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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006260
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】歪検出装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106939
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 利範
(72)【発明者】
【氏名】中野 史掘
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA12
5E338AA16
5E338CC01
5E338CC06
5E338CC09
5E338CD13
5E338CD24
5E338CD25
5E338CD40
5E338EE11
5E338EE60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】実施形態の課題は、検出精度向上を図ることが可能な歪検出装置を提供することにある。
【解決手段】実施形態に係る歪ゲージセンサ装置10において、センサシート20は、シート基材22と、シート基材22に長手方向Xに並んで設けられた複数の歪ゲージG0~Gnと、それぞれ複数の歪ゲージG0~Gnの一端に接続された複数の電源線VL0~VLnおよび複数の第1信号線Sa0~Sanと、それぞれ複数の歪ゲージG0~Gnの他端に接続された複数のグランド線GNLおよび複数の第2信号線Sb0~Sbnと、シート基材22に設けられ、長手方向Xに隣合う歪ゲージの間の領域に位置するダミーパターンD0、D1、D2、…と、を備える。中継基板(制御回路基板)12に設けられた駆動回路40は、セレクタ、アナログフロントエンド(信号調整回路)30、タイミングコントローラ34、通信インターフェース36などを有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート基材と、
前記シート基材に第1方向に並んで設けられた複数の歪ゲージと、
それぞれ前記複数の歪ゲージの一端に接続された複数の電源線および複数の第1信号線と、それぞれ前記複数の歪ゲージの他端に接続された複数のグランド線および複数の第2信号線と、
前記シート基材に設けられ、前記第1方向に隣合う前記歪ゲージの間の領域に位置するダミーパターンと、
を備える歪検出装置。
【請求項2】
前記ダミーパターンは、それぞれ第1方向に延び前記第1方向と交差する第2方向に並んで設けられた複数本のダミーラインを含んでいる、請求項1に記載の歪検出装置。
【請求項3】
前記複数の歪ゲージは、前記第1方向に隙間を空けて配列され、
前記歪ゲージの各々は、前記第2方向に延在するベースラインと、前記ベースラインから前記第1方向の一方向へ延出した複数の波形ラインと、を含み、
前記複数本のダミーラインは、前記歪ゲージの前記複数の波形ラインとほぼ整列して配置されている請求項2に記載の歪検出装置。
【請求項4】
前記複数本のダミーラインは、前記隣合う2つの歪ゲージのうち、一方の歪ゲージの複数の波形ラインに繋がる複数本の第1ラインと、他方の歪ゲージの複数の波形ラインに繋がる複数本の第2ラインと、を含み、
前記複数本の第1ラインと前記複数本の第2ラインとは、前記第2方向に交互に並んでいる、請求項3に記載の歪検出装置。
【請求項5】
前記複数本の第1ラインの少なくとも1本、および前記複数本の第2ラインの少なくとも1本は、前記第1方向に複数に分断され、前記分断された分断部は、前記第1ラインあるいは第2ラインに前記第2方向に対向している、請求項4に記載の歪検出装置。
【請求項6】
前記複数の歪ゲージは、前記第1方向に隙間を置いて配列され、
前記歪ゲージの各々は、前記第2方向に延在するベースラインと、前記ベースラインから前記第1方向の一方向へ延出した複数の第1波形ラインと、前記ベースラインから前記一方向と反対の方向に延出した複数の第2波形ラインと、を含み、
前記ダミーラインは、前記歪ゲージの前記複数の波形ラインとほぼ整列して配置されている複数本のダミーラインと、波状に連続して前記第2方向に延びる波状ダミーラインと、を含んでいる、請求項5に記載の歪検出装置。
【請求項7】
シート基材と、
前記シート基材に第1方向に並んで設けられた複数の歪ゲージと、
それぞれ前記複数の歪ゲージの一端に接続された複数の電源線および複数の第1信号線と、それぞれ前記複数の歪ゲージの他端に接続された複数のグランド線および複数の第2信号線と、を備え、
前記歪ゲージの各々は、ベースラインと、前記ベースラインから前記第1方向の一方向へ延出した複数の第1波形ラインと、前記ベースラインから前記一方向と反対の方向に延出した複数の第2波形ラインと、を含み、
前記第1方向に隣合う一方の歪ゲージの第1波形ラインと他方の歪ゲージの第2波形ラインとが第2方向に並んで位置している、歪検出装置。
【請求項8】
前記シート基材において、前記複数の歪ゲージ、複数のダミーパターン、複数の電源線、グランド線、第1および第2信号線が設けられていない領域に設けられたダミー配線パターンを更に備える請求項1から7のいずれか1項に記載の歪検出装置。
【請求項9】
前記ダミー配線パターンは、前記第1方向に隣合う歪ゲージの間に配置され、前記歪ゲージと前記第1信号線との間、および前記歪ゲージと前記グランド線との間に設けられた複数本のダミー配線を更に備える請求項8に記載の歪検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、歪検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歪検出装置の一例として、フィルム状あるいはシート状の歪ゲージセンサが知られている。歪ゲージセンサは、帯状のフレキシブルなシート基材の表面に並んで設けられた複数の歪ゲージと、これらの歪ゲージに通電するための複数本の信号線と、を有している。歪ゲージセンサを湾曲した被検体に巻き付け、各歪ゲージの抵抗変化を検出することにより、被検体の湾曲形状を検知することができる。
当該歪ゲージセンサにおいて、複数の歪ゲージは間隔を置いて並んで設けられている。そのため、シート基材において、歪ゲージのある部分と無い部分とでは弾性率が異なり、弾性率の高い部分は曲がり難く、弾性率の低い部分が曲がり易い。そのため、歪ゲージセンサを曲げて配置した際、歪ゲージの無い部分に応力が集中して形状の不均一性が生じる場合がある。この場合、高精度の歪検出が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-340695号公報
【特許文献2】特開2013-174514号公報
【特許文献3】特開昭60-67804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の実施形態の課題は、検出精度の向上を図ることが可能な歪検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る歪検出装置は、シート基材と、前記シート基材に第1方向に並んで設けられた複数の歪ゲージと、それぞれ前記複数の歪ゲージの一端に接続された複数の電源線および複数の第1信号線と、それぞれ前記複数の歪ゲージの他端に接続された複数のグランド線および複数の第2信号線と、前記シート基材に設けられ、前記第1方向に隣合う前記歪ゲージの間の領域に位置するダミーパターンと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係る歪ゲージセンサ装置の斜視図。
図2図2は、前記歪ゲージセンサ装置のセンサシートの一部を示す平面図。
図3図3は、前記歪ゲージセンサ装置のセンサシートおよびコントローラを示すブロック図。
図4図4は、湾曲させた状態の前記センサシートの側面図。
図5図5は、(A)第1変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図および(B)第2変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図。
図6図6は、第3変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図。
図7図7は、第2実施形態に係る歪ゲージセンサ装置のセンサシートの一部を示す平面図。
図8図8は、第3実施形態に係る歪ゲージセンサ装置のセンサシートの一部を示す平面図。
図9図9は、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置の斜視図。
図10図10は、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置の断面図。
図11図11は、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置のセンサシートおよびベース基板の一部を分解して示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
(第1実施形態)
歪検出装置の一例として、実施形態に係る歪ゲージセンサ装置について詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係る歪ゲージセンサ装置の斜視図である。
図示のように、第1実施形態によれば、歪ゲージセンサ装置10は、片面型の歪ゲージセンサを構成している。歪ゲージセンサ装置10は、基材として機能する細長い帯状のフレキシブルなベース基板44と、ベース基板44の片面に貼付されたセンサシート20と、フレキシブル配線板(FPC)14を介してセンサシート20に接続された中継基板(駆動回路基板)12と、を備えている。一例では、ベース基板44は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等の樹脂で厚さ0.3~0.5mm程度に形成されている。
なお、図において、ベース基板44およびセンサシート20の長手方向Xおよび幅方向Yは、互いに直交する2方向を示している。これらの方向は、90度以外の角度で交差していてもよい。
【0009】
センサシート20は、細長い帯状のフレキシブルなシート基材22とシート基材22の片面の側に設けられた導体パターンとを有している。導体パターンは、複数の歪ゲージG0~Gnおよび後述する複数本の信号線、電源線を含んでいる。複数の歪ゲージG0~Gnは、シート基材22の長手方向Xの一端から他端に亘り所定の間隔を空けて長手方向Xに一列に並んで設けられている。センサシート20は、導体パターン(G0~Gn)を備える面が透明粘着シート(OCA)などの接着剤層によりベース基板44の前面に貼付されている。あるいは、センサシート20は、シート基材22の側を接着剤層によりベース基板44の前面に貼付する構成としても良い。
中継基板12は、後述する駆動回路40および複数の配線を含んでいる。センサシート20の導体パターンは、FPC14を介して、中継基板12の配線に接続されている。
【0010】
図2は、センサシート20の一部を示す平面図、図3は、センサシート20の歪ゲージおよび配線パターン、並びに、歪ゲージセンサ装置10のコントローラを模式的に示す図である。
図示のように、本実施形態によれば、センサシート20は、フレキシブルな帯状のシート基材22と、シート基材22の片面側に設けられた導体パターンと、を有している。導体パターンは、アルミニウム、チタン、銅などの導電金属で形成された配線パターンであり、複数の歪ゲージG0~Gn、複数のダミーパターンD0~Dn、複数本の配線を含んでいる。一例では、各配線パターンは、一定幅のパターンとしている。
【0011】
図2に示すように、複数の歪ゲージG0~Gnは、シート基材22の長手方向Xの一端(先端)から他端(基端)まで長手方向Xに間隔を空けて一列に並んで設けられている。歪ゲージG0~Gnの各々は、幅方向Yに蛇腹状に延在し、幅方向Yの一端および他端を有している。本実施形態によれば、歪ゲージG0~Gnの各々は、幅方向Yに延在し幅方向Yの一端および他端を有するベースラインB1と、ベースラインB1から長手方向Xの一方向へ延出した複数、例えば、4つの波形ラインC1~C4と、を有している。一例では、4つの波形ラインC1~C4は、矩形波形状に形成され、かつ、長手方向Xの高さが共通の高さに形成されている。4つの波形ラインC1~C4は、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。4つの波形ラインC1~C4は、幅方向Yの幅W1の範囲内に位置している。各歪ゲージG0~Gnは、歪に応じた抵抗変化を生じる。
【0012】
複数のダミーパターンD0~Dnは、長手方向Xに隣合う2つの歪ゲージの間の領域にそれぞれ設けられている。一例では、ダミーパターンD0~Dnの各々は、直線状に形成された複数本、例えば、8本のダミーラインd1~d8を含んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、幅W1の範囲内に配置され、それぞれ歪ゲージの波形ラインC1~C4と長手方向Xに整列している。各ダミーラインd1~d8は、その長手方向Xの一端が一方の歪ゲージの近傍に位置し、長手方向Xの他端が他方の歪ゲージの近傍に位置している。
このように、隣合う2つの歪ゲージの間の領域にダミーパターンD0~Dnを設けることにより、センサシート20において、歪ゲージG0~Gnが設けられている領域の弾性率と、歪ゲージが設けられていない隙間領域の弾性率と、がほぼ等しくなる。
【0013】
図2および図3に示すように、導体パターンは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの列に沿って長手方向Xに延在している複数本の電源線VL0~VLn、複数本のグランド線GNL0~GNLn、複数本の第1信号線Sa0~San、および複数本の第2信号線Sb0~Sbnを有している。
電源線VL0~VLnは、歪ゲージG0~Gnの一端の側に位置している。電源線VL0~VLnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの一端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
第1信号線Sa0~Sanは、歪ゲージG0~Gnの一端と電源線VL0~VLnとの間に位置している。第1信号線Sa0~Sanは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの一端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
【0014】
グランド線GNL0~GNLnは、歪ゲージG0~Gnの他端の側に位置している。グランド線GNL0~GNLnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの他端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
第2信号線Sb0~Sbnは、歪ゲージG0~Gnの他端とグランド線GNL0~GNLnとの間に位置している。第2信号線Sb0~Sbnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの他端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
電源線VL0~VLn、第1信号線Sa0~San、第2信号線Sb0~Sbn、およびグランド線GNL0~GNLnは、FPC14を介して、中継基板12の駆動回路40に接続される。
なお、センサシート20上に設けられる歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、電源線VL0~VLn及びグランド線GNL0~GNLnが形成される金属層と、第1信号線Sa0~San及び第2信号線Sb0~Sbnが設けられる金属層とは別層で形成されている。これら2層の金属層の間には絶縁性の中間層が設けられており、第1信号線Sa0~San及び第2信号線Sb0~Sbnは、中間層に形成されるスルーホールを介して電源線VL0~VLn及びグランド線GNL0~GNLnに接続されている。なお、歪ゲージG0~GnとダミーパターンD0~Dnのいずれか一方又は両方が、電源線VL0~VLn及びグランド線GNL0~GNLnが形成される金属層とは異なる金属層により形成されていてもよい。
【0015】
次に、上記のように構成されたセンサシート20を駆動する駆動回路(コントローラ)について説明する。
図3に示すように、中継基板(制御回路基板)12に設けられた駆動回路40は、セレクタSEL、アナログフロントエンド(AFE:信号調整回路)30、タイミングコントローラ34、通信インターフェース36などを有している。
【0016】
通信インターフェース36は、外部のホストコントローラ38に無線あるいは有線接続され、ホストコントローラ38から駆動信号(setting)を受けるとともに、検出データ(Data)をホストコントローラ38に送信する。
タイミングコントローラ34は、駆動信号(setting)に応じて、セレクタSELおよびアナログフロントエンド30に駆動信号を出力する。
セレクタSELは、複数のシフトレジスタ、マルチプレクタ等で構成される。セレクタSELは、タイミングコントローラ34からの駆動信号に応じて、センサシート20の電源線VL0~VLnを順次、電源に接続し、歪ゲージG0~Gnに順次電圧を印加する。これに同期して、セレクタSELは、第1信号線Sa0~San、第2信号線Sb0~Sbnを介して各歪ゲージG0~Gnの一端側および他端側の検出信号(電圧値)RXa0~RXan、RXb0~RXbnを順次読み取る。
【0017】
図5に示すように、アナログフロントエンド30は、図示しない読み出し回路、差分検出回路、AD変換器、デジタルフィルタ、メモリ等を含んでいる。アナログフロントエンド30は、駆動信号に応じて、セレクタSELから送られた各歪ゲージG0~Gnの検出信号RXa、RXbおよび検出信号RXc、RXdを信号調整(増幅、AD変換、フィルタリング)し、通信インターフェース36に出力する。この際、曲率半径の算出には各歪ゲージGの電圧降下値が必要となるため、差分検出回路によりそれぞれの歪ゲージG0~Gnの検出値Rxa、Rxbの差分、および歪ゲージG0~Gnの検出値Rxc、Rxdの差分、を取って信号出力する。
【0018】
ホストコントローラ38は、読取り回路38a、メモリ38b、演算処理部38cなどを含んでいる。読取り回路38aは、通信インターフェース36から送られた出力信号(差分データ)を読取り、メモリ38bに格納する。演算処理部38c、例えば、CPU、は、差分データに基づいてデータ成形、曲面計算等の演算処理を行い、センサシート20により検出された被検体の歪(曲率半径)、曲面形態(曲面座標)等を算出する。メモリ38bには、差分データ、算出され曲率半径、曲面形態、検出動作プログラムなどが格納されている。
【0019】
図4は、上記のように構成された歪ゲージセンサ装置10のセンサシート20が湾曲した状態を示す側面図である。
上記構成のセンサシート20によれば、長手方向Xに隣合う2つの歪ゲージの間の領域にダミーパターンD0~Dnを設けることにより、歪ゲージG0~Gnが設けられている領域の弾性率と、歪ゲージが設けられていない間領域の弾性率と、をほぼ等しい弾性率とすることができる。すなわち、センサシート20の長手方向Xの各領域の弾性率を均一にすることができる。そのため、図4に示すように、センサシート20を湾曲させた場合、センサシート20の一部に応力集中することがなく、長手方向の全域を均等に湾曲させることが可能となる。すなわち、歪ゲージG0~Gnが設けられている領域を均等に湾曲させることができる。
そのため、例えば、センサシート20を被検体の外周面に巻き付けて配置し、外周面の歪検出、曲率半径の検出等を行う場合、各歪ゲージG0~Gnは外周面に沿って湾曲し、外周面に密着することができる。これにより、外周面の歪を各歪ゲージにより正確に検出し、検出精度の向上を図ることが可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、検出精度の向上した歪ゲージセンサ装置を得ることができる。
【0020】
なお、上述した第1実施形態において、センサシート20のダミーパターンDは、実施形態に限定されることなく、種々変更可能である。以下、ダミーパターンDの変形例について説明する。以下に述べる変形例において、前述した第1実施形態と同一の部分には第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を簡略化あるいは省略する場合がある
(第1変形例)
図5(A)は、第1変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図である。図示のように、第1変形例によれば、ダミーパターンD0~Dnの各々は、直線状に形成された複数本、例えば、8本のダミーラインd1~d8を含んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、幅W1の範囲内に配置され、それぞれ歪ゲージの波形ラインC1~C4と長手方向Xに整列している。
【0021】
第1変形例において、8本のダミーラインd1~d8のうち、複数本、例えば、4本のダミーライン(第1ライン)の一端は、隣合う2つの歪ゲージの一方の歪ゲージの波形ラインに繋がっている。他の4本のダミーラインの一端は、他方の歪ゲージの波形ラインに繋がっている。一例では、ダミーライン(第1ライン)d1、d3、d5、d7は、一方の歪ゲージG1の波形ラインC1、C2、C3、C4に繋がり、ダミーライン(第2ライン)d2、d4、d6、d8は、他方の歪ゲージG2の波形ラインC1、C2、C3、C4に繋がっている。これにより、ダミーラインd1~d8は、いわゆる入れ子状に並んで配置されている。
第1変形例において、センサシート20の他の構成は、前述した第1実施形態におけるセンサシート20と同様である。
【0022】
第1変形例に係るセンサシート20においても、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第1変形例では、ダミーパターンD0~Dnと歪ゲージG0~Gnとの間の隙間領域に複数本のダミーラインを配置することにより、各隙間領域の弾性率を上げることができる。これにより、センサシート20の各部の弾性率をより統一することができる。
【0023】
(第2変形例)
図5(B)は、第2変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図である。図示のように、第2変形例によれば、ダミーパターンD0~Dnの各々は、前述の第1変形例と同様に配置された複数本、例えば、8本のダミーラインd1~d8を含んでいる。更に、第2変形例では、ダミーラインd1~d8の各々は、長手方向Xの1箇所で分断され、2本のラインに分かれている。ダミーラインd1~d8の分断部は、幅方向Yに整列しないように、長手方向Xに互いにずれて位置している。
第2変形例において、センサシート20の他の構成は、前述した第1変形例におけるセンサシート20と同様である。
【0024】
第2変形例に係るセンサシート20においても、前述した第1変形例と同様の作用効果を得ることができる。更に、第2変形例では、ダミーラインの分断することにより、寄生容量の低減を図ることができる。なお、ダミーラインの分断数は、2つに限らず、3つ以上としてもよい。
【0025】
(第3変形例)
図6は、第3変形例に係るセンサシートの一部を示す平面図である。図示のように、第3変形例によれば、歪ゲージG0~Gnの各々、および、ダミーパターンD0~Dnの各々は、ランダムなパターンに形成されている。詳細には、歪ゲージG0~Gnの各々は、幅方向Yに延びるベースラインB1と、ベースラインB1からそれぞれ長手方向Xの一方向に延出する複数の波形ラインC1、C3、C4と、ベースラインB1からそれぞれ長手方向Xの反対方向に延出する複数の波形ラインC2、C5、C6と、を有している。一例では、波形ラインC1、C3、C4は矩形波形状を有し、ベースラインB1を基準とした場合に互いに異なる延出高さに形成されている。波形ラインC2、C5、C6は矩形波形状を有し、ベースラインB1を基準とした場合に互いに異なる延出高さに形成されている。
【0026】
ダミーパターンD0~Dnの各々は、直線状に形成された複数本、例えば、9本のダミーラインd1~d9を含んでいる。9本のダミーラインd1~d9は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。9本のダミーラインd1~d9は、それぞれ歪ゲージの波形ラインC1~C6と長手方向Xに整列している。
【0027】
9本のダミーラインd1~d9のうち、複数本、例えば、幅方向Yの両端側に位置するダミーラインd1、d9は、長手方向Xの一端が歪ゲージG1あるいはG2の波形ラインに繋がり、長手方向Xの他端が歪ゲージG2あるいはG1の波形ラインの僅かな隙間を置けて対向している。他の7本のダミーラインd2~d8の各々は、長手方向Xの一端が歪ゲージG1の波形ラインに僅かな隙間を置いて対向し、長手方向Xの他端が歪ゲージG2の波形ラインに僅かな隙間を置いて対向している。
9本のダミーラインd1~d9の一端と歪ゲージG1との間の隙間は、幅方向Yに整列することなく、長手方向Xにずれている。同様に、9本のダミーラインd1~d9の他端と歪ゲージG2との間の隙間は、幅方向Yに整列することなく、長手方向Xにずれている。
【0028】
9本のダミーラインd1~d9の各々は、長手方向Xの中途部で分断され、2本あるいは3本のラインに分かれている。ダミーラインd1~d9の分断部は、幅方向Yに整列することなく、長手方向Xにずれている。
更に、9本のダミーラインd1~d9の分断ラインのうち、長手方向Xの中間部に位置する分断ラインは、幅方向Yに延びる連結ラインにより幅方向Yに隣合う分断ラインの端部同士が連結され、波状に連続して延びる波状ダミーラインdwを形成している。
第3変形例において、センサシート20の他の構成は、前述した第1実施形態に係るセンサシート20と同様である。第3変形例に係るセンサシート20においても、前述した第1変形例および第2変形例と同様の作用効果を得ることができる。更に、第3変形例では、歪ゲージおよびダミーラインをよりランダムな配置とすることにより、センサシート20の弾性率のより一層の均一化を図ることが可能となる。
【0029】
次に、この発明の他の実施形態に係る歪ゲージセンサ装置について説明する。以下に述べる他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分には第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を簡略化あるいは省略する場合がある。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る歪ゲージセンサ装置におけるセンサシートの一部を示す平面図である。第2実施形態では、ダミーラインが省略され、代わりに、隣合う歪ゲージの波形ラインを入れ子状に配置することで隣合う歪ゲージ間の領域を波形ラインで埋める構成としている。
【0030】
詳細には、図7に示すように、歪ゲージG0~Gnは、センサシート20の長手方向Xに並んで配置されている。歪ゲージG0~Gnの各々は、幅方向Yに延びるベースラインB1と、ベースラインB1からそれぞれ長手方向Xの一方向に延出する複数本、例えば2本の波形ライン(第1波形ライン)C1、C3と、ベースラインB1からそれぞれ長手方向Xの反対方向に延出する複数本、例えば、2本の波形ライン(第2波形ライン)C2、C4と、を有している。一例では、波形ラインC1~C4は矩形波形状を有している。
【0031】
波形ラインC1、C3は、幅方向Yに1波形ライン分の間隔を置いて位置している。また、波形ラインC1、C3は、歪ゲージG1のベースラインB1から隣の歪ゲージG2のベースラインB1の近傍まで長手方向Xに延びている。
波形ラインC2、C4は、幅方向Yに1波形ライン分の間隔を置いて位置している。また、波形ラインC2、C4は、一方の歪ゲージG2のベースラインB1から隣の歪ゲージG1のベースラインB1の近傍まで長手方向Xに延び、隣の歪ゲージG1の波形ラインC1、C3に対して入れ子状に配置されている。すなわち、一方の歪ゲージの波形ラインC1、C3と他方の歪ゲージの波形ラインC2、C4とは、幅方向Yに並んで配置され、隣合う歪ゲージ間の領域、ここでは、一方の歪ゲージのベースラインB1と他方の歪ゲージのベースラインB1との間の領域、に設けられている。
【0032】
このように、第2実施形態によれば、シート基材22の長手方向Xの全域に亘って歪ゲージG0~Gnが設けられている。そのため、センサシート20の長手方向Xのほぼ全域において、センサシート20の弾性率を均一にすることができる。
第2実施形態において、歪ゲージセンサ装置の他の構成は、前述した第1実施形態における歪ゲージセンサ装置の構成と同様である。第2実施形態においても、検出精度の向上した歪ゲージセンサ装置を得ることができる。
【0033】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る歪ゲージセンサ装置におけるセンサシートの一部を示す平面図である。第3実施形態では、歪ゲージセンサ装置のセンサシート20は、ダミーパターンD0~Dnに加えて、ダミー配線パターンE0~Enを有している。ダミー配線パターンE0~Enは、センサシート20の領域において、歪ゲージG0~Gnおよび電源線、グランド線、信号線が設けられていない領域に重ねて設けられている。
【0034】
詳細には、図8に示すように、センサシート20は、シート基材22とシート基材の一表面上に形成された導体パターンと、を有している。導体パターンは、アルミニウム、チタン、銅などの導電金属で形成された一定幅の配線パターンであり、複数の歪ゲージG0~Gn、複数のダミーパターンD0~Dn、複数本の配線、複数のダミー配線パターンE0~Enを含んでいる。
【0035】
複数の歪ゲージG0~Gnは、シート基材22の長手方向Xの一端(先端)から他端(基端)まで長手方向Xに間隔を空けて一列に並んで設けられている。歪ゲージG0~Gnの各々は、幅方向Yに延在し幅方向Yの一端および他端を有するベースラインB1と、ベースラインB1から長手方向Xの一方向へ延出した複数、例えば、4つの波形ラインC1~C4と、を有している。4つの波形ラインC1~C4は、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。4つの波形ラインC1~C4は、幅方向Yの幅W1の範囲内に位置している。
【0036】
複数のダミーパターンD0~Dnは、長手方向Xに隣合う2つの歪ゲージの間の領域にそれぞれ設けられている。一例では、ダミーパターンD0~Dnの各々は、直線状に形成された複数本、例えば、8本のダミーラインd1~d8を含んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて並んでいる。8本のダミーラインd1~d8は、幅W1の範囲内に配置され、それぞれ歪ゲージの波形ラインC1~C4と長手方向Xに整列している。各ダミーラインd1~d8は、その長手方向Xの一端が一方の歪ゲージの近傍に位置し、長手方向Xの他端が他方の歪ゲージの近傍に位置している。
【0037】
複数本の配線は、それぞれ歪ゲージG0~Gnの列に沿って長手方向Xに延在している複数本の電源線VL0~VLn、複数本のグランド線GNL0~GNLn、複数本の第1信号線Sa0~San、および複数本の第2信号線Sb0~Sbnを有している。
電源線VL0~VLnは、歪ゲージG0~Gnの一端の側に位置している。電源線VL0~VLnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの一端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
第1信号線Sa0~Sanは、歪ゲージG0~Gnの一端と電源線VL0~VLnとの間に位置している。第1信号線Sa0~Sanは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの一端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。電源線VL0~VLnおよび第1信号線Sa0~Sanは、シート基材22の幅W2の領域の範囲内に配置されている。
【0038】
グランド線GNL0~GNLnは、歪ゲージG0~Gnの他端の側に位置している。グランド線GNL0~GNLnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの他端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。
第2信号線Sb0~Sbnは、歪ゲージG0~Gnの他端とグランド線GNL0~GNLnとの間に位置している。第2信号線Sb0~Sbnは、それぞれ歪ゲージG0~Gnの他端に接続された一端とシート基材22の基端側に位置する他端とを有し、互いにほぼ平行に延びている。グランド線GNL0~GNLnは、シート基材22の幅W2の領域の範囲内に配置されている。
【0039】
複数のダミー配線パターンE0~Enは、センサシート20の領域において、歪ゲージG0~Gnおよび電源線VL0~VLn、グランド線GNL0~GNLn、第1信号線Sa0~San、第2信号線Sb0~Sbnが設けられていない領域に重ねて設けられている。一例では、ダミー配線パターンE0~Enの各々は、直線状に形成された1本あるいは複数本のダミー配線を含んでいる。
【0040】
詳細には、ダミー配線パターンE0は、例えば、8本のダミー配線e1~e8を含んでいる。8本のダミー配線e1~e8のうち、4本のダミー配線e1~e4は、歪ゲージG0の幅方向Yの一方側の領域に配置されている。4本のダミー配線e1~e4は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。4本のダミー配線e1~e4は、幅W2の範囲内に配置され、それぞれ歪ゲージG0の波形ラインC1~C4とほぼ同一の長さ(高さ)を有している。ダミー配線e1およびe3は、電源線VL0および第1信号線Sa0とそれぞれ長手方向Xに整列している。
他の4本のダミー配線e5~e8は、歪ゲージG0の幅方向Yの他方側の領域に配置されている。4本のダミー配線e5~e8は、それぞれ長手方向Xに延在しているとともに、幅方向Yに間隔を空けて平行に並んでいる。4本のダミー配線e5~e8は、幅W2の範囲内に配置され、それぞれ歪ゲージG0の波形ラインC1~C4とほぼ同一の長さ(高さ)を有している。ダミー配線e6およびe8は、第2信号線Sb0およびグランド線GNL1とそれぞれ長手方向Xに整列している。
【0041】
ダミー配線パターンE1は、例えば、4本のダミー配線e1~e4を含んでいる。ダミー配線e1は、電源線VL0と第1信号線Sa0との間の領域に配置され、歪ゲージG0のベースラインの近傍から歪ゲージG1のベースラインの近傍まで長手方向Xに延在している。ダミー配線e2は、ダミーパターンD0および歪ゲージG1と第1信号線Sa0との間の領域に配置され、歪ゲージG0のベースラインの近傍から歪ゲージG1のベースラインの近傍まで長手方向Xに延在している。ダミー配線e1およびe2は、電源線VL1および第1信号線Sa1とそれぞれ長手方向Xに整列し、更に、ダミー配線パターンE0のダミー配線e2、e4とそれぞれ長手方向Xに整列している。
ダミー配線パターンE1のダミー配線e3は、ダミーパターンD0および歪ゲージG1と第2信号線Sb0との間の領域に配置され、歪ゲージG0のベースラインの近傍から歪ゲージG1のベースラインの近傍まで長手方向Xに延在している。ダミー配線e4は、グランド線GNL0と第2信号線Sb0との間の領域に配置され、歪ゲージG0のベースラインの近傍から歪ゲージG1のベースラインの近傍まで長手方向Xに延在している。ダミー配線e3およびe4は、第2信号線Sb1およびグランド線GNL1とそれぞれ長手方向Xに整列し、更に、ダミー配線パターンE0のダミー配線e5、e7とそれぞれ長手方向Xに整列している。
【0042】
第3実施形態において、歪ゲージセンサ装置の他の構成は、前述した第1実施形態における歪ゲージセンサ装置の構成と同様である。上記のように構成された第3実施形態によれば、隣合う2つの歪ゲージの間の領域にダミーパターンD0~Dnを設けることにより、センサシート20において、歪ゲージG0~Gnが設けられている領域の弾性率と、歪ゲージが設けられていない隙間領域の弾性率と、がほぼ等しくなる。更に、ダミー配線パターンE0~Enは、歪ゲージG0~Gnおよび電源線、グランド線、信号線が設けられていない領域にダミー配線パターンE0~Enを設けることにより、センサシート20において、配線が設けられている領域の弾性率と、配線が設けられていない領域の弾性率と、をほぼ等しくすることができる。これにより、センサシート20の長手方向Xのほぼ全域において、センサシート20の弾性率をより均一にすることが可能となる。
以上のことから、第3実施形態においても、検出精度の向上した歪ゲージセンサ装置を得ることができる。
なお、第3実施形態において、ダミーパターンD0~Dnは、実施形態で示したダミーパターンに限定されることなく、前述の第1~第3変形例で示したダミーパターンD0~Dnを用いてもよい。更に、第3実施形態で示したダミー配線パターンE0~Enは、前述の第2実施形態で示したセンサシートにも適用可能である。
【0043】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置の斜視図、図10は、歪ゲージセンサ装置の断面図である。
図9に示すように、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置10は、両面型の歪ゲージセンサを構成している。歪ゲージセンサ装置10は、細長い帯状のフレキシブルなベース基板44と、ベース基板44の第1主面(前面)に貼付された第1センサシート20Aと、ベース基板44の第2主面(背面)に貼付された第2センサシート20Bと、フレキシブル配線板(FPC)14を介して第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bに接続された中継基板(駆動回路基板)12と、を備えている。一例では、ベース基板44は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド等の樹脂で厚さ0.3~0.5mm程度に形成されている。
【0044】
第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bの各々は、細長い帯状のフレキシブルなシート基材22とシート基材22の片面の側に設けられた導体パターンとを有している。導体パターンは、複数の歪ゲージG0~Gn、複数のダミーパターンD0~Dnを含んでいる。複数の歪ゲージG1~Gnは、シート基材22の長手方向Xの一端から他端に亘り所定の間隔を置いて長手方向Xに並んで設けられている。後述するように、第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bの導体パターンは、例えば、前述した第1変形例と同様の導体パターンに形成されている。
【0045】
図10は、第4実施形態に係る歪ゲージセンサ装置10の縦断面図である。
図10に示すように、ベース基板44は前面および前面に対向する背面を有している。一例では、第1センサシート20Aは、導体パターン(G1~Gn、D0~Dn)を備える面が透明粘着シート(OCA)などの接着剤層Adによりベース基板44の前面に貼付されている。第2センサシート20Bは、導体パターン(G1~Gn、D0~Dn)を備える面が接着剤層Adによりベース基板44の背面に貼付されている。
【0046】
中継基板12は、一方の面側に設けられた駆動回路40および複数の配線と、他方の面側に設けられた図示しない複数の配線と、を含んでいる。第1センサシート20Aの歪ゲージおよび図示しない配線は、FPC14を介して、中継基板12の上面側に設けられる配線に接続されている。同様に、第2センサシート20Bの歪ゲージおよび図示しない配線は、FPC14を介して、中継基板12の下面側に設けられる配線に接続されている。
第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bの一部の配線は、中継基板12に設けられた接続線、例えば、メッキスルーホールSHにより互いに接続されても良い。また、第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bは、シート基材22の側を接着剤層Adによりベース基板44の前面および背面に貼付する構成としても良い。
【0047】
図11は、第1、第2センサシート、およびベース基板の一部を分解して示す分解斜視図である。図示のように、第1センサシート20Aは、シート基材22と、シート基材22上に設けられた導体パターンとを有している。一例では、導体パターンは、第1変形例で示した導体パターンと同様に形成され、歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および図示しない配線パターンを含んでいる。第2センサシート20Bは、第1センサシート20Aと同様に構成され、同様の導体パターン(G0~Gn、D0~Dn、配線パターン)を有している。第2センサシート20Bの導体パターンは、第1センサシート20Aの導体パターンに対してXY方向で180度反転させたパターンで形成されている。第2センサシート20Bを第1センサシート20Aに対してZ方向に180度回転させた向きで第1センサシート20Aに対向させる。すなわち、図11に示す如く、第1センサシート20Aと第2センサシート20Bは互いの裏面が対向しているが、第1センサシート20A側から見た場合、第1センサシート20Aのパターンと第2センサシートのパターンとは一致している。
【0048】
上記のように構成された第1センサシート20Aおよび第2センサシート20Bは、ベース基板44の前面および背面に貼付され、ベース基板44を挟んで互いに対向する。すなわち、第1センサシート20Aの歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線は、ベース基板44を挟んで、第2センサシート20Bの歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線にそれぞれ対向している。ここで、第1センサシートの各歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線と第2センサシートの各歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線とは、ベース基板44の表面に垂直な方向から見た平面視で互いに少なくとも一部が重畳していることが好ましい。或いは、これら各センサシート20A、20Bの歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線は、少なくとも、長手方向Xへのずれを許容しつつも幅方向Yにはずれることなく重畳していることが好ましい。或いは、これら各センサシート20A、20Bの歪ゲージG0~Gn、ダミーパターンD0~Dn、および配線は、長手方向Xにも幅方向Yにもずれることなく重畳していることが好ましい。
【0049】
以上のように構成された第4実施形態に係る両面型の歪ゲージセンサ装置10においても、前述した第1実施形態に係る歪ゲージセンサ装置と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、第4実施形態においても、歪検出時、センサシートの歪ゲージを被検体の周面に沿って均一に湾曲させ、外周面に密着することができる。これにより、外周面の歪を各歪ゲージにより正確に検出し、検出精度の向上を図ることが可能な歪ゲージセンサ装置が得られる。
なお、第4実施形態において、各センサシートの構成は図示した例に限定されることなく、前述した第1実施形態、第2変形例、第3変形例、第2実施形態、第3実施形態で示したセンサシートを適用してもよい。
【0050】
本発明の実施形態および変形例を説明したが、これら実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明の実施形態として上述した各構成を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての構成も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
例えば、センサシートにおける歪ゲージの配列数は、上述した実施形態に限らず、任意に選択可能である。センサシートの構成材料、寸法、および形状は、前述した実施形態に限定されることなく、適宜、変更可能である。
【符号の説明】
【0051】
10…歪ゲージセンサ装置、12…中継基板、20…センサシート、
20A…第1センサシート、20B…第2センサシート、22…シート基材、
40…駆動回路(コントローラ)、44…ベース基板、G0~Gn…歪ゲージ、
D0~Dn…ダミーパターン、E1~En…ダミー配線パターン、B1…ベースライン、
C1~C4…波形ライン、d1~d8…ダミーライン、e1~en…ダミー配線、
VL…電源線、GNL…グランド線、Sa…第1信号線、Sb…第2信号線、
SEL…セレクタ
図1
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図7
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図11