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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006038
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】端子保護カバー
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H01R13/52 302C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106582
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 政和
(72)【発明者】
【氏名】平尾 勇輔
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087LL04
5E087LL17
5E087LL29
5E087LL33
5E087RR11
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】端子カバー部を閉じ易くすること。
【解決手段】ヒンジ30は、環状の外周縁の肉厚部31と、肉厚部31の内側で肉厚部31よりも薄く形成された薄肉部32と、を有し、肉厚部31は、端子収容部11の結合部11bに繋ぐ第1連結部33と、端子カバー部12の結合部12bに繋ぐ第2連結部34と、第1連結部33と第2連結部34の延在方向における一端同士を連結させ、かつ、第1連結部33と第2連結部34との間に亘って断面係数を変化させた第3連結部35と、第1連結部33と第2連結部34の延在方向における他端同士を連結させ、かつ、第1連結部33と第2連結部34との間に亘って断面係数を変化させた第4連結部36と、を有し、第3連結部35と第4連結部36は、各々、第1連結部33と第2連結部34との間に断面係数が最も小さい低剛性部を有し、低剛性部をヒンジ30が折り曲げられる際の曲げ起点35a,36aとすること。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具を収容し、かつ、前記端子金具を開口から露出させる端子収容部と、
開位置で前記端子金具を前記開口から露出させ、閉位置で前記開口を塞ぐ端子カバー部と、
前記閉位置で前記端子収容部の第1係合部に前記端子カバー部の第2係合部を嵌め合わせて、前記端子収容部と前記端子カバー部を前記閉位置に保つ保持機構と、
前記端子収容部と前記端子カバー部における間隔を空けて対向配置され且つその対向配置方向に対する直交方向に延在させたそれぞれの結合部を連結させ、前記端子カバー部を前記端子収容部に対して前記開位置と前記閉位置との間に亘って回転させるヒンジと、
を有し、
前記ヒンジは、前記直交方向に沿う回転軸の軸周りに折り曲げ可能なリビングヒンジであり、環状の外周縁の肉厚部と、前記肉厚部の内側で前記肉厚部よりも薄く形成された薄肉部と、を有し、
前記肉厚部は、前記端子収容部の前記結合部に繋ぐ第1連結部と、前記端子カバー部の前記結合部に繋ぐ第2連結部と、前記第1連結部と前記第2連結部の延在方向における一端同士を連結させ、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部との間に亘って断面係数を変化させた第3連結部と、前記第1連結部と前記第2連結部の前記延在方向における他端同士を連結させ、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部との間に亘って断面係数を変化させた第4連結部と、を有し、
前記第3連結部と前記第4連結部は、各々、前記第1連結部と前記第2連結部との間に前記断面係数が最も小さい低剛性部を有し、前記低剛性部を前記ヒンジが折り曲げられる際の曲げ起点とすることを特徴とした端子保護カバー。
【請求項2】
前記肉厚部は、それぞれの前記結合部の前記対向配置方向と前記延在方向とに対する直交方向の厚さが全周に亘って均一に形成され、
前記第3連結部と前記第4連結部は、各々、前記第1連結部と前記第2連結部の間に前記延在方向における幅が最も狭い狭小部を前記低剛性部として有し、前記狭小部を前記曲げ起点とすることを特徴とした請求項1に記載の端子保護カバー。
【請求項3】
前記第3連結部と前記第4連結部は、各々、前記曲げ起点から前記第1連結部に向かうほど前記延在方向で前記対向配置方向に沿う仮想線から離れ、かつ、前記曲げ起点から前記第2連結部に向かうほど前記延在方向で前記仮想線から離れた前記薄肉部側の内縁部と、前記曲げ起点から前記第1連結部に向かうほど前記延在方向で前記仮想線から離れ、かつ、前記曲げ起点から前記第2連結部に向かうほど前記延在方向で前記仮想線から離れた外縁部と、を有することを特徴とした請求項2に記載の端子保護カバー。
【請求項4】
前記第3連結部と前記第4連結部のそれぞれの前記内縁部は、前記薄肉部側に中心を有する円弧形状に形成され、
前記第3連結部と前記第4連結部のそれぞれの前記外縁部は、前記薄肉部側とは逆の外側に中心を有する円弧形状に形成されることを特徴とした請求項3に記載の端子保護カバー。
【請求項5】
対になる前記第3連結部の前記曲げ起点と前記第4連結部の前記曲げ起点を前記対向配置方向に複数組設けることを特徴とした請求項1,2,3又は4に記載の端子保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
端子保護カバーは、端子金具を収容し、かつ、この端子金具を開口から露出させる端子収容部と、その開口を塞ぐ端子カバー部と、を有する。そして、この端子保護カバーは、その端子カバー部を端子収容部に対して開位置と閉位置との間に亘って回転させるリビングヒンジと、端子収容部と端子カバー部の係合部同士を嵌め合わせて、この端子収容部と端子カバー部を閉位置に保つ保持機構と、を有する。この種の端子保護カバーについては、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-324069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端子保護カバーにおいては、リビングヒンジが折曲げ可能な薄肉形状に形成されており、このリビングヒンジを仮想の回転軸の軸周りに折り曲げながら、端子カバー部を閉じていく。しかしながら、リビングヒンジにおいては、曲げ癖が付くまで、その回転軸が一箇所に定まり難く、折り曲げる際の曲げ起点も一箇所に定まらない。また、リビングヒンジにおいては、所望の位置からズレた回転軸と曲げ起点で曲げ癖が付いてしまう可能性がある。よって、端子保護カバーにおいては、端子カバー部を閉じる作業に際して、例えば、端子カバー部の係合部が端子収容部にぶつかったり、端子収容部の係合部が端子カバー部にぶつかったりして、その作業性を低下させてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、端子カバー部を閉じ易くした端子保護カバーを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、端子金具を収容し、かつ、前記端子金具を開口から露出させる端子収容部と、開位置で前記端子金具を前記開口から露出させ、閉位置で前記開口を塞ぐ端子カバー部と、前記閉位置で前記端子収容部の第1係合部に前記端子カバー部の第2係合部を嵌め合わせて、前記端子収容部と前記端子カバー部を前記閉位置に保つ保持機構と、前記端子収容部と前記端子カバー部における間隔を空けて対向配置され且つその対向配置方向に対する直交方向に延在させたそれぞれの結合部を連結させ、前記端子カバー部を前記端子収容部に対して前記開位置と前記閉位置との間に亘って回転させるヒンジと、を有し、前記ヒンジは、前記直交方向に沿う回転軸の軸周りに折り曲げ可能なリビングヒンジであり、環状の外周縁の肉厚部と、前記肉厚部の内側で前記肉厚部よりも薄く形成された薄肉部と、を有し、前記肉厚部は、前記端子収容部の前記結合部に繋ぐ第1連結部と、前記端子カバー部の前記結合部に繋ぐ第2連結部と、前記第1連結部と前記第2連結部の延在方向における一端同士を連結させ、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部との間に亘って断面係数を変化させた第3連結部と、前記第1連結部と前記第2連結部の前記延在方向における他端同士を連結させ、かつ、前記第1連結部と前記第2連結部との間に亘って断面係数を変化させた第4連結部と、を有し、前記第3連結部と前記第4連結部は、各々、前記第1連結部と前記第2連結部との間に前記断面係数が最も小さい低剛性部を有し、前記低剛性部を前記ヒンジが折り曲げられる際の曲げ起点とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る端子保護カバーにおいては、端子収容部に対して端子カバー部を閉じる際に、肉厚部における第3連結部と第4連結部のそれぞれの曲げ起点を中心にしてヒンジが折り曲げられ、これに伴って一箇所に定められた回転軸の軸周りに端子カバー部を回転させることができる。よって、この端子保護カバーにおいては、そのヒンジの曲げ起点(回転軸)を保持機構の第1係合部と第2係合部の嵌合軌跡に適した場所に設定しておくことで、その第1係合部が端子カバー部にぶつかったり、第2係合部が端子収容部にぶつかったりせずに、第1係合部と第2係合部を嵌め合わせることができる。従って、本発明に係る端子保護カバーは、端子カバー部を閉じる際の作業性に優れており、この端子カバー部を端子収容部に対して閉じ易くしたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の端子保護カバーを示す閉状態の斜視図である。
図2図2は、実施形態の端子保護カバーを示す閉状態の平面図である。
図3図3は、実施形態の端子保護カバーを示す開状態の斜視図である。
図4図4は、実施形態の端子保護カバーを示す開状態の平面図である。
図5図5は、図2のX-X線断面図である。
図6図6は、図4のX-X線断面図である。
図7図7は、図4のA部拡大図である。
図8図8は、図7のY-Y線断面を90度回転させた図である。
図9図9は、図5のB部拡大図である。
図10図10は、図6のC部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る端子保護カバーの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態1]
本発明に係る端子保護カバーの実施形態の1つを図1から図10に基づいて説明する。
【0011】
図1から図6の符号1は、本実施形態の端子保護カバーを示す。この端子保護カバー1は、端子金具(図示略)に被せて、この端子金具を保護するものである。この端子保護カバー1は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0012】
端子保護カバー1は、端子金具を収容し、かつ、この端子金具を開口11aから露出させる端子収容部11と、開位置で端子金具を開口11aから露出させ、閉位置で開口11aを塞ぐ端子カバー部12と、を有する(図1から図6)。ここで示す端子収容部11は、環状に形成され、その一端の開口11aから端子金具を露出させる。そして、ここで示す端子カバー部12は、端子収容部11の環状の周縁に当接させることで、この端子収容部11の開口11aを塞ぐ。
【0013】
更に、この端子保護カバー1は、端子収容部11と端子カバー部12を閉位置に保つ保持機構20を有する(図2から図6)。この保持機構20は、端子収容部11に設けた第1係合部21と、端子カバー部12に設けた第2係合部22と、を備える(図2から図6)。この保持機構20は、閉位置で端子収容部11の第1係合部21に端子カバー部12の第2係合部22を嵌め合わせて、その端子収容部11と端子カバー部12を閉位置に保たせる。
【0014】
ここで示す第1係合部21は、端子収容部11の外周壁面から突出させた爪状に形成されている。また、ここで示す第2係合部22は、端子カバー部12の外周壁面から突出させ且つ可撓性を持たせた2本の軸部22aと、この2本の軸部22aの自由端同士を繋ぐ連結部22bと、を有している(図2から図6)。この保持機構20は、端子カバー部12を端子収容部11に対して閉じる際に、第2係合部22の連結部22bが第1係合部21の傾斜面21a(図2及び図4から図6)に沿って摺動しながら2本の軸部22aを撓ませる。そして、この保持機構20は、その連結部22bが第1係合部21を乗り越えた閉位置で、2本の軸部22aの撓みを解消し、連結部22bが第1係合部21に引っ掛かる位置となって、第2係合部22を第1係合部21に嵌め合わせる。
【0015】
また更に、この端子保護カバー1は、端子収容部11と端子カバー部12における間隔を空けて対向配置され且つその対向配置方向に対する直交方向に延在させたそれぞれの結合部11b,12bを連結させ、端子カバー部12を端子収容部11に対して開位置と閉位置との間に亘って回転させるヒンジ30を有する(図1から図10)。このヒンジ30は、その対向配置方向に対する直交方向に沿う回転軸の軸周りに折り曲げ可能なリビングヒンジである。
【0016】
このヒンジ30は、環状の外周縁の肉厚部31と、この肉厚部31の内側で肉厚部31よりも薄く形成された薄肉部32と、を有する(図1から図4及び図7から図10)。肉厚部31は、それぞれの結合部11b,12bの対向配置方向と延在方向とに対する直交方向の厚さが全周に亘って均一に形成される。また、薄肉部32は、その直交方向の厚さが全領域に亘って均一に形成される。
【0017】
肉厚部31は、端子収容部11の結合部11bに繋ぐ第1連結部33と、端子カバー部12の結合部12bに繋ぐ第2連結部34と、第1連結部33と第2連結部34の延在方向における一端同士を連結させ、かつ、第1連結部33と第2連結部34との間に亘って断面係数を変化させた第3連結部35と、第1連結部33と第2連結部34の延在方向における他端同士を連結させ、かつ、第1連結部33と第2連結部34との間に亘って断面係数を変化させた第4連結部36と、を有する(図7から図10)。
【0018】
第1連結部33は、端子収容部11の結合部11bの延在方向に沿って延在させる。ここで示す第1連結部33は、直線的に延在させた端子収容部11の結合部11bの延在方向に沿って直線的に延在させている。第2連結部34は、端子カバー部12の結合部12bの延在方向に沿って延在させる。ここで示す第2連結部34は、直線的に延在させた端子カバー部12の結合部12bの延在方向に沿って直線的に延在させている。
【0019】
第3連結部35と第4連結部36は、各々、第1連結部33と第2連結部34との間に断面係数が最も小さい低剛性部を有し、この低剛性部をヒンジ30が折り曲げられる際の曲げ起点35a,36aとする(図7から図10)。
【0020】
例えば、ここでは、肉厚部31の厚さが全周に亘って均一に形成されている。よって、ここで示す第3連結部35と第4連結部36は、各々、第1連結部33と第2連結部34の間にこれらの延在方向における幅が最も狭い狭小部を低剛性部として有しており、この狭小部を曲げ起点35a,36aとしている。
【0021】
具体的に、第3連結部35と第4連結部36は、各々、曲げ起点35a,36aから第1連結部33に向かうほど第1連結部33の延在方向で第1連結部33と第2連結部34の対向配置方向に沿う仮想線Liから離れ、かつ、曲げ起点35a,36aから第2連結部34に向かうほど第2連結部34の延在方向で仮想線Liから離れた薄肉部32側の内縁部35b,36bを有している(図7)。そして、この第3連結部35と第4連結部36は、各々、曲げ起点35a,36aから第1連結部33に向かうほど第1連結部33の延在方向で仮想線Liから離れ、かつ、曲げ起点35a,36aから第2連結部34に向かうほど第2連結部34の延在方向で仮想線Liから離れた外縁部35c,36cを有している(図7)。それぞれの内縁部35b,36bは、薄肉部32側に中心を有する円弧形状に形成されている。そして、それぞれの外縁部35c,36cは、薄肉部32側とは逆の外側に中心を有する円弧形状に形成されている。
【0022】
この端子保護カバー1においては、端子収容部11に対して端子カバー部12を閉じる際に、肉厚部31における第3連結部35と第4連結部36のそれぞれの曲げ起点35a,36aを中心にしてヒンジ30が折り曲げられ、これに伴って一箇所に定められた回転軸の軸周りに端子カバー部12を回転させることができる。よって、この端子保護カバー1においては、そのヒンジ30の曲げ起点35a,36a(回転軸)を保持機構20の第1係合部21と第2係合部22の嵌合軌跡に適した場所に設定しておくことで、その第1係合部21が端子カバー部12にぶつかったり、第2係合部22が端子収容部11にぶつかったりせずに、第1係合部21と第2係合部22を嵌め合わせることができる。従って、本実施形態の端子保護カバー1は、端子カバー部12を閉じる際の作業性に優れており、この端子カバー部12を端子収容部11に対して閉じ易くしたものとなっている。
【0023】
また、本実施形態の端子保護カバー1は、所望の位置からズレた回転軸と曲げ起点での曲げ癖が付かなくなる。更に、本実施形態の端子保護カバー1は、ヒンジ30の外周縁に内側よりも厚さのある肉厚部31を設けているので、ヒンジ30の曲げ伸ばしの繰り返しによる耐久性の低下を抑えることができる。
【0024】
ここで、本実施形態の端子保護カバー1においては、内縁部35b,36bと外縁部35c,36cの双方を円弧形状にしているが、内縁部35b,36bのみを円弧形状にして、外縁部35c,36cを第1連結部33と第2連結部34の対向配置方向に沿う直線形状にしてもよく、外縁部35c,36cのみを円弧形状にして、内縁部35b,36bを第1連結部33と第2連結部34の対向配置方向に沿う直線形状にしてもよい。
【0025】
また、本実施形態の端子保護カバー1においては、第3連結部35と第4連結部36のそれぞれの曲げ起点35a,36aを第1連結部33と第2連結部34の間でその中央に設けている。但し、そのそれぞれの曲げ起点35a,36aは、保持機構20の第1係合部21と第2係合部22の嵌合軌跡に適した場所に設定する必要があるので、第1連結部33と第2連結部34の間で第1連結部33側に寄せて配置されていてもよく、その間で第2連結部34側に寄せて配置されていてもよい。
【0026】
また、本実施形態の端子保護カバー1においては、ヒンジ30の幅(つまり、それぞれの結合部11b,12bの対向配置方向における間隔)を広く取った場合、対になる第3連結部35の曲げ起点35aと第4連結部36の曲げ起点36aをそれぞれの結合部11b,12bの対向配置方向に複数組設けてもよい。これにより、この端子保護カバー1は、対になる曲げ起点35a,36aの組み合わせ毎に回転軸を切り替えて端子カバー部12を回転させながら、この端子カバー部12を閉じることができる。
【0027】
例えば、端子保護カバー1においては、対になる曲げ起点35a,36aの組み合わせを第3連結部35と第4連結部36に2組設けた場合、端子収容部11に対して端子カバー部12を閉じ始めたときに、先ず一方の曲げ起点35a,36aの組み合わせを中心にしてヒンジ30が折り曲げられ、この一方の曲げ起点35a,36aに応じて一箇所に定められた回転軸の軸周りに端子カバー部12を回転させることができる。次に、この端子保護カバー1においては、その端子カバー部12の回転の途中で曲げ起点が他方の曲げ起点35a,36aに切り替わり、この他方の曲げ起点35a,36aの組み合わせを中心にしてヒンジ30が折り曲げられ、この他方の曲げ起点35a,36aに応じて一箇所に定められた別の回転軸の軸周りに端子カバー部12を回転させることができる。この端子保護カバー1においては、開位置でヒンジ30が端子収容部11と端子カバー部12を180度開かせており、例えば、一方の曲げ起点35a,36aの組み合わせを中心にしてヒンジ30を90度折り曲げ、続いて、他方の曲げ起点35a,36aの組み合わせを中心にしてヒンジ30を90度折り曲げて、開位置の端子カバー部12を閉じることができる。
【0028】
尚、ここで示す端子保護カバー1は、更に、端子金具が端末に接続された電線(図示略)についても保護する。よって、この端子保護カバー1は、その電線を収容し、かつ、この電線を開口から露出させる電線収容部13と、開位置で電線を開口から露出させ、閉位置で開口を塞ぐ電線カバー部14と、を有している。そして、この端子保護カバー1は、その電線収容部13と電線カバー部14を閉位置に保つ保持機構15と、電線カバー部14を電線収容部13に対して開位置と閉位置との間に亘って回転させるヒンジ16と、を有している(図1から図4)。そのヒンジ16は、先に例示したヒンジ30と同じように形作られたものであってもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 端子保護カバー
11 端子収容部
11a 開口
11b 結合部
12 端子カバー部
12b 結合部
20 保持機構
21 第1係合部
22 第2係合部
30 ヒンジ
31 肉厚部
32 薄肉部
33 第1連結部
34 第2連結部
35 第3連結部
35a 曲げ起点
35b 内縁部
35c 外縁部
36 第4連結部
36a 曲げ起点
36b 内縁部
36c 外縁部
Li 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10