報削除処理について説明するフローチャート図である。
【
図25】
図25は、基地局装置3のハードウエア構成を説明する図である。
【
図26】
図26は、基地局装置3の機能について説明する図である。
【
図27】
図27は、基地局装置3における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【
図28】
図28は、第2の実施の形態におけるデータ送受信処理を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる説明は限定的な意味に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。また、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することがなく様々な変更や置換や改変をすることができる。また、異なる実施の形態を適宜組み合わせることができる。
【0013】
[第1の実施の形態における情報処理システムの構成]
初めに、情報処理システム10の構成について説明を行う。
図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【0014】
情報処理システム10は、
図1に示すように、例えば、情報処理装置1と、端末装置2aと、端末装置2bと、基地局装置3aと、基地局装置3bとを有する。以下、情報処理装置1を通信装置1とも呼ぶ。また、以下、端末装置2aと端末装置2bとを総称して単に端末装置2または通信装置2とも呼ぶ。また、以下、基地局装置3aと基地局装置3bとを総称して単に基地局装置3または通信装置3とも呼ぶ。
【0015】
なお、以下、情報処理システム10が2台の基地局装置3と2台の端末装置2とを有する場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、情報処理システム10は、例えば、1台または3台以上の端末装置2を有するものであってもよい。また、情報処理システム10は、例えば、1台または3台以上の基地局装置3を有するものであってもよい。
【0016】
情報処理装置1は、例えば、物理マシンまたは仮想マシンであり、ネットワークNWを介して基地局装置3のそれぞれと接続を行ってアプリケーションデータの送受信を行う。アプリケーションデータは、例えば、情報処理装置1が端末装置2に対して動作指示を行うデータである。以下、アプリケーションデータを単にアプリデータとも表記する。
【0017】
基地局装置3のそれぞれは、例えば、情報処理装置1と接続を行ってアプリケーションデータの送受信を行うとともに、端末装置2のうちの少なくとも1台と無線接続を行ってアプリケーションデータの送受信を行う。
【0018】
端末装置2のそれぞれは、例えば、工場内に配置された装置(機器)であり、基地局装置3のうちの少なくとも1台と無線接続を行ってアプリケーションデータの送受信を行う。以下、情報処理装置1が1台の基地局装置3(例えば、基地局装置3a)を介して1台の端末装置2(例えば、端末装置2a)とアプリケーションデータの送受信を行う場合について説明を行う。
【0019】
具体的に、情報処理装置1は、例えば、基地局装置3を介して端末装置2に対してアプリケーションデータを送信する。そして、端末装置2は、この場合、例えば、基地局装置3を介して情報処理装置1から送信されたアプリケーションデータに応じた動作を行う。
【0020】
さらに具体的に、情報処理装置1は、例えば、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを識別する情報(以下、単に識別情報とも呼ぶ)とを対応付けた情報(以下、対応情報とも呼ぶ)を記憶する記憶部を有する。そして、情報処理装置1は、例えば、アプリケーションデータ(以下、第1アプリケーションデータとも呼ぶ)を送信する場合、記憶部を参照して、第1アプリケーションデータと第1アプリケーションに対応する識別情報(以下、第1識別情報とも呼ぶ)とを対応付けた対応情報(以下、第1対応情報とも呼ぶ)が記憶部に記憶されているか否かを判定する。
【0021】
その結果、第1対応情報が記憶部に記憶されている場合、情報処理装置1は、例えば、第1対応情報に含まれる第1識別情報を特定(選択)する。一方、第1対応情報が記憶部に記憶されていない場合、情報処理装置1は、例えば、第1アプリケーションデータと新たな識別情報(以下、第2識別情報とも呼ぶ)とを対応付けて生成した新たな対応情報(以下、第2対応情報とも呼ぶ)を記憶部に記憶する。
【0022】
さらに、第1対応情報が記憶部に記憶されている場合、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対して第1識別情報を送信する。一方、第1対応情報が記憶部に記憶されていない場合、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対して第1アプリケーションデータを送信する。
【0023】
また、端末装置2は、例えば、情報処理装置1と同様に、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを識別する識別情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を有する。そして、端末装置2は、例えば、情報処理装置1から送信されたデータ(以下、第1データとも呼ぶ)を受信した場合、第1データの種別が識別情報の種別(以下、第1種別とも呼ぶ)とアプリケーションデータの種別(以下、第2種別とも呼ぶ)とを含む複数の種別のいずれであるかを判定する。その結果、第1データの種別が第1種別である場合、端末装置2は、例えば、記憶部を参照して、第1データをアプリケーションデータ(以下、第2アプリケーションデータとも呼ぶ)に変換する。一方、第1データの種別が第2種別である場合、端末装置2は、例えば、第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報を記憶部に記憶する。
【0024】
すなわち、情報処理装置1から端末装置2に対してアプリケーションデータの送信が行われた場合、情報処理装置1と端末装置2とのそれぞれは、予め定められた同一のルールに従って、送受信が行われたアプリケーションデータについての対応情報を生成して蓄積する。そして、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対して過去の送信したアプリケーションデータを同一の端末装置2に対して再度送信する場合、情報処理装置1において蓄積済の対応情報を参照して、アプリケーションデータよりもデータ量が少ない識別情報に変換してから送信を行う。一方、端末装置2は、例えば、情報処理装置1から過去に受信した識別情報を再度受信した場合、端末装置2において蓄積済の対応情報を参照して、識別情報からアプリケーションデータの復元を行う。
【0025】
これにより、情報処理装置1は、例えば、同一の端末装置2に対して複数回送信されるアプリケーションデータについて、端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることが可能になる。また、例えば、情報処理装置1が端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることで、誤り訂正符号におけるパリティ部分を増やすことができ、データの信頼性を向上させることができる。そのため、情報処理装置1は、端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることで、例えば、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の信頼性を向上させることが可能になる。
【0026】
したがって、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対するアプリケーションデータの再送頻度を抑制することが可能になり、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の遅延発生を抑制することが可能になる。
【0027】
[情報処理装置のハードウエア構成]
次に、情報処理装置1のハードウエア構成について説明を行う。
図2は、情報処理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【0028】
情報処理装置1は、
図2に示すように、例えば、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、I/Oインタフェース(通信回路)103と、記憶装置104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0029】
記憶装置104は、例えば、端末装置2との間においてアプリケーションデータの送受信を行う処理(以下、データ送受信処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。また、記憶装置104は、例えば、データ送受信処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。
【0030】
なお、記憶装置104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。また、記憶装置104は、例えば、情報処理装置1の外部に設けられる装置であってもよい。
【0031】
CPU101は、例えば、記憶装置104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行してデータ送受信処理を行う。
【0032】
I/Oインタフェース103は、例えば、ネットワークNWを介して基地局装置3のそれぞれと通信を行う。
【0033】
[端末装置のハードウエア構成]
次に、端末装置2のハードウエア構成について説明を行う。
図3は、端末装置2のハードウエア構成を説明する図である。
【0034】
端末装置2は、
図3に示すように、例えば、プロセッサであるCPU201と、メモリ202と、I/Oインタフェース(通信回路)203と、記憶装置204とを有する。各部は、バス205を介して互いに接続される。
【0035】
記憶装置204は、例えば、データ送受信処理を行うためのプログラム210を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。また、記憶装置204は、例えば、データ送受信処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部230(以下、情報格納領域230とも呼ぶ)を有する。
【0036】
なお、記憶装置204は、例えば、HDDやSSDであってよい。また、記憶装置204は、例えば、端末装置2の外部に設けられる装置であってもよい。
【0037】
CPU201は、例えば、記憶装置204からメモリ202にロードされたプログラム210を実行してデータ送受信処理を行う。
【0038】
I/Oインタフェース203は、例えば、基地局装置3のうちの少なくともいずれかと無線通信を行う。
【0039】
[情報処理装置の機能]
次に、情報処理装置1の機能について説明を行う。
図4は、情報処理装置1の機能について説明する図である。また、
図5は、情報処理装置1における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【0040】
情報処理装置1は、
図4に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラム110とが有機的に協働することにより、データ処理部111と、データ変換部112と、データ送信部113と、データ管理部114と、データ受信部115とを有する。以下、データ変換部112とデータ管理部114とを総称して単に制御部と呼ぶ。また、データ送信部113を単に送信部とも呼ぶ。
【0041】
また、情報格納領域130には、
図4に示すように、例えば、対応情報131が記憶される。
【0042】
データ処理部111は、例えば、端末装置2に対して送信するアプリケーションデータ(以下、送信対象のアプリケーションとも呼ぶ)を生成する。具体的に、データ処理部111は、例えば、端末装置2の遠隔制御を行うためのアプリケーションデータを生成する。
【0043】
データ変換部112は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131を参照して、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されているか否かを判定する。対応情報131は、例えば、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた情報である。そして、データ変換部112は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合、送信対象のアプリケーションデータを同一の対応情報131に含まれる識別情報に変換する。
【0044】
すなわち、例えば、送信対象のアプリケーションデータが端末装置2に対して既に送信されており、送信対象のアプリケーションデータについての対応情報131が情報格納領域130において既に蓄積されている場合、データ変換部112は、送信対象のアプリケーションデータを識別情報に変換する。
【0045】
データ送信部113は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合、データ変換部112が変換した識別情報を基地局装置3に送信する。そして、基地局装置3は、この場合、例えば、データ送信部113から送信された識別情報を端末装置2に送信する。
【0046】
また、データ送信部113は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されていない場合、送信対象のアプリケーションデータを基地局装置3に送信する。そして、基地局装置3は、この場合、例えば、データ送信部113から送信されたアプリケーションデータを端末装置2に送信する。
【0047】
すなわち、例えば、送信対象のアプリケーションデータについての対応情報131が情報格納領域130に蓄積されていない場合、データ変換部112は、送信対象のアプリケーションデータの変換を行わない。
【0048】
データ管理部114は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されていない場合、送信対象のアプリケーションデータと新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報131を生成する。新たな識別情報は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131に含まれる識別情報のそれぞれが示す番号よりも大きい番号であってよい。そして、データ管理部114は、例えば、生成した新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0049】
すなわち、データ管理部114は、この場合、例えば、送信対象のアプリケーションの端末装置2に対する送信が再度行われる際に、送信対象のアプリケーションの変換が可能になるように、送信対象のアプリケーションデータについての新たな対応情報131を生成して情報格納領域130に蓄積する。
【0050】
データ受信部115は、例えば、端末装置2から送信された各種情報を受信する。
【0051】
なお、データ送信部113及びデータ受信部115は、
図5に示すように、例えば、PHY(PHYsical)層、MAC(Medium Access Control)層、IP(Internet Protocol)層、TCP(Transmission Control Protocol)層及びUDP層(User Datagram Protocol)等において実現される機能であってよい。また、データ処理部111は、例えば、TCP層等の上位層であるアプリケーション層において実現される機能であってよい。さらに、データ変換部112及びデータ管理部114は、例えば、TCP層等の上位層であってアプリケーション層の下位層である層(以下、特定処理層とも呼ぶ)、または、アプリケーション層において実現される機能であってよい。
【0052】
[端末装置の機能]
次に、端末装置2の機能について説明を行う。
図6は、端末装置2の機能について説明する図である。また、
図7は、端末装置2における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【0053】
端末装置2は、
図6に示すように、例えば、CPU201やメモリ202等のハードウエアとプログラム210とが有機的に協働することにより、データ受信部211と、データ変換部212と、データ管理部213と、データ処理部214と、データ送信部215とを有する。以下、データ受信部211を単に受信部とも呼ぶ。また、データ変換部212とデータ管理部213とを総称して単に制御部と呼ぶ。
【0054】
また、情報格納領域230には、
図6に示すように、例えば、対応情報231が記憶される。
【0055】
データ受信部211は、例えば、情報処理装置1から送信されたデータ(以下、受信データとも呼ぶ)を受信する。具体的に、データ受信部211は、例えば、情報処理装置1から送信されたアプリケーションデータまたは識別情報を受信する。
【0056】
データ変換部212は、例えば、データ受信部211が受信データを受信した場合、受信した受信データの種別が第1種別(識別情報の種別)と第2種別(アプリケーションデータの種別)とのいずれであるかを判定する。
【0057】
具体的に、データ変換部212は、例えば、受信データのヘッダにおける所定位置に格納された情報(例えば、情報処理装置1のデータ送信部113によって格納された情報)を参照することにより、受信データの種別を特定する。さらに具体的に、データ変換部212は、例えば、受信したデータのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)ヘッダにおけるR(Reserved)フィールドに格納された情報を参照することにより、受信データの種別を特定する。
【0058】
その結果、受信データの種別が第1種別である場合、データ変換部212は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231を参照して、受信データをアプリケーションデータに変換(復元)する。対応情報231は、対応情報131と同様に、例えば、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた情報である。
【0059】
すなわち、データ変換部212は、この場合、例えば、情報処理装置1が記憶する対応情報131と同じ内容を有すると判断可能な対応情報231を参照することにより、受信データを変換される前の状態のデータ(アプリケーションデータ)に変換する。
【0060】
データ管理部213は、受信データの種別が第2種別である場合、例えば、受信データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する。
【0061】
すなわち、データ管理部213は、この場合、例えば、受信データが情報処理装置1において変換されなかったデータ(アプリケーションデータ)であると判定する。そして、データ管理部213は、例えば、受信データについての新たな対応情報131が情報処理装置1において新たに蓄積されているものと判定し、受信データについての新たな対応情報231を情報格納領域230に蓄積する。
【0062】
データ処理部214は、例えば、データ変換部112が変換したアプリケーションデータを用いた処理を行う。
【0063】
データ送信部215は、例えば、情報処理装置1に対して各種情報を送信する。
【0064】
なお、データ受信部211及びデータ送信部215は、
図7に示すように、例えば、PHY層、MAC層、IP層、TCP層及びUDP層等において実現される機能であってよい。また、データ処理部214は、例えば、TCP層等の上位層であるアプリケーション層において実現される機能であってよい。さらに、データ変換部212及びデータ管理部213は、例えば、TCP層等の上位層であってアプリケーション層の下位層である層(特定処理層)、または、アプリケーション層において実現される機能であってよい。
【0065】
また、以下、アプリケーションデータが情報処理装置1から端末装置2に対して送信される場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、アプリケーションデータは、例えば、端末装置2から情報処理装置1に対して送信されるものであってもよい。そして、端末装置2は、この場合、例えば、情報処理装置1が有する各機能(例えば、データ変換部112、データ送信部113及びデータ管理部114)と同様の機能についても有するものであってもよい。また、情報処理装置1は、この場合、例えば、端末装置2が有する各機能(例えば、データ受信部211、データ変換部212及びデータ管理部213)と同様の機能についても有するものであってもよい。
【0066】
[第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の概略]
次に、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の概略について説明する。
図8及び
図9は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の概略を説明するフローチャート図である。
【0067】
初めに、情報処理装置1における処理について説明を行う。
図8は、情報処理装置1における処理を説明するフローチャート図である。
【0068】
データ変換部112は、
図8に示すように、例えば、送信対象のアプリケーションデータを送信するタイミングになるまで待機する(S1のNO)。具体的に、データ変換部112は、例えば、データ処理部111が送信対象のアプリケーションデータを生成するまで待機する。
【0069】
そして、送信対象のアプリケーションデータを送信するタイミングになった場合(S1のYES)、データ変換部112は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131を参照して、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されているか否かを判定する(S2)。
【0070】
その結果、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合(S2のYES)、データ変換部112は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを同一の対応情報131に含まれる識別情報に変換する(S3)。
【0071】
そして、データ送信部113は、例えば、データ変換部112が変換した識別情報を基地局装置3に送信する(S4)。その後、基地局装置3は、例えば、データ送信部113から送信された識別情報を端末装置2に送信する。
【0072】
一方、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されていない場合(S2のNO)、データ送信部113は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを基地局装置3に送信する(S5)。そして、基地局装置3は、例えば、データ送信部113から送信されたアプリケーションデータを端末装置2に送信する。
【0073】
その後、データ管理部114は、例えば、送信対象のアプリケーションデータと新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報131を生成し、生成した新たな対応情報を情報格納領域130に記憶する(S6)。
【0074】
次に、端末装置2における処理について説明を行う。
図9は、端末装置2における処理を説明するフローチャート図である。
【0075】
データ受信部211は、
図9に示すように、例えば、情報処理装置1から送信されたデータを受信するまで待機する(S11のNO)。
【0076】
そして、情報処理装置1から送信されたデータを受信した場合(S11のYES)、データ変換部212は、例えば、S11の処理で受信したデータの種別が第1種別と第2種別とのいずれであるかを判定する(S12)。
【0077】
その結果、S11の処理で受信したデータの種別が第1種別である場合(S12のYES)、データ変換部212は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231を参照して、S11の処理で受信したデータをアプリケーションデータに変換する(S13)。その後、データ処理部214は、例えば、S13の処理で変換したアプリケーションデータを用いた処理を行う。
【0078】
一方、S11の処理で受信したデータの種別が第2種別である場合(S12のNO)、データ管理部213は、例えば、S11の処理で受信したデータと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する(S14)。また、データ処理部214は、この場合、例えば、S11の処理で受信したデータ(アプリケーションデータ)を用いた処理を行う。
【0079】
これにより、情報処理装置1は、例えば、同一の端末装置2に対して複数回送信されるアプリケーションデータについて、端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることが可能になる。また、例えば、情報処理装置1が端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることで、誤り訂正符号におけるパリティ部分を増やすことができ、データの信頼性を向上させることができる。そのため、情報処理装置1は、端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることで、例えば、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の信頼性を向上させることが可能になる。
【0080】
したがって、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対するアプリケーションデータの再送頻度を抑制することが可能になり、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の遅延発生を抑制することが可能になる。以下、データ送受信処理の具体例について説明を行う。
【0081】
[データ送受信処理の具体例]
図10から
図13は、データ送受信処理の具体例について説明する図である。以下、情報処理装置1と端末装置2とのそれぞれにおいて各アプリケーションデータに対応する識別情報が「0」から順にインクリメントされて決定されるものとして説明を行う。また、以下、初期状態において、対応情報131及び対応情報231のそれぞれが情報格納領域130及び情報格納領域230に記憶されていないものとして説明を行う。なお、
図10から
図13に示す例では、基地局装置3についての記載を省略する。
【0082】
例えば、情報処理装置1がアプリケーションデータである「AAA」を端末装置2に対して送信した場合、情報処理装置1は、
図10に示すように、「AAA」に対応する識別情報として「0」を決定する。そして、情報処理装置1は、
図10に示すように、例えば、「AAA」と「0」とを対応付けた新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0083】
一方、端末装置2は、
図10に示すように、例えば、「AAA」を情報処理装置1から受信した場合、受信した「AAA」のヘッダを参照し、「AAA」がアプリケーションデータ(情報処理装置1において識別情報に変換されていないデータ)であると判定する。言い換えれば、端末装置2は、この場合、「AAA」が変換(復元)する必要がないデータであると判定する。そして、端末装置2は、
図10に示すように、例えば、「AAA」に対応する識別情報として「0」を決定する。その後、端末装置2は、例えば、「AAA」と「0」とを対応付けた新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する。
【0084】
すなわち、情報処理装置1と端末装置2とのそれぞれでは、対応情報131と対応情報231との内容が同一になるように生成される。
【0085】
次に、例えば、アプリケーションデータである「BBB」を端末装置2に対して送信する場合、情報処理装置1は、
図10に示す対応情報131を参照し、「BBB」に対応する情報が含まれているか否かを判定する。ここで、
図10に示す対応情報131には、「BBB」に対応する情報が含まれていない。そのため、情報処理装置1は、この場合、例えば、「BBB」が変換することができないアプリケーションデータであると判定し、
図11に示すように、「BBB」を端末装置2に対して送信する。そして、情報処理装置1は、
図11に示すように、例えば、「BBB」に対応する識別情報として「1」を決定する。その後、情報処理装置1は、
図11に示すように、例えば、「BBB」と「1」とを対応付けた新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0086】
一方、端末装置2は、
図11に示すように、例えば、「BBB」を情報処理装置1から受信した場合、受信した「BBB」のヘッダを参照し、「BBB」がアプリケーションデータであると判定する。言い換えれば、端末装置2は、この場合、「BBB」が変換する必要がないデータであると判定する。そのため、端末装置2は、
図11に示すように、例えば、「BBB」に対応する識別情報として「1」を決定する。そして、端末装置2は、
図11に示すように、例えば、「BBB」と「1」とを対応付けた新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する。
【0087】
次に、例えば、アプリケーションデータである「AAA」を端末装置2に対して送信する場合、情報処理装置1は、
図11に示す対応情報131を参照し、「AAA」に対応する情報が含まれているか否かを判定する。ここで、
図11に示す対応情報131には、「AAA」と「0」とが対応付けられた情報が含まれている。そのため、情報処理装置1は、この場合、例えば、「AAA」が変換することができるアプリケーションデータであると判定し、
図12に示すように、「AAA」を「0」に変換してから端末装置2に対して送信する。なお、情報処理装置1は、この場合、新たな対応情報131の生成を行わない。
【0088】
一方、端末装置2は、
図12に示すように、例えば、「0」を情報処理装置1から受信した場合、受信した「0」のヘッダを参照し、「0」が識別情報であると判定する。言い換えれば、端末装置2は、この場合、「0」が変換する必要があるデータであると判定する。ここで、
図11に示す対応情報231には、「AAA」と「0」とが対応付けられた情報が含まれている。そのため、端末装置2は、
図12に示すように、例えば、「0」を「AAA」に変換する。なお、端末装置2は、この場合、新たな対応情報231の生成を行わない。
【0089】
次に、例えば、アプリケーションデータである「CCC」を端末装置2に対して送信する場合、情報処理装置1は、
図12に示す対応情報131を参照し、「CCC」に対応する情報が含まれているか否かを判定する。ここで、
図12に示す対応情報131には、「CCC」に対応する情報が含まれていない。そのため、情報処理装置1は、この場合、例えば、「CCC」が変換することができないアプリケーションデータであると判定し、
図13に示すように、「CCC」を端末装置2に対して送信する。そして、情報処理装置1は、
図13に示すように、例えば、「CCC」に対応する識別情報として「2」を決定する。その後、情報処理装置1は、
図13に示すように、例えば、「CCC」と「2」とを対応付けた新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0090】
一方、端末装置2は、
図13に示すように、例えば、「CCC」を情報処理装置1から受信した場合、受信した「CCC」のヘッダを参照し、「CCC」がアプリケーションデータであると判定する。言い換えれば、端末装置2は、この場合、「CCC」が変換する必要がないデータであると判定する。そのため、端末装置2は、
図13に示すように、例えば、「CCC」に対応する識別情報として「2」を決定する。そして、端末装置2は、例えば、「CCC」と「2」とを対応付けた新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する。
【0091】
[第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細]
次に、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明する。
図14から
図16は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明するフローチャート図である。また、
図17及び
図18は、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理の詳細について説明する図である。
【0092】
初めに、情報処理装置1におけるデータ送受信処理の詳細について説明を行う。
【0093】
データ変換部112は、
図14に示すように、例えば、送信対象のアプリケーションデータを送信するタイミングになるまで待機する(S21のNO)。
【0094】
そして、送信対象のアプリケーションデータを送信するタイミングになった場合(S21のYES)、データ変換部112は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131のうち、送信対象のアプリケーションデータの送信先である端末装置2(例えば、端末装置2a)との間におけるデータの送受信に伴って蓄積された対応情報131を参照して、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されているか否かを判定する(S22)。以下、対応情報131(対応情報231)の具体例について説明を行う。
【0095】
[対応情報の具体例]
図17は、対応情報131(対応情報231)の具体例について説明する図である。なお、以下、端末装置2aの識別情報がT001であるものとして説明を行う。
【0096】
図17に示す対応情報131は、例えば、情報処理装置1とデータの送受信を行う各端末装置2の識別情報が設定される「端末情報」と、各アプリケーションデータの内容が設定される「アプリケーションデータ」とを項目として有する。また、
図17に示す対応情報131は、例えば、各アプリケーションデータを識別する識別情報が設定される「識別情報」と、各アプリケーションデータが識別情報に変換された回数(後述するS23の処理において変換された回数)が設定される「カウンタ」とを項目として有する。
【0097】
具体的に、
図17に示す対応情報131において、1行目の情報には、例えば、「端末情報」として「T001」が設定され、「アプリケーションデータ」として「AAA」が設定され、「識別情報」として「0」が設定され、「カウンタ」として「1」が設定されている。
【0098】
また、
図17に示す対応情報131において、2行目の情報には、例えば、「端末情報」として「T001」が設定され、「アプリケーションデータ」として「BBB」が設定され、「識別情報」として「1」が設定され、「カウンタ」として「7」が設定されている。
図17に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0099】
そのため、例えば、送信対象のアプリケーションの送信先が端末装置2aであって、送信対象のアプリケーションが「AAA」である場合、データ変換部112は、S22の処理において、
図17に示す対応情報131のうち、「端末情報」が「T001」であって「アプリケーションデータ」が「AAA」である情報(1行目の情報)を参照する。
【0100】
図14に戻り、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合(S22のYES)、データ変換部112は、例えば、送信対象のアプリケーションデータを同一の対応情報131に含まれる識別情報に変換する(S23)。
【0101】
すなわち、データ変換部112は、この場合、例えば、送信対象のプリケーションを識別情報に変換することによって、端末装置2に対して送信する必要があるデータ量を圧縮する。
【0102】
具体的に、
図17に示す対応情報131における3行目の情報には、例えば、「アプリケーションデータ」として「CCC」が設定され、「識別情報」として「2」が設定され、「カウンタ」として「3」が設定されている。そのため、例えば、送信対象のアプリケーションデータが「CCC」である場合、データ変換部112は、「CCC」を「2」に変換する。
【0103】
また、データ変換部112は、この場合、例えば、
図17に示す対応情報131における3行目の情報の「カウンタ」に設定された回数(以下、第1回数とも呼ぶ)に対して所定の回数(例えば、1回)を加算する。具体的に、データ変換部112は、この場合、例えば、
図17に示す対応情報131における3行目の情報の「カウンタ」に設定された回数をインクリメントして「4」に更新する。
【0104】
そして、データ変換部112は、例えば、S23の処理で変換された識別情報の符号化を行う(S24)。
【0105】
具体的に、データ変換部112は、例えば、S23の処理で変換された識別情報に含まれる情報から、S23の処理で変換された識別情報についての誤り訂正を行うための符号化データ(パリティビット)を生成し、生成した符号化データをS23の処理で変換された識別情報に対して付加する。
【0106】
さらに具体的に、データ変換部112は、例えば、LDPC(Low Density Parity Check)符号やPolar符号等のブロック符号による誤り訂正を行うための符号化データを生成し、生成した符号化データをS23の処理で変換された識別情報に対して付加する。
【0107】
すなわち、S23の処理において変換された識別情報は、S23の処理において変換される前のアプリケーションデータよりもデータ長が短い。そのため、データ変換部112は、例えば、S23の処理における変換によって短くなったデータ長のうちの少なくとも一部を、識別情報の整合性を確認するための符号化データの付加に用いる。
【0108】
これにより、情報処理装置1は、例えば、端末装置2との間における無線通信の信頼性をより向上させることが可能になる。
【0109】
そして、データ送信部113は、例えば、S24の処理で符号化を行った後の識別情報を基地局装置3に送信する(S25)。その後、基地局装置3は、例えば、データ送信部113から送信された識別情報を端末装置2に送信する。
【0110】
一方、送信対象のアプリケーションデータを含む対応情報131が情報格納領域130に記憶されていない場合(S22のNO)、データ送信部113は、
図15に示すように、例えば、送信対象のアプリケーションデータを基地局装置3に送信する(S31)。そして、基地局装置3は、例えば、データ送信部113から送信されたアプリケーションデータを端末装置2に送信する。
【0111】
その後、データ送信部113は、例えば、S31の処理で送信した送信対象のアプリケーションの送信が成功したか否かを判定する(S32)。
【0112】
具体的に、データ送信部113は、例えば、TCP層やMAC層における確認応答(ACK:ACKnowledgement)を端末装置2から受信しているか否かに応じて、S31の処理で送信した送信対象のアプリケーションの送信が成功したか否かを判定する。
【0113】
その結果、S31の処理で送信した送信対象のアプリケーションの送信が成功したと判定した場合(S32のYES)、データ管理部114は、例えば、S31の処理で送信した送信対象のアプリケーションデータについての新たな識別情報を決定する(S33)。
【0114】
具体的に、データ管理部114は、
図10等で説明したように、例えば、前回のS31の処理で送信した送信対象のアプリケーションデータについての識別情報をインクリメントすることによって決定した識別情報を、今回のS31の処理で送信した送信対象のアプリケーションデータについての新たな識別情報として決定する。
【0115】
その後、データ管理部114は、例えば、送信対象のアプリケーションデータと、S33の処理で決定した新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報131を生成する(S34)。
【0116】
そして、データ管理部114は、例えば、S34の処理で生成した新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する(S35)。
【0117】
すなわち、データ管理部114は、例えば、S31の処理で送信した送信対象のアプリケーションの送信が成功した場合に限って、新たな対応情報131を生成して蓄積する。
【0118】
これにより、情報処理装置1は、例えば、情報処理装置1が記憶する対応情報131と端末装置2が記憶する対応情報231との間における内容の差異の発生を防止することが可能になる。
【0119】
また、データ管理部114は、例えば、
図17で説明したように、各端末装置2の「端末情報」を含む対応情報131を生成して情報格納領域130に記憶することにより、各対応情報131を端末装置2ごとに区分けした状態で記憶する。
【0120】
これにより、情報処理装置1は、例えば、送信対象のアプリケーションの送信を行う際に、送信対象のアプリケーションデータの送信先に対応する対応情報131を選択して参照することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、データ送受信処理を複数の端末装置2(例えば、端末装置2a及び端末装置2b)との間において並行して行うことが可能になる。
【0121】
次に、端末装置2におけるデータ送受信処理の詳細について説明を行う。
【0122】
データ受信部211は、
図16に示すように、例えば、情報処理装置1から送信されたデータを受信するまで待機する(S41のNO)。
【0123】
そして、情報処理装置1から送信されたデータを受信した場合(S41のYES)、データ変換部212は、例えば、S41の処理で受信したデータの種別を特定する(S42)。
【0124】
具体的に、データ変換部212は、例えば、S41の処理で受信したデータのヘッダ(例えば、PDCPヘッダ)を参照することにより、S41の処理で受信したデータの種別を特定する。
【0125】
その結果、S11の処理で受信したデータの種別が第1種別であると判定した場合(S43のYES)、データ変換部212は、例えば、S41の処理で受信した識別情報を復号する(S44)。
【0126】
具体的に、データ変換部112は、例えば、S41の処理で受信した識別情報に付加された符号化データ(パリティビット)を用いることによって、S41の処理で受信した識別情報を復号する。
【0127】
そして、データ変換部212は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231を参照して、S41の処理で受信した識別情報をアプリケーションデータに変換(復元)する(S44)。
【0128】
具体的に、
図17に示す対応情報231における3行目の情報には、例えば、「アプリケーションデータ」として「CCC」が設定され、「識別情報」として「2」が設定され、「カウンタ」として「3」が設定されている。そのため、例えば、S41の処理で受信したデータ(識別情報)が「2」である場合、データ変換部112は、「2」を「CCC」に変換する。
【0129】
また、データ変換部112は、この場合、例えば、
図17に示す対応情報231における3行目の情報の「カウンタ」に設定された回数をインクリメントして「4」に更新する。
【0130】
その後、データ処理部214は、例えば、S43の処理で変換されたアプリケーションデータを用いることによる処理を行う。
【0131】
一方、S41の処理で受信したデータの種別が第1種別でない場合、すなわち、S41の処理で受信したデータの種別が第2種別である場合(S43のNO)、データ管理部213は、例えば、S41の処理で受信したアプリケーションデータについての新たな識別情報を決定する(S45)。
【0132】
具体的に、データ管理部213は、
図10等で説明したように、例えば、前回のS41の処理で受信したアプリケーションデータについての識別情報をインクリメントすることによって決定した識別情報を、今回のS41の処理で受信したアプリケーションデータについての新たな識別情報として決定する。
【0133】
その後、データ管理部213は、例えば、S41の処理で受信したアプリケーションデータと、S45の処理で決定した新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報231を生成する(S46)。
【0134】
そして、データ管理部213は、例えば、S46の処理で生成した新たな対応情報231を情報格納領域230に記憶する(S47)。
【0135】
また、データ処理部214は、例えば、S41の処理で受信したアプリケーションデータを用いることによる処理を行う。
【0136】
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを識別する識別情報とを対応付けた対応情報131を記憶する情報格納領域130を有する。そして、情報処理装置1は、例えば、第1アプリケーションデータを送信する場合、情報格納領域130を参照して、第1アプリケーションデータを含む第1対応情報131が情報格納領域130に記憶されているか否かを判定する。
【0137】
その結果、例えば、第1対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合、情報処理装置1は、第1アプリケーションデータを第1対応情報131に含まれる第1識別情報に変換する。一方、例えば、第1対応情報131が情報格納領域130に記憶されていない場合、情報処理装置1は、第1アプリケーションデータと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0138】
さらに、例えば、第1対応情報131が情報格納領域130に記憶されている場合、情報処理装置1は、端末装置2に対して第1識別情報を送信する。一方、例えば、第1対応情報が情報格納領域130に記憶されていない場合、情報処理装置1は、端末装置2に対して第1アプリケーションデータを送信する。
【0139】
また、端末装置2は、例えば、情報処理装置1と同様に、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを識別する識別情報とを対応付けた対応情報231を記憶する情報格納領域230を有する。そして、端末装置2は、例えば、情報処理装置1から送信された第1データを受信した場合、第1データの種別が識別情報の第1種別とアプリケーションデータの第2種別とを含む複数の種別のいずれであるかを判定する。その結果、例えば、第1データの種別が第1種別である場合、端末装置2は、情報格納領域130を参照して、第1データを第2アプリケーションデータに変換する。一方、例えば、第1データの種別が第2種別である場合、端末装置2は、第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報131を情報格納領域130に記憶する。
【0140】
すなわち、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対して過去の送信したアプリケーションデータを同一の端末装置2に対して再度送信する場合、アプリケーションデータよりもデータ量が少ない識別情報に変換してから送信を行う。
【0141】
具体的に、情報処理装置1は、
図18に示すように、例えば、アプリケーション層において生成された送信対象のアプリケーションデータを、特定処理層において識別情報に変換して符号化データ(パリティビット)を付加する。そして、情報処理装置1は、例えば、変換及び符号化データの付加が行われた識別情報に対して、TCP層においてTCPヘッダを付加し、IP層においてIPヘッダを付加し、さらに、MAC層においてMACヘッダ及びFCS(Frame Check Sequence)を付加した後、基地局装置3を介して端末装置2に送信する。
【0142】
一方、端末装置2は、例えば、基地局装置3を介して情報処理装置1から識別情報を含むデータを受信した場合、MAC層においてMACヘッダ及びFCSを取り外し、IP層においてIPヘッダを取り外し、TCPヘッダにおいてTCPヘッダを取り外した後、特定処理層において符号化データを用いて復号を行ってからアプリケーションデータに変換する。
【0143】
これにより、情報処理装置1は、例えば、同一の端末装置2に対して複数回送信されるアプリケーションデータについて、端末装置2に送信する必要があるデータ量を抑えることが可能になる。また、端末装置2は、例えば、MAC層における復号やIP層におけるFCSにおいて受信データにエラーが発生した場合であっても、MAC層やIP層よりも上位層である特定処理層において受信データを復号することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の信頼性を向上させることが可能になる。
【0144】
したがって、情報処理装置1は、例えば、端末装置2に対するアプリケーションデータの再送頻度を抑制することが可能になり、情報処理装置1と端末装置2との間における無線通信の遅延発生を抑制することが可能になる。
【0145】
[第1の実施の形態における第1情報交換処理]
次に、対応情報131の交換を行う処理(以下、第1情報交換処理とも呼ぶ)について説明する。
図19及び
図20は、第1の実施の形態における第1情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【0146】
初めに、端末装置2における第1情報交換処理について説明を行う。
【0147】
データ送信部215は、
図19に示すように、例えば、処理実行タイミングになるまで待機する(S51のNO)。ここでの処理実行タイミングは、例えば、10分毎の等の定期的なタイミングであってよい。
【0148】
そして、処理実行タイミングになった場合(S51のYES)、データ送信部215は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231を情報処理装置1に送信する(S52)。
【0149】
その後、データ受信部211が情報処理装置1から対応情報131を受信した場合(S53のYES)、データ管理部213は、例えば、S53の処理で受信した対応情報131を対応情報231として情報格納領域230に記憶する(S54)。
【0150】
一方、例えば、データ受信部211が情報処理装置1から対応情報131を受信しない場合(S53のNO)、データ管理部213は、S54の処理を行わない。
【0151】
次に、情報処理装置1における第1情報交換処理について説明を行う。
【0152】
データ受信部115は、
図20に示すように、例えば、端末装置2から送信された対応情報231を受信するまで待機する(S61のNO)。
【0153】
そして、端末装置2から送信された対応情報231を受信した場合(S61のYES)、データ管理部114は、例えば、S61の処理で受信した対応情報231の内容と情報格納領域130に記憶された対応情報231の内容とを比較する(S62)。
【0154】
その結果、S61の処理で受信した対応情報231の内容と情報格納領域130に記憶された対応情報231の内容とが一致していない場合(S63のYES)、データ送信部113は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131を端末装置2に送信する(S64)。
【0155】
一方、S61の処理で受信した対応情報231の内容と情報格納領域130に記憶された対応情報231の内容とが一致している場合(S63のNO)、データ送信部113は、例えば、S64の処理を行わない。
【0156】
すなわち、例えば、対応情報131の内容と対応情報231の内容とが一致しないと情報処理装置1によって判定された場合、端末装置2は、情報格納領域230に記憶された対応情報231を情報処理装置1から送信された対応情報131に更新する。
【0157】
これにより、情報処理装置1は、例えば、データ送受信処理の実行に伴って対応情報131の内容と対応情報231の内容との間に差異が発生した場合であっても、対応情報131の内容と対応情報231の内容とを一致させることが可能になる。そのため、情報処理装置1は、このような場合であっても、例えば、データ送受信処理の実行を継続させることが可能になる。
【0158】
[第1の実施の形態における第2情報交換処理]
次に、対応情報131の交換を行う他の処理(以下、第2情報交換処理とも呼ぶ)について説明する。
図21及び
図22は、第1の実施の形態における第2情報交換処理について説明するフローチャート図である。
【0159】
初めに、端末装置2における第2情報交換処理について説明を行う。
【0160】
データ送信部215は、
図21に示すように、例えば、処理実行タイミングになるまで待機する(S71のNO)。ここでの処理実行タイミングは、例えば、自装置(端末装置2)の起動が完了したタイミングであってよい。
【0161】
そして、処理実行タイミングになった場合(S71のYES)、データ送信部215は、例えば、対応情報131の送信要求を情報処理装置1に対して送信する(S72)。
【0162】
その後、情報処理装置1から送信された対応情報131を受信した場合(S73のYES)、データ送信部215は、例えば、S73の処理で受信した対応情報131を対応情報231として情報格納領域230に記憶する(S74)。
【0163】
次に、情報処理装置1における第2情報交換処理について説明を行う。
【0164】
データ受信部115は、
図22に示すように、例えば、端末装置2から対応情報131の送信要求を受信するまで待機する(S81のNO)。
【0165】
そして、端末装置2から対応情報131の送信要求を受信した場合(S81のYES)、データ管理部114は、例えば、送信対象の対応情報131を決定する(S82)。
【0166】
具体的に、データ管理部114は、例えば、情報処理装置1と他の端末装置2(例えば、端末装置2b)との間におけるデータの送受信に伴って生成された他の対応情報131を、送信対象の対応情報131として決定する。
【0167】
その後、データ送信部113は、例えば、S82の処理で決定した送信対象の対応情報131を端末装置2に送信する(S83)。
【0168】
すなわち、情報処理装置1は、新たに起動した端末装置2の存在を検知した場合、例えば、他の端末装置2との間におけるデータの送受信に伴って生成された他の対応情報131を、新たに起動した端末装置2との間においてデータ送受信処理を行う際を用いる対応情報131として流用する。
【0169】
これにより、新たに起動した端末装置2は、例えば、情報処理装置1との間においてまだ送受信が行われていないアプリケーションデータについても変換を行うことが可能になり、情報処理装置1との間におけるアプリケーションデータの送受信の効率を向上させることが可能になる。そのため、情報処理装置1は、例えば、端末装置2との間における無線通信の信頼性をより向上させることが可能になる。
【0170】
[第1の実施の形態における情報削除処理]
次に、対応情報131の削除を行う処理(以下、情報削除処理とも呼ぶ)について説明する。
図23及び
図24は、第1の実施の形態における情報削除処理について説明するフローチャート図である。
【0171】
初めに、情報処理装置1における情報削除処理について説明を行う。
【0172】
データ管理部114は、
図23に示すように、例えば、処理実行タイミングになるまで待機する(S91のNO)。ここでの処理実行タイミングは、例えば、1時間ごと等の定期的なタイミングであってよい。
【0173】
そして、処理実行タイミングになった場合(S91のYES)、データ管理部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131の数(データ量)が所定の数(所定のデータ量)に到達したか否かを判定する(S92)。
【0174】
その結果、情報格納領域130に記憶された対応情報131の数が所定の数に到達した場合(S92のYES)、データ管理部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131のうち、「カウンタ」に設定された回数が他の対応情報131よりも少ない対応情報131を削除する(S93)。
【0175】
具体的に、データ管理部114は、この場合、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131のうち、「カウンタ」に設定された回数が最も少ない対応情報131を削除する。
【0176】
次に、端末装置2における情報削除処理について説明を行う。
【0177】
データ管理部213は、
図24に示すように、例えば、処理実行タイミングになるまで待機する(S101のNO)。ここでの処理実行タイミングは、例えば、1時間ごと等の定期的なタイミングであってよい。
【0178】
そして、処理実行タイミングになった場合(S101のYES)、データ管理部213は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231の数(データ量)が所定の数(所定のデータ量)に到達したか否かを判定する(S102)。
【0179】
その結果、情報格納領域230に記憶された対応情報231の数が所定の数に到達した場合(S102のYES)、データ管理部213は、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231のうち、「カウンタ」に設定された回数が他の対応情報231よりも少ない対応情報231を削除する(S103)。
【0180】
具体的に、データ管理部213は、この場合、例えば、情報格納領域230に記憶された対応情報231のうち、「カウンタ」に設定された回数が最も少ない対応情報231を削除する。
【0181】
これにより、情報処理装置1は、例えば、情報格納領域130に記憶された対応情報131の数(情報格納領域230に記憶された対応情報231の数)が上限に到達し、いずれかの対応情報131(対応情報231)を削除する必要が生じた場合であっても、端末装置2との間におけるデータの送受信の効率低下を抑制することが可能になる。そのため、情報処理装置1は、この場合においても、例えば、端末装置2との間における無線通信の信頼性に与える影響を抑制することが可能になる。
【0182】
[第2の実施の形態におけるデータ送受信処理]
次に、第2の実施の形態におけるデータ送受信処理について説明を行う。
【0183】
第2の実施の形態におけるデータ送受信処理では、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理と異なり、基地局装置3と端末装置2との間においてアプリケーションデータの変換を行う。以下、第1の実施の形態におけるデータ送受信処理と異なる点について説明を行う。
【0184】
[基地局装置のハードウエア構成]
初めに、第2の実施の形態における基地局装置3のハードウエア構成について説明を行う。
図25は、基地局装置3のハードウエア構成を説明する図である。
【0185】
基地局装置3は、
図25に示すように、例えば、プロセッサであるCPU301と、メモリ302と、I/Oインタフェース(通信回路)303と、記憶装置304とを有する。各部は、バス305を介して互いに接続される。
【0186】
記憶装置304は、例えば、データ送受信処理を行うためのプログラム310を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。また、記憶装置304は、例えば、データ送受信処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部330(以下、情報格納領域330とも呼ぶ)を有する。
【0187】
なお、記憶装置304は、例えば、HDDやSSDであってよい。また、記憶装置304は、例えば、基地局装置3の外部に設けられる装置であってもよい。
【0188】
CPU301は、例えば、記憶装置304からメモリ302にロードされたプログラム310を実行してデータ送受信処理を行う。
【0189】
I/Oインタフェース303は、例えば、ネットワークNWを介して情報処理装置1と通信を行う。また、I/Oインタフェース303は、例えば、端末装置2のうちの少なくともいずれかと無線通信を行う。
【0190】
[基地局装置の機能]
次に、第2の実施の形態における基地局装置3の機能について説明を行う。
図26は、基地局装置3の機能について説明する図である。また、
図27は、基地局装置3における通信プロトコルスタックの具体例を説明する図である。
【0191】
情報処理装置1は、
図26に示すように、例えば、CPU301やメモリ302等のハードウエアとプログラム310とが有機的に協働することにより、データ受信部311と、データ変換部312と、データ送信部313と、データ管理部314とを有する。以下、データ変換部312とデータ管理部314とを総称して単に制御部と呼ぶ。また、データ送信部313を単に送信部とも呼ぶ。
【0192】
また、情報格納領域330には、
図26に示すように、例えば、対応情報331が記憶される。
【0193】
データ受信部311は、例えば、情報処理装置1から送信されたアプリケーションデータ(以下、変換対象のアプリケーションデータとも呼ぶ)を受信する。
【0194】
データ変換部312は、例えば、情報格納領域330に記憶された対応情報331を参照して、データ受信部311が受信した変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されているか否かを判定する。対応情報331は、対応情報131と同様に、例えば、各アプリケーションデータと各アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた情報である。そして、データ変換部312は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されている場合、変換対象のアプリケーションデータを同一の対応情報331に含まれる識別情報に変換する。
【0195】
データ送信部313は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されている場合、データ変換部312が変換した識別情報を端末装置2に送信する。
【0196】
また、データ送信部313は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されていない場合、変換対象のアプリケーションデータを端末装置2に送信する。
【0197】
データ管理部314は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されていない場合、変換対象のアプリケーションデータと新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報331を生成する。そして、データ管理部314は、例えば、生成した新たな対応情報331を情報格納領域330に記憶する。
【0198】
なお、基地局装置3は、
図27に示すように、例えば、CU(Central Unit)31と、DU(Distributed Unit)32と、RU(Radio Unit)33とから構成されるものであってよい。そして、データ受信部311及びデータ送信部313は、この場合、例えば、RU33におけるPHY-low層、DU32におけるPHY-high層、DU32におけるMAC層、DU32におけるRLC(Radio Link Control)層及びCU31におけるPDCP層等において実現される機能であってよい。また、データ変換部312及びデータ管理部314は、例えば、CU31におけるPDCP層等の上位層であってCU31におけるSDAP(Service Data Application Protocol)層の下位層である層(特定処理層)、または、SDAP層において実現される機能であってよい。なお、特定処理層の処理をPDCP層で行ってもよい。
【0199】
また、以下、アプリケーションデータが基地局装置3を介して情報処理装置1から端末装置2に対して送信される場合について説明を行うが、これに限られない。具体的に、アプリケーションデータは、例えば、基地局装置3を介して端末装置2から情報処理装置1に対して送信されるものであってもよい。そして、基地局装置3は、この場合、例えば、端末装置2が有する各機能(例えば、データ受信部211、データ変換部212及びデータ管理部213)と同様の機能についても有するものであってもよい。さらに、この場合、データ変換部212のうちのデータを復号する機能は、例えば、DU32におけるPHY-high層において実現されるものであってもよい。
【0200】
[第2の実施の形態におけるデータ送受信処理]
次に、第2の実施の形態におけるデータ送受信処理について説明する。
図28は、第2の実施の形態におけるデータ送受信処理を説明するフローチャート図である。具体的に、
図28は、基地局装置3における処理について説明する図である。
【0201】
データ受信部311は、
図28に示すように、例えば、情報処理装置1から送信された変換対象のアプリケーションデータを受信する(S111のNO)。
【0202】
そして、情報処理装置1から送信された変換対象のアプリケーションデータを受信した場合(S111のYES)、データ変換部312は、例えば、情報格納領域330に記憶された対応情報331を参照して、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されているか否かを判定する(S112)。
【0203】
その結果、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されている場合(S112のYES)、データ変換部312は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを同一の対応情報331に含まれる識別情報に変換する(S113)。
【0204】
そして、データ送信部313は、例えば、データ変換部312が変換した識別情報を端末装置2に送信する(S114)。
【0205】
一方、変換対象のアプリケーションデータを含む対応情報331が情報格納領域330に記憶されていない場合(S112のNO)、データ送信部313は、例えば、変換対象のアプリケーションデータを端末装置2に送信する(S115)。
【0206】
その後、データ管理部114は、例えば、変換対象のアプリケーションデータと新たな識別情報とを対応付けることによって新たな対応情報331を生成し、生成した新たな対応情報を情報格納領域330に記憶する(S116)。
【0207】
情報処理装置1は、ネットワークNWを介して基地局装置3と接続を行い、アプリケーションデータの送受信を行う。このとき、情報処理装置1と基地局装置3の接続は大容量な有線接続が一般的であり、アプリケーションデータのままで送受信を行っても、通信遅延は大きな問題とならない。一方、端末装置2は基地局装置と無線接続を行う。このとき、無線通信はリソースが限られるため、識別情報を使って通信量を圧縮する効果が大きい。さらに、無線通信の送信準備中に、記憶部を参照してアプリケーションデータと識別情報のどちらを送信するか選択する処理を行うことで、選択処理に伴う遅延発生を抑制しつつ、通信量の圧縮が可能となる。
【0208】
なお、上記の例では、情報処理装置1と端末装置2とが基地局装置3を介してデータの送受信を行う場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、情報処理装置1及び端末装置2は、例えば、無線LAN(Local area network)ルータ3等の通信装置3を介してデータの送受信を行うものであってもよい。
【0209】
そして、無線LANルータ3は、この場合、例えば、IP層におけるデータの送信キューに格納されたパケットに対して、S112の処理を行うものであってよい。その後、無線LANルータ3は、例えば、S112の処理における判定結果に応じてS113の処理またはS116の処理を行った後、処理が行われた後のデータをMAC層におけるデータの送信キューに格納するものであってよい。
【0210】
以上の実施の形態をまとめると、以下の付記のとおりである。
【0211】
(付記1)
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、
第1アプリケーションデータを送信する場合、前記記憶部を参照して、前記第1アプリケーションデータと、前記第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を前記記憶部に記憶する制御部と、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報を送信し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータを送信する送信部と、を備える、
ことを特徴とする通信装置。
【0212】
(付記2)
付記1において、
前記制御部は、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータの送信が成功したか否かを判定し、
前記第1アプリケーションデータの送信が成功した場合に、前記第2対応情報を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする通信装置。
【0213】
(付記3)
付記1において、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記対応情報に含まれる前記識別情報のそれぞれが示す番号よりも大きい番号を前記新たな識別情報として決定する、
ことを特徴とする通信装置。
【0214】
(付記4)
付記1において、
前記制御部は、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報についての誤り訂正に用いられる情報を前記第1識別情報に付加する、
ことを特徴とする通信装置。
【0215】
(付記5)
付記1において、
前記記憶部に記憶された前記対応情報は、前記制御部によって生成された情報、または、前記通信装置と異なる他の通信装置によって生成された情報である、
ことを特徴とする通信装置。
【0216】
(付記6)
付記1において、
前記対応情報は、前記送信部が前記対応情報に含まれる前記アプリケーションデータと同一のアプリケーションデータを送信した回数を含み、
前記制御部は、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1対応情報に含まれる第1回数に対して所定の回数を加算し、
前記記憶部が記憶する前記対応情報の数が所定の条件を満たす場合、前記第1回数が他の対応情報よりも少ない前記対応情報を前記他の対応情報よりも優先して削除する、
ことを特徴とする通信装置。
【0217】
(付記7)
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部と、
データを受信する受信部と、
前記受信部が第1データを受信した場合、前記第1データの種別が前記識別情報の第1種別と前記アプリケーションデータの第2種別とを含む複数の種別のいずれであるかを判定し、前記第1データの種別が前記第2種別である場合、前記第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報を前記記憶部に記憶する制御部と、を備える、
ことを特徴とする通信装置。
【0218】
(付記8)
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータに対応する識別情報と、を対応付けた対応情報を記憶部に記憶し、
第1アプリケーションデータを送信する場合、前記記憶部を参照して、前記第1アプリケーションデータと、前記第1アプリケーションデータに対応する第1識別情報と、を対応付けた第1対応情報が前記記憶部に記憶されているか否かを判定し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータと、第2識別情報とを対応付けて生成した第2対応情報を前記記憶部に記憶し、
前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報を送信し、前記第1対応情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記第1アプリケーションデータを送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【0219】
(付記9)
アプリケーションデータと前記アプリケーションデータを示す識別情報とを対応付けた対応情報を記憶部に記憶し、
第1データを受信した場合、前記第1データの種別が前記識別情報の第1種別と前記アプリケーションデータの第2種別とを含む複数の種別のいずれであるかを判定し、前記第1データの種別が前記第2種別である場合、前記第1データと新たな識別情報とを対応付けて生成した新たな対応情報を前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする通信方法。
【符号の説明】
【0220】
1:情報処理装置 2:端末装置
2a:端末装置 2b:端末装置
3:基地局装置 3a:基地局装置
3b:基地局装置 10:情報処理システム
101:CPU 102:メモリ
103:I/Oインタフェース 104:記憶装置
105:バス 110:プログラム
130:情報格納領域 201:CPU
202:メモリ 203:I/Oインタフェース
204:記憶装置 205:バス
210:プログラム 230:情報格納領域
301:CPU 302:メモリ
303:I/Oインタフェース 304:記憶装置
305:バス 310:プログラム
330:情報格納領域