(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062155
(43)【公開日】2025-04-14
(54)【発明の名称】熱媒体加熱装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/10 20220101AFI20250407BHJP
【FI】
F24H1/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171035
(22)【出願日】2023-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬
(72)【発明者】
【氏名】村上 雅史
(72)【発明者】
【氏名】増田 真一
(72)【発明者】
【氏名】敦 旭▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】関 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正胤
【テーマコード(参考)】
3L034
【Fターム(参考)】
3L034BA13
3L034BA18
3L034BB02
(57)【要約】
【課題】電気ヒータの通電を制御する複数のパワースイッチング素子を適切な温度帯に維持することができる熱媒体加熱装置を提供する。
【解決手段】熱媒体加熱装置1は、筐体2内に設けられた熱媒体流路9、11と、この熱媒体流路を流れる熱媒体を加熱する電気ヒータ18、19と、この電気ヒータの通電を制御するための複数のパワースイッチング素子22~24を備える。各パワースイッチング素子を、熱媒体流路を流れる熱媒体と熱交換関係に配置する。各パワースイッチング素子のうち、通電により最も発熱量が多くなるパワースイッチング素子24を、他のパワースイッチング素子22、23よりも、熱媒体の流れに対して上流側に配置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設けられた熱媒体流路と、該熱媒体流路を流れる熱媒体を加熱する電気ヒータと、該電気ヒータの通電を制御するための複数のパワースイッチング素子を備えた熱媒体加熱装置において、
前記各パワースイッチング素子を、前記熱媒体流路を流れる熱媒体と熱交換関係に配置すると共に、各パワースイッチング素子のうち、通電により最も発熱量が多くなるパワースイッチング素子を、他の前記パワースイッチング素子よりも、前記熱媒体の流れに対して上流側に配置したことを特徴とする熱媒体加熱装置。
【請求項2】
前記筐体内に複数の前記熱媒体流路が設けられ、各熱媒体流路にそれぞれ前記電気ヒータが配置されると共に、各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するための前記パワースイッチング素子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項3】
前記各パワースイッチング素子を流れた電流が合流して流れる特定の前記パワースイッチング素子を備え、
該特定のパワースイッチング素子を、他の前記パワースイッチング素子よりも、前記熱媒体の流れに対して上流側に配置したことを特徴とする請求項2に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項4】
前記筐体内に設けられ、前記電気ヒータを制御するための制御装置が実装された制御基板を備え、
前記制御装置は、前記各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するためのパワースイッチング素子により前記電気ヒータの通電を制御し、前記特定のパワースイッチング素子により前記各電気ヒータの全体の電力を調整することを特徴とする請求項3に記載の熱媒体加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に構成された熱媒体流路を流れる熱媒体を電気ヒータにより加熱する熱媒体加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より車両の車室内空調等に用いられる熱媒体加熱装置は、筐体内に熱媒体流路を構成し、この熱媒体流路内にカートリッジヒータと称される円筒状の電気ヒータを配置して、熱媒体流路を流れる熱媒体を加熱するものであった。この場合、筐体内には例えば二つの熱媒体流路が設けられ、それらの一端部を連通流路により連通し、各熱媒体流路内にそれぞれ電気ヒータを配置して、一方の熱媒体流路の他端部に形成した熱媒体流入部から流入した熱媒体を各電気ヒータで加熱した後、他方の熱媒体流路の他端部に形成した熱媒体流出部から流出させるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、各電気ヒータの通電制御は、IGBT等のパワースイッチング素子を用いてそれぞれ行うことになるが、これらに加えて二つの電気ヒータの全体の電力を調整するパワースイッチング素子を設けることも想定される。その場合、全体の電力を調整するためのパワースイッチング素子には、各パワースイッチング素子を流れた電流が合流して流れることになるため、最も発熱が多くなって故障する危険性がある。
【0005】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電気ヒータの通電を制御する複数のパワースイッチング素子を適切な温度帯に維持することができる熱媒体加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の熱媒体加熱装置は、筐体内に設けられた熱媒体流路と、この熱媒体流路を流れる熱媒体を加熱する電気ヒータと、この電気ヒータの通電を制御するための複数のパワースイッチング素子を備えたものであって、各パワースイッチング素子を、熱媒体流路を流れる熱媒体と熱交換関係に配置すると共に、各パワースイッチング素子のうち、通電により最も発熱量が多くなるパワースイッチング素子を、他のパワースイッチング素子よりも、熱媒体の流れに対して上流側に配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明の熱媒体加熱装置は、上記発明において筐体内に複数の熱媒体流路が設けられ、各熱媒体流路にそれぞれ電気ヒータが配置されると共に、各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するためのパワースイッチング素子が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明の熱媒体加熱装置は、上記発明において各パワースイッチング素子を流れた電流が合流して流れる特定のパワースイッチング素子を備え、この特定のパワースイッチング素子を、他のパワースイッチング素子よりも、熱媒体の流れに対して上流側に配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明の熱媒体加熱装置は、上記発明において筐体内に設けられ、電気ヒータを制御するための制御装置が実装された制御基板を備え、制御装置は、各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するためのパワースイッチング素子により電気ヒータの通電を制御し、特定のパワースイッチング素子により各電気ヒータの全体の電力を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筐体内に設けられた熱媒体流路と、この熱媒体流路を流れる熱媒体を加熱する電気ヒータと、この電気ヒータの通電を制御するための複数のパワースイッチング素子を備えた熱媒体加熱装置において、各パワースイッチング素子を、熱媒体流路を流れる熱媒体と熱交換関係に配置するようにしたので、各パワースイッチング素子は熱媒体により冷却され、熱媒体は加熱されるようになる。
【0011】
このとき、各パワースイッチング素子のうち、通電により最も発熱量が多くなるパワースイッチング素子を、他のパワースイッチング素子よりも、熱媒体の流れに対して上流側に配置したので、最も発熱量が多いパワースイッチング素子は、熱媒体流路に流入した最も温度が低い熱媒体と熱交換し、効率的に冷却され、熱媒体は効果的に加熱されることになる。
【0012】
これにより、熱媒体を効率的に加熱することができるようになると共に、全てのパワースイッチング素子を適切な温度帯に維持することができるようになり、パワースイッチング素子の故障を回避することができるようになるものである。
【0013】
例えば、請求項2の発明の如く筐体内に複数の熱媒体流路が設けられ、各熱媒体流路にそれぞれ電気ヒータが配置されると共に、各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するためのパワースイッチング素子と、請求項3の発明の如く各パワースイッチング素子を流れた電流が合流して流れる特定のパワースイッチング素子を設けた場合、この特定のパワースイッチング素子を、他のパワースイッチング素子よりも、熱媒体の流れに対して上流側に配置する。
【0014】
そして、請求項4の発明の如く制御装置が例えば各電気ヒータの通電をそれぞれ制御するためのパワースイッチング素子により電気ヒータの通電を制御し、特定のパワースイッチング素子により各電気ヒータの全体の電力を調整することになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例の熱媒体加熱装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1の熱媒体加熱装置内の熱媒体の流路を説明するための概略平断面図である。
【
図3】
図1の熱媒体加熱装置の内部を示す平面図である。
【
図4】
図3に対応する熱媒体加熱装置の縦断側面図である。
【
図5】
図1の熱媒体加熱装置の制御装置の電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明を適用した実施例の熱媒体加熱装置1の外観を示す斜視図、
図2は熱媒体加熱装置1内の熱媒体の流れを説明するための概略平断面図、
図3は
図1の熱媒体加熱装置1のカバー4を取り外した状態の筐体2の本体3内部を示す平面図、
図4は
図3の縦断側面図である。
【0017】
実施例の熱媒体加熱装置1は、図示しない車両の室内を空調するために用いられるものであり、本体3と、この本体3に取り付けられたカバー4から筐体2が構成されている。この筐体2の本体3内には、実施例では二つの流路部6、7(金属製)が相互に間隔8を存して離間した状態で並設されており、それらの内部にそれぞれ熱媒体流路9、11が構成されている。即ち、各熱媒体流路9、11は間隔8を存して、相互に離間して配置されている。
【0018】
流路部6、7の一端部には内部に連通流路12が構成された連通部13が連接されており、両熱媒体流路9、11の一端部はこの連通流路12により連通されている。そして、一方の熱媒体流路9の他端部に熱媒体流入部16が連通して構成され、他方の熱媒体流路11の他端部に熱媒体流出部17が連通して構成されている。
【0019】
各図において、18と19は実施例ではカートリッジヒータ(円筒状ヒータ)から構成された棒状の電気ヒータ(発熱体)であり、電気ヒータ(電気ヒータ1)18は一方の熱媒体流路9内に、流路部6の内面とは間隔を存して挿入配置され、電気ヒータ(電気ヒータ2)19は他方の熱媒体流路11内に、流路部7の内面とは間隔を存して挿入配置されている。
【0020】
本体3内の各流路部6、7のカバー4側となる位置には、制御基板21が設けられている。この制御基板21には、電気ヒータ18の通電を制御するためのパワースイッチング素子22(IGBT1)と、電気ヒータ19の通電を制御するためのパワースイッチング素子23(IGBT2)と、各電気ヒータ18、19の全体の電力を調整するためのパワースイッチング素子24(IGBT3)が実装されている。
【0021】
尚、上記複数のパワースイッチング素子22~24は、実施例ではIGBTにて構成されている。また、制御基板21にはノイズフィルタ25を構成するコンデンサ26及びチョークコイル27等も実装されている。これらコンデンサ26やチョークコイル27はパワースイッチング素子22~24よりも寸法が大きい回路部品である。そして、これらパワースイッチング素子22~24、コンデンサ26やチョークコイル27等により、熱媒体加熱装置1の制御装置31(
図5)が構成される。
【0022】
また、各パワースイッチング素子22~24は、制御基板21の各流路部9、11側の面に実装され、流路部6と交熱的に取り付けられている。これにより、各パワースイッチング素子22~24は、熱媒体流路9内を流れる熱媒体と熱交換関係に配置されている。更に、パワースイッチング素子24(特定のパワースイッチング素子)は、他のパワースイッチング素子22、23よりも、冷媒の流れに対して上流側に配置されている(
図3)。
【0023】
更に、コンデンサ26とチョークコイル27も制御基板21の各流路部9、11側の面に実装されており、流路部6(熱媒体流路9)と、流路部7(熱媒体流路11)との間の間隔8内に挿入されて配置されている(
図3、
図4)。
【0024】
次に、
図5は制御装置31の電気回路を示している。前述したノイズフィルタ25は図示しない車両のバッテリ(直流電源)に接続されている。パワースイッチング素子22と電気ヒータ18は直列に接続され、パワースイッチング素子23と電気ヒータ19は直列に接続されて、これら二つの直列回路が並列に接続されている。パワースイッチング素子24はこれらの並列回路に対して直列に接続されており、パワースイッチング素子24には直列に電流センサ32が接続されている。
【0025】
そして、パワースイッチング素子22と23がノイズフィルタ25の正極側に、電流センサ32が負極側に接続された構成とされる。これにより、パワースイッチング素子24には二つのパワースイッチング素子22と23を流れた電流が合流して流れることになる。
【0026】
図5において、36はマイクロコンピュータから構成された制御部であり、この制御部36の出力に、ドライバ37、38、39が接続されている。ドライバ37はパワースイッチング素子22のゲートに接続され、ドライバ38はパワースイッチング素子23のゲートに接続されている。また、ドライバ39はパワースイッチング素子24のゲートに接続されている。
【0027】
制御部36の入力には、前述した電流センサ32の出力が入力されると共に、入口温度センサ41と出口温度センサ42の出力も入力される。この入口温度センサ41は、熱媒体流入部16より熱媒体流路9に流入する熱媒体の温度を検出し、出口温度センサ42は、熱媒体流出部17より流出する熱媒体の温度を検出する。尚、本願において、熱媒体流入部16より流入する熱媒体とは、熱媒体流入部16に入る直前、若しくは、入った直後の熱媒体を意味し、熱媒体流出部17より流出する熱媒体とは、熱媒体流出部17から出る直前、若しくは、出た直後の熱媒体を意味するものとする。
【0028】
次に、以上の構成の熱媒体加熱装置1の動作について説明する。尚、熱媒体流入部16は図示しない熱媒体回路が接続され、図示しないポンプにより熱媒体(実施例では水)が熱媒体流入部16より熱媒体流路9内に流入する。熱媒体流路9に流入した熱媒体は連通流路12を経て熱媒体流路11内に流入し、熱媒体流出部17より前述した熱媒体回路に流出する。
【0029】
一方、制御装置31の制御部36は、入口温度センサ41、出口温度センサ42、及び、電流センサ32の出力に基づいて各ドライバ37~39により、各パワースイッチング素子22~24をスイッチング制御する。これにより、各電気ヒータ18、19に通電され、電気ヒータ18、19は発熱するので、熱媒体流路9内に流入した熱媒体は電気ヒータ18の周囲を通過する過程で加熱され、熱媒体流路11に入って電気ヒータ19の周囲を通過する過程で更に加熱されることになる。
【0030】
前述した熱媒体回路には、車両のHVユニットに配設されたヒータコアが接続されており、熱媒体加熱装置1で加熱された熱媒体はこのヒータコアに循環される。ヒータコアには車両の車室内に送給される空気が通風されるので、これにより、車室内は暖房されることになる。
【0031】
制御部36は入口温度センサ41が検出する流入熱媒体の温度及び出口温度センサ42が検出する流出熱媒体の温度に基づいてパワースイッチング素子22、23をスイッチング制御し、各電気ヒータ18、19への通電を制御する。これらパワースイッチング素子22、23(電気ヒータ18、19)流れた電流は、合流してパワースイッチング素子(特定のパワースイッチング素子)24に流れる。制御部36は電流センサ32が検出するこの合流した電流値に基づき、パワースイッチング素子24をスイッチング制御して、各電気ヒータ18、19全体の電力を調整する。
【0032】
ここで、パワースイッチング素子24(特定のパワースイッチング素子)には各パワースイッチング素子22、23を流れた電流が合流して流れるので、これらパワースイッチング素子22、23よりも多く発熱し、発熱量が最も多くなるが、パワースイッチング素子24は熱媒体の流れに対して他のパワースイッチング素子22、23よりも上流側に配置されているので、熱媒体流路9に流入した最も温度が低い熱媒体と熱交換することになる。
【0033】
これにより、最も発熱量が多くなるパワースイッチング素子24の熱は熱媒体に円滑に伝達されることになり、パワースイッチング素子24は効果的に冷却されると共に、熱媒体は効率的にパワースイッチング素子24の熱により温度が上昇することになる。尚、パワースイッチング素子22、23の発生する熱も、パワースイッチング素子24の下流側において熱媒体に伝達されるので、パワースイッチング素子22、23も冷却され、熱媒体は更に温度が上昇するかたちとなる。
【0034】
以上により、熱媒体を効率的に加熱することができるようになると共に、全てのパワースイッチング素子22~24を適切な温度帯に維持することができるようになり、パワースイッチング素子22~24の故障を回避することができるようになる。
【0035】
また、前述した如く熱媒体加熱装置1は、各熱媒体流路9、11を、相互に離間して配置しているので、両熱媒体流路9、11同士が熱交換してしまうことが無くなり、実施例のように熱媒体流入部16より流入する熱媒体の温度を入口温度センサ41で検出し、それに基づいて電気ヒータ18、19を制御する際にも、誤った温度を検出してしまう不都合を回避することができるようになる。
【0036】
また、実施例のように電気ヒータ18、19を各熱媒体流路9、11内にそれぞれ配置して熱媒体流入部16から流入した熱媒体を加熱し、熱媒体流出部17から流出させる場合にも、流入冷媒によって流出冷媒が冷やされてしまう不都合も回避することができる。
【0037】
特に、電気ヒータ18、19を制御するための制御装置31を構成する回路部品が実装された制御基板21を筐体2内に設け、この制御基板21のノイズフィルタ25を構成する回路部品であるコンデンサ26やチョークコイル27を、各熱媒体流路9、11間の間隔8内に配置するようにしたので、各熱媒体流路9、11間のデッドスペース(間隔8)を、回路部品の配置に有効に利用して、熱媒体加熱装置1の小型化を実現することができるようになる。
【0038】
特に実施例ではパワースイッチング素子22~24よりも寸法が大きい回路部品であるコンデンサ26やチョークコイル27を間隔8内に配置しているので、装置全体の小型化を効果的に図ることができるようになる。また、コンデンサ26やチョークコイル27を要求仕様に合わせて変更する必要が生じた場合にも、熱媒体加熱装置1を大型化すること無く、間隔8内に収めることができるようになるため、設計の自由度が増す。
【0039】
他方、パワースイッチング素子22~24は、熱媒体と熱交換関係に配置するようにしたので、パワースイッチング素子22~24が発生する熱で熱媒体を加熱し、パワースイッチング素子22~24自体は冷却することができるようになる。
【0040】
尚、実施例ではコンデンサ26とチョークコイル27を間隔8内に配置したが、それらのうちの一方のみでも効果がある。また、実施例では入口温度センサ41と出口温度センサ42を設けて電気ヒータ18、19の通電を制御するようにしたが、入口温度センサ41のみ、或いは、出口温度センサ42のみで制御するようにしてもよい。
【0041】
更に、実施例では二つの熱媒体流路9、11を有する例について説明したが、更に多くの熱媒体流路を構成し、それらを相互に離間して配置する場合にも本発明は有効である。また、実施例ではパワースイッチング素子22~24をIGBTにて構成したが、MOSFET等で構成してもよい。また、実施例では車両の空調に用いられる熱媒体加熱装置を例に採り上げて説明したが、それに限らず、熱媒体を利用した加熱システムにおいて、熱媒体加熱装置1は有効であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1 熱媒体加熱装置
2 筐体
8 間隔
9、11 熱媒体流路
12 連通流路
16 熱媒体流入部
17 熱媒体流出部
18、19 電気ヒータ
21 制御基板
22~24 パワースイッチング素子
25 ノイズフィルタ
26 コンデンサ
27 チョークコイル
31 制御装置
32 電流センサ
36 制御部
41 入口温度センサ
42 出口温度センサ