(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006249
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両の熱管理装置
(51)【国際特許分類】
B60H 1/22 20060101AFI20250109BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20250109BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20250109BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20250109BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20250109BHJP
H01M 10/6569 20140101ALI20250109BHJP
H01M 10/663 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
B60H1/22 651A
B60H1/22 611D
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/633
H01M10/6556
H01M10/6569
H01M10/663
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106920
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 智
【テーマコード(参考)】
3L211
5H031
【Fターム(参考)】
3L211AA10
3L211AA11
3L211BA02
3L211CA16
3L211CA17
3L211DA50
3L211DA99
3L211EA90
3L211GA49
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】除湿暖房の実行中に電池を昇温する際、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、高温側熱媒体を適切に加熱する。
【解決手段】空調装置2の除湿暖房時、バッテリ200の昇温要求があると、高温側回路110の高温ラジエータ118から、低温側回路120の低温ラジエータ170へ熱が伝達され、バッテリ200が昇温される。温度センサ12で検出した高温側熱媒体の温度THWが所定値αより高いとき、電気ヒータ112の通電量を減少し、温度THWが所定値β(<α)より低いとき、電気ヒータ112の通電量を増加する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、前記コンプレッサから吐出された前記冷媒と高温側熱媒体との熱交換が可能とされたコンデンサと、前記コンデンサから流出した前記冷媒を減圧する減圧部と、前記減圧部で減圧された前記冷媒の吸熱により、車室内への送風空気を冷却するエバポレータと、を含む冷凍サイクルと、
前記コンデンサにおいて前記冷媒と熱交換した前記高温側熱媒体を加熱する電気ヒータと、前記電気ヒータから流出した前記高温側熱媒体の放熱により、前記送風空気を昇温するヒータコアと、前記電気ヒータから流出した前記高温側熱媒体が流れる高温ラジエータとを含み、前記高温側熱媒体が循環する高温側回路と、
低温ラジエータを流れるとともに電池と熱交換可能な低温側熱媒体が循環する低温側回路と、
前記エバポレータと前記ヒータコアを含む空調装置と、
制御装置と、を備え、
前記高温ラジエータと前記低温ラジエータとは、前記高温側熱媒体と前記低温側熱媒体とが熱交換可能に配置されており、
前記制御装置は、
前記空調装置が、冷却された前記送風空気を昇温する除湿暖房を実行しているとき、
前記低温側熱媒体と前記電池の熱交換によって前記電池を昇温する際、前記電気ヒータから流出した前記高温側熱媒体の温度に基づいて、前記電気ヒータの通電量を制御する、車両の熱管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の熱管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2021-156234号公報(特許文献1)には、車両で発生する熱を利用して、電池(バッテリ)を加熱する熱管理装置が開示されている。この特許文献1では、低温側回路(第1熱回路)に配置された低温ラジエータ(第1ラジエータ)と、高温側回路(第2熱回路)に配置された高温ラジエータ(第2ラジエータ)との間で熱交換を行う。これにより、低温側回路を循環する低温側熱媒体(第1熱媒体)が、高温側回路を循環する高温側熱媒体(第2熱媒体)から吸熱し、この吸熱した熱を、バッテリの昇温に用いている。特許文献1の熱管理装置は、車室内の冷房を行うため、冷凍サイクルを備える。また、暖房を行うため、高温側回路にヒータコアを備える。ヒータコアに流入する高温側熱媒体の加熱には、冷凍サイクルのコンデンサにおける熱交換と高温側回路に設けた電気ヒータを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、車室内の除湿暖房を行う場合、冷凍サイクルのコンプレッサを駆動し、送風空気をエバポレータによって冷却する。冷却された送風空気を、高温側回路のヒータコアによって昇温して、車室内へ送風する。ヒータコアに流入する高温側熱媒体は、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって加熱されてよい。
【0005】
車室内の除湿暖房を行っているとき、電池の昇温要求があると、高温側熱媒体は、ヒータコアに加えて、高温ラジエータにも流入され、高温側熱媒体と低温側熱媒体(低温ラジエータ)との熱交換を行う。除湿暖房と電池昇温の両立を図るため、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、高温側熱媒体を適切に加熱することが好ましい。
【0006】
本開示の目的は、除湿暖房の実行中に電池を昇温する際、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、高温側熱媒体を適切に加熱することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る車両の熱管理装置は、冷凍サイクルと、高温側回路と、低温側回路と、空調装置と、制御装置と、を備える。冷凍サイクルは、冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサと、コンプレッサから吐出された冷媒と高温側熱媒体との熱交換が可能とされたコンデンサと、コンデンサから流出した冷媒を減圧する減圧部と、減圧部で減圧された冷媒の吸熱により車室内への送風空気を冷却するエバポレータと、を含む。高温側回路は、コンデンサにおいて冷媒と熱交換した高温側熱媒体を加熱する電気ヒータと、電気ヒータから流出した高温側熱媒体の放熱により送風空気を昇温するヒータコアと、電気ヒータから流出した高温側熱媒体が流れる高温ラジエータとを含み、高温側熱媒体が循環する。低温側回路には、低温ラジエータを流れるとともに電池と熱交換可能な低温側熱媒体が循環する。空調装置は、エバポレータとヒータコアを含む。高温ラジエータと低温ラジエータとは、高温側熱媒体と低温側熱媒体とが熱交換可能に配置されている。制御装置は、空調装置が、冷却された送風空気を昇温する除湿暖房を実行しているとき、低温側熱媒体と電池の熱交換によって電池を昇温する際、電気ヒータから流出した高温側熱媒体の温度に基づいて、電気ヒータの通電量を制御する。
【0008】
この構成によれば、空調装置は、エバポレータによって送風空気を冷却し、冷却された送風空気をヒータコアによって昇温することにより、除湿暖房を行う。電池は、低温側熱媒体と熱交換を行い、低温側熱媒体から吸熱することにより昇温される。低温側熱媒体から電池に伝達される熱は、高温ラジエータと低温ラジエータにおいて、高温側熱媒体から低温側熱媒体に吸熱される。
【0009】
除湿暖房の実行中、低温側熱媒体と電池の熱交換によって電池を昇温する場合、高温側熱媒体は、ヒータコアに加えて、高温ラジエータにも流入される。高温側熱媒体は、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、加熱することができる。コンデンサでの放熱量を増大するため、冷凍サイクルのコンプレッサの回転速度を上昇すると、冷凍サイクルの回路圧(冷媒圧)が高くなり過ぎる懸念がある。このため、電気ヒータに通電して高温側熱媒体を加熱する。この際、電気ヒータの消費電力が過大にならないよう、電気ヒータの通電量を制御することが好ましい。
【0010】
この構成では、除湿暖房の実行中、制御装置は、電気ヒータから流出した高温側熱媒体の温度に基づいて、電気ヒータの通電量を制御する。したがって、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、高温側熱媒体を適切に加熱することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、除湿暖房の実行中に電池を昇温する際、冷凍サイクルのコンデンサでの放熱(熱交換)と電気ヒータによって、高温側熱媒体を適切に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態に係る車両の熱管理装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本実施の形態において、ECUで実行される電気ヒータ制御の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】(A)および(B)は、変形例において、ECUで実行される電気ヒータ制御の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0014】
図1は、この実施の形態に係る車両の熱管理装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、車両1は、この実施の形態に係る熱管理装置10が搭載された電動車(xEV)である。車両1は、BEV(電気自動車)である。ただし、車両1は、たとえば、産業用車両であってよく、プラグインハイブリッド車のような他の電動車であってもよい。
【0015】
熱管理装置10は、熱管理回路100と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)500とを備える。ECU500は、プロセッサ501とメモリ502とを含む。メモリ502に記憶されているプログラムをプロセッサ501が実行することで、ECU500における各種の熱管理制御が実行される。
【0016】
熱管理装置10は、熱管理回路100の熱媒体を用いて車両1の熱管理を行うように構成される。熱管理回路100は、高温側回路110と低温側回路120と冷凍サイクル150とを含む。
【0017】
高温側回路110は、高温側熱媒体が流れる流路110a,110b,110cを含む。高温側回路110は、ポンプ111と電気ヒータ112と三方弁113とヒータコア114と高温ラジエータ118とを含む。三方弁113は、高温側熱媒体の経路を切り替える。ポンプ111は、高温側回路110に高温側熱媒体を循環させる。高温側熱媒体は、通過の際に各機器と熱交換を行う。ヒータコア114は、空調装置2の暖房源(熱源)として用いられる。
【0018】
低温側回路120は、低温側熱媒体が流れる流路120a,120b,120c,130a,130bを含む。低温側回路120には、ポンプ121とチラー160と三方弁310とバッテリ200とが配置されている。ポンプ121は、流路120a,120b,120cに低温側熱媒体を循環させる。バッテリ200は、本開示の「電池」に相当し、車両1を駆動するモータの電力源である。また、低温側回路120には、ポンプ131とSPU(Smart Power Unit)132とモータ用PCU(Power Control Unit)133とオイルクーラ(O/C)135と三方弁320とが配置されている。オイルクーラ135は、車両1のトランクアクスルを冷却するものである。ポンプ131は、流路130a,130b,120cに低温側熱媒体を循環させる。低温側回路120の流路120cには、低温ラジエータ170が配置されている。低温ラジエータ170は、高温ラジエータ118に近接して配置されており、たとえば、高温ラジエータ118を通過した走行風が、低温ラジエータ170を通過するよう配置されている。また、高温ラジエータ118と低温ラジエータ170の放熱フィンを、共通のフィンとした構成であってもよい。低温側熱媒体は、通過の際に各機器と熱交換を行う。
【0019】
冷凍サイクル150には冷媒が循環する。冷凍サイクル150は、コンプレッサ151と、電気式膨張弁152と、エバポレータ153と、蒸発圧力調整弁(EPR:Evaporative Pressure Regulator)154と、電気式膨張弁155とを含む。コンプレッサ151は、冷媒を圧縮して吐出する。エバポレータ153は、空調装置2の冷却源として用いられる。コンデンサ140は、高温側回路110と冷凍サイクル150との両方に接続され、熱交換器として機能する。コンデンサ140により、高温側回路110を流れる高温側熱媒体と冷凍サイクル150を循環する冷媒とが熱交換する。チラー160は、冷凍サイクル150と流路120aとの両方に接続され、熱交換器として機能する。チラー160により、冷凍サイクル150を循環する冷媒と低温側回路120を流れる低温側熱媒体とが熱交換する。
【0020】
ヒータコア114とエバポレータ153とは、空調装置2の空気通路に配置され、車室内に送風される送風空気を、昇温(暖房)、冷却(冷房)する。空調装置2の除湿暖房時には、冷凍サイクル150のコンプレッサ151によって圧縮された高温・高圧の冷媒(気体)が、コンデンサ140で放熱して凝縮する。電気式膨張弁152で減圧(圧力降下)された冷媒が、エバポレータ153で吸熱して蒸発する。高温側回路110では、三方弁113のポートPa1とポートPb1が接続され、ポンプ111が作動し、コンデンサ140で冷媒の熱を吸熱した高温側熱媒体が、ヒータコア114に流入する。また、電気ヒータ112が通電され、高温側熱媒体が加熱される。空調装置2では、送風空気がエバポレータ153の吸熱により冷却される。そして、冷却された送風空気がヒータコア114によって昇温され、車室内に送風される。
【0021】
空調装置2の除湿暖房が実行されているとき、バッテリ200の昇温要求があると、三方弁113は、ポートPa1とポートPb1の接続と、ポートPa1とポートPc1の接続とが、交互に成立するよう切り替えられる。これにより、電気ヒータ112から流出した高温側熱媒体が、ヒータコア114と高温ラジエータ118の両方に循環する。
【0022】
また、バッテリ200の昇温要求があると、低温側回路120の三方弁310は、ポートPa2とポートPb2の接続と、ポートPa2とポートPc2の接続とが、交互に成立するよう切り替えられ、ポンプ121が作動する。これにより、低温側冷媒は、バッテリ200と低温ラジエータ170とを循環する。高温ラジエータ118を流れる高温側熱媒体の熱が、低温ラジエータ170を流れる低温側熱媒体に伝達し、低温側熱媒体が加熱される。この加熱された低温側熱媒体がバッテリ200を通過する(流れる)ことにより、バッテリ200が昇温される。
【0023】
図2は、本実施の形態において、ECU500で実行される電気ヒータ制御の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、熱管理装置10の作動中、所定期間毎に処理される。ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10では、空調装置2が除湿暖房を実行中であるか否かを判定する。除湿暖房中でない場合は、否定判定され、今回のルーチンを終了する。除湿暖房中であれば、肯定判定されS11へ進む。
【0024】
S11では、バッテリ200の昇温要求があり、バッテリ200の昇温中であるか否かを判定する。バッテリ200が昇温中でない場合は、否定判定され、今回のルーチンを終了する。バッテリ200の昇温中であれば、肯定判定されS12へ進む。
【0025】
S12では、電気ヒータ112から流出した高温側熱媒体の温度THWが、所定値αより大きいか否かを判定する。高温側熱媒体の温度THWは、温度センサ12で検出する。温度THWが所定値αより大きい場合は、S13へ進んで、電気ヒータ112の通電量を減少する。たとえば、現在の通電量から所定量を減算した値を、新たな通電量にしてよく、通電量の減少が繰り返された場合、電気ヒータ112の通電が停止するようにしてよい。温度THWが所定値α以下の場合、否定判定されS14へ進む。
【0026】
S14では、温度THWが所定値βより小さいか否かを判定する。所定値βは、所定値αより小さい値である。温度THWが所定値β以上である場合、否定判定され今回のルーチンを終了する。この場合、電気ヒータ112の通電量は変更されない。温度THWが所定値βより小さい場合は、S15へ進んで、電気ヒータ112の通電量を増加する。たとえば、現在の通電量から所定量を加算した値を、新たな通電量にしてよく、通電量の加算が繰り返された場合、通電量の上限値でガード処理されてよい。その後、今回のルーチンを終了する。
【0027】
除湿暖房中に、バッテリ200の昇温を行うと、高温側熱媒体が、ヒータコア114と高温ラジエータ118の両方に循環する。本実施の形態によれば、空調装置2の除湿暖房中に、バッテリ200の昇温を行う際、電気ヒータ112から流出した高温側熱媒体の温度THWに基づいて、電気ヒータ112の通電量を制御する。除湿暖房とバッテリ200の昇温の両立を図るため、温度THWが、所定値αと所定値βの間に維持されるよう、電気ヒータ112の通電量が制御される。これにより、コンプレッサ151の回転速度の上昇を抑制でき、冷凍サイクル150の回路圧(冷媒圧)が高くなり過ぎることを抑制しつつ、電気ヒータ112の消費電力が過大にならないよう、通電量を制御することが可能になる。したがって、冷凍サイクル150のコンデンサ140での放熱(熱交換)と電気ヒータ112によって、高温側熱媒体を適切に加熱することができる。
【0028】
<変形例>
図3は、変形例において、ECU500で実行される電気ヒータ制御の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートも、熱管理装置10の作動中、所定期間毎に処理される。
図3(A)において、S20、S21は、
図2のS10、S11と同様の処理である。S22では、高温側熱媒体の温度THWと、冷凍サイクル150の回路圧(冷媒圧)Prが、
図3(B)のマップの領域Aにあるか、あるいは、領域Bにあるかを判定する。回路圧Prは、たとえば、コンプレッサ151から吐出され電気式膨張弁152で降圧される前の冷媒の圧力を、圧力センサ13によって検出した値であってよい。温度THWと回路圧Prが、領域Aにある場合は、S23へ進んで、電気ヒータ112の通電量を減少したあと、今回のルーチンを終了する。温度THWと回路圧Prが領域Bにある場合には、S24へ進んで、電気ヒータ112の通電量を増加したあと、今回のルーチンを終了する。
【0029】
この変形例によれば、
図3(B)のマップに示すように、回路圧Prが高いほど、温度THWが低い方向へ領域Aが拡大するよう、境界線が設定されている。これにより、回路圧Prは高いが、コンデンサ140における冷媒から高温側熱媒体への熱伝達量が小さく、温度THWの温度上昇が小さい場合、電気ヒータ112の通電量が減少する。これにより、コンデンサ140を流れる高温側熱媒体の温度が低下し、冷媒から高温側熱媒体への熱伝達量が大きくなるので、冷凍サイクル150の熱を効率よく利用でき、冷凍サイクル150の回路圧(冷媒圧)が高くなり過ぎることを抑制しつつ、電気ヒータ112の消費電力が過大にならないようにできる。
【0030】
上記実施の形態において、三方弁113、および三方弁310は、Tポートタイプの三方弁であってもよく、この場合は、ポートPa1(Pa2)を、同時に、ポートPb1(Pb2)とポートPc1(Pc2)とに接続できる。
【0031】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0032】
1 車両、2 空調装置、10 熱管理装置、100 熱管理回路、110 高温側回路、112 電気ヒータ、114 ヒータコア、118 高温ラジエータ、120 低温側回路、140 コンデンサ、150 冷凍サイクル、153 エバポレータ、160 チラー、170 低温ラジエータ、200 バッテリ、500 ECU。