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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006126
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 17/00 20060101AFI20250109BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20250109BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20250109BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06K17/00 025
G06K7/10 268
G06K7/015
B41J3/36 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106723
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】佐野 綾亮
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 篤史
(72)【発明者】
【氏名】宮林 宏和
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
(57)【要約】
【課題】台紙の搬送経路において無線タグと無線通信するアンテナが設けられた位置にラベルを検出するセンサを配置できる無線通信装置を提供する。
【解決手段】アンテナ基板40には、印刷テープ10の台紙12に貼付されたラベル11に設けられている無線タグ15と無線通信するアンテナ45が形成される。アンテナ45は、環状のアンテナ部46と、アンテナ部46に給電する給電配線部47を有する。アンテナ部46の環状内に、アンテナ基板40を厚み方向に貫通する貫通孔49が形成される。印刷テープ10の搬送経路には、アンテナ基板40と、透過型の光センサが配置される。光センサは、搬送方向においてアンテナ45の一端部45Aと他端部45Bとの間に配置されている。故に印刷装置は無線タグ15に対する通信位置を適切に決定できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグが設けられた複数のラベルが長手方向に互いに離れて貼付された長尺な台紙を搬送し、前記無線タグと無線通信が可能な無線通信装置であって、
前記台紙の前記長手方向を搬送方向として前記台紙を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記台紙の幅方向と前記搬送方向とに交差する交差方向において前記搬送経路に対向して配置され、前記ラベルの端部を検出するセンサと、
前記交差方向において前記搬送経路に対向して配置され、前記無線タグと無線通信を行うためのアンテナが設けられた通信部と、
前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向に搬送しつつ、前記複数のラベルのうち前記通信部による通信対象である対象ラベルの前記搬送方向の下流側かつ前記対象ラベルと隣り合う位置に貼付されたラベルの上流側の端部を前記センサによって検出し、その後、前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向に所定量搬送したときに前記通信部によって前記対象ラベルと無線通信を行う制御部と
を備え、
前記所定量は、前記センサによって前記複数のラベルのうち任意の前記ラベルの前記搬送方向上流側の端部を検出した後、前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向の複数の位置に順次搬送したときのそれぞれに位置において検出される前記通信部と前記無線タグとの通信状態に基づいて決定され、
前記センサは、前記交差方向に見た場合に、前記アンテナの前記搬送方向における一端と他端の間に配置されていること
を特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記センサは、
前記搬送経路へ向けて検出光を出射する投光部と、
前記搬送経路を通過した前記検出光を受光する受光部と
を有し、
前記投光部と前記受光部とが前記搬送経路を前記交差方向に挟んで配置され、前記搬送経路を搬送される前記台紙を透過した透過光の強度に基づいて前記ラベルの端部を検出する透過センサであること
を特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記センサは、
前記搬送経路へ向けて検出光を出射する投光部と、
前記搬送経路を搬送される前記台紙によって反射された前記検出光を受光する受光部と
を有し、
前記投光部と前記受光部とが前記搬送経路に対し前記交差方向の一方側に配置され、前記台紙よって前記検出光が反射された反射光の強度に応じて前記ラベルの端部を検出する反射センサであり、
前記台紙には、前記複数のラベルの各々の端部の位置に対応し、前記ラベルの端部の検出に用いられる複数の検出マークが形成されたこと
を特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記アンテナが信号を出力したときに前記アンテナにおける電波強度が最も強くなる位置、もしくはその近傍であること
を特徴とする請求項2または3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたループアンテナおよび前記ループアンテナに給電する給電配線であり、
前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記配線パターンにおける前記ループアンテナのループ内中央の位置、もしくはその近傍であること
を特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたダイポールアンテナおよび前記ダイポールアンテナに給電する給電配線であり、
前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記平面上において、前記配線パターンの前記搬送方向の一端と他端の間において前記配線パターンに干渉しない位置、もしくはその近傍であること
を特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたモノポールアンテナおよび前記モノポールアンテナに給電する給電配線であり、
前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記平面上において、前記配線パターンの前記搬送方向の一端と他端の間において前記配線パターンに干渉しない位置、もしくはその近傍であること
を特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記通信部を前記交差方向に見た場合の前記センサの配置位置に、前記交差方向に貫通する貫通孔を有し、
前記投光部から出射される前記検出光は、前記貫通孔を通過して、前記受光部に受光されること
を特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記通信部は、
前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延び、前記搬送経路を向く第一平面と、
前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延び、前記第一平面とは反対側に形成される第二平面と
を有し、
前記センサは、前記第一平面と前記搬送経路との間に配置され、
前記アンテナは、前記第二平面に形成されたこと
を特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグと無線通信が可能な無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された無線タグ書込装置は、ラベル台紙が搬送される搬送経路上に、ラベル用紙に形成されたRFIDタグへの情報の書き込みを行うアンテナを配置する。ラベル用紙の先頭位置(搬送方向下流側の縁の位置)を示す黒マークを検出するマークセンサは、アンテナの配置位置に対して搬送方向の上流側に配置されている。無線タグ書込装置は、ラベル台紙を、ラベル用紙のラベル長およびラベル間隔の分だけ搬送し、無線タグに情報を書き込む書込位置や無線出力の強度のキャリブレーションを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、無線タグへの書込対象のラベル用紙の次のラベル用紙の先頭位置から、書込対象のラベル用紙の無線タグ形成位置までの距離が、アンテナとマークセンサとの間の距離よりも短いラベル台紙が用いられる場合がある。この場合、ラベル台紙をラベル長およびラベル間隔の分だけ搬送しても、書込対象のラベル用紙の無線タグは、アンテナの位置に到達しない。このため、無線タグ書込装置は、無線タグの位置まで搬送を続けて情報の書き込みを行った後、ラベル用紙の先頭位置までラベル台紙を逆方向に搬送する必要が生ずる。
【0005】
一方、無線タグ書込装置を、アンテナよりも搬送方向下流側にラベル用紙を検出するセンサを配置した構成とする場合において、書込対象のラベル用紙の無線タグが、搬送方向下流側の縁に近い位置に形成されたラベル台紙が用いられる場合がある。この場合、書込対象のラベル用紙をセンサが検出した状態で、アンテナが次のラベル用紙の無線タグに近接してしまう場合がある。このような状態がキャリブレーション中に生じた場合、無線タグ書込装置は、無線タグへの情報の書込位置を、書込対象のラベル用紙の次のラベル用紙の無線タグに対応した位置で誤認してしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、台紙の搬送経路において無線タグと無線通信するアンテナが設けられた位置にラベルを検出するセンサを配置できる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、無線タグが設けられた複数のラベルが長手方向に互いに離れて貼付された長尺な台紙を搬送し、前記無線タグと無線通信が可能な無線通信装置であって、前記台紙の前記長手方向を搬送方向として前記台紙を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記台紙の幅方向と前記搬送方向とに交差する交差方向において前記搬送経路に対向して配置され、前記ラベルの端部を検出するセンサと、前記交差方向において前記搬送経路に対向して配置され、前記無線タグと無線通信を行うためのアンテナが設けられた通信部と、前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向に搬送しつつ、前記複数のラベルのうち前記通信部による通信対象である対象ラベルの前記搬送方向の下流側かつ前記対象ラベルと隣り合う位置に貼付されたラベルの上流側の端部を前記センサによって検出し、その後、前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向に所定量搬送したときに前記通信部によって前記対象ラベルと無線通信を行う制御部とを備え、前記所定量は、前記センサによって前記複数のラベルのうち任意の前記ラベルの前記搬送方向上流側の端部を検出した後、前記搬送部によって前記台紙を前記搬送方向の複数の位置に順次搬送したときのそれぞれに位置において検出される前記通信部と前記無線タグとの通信状態に基づいて決定され、前記センサは、前記交差方向に見た場合に、前記アンテナの前記搬送方向における一端と他端の間に配置されていることを特徴とする無線通信装置が提供される。センサがアンテナの搬送方向における一端と他端の間に配置されているので、無線通信装置は、対象ラベルの無線タグに対する通信位置を適切に決定することができる。
【0008】
本態様において、前記センサは、前記搬送経路へ向けて検出光を出射する投光部と、前記搬送経路を通過した前記検出光を受光する受光部とを有し、前記投光部と前記受光部とが前記搬送経路を前記交差方向に挟んで配置され、前記搬送経路を搬送される前記台紙を透過した透過光の強度に基づいて前記ラベルの端部を検出する透過センサであってもよい。透過センサを用いてラベルの端部を検出することで、例えば台紙にラベルの端部を検出するための検出マークを形成する手間が省け、ラベルのコストを低減することができる。
【0009】
本態様において、前記センサは、前記搬送経路へ向けて検出光を出射する投光部と、前記搬送経路を搬送される前記台紙によって反射された前記検出光を受光する受光部とを有し、前記投光部と前記受光部とが前記搬送経路に対し前記交差方向の一方側に配置され、前記台紙よって前記検出光が反射された反射光の強度に応じて前記ラベルの端部を検出する反射センサであり、前記台紙には、前記複数のラベルの各々の端部の位置に対応し、前記ラベルの端部の検出に用いられる複数の検出マークが形成されてもよい。検出マークは通常、台紙とのコントラスト差が大きいので、検出マークによってラベルの端部の位置を特定することで、ラベルの位置の誤検出を低減することができる。また、センサを搬送経路の片側に配置すれば足りるので、無線通信装置の生産にかかるコストを削減することができる。
【0010】
本態様において、前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記アンテナが信号を出力したときに前記アンテナにおける電波強度が最も強くなる位置、もしくはその近傍であってもよい。センサがラベルの端部を検出した位置から、無線タグとの通信位置までの距離が、台紙の搬送距離とほぼ一致する。よって無線通信装置は、非書込対象のラベルの無線タグに誤って情報を書き込むことがない。
【0011】
本態様において、前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたループアンテナおよび前記ループアンテナに給電する給電配線であり、前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記配線パターンにおける前記ループアンテナのループ内中央の位置、もしくはその近傍であってもよい。ループアンテナとその給電配線を配線パターンとして形成するので、アンテナの形成が容易である。また、ループ内にセンサを配置すればよいので、通信部の設計において、センサの配置位置を設定しやすい。
【0012】
本態様において、前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたダイポールアンテナおよび前記ダイポールアンテナに給電する給電配線であり、前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記平面上において、前記配線パターンの前記搬送方向の一端と他端の間において前記配線パターンに干渉しない位置、もしくはその近傍であってもよい。ダイポールアンテナとその給電配線を配線パターンとして形成するので、アンテナの形成が容易である。また、搬送方向における配線パターンの形成範囲内にセンサを配置すればよいので、通信部の設計において、センサの配置位置を設定しやすい。
【0013】
本態様において、前記アンテナは、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延びる平面において配線パターンとして形成されたモノポールアンテナおよび前記モノポールアンテナに給電する給電配線であり、前記通信部を前記交差方向に見た場合に、前記通信部において前記センサが配置される位置は、前記平面上において、前記配線パターンの前記搬送方向の一端と他端の間において前記配線パターンに干渉しない位置、もしくはその近傍であってもよい。モノポールアンテナとその給電配線を配線パターンとして形成するので、アンテナの形成が容易である。また、搬送方向における配線パターンの形成範囲内にセンサを配置すればよいので、通信部の設計において、センサの配置位置を設定しやすい。
【0014】
本態様において、前記通信部は、前記通信部を前記交差方向に見た場合の前記センサの配置位置に、前記交差方向に貫通する貫通孔を有し、前記投光部から出射される前記検出光は、前記貫通孔を通過して、前記受光部に受光されてもよい。検出光が貫通孔を通過できるので、センサを、通信部に対して搬送経路とは反対側に配置することができる。故に、アンテナを搬送経路に近づけた配置にすることができるので、無線通信装置は、無線タグへの情報の書き込みを確実に行うことができる。
【0015】
本態様において、前記通信部は、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延び、前記搬送経路を向く第一平面と、前記通信部の前記搬送方向および前記幅方向に延び、前記第一平面とは反対側に形成される第二平面とを有し、前記センサは、前記第一平面と前記搬送経路との間に配置され、前記アンテナは、前記第二平面に形成されてもよい。通信部の第一平面側において、第二平面に形成したアンテナの搬送方向における形成範囲内にセンサを配置すればよいので、通信部の設計において、センサの配置位置を設定しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】印刷装置1の斜視図である。
図2】カバー5が閉じられた状態の印刷装置1の断面図である。
図3】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】印刷テープ10およびアンテナ基板40の平面図である。
図5】キャリブレーション処理のフローチャートである。
図6】印刷テープ10およびアンテナ基板140の平面図である。
図7】印刷テープ10およびアンテナ基板240の平面図である。
図8】アンテナ基板340と光センサ130の配置位置付近を拡大した印刷装置1の断面図である。
図9】裏面に検出マーク16を備えた印刷テープ10の平面図である。
図10】アンテナ基板440と光センサ230の配置位置付近を拡大した印刷装置1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図示された装置の構成、各種処理のフローチャート等は、その形態のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0018】
図1図2を参照し、印刷装置1の概略構成を説明する。以下の説明では、図1の右上方、左下方、右下方、左上方、上方、および下方を、それぞれ、印刷装置1の後方、前方、右方、左方、上方、下方とする。
【0019】
印刷装置1は、印刷テープ10に文字、数字、記号、図形等を印刷可能である。印刷装置1は、筐体2とカバー5を備える。カバー5は筐体2の上方に設けられ、筐体2に対して開閉可能である。筐体2の前面2Aには、操作部7が設けられる。操作部7は電源ボタン等を含み、各種情報を印刷装置1に入力可能である。
【0020】
筐体2内部の後部には、テープロール14が着脱可能に収容される。テープロール14は、印刷テープ10が印刷面10Aを内側にして芯13に巻かれることで構成され、芯13を中心に回転可能である。カバー5が閉じられた状態では、カバー5の前端5Aと筐体2の前面2Aとの間に、排出口21が形成される。排出口21の後方には、サーマルヘッド28が設けられる。サーマルヘッド28の上方にはプラテンローラ26が設けられる。
【0021】
プラテンローラ26は、サーマルヘッド28と対向し、カバー5の開閉に応じて上下方向に移動可能である。カバー5が閉じられた状態では、プラテンローラ26は、サーマルヘッド28との間で印刷テープ10を挟む。印刷テープ10の印刷面10Aは、サーマルヘッド28側を向く。カバー5が開かれた状態では、プラテンローラ26は、サーマルヘッド28から上方に離れる。プラテンローラ26は、カバー5が閉じられた状態で搬送モータ29(図3参照)の駆動により回転することで、印刷テープ10をテープロール14から排出口21に向かって搬送経路22に沿って搬送する。搬送経路22は、後述する光センサ30の投光部31と受光部32との間、およびプラテンローラ26とサーマルヘッド28との間を通り、印刷装置1の上面に設けられた排出口21へ向けて延びる。サーマルヘッド28は、プラテンローラ26によって搬送される印刷テープ10に対して印刷を行う。なお、印刷テープ10の搬送量は、搬送モータ29に設けられたエンコーダ29A(図3参照)から出力される信号に基づいて特定される。
【0022】
プラテンローラ26の後方には、光センサ30とアンテナ基板40が設けられる。光センサ30は後述するラベル11の端部11A,11Bを検出するためのセンサであり、投光部31と受光部32とを有する。投光部31はプラテンローラ26の後方に配置され、受光部32はプラテンローラ26の後方斜め上方に配置される。投光部31と受光部32は、印刷テープ10の搬送経路22を挟み、互いに対向する。印刷テープ10は、投光部31と受光部32とが対向する位置においては、後上方を上流側とし、前下方を下流側とする搬送方向に沿って搬送される。なお、印刷テープ10の搬送経路22は印刷装置1内で各所において屈曲されるが、以下説明において印刷テープ10の搬送方向という場合、投光部31と受光部32とが対向する位置において印刷テープ10が搬送される方向をいう(図2参照)。印刷テープ10の印刷面10Aにおいて搬送方向と交差する方向を、印刷テープ10の幅方向という。搬送方向および幅方向に交差する方向を、交差方向という。投光部31と受光部32とは、交差方向に対向する。投光部31は交差方向において搬送経路22の下側に位置し、受光部32は搬送経路22の上側に位置する。
【0023】
アンテナ基板40は、投光部31と受光部32との間に配置される。アンテナ基板40には、アンテナ45が設けられる。アンテナ45は、無線タグ15へのデータの書き込みを行うための電波を発信し、無線タグ15から発信される電波を受信する。
【0024】
印刷装置1は、様々な種類の印刷テープ10を扱うことができる。印刷テープ10の種類には、テープ幅、テープ色、テープ材質等がある。例えば、印刷テープ10の種類には、長尺状の印刷ラベルとの剥離紙との間に粘着剤を有する複数層テープ、粘着剤を有しない単層テープ等がある。本実施形態の印刷テープ10は、複数のラベル11が長手方向に互いに離れて長尺な台紙12に貼付されたダイカットテープである。複数のラベル11は、台紙12の表面(印刷テープ10の印刷面10A側の面)に貼付される。複数のラベル11のそれぞれには、無線タグ15が設けられている。無線タグ15は、ICチップおよびアンテナを有する公知のRFIDタグである。無線タグ15は、複数のラベル11のそれぞれの裏面(台紙12との貼り合わせ面)において、印刷テープ10の搬送方向上流側の端部11Aに近い位置に、粘着材によって貼付されている。無線タグ15は、パッシブ型RFIDタグであるが、アクティブ型RFIDタグでもよい。
【0025】
図3を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、制御基板70を備える。制御基板70には、CPU71、ROM72、RAM73、フラッシュメモリ74、および入出力インタフェース75が相互に接続されて設けられる。CPU71は、印刷装置1の制御を行う。ROM72は、CPU71による各種プログラムの実行時に必要な各種パラメータ等を記憶する。RAM73は、CPU71による演算結果等、各種情報を一時的に記憶する。フラッシュメモリ74は、CPU71によって実行される各種プログラム等を記憶する。各種プログラムは、後述のキャリブレーション処理のプログラムを含む。入出力インタフェース75には、操作部7、サーマルヘッド28、搬送モータ29、エンコーダ29A、光センサ30、リーダライタ41が接続されている。
【0026】
操作部7は、ユーザによる各種情報の入力を受け付ける。サーマルヘッド28は、プラテンローラ26に対向する位置に、搬送経路22を搬送される印刷テープ10の幅方向に沿って一列に配列された複数の発熱素子(図示略)を備える。サーマルヘッド28は、発熱素子によって、プラテンローラ26と発熱素子との間に挟まれた印刷テープ10に印刷を行う。
【0027】
エンコーダ29Aは、搬送モータ29の回転量に応じた信号を、CPU71に出力する。CPU71は、エンコーダ29Aから出力された信号に基づき、搬送モータ29の回転量を特定できる。更にCPU71は、特定された回転量と、プラテンローラ26の直径とに基づき、プラテンローラ26により搬送される印刷テープ10の搬送量を特定できる。なお、本実施形態において、CPU71は、光センサ30が出力する信号のサンプリングと、エンコーダ29Aが出力する信号のサンプリングとを同期させて実行する。
【0028】
光センサ30は透過型である。投光部31は、搬送経路22へ向けて交差方向に検出光を出射する。受光部32は、搬送される印刷テープ10を検出光が透過した透過光を受光する。CPU71は、光センサ30から取得する透過光の強度に基づいて、ラベル11の端部11A,11Bを特定することができる。すなわちCPU71は、台紙12の部分を透過した透過光の強度と、台紙12およびラベル11の部分を透過した透過光の強度とに基づき、透過光の強度に大きな変化が生ずる位置を、ラベル11の端部11A,11Bの位置として特定することができる。なお、無線タグ15が設けられた位置においては検出光が印刷テープ10を透過しないので、CPU71は、ラベル11の端部11A,11Bの検出対象位置から無線タグ15の位置を外すことができる。
【0029】
リーダライタ41は、公知のRFID(Radio frequency identification)リーダライタである。リーダライタ41は、アンテナ基板40と接続する。リーダライタ41は、ラベル11に設けられた無線タグ15とアンテナ45を介して無線通信により接続し、データの読み取りと書き込みを行う。
【0030】
図4を参照し、アンテナ基板40に設けられたアンテナ45の形態について説明する。アンテナ基板40は搬送経路22の下側に配置される(図2参照)。アンテナ45は、搬送経路22側を向く第一面40A(図2参照)に、配線パターンとして形成される。アンテナ45は、アンテナ部46と給電配線部47を含む。アンテナ部46は、第一面40Aにおいて、第一面40Aの中央部分を取り巻く環状に形成される。アンテナ部46の両端は、それぞれ一対の給電配線部47に接続する。第一面40Aには、リーダライタ41と接続するための一対のコネクタ部48が設けられる。一対の給電配線部47は一対のコネクタ部48のそれぞれに接続し、コネクタ部48とアンテナ部46とを電気的に接続する。環状のアンテナ部46によって無線通信のための電波を送受信するアンテナ45は、いわゆるループアンテナである。第一面40Aには、基板の厚み方向に貫通する貫通孔49が形成されている。貫通孔49は、環状のアンテナ部46の環内に形成され、アンテナ部46とは干渉しない。
【0031】
図2に示すように、アンテナ基板40は、光センサ30の投光部31と受光部32との間において、基板の厚み方向を光センサ30の投光部31と受光部32とが対向する交差方向に向けて配置される。貫通孔49は、交差方向における平面視で、投光部31および受光部32の位置に配置される。受光部32は、投光部31から出射され、貫通孔49を通過した検出光を受光することができる。すなわち、アンテナ基板40における貫通孔49の形成位置は、交差方向の平面視において、光センサ30の配置位置である。貫通孔49の形成位置は、環状のアンテナ45の形成範囲内において、アンテナ45と干渉しない位置であればよい。搬送方向におけるアンテナ45の形成範囲は、アンテナ部46の搬送方向上流側の一端部45Aと、搬送方向下流側の他端部45Bとの間の範囲である。幅方向におけるアンテナ45の形成範囲は、アンテナ部46の幅方向一方側の一端部45Cと、幅方向他方側の他端部45Dとの間の範囲である。貫通孔49の形成位置、すなわち光センサ30の配置位置は、ループアンテナから信号が出力される場合の電波強度が最も強くなる位置であることが好ましく、環状であるアンテナ部46において、環内中央の位置、もしくはその近傍の位置であるとよい。
【0032】
図5を参照し、キャリブレーション処理について説明する。キャリブレーション処理は、ユーザが印刷テープ10のテープロール14を交換した場合に行われる。筐体2内部に収容されたテープロール14から引き出された印刷テープ10が搬送経路22に配置され、カバー5が閉じられると、CPU71は、フラッシュメモリ74に記憶したキャリブレーション処理のプログラムを読み出して実行する。
【0033】
CPU71は、印刷テープ10を搬送方向下流側へ向けて1単位分、移動する(S11)。1単位は、例えば、プラテンローラ26により搬送される印刷テープ10の搬送量として、あらかじめ設定された所定の搬送量である。
【0034】
CPU71は、光センサ30の出力信号の強度変化に基づき、ラベル11の搬送方向上流側の端部11Aを特定する。光センサ30によって搬送方向上流側の端部11Aが検出されなければ(S12:NO)、処理をS11へ戻し、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する。CPU71は、光センサ30によって搬送方向上流側の端部11Aを検出できた場合(S12:YES)、そのラベル11を1枚目のラベル11とし、それまでの印刷テープ10の搬送量に基づいて、1枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置を、基準位置として、フラッシュメモリ74に記憶する(S13)。
【0035】
CPU71は、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する(S15)。CPU71は、光センサ30の出力信号の強度変化に基づき、1枚目のラベル11の搬送方向上流側に隣り合う位置に貼付された2枚目のラベル11の搬送方向下流側の端部11Bを特定する。光センサ30によって搬送方向下流側の端部11Bが検出されなければ(S16:NO)、処理をS15へ戻し、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する。CPU71は、光センサ30によって2枚目のラベル11の搬送方向下流側の端部11Bを検出できた場合(S16:YES)、印刷テープ10の基準位置からの搬送量に基づいて、2枚目のラベル11の搬送方向下流側の端部11Bの位置をフラッシュメモリ74に記憶する(S17)。
【0036】
CPU71は、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する(S19)。CPU71は、光センサ30の出力信号の強度変化に基づき、2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aを特定する。光センサ30によって搬送方向上流側の端部11Aが検出されなければ(S20:NO)、処理をS19へ戻し、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する。CPU71は、光センサ30によって2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aを検出できた場合(S16:YES)、印刷テープ10の基準位置からの搬送量に基づいて、2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置をフラッシュメモリ74に記憶する(S21)。
【0037】
CPU71は、1枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置(基準位置)と、2枚目のラベル11の搬送方向下流側の端部11Bの位置に基づき、搬送方向におけるラベル11間の長さを示すピッチを算出する。また、2枚目のラベル11の搬送方向下流側の端部11Bの位置と、2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置に基づき、ラベル11の搬送方向の長さを示すラベル長を算出する(S23)。ノイズや誤検知等によって端部11A,11Bが特定できず、ラベル長およびピッチが算出できなかった場合(S24:NO)、CPU71は処理をS11へ戻し、ラベル長およびピッチのキャリブレーションを再度行う。ラベル長およびピッチを正常に算出できた場合(S24:YES)、CPU71は、ラベル長およびピッチをフラッシュメモリ74に記憶する(S25)。
【0038】
次にCPU71は、3枚目のラベル11を、キャリブレーション処理における無線タグ15との無線通信を行う対象である対象ラベル11とし、2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置を、基準位置として設定する(S31)。CPU71は、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する(S32)。CPU71は、無線タグ15への書き込みを行う際の出力信号を発信し、無線タグ15から受信した応答信号の電波強度を検出する(S33)。CPU71は、応答信号の電波強度と、それまでの印刷テープ10の搬送量に基づく位置を対応付けて、フラッシュメモリ74に記憶する(S35)。
【0039】
CPU71は、光センサ30の出力信号の強度変化に基づき、2枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aを特定する。光センサ30によって搬送方向上流側の端部11Aが検出されなければ(S36:NO)、処理をS31へ戻し、印刷テープ10を1単位分、搬送方向下流側へ移動する。S32~S36の処理を繰り返すことにより、対象のラベル11の基準位置から搬送方向に離れた複数の位置で、応答信号の電波強度を検出したマップが作成される。CPU71は、光センサ30によって対象ラベル11の搬送方向上流側の端部11Aを検出すると(S36:YES)、応答信号の電波強度のマップに基づき無線タグ15との無線通信を行う最適な位置を特定する(S37)。
【0040】
次にCPU71は、対象のラベル11以外の他のラベル11の無線タグ15が反応しないように、応答信号の電波強度のマップに基づき、無線タグ15への書き込みを行う際の出力信号の最適な電波強度を算出する(S39)。ノイズや誤検知等によって応答信号の電波強度のマップから出力信号の最適な電波強度を算出できなかった場合(S40:NO)、処理をS11に戻し、キャリブレーション処理を最初からやり直す。出力信号の最適な電波強度を算出できた場合(S40:YES)、CPU71は、無線タグ15の位置と、出力信号の最適な電波強度をフラッシュメモリ74に記憶する(S41)。CPU71は、1枚目のラベル11の搬送方向上流側の端部11Aの位置を基準位置とし、印刷テープ10を逆方向に搬送して光センサ30の位置を基準位置へ移動する(S42)。CPU71は、2枚目のラベル11を印刷およびデータの書き込み対象である対象ラベル11に設定し、キャリブレーション処理を終了する。
【0041】
以後、ラベルを発行する他のプログラムの実行によって、対象ラベル11への印刷および無線タグ15へのデータの書き込みの処理が実施される。CPU71は、搬送モータ29の回転を開始する。搬送モータ29の回転駆動によりプラテンローラ26は回転する。プラテンローラ26は、テープロール14から排出口21に向けて印刷テープ10を搬送する。印刷テープ10は、搬送経路22に沿って下流側に搬送される。CPU71は、対象ラベル11の印刷位置が、サーマルヘッド28の発熱素子の位置にあるとき、印刷データに基づく印刷動作を実行する。CPU71は、基準位置からの搬送量に基づき、対象ラベル11の無線タグ15との最適な無線通信を行う位置へ印刷テープ10を搬送すると、リーダライタ41によってアンテナ45から無線通信のための電波を送信し、無線タグ15へのデータの書き込みを行う。対象ラベル11への印刷およびデータの書き込みが終了すると、CPU71は、印刷テープ10を搬送し、対象ラベル11を排出口21から筐体2の外部に排出し、ラベル11の発行を終了する。
【0042】
以上説明したように、アンテナ基板40を交差方向に平面視した場合において、光センサ30は、搬送方向におけるアンテナ45の上流側の端部11Aと下流側の端部11Bとの間に配置されている。故に印刷装置1は、対象ラベル11の無線タグ15に対する通信位置を、適切に決定することができる。
【0043】
光センサ30は、投光部31と受光部32を有する透過型のセンサである。この光センサ30を用いてラベル11の端部を検出することで、印刷テープ10の台紙12に、例えばラベル11の端部11A,11Bを検出するための検出マーク16を形成する手間が省け、ラベル11のコストを低減することができる。
【0044】
アンテナ基板40を交差方向に平面視した場合において、光センサ30が配置される位置は、アンテナ45が信号を出力したときにアンテナ45における電波強度が最も強くなる位置、もしくはその近傍である。この構成により、光センサ30が対象ラベル11の下流側に位置する非書込対象のラベル11の上流側の端部11Aを検出した位置から、無線タグ15との通信位置までの距離が、台紙12の搬送距離とほぼ一致する。よって印刷装置1は、非書込対象のラベル11の無線タグ15に誤って情報を書き込むことがない。
【0045】
アンテナ45は、ループアンテナである。アンテナ基板40にアンテナ部46と給電配線部47を配線パターンとして形成するので、アンテナ45の形成が容易である。また、アンテナ部46の環内に光センサ30を配置すればよいので、アンテナ基板40の設計において、光センサ30の配置位置を設定しやすい。
【0046】
アンテナ基板40に貫通孔49を形成したことにより、光センサ30の検出光が貫通孔49を通過できる。この構成により、光センサ30を、アンテナ基板40に対して搬送経路22とは反対側に配置することができる。故に、アンテナ45を搬送経路22に近づけた配置にすることができるので、印刷装置1は、無線タグ15への情報の書き込みを確実に行うことができる。
【0047】
上記実施形態において、印刷装置1は、本発明の「無線通信装置」に相当する。プラテンローラ26と搬送モータ29は、本発明の「搬送部」に相当する。光センサ30は、本発明の「センサ」に相当する。アンテナ基板40は、本発明の「通信部」に相当する。CPU71は、本発明の「制御部」に相当する。第一面40A、第二面40Bは、それぞれ本発明の「第一平面」、「第二平面」に相当する。
【0048】
本発明は上記実施形態から変更できる。アンテナ基板40にループアンテナを形成したが、他の形状のアンテナを形成してもよい。例えば、図6に示すアンテナ145は、いわゆるモノポールアンテナである。アンテナ145は、アンテナ基板140の搬送経路22側を向く第一面40A(図2参照)に配線パターンとして形成され、アンテナ部146と給電配線部147を含む。アンテナ部146は、第一面40Aにおいて、幅方向に延びる。アンテナ部146の一端は、給電配線部147の一端に接続する。給電配線部147は、アンテナ部146の一端から搬送方向に延び、屈曲し、幅方向においてアンテナ部146から離れる方向へ延びる。給電配線部147の他端は、リーダライタ41と接続するためのコネクタ部148に接続する。基板の厚み方向に貫通する貫通孔149は、第一面40Aにおいて、アンテナ145の搬送方向上流側の一端部145Aと、搬送方向下流側の他端部145Bの間に形成される。貫通孔149は、アンテナ145とは干渉しない。貫通孔149の形成位置、すなわち光センサ30の配置位置は、モノポールアンテナから信号が出力される場合の電波強度が最も強くなる位置であることが好ましく、アンテナ部146および給電配線部147の形成範囲において、アンテナ145の搬送方向において一端部145Aと他端部145Bの間の位置、もしくはその近傍の位置であるとよい。なお、幅方向においては、光センサ30は、ラベル11の幅方向の長さの範囲内にあり、且つアンテナ部146および給電配線部147と干渉しない位置に配置されればよい。このように、アンテナ145はモノポールアンテナであり、アンテナ基板140において、アンテナ部146と給電配線部147を配線パターンとして形成することができるので、形成が容易である。また、搬送方向における配線パターンの形成範囲内に光センサ30を配置すればよいので、アンテナ基板140の設計において、光センサ30の配置位置を設定しやすい。
【0049】
例えば、図7に示すアンテナ245は、いわゆるダイポールアンテナである。アンテナ245は、アンテナ基板240の搬送経路22側を向く第一面40A(図2参照)に配線パターンとして形成され、アンテナ部246と給電配線部247を含む。アンテナ部246は、幅方向に離れた位置に一対に設けられ、それぞれ第一面40Aにおいて幅方向に延びる。一方のアンテナ部246の一端と、他方のアンテナ部246の一端は、それぞれ、一対の給電配線部247の一端に接続する。給電配線部247は、アンテナ部246の一端から搬送方向に延び、それぞれ屈曲し、幅方向において、各々が接続するアンテナ部246から離れる方向(互いに近づく方向)へ延びる。給電配線部247の各々の他端は、リーダライタ41と接続するための1つのコネクタ部248に接続する。コネクタ部248は、一対の給電配線部247の幅方向中央に位置する。基板の厚み方向に貫通する貫通孔249は、第一面40Aにおいて、アンテナ245の搬送方向上流側の一端部245Aと、搬送方向下流側の他端部245Bの間に形成される。貫通孔249は、アンテナ245とは干渉しない。貫通孔249の形成位置、すなわち光センサ30の配置位置は、ダイポールアンテナから信号が出力される場合の電波強度が最も強くなる位置であることが好ましく、アンテナ部246および給電配線部247の形成範囲において、アンテナ245の搬送方向において一端部245Aと他端部245Bの間の位置、もしくはその近傍の位置であるとよい。なお、幅方向においては、光センサ30は、ラベル11の幅方向の長さの範囲内にあり、且つアンテナ部246および給電配線部247と干渉しない位置に配置されればよい。このように、アンテナ245はダイポールアンテナであり、アンテナ基板240において、アンテナ部246と給電配線部247を配線パターンとして形成することができるので、形成が容易である。また、搬送方向における配線パターンの形成範囲内に光センサ30を配置すればよいので、アンテナ基板240の設計において、光センサ30の配置位置を設定しやすい。
【0050】
光センサ30は透過型のセンサであるが、図7に示すように、反射型の光センサ130を用いてもよい。光センサ130は、投光部131から出射される検出光が、搬送経路22を搬送される印刷テープ10で反射した反射光を受光部132で受光することによって、ラベル11の端部11A,11Bの位置を検出する。ラベル11と台紙12にコントラストが大きく異なる色差があれば、光センサ130は印刷テープ10の印刷面10A側に設け、ラベル11の端部11A,11Bの位置を検出してもよい。ラベル11と台紙12に色差がなければ、図8に示すように、印刷テープ10の裏面に、反射型の光センサ130で検出可能な検出マーク16を形成するとよい。検出マーク16の搬送方向上流側の端部の位置と下流側の端部の位置を、それぞれ、ラベル11の搬送方向下流側の端部11Bの位置と上流側の端部11Aの位置に合わせるとよい。これにより、CPU71は、反射型の光センサ130によって検出される反射光の強度に大きな変化が生ずる位置において、ラベル11の端部11A,11Bの位置を特定することが可能である。図7に示すように、本実施形態と同様に、搬送方向における光センサ130の配置位置を、アンテナ基板340の第一面40Aに形成されたアンテナ345の搬送方向における形成範囲の位置、もしくはその近傍の位置に配置するとよい。なお、反射型の光センサ130を用いる場合、アンテナ基板340に貫通孔を形成しなくともよい。検出マーク16は通常、台紙12とのコントラスト差が大きい。よって光センサ130は、検出マーク16によってラベル11の端部11A,11Bの位置を特定することで、ラベル11の位置の誤検出を低減することができる。また、光センサ130を搬送経路22の片側に配置すれば足りるので、印刷装置1の生産にかかるコストを削減することができる。
【0051】
図8に示すように、光センサ230をアンテナ基板440の搬送経路22側を向く第一面40Aに設け、アンテナ445を第一面40Aとは反対側の第二面40Bに設けてもよい。この場合も、光センサ230は、投光部231と受光部232を有する反射型の光センサ230あるとよい。光センサ230が、印刷テープ10の印刷面10Aとは反対側の裏面に設けた検出マーク16(図8参照)を検出することによって、CPU71は、ラベル11の端部11A,11Bの位置を特定することができる。本実施形態と同様に、搬送方向における光センサ230の配置位置を、アンテナ基板440の第二面40Bに形成されたアンテナ445の搬送方向における形成範囲の位置、もしくはその近傍の位置に配置するとよい。このように、アンテナ基板440の第一面40A側において、第二面40Bに形成したアンテナ445の搬送方向における形成範囲内に光センサ230を配置すればよいので、アンテナ基板440の設計において、光センサ230の配置位置を設定しやすい。
【0052】
印刷装置1は、ラベル11への印刷と、無線タグ15との無線通信が可能であるが、ラベル11への印刷を行わず、単に、無線タグ15との無線通信が可能な装置であってもよい。もしくは、無線タグ15との無線通信が可能な装置を、印刷装置1に、例えばオプションとして取り付けてもよい。
【0053】
光センサ30の代わりに、例えば超音波センサを用いてもよい。この場合も、超音波センサの位置を、搬送方向において、アンテナ45の形成範囲内に配置すればよい。また、台紙12に貼付されたラベル11の位置を段差の検知によって物理的に検出するスイッチ等を用いてもよい。スイッチの位置を、搬送方向において、アンテナ45の形成範囲内に配置すればよい。
【符号の説明】
【0054】
1 印刷装置
10 印刷テープ
10A 印刷面
11 ラベル
11A,11B 端部
12 台紙
15 無線タグ
16 検出マーク
26 プラテンローラ
29 搬送モータ
30,130,230 光センサ
31,131,231 投光部
32,132,232 受光部
40,140,240,340,440 アンテナ基板
40A 第一面
40B 第二面
45,145,245,345,445 アンテナ
45A,145A,245A 一端部
45B,145B,245B 他端部
46,146,246 アンテナ部
47,147,247 給電配線部
49 貫通孔
71 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10