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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006015
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】路面接触抑制システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20250109BHJP
   G06Q 10/047 20230101ALI20250109BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20250109BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01C21/36
G06Q10/047
G08G1/00 J
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106526
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD21
2F129DD53
2F129DD65
2F129EE02
2F129EE55
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF72
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL11
5H181MC16
5H181MC27
5L010AA04
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】車両間において接触情報を共有することにより、車両と路面との接触の発生を抑制する路面接触抑制システムを提供する。
【解決手段】路面接触抑制システム1は、サーバ装置300と、ネットワーク200を介してサーバ装置300と通信可能に接続される複数の車両100とを備えている。自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部113と、接触情報をサーバ装置300に送信する接触情報送信部115と、自車両の車両情報と、路面との接触が検知された車両の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部116と、接触の可能性が高いと判定された場合に、路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部117と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能に接続される複数の車両と、を備える路面接触抑制システムであって、
前記車両は、
自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部と、
接触地点の前記位置情報と、前記自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する接触情報生成部と、
前記接触情報を前記サーバ装置に送信する接触情報送信部と、
前記自車両の前記車両情報と、前記サーバ装置から受信した前記接触情報に含まれる、前記接触が検知された前記車両の前記車両情報とに基づいて、前記自車両の底部と前記路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部と、
前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記自車両の底部と前記路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記接触情報送信部から受信した前記接触情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記接触情報を前記車両に送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とする路面接触抑制システム。
【請求項2】
前記車両情報には、少なくとも最低地上高および全長を含むことを特徴とする請求項1に記載の路面接触抑制システム。
【請求項3】
前記車両は、前記自車両の前記位置情報を前記サーバ装置に送信する位置情報送信部を備え、
前記情報送信部は、前記記憶部に記憶された前記接触情報のうち、前記位置情報送信部から受信した前記位置情報から所定の範囲内において検知された前記接触情報を前記車両に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の路面接触抑制システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記接触地点の通行回避を促す情報を前記自車両の乗員に報知することを特徴とする請求項3に記載の路面接触抑制システム。
【請求項5】
前記車両は、
現在位置から目的地までの経路を算出し、該経路を表示して経路案内を行うナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置が案内中の前記経路に、前記接触地点が含まれているかを判定する経路判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定され、かつ、前記経路判定部により、前記ナビゲーション装置が案内中の前記経路に前記接触地点が含まれていると判定された場合には、該接触地点を回避した前記目的地までの経路の算出指示を前記ナビゲーション装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の路面接触抑制システム。
【請求項6】
サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能に接続される複数の車両と、を備える路面接触抑制システムであって、
前記車両は、
1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続される1つまたは複数のメモリと、を備え、
自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部と、
接触地点の前記位置情報と、前記自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する接触情報生成部と、
前記接触情報を前記サーバ装置に送信する接触情報送信部と、
前記自車両の前記車両情報と、前記サーバ装置から受信した前記接触情報に含まれる、前記接触が検知された前記車両の前記車両情報とに基づいて、前記自車両の底部と前記路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部と、
前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記自車両の底部と前記路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部と、
を含み、
前記サーバ装置は、
前記接触情報送信部から受信した前記接触情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記接触情報を前記車両に送信する情報送信部と、
を備えることを特徴とする路面接触抑制システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面接触抑制システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、外部電源より充電可能な蓄電池を備えた電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及している。
一般に、車両に搭載される蓄電池は、衝撃や外的応力に弱く、例えば、強い衝撃が与えられてしまうと、蓄電池内部においてショート等が発生し、最悪の場合、発煙や発火等を引き起こす虞がある。
そのため、電気自動車やプラグインハイブリッド車においては、蓄電池が設置されている車両の底部と路面との接触の発生を抑制する必要がある。
【0003】
例えば、この種の技術として、他車両において撮像した路面画像から取得した路面の形状データを分析して、車両の底部と路面とが接触するかを判定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-213143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、例えば、期間を限定した道路工事等により路面の形状データが変化し、実際に車両の底部と路面との接触が発生してしまった場合には、接触が発生した車両情報や位置情報等の接触情報を共有することができないため、自車両の底部と路面とが接触してしまう虞があるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、車両間において接触情報を共有することにより、車両と路面との接触の発生を抑制する路面接触抑制システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能に接続される複数の車両と、を備える路面接触抑制システムであって、前記車両は、自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部と、接触地点の前記位置情報と、前記自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する接触情報生成部と、前記接触情報を前記サーバ装置に送信する接触情報送信部と、前記自車両の前記車両情報と、前記サーバ装置から受信した前記接触情報に含まれる、前記接触が検知された前記車両の前記車両情報とに基づいて、前記自車両の底部と前記路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部と、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記自車両の底部と前記路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部と、を備え、前記サーバ装置は、前記接触情報送信部から受信した前記接触情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記接触情報を前記車両に送信する情報送信部と、を備えることを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【0008】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記車両情報には、少なくとも最低地上高および全長を含むことを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【0009】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記車両は、前記自車両の前記位置情報を前記サーバ装置に送信する位置情報送信部を備え、前記情報送信部は、前記記憶部に記憶された前記接触情報のうち、前記位置情報送信部から受信した前記位置情報から所定の範囲内において検知された前記接触情報を前記車両に送信することを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【0010】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御部は、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記接触地点の通行回避を促す情報を前記自車両の乗員に報知することを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【0011】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記車両は、現在位置から目的地までの経路を算出し、該経路を表示して経路案内を行うナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置が案内中の前記経路に、前記接触地点が含まれているかを判定する経路判定部と、を備え、前記制御部は、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定され、かつ、前記経路判定部により、前記ナビゲーション装置が案内中の前記経路に前記接触地点が含まれていると判定された場合には、該接触地点を回避した前記目的地までの経路の算出指示を前記ナビゲーション装置に送信することを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【0012】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、サーバ装置と、ネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能に接続される複数の車両と、を備える路面接触抑制システムであって、前記車両は、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続される1つまたは複数のメモリと、を備え、自車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部と、接触地点の前記位置情報と、前記自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する接触情報生成部と、前記接触情報を前記サーバ装置に送信する接触情報送信部と、前記自車両の前記車両情報と、前記サーバ装置から受信した前記接触情報に含まれる、前記接触が検知された前記車両の前記車両情報とに基づいて、前記自車両の底部と前記路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部と、前記接触判定部により、前記接触の可能性が高いと判定された場合に、前記自車両の底部と前記路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部と、を含み、前記サーバ装置は、前記接触情報送信部から受信した前記接触情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記接触情報を前記車両に送信する情報送信部と、を備えることを特徴とする路面接触抑制システムを提案している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、車両間において接触情報を共有することにより、車両と路面との接触の発生を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る路面接触抑制システムの構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る車両の接触情報生成部が生成する接触情報を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るサーバ装置の構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理のフローを示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るサーバ装置の処理のフローを示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る車両の処理のフローを示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る路面接触抑制システムの構成を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る車両の処理のフローを示す図である。
図11】本発明の変形例2に係る路面接触抑制システムの車両の底面に設置されたアンダーカバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図10を用いて、本実施形態に係る路面接触抑制システムについて説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1から図7を用いて、本実施形態に係る路面接触抑制システム1について説明する。
【0017】
<路面接触抑制システム1の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る路面接触抑制システム1は、車両100_1~100_Nと、ネットワーク200と、サーバ装置300と、を含んで構成されている。
なお、以下では、車両100_1~100_Nを「車両100」と総称する。
車両100は、ネットワーク200を介して、サーバ装置300と通信可能に接続されている。
ネットワーク200は、例えば、インターネット網を例示することができる。
なお、車両100およびサーバ装置300の構成については、後述する。
【0018】
<車両100の構成>
図2に示すように、車両100は、プロセッサ110と、メモリ120と、通信装置130と、表示部140と、を含んで構成されている。
なお、プロセッサ110の構成については、後述する。
メモリ120は、図示しない、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。
メモリ120は、制御プログラム、地図情報、プロセッサ110から受信した各種データ等を格納している。
メモリ120は、本実施形態においては、少なくとも自車両の最低地上高および全長を含む車両情報を予め格納している。
通信装置130は、例えば、無線通信モジュールであって、ネットワーク200を介してサーバ装置300と通信を行う。
表示部140は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELパネル等の表示パネルであって、プロセッサ110から受信した情報を表示する。
【0019】
<プロセッサ110の構成>
図2に示すように、プロセッサ110は、位置情報取得部111と、位置情報送信部112と、路面接触検知部113と、接触情報生成部114と、接触情報送信部115と、接触判定部116と、制御部117と、を含んで構成されている。
プロセッサ110の各部およびメモリ120は、バスラインBLを介して、各種情報の送受信を行う。
【0020】
位置情報取得部111は、自車両の位置情報を取得する。
位置情報取得部111は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した電波に基づいて、自車両の現在位置の緯度経度等を取得する。
位置情報取得部111は、バスラインBLを介して、取得した自車両の位置情報をメモリ120に格納する。
【0021】
位置情報送信部112は、自車両の位置情報をサーバ装置300に送信する。
位置情報送信部112は、通信装置130およびネットワーク200を介して、メモリ120から取得した自車両の位置情報をサーバ装置300に送信する。
【0022】
路面接触検知部113は、自車両の底部と路面との接触を検知する。
路面接触検知部113は、例えば、自車両の底部のアンダーカバー等に配設された衝撃センサのセンサ出力に基づいて、自車両の底部と路面との接触を検知する。
路面接触検知部113は、例えば、衝撃センサのセンサ出力が所定の閾値より大きい場合に、自車両の底部と路面との接触を検知する。
路面接触検知部113は、自車両の底部と路面との接触を検知した場合には、バスラインBLを介して、接触を検知した旨の情報を後述する接触情報生成部114および制御部117に送信する。
なお、路面接触検知部113は、自車両の底部と路面との接触を検知できればよいため、上述した検知方法に限定されるわけではない。
【0023】
接触情報生成部114は、接触が検知された接触地点の位置情報と、自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する。
ここで、車両情報には、少なくとも自車両の最低地上高および全長が含まれている。
接触情報生成部114は、路面接触検知部113から接触を検出した旨の情報を受信したときに、バスラインBLを介して、メモリ120から自車両の位置情報を取得する。
接触情報生成部114は、取得した自車両の位置情報を接触地点の位置情報に決定する。
図3に示すように、接触情報生成部114は、メモリ120から取得した自車両の車両情報と、接触地点の位置情報とを紐づけた接触情報を生成する。
なお、車両情報としては、例えば、車種名(型式名)と、車幅と、ホイールベースと、トレッドと、フロントオーバーハングと、リアオーバーハングとをさらに追加するようにしてもよい。
接触情報生成部114は、バスラインBLを介して、生成した接触情報を後述する接触情報送信部115に送信する。
【0024】
接触情報送信部115は、接触情報生成部114から受信した接触情報をサーバ装置300に送信する。
接触情報送信部115は、通信装置130およびネットワーク200を介して、接触情報生成部114から受信した接触情報をサーバ装置300に送信する。
【0025】
接触判定部116は、自車両の車両情報と、サーバ装置300から受信した接触情報に含まれる、接触が検知された車両の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する。
接触判定部116は、ネットワーク200および通信装置130を介して、サーバ装置300から接触情報を受信したときに、メモリ120から取得した自車両の車両情報と、路面との接触が検知された車両100の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する。
具体的には、接触判定部116は、例えば、路面との接触が検知された車両100の最低地上高より自車両の最低地上高が低い場合には、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いと判定する。
接触判定部116は、例えば、路面との接触が検知された車両100の全長より自車両の全長が長い場合には、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いと判定する。
接触判定部116は、最低地上高に基づいた判定結果または全長に基づいた判定結果の少なくとも一方において、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いと判定した場合には、接触する可能性が高い旨の判定結果およびサーバ装置300から受信した接触情報を後述する制御部117に送信する。
【0026】
制御部117は、接触判定部116から接触の可能性が高い旨の判定結果を受信した場合に、自車両の底部と路面との接触の発生を抑制する制御を行う。
具体的には、制御部117は、接触判定部116から接触の可能性が高い旨の判定結果を受信した場合には、接触地点の通行回避を促す情報を自車両の乗員に対して報知する。
制御部117は、例えば、「直進500m先に、車両が路面と接触する虞のある地点が検出されました。その地点を回避して走行してください。」等の文字情報や接触地点の位置を示した地図情報等を表示部140に表示させる。
【0027】
<サーバ装置300の構成>
図4を用いて、サーバ装置300の構成について説明する。
【0028】
図4に示すように、サーバ装置300は、通信部310と、記憶部320と、情報送信部330と、を含んで構成されている。
【0029】
通信部310は、ネットワーク200を介して、車両100と通信する。
通信部310は、本実施形態においては、車両100から受信した接触情報を後述する記憶部320に送信する。
通信部310は、車両100から受信した位置情報を後述する情報送信部330に送信する。
通信部310は、ネットワーク200を介して、後述する情報送信部330から受信した接触情報を車両100に送信する。
【0030】
記憶部320は、通信部310から受信した接触情報を記憶する。
【0031】
情報送信部330は、記憶部320に記憶された接触情報を車両100に送信する。
情報送信部330は、本実施形態においては、記憶部320に記憶された接触情報のうち、車両100から受信した位置情報から所定の範囲内において検知された接触情報を車両100に送信する。
具体的には、情報送信部330は、位置情報送信部112から受信した位置情報から、例えば、1km以内において検知された接触情報を通信部310に送信する。
【0032】
<位置情報/接触情報の送信処理>
図5を用いて、車両100の位置情報および接触情報の送信処理について説明する。
【0033】
図5に示すように、位置情報送信部112は、自車両の位置情報をサーバ装置300に送信する(ステップS110)。
【0034】
制御部117は、路面接触検知部113において、自車両の底部と路面との接触が検知されたか否かを判定する(ステップS120)。
制御部117は、路面接触検知部113から接触を検知した旨の情報を受信していないと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS110に戻し、処理を継続させる。
一方で、制御部117は、路面接触検知部113から接触を検知した旨の情報を受信したと判定する場合(ステップS120の「YES」)には、処理をステップS130に移行させる。
【0035】
接触情報生成部114は、接触情報を生成する(ステップS130)。
【0036】
接触情報送信部115は、ステップS130において生成された接触情報をサーバ装置300に送信し(ステップS140)、処理を終了させる。
【0037】
<サーバ装置300の処理>
図6を用いて、サーバ装置300の処理について説明する。
【0038】
図6に示すように、情報送信部330は、車両100から受信した位置情報の地点から所定の範囲内において検知された接触情報を記憶部320から取得する(ステップS210)。
【0039】
情報送信部330は、ステップS210において取得した接触情報を通信部310に送信し(ステップS220)、処理を終了させる。
【0040】
<接触情報を受信したときの車両100の処理>
図7を用いて、サーバ装置300から接触情報を受信したときの車両100の処理について説明する。
【0041】
図7に示すように、接触判定部116は、サーバ装置300から受信した接触情報に含まれる車両情報と、メモリ120に格納されている自車両の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する(ステップS310)。
接触判定部116は、自車両の底部と路面との接触の可能性が高くないと判定する場合(ステップS310の「NO」)には、処理を終了させる。
一方で、接触判定部116において、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いと判定された場合(ステップS310の「YES」)には、処理をステップS320に移行させる。
【0042】
制御部117は、接触地点の通行回避を促す情報を表示部140に表示させ(ステップS320)、処理を終了させる。
【0043】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る路面接触抑制システム1は、サーバ装置300と、ネットワーク200を介してサーバ装置300と通信可能に接続される複数の車両100と、を備えている。
車両100は、自車両の位置情報を取得する位置情報取得部111と、自車両の底部と路面との接触を検知する路面接触検知部113と、接触地点の位置情報と、自車両の車両情報とを紐づけた接触情報を生成する接触情報生成部114と、接触情報をサーバ装置300に送信する接触情報送信部115と、自車両の車両情報と、路面との接触が検知された車両100の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する接触判定部116と、接触判定部116により、接触の可能性が高いと判定された場合に、自車両の底部と路面との接触の発生を抑制する制御を行う制御部117と、を備えている。
サーバ装置300は、接触情報送信部115から受信した接触情報を記憶する記憶部320と、記憶部320に記憶された接触情報を車両100に送信する情報送信部330と、を備えている。
つまり、サーバ装置300は、実際に路面との接触が発生した車両100から送信された接触情報をネットワーク200に接続された他の車両100に送信する。
これにより、常に最新の接触情報を車両間において共有することができる。
制御部117は、接触判定部116により、自車両の底部と路面と接触の可能性が高いと判定された場合に、接触地点の通行回避を促す情報を自車両の乗員に報知する。
これにより、自車両の底部と路面と接触の可能性が高いと判定された場合には、乗員に対して注意喚起を行うことができるため、自車両の底部と路面との接触の発生を抑制することができる。
【0044】
上述した車両情報には、少なくとも最低地上高および全長が含まれている。
これにより、自車両の底部と路面との接触の可能性を精度高く判定することができる。
【0045】
本実施形態に係る路面接触抑制システム1の車両100は、自車両の位置情報をサーバ装置300に送信する位置情報送信部112を備えている。
情報送信部330は、記憶部320に記憶された接触情報のうち、位置情報送信部112から受信した位置情報から所定の範囲内において検知された接触情報を車両100に送信する。
つまり、情報送信部330は、接触地点に接近した車両100に対して、接触情報を送信する。
これにより、車両100は、接触地点を通過する以前に、自車両の底部と路面との接触の可能性を判定することができるため、自車両の底部と路面と接触の発生を抑制することができる。
【0046】
<第2の実施形態>
図8から図10を用いて、本実施形態に係る路面接触抑制システム1Aについて説明する。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0047】
<路面接触抑制システム1Aの構成>
図8に示すように、本実施形態に係る路面接触抑制システム1Aは、車両100A_1~100A_Nと、ネットワーク200と、サーバ装置300と、を含んで構成されている。
なお、以下では、車両100A_1~100A_Nを「車両100A」と総称する。
車両100Aは、ネットワーク200を介して、サーバ装置300と通信可能に接続されている。
【0048】
<車両100Aの構成>
図9に示すように、車両100Aは、プロセッサ110Aと、メモリ120と、通信装置130と、ナビゲーション装置150と、を含んで構成されている。
なお、ナビゲーション装置150については、後述する。
【0049】
<プロセッサ110Aの構成>
図9に示すように、プロセッサ110Aは、位置情報取得部111と、位置情報送信部112と、路面接触検知部113と、接触情報生成部114と、接触情報送信部115と、接触判定部116と、制御部117Aと、経路判定部118とを含んで構成されている。
プロセッサ110Aの各部およびメモリ120は、バスラインBLを介して、各種情報の送受信を行う。
【0050】
経路判定部118は、後述するナビゲーション装置150が案内中の経路に接触地点が含まれているかを判定する。
経路判定部118は、ナビゲーション装置150から、案内中の経路に関する情報を取得する。
経路判定部118は、取得した案内中の経路に関する情報と、サーバ装置300から受信した接触情報に含まれる接触地点の位置情報とに基づいて判定を行う。
経路判定部118は、バスラインBLを介して、判定結果を後述する制御部117Aに送信する。
【0051】
制御部117Aは、接触判定部116により、接触の可能性が高いと判定され、かつ、経路判定部118により、ナビゲーション装置150が案内中の経路に接触地点が含まれていると判定された場合には、接触地点を回避した目的地までの経路の算出指示をナビゲーション装置150に送信する。
具体的には、制御部117Aは、接触判定部116から接触の可能性が高い旨の判定結果を受信し、かつ、経路判定部118から案内中の経路に接触地点が含まれている旨の判定結果を受信した場合には、接触地点の位置情報をナビゲーション装置150に送信する。
制御部117Aは、接触地点を回避するために経路変更を行った旨の情報をナビゲーション装置150に表示させる。
制御部117Aは、例えば、「案内中の経路上に、車両の底部が路面と接触してしまう可能性のある場所を検出したため、その場所を回避する経路にて案内を開始します。」等の情報をナビゲーション装置150に送信する。
なお、制御部117Aは、回避した接触地点の位置をナビゲーション装置150に表示させるようにしてもよい。
【0052】
ナビゲーション装置150は、現在位置から目的地までの経路を算出し、算出した経路を表示して経路案内を行う。
ナビゲーション装置150は、本実施形態においては、案内中の経路に関する情報を経路判定部118に送信する。
ナビゲーション装置150は、本実施形態においては、制御部117Aから接触地点の位置情報を受信した場合には、接触地点を回避した目的地までの経路を算出し、算出した経路を表示して経路案内を行う。
ナビゲーション装置150は、本実施形態においては、制御部117Aから受信した情報を表示する。
【0053】
<接触情報を受信したときの車両100Aの処理>
図10を用いて、サーバ装置300から接触情報を受信したときの車両100Aの処理について説明する。
【0054】
図10に示すように、接触判定部116は、サーバ装置300から受信した接触情報に含まれる車両情報と、メモリ120に格納されている自車両の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する(ステップS410)。
接触判定部116は、自車両の底部と路面との接触の可能性が高くないと判定する場合(ステップS410の「NO」)には、処理を終了させる。
一方で、接触判定部116は、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いと判定する場合(ステップS410の「YES」)には、処理をステップS420に移行させる。
【0055】
経路判定部118は、ナビゲーション装置150が案内中の経路に、接触の可能性が高いと判定された接触地点が含まれているか否かを判定する(ステップS420)。
経路判定部118は、ナビゲーション装置150が案内中の経路に、接触の可能性が高いと判定された接触地点が含まれていないと判定する場合(ステップS420の「NO」)には、処理を終了させる。
一方で、経路判定部118は、ナビゲーション装置150が案内中の経路に、接触の可能性が高いと判定された接触地点が含まれていると判定する場合(ステップS420の「YES」)には、処理をステップS430に移行させる。
【0056】
制御部117Aは、接触地点を回避した目的地までの経路の算出指示をナビゲーション装置150に送信する(ステップS430)。
【0057】
ナビゲーション装置150は、算出した経路の案内を開始し(ステップS440)、処理を終了させる。
【0058】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る路面接触抑制システム1Aは、サーバ装置300と、ネットワーク200を介してサーバ装置300と通信可能に接続される複数の車両100Aと、を備えている。
車両100Aは、現在位置から目的地までの経路を算出し、算出した経路を表示して経路案内を行うナビゲーション装置150と、ナビゲーション装置150が案内中の経路に接触地点が含まれているかを判定する経路判定部118とを備えている。
制御部117Aは、接触判定部116により、接触の可能性が高いと判定され、かつ、経路判定部118により、ナビゲーション装置150が案内中の経路に接触地点が含まれていると判定された場合には、接触地点を回避した目的地までの経路をナビゲーション装置150に算出させる制御を行う。
つまり、車両100Aは、案内中の経路に、自車両の底部と路面との接触の可能性が高い接触地点が含まれていることを検出した場合には、接触地点を回避した経路により目的地までの案内を行う。
これにより、接触地点を回避した目的地までの経路の走行を乗員に促すことができるため、自車両の底部と路面との接触の発生を抑制することができる。
【0059】
<変形例1>
上述した本実施形態に係る路面接触抑制システム1の車両100は、自車両の底部と接触する可能性の高い接触地点を検出したときに、接触地点の通行回避を促す情報を表示部140に表示させて乗員に対して注意喚起を行っていたが、さらに、音声により注意喚起を行うようにしてもよい。
これにより、乗員に対して更なる注意喚起を行うことができるため、自車両の底部と路面との接触の発生を抑制することができる。
【0060】
<変形例2>
上述した本実施形態に係る路面接触抑制システム1の車両100の路面接触検知部113は、自車両の底部と路面との接触を検知したが、さらに、路面と接触した箇所を検知するようにしてもよい。
具体的には、例えば、図11に示すように、車両100の底面にラジエータアンダーカバー510、エンジンアンダーカバー520、左サイドセンターフロアカバー530および右サイドセンターフロアカバー540等が設置されている場合には、路面接触検知部113は、各アンダーカバーに配設された衝撃センサのセンサ出力に基づいて、自車両の底部と路面との接触および路面と接触したアンダーカバーを検知する。
そして、接触情報生成部114は、路面と接触したアンダーカバーの最低地上高、アンダーカバーの設置位置に関する情報等を追加した接触情報を生成する。
これにより、より詳細な接触情報を車両間において共有することができるため、自車両の底部と路面との接触の可能性をより精度高く判定することができる。
【0061】
<変形例3>
上述した本実施形態に係る路面接触抑制システム1は、車両間において共有する接触情報をサーバ装置300から車両100に送信していたが、車両100がサーバ装置300から接触情報を取得するようにしてもよい。
具体的には、例えば、接触判定部116が、自車両の現在位置から所定の範囲内において検知された接触情報をサーバ装置300の記憶部320から取得する。
そして、接触判定部116は、記憶部320から取得した接触情報と、自車両の車両情報とに基づいて、自車両の底部と路面との接触の可能性が高いか否かを判定する。
これにより、サーバ装置300の処理の負荷を軽減することができる。
【0062】
なお、上述した接触判定部116、制御部117等の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをメモリに読み込ませ、実行することによって本発明の車両100を実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0063】
「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0064】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0065】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1;路面接触抑制システム
1A;路面接触抑制システム
100;車両
100A;車両
110;プロセッサ
110A;プロセッサ
111;位置情報取得部
112;位置情報送信部
113;路面接触検知部
114;接触情報生成部
115;接触情報送信部
116;接触判定部
117;制御部
117A;制御部
118;経路判定部
120;メモリ
130;通信装置
140;表示部
150;ナビゲーション装置
200;ネットワーク
300;サーバ装置
310;通信部
320;記憶部
330;情報送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11