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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006256
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】人力駆動車用の記憶装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/00 20200101AFI20250109BHJP
   B62K 19/30 20060101ALI20250109BHJP
   B62J 43/30 20200101ALI20250109BHJP
【FI】
B62J45/00
B62K19/30
B62J43/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106929
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】白井 豊土
(72)【発明者】
【氏名】大森 実
(72)【発明者】
【氏名】近藤 兼弘
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BH06
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティに貢献できる人力駆動車用の記憶装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の記憶装置は、ベース部と、前記ベース部に設けられる記憶部と、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記ベース部は、前記人力駆動車のフレームの内部空間に配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の記憶装置であって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられる記憶部と、
前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、
前記ベース部は、前記人力駆動車のフレームの内部空間に配置される、記憶装置。
【請求項2】
前記ベース部は、前記記憶部および前記制御部を収容する収容室を含む、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンポーネントと第1通信線によって通信するように構成される第1通信部をさらに備える、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項4】
前記ベース部に設けられ、前記第1通信線が接続される第1通信線接続部をさらに備える、請求項3に記載の記憶装置。
【請求項5】
前記記憶装置とは別体のバッテリから電力が供給されるように構成され、
前記第1通信線によって前記バッテリの電力が供給されるように構成される、請求項3に記載の記憶装置。
【請求項6】
前記記憶装置とは別体のバッテリから電力線を介して電力が供給されるように構成され、
前記電力線が接続される電力線接続部をさらに備える、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記記憶装置とは別体のコンポーネントと有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される第2通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記ログ情報を前記記憶装置とは別体のコンポーネントに送信するように前記第2通信部を制御するように構成される、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項8】
前記ベース部に設けられる表示部をさらに備える、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項9】
前記ベース部に設けられる第1操作部をさらに備える、請求項1に記載の記憶装置。
【請求項10】
人力駆動車用の記憶装置であって、
記憶部と、
前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントと第1通信線によって通信するように構成される第1通信部と、
前記少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記ログ情報を前記記憶装置とは別体のコンポーネントに送信するように第2通信部を制御するように構成される、記憶装置。
【請求項11】
前記第2通信部は前記記憶装置とは別体のコンポーネントと有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される、請求項10に記載の記憶装置。
【請求項12】
前記記憶装置は前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを介して前記記憶装置とは別体のコンポーネントに前記ログ情報を送信するように前記第2通信部を制御するように構成される、請求項10に記載の記憶装置。
【請求項13】
人力駆動車用の記憶装置であって、
記憶部と、
前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、
前記記憶装置は、電気アクチュエータおよび表示部を備えない、記憶装置。
【請求項14】
人力駆動車用の記憶装置であって、
記憶部と、
前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、
前記制御部は、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を前記記憶部に記憶するように前記記憶部を制御するように構成され、
前記記憶装置は、サイクルコンピュータ、アシストドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、および、バッテリユニットとは異なる、記憶装置。
【請求項15】
前記ログ情報は、前記少なくとも1つのコンポーネントがセンサから取得するセンシング情報を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【請求項16】
第2操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2操作部が操作されると、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記ログ情報を受信したことに応じて、前記ログ情報を保存するように前記記憶部を制御するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントの操作に基づいて、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記ログ情報の取得指令を受信したことに基づいて、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのコンポーネントは、サイクルコンピュータ、ドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、バッテリユニット、変速操作装置、および、パワーメータの少なくとも1つを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の人力駆動車は、人力駆動車に設けられる人力駆動車用のコンポーネントを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-34038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、ユーザビリティに貢献できる人力駆動車用の記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う記憶装置は、人力駆動車用の記憶装置であって、ベース部と、前記ベース部に設けられる記憶部と、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記ベース部は、前記人力駆動車のフレームの内部空間に配置される。
第1側面の記憶装置によれば、記憶装置の記憶部が人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶できるため、ユーザは、ログ情報を記憶装置の記憶部から取得できる。したがって、記憶装置は、ユーザビリティに貢献できる。第1側面の記憶装置によれば、ベース部がフレームの内部空間に配置されるため、記憶装置が好適に保護される。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の記憶装置において、前記ベース部は、前記記憶部および前記制御部を収容する収容室を含む。
第2側面の記憶装置によれば、記憶部および制御部が収容室に配置されるため、記憶部および制御部を好適に保護できる。
【0007】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面の記憶装置において、前記少なくとも1つのコンポーネントと第1通信線によって通信するように構成される第1通信部をさらに備える。
第3側面の記憶装置によれば、第1通信線によって、少なくとも1つのコンポーネントと好適に通信できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の記憶装置において、前記ベース部に設けられ、前記第1通信線が接続される第1通信線接続部をさらに備える。
第4側面の記憶装置によれば、第1通信線接続部によって、少なくとも1つのコンポーネントと好適に接続される。
【0009】
本開示の第3または第4側面に従う第5側面の記憶装置において、前記記憶装置とは別体のバッテリから電力が供給されるように構成され、前記第1通信線によって前記バッテリの電力が供給されるように構成される。
第5側面の記憶装置によれば、記憶装置とは別体のバッテリから電力が供給されるため、記憶装置の小型化に貢献できる。
【0010】
本開示の第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面の記憶装置において、前記記憶装置とは別体のバッテリから電力線を介して電力が供給されるように構成され、前記電力線が接続される電力線接続部をさらに備える。
第6側面の記憶装置によれば、電力線接続部によって好適に電力が供給される。
【0011】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の記憶装置において、前記記憶装置とは別体のコンポーネントと有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される第2通信部をさらに備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記ログ情報を前記記憶装置とは別体のコンポーネントに送信するように前記第2通信部を制御するように構成される。
第7側面の記憶装置によれば、別体のコンポーネントにログ情報を送信できるため、ユーザが別体のコンポーネントによってログ情報を確認できる。
【0012】
本開示の第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の記憶装置において、前記ベース部に設けられる表示部をさらに備える。
第8側面の記憶装置によれば、表示部によってユーザが情報を把握できる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の記憶装置において、前記ベース部に設けられる第1操作部をさらに備える。
第9側面の記憶装置によれば、第1操作部をユーザが操作できる。
【0014】
本開示の第10側面に従う記憶装置は、人力駆動車用の記憶装置であって、記憶部と、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントと第1通信線によって通信するように構成される第1通信部と、前記少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記ログ情報を前記記憶装置とは別体のコンポーネントに送信するように第2通信部を制御するように構成される。
第10側面の記憶装置によれば、ログ情報を別体のコンポーネントに送信できるため、ユーザが別体のコンポーネントによって、ログ情報を把握できる。したがって、記憶装置は、ユーザビリティに貢献できる。
【0015】
本開示の第10側面に従う第11側面の記憶装置において、前記第2通信部は前記記憶装置とは別体のコンポーネントと有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される。
第11側面の記憶装置によれば、有線および無線の少なくとも1つによって、ログ情報を別体のコンポーネントに送信できる。
【0016】
本開示の第10または第11側面に従う第12側面の記憶装置において、前記記憶装置は前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを介して前記記憶装置とは別体のコンポーネントに前記ログ情報を送信するように前記第2通信部を制御するように構成される。
第12側面の記憶装置によれば、人力駆動車に設けられるコンポーネントを介して、別体のコンポーネントにログ情報を送信できる。
【0017】
本開示の第13側面に従う記憶装置は、人力駆動車用の記憶装置であって、記憶部と、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を記憶するように前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記記憶装置は、電気アクチュエータおよび表示部を備えない。
第13側面の記憶装置によれば、電気アクチュエータおよび表示部を備えない簡便な構造の記憶装置の記憶部にログ情報が記憶されるため、人力駆動車が走行する場合に記憶装置がユーザの邪魔になりにくい。したがって、記憶装置は、ユーザビリティに貢献できる。
【0018】
本開示の第14側面に従う記憶装置は、人力駆動車用の記憶装置であって、記憶部と、前記記憶部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記制御部は、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントから受信したログ情報を前記記憶部に記憶するように前記記憶部を制御するように構成され、前記記憶装置は、サイクルコンピュータ、アシストドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、および、バッテリユニットとは異なる。
サイクルコンピュータ、アシストドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、および、バッテリユニットは、人力駆動車が走行する場合に使用頻度が高い。第14側面の記憶装置によれば、人力駆動車が走行する場合に使用頻度の高いコンポーネントではない記憶装置に、ログ情報を記憶できるため、人力駆動車が走行する場合に使用頻度の高いコンポーネントの大型化を抑制できる。したがって、記憶装置は、ユーザビリティに貢献できる。
【0019】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面の記憶装置において、前記ログ情報は、前記少なくとも1つのコンポーネントがセンサから取得するセンシング情報を含む。
第15側面の記憶装置によれば、少なくとも1つのコンポーネントがセンサから取得するセンシング情報を記憶できる。
【0020】
本開示の第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の記憶装置において、第2操作部をさらに備え、前記制御部は、前記第2操作部が操作されると、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される。
第16側面の記憶装置によれば、第2操作部の操作によって、記憶装置がログ情報を取得できる。
【0021】
本開示の第1から第16側面のいずれか1つに従う第17側面の記憶装置において、前記制御部は、前記ログ情報を受信したことに応じて、前記ログ情報を保存するように前記記憶部を制御するように構成される。
第17側面の記憶装置によれば、ログ情報を受信した場合に、記憶部にログ情報を保存できる。
【0022】
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の記憶装置において、前記制御部は、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つのコンポーネントの操作に基づいて、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される。
第18側面の記憶装置によれば、少なくとも1つのコンポーネントの操作によって、記憶装置がログ情報を取得できる。
【0023】
本開示の第1からだ18側面のいずれか1つに従う第19側面の記憶装置において、前記制御部は、前記ログ情報の取得指令を受信したことに基づいて、前記少なくとも1つのコンポーネントが前記記憶装置に前記ログ情報を送信するように前記少なくとも1つのコンポーネントを制御するように構成される。
第19側面の記憶装置によれば、ログ情報の取得指令を受信した場合に、記憶装置がログ情報を取得できる。
【0024】
本開示の第1から第19側面のいずれか1つに従う第20側面の記憶装置において、前記少なくとも1つのコンポーネントは、サイクルコンピュータ、ドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、バッテリユニット、変速操作装置、および、パワーメータの少なくとも1つを含む。
第20側面の記憶装置によれば、サイクルコンピュータ、ドライブユニット、変速装置、アジャスタブルシートポスト、サスペンション、制動装置、ランプ、バッテリユニット、変速操作装置、および、パワーメータの少なくとも1つのログ情報を、記憶装置の記憶部に記憶できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の人力駆動車用の記憶装置は、ユーザビリティに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態の人力駆動車用の記憶装置を含む人力駆動車の側面図である。
図2】実施形態の人力駆動車用の記憶装置を含む人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
図3図1の人力駆動車用の記憶装置およびその周辺を示す断面図である。
図4図2の人力駆動車用の制御システムによって実行されるログ情報を収集する処理のシーケンス図である。
図5図2の人力駆動車用の制御部によって実行されるログ情報を送信する処理のフローチャートである。
図6】第1変更例の人力駆動車用の記憶装置およびその周辺を示す断面図である。
図7】第1変更例の人力駆動車用の記憶装置を含む人力駆動車用の制御システムの電気的な構成を示すブロック図である。
図8】第2変更例の人力駆動車用の記憶装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図9】第3変更例の人力駆動車用の記憶装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図10】第4変更例の人力駆動車用の制御部によって実行されるログ情報を収集する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態>
図1から図5を参照して、人力駆動車用の記憶装置80が説明される。
【0028】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0029】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、例えば、前輪12F、および、後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。例えば、フレーム16にはサドル16Aが取り付けられる。
【0030】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、クランクアーム20およびクランク軸22を含む。クランク軸22は、例えば、フレーム16に対して回転可能である。クランクアーム20には、例えば、ペダル24A,24Bが連結される。クランクアーム20は、例えば、第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bを含む。
【0031】
第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bのそれぞれは、例えば、クランク軸22の軸方向の端部のそれぞれに設けられる。第1クランクアーム20Aには、例えば、第1ペダル24Aが連結される。第2クランクアーム20Bには、例えば、第2ペダル24Bが連結される。
【0032】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、クランク軸22が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0033】
駆動機構32は、クランク軸22に連結される少なくとも1つの第1回転体34を含む。少なくとも1つの第1回転体34は、例えば、フロントスプロケットを含む。少なくとも1つの第1回転体34は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸22は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0034】
駆動機構32は、少なくとも1つの第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、少なくとも1つの第1回転体34の回転力を少なくとも1つの第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、例えば、チェーンを含む。伝達部材38は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、リアスプロケットを含む。少なくとも1つの第2回転体36は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。チェーンは、例えば、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。少なくとも1つの第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、少なくとも1つの第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0035】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動車用の制御システム40を備える。制御システム40は、少なくとも1つのコンポーネント42と、少なくとも1つのコンポーネント42と通信可能に構成される記憶装置80と、を備える。コンポーネント42は、例えば、人力駆動車10に設けられる。コンポーネント42は、例えば、車体14に取り付け可能に構成される。コンポーネント42は、例えば、人力駆動車10に取り付けられた状態において使用されるコンポーネント42である。
【0036】
少なくとも1つのコンポーネント42は、例えば、サイクルコンピュータ44、アシストドライブユニット46、変速装置48、アジャスタブルシートポスト50、サスペンション52、制動装置54、ランプ56、バッテリユニット58、変速操作装置60、および、パワーメータ62の少なくとも1つを含む。
【0037】
サイクルコンピュータ44は、例えば、表示画面を含む。サイクルコンピュータ44は、例えば、ハンドルバー28に設けられる。サイクルコンピュータ44は、例えば、人力駆動車10の走行状態、および、コンポーネント42の動作状態の少なくとも1つに関する情報を表示画面に表示するように構成される。
【0038】
アシストドライブユニット46は、例えば、人力駆動車10に推進力を付与するモータ46Bを含む。アシストドライブユニット46は、例えば、モータ46Bが設けられるハウジング46Cをさらに含む。アシストドライブユニット46は、例えば、クランク軸22に設けられる。アシストドライブユニット46は、少なくとも1つの車輪12に設けられるハブモータであってもよい。
【0039】
変速装置48は、人力駆動車10の変速比率を変更するように構成される変速機を含む。変速装置48は、変速機を動作させるアクチュエータを含んでもよい。変速機は、例えば、ディレイラを含む。ディレイラは、例えば、リアディレイラを含む。ディレイラは、フロントディレイラを含んでもよい。ディレイラは、例えば、人力駆動車10における人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比率を変更するように構成される。変速比率は、例えば、クランク軸22の回転速度に対する少なくとも1つの車輪12の回転速度の比率である。少なくとも1つの車輪12の回転速度は、例えば、駆動輪の回転速度を含む。駆動輪は、例えば、後輪12Rを含む。駆動輪は、前輪12Fを含んでいてもよい。変速機は、内装変速機を含んでもよい。
【0040】
アクチュエータは、例えば、電気モータを含む。アクチュエータは、例えば、ディレイラを動作させるように構成される。変速装置48は、例えば、少なくとも1つの第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。少なくとも1つの第2回転体36は、複数の第2回転体36を含む。ディレイラは、複数の第2回転体36のうちの1つから、複数の第2回転体36のうちの他の1つに伝達部材38を掛け替えることによって変速比率を変更する。変速比率と、少なくとも1つの車輪12の回転速度と、クランク軸22の回転速度との関係は、式(1)によって表される。式(1)において、Rは、変速比率を示す。式(1)において、Wは、駆動輪の回転速度を示す。式(1)において、Cは、クランク軸22の回転速度を示す。
式(1):R=W(rpm)/C(rpm)
【0041】
アジャスタブルシートポスト50は、例えば、シートポスト16Bに取り付けられる。アジャスタブルシートポスト50は、シートポスト16Bをフレーム16に対して上昇および下降させる。アジャスタブルシートポスト50は、例えば、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。アジャスタブルシートポスト50は、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させることによって、シートポスト16Bの上昇と下降とを制御する。
【0042】
アジャスタブルシートポスト50は、シートポスト16Bの高さが異なる複数の動作状態によって動作する。アジャスタブルシートポスト50は、動作指令に応じて、動作状態を切り替える。機械式シートポストの場合、アジャスタブルシートポスト50は、動作指令を受け取ると、バルブを開く。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、所定時間の間バルブを開く構成としてもよい。機械式シートポストの場合、動作指令を受け取ると、次に動作指令を受け取るまでバルブを開く構成としてもよい。電気式シートポストの場合、アジャスタブルシートポスト50は、動作指令を受け取ると、電動アクチュエータまたは電動モータを動作させる。
【0043】
例えば、サスペンション52は、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つを含む。例えば、フロントサスペンションは、フロントフォーク26に設けられて前輪12Fに加えられた衝撃を減衰する。例えば、リアサスペンションは、フレーム16に設けられて後輪12Rに加えられた衝撃を減衰する。
【0044】
サスペンション52は、油圧式、空気圧式、および、油圧を含むハイブリッド式のサスペンションのいずれであってもよい。サスペンション52は、例えば、電動アクチュエータまたは電動モータを含む。サスペンション52は、油または空気の流路を開閉するバルブを含む。
【0045】
サスペンション52は、複数の動作状態によって動作する。複数の動作状態は、サスペンション52のストローク長、サスペンション52の反発力、および、サスペンション52の減衰力の少なくとも1つが異なる動作状態を含む。サスペンション52は、動作指令に応じて、複数の動作状態を切り替えるように構成される。例えば、サスペンション52の反発力は、サスペンション52のロック状態、アンロック状態、および、半ロック状態の場合の反発力を含む。
【0046】
制動装置54は、人力駆動車10を制動する。制動装置54は、例えば、前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つに設けられる。制動装置54は、油圧式ブレーキであってもよい。制動装置54が油圧式の場合、制動装置54は、例えば、電動ポンプを含む。
【0047】
ランプ56は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)を含む。ランプ56は、例えば、人力駆動車10の車体14に取り付けられる。ランプ56は、例えば、フロントフォーク26、ハンドルバー28、フレーム16、シートポスト16B、および、人力駆動車10に取り付けられる荷台の少なくとも1つに取り付けられる。ランプ56は、例えば、人力駆動車10の周辺を照らすように車体14に取り付けられる。ランプ56は、人力駆動車10の存在を周辺の車両等に報知するように車体14に取り付けられてもよい。
【0048】
バッテリユニット58は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリユニット58は、例えば、フレーム16に設けられる。バッテリユニット58は、例えば、バッテリユニット58以外のコンポーネント42に電力を供給する。
【0049】
変速操作装置60は、例えば、ハンドルバー28に設けられる。変速操作装置60は、例えば、比率を大きくするための第1操作部、および、比率を小さくするための第2操作部を含む。
【0050】
パワーメータ62は、例えば、人力駆動車10に加えられる人力駆動力を検出するように構成される。パワーメータ62は、例えば、ペダル24A,24B、クランクアーム20、および、クランク軸22の少なくとも1つに設けられる。パワーメータ62は、例えば、歪みセンサを含む。
【0051】
制御システム40は、例えば、コンポーネント42にセンシングデータを送信するセンサ64をさらに備えてもよい。センサ64は、通信ネットワークを構成するコンポーネント42であってもよく、コンポーネント42のうちの1つと直接通信可能に接続されてもよい。コンポーネント42は、例えば、センサ64から取得したセンシングデータに基づいて、動作するように構成される。センサ64は、パワーメータ62を含んでもよい。
【0052】
制御システム40が複数のコンポーネント42を含む場合、例えば、複数のコンポーネント42のうちの少なくとも1つは、複数のコンポーネント42のうちの他の1つと通信可能に構成される。複数のコンポーネント42のそれぞれは、例えば、他のコンポーネント42と、通信可能に接続される。複数のコンポーネント42のそれぞれは、例えば、他のコンポーネント42と、有線通信または無線通信によって通信可能に接続される。
【0053】
複数のコンポーネント42のそれぞれは、他のコンポーネント42と、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)によって、有線通信可能に接続される。複数のコンポーネント42のそれぞれは、他のコンポーネント42と、電力線通信以外によって有線通信接続可能に構成されてもよい。複数のコンポーネント42のそれぞれは、他のコンポーネント42と、CAN(Controller Area Network)等によって接続されてもよい。
【0054】
複数のコンポーネント42は、例えば、通信ネットワークを構成する。複数のコンポーネント42は、例えば、第1コンポーネント66および第2コンポーネント68を含む。例えば、第1コンポーネント66は、通信ネットワークにおいてマスタとして機能し、かつ、第2コンポーネント68は、通信ネットワークにおいてスレイブとして機能する。
【0055】
第1コンポーネント66は、例えば、制御部66Aを含む。制御部66Aは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部66Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部66Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0056】
第1コンポーネント66は、例えば、記憶部66Bをさらに含む。記憶部66Bは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部66Bは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0057】
記憶部66Bは、識別情報を記憶するように構成される。識別情報は、例えば、第2コンポーネント68が第1コンポーネント66の種類を把握可能な情報である。識別情報は、例えば、第1コンポーネント66の出荷時に、記憶部66Bに記憶される。
【0058】
記憶部66Bは、ログ情報を記憶するように構成される。ログ情報は、例えば、第1コンポーネント66の種類に応じて異なる。ログ情報は、例えば、第1コンポーネント66がセンサ64から取得するセンシング情報を含む。ログ情報は、例えば、人力駆動力のトルク、人力駆動力の仕事率、クランク軸22の回転速度、人力駆動車10の走行速度、加速度、傾斜角度、アシストドライブユニット46のアシスト力のトルク、アシストドライブユニット46のアシスト力の仕事率、アシストモード、変速装置48の変速比、変速操作装置60から送信される変速操作信号、制動装置54による制動力、制動操作装置の操作量、シートポスト16Bの高さ、アジャスタブルシートポスト50の動作タイミング、アジャスタブルシートポスト50の操作装置の操作信号、バッテリユニット58の残量、バッテリユニット58の内部温度、バッテリユニット58の消費電力、バッテリユニット58の電圧、第1コンポーネント66内部の温度、第1コンポーネント66に含まれるアクチュエータおよび基板の少なくとも1つの消費電力、第1コンポーネント66に含まれるアクチュエータおよび基板の少なくとも1つの回路における電圧、および、第1コンポーネント66に含まれる時計の時刻の少なくとも1つに関する。制御部66Aは、例えば、第1条件が満たされるまで、記憶部66Bにログ情報を蓄積させる。第1条件は、例えば、制御部66Aが外部装置からログ情報の削除指令を受信した場合に満たされる。
【0059】
第1コンポーネント66は、例えば、通信部66Cをさらに含む。第1コンポーネント66は、電気通信ケーブルおよび無線通信機の少なくとも1つを介して記憶装置80に接続可能に構成される。通信部66Cは、第2コンポーネント68と通信するように構成されていてもよい。
【0060】
第1コンポーネント66は、例えば、操作部66Dをさらに含む。操作部66Dは、例えば、ボタンおよびタッチパネルの少なくとも1つを含む。
【0061】
第1コンポーネント66は、例えば、表示部66Eをさらに含む。表示部66Eは、例えば、画像を表示可能な表示パネルを含む。表示パネルは、液晶表示パネルであってもよく、有機EL(Electro-Luminescence)パネルであってもよい。表示部66Eは、例えば、スピーカを含んでもよい。表示部66Eは、例えば、各種情報をユーザに提示するように構成される。
【0062】
第2コンポーネント68は、例えば、制御部68Aを含む。制御部68Aは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。制御部68Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部68Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0063】
第2コンポーネント68は、例えば、記憶部68Bをさらに含む。記憶部68Bは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部68Bは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0064】
記憶部68Bは、識別情報を記憶するように構成される。識別情報は、例えば、第1コンポーネント66が第2コンポーネント68の種類を把握可能な情報である。識別情報は、例えば、第2コンポーネント68の出荷時に、記憶部68Bに記憶される。
【0065】
記憶部68Bは、ログ情報を記憶するように構成される。ログ情報は、例えば、第2コンポーネント68の種類に応じて異なる。ログ情報は、例えば、第2コンポーネント68がセンサ64から取得するセンシング情報を含む。ログ情報は、例えば、人力駆動力のトルク、人力駆動力の仕事率、クランク軸22の回転速度、人力駆動車10の走行速度、加速度、傾斜角度、アシストドライブユニット46のアシスト力のトルク、アシストドライブユニット46のアシスト力の仕事率、アシストモード、変速装置48の変速比、変速操作装置60から送信される変速操作信号、制動装置54による制動力、制動操作装置の操作量、シートポスト16Bの高さ、アジャスタブルシートポスト50の動作タイミング、アジャスタブルシートポスト50の操作装置の操作信号、バッテリユニット58の残量、バッテリユニット58の内部温度、バッテリユニット58の消費電力、バッテリユニット58の電圧、第2コンポーネント68内部の温度、第2コンポーネント68に含まれるアクチュエータおよび基板の少なくとも1つの消費電力、第2コンポーネント68に含まれるアクチュエータおよび基板の少なくとも1つの回路における電圧、および、第2コンポーネント68に含まれる時計の時刻の少なくとも1つに関する。制御部68Aは、例えば、第2条件が満たされるまで、記憶部66Bにログ情報を蓄積させる。第2条件は、例えば、制御部68Aが外部装置からログ情報の削除指令を受信した場合に満たされる。
【0066】
第2コンポーネント68は、例えば、通信部68Cをさらに含む。第2コンポーネント68は、電気通信ケーブルおよび無線通信機の少なくとも1つを介して記憶装置80に接続可能に構成される。通信部68Cは、第1コンポーネント66と通信するように構成されていてもよい。
【0067】
記憶装置80は、例えば、サイクルコンピュータ44、アシストドライブユニット46、変速装置48、アジャスタブルシートポスト50、サスペンション52、制動装置54、ランプ56、および、バッテリユニット58とは異なる。記憶装置80は、例えば、サイクルコンピュータ44、アシストドライブユニット46、変速装置48、アジャスタブルシートポスト50、サスペンション52、制動装置54、ランプ56、および、バッテリユニット58のいずれとも異なる。記憶装置80は、例えば、ABS(Anti-lock Breake System)とは異なる。記憶装置80は、例えば、人力駆動車10の走行状態および走行環境に関する情報を検出するためのセンサとは異なる。記憶装置80は、例えば、記憶および通信以外の機能を備えない。
【0068】
記憶装置80は、例えば、電気アクチュエータおよび表示部を備えない。記憶装置80は、例えば、単一の部品として形成される。電気アクチュエータは、例えば、電気モータ、および、ソレノイドの少なくとも1つである。記憶装置80は、例えば、回転、旋回、伸縮、および、屈伸等の機械的な運動を行う装置を備えない。表示部は、例えば、ディスプレイ、および、スピーカの少なくとも1つである。記憶装置80は、例えば、ユーザインタフェースを備えない。
【0069】
図3に示すように、記憶装置80は、ベース部82と、記憶部84と、制御部86と、を備える。ベース部82は、人力駆動車10のフレーム16の内部空間に配置される。ベース部82は、例えば、フレーム16に取り付け可能に構成される。ベース部82は、例えば、フレーム16の開口部16Pからフレーム16の内部空間に挿入可能に構成される。ベース部82は、例えば、開口部16Pを閉鎖するカバー部82Aを備えていてもよい。カバー部82Aが開口部16Pを閉鎖することによって、フレーム16の内部空間に異物等が侵入することが抑制される。
【0070】
記憶部84は、ベース部82に設けられる。制御部86は、例えば、ベース部82に設けられる。ベース部82は、例えば、記憶部84および制御部86を収容する収容室82Sを含む。ベース部82は、例えば、収容室82Sに記憶部84および制御部86の全体を収容する。ベース部82は、記憶部84の一部が収容室82Sの外部に位置するように記憶部84を収容してもよい。ベース部82は、制御部86の一部が収容室82Sの外部に位置するように制御部86を収容してもよい。
【0071】
記憶装置80は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42と第1通信線L1によって通信するように構成される第1通信部88をさらに備える。記憶装置80が第1通信線L1を介してコンポーネント42に接続可能に構成される場合、第1通信部88は、例えば、電力線通信(PLC)、および、CAN等の少なくとも1つによってコンポーネント42と通信するように構成される。記憶装置80が無線通信機を介してコンポーネント42に接続可能に構成される場合、第1通信部88は、コンポーネント42と無線通信するように構成される無線通信機である。記憶装置80が無線通信機を介してコンポーネント42に接続可能に構成される場合、第1通信部88は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、および、赤外線通信等の少なくとも1つによってコンポーネント42と通信するように構成される無線通信機である。
【0072】
記憶装置80は、例えば、ベース部82に設けられ、第1通信線L1が接続される第1通信線接続部82Cをさらに備える。記憶部84は、例えば、記憶装置80とは別体のバッテリ40Aから電力が供給されるように構成される。記憶部84は、例えば、第1通信線L1によってバッテリ40Aの電力が供給されるように構成される。本実施形態では、バッテリ40Aは、例えば、バッテリユニット58のバッテリである。
【0073】
記憶装置80は、例えば、記憶装置80とは別体のバッテリ40Aから電力線を介して電力が供給されるように構成される。記憶装置80は、例えば、電力線が接続される電力線接続部82Dをさらに備える。本実施形態では、第1通信線L1は、例えば、電力線通信(PLC)用の電気線である。本実施形態では、第1通信線接続部82Cは、電力線接続部82Dと一体に形成される。第1通信線L1は、例えば、バッテリユニット58に直接接続されてもよく、コンポーネント42のうちの少なくとも1つを介してバッテリユニット58に接続されてもよい。
【0074】
記憶装置80は、例えば、コンポーネント42と通信ネットワークを形成する。記憶装置80は、例えば、通信ネットワークにおいて、スレイブとして機能する。通信ネットワークにおいて、第1コンポーネント66は、例えば、記憶装置80のマスタとして機能する。
【0075】
制御部86は、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのコンポーネント42から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成される。記憶部84が記憶するログ情報は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42がセンサ64から取得するセンシング情報を含む。記憶部84が記憶するログ情報は、例えば、各コンポーネント42に記憶される全てのログ情報であってもよく、各コンポーネント42に記憶される全てのログ情報のうちの予め定められる情報であってもよい。
【0076】
制御部86は、第2コンポーネント68から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成される。制御部86は、第1コンポーネント66から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成されてもよい。制御部86は、第1コンポーネント66から受信したログ情報、および、第2コンポーネント68から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成されてもよい。
【0077】
制御部86は、例えば、ログ情報を受信したことに応じて、ログ情報を保存するように記憶部84を制御する。制御部86は、例えば、コンポーネント42から受信したログ情報を、例えば、記憶部84の不揮発性メモリに記憶するように構成される。制御部86は、例えば、コンポーネント42からログ情報を受信するごとに、過去に記憶したログ情報に上書きせずに、新規に記憶部84の不揮発性メモリに記憶するように構成されてもよい。制御部86は、例えば、コンポーネント42からログ情報を受信するごとに、過去に記憶したログ情報と異なる部分のみを記憶部84の不揮発性メモリに新規に記憶するように構成されてもよい。
【0078】
制御部86は、例えば、所定条件が満たされるまでは、記憶部84に記憶されたログ情報を維持する。所定条件は、例えば、制御部86が外部装置からログ情報の削除指令を受信した場合を含む。所定条件は、例えば、記憶部84に記憶されるログ情報のデータ容量が、所定容量以上になった場合を含む。制御部86は、記憶部84に記憶されるログ情報のデータ容量が、所定容量以上になった場合、記憶部84のログ情報の少なくとも一部を削除した後に、受信したログ情報を記憶部84に記憶してもよい。
【0079】
第1コンポーネント66の制御部66Aは、例えば、開始条件が成立すると、少なくとも1つのコンポーネント42が記憶装置80にログ情報を送信するように少なくとも1つのコンポーネント42を制御するように構成される。
【0080】
制御部86は、例えば、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのコンポーネント42の操作に基づいて、少なくとも1つのコンポーネント42が記憶装置80にログ情報を送信するように少なくとも1つのコンポーネント42を制御するように構成される。開始条件は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42に含まれる操作部が操作されることによって満たされる。開始条件は、例えば、第1コンポーネント66の操作部66Dが操作されることによって満たされる。開始条件は、第2コンポーネント68に含まれる操作部、または、制御システム40と接続されるコンポーネント42とは別体のコンポーネント70に含まれる操作部が操作されることによって満たされてもよい。
【0081】
制御部86は、ログ情報の取得指令を受信したことに基づいて、少なくとも1つのコンポーネント42が記憶装置80にログ情報を送信するように少なくとも1つのコンポーネント42を制御するように構成されてもよい。ログ情報の取得指令は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42に電力が供給されることによって、少なくとも1つのコンポーネント42から送信される。少なくとも1つのコンポーネント42に電力が供給される場合は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42にバッテリ40Aからの電力が供給された場合である。開始条件は、例えば、制御部86がログ情報の取得指令を受信した場合に満たされる。
【0082】
開始条件は、少なくとも1つのコンポーネント42に記憶されるログ情報の容量が開始容量以上になった場合に満たされてもよい。開始条件は、予め定める設定期間の経過ごとに満たされてもよい。開始条件が予め定める設定期間の経過ごとに満たされる場合、記憶装置80は、予め定める設定期間ごとに、ログ情報を収集する。
【0083】
図4を参照して、制御システム40において、記憶装置80がログ情報を収集する処理が説明される。記憶装置80のログ情報の収集は、例えば、前述の開始条件が満たされることによって開始される。第1コンポーネント66の制御部66Aは、例えば、開始条件が満たされると、ログ情報の送信要求を設定する。
【0084】
ステップS11において、第1コンポーネント66の制御部66Aは、ログ情報の送信要求を設定し、ステップS12に移行する。ステップS12において、第1コンポーネント66の制御部66Aは、ログ情報の送信指令を送信する。ステップS12において、第1コンポーネント66の制御部66Aは、例えば、第1コンポーネント66と通信可能に接続される全ての第2コンポーネント68に対して、ログ情報の送信指令を送信する。ステップS12において、第1コンポーネント66の制御部66Aは、例えば、第1コンポーネント66と通信可能に接続される複数の第2コンポーネント68に対して、順次ログ情報の送信指令を送信する。ステップS12において、第1コンポーネント66の制御部66Aは、第1コンポーネント66と通信可能に接続される複数の第2コンポーネント68のうちの一部に対して、ログ情報の送信指令を送信してもよい。
【0085】
ステップS13において、第2コンポーネント68の制御部66Aは、ログ情報の送信指令を受信すると、ステップS14に移行する。ステップS14において、第2コンポーネント68の制御部66Aは、ログ情報を送信する。ステップS13において、第2コンポーネント68の制御部66Aは、例えば、送信対象を指定せずにログ情報を送信する。送信対象の指定は、例えば、識別情報によって設定される。第2コンポーネント68の制御部66Aが送信対象を指定せずにログ情報を送信する場合、例えば、第2コンポーネント68の制御部66Aは、送信対象の識別情報が設定されていないログ情報を送信する。
【0086】
送信対象を指定せずに送信されたログ情報は、通信ネットワークに含まれる、第1コンポーネント66、他の第2コンポーネント68、および、記憶装置80の全てに送信される。記憶装置80は、送信対象を指定せずに送信されたログ情報を取得可能に構成される。第1コンポーネント66は、第2コンポーネント68から送信対象を指定せずに送信された情報を取得可能に構成されるが、第1コンポーネント66は、送信対象を指定せずに送信されたログ情報を取得せずに無視するように構成されてもよい。第2コンポーネント68は、例えば、他の第2コンポーネント68から送信対象を指定せずに送信された情報を取得不能に構成される。
【0087】
ステップS15において、記憶装置80の制御部86は、ログ情報を受信すると、ステップS16に移行する。ステップS16において、記憶装置80の制御部86は、受信したログ情報を記憶部84に記憶させる。ステップS16において、記憶装置80の制御部86は、複数の第2コンポーネント68からログ情報が送信される場合、例えば、第2コンポーネント68ごとにログ情報を記憶する。
【0088】
第1コンポーネント66の制御部66Aは、ログ情報の送信要求を設定すると、自身の記憶部66Bに記憶されるログ情報を記憶装置80に送信するように構成されてもよい。記憶装置80は、第1コンポーネント66からログ情報を受信すると、第1コンポーネント66から送信されたログ情報を、記憶部84に記憶する。
【0089】
記憶装置80は、例えば、記憶装置80とは別体のコンポーネント70と有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される第2通信部90をさらに備える。制御部86は、例えば、記憶部84に記憶したログ情報を記憶装置80とは別体のコンポーネント70に送信するように第2通信部90を制御するように構成される。第2通信部90は、例えば、記憶装置80とは別体のコンポーネント70と有線および無線の少なくとも1つによって通信するように構成される。
【0090】
記憶装置80は、人力駆動車10に設けられるコンポーネント42を介して記憶装置80とは別体のコンポーネント70にログ情報を送信するように第2通信部90を制御するように構成されてもよい。記憶装置80は、例えば、電力線通信(PLC)によって、第1コンポーネント66に記憶部84に記憶されるログ情報を送信し、かつ、第1コンポーネント66は、例えば、記憶装置80から受信したログ情報を無線通信によって別体のコンポーネント70に送信してもよい。
【0091】
別体のコンポーネント70は、例えば、外部装置である。外部装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、および、スマートフォンの少なくとも1つを含む。
【0092】
別体のコンポーネント70は、例えば、制御部70Aを含む。制御部70Aは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPUまたはMPUを含む。制御部70Aは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部70Aは、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0093】
別体のコンポーネント70は、例えば、記憶部70Bをさらに含む。記憶部70Bは、例えば、各種制御を実行するためのプログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部70Bは、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0094】
記憶部70Bは、識別情報を記憶するように構成される。識別情報は、例えば、記憶装置80が別体のコンポーネント70の種類を把握可能な情報である。識別情報は、例えば、別体のコンポーネント70の出荷時に、記憶部70Bに記憶される。記憶部70Bは、コンポーネント42のログ情報を記憶するように構成される。
【0095】
別体のコンポーネント70は、例えば、通信部70Cをさらに含む。別体のコンポーネント70は、電気通信ケーブルおよび無線通信機の少なくとも1つを介して記憶装置80に接続可能に構成される。通信部70Cは、第1コンポーネント66を介して、記憶装置80と通信するように構成されていてもよい。
【0096】
図5を参照して、記憶装置80の制御部86がログ情報を別体のコンポーネント70に送信する処理が説明される。制御部86は、例えば、制御部86に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部86は、図5のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0097】
制御部86は、ステップS21において、別体のコンポーネント70へのログ情報の送信要求があるか否かを判定する。制御部86は、例えば、別体のコンポーネント70から、ログ情報の送信要求を受信した場合に、別体のコンポーネント70から、ログ情報の送信要求があると判定する。制御部86は、別体のコンポーネント70へのログ情報の送信要求がない場合、処理を終了する。制御部86は、別体のコンポーネント70へのログ情報の送信要求がある場合、ステップS22に移行する。
【0098】
制御部86は、ステップS22において、別体のコンポーネント70へログ情報を送信し、処理を終了する。制御部86は、例えば、ステップS22において、記憶部84に記憶されるログ情報の全てを別体のコンポーネント70へ送信する。制御部86は、ステップS22において、記憶部84に記憶されるログ情報の一部のみを別体のコンポーネント70へ送信してもよい。別体のコンポーネント70へのログ情報の送信要求は、別体のコンポーネント70へ送信するログ情報の種類を指定するものであってもよい。
【0099】
<変更例>
実施形態に関する説明は、人力駆動車用の記憶装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の記憶装置は、例えば、以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0100】
図6および図7に示されるように、制御システム40は、通信装置92を含んでいてもよい。通信装置92は、コンポーネント42であってもよい。通信装置92は、例えば、無線通信部を含む。通信装置92の無線通信部は、例えば、別体のコンポーネント70と無線通信可能に構成される。記憶装置80は、例えば、通信装置92以外のコンポーネント42と通信装置92とを接続する第1通信線L1の配線上に設けられる。図6および図7に示されるように、通信装置92がフレーム16の開口部16Pを閉鎖するように構成され、かつ、記憶装置80のベース部82の全体がフレーム16の内部空間に配置されるように構成されてもよい。
【0101】
・記憶装置80のベース部82は、車体14の外面に取り付けられるように構成されてもよい。
【0102】
図8に示されるように、記憶装置80は、表示部94をさらに備えてもよい。表示部94は、例えば、ベース部82に設けられる。表示部94は、例えば、図3のカバー部82Aに設けられる。表示部94は、例えば、ユーザが視認可能なように、フレーム16の外部に露出するようにカバー部82Aに設けられる。表示部94は、例えば、LED(Light-Emitting Diode)を含む。表示部94は、例えば、記憶装置80に電力が供給されている場合に、点灯する。表示部94は、画像等を表示可能なディスプレイを含んでもよい。
【0103】
図8に示されるように、記憶装置80は、第1操作部96をさらに備えてもよい。第1操作部96は、例えば、ベース部82に設けられる。第1操作部96は、ユーザが操作可能である。第1操作部96は、例えば、キーボード、マウス、および、ボタン、タッチパネルの少なくとも1つを含む。第1操作部96は、例えば、図3のカバー部82Aに設けられる。第1操作部96は、例えば、ユーザが操作可能なように、フレーム16の外部に露出するようにカバー部82Aに設けられる。記憶装置80が第1操作部96を備える場合、記憶装置80がログ情報の収集を開始するための開始条件は、例えば、第1操作部96が操作されることによって満たされてもよい。
【0104】
・第1コンポーネント66の制御部66Aは、第2コンポーネント68から受信したログ情報を集約して、記憶装置80に送信するように構成されてもよい。
【0105】
・通信ネットワークは、マスタおよびスレイブが規定されていなくてもよい。本変更例では、ログ情報の送信指令は、例えば、記憶装置80の制御部86、および、少なくとも1つのコンポーネント42のいずれからも送信されてもよい。
【0106】
・ログ情報の送信指令は、図9に示す第2操作部98の操作によって行われてもよい。記憶装置80は、例えば、第2操作部98をさらに備える。制御部86は、第2操作部98が操作されると、少なくとも1つのコンポーネント42が記憶装置80にログ情報を送信するように少なくとも1つのコンポーネント42を制御するように構成される。
図10を参照して、記憶装置80の制御部86がログ情報を収集する処理が説明される。制御部86は、例えば、制御部86に電力が供給されると、処理を開始して図10に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部86は、図10のフローチャートが終了すると、例えば、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期の経過後にステップS31からの処理を繰り返す。
制御部86は、ステップS31において、第2操作部98が操作されたか否かを判定する。制御部86は、第2操作部98が操作されていない場合、処理を終了する。制御部86は、第1操作部96が操作された場合、ステップS32に移行する。制御部86は、ステップS32において、ログ情報の送信指令を送信し、ステップS33に移行する。
制御部86は、ステップS33において、ログ情報を受信したか否かを判定する。制御部86は、ログ情報を受信した場合、ステップS34に移行する。制御部86は、ステップS34において、ログ情報を記憶部84に記憶し、処理を終了する。
制御部86は、ステップS33において、ログ情報を受信していない場合、ステップS35に移行する。制御部86は、ステップS35において、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、例えば、ログ情報の送信指令を送信してからログ情報を受信するために十分な時間が設定される。制御部86は、所定時間が経過していない場合、ステップS33に移行する。制御部86は、所定時間が経過した場合、処理を終了する。
【0107】
・記憶装置80は、通信ネットワークに含まれない他コンポーネントの記憶部に記憶されるログ情報を記憶部84に記憶するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのコンポーネント42は、他コンポーネントと通信可能に接続される。他コンポーネントの記憶部に記憶されるログ情報は、例えば、少なくとも1つのコンポーネント42を介して、記憶装置80に送信される。他コンポーネントは、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を含む。GPS受信機のログ情報は、例えば、時刻を含む。
【0108】
・制御部86、および、別体のコンポーネント70の制御部70Aの少なくとも1つは、ログ情報に時刻が含まれる場合、各コンポーネント42から受信したログ情報を、時刻に応じて結合した結合情報を生成するように構成されてもよい。
【0109】
・記憶装置80は、記憶部84と、記憶部84を制御するように構成される制御部86と、を備え、制御部86は、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのコンポーネント42から受信したログ情報を記憶部84に記憶するように記憶部84を制御するように構成され、記憶装置80は、サイクルコンピュータ44、アシストドライブユニット46、変速装置48、アジャスタブルシートポスト50、サスペンション52、制動装置54、ランプ56、および、バッテリユニット58とは異なっていれば、他の構成は適宜変更してもよい。
【0110】
・記憶装置80は、記憶部84と、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのコンポーネント42から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成される制御部86と、を備え、記憶装置80は、電気アクチュエータおよび表示部を備えていなければ、他の構成は適宜変更してもよい。
【0111】
・記憶装置80は、記憶部84と、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つのコンポーネント42と第1通信線L1によって通信するように構成される第1通信部88と、少なくとも1つのコンポーネント42から受信したログ情報を記憶するように記憶部84を制御するように構成される制御部86と、を備え、制御部86は、記憶部84に記憶したログ情報を記憶装置80とは別体のコンポーネント70に送信するように第2通信部90を制御するように構成されていれば、他の構成は適宜変更してもよい。本変更例では、第2通信部90は、記憶装置80とは異なる所定コンポーネントに配置されてもよい。所定コンポーネントは、例えば、記憶装置80とは別体である。所定コンポーネントは、例えば、人力駆動車10に設けられるコンポーネントである。所定コンポーネントは、図6および図7に示す通信装置92であってもよい。所定コンポーネントは、コンポーネント42であってもよい。本変更例では、例えば、記憶装置80とは異なるコンポーネントに配置される第2通信部90を介して別体のコンポーネント70にログ情報を送信するように構成される。
【0112】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0113】
本明細書において使用される「第1、第2、および、第3」などの序数については、単に同一の名称を有する複数の部材を区別するために用いられ、特別な意味を持たない。
【符号の説明】
【0114】
10…人力駆動車、16…フレーム、40A…バッテリ、42…コンポーネント、44…サイクルコンピュータ、46…アシストドライブユニット、48…変速装置、50…アジャスタブルシートポスト、52…サスペンション、54…制動装置、56…ランプ、58…バッテリユニット、60…変速操作装置、62…パワーメータ、64…センサ、70…別体のコンポーネント、80…記憶装置、82…ベース部、82C…第1通信線接続部、82D…電力線接続部、82S…収容室、84…記憶部、86…制御部、88…第1通信部、90…第2通信部、94…表示部、96…第1操作部、98…第2操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10