(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006058
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250109BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/00 A
G08G1/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106613
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】檀野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】野本 雅史
(72)【発明者】
【氏名】カプラン,オラル
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC27
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、車両の走行に関するデータの提供先を車両に関連するユーザが制限することを可能にすることである。
【解決手段】情報処理装置は車両から走行に関する第1データを受信する。また、情報処理装置は、第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を車両ユーザのユーザ端末に送信する。また、情報処理装置は、第1データの提供先として車両ユーザに許可されたデータユーザを示す許可情報をユーザ端末から受信する。そして、情報処理装置は、第1データの提供先として車両ユーザに許可されたデータユーザのサーバに第1データを送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を前記車両に関連する車両ユーザのユーザ端末に送信することと、
前記データユーザ情報に基づいて前記複数のデータユーザの中から前記車両ユーザによって選択された一又は複数のデータユーザであって、前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザを示す許可情報を前記ユーザ端末から受信することと、
前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザのサーバに前記第1データを送信することと、
を実行する制御部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記データユーザ情報は、前記複数のデータユーザそれぞれが前記第1データを提供された場合の前記第1データの保存期間に関する情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データユーザ情報は、前記複数のデータユーザそれぞれが前記第1データを提供された場合の前記第1データの利用目的に関する情報を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザに対して前記車両ユーザに関する所定の個人情報を前記第1データと共に提供することを前記車両ユーザが許可している否かを示す付加情報を前記許可情報と共に前記ユーザ端末から受信することを前記制御部がさらに実行する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
車両に関連する車両ユーザのユーザ端末に情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を管理サーバから受信することと、
前記データユーザ情報に基づいて前記複数のデータユーザの中から前記車両ユーザによって選択された一又は複数のデータユーザであって、前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザを受け付けることと、
前記受け付けた前記一又は複数のデータユーザを示す許可情報を前記管理サーバに送信することと、
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の走行に関するデータの収集及び該データの第三者への提供に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサデータ管理システムが開示されている。特許文献1に開示されたセンサデータ管理システムでは、センサデータを管理するサーバが、匿名化ポリシー設定ファイルの定義内容に従い、センサデータのうち指定されたデータ項目を指定された条件により個別に匿名化する匿名化処理を実行する。また、匿名化処理によって生成された匿名化センサデータを含むセンサデータの任意のデータ項目の組み合わせが他のサーバに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、車両の走行に関するデータの提供先を車両に関連するユーザが制限することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
車両から走行に関する第1データを受信することと、
前記第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を前記車両に関連する車両ユーザのユーザ端末に送信することと、
前記データユーザ情報に基づいて前記複数のデータユーザの中から前記車両ユーザによって選択された一又は複数のデータユーザであって、前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザを示す許可情報を前記ユーザ端末から受信することと、
前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザのサーバに前記第1データを送信することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係るプログラムは、
車両に関連する車両ユーザのユーザ端末に情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
前記第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を管理サーバから受信することと、
前記データユーザ情報に基づいて前記複数のデータユーザの中から前記車両ユーザによって選択された一又は複数のデータユーザであって、前記第1データの提供先として前記車両ユーザに許可された前記一又は複数のデータユーザを受け付けることと、
前記受け付けた前記一又は複数のデータユーザを示す許可情報を前記管理サーバに送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車両の走行に関するデータの提供先を車両に関連するユーザが制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。
【
図2】
図2は、車両から管理サーバに送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、管理サーバの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4(a)は、車両ユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(b)は、データユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、データ提供システムにおける情報処理のフローを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
近年、多くの車両から走行に関するデータ(以下、「走行データ」と称する場合もある。)を収集し、収集された走行データをビッグデータとして活用する取り組みが行われている。しかしながら、車両に関連するユーザ(車両ユーザ)が、走行データの提供を希望する第三者の全てに走行データを提供することを許容するとは限らない。つまり、車両ユーザが、走行データの提供を希望する複数の第三者のうちの一部には走行データの提供を許容しない場合がある。ここで、第三者は、収集された走行データをビッグデータとして活用するデータユーザである。そこで、本開示は、車両の走行データの提供先を車両ユーザが制限することを可能にする技術を提供する。
【0010】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は制御部を備える。制御部は車両から第1データを受信する。第1データは走行データである。第1データは、車両に搭載された各種センサによって車両の走行中に取得されてもよい。また、制御部は、データユーザ情報を車両に関連する車両ユーザのユーザ端末に送信する。データユーザ情報は、第1データの提供を希望する複数のデータユーザに関する情報である。データユーザ情報は、例えば、各データユーザにおける、提供された第1データの利用目的に関する情報を含んでもよい。また、データユーザ情報は、各データユーザにおける、提供された第1データの保存期間に関する情報を含んでもよい。なお、情報処理装置には、複数のデータユーザに関するデータユーザ情報が予め登録されていてもよい。また、各データユーザのサーバから送信されるデータ提供要求にデータユーザ情報が含まれていてもよい。
【0011】
ユーザ端末によって複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を受信すると、車両ユーザは、第1データの提供先として許可する一又は複数のデータユーザ(以下、「許可ユーザ」と称する場合もある。)をデータユーザ情報に基づいて選択することが可能となる。そして、ユーザ端末は、車両ユーザによる一又は複数の許可ユーザの選択を受け付けることができる。さらに、ユーザ端末は、車両ユーザによって選択された一又は複数の許可ユーザを示す許可情報を情報処理装置に送信することができる。
【0012】
そこで、制御部は、ユーザ端末から送信された許可情報を受信する。そして、制御部は、許可情報に基づいて一又は複数の許可ユーザを特定し、該一又は複数の許可ユーザのサーバに第1データを送信する。なお、制御部は、車両から受信した第1データを、そのままの状態ではなく、何らかの加工処理を施した状態で許可ユーザのサーバに送信してもよい。
【0013】
本開示によれば、車両の第1データの提供先となるデータユーザを車両ユーザが選択す
ることができる。したがって、車両の走行に関するデータの提供先を車両に関連するユーザが制限することが可能となる。
【0014】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
<実施形態>
(システム概略)
図1は、本実施形態に係るデータ提供システムにおけるデータの流れを示す図である。データ提供システム1は、車両10から走行データを収集し、収集した走行データを第三者であるデータユーザに提供するためのシステムである。データ提供システム1は、車両10、ユーザ端末300、管理サーバ100、及び複数のデータユーザサーバ200を含む。
【0016】
ユーザ端末300は、車両10に関連する車両ユーザによって操作される端末である。ここで、車両ユーザは、例えば、車両10の運転者または車両10の所有者である。管理サーバ100は、車両10から走行データを収集するサーバ装置である。データユーザサーバ200は、車両10の走行データをビッグデータとして活用することを希望するデータユーザに関連するサーバ装置である。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。また、
図1においては、車両10が一台のみ図示されているが、データ提供システム1は複数の車両10を含み、管理サーバ100が複数の車両10それぞれから走行データを収集する。
【0017】
車両10、ユーザ端末300、管理サーバ100、及び各データユーザサーバ200は、ネットワークによって相互に接続されている。ここで、ネットワークとしては、例えば、インターネット等の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。また、ネットワークは、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
【0018】
車両10は、走行データを取得するための各種センサを備える。そして、車両10は、走行中に取得した走行データを管理サーバ100に所定のタイミングで送信する。例えば、車両10は、走行中に所定の間隔で周期的に走行データを管理サーバ100に送信してもよい。
【0019】
図2は、車両10から管理サーバ100に送信される走行データのテーブル構成の一例を示す図である。
図2に示すように、走行データは、車両IDフィールド、日時フィールド、位置フィールド、速度フィールド、及び加速度フィールド等を有する。車両IDフィールドには、走行データの送信元である車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。日時フィールドには、車両10において走行データが取得された日時についての情報が入力される。位置フィールドには、車両10の位置情報が入力される。速度フィールドには、車両10の速度情報が入力される。加速度フィールドには、車両10の加速度情報が入力される。また、走行データには、車両10のスタートボタン(又は、イグニッションスイッチ)のON及びOFFに関する情報が含まれていてもよい。また、走行データには、車両10に搭載されたカメラによって撮像された画像情報が含まれていてもよい。なお、走行データは、必ずしも、車両10に搭載されたセンサによって取得されたデータでなくてもよい。本実施形態においては、走行データが、本開示に係る「第1データ」に相当する。
【0020】
また、管理サーバ100は、データユーザの提供要求に応じて、車両10の走行データ
をデータユーザサーバ200に送信する。これにより、データユーザは、ビッグデータとして活用する走行データの提供を受けることができる。ただし、車両ユーザが、管理サーバ100に送信された車両10の走行データを全てのデータユーザに提供することを許容していない場合がある。
【0021】
そこで、本実施形態では、各データユーザに関するデータユーザ情報を車両ユーザのユーザ端末300に送信する。ユーザ端末300は、CPU(Central Processing Unit)
等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置、及び、ユーザ端末300をネットワークに接続するための通信インタフェースを有する。ユーザ端末300としては、スマートフォン、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ、または、ウェアラブルコンピュータを例示することができる。また、車両10に搭載された車載端末がユーザ端末300として機能してもよい。また、データユーザ情報は、各データユーザにおける、提供された走行データの利用目的に関する情報、及び、提供された走行データの保存期間に関する情報を少なくとも含んでいる。
【0022】
ユーザ端末300においては、管理サーバ100から受信した各データユーザに関するデータユーザ情報が車両ユーザに対して提示される。これにより、車両ユーザは、車両10の走行データの提供先として許可する一又は複数のデータユーザ(許可ユーザ)をデータユーザ情報に基づいて選択することができる。ユーザ端末300は、車両ユーザによる一又は複数の許可ユーザの選択を受け付ける。そして、ユーザ端末300は、車両ユーザによって選択された一又は複数の許可ユーザを示す許可情報を管理サーバ100に送信する。
【0023】
管理サーバ100は、ユーザ端末300から許可情報を受信すると、許可情報に基づいて一又は複数の許可ユーザを特定する。このとき特定される一又は複数の許可ユーザは、車両10の走行データの提供を要求した複数のデータユーザのうちのいずれかである。そして、管理サーバ100は、一又は複数の許可ユーザのデータユーザサーバ200に車両10の走行データを送信する。
【0024】
(管理サーバの構成)
次に、管理サーバ100の構成について説明する。
図3は、管理サーバ100の構成を概略的に示すブロック図である。管理サーバ100は、制御部110、記憶部120、及び通信モジュール130を備えている。制御部110は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部110は、CPU(Central Processing Unit
)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、及び、ROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置を含む。なお、CPUはプロセッサ・リソースの一例である。また、RAM及びROMはメモリ・リソースの一例である。制御部110は、各種プログラム及び各種データに基づいて任意の情報処理を実行することができる。ただし、制御部110の一部または全部の機能はASIC、FPGA等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0025】
記憶部120は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の任意の記憶装置によって構成される。記憶部120は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、又は、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。記憶部120には、制御部110によって実行されるプログラム、及びプログラムの実行に利用される各種データが記憶されている。
【0026】
記憶部120には、各車両10から受信した走行データ121を格納するデータベース
が構築されている。このデータベースには、走行データ121が車両10毎に記憶されている。また、記憶部120には、各車両ユーザに関する車両データユーザ情報122を格納するデータベース(車両ユーザ情報データベース)が構築されている。また、記憶部120には、各データユーザに関するデータユーザ情報123を格納するデータベース(データユーザ情報データベース)が構築されている。
【0027】
図4(a)は、車両ユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、車両ユーザ情報データベースは、車両ユーザIDフィールド、車両IDフィールド、及び個人情報フィールドを有する。車両ユーザIDフィールドには、車両ユーザを特定するための識別情報であるデータユーザIDが入力される。車両IDフィールドには、車両ユーザに対応する車両10を特定するための識別情報である車両IDが入力される。個人情報フィールドには車両ユーザの個人情報が入力される。ここで、車両ユーザの個人情報には、例えば、車両ユーザの住所、連絡先(電話番号、eメールアドレス等)等が含まれてもよい。車両ユーザ情報データベースには、各車両ユーザによって予め登録された情報が入力される。
【0028】
図4(b)は、データユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
図4(b)に示すように、データユーザ情報データベースは、データユーザIDフィールド、利用目的フィールド、及びデータ保存期間フィールドを少なくとも有する。データユーザIDフィールドには、データユーザを特定するための識別情報であるデータユーザIDが入力される。
【0029】
利用目的フィールドには、管理サーバ100から走行データが提供された場合の各データユーザにおける走行データの利用目的に関する情報が入力される。ここで、データユーザの走行データの利用目的としては、マーケティング、非営利の統計分析、及び事件・事故調査を例示することができる。より詳細には、走行データのマーケティング利用とは、例えば、車両ユーザの商圏分析である。また、非営利の統計分析とは、例えば、各道路の走行量調査又は各道路の渋滞予測である。また、事件・事故調査とは、例えば、特定の事件・事故現場付近を通行した車両の捜索である。
【0030】
また、データユーザによっては、走行データを利用目的に応じたデータ分析に用いた後、該走行データをデータユーザサーバ200からすぐに削除する場合もある。また、データユーザによっては、走行データを比較的長期間に渡ってデータユーザサーバ200に保存する場合もある。データ保存期間フィールドには、このような、管理サーバ100から走行データが提供された場合の各データユーザサーバ200における走行データの保存期間に関する情報が入力される。
【0031】
データユーザ情報データベースには、各データユーザによって予め登録された情報が入力される。なお、各データユーザサーバ200から管理サーバ100に送信されるデータ提供要求にデータユーザ情報が含まれてもよい。
【0032】
通信モジュール130は、管理サーバ100をネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信モジュール130は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0033】
(情報処理のフロー)
以下、本実施形態に係るデータ提供システム1における情報処理のフローについて
図5に基づいて説明する。
図5は、データ提供システム1における情報処理のフローを示すシ
ーケンス図である。なお、
図5においては、複数のデータユーザサーバ200のうちの一つのデータユーザサーバの参照番号を200aとし、複数のデータユーザサーバ200のうちの他の一つのデータユーザサーバの参照番号を200bとしている。
【0034】
データ提供システム1においては、管理サーバ100の制御部110が、複数のデータユーザサーバ200(200a、200b)からデータ提供要求を受信する(S101)。ここで、データ提供要求には、要求元のデータユーザのデータユーザIDが含まれている。また、データ提供要求には、提供要求の対象となる走行データ121の条件が含まれている。提供要求の対象となる走行データ121の条件は、例えば、車両10における走行データ121の取得時期及び取得地域によって規定されていてもよい。また、提供要求の対象となる走行データ121の条件として、素行データを取得した車両10が特定されていてもよい。
【0035】
次に、管理サーバ100の制御部110は、データユーザへのデータ提供の対象となる走行データ121(以下、「対象データ」と称する場合もある)及び対象データを取得した車両10の車両ユーザを特定する(S102)。ここで、制御部110は、記憶部120における走行データ121を格納するデータベースを参照することで、データ提供要求の対象となる走行データ121の条件を満たす走行データ121を対象データとして特定する。さらに、制御部110は、記憶部120における車両ユーザ情報ベースを参照することで、対象データを取得した車両10の車両ユーザを特定する。ここでは、対象データを取得した車両10の車両IDに対応する車両ユーザが特定される。
【0036】
次に、管理サーバ100の制御部110は、記憶部120におけるデータユーザ情報データベースを参照することで、データ提供の要求元である複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を抽出する(S103)。ここでは、各データユーザサーバ200(200a、200b)から受信したデータ提供要求に含まれるデータユーザIDに対応するデータユーザ情報が抽出される。次に、管理サーバ100の制御部110は、S103で抽出された複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を、S102で特定された車両ユーザのユーザ端末300に送信する(S104)。
【0037】
ユーザ端末300は、管理サーバ100から受信した複数のデータユーザに関するデータユーザ情報を出力する。これにより、車両ユーザは、各データユーザのデータユーザ情報に基づいて許可ユーザを選択することが可能となる。例えば、車両ユーザは、各データユーザの走行データの利用目的に基づいて許可ユーザを選択してもよい。具体的には、走行データの利用目的がマーケティングであるデータユーザを除いたデータユーザを許可ユーザとして車両ユーザが選択してもよい。また、車両ユーザは、各データユーザの走行データの保存期間に基づいて許可ユーザを選択してもよい。具体的には、走行データの保存期間が比較的短いデータユーザを許可ユーザとして車両ユーザが選択してもよい。
【0038】
そして、ユーザ端末300は、車両ユーザによる一又は複数の許可ユーザの選択を受け付ける(S105)。さらに、ユーザ端末300は、車両ユーザによって選択された一又は複数の許可ユーザを示す許可情報を管理サーバ100に送信する(S106)。許可情報には、一又は複数の許可ユーザのデータユーザIDが含まれてもよい。
【0039】
管理サーバ100の制御部110は、ユーザ端末300から許可情報を受信すると、該許可情報が示す一又は複数の許可ユーザのデータユーザサーバ200に、S102で特定された対象データを送信する(S107)。なお、
図5においては、データユーザサーバ200aが許可ユーザのデータユーザサーバである。このとき、制御部110は、記憶部120のデータベースに格納された走行データ121に対して、許可ユーザの要求に応じた加工処理を施した上で、対象データをデータユーザサーバ200aに送信してもよい。
【0040】
上記のようなフローによれば、車両10の車両ユーザが選択した許可ユーザのデータユーザサーバ200に車両10の走行データが送信される。換言すれば、車両10の車両ユーザが許可ユーザとして選択しなかったデータユーザのデータユーザサーバ200には車両10の走行データは送信されない。したがって、車両10の走行データの提供先を車両ユーザが制限することが可能となる。
【0041】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。本変形例では、データユーザが、車両10の走行データのみならず、車両ユーザの個人情報もビッグデータとして活用することを想定する。
【0042】
本変形例では、管理サーバ100の制御部110が、データユーザ情報をユーザ端末300に送信する際に、データユーザが車両ユーザに関する所定の個人情報の提供も要求していることを示す情報を合わせて送信する。そして、制御部110は、許可情報と共に付加情報を車両ユーザのユーザ端末300から受信する。ここで、付加情報は、車両ユーザに関する所定の個人情報を許可ユーザに対して提供することを車両ユーザが許可している否かを示す情報である。
【0043】
ユーザ端末300から受信した付加情報に基づいて、管理サーバ100の制御部110は、車両ユーザに関する所定の個人情報を許可ユーザに提供するか否かを決定する。詳細には、付加情報おいて、車両ユーザに関する所定の個人情報を許可ユーザに提供することを車両ユーザが許可していれば、制御部110は、記憶部120における車両ユーザデータベースを参照して、対象となる車両ユーザに関する所定の個人情報を抽出する。そして、制御部110は、抽出された車両ユーザに関する所定の個人情報を、許可ユーザのデータユーザサーバ200に車両10の走行データと共に送信する。
【0044】
本変形例によれば、車両ユーザに関する個人情報のデータユーザへの提供を、車両10の走行データの提供とは区別して車両ユーザが制限することが可能となる。
【0045】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0046】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0047】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために
適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0048】
1・・・データ提供システム
10・・車両
100・・管理サーバ
110・・制御部
120・・記憶部
121・・走行データ
122・・車両ユーザ情報
123・・データユーザ情報
130・・通信モジュール
200・・データユーザサーバ
300・・ユーザ端末