(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062658
(43)【公開日】2025-04-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20250408BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
G03G21/16 161
G03G21/16 185
G03G21/16 195
G03G15/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171827
(22)【出願日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】疋田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆史
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171GA12
2H171KA05
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB01
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA11
2H171WA12
(57)【要約】
【課題】 本発明は、本体(装置本体)と、本体に対して着脱可能なユニットを備える、新たな形態の画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 画像形成装置は、本体と、ユニットと、被係合部材と、被係合部材を引き込み可能な引き込み部材と、ユニットを押し出す押し出し部材と、を有し、ユニットが第一方向に挿入されることで、引き込み部材は被係合部材と係合し、ユニットを第一方向に変位させるように被係合部材を引き込み、引き込み部材が被係合部材と係合した状態において、第一方向に向けてユニットが外力を受けたとき、引き込み部材と被係合部材の係合が解除されるように外力によって被係合部材と引き込み部材の他方が本体に対して第一方向に変位され、ユニットは押し出し部材によって第二方向に押し出される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に対して第一方向に挿入されることが可能であり、前記本体に対して前記第一方向と反対の第二方向に引き出されることが可能なユニットと、
被係合部材と、
前記被係合部材と係合し、前記被係合部材を引き込み可能な引き込み部材と、
前記ユニットを前記第二方向に押し出す押し出し部材と、
を有し、
前記被係合部材と前記引き込み部材の一方は前記本体に設けられ、前記被係合部材と前記引き込み部材の他方は前記ユニットに設けられ、
前記ユニットが前記本体に対して前記第一方向に挿入されることで、前記引き込み部材は前記被係合部材と係合し、前記ユニットを前記第一方向に変位させるように前記被係合部材を引き込み、
前記引き込み部材が前記被係合部材と係合した状態において、前記第一方向に向けて前記ユニットが外力を受けたとき、前記引き込み部材と前記被係合部材の係合が解除されるように前記外力によって前記被係合部材と前記引き込み部材の前記他方が前記本体に対して前記第一方向に変位され、前記ユニットは前記押し出し部材によって前記第二方向に押し出されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記引き込み部材は、前記被係合部材と係合することが可能な位置である待機位置と前記被係合部材との係合の解除が可能な解放位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記被係合部材の移動をガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記被係合部材の移動経路である、第一経路と第二経路と前記第一経路と前記第二経路を連絡する第三経路を形成しており、
前記第一経路は、前記被係合部材と係合した前記引き込み部材が前記待機位置から前記解放位置へ到達するまでの前記被係合部材の移動経路を含み、
前記第二経路は、前記ユニットが前記押し出し部材によって前記第二方向に押し出されることで前記被係合部材が移動する経路を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一方向と鉛直方向のそれぞれに直交する方向において、前記第三経路は、前記第一経路と前記第二経路の間にあることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記第一経路と前記第二経路を連絡する第四経路を形成しており、
前記引き込み部材が前記ユニットを引き込む方向において、前記第四経路は前記第三経路より上流にあることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
制限部材を有し、
前記引き込み部材が前記解放位置に到達した場合に、前記制限部材は引き込み部材と当接することで、前記制限部材は前記引き込み部材の引き込み方向への移動を制限することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
移動部材を有し、
前記ユニットを前記第一方向に移動することで、前記移動部材は、前記引き込み部材と当接し、前記引き込み部材を前記解放位置から前記待機位置へ移動させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装装置。
【請求項8】
前記引き込み部材が前記解放位置にある場合において、
前記ユニットを前記第一方向に挿入することで、前記移動部材は前記引き込み部材と当接し、前記引き込み手段を前記待機位置へ移動させ、さらに前記ユニットを第一方向に挿入することで、前記被係合部材は前記待機位置にある前記引き込み部材と係合することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記被係合部材と前記引き込み部材が係合している場合において、
前記ユニットを前記第一方向に移動することで前記被係合部材と前記引き込み部材の係合が解除され、
さらに、前記ユニットを前記第一方向に移動することで前記移動部材は前記引き込み部材と当接し、前記引き込み部材を前記待機位置へ移動させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装装置。
【請求項10】
ダンパ部材を有し、
前記引き込み部材が前記被係合部材を引き込む過程において、前記ダンパ部材は、前記ユニットの前記第一方向への移動速度を減少させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記押し出し部材は、弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ユニットは、記録材を収容可能な収容部であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記ユニットは、記録材に形成されたトナー像を定着させる定着ユニット又はトナーを収容するトナー収容部であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記引き込み部材が前記被係合部材を引き込む方向に、付勢することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記引き込み部材が前記解放位置にあり、前記被係合部材と係合している場合において、前記ユニットが前記第二方向に移動されることで、前記引き込み部材は前記待機位置へ移動し、さらに前記ユニットが前記第二方向に移動されることで、前記引き込み部材と前記被係合部材の係合が解除されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記被係合部材は、前記ユニットに設けられ、前記引き込み部材は前記本体に設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記被係合部材は、前記本体に設けられ、前記引き込み部材は前記ユニットに設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置は、本体(装置本体)に対して着脱可能なユニットと、ユニットの着脱時にユニットを付勢する弾性部材を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、本体(装置本体)と、本体に対して着脱可能なユニットを備える、新たな形態の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、以下のようなものである。
【0006】
本体と、
前記本体に対して第一方向に挿入されることが可能であり、前記本体に対して前記第一方向と反対の第二方向に引き出されることが可能なユニットと、
被係合部材と、
前記被係合部材と係合し、前記被係合部材を引き込み可能な引き込み部材と、
前記ユニットを前記第二方向に押し出す押し出し部材と、
を有し、
前記被係合部材と前記引き込み部材の一方は前記本体に設けられ、前記被係合部材と前記引き込み部材の他方は前記ユニットに設けられ、
前記ユニットが前記本体に対して前記第一方向に挿入されることで、前記引き込み部材は前記被係合部材と係合し、前記ユニットを前記第一方向に変位させるように前記被係合部材を引き込み、
前記引き込み部材が前記被係合部材と係合した状態において、前記第一方向に向けて前記ユニットが外力を受けたとき、前記引き込み部材と前記被係合部材の係合が解除されるように前記外力によって前記被係合部材と前記引き込み部材の前記他方が前記本体に対して前記第一方向に変位され、前記ユニットは前記押し出し部材によって前記第二方向に押し出されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、本体(装置本体)と、本体に対して着脱可能なユニットを備える、新たな形態の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】(a)~(b)実施例1に係る画像形成装置の斜視図。
【
図3】(a)~(b)実施例1に係るユニット移動装置の概略図。
【
図4】(a)~(f)実施例1に係るユニット移動装置の平面図。
【
図5】(a)~(e)変形例1に係るユニット移動装置の平面図。
【
図7】(a)~(c)実施例2に係るユニット移動装置の平面図。
【
図8】実施例2の変形例1に係るユニット移動装置の平面図。
【
図9】(a)~(b)実施例3に係るユニット移動装置と被係合部材の平面図。
【
図10】(a)~(b)実施例3に係るユニット移動装置と被係合部材の平面図。
【
図11】(a)~(b)実施例3に係るユニット移動装置と被係合部材の平面図。
【
図12】(a)~(b)実施例3に係るユニット移動装置の平面図。
【
図14】(a)~(b)実施例3に係る被係合部材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
【0010】
以下の説明及び各図面において、画像形成装置1が水平面に設置された場合の鉛直方向をZ方向とする。Z方向と交差する方向であって、後述する給紙カセット2の引き出し方向と挿入方向をX方向とする。Z方向及びX方向の双方と交差する方向をY方向とする。X方向及びY方向は、好ましくは水平方向である。また、X方向、Y方向、Z方向は、好ましくは互いに直交する。また、必要に応じ、各図面に図示した矢印X、Y、Zの方向をそれぞれ+X側、+Y側、+Z側と表し、その反対側をそれぞれ-X側、-Y側、-Z側と表す。
【0011】
また、以下の説明において、第一、第二といった番号付けは、説明上便宜的に用いられるものにすぎず、原則として適宜入れ替えることができる。
【0012】
(実施例1)
[画像形成装置]
まず、
図1を用いて画像形成装置の概略構成と一連の画像形成動作について説明する。
図1は、画像形成装置の一例であるフルカラーレーザビームプリンタ(以下、「画像形成装置1」と称す)の概略を示す断面図である。
【0013】
画像形成装置1は、電子写真方式によりシートSに画像形成を行う画像形成部1Aと、形成された画像をシートSに定着させる定着ユニット110と、を備える。
【0014】
画像形成部1Aは、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの4色のトナー像をそれぞれ形成するステーションと、中間転写ベルト102aを備えている。画像形成部1Aは、感光ドラム101(101Y、101M、101C、101B)と、現像ローラを備えた現像ユニット104(104Y、104M、104C、104B)と、を備えている。本実施形態において、それぞれのステーションは、感光ドラム101Y~101Bの一つと、それに対応する現像ユニット104Y~104Bの一つと、を含む。中間転写ベルト102aは、無端状のベルトであり、テンションローラ102b、中間転写ベルト102aを循環移動させる駆動ローラ102c、ターンローラ102dにかけ渡されている。中間転写ベルト102aは、感光ドラム101Y~101Bと接触する。中間転写ベルト102aの内側には、一次転写ローラ106(106Y、106M、106C、106B)が配置される。一次転写ローラ106Y~106Bのそれぞれと、それに対応する感光ドラム101Y~101Bのそれぞれの間に、一時転写ニップが形成される。また、中間転写ベルト102aは、二次転写ローラ105と接触する。駆動ローラ102cと二次転写ローラ105の間に、二次転写ニップが形成されている。
【0015】
画像形成部1Aにおいて画像形成動作が開始されると、露光装置としてのレーザスキャナ103により、画像信号に応じた光が感光ドラム101Y~101Bのそれぞれに照射される。そして、感光ドラム101Y~101Bのそれぞれに静電潜像が形成される。それぞれの静電潜像は、現像ユニット104Y~104Bがそれぞれ収容しているイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーで現像される。これにより、感光ドラム101Y~101Bの表面にトナー画像(可視像)が形成される。感光ドラム101Y~101Bの表面に形成されたトナー画像は、順次、中間転写ベルト102aの表面に一次転写され、4色のトナーで形成されたトナー画像は、二次転写ニップへと中間転写ベルト102aにより搬送される。
【0016】
このようなトナー画像形成動作に並行して、画像形成装置1の収容部3に装着された給紙カセット2から、ピックアップローラ107によりシートSが1枚ずつ給送される。
【0017】
給送されたシートSは、フィードローラ108及びシートSの斜行補正を行うレジストローラ109によって中間転写ベルト102aと二次転写ローラ105で形成された二次転写ニップに搬送される。ここで、シートSは中間転写ベルト102a上に形成されたトナー画像に対してシートSのシート搬送方向位置を合わせる必要がある。したがって、レジストローラ109及びフィードローラ108の搬送速度制御を行うことで、シートSを二次転写ニップに搬送するタイミングが調整される。
【0018】
そして、二次転写ローラ105にバイアスが印加されることによって、二次転写ニップでトナー画像が中間転写ベルト102aからシートSへ転写される。
【0019】
トナー画像が転写されたシートSは、その後、定着ユニット110へ搬送され、定着ユニット110において加熱、加圧されることでトナー画像がシートSに定着される。シートSはトナー画像が定着された後、排出ローラ111によって装置本体の上部に設けられた排出部112へ排出される。
【0020】
[給紙カセット]
次に、給紙カセット2に関して、
図2を用いて説明する。
図2(a)は画像形成装置1の斜視図であり、給紙カセット2が画像形成装置1から引き出された状態を示している。また、
図2(b)は給紙カセット2と給紙カセット2の前板2Aの一部を示す斜視図である。画像形成装置1は、画像形成装置1の本体(装置本体)1aと給紙カセット2を有している。給紙カセット2は、記録材を収容可能な収容部である。給紙カセット2は、本体1aに対して装着可能である。給紙カセット2は、本体1aに対して着脱可能なユニットの一例である。なお、以下の説明において、-X方向側の端部とは、引き出し方向で下流側の端部、もしくは挿入方向で上流側の端部をいう。また、+X方向側の端部とは、挿入方向で下流側の端部、もしくは引き出し方向で上流側の端部をいう。また、挿入方向と引き出し方向を総称して、本体1aに対する給紙カセット2の着脱方向あるいは移動方向と呼ぶこともできる。本実施形態において、X方向は記録材Sの搬送方向と交差する方向(好ましくは直交方向)である。
【0021】
また、給紙カセット2は前板(前壁)2Aと後板(後壁)2Cを有する。前板2Aは、給紙カセット2の-X方向側の端部に設けられており、後板2Cは給紙カセット2の+X方向側の端部に設けられている。言い換えれば、前板2AはX方向について給紙カセット2の一端部に配置され、後板2Cは給紙カセット2の一端部と反対の他端部に配置されている。給紙カセット2の挿入方向について、後板2Cは前板2Aの下流側に位置する。前板2Aは、+Y方向側の端部と-Y方向側の端部に把持部2Bを有する。
【0022】
また、給紙カセット2はシートSを収容するためのシート収容部2D、収容部3の内壁に設けられたスライドガイド(ユニットガイド)11にガイドされる側壁2Eを有している。側壁2Eは、前板2Aに対して連結されている。給紙カセット2(側壁2E)は収容部3の内壁に設けられたスライドガイド(ユニットガイド)113に沿って挿入方向(+X方向)と、挿入方向と反対の引き出し方向(-X方向)に移動することが可能である。また、本体1aの-X方向側の端部に開口1cが形成されており、給紙カセット2は開口1cを通じて、本体1aの内部と外部とに移動可能である。より具体的には、給紙カセット2は、開口1cを通じて、本体1aが有する収容部3に挿入されたり、収容部3から取り出されたりすることが可能である。なお、以降の説明で、第一方向とは本体1aに対して給紙カセット2(ユニット)が挿入される方向であり、+X方向である。また、第二方向は第一方向と反対の方向であり、本体1aに対して給紙カセット2(ユニット)が引き出される方向であり、-X方向である。
【0023】
また、前板2Aは、+X方向について給紙カセット2の上流端に配置され、本体1aの開口1cを広範囲にわたって覆っている。Y方向について、前板2Aの長さは、シート収容部2Dの長さよりも長く、二つの側壁2Eの間の距離よりも長い。また、Z方向について、前板2Aの長さは、シート収容部2Dの長さよりも長い。
【0024】
ユーザは前板2Aと把持部2Bを用いて、給紙カセット2にX方向への外力を加えることで、給紙カセット2を本体1aに対してX方向に移動させることができる。ユーザが前板2Aを+X方向に押す(前板2Aが+X方向の外力を受ける)と、給紙カセット2の前板2A、シート収容部2D、側壁2E、後板2Cが+X方向に移動する。
【0025】
また、給紙カセット2は被係合部材100と、移動部材200を有する。
図2(b)に示すように、後板2Cの+X方向側の端部には被係合部材100と、移動部材200が取り付けられている。言い換えれば、給紙カセット2の挿入方向において、被係合部材100と移動部材200は、後板2Cの下流側に配置されている。被係合部材100は係止ピン(力受け部、第一力受け部)5、係止ピン保持アーム6、支点軸7を有する。係止ピン5は、係止ピン保持アーム6により保持されている。係止ピン保持アーム6及び係止ピン5は、支点軸7を介して給紙カセット2に対して回動可能である。支点軸7はX方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)に延びている。つまり、係止ピン保持アーム6及び係止ピン5の回転軸線方向は、X方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)である。
【0026】
移動部材200は、ピン(第二力付与部)80と、ピン保持アーム8と、支点軸9を有する。ピン80は、ピン保持アーム8により保持されている。なお、+X方向における後板2Cからピン80までの距離は、+X方向における後板2Cから係止ピン5までの距離より長い。ピン保持アーム8及びピン80は、支点軸9を介して給紙カセット2に対して回動可能である。支点軸9はX方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)に延びている。つまり、ピン保持アーム8及びピン80の回転軸線方向は、X方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)である。
【0027】
[ユニット移動装置]
次に、ユニット移動装置4について説明する。
図3(a)はユニット移動装置4の斜視図であり、
図3(b)はユニット移動装置4の平面図である。
【0028】
図2(a)に示すように、本体1aは、+X方向で開口1cの下流側に後側板1bを有しており、後側板1bには、ユニット移動装置4が備えられている。なお、本体1aは、X方向について一端(前側端、上流端)と、一端と反対の他端(奥側端、下流端)を有する。X方向について、開口1cは本体1aの他端よりも本体1aの一端の方に近く、ユニット移動装置4および後側板1bは本体1aの一端よりも本体1aの他端の方に近い。また、ユニット移動装置4および後側板1bは、挿入方向について収容部3の下流側の端部に配置されているということもできる。
【0029】
ユニット移動装置4は、引き込みユニット300とガイド部材17とダンパ18を有する。引き込みユニット300は、トグルアーム(引き込み部材、力付与部材、第一力付与部材、第一アーム)10、トグルアーム軸11、トグルバネ(付勢部材、弾性部材、第一付勢部材、第一弾性部材)12、トグルバネ軸14を有する。
【0030】
トグルアーム10は、係止ピン5と係合可能な係合部材(係合部)10aと、を有する。トグルアーム10は、トグルアーム軸11の周りに、本体1aおよびガイド部材17に対して回動可能である。トグルアーム軸11は、X方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)に延びている。つまり、トグルアーム10の回転軸線方向は、X方向およびY方向に対して交差する方向(好ましくは直交方向)である。
【0031】
トグルバネ12は、トグルアーム10の連結軸13と、トグルバネ12の揺動中心となるトグルバネ軸14に係止されている。引き込みユニット300は、トグルバネ12の収縮力により、トグルアーム10に回転モーメントを発生させ、給紙カセット2を引き込む力を発生する。すなわち、トグルバネ12は、引き込みユニット300が被係合部材100を引き込む方向に、トグルアーム10を付勢する。なお、本実施例において、トグルバネ12は引張バネであるが、圧縮バネやねじりコイルバネであってもよい。
【0032】
ガイド部材17は、係止ピン5の移動を案内する(ガイドする)第一溝形状(第一溝、第一ガイド溝)15と、ピン80を案内する(ガイドする)第二溝形状(第二溝、第二ガイド溝)16を有する。なお、本実施形態においては、第一溝形状15と第二溝形状16は一つのガイド部材17に形成されているが、第一溝形状15が形成された部材と、第二溝形状16が形成された部材が、別の部材であってもよい。
【0033】
第一溝形状15により、ガイド部材17には、係止ピン5が移動することが可能な移動経路である第一経路15a、第二経路15c、第三経路15bが形成されている。第一経路15aは、ガイド部材17の-X方向側の端部から+X方向側に向かって延びている。また、第一経路15aは、係止ピン5と係合した引き込みユニット300が後述する待機位置から解放位置へ到達するまでの係止ピン5の移動経路を含む。第三経路15bは、第一経路15aと第二経路15cを連絡する経路であり、第三経路15bが延びる方向は+X方向成分と-Y方向成分を持つ。すなわち、第三経路15bはY方向において、引き込みユニット300から遠ざかるように延びている。第二経路15cは第三経路15bと連絡しており、ガイド部材17の-X方向側の端部に向かって-X方向に延びている。また、第二経路15cは給紙カセット2が後述する押し出し部材19によって第二方向に押し出されることで、係止ピン5が移動する経路を含む。なお、第一方向と鉛直方向(Z方向)のそれぞれに直交する方向において、第三経路15bは、第一経路15aと第二経路15cの間にある。
【0034】
第二溝形状16には、ピン80が通過することが可能な第四経路16a、第五経路16c、第六経路16bが形成されている。第四経路16aは、ガイド部材17の-X方向側の端部から+X方向側に向かって延びている。第六経路16bは、第四経路16aと第五経路16cを連絡する経路であり、第六経路16bが延びる方向は+X方向成分と+Y方向成分を持つ。すなわち、第六経路16bはY方向において、引き込みユニット300から遠ざかるように延びている。第五経路16cは第六経路16bと連絡しており、ガイド部材17の-X方向側の端部に向かって-X方向に延びている。第一方向と鉛直方向(Z方向)のそれぞれに直交する方向において、第五経路16cは、前記第四経路と前記第六経路の間にある。第六経路16bは、第五経路16cの途中(第五経路16cの一端と他端の間)に接続されている。
【0035】
ユニット移動装置4は、第一制限部材(第一制限部、第一ストッパ部)17bと、第二制限部材(第二制限部、第二ストッパ部)17aを有する。本実施例において、第一制限部材17bと第二制限部材17aはガイド部材17の一部である。第一制限部材17bと第二制限部材17aとは、トグルバネ12によって付勢されたトグルアーム10を受けるように構成されている。
【0036】
ダンパ(ダンパ部材)18はガイド部材17の-X方向側の端部に支持された直動型のオイルダンパである。ダンパ18はガイド部材17に対して-X方向に移動(圧縮)されることが可能である。給紙カセット2が本体1aに挿入されるとき、ダンパ18は給紙カセット2に当接するように構成されている。
【0037】
[給紙カセットの装着]
次に、給紙カセット2の装着操作について説明する。
図4(a)~(f)はユニット移動装置4と給紙カセット2の一部を示す平面図である。
【0038】
トグルアーム10は、回転軸線の周りに
図4(a)に示す待機位置と
図4(C)に示す解放位置とに回動可能である。待機位置にトグルアーム10が位置する時、係合部材10aは係止ピン5と係合することが可能な係合位置に位置する。待機位置にあるトグルアーム10が、-Z方向に見て、反時計回りに回動することで、トグルアーム10は解放位置に移動する。解放位置にトグルアーム10が位置する時、係合部材10aは係止ピン5との係合を解除することが可能な解除位置に位置する。
【0039】
なお、以降の説明では、トグルアーム10が待機位置にある時、係合部材10aは係合位置に位置し、トグルアーム10が解放位置にある時、係合部材10aは解放位置に位置するとして説明を省略することがある。トグルアーム10が待機位置にある状態を、引き込みユニット300の待機状態と呼び、トグルアーム10が解放位置にある状態を、引き込みユニット300の解放状態(引き込み状態)と呼ぶこともできる。つまり、引き込みユニット300は、待機状態と解放状態を遷移することができる。
【0040】
図4(a)に示すように、トグルアーム10が待機位置にある状態では、トグルアーム10はトグルバネ12によって解放位置から待機位置に向かう方向に付勢され、第一制限部17bによって受けられている。+X方向について、係止ピン5とピン80がガイド部材17の上流側にある時、前板2Aに対して+X方向に外力を加えることで、本体1aに対して給紙カセット2を+X方向に移動させることができる。これにより、係止ピン5は本体1aに対して+X方向に移動し、第一経路15a上に位置し、さらに係合位置にある係合部材10aの凹部と係合する。なお、係止ピン5が係合部材10aと係合する前に、ピン80は第四経路16a、第六経路16bを通過するが、この動作については後述する。
【0041】
次に、
図4(a)の状態の給紙カセット2を+X方向にさらに挿入すると、係止ピン5は係合部材10aを介してトグルアーム10を押圧する。これにより、トグルアーム10は揺動支点であるトグルアーム軸11を支点として揺動し、トグルアーム10の揺動により連結軸13が+X方向に移動する。連結軸13が+X方向に移動すると、
図4(b)に示すようにトグルアーム軸11、連結軸13、トグルバネ軸14が一直線上に並び、トグルアーム10に回転モーメントがかからない状態となる。この状態に達した後、さらに給紙カセット2が+X方向に移動すると、トグルアーム10はトグルバネ12の収縮力によりトグルアーム軸11を支点として揺動を始め、-Z方向に見て反時計回りに回転する。この状態では、トグルアーム10はトグルバネ12によって待機位置から解放位置に向けて付勢される。このように、トグルアーム10が待機位置から解放位置に移動する過程で、トグルアーム10が付勢される方向が切り替わる。
【0042】
トグルアーム10に作用する回転モーメントによる作用力を、係止ピン5が係合部材10aから受ける。その結果、係止ピン5が第一経路15aに沿って、+X方向に引き込まれていく。言い換えれば、給紙カセット2が挿入方向に向けて引き込まれる。なお、トグルバネ12の付勢力によって給紙カセット2が挿入方向に引き込まれている状態では、+X方向の外力が給紙カセット2に作用していなくても、給紙カセット2は+X方向に移動する。したがって、ユーザがトグルアーム10による引き込みが開始される位置まで給紙カセット2を移動させた後は、それ以上給紙カセット2を挿入方向に向けて押し込む必要がない。なお、以下の説明において、引き込みユニット300による引き込みとは、トグルアーム10およびトグルバネ12によって給紙カセット2が挿入方向に移動することをいう。
【0043】
係止ピン5が第一経路15aを移動する過程で、給紙カセット2の後板2cがダンパ18の-X方向側の端部に当接する。ダンパ18は、引き込みユニット300が被係合部材100を引き込む過程において、給紙カセット2の第一方向への移動速度を減少させる機能を有する。ダンパ18のダンパ作用により、トグルアーム10はトグルバネ12により急激に回転されるのが防止され、移動速度が減少する。これにより、給紙カセット2の+X方向への移動速度を減少させることができる。なお、係止ピン5が第一経路15aを移動する過程で、ピン80は第五経路16cを+X方向に移動する。
【0044】
図4(b)の状態の係止ピン5が引き込みユニット300にさらに引き込まれると、トグルアーム10は解放位置に位置し、係合部材10aは係止ピン5との係合を解除することが可能な解除位置に位置する(
図4(b))。以上、説明したようにトグルアーム10は待機位置から解放位置まで移動することが可能であり、係合部材10aは、係合位置から解除位置まで移動することが可能である。
【0045】
本実施例では、トグルアーム10が解放位置にあり、係止ピン5と係合した係合部材10aが上述した解除位置にある状態を給紙カセット2が本体1a(収容部3)に対して装着された装着状態としている。なお、係合部材10aが解除位置にある状態において、トグルアーム10にはトグルバネ12の収縮力が働いており、A1方向(反時計回り)の回転モーメントが発生している。しかし、トグルアーム10が第二制限部材17aに突き当たることで、係合部材10aの+X方向への移動が規制されている。言い換えれば、トグルアーム10が解放位置に到達した場合に、第二制限部材17aは引き込みユニット300と当接することで、第二制限部材17aはトグルアーム10の引き込み方向への移動を制限する。本実施例において、第二制限部材17aはトグルアーム10と当接することで、第二制限部材17aはトグルアーム10の引き込み方向への移動を制限する。
【0046】
また、画像形成装置1の本体1aは、ばね(弾性体)を有する押し出し部材19を有している。トグルアーム10によって給紙カセット2が引き込まれ、係止ピン5が第一経路15aを+X方向に移動する途中で、後板2Cは押し出し部材19に当接し、後板2Cは押し出し部材19を縮ませる。本実施例では、押し出し部材19は本体1aの後側板1bに備えられているが、給紙カセット2に備えられていてもよい。例えば、押し出し部材19は後板2Cに備えられていてもよい。
【0047】
係合部材10aが解除位置にある状態において、押し出し部材19は一定以上の弾性力を有した状態であり、押し出し部材19は後板2Cを介して、給紙カセット2を-X方向(第二方向)に押し出すような力を発生している。すなわち、押し出し部材19の弾性力によって係止ピン5をトグルアーム10に押し付けている。
【0048】
トグルアーム10が解放位置にある状態では、第二制限部材17aによってトグルアーム10が受けられるため、トグルバネ12の付勢力は係止ピン5に作用しない。一方で、給紙カセット2は押し出し部材19によって-X方向に付勢されているため、係止ピン5は-X方向に向けてトグルアーム10に押し付けられる。その結果、給紙カセット2は本体1aに対して装着状態となる。このときの給紙カセット2の位置を、本体1aに対する装着位置と呼ぶことができる。
【0049】
給紙カセット2が装着位置にある状態(給紙カセット2の装着状態)は、給紙カセット2からのシートSの給送が可能な状態である。また、ピン80は-X方向において第五経路16cの下流側に位置されている。
【0050】
[給紙カセットの取り出し]
次に給紙カセット2の取り出し(引き出し)操作について説明する。なお、本実施例における給紙カセット2は、本体1aに対して-X方向に移動しても最終的には本体1aから取り外せないよう構成されているが、本体1aから取り外し可能であってもよい。言い換えると、本実施例の給紙カセット2の+X方向側の端部は本体1aの-X方向側の端部よりも-X方向で下流側に位置されないよう規制されている。しかし、給紙カセット2の+X方向側の端部は本体1aの-X方向側の端部よりも-X方向で下流側に位置されるように取り外されても良い。
【0051】
給紙カセット2は、本体1aの内部に位置する装着位置から、装着位置よりも本体1aに対して-X方向に位置する取り出し位置(引き出し位置)に移動することができる。給紙カセット2が取り出し位置にある状態では、給紙カセット2の少なくとも一部が本体1aの外部に露出しており、ユーザは給紙カセット2に対するシートSの補充などの作業を行うことができる。
【0052】
本実施例における給紙カセット2の取り出しとは、給紙カセット2を装着位置から取り出し位置に移動することを意味する。なお、本実施例における給紙カセット2の取り出しは、給紙カセット2と本体1aの分離動作を含む必要はない。
【0053】
本実施例の画像形成装置1では、給紙カセット2を取り出す方法は2つある。第一の取り出し方法では、装着状態(
図4(c))にある給紙カセット2を本体1aに対して-X方向に移動させる。つまり、第一の取り出し方法では、ユーザは装着位置にある給紙カセット2に対して、-X方向に外力を付与し、給紙カセット2を装着位置から-X方向に移動する。外力を付与する方法としては、ユーザが把持部2Bを掴み、給紙カセット2を-X方向に移動させる方法がある。装着状態(
図4(c))にある給紙カセット2を本体1aに対して-X方向に移動させることで、係止ピン5は第一経路15aを-X方向に移動し、係合部材10aが係合位置(
図4(a))に到達した時に、係合部材10aと係止ピン5の係合が解除される。この過程において、トグルアーム10は、解放位置から待機位置に向けて、-Z方向に見て時計回りにトグルバネ12の付勢力に抗して回転される。より具体的には、トグルアーム10は係止ピン5によって解放位置から待機位置に移動される。
【0054】
係止ピン5が第一経路15aを-X方向に移動する際、ピン80は第五経路16cを-X方向に移動し、最終的にピン80はガイド部材17から取り外される。
【0055】
このように、給紙カセット2が装着位置にある状態で、給紙カセット2が-X方向に移動されることで、給紙カセット2は取り出し位置に移動することができる。この方法で本体1aから給紙カセット2を引き出した場合、トグルアーム10は解放位置から待機位置に戻される(
図4(a))。以上、説明したように、トグルアーム10が解放位置にあり、被係合部材100と係合している場合において、給紙カセット2が第二方向に移動されることで、トグルアーム10は待機位置へ移動する。さらに給紙カセット2が第二方向に移動されることで、トグルアーム10と被係合部材100の係合が解除される。
【0056】
次に第二の取り出し方法について説明する。第二の引き出し方法では、装着状態(
図4(c))にある給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させる。つまり、第二の取り出し方法では、ユーザは装着位置にある給紙カセット2に対して、+X方向に外力を付与し、給紙カセット2を装着位置から+X方向に移動する。外力を付与する方法としては、ユーザは前板2Aを押圧し、給紙カセット2を+X方向に移動させる方法がある。装着状態(
図4(c))にある給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させることで、解除位置にある係合部材10aと係止ピン5の係合が解除され、係止ピン5は第三経路15bに進み、さらに、第二経路15cに進む。つまり、装着位置にある給紙カセット2に対して、+X方向に外力が付与されることにより、係止ピン5は本体1aに対して移動して、トグルアーム10から離れる。言い換えれば、装着位置にある給紙カセット2に対して付与された、+X方向に向かう外力により、係止ピン5とトグルアーム10の係合部材10aの間の係合が解除される。より具体的には、給紙カセット2の装着状態においては、係止ピン5はトグルアーム10の係合部材10aと係合している。この状態から、給紙カセット2が-X方向に向けて給紙カセット2が外力を受けたとき、係止ピン5とトグルアーム10の係合が解除されるように、外力によって給紙カセット2の係止ピン5が-X方向に移動する。係止ピン5は、Y方向における係止ピン5の位置が第一経路15aの位置から離れるように、移動することができる(
図4(d))。
【0057】
係止ピン5が第二経路15cに進んだ状態で、ユーザが給紙カセット2を押すことをやめる(+X方向に作用する外力がなくなる)と、押し出し部材19によって給紙カセット2は-X方向に押し出される。この時、ダンパ18は圧縮状態から復帰する。
【0058】
また、給紙カセット2に作用した+X方向の外力により、ピン80は+X方向に移動する。そして、押し出し部材19によって給紙カセット2が押し出されることに伴って、ピン80は第五経路16cを-X方向に移動し、最終的にピン80はガイド部材17から取り外される。以上の流れにより、給紙カセット2は本体1a(収容部3)から取り出される。
【0059】
このように、給紙カセット2が装着位置にある状態で、給紙カセット2が外力を受けて+X方向に移動した後、給紙カセット2は押し出し部材19によって-X方向に移動され、取り出し位置に移動される。この方法で本体1aから給紙カセット2を引き出した場合、トグルアーム10が解放位置にある状態で、給紙カセット2は装着位置から取り出し位置に移動される(
図4(e))。
【0060】
ここで、前板2Aは、給紙カセット2が装着位置にある状態で、外部(画像形成装置1の外部)に向けて、本体1aから露出されている。また、前板2Aは、第二の取り出し方法で給紙カセット2を取り出す際に、+X方向の外力を受ける外力受け部ということができる。給紙カセット2が装着位置にある状態で、ユーザは前板2Aの任意の場所を+X方向に押すことで給紙カセット2を取り外すことができる。
【0061】
以上、説明したように本実施例の画像形成装置1は、上述した2つの引き出し方法で、給紙カセット2を本体1aから引き出すことができる。したがって、給紙カセット2の取り出し時のユーザビリティが向上される。
【0062】
[係合部材のリセット]
第一の引き出し方法で給紙カセット2を取り出した場合は、トグルアーム10は係止ピン5によって-X方向に押圧され、係合部材10aが係合位置に到達する。これにより、再度、給紙カセット2を本体1aに対して挿入した時に、係止ピン5は係合位置にある係合部材10aと係合することが可能である。しかし、第二の引き出し方法で給紙カセット2を取り出した場合は、トグルアーム10は、係合部材10aが解除位置に位置される解放位置にある。そのため、再度、給紙カセット2を本体1aに対して挿入した時に、係合部材10aが解除位置にあると、係止ピン5は係合部材10aと係合することができない。
【0063】
そこで本実施例では、トグルアーム10が解放位置にある状態で、給紙カセット2が本体1aに挿入された場合、係止ピン5がトグルアーム10と係合する前に、トグルアーム10が解放位置から待機位置に戻される。以下、トグルアーム10を解放位置から待機位置に戻すことを、トグルアーム10の位置または係合部材10aの位置をリセットする、と呼ぶ。
【0064】
本実施例では、係合部材10aの位置をリセットするために、後板2Cに移動部材200を設け、また、ガイド部材17に第二溝形状16を設けている。
【0065】
係合部材10aの位置をリセットする方法について説明する。第二の方法で給紙カセット2が本体1aから取り出され、係止ピン5とピン80がガイド部材17から取り出されると、トグルアーム10は解放位置に位置される(
図4(d))。このとき、トグルアーム10の一部が、第四経路16aに重なっている。再度、給紙カセット2を+X方向に移動させると、
図4(e)に示すように、ピン80が第四経路16aに入る。トグルアーム10は第四経路16aの内部を移動するピン80の移動軌跡に重なっている。したがって、ピン80はトグルアーム10に当接する。
【0066】
さらに、給紙カセット2を+X方向に移動させることで、ピン80はトグルアーム10を+X方向に押圧しながら、第四経路16aから第五経路16bに向かって移動する。トグルアーム10が+X方向に押圧されることで、
図4(f)に示すように、トグルアーム10が-Z方向に見て、時計回り(A2方向)に回転する。
【0067】
最終的に、ピン80は、トグルバネ12によってトグルアーム10が待機位置に向けて付勢される位置まで、トグルアーム10を回転させ、トグルアーム10はトグルバネ12によって待機位置に位置される。以上の動作により、係合部材10aは係合位置にリセットされる。このように、移動部材200は、係止ピン5がトグルアーム10から離れた状態で、トグルアーム10を解放位置から待機位置に移動させることができる。
【0068】
トグルアーム10が待機位置にある状態では、トグルアーム10は第四経路16aに重なっていない。トグルアーム10を待機位置に戻したのち、給紙カセット2をさらに+X方向に挿入すると、ピン80は第五経路16cに至る。一方で、係止ピン5は係合位置にある係合部材10aと係合することができる(
図4(a)参照)。
【0069】
以上、説明したように、給紙カセット2を第一方向に挿入することで、移動部材200は、引き込みユニット300と当接し、トグルアーム10を解放位置から待機位置へ移動させることができる。より具体的には、トグルアーム10が解放位置にある場合において、給紙カセット2を第一方向に挿入すると、移動部材200はトグルアーム10と当接する。そして、移動部材200はトグルアーム10を待機位置へ移動させる。さらに給紙カセット2を第一方向に挿入することで、被係合部材100は待機位置にあるトグルアーム10と係合する。
【0070】
[変形例1]
次に実施例1の変形例1について説明する。
図5(a)~(e)は変形例1におけるユニット移動装置4と給紙カセット2の一部の平面図を示している。
【0071】
上述したように、実施例1において、+X方向における後板2Cからピン38までの距離は、+X方向における後板2Cから係止ピン5までの距離より長い。そのため、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させた場合に、まずピン38がトグルアーム10に当接し、係合部材10aの位置がリセットされた後で、係止ピン5が係合部材10aに係合された。しかし、変形例1では、+X方向における後板2Cからピン38までの距離は、+X方向における後板2Cから係止ピン5までの距離より短い。
【0072】
変形例1では、装着位置にある給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させた場合に、係止ピン5が係合部材10aから離れた後で、ピン38がトグルアーム10に当接し、係合部材10aの位置がリセットされる。なお、係止ピン5とピン38以外についての構成は実施例1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0073】
変形例1の構成においても、取り出し位置から装着位置に向けて給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させた場合に、まず係止ピン5が係合部材10aに係合され、係合部材10aは解除位置まで移動する。
図5(a)は係合部材10aが解除位置にある状態を示している。
【0074】
この時、ピン38はトグルアーム10にまだ当接していない。
図5(a)の状態からさらに、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、
図5(b)に示すように、トグルアーム10の係合部材10aから係止ピン5が離れた後、ピン38はトグルアーム10に当接する。一方、係合部材10aから離れた係止ピン5は第三経路15bに位置する。
【0075】
図5(b)の状態からさらに、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、ピン38はトグルアーム10を+X方向に押圧しながら、第四経路16aから第五経路16bに向かって移動する(
図5(c))。最終的に、ピン38は、係合位置にある係止部材10aが解除位置まで移動するよう、トグルアーム10を押圧する(
図5(d))。具体的には、ピン38は、トグルバネ12によってトグルアーム10が待機位置に向けて付勢される位置まで、トグルアーム10を回転させ、トグルアーム10は待機位置に位置される。
【0076】
図5(d)の状態からさらに、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、
図5(e)に示すように、ピン38は第五経路16cへ、係止ピン5は第二経路15cへ移動する。この状態で、給紙カセット2に付与されていた+X方向の外力がなくなると、押し出し部材19により給紙カセット2は-X方向に押し出される。
【0077】
以上、説明したように、被係合部材100と引き込みユニット300が係合している場合において、給紙カセット2を第一方向に挿入することで被係合部材100と引き込みユニット300の係合が解除される。さらに、給紙カセット2を第一方向に挿入することで移動部材200は引き込みユニット300と当接し、トグルアーム10を待機位置へ移動させる。
【0078】
[変形例2]
次に実施例1における変形例2について
図6を用いて説明する。実施例1において、係止ピン5が第二経路15cから引き出された後に、給紙カセット2を-X方向に所定量移動するまでは、ピン80は第五経路16cに残る。ピン80が第五経路16cに残った状態で、再度係止ピン5が第一経路15aに挿入されるように、給紙カセット2を+X方向に移動させた場合、トグルアーム10はピン80によって待機位置に戻されない。その結果、係止ピン5は解放位置にあるトグルアーム10(解除位置にある係止部材10a)と当接する。この状態で、ユーザがさらに給紙カセット2を+X方向に挿入した場合、係止ピン5と係止部材10aが干渉し、壊れる可能性がある。
【0079】
そこで、変形例2では、第一溝形状15にさらに、第七経路15eが形成されるように構成している。第七経路15eはY方向に延びており、第一経路15aと第二経路15cを連絡している。また、第七経路15eは、第三経路15bより+X方向において上流にある。また、第七経路15eと第一経路15aが交差している経路である経路15e1は、+X方向において解除位置にある係合部材10aより上流にある。これにより、係止ピン5が、解除位置にある係合部材10aに当接したとしても、係止ピン5は、第七経路15eを経由して第二経路15cに移動することができる。その結果、係止ピン5または係止部材10aが壊れることを防ぐことができる。
【0080】
(実施例2)
本発明の実施例2に係るユニット移動装置21について
図7(a)~(c)を用いて説明する。
図7(a)~(c)は、ユニット移動装置21と給紙カセット2の一部を示す平面図である。実施例2の引き込みユニット400は、実施例1の引き込みユニット300の構成と異なる。また、実施例2では、実施例1における移動部材200と第二溝形状16を有しない点が異なる。
【0081】
実施例2の本体1aはユニット移動装置21を有し、給紙カセット2は被係合部材100を有する。ユニット移動装置21は、実施例1のユニット移動装置4と同じ位置に配置される。また、被係合部材100は、実施例1で示したものと実質的に同一のものを用いることができる。
【0082】
ユニット移動装置21は、引き込みユニット400と、ガイド部材25を有する。ガイド部材25は実施例1と同様に第一経路15a、第二経路15c、第三経路15bが形成されている。第一経路15a、第二経路15c、第三経路15bの構成は実施例1と同じであるため説明は省略する。また、ガイド部材25は、規制部25aを有する。引き込みユニット400は、ストッパ22(引き込み部材、力付与部材、第一力付与部材、第一アーム)、ストッパ軸23、ストッパバネ24を有する。ストッパ22は、ガイド部材25に設けられたストッパ軸23を支点に揺動可能な係止部である。また、ストッパ22は、-Y方向側の端部に第一面22a、角部22b、第二面22cを有する。角部22bは第一面22aと第二面22cを連絡している。第一面22aはY方向とX方向に延びており、鉛直方向に見て、第一面22aは第一経路15aに重なる。また、角部22bは、鉛直方向に見て、第一経路15aと重なる。第二面22cはY方向とX方向に延びており、鉛直方向に見て、第二面22cは第一経路15aに重なる。
【0083】
ストッパバネ24は、ガイド部材25に設けられている。また、ストッパバネ24は、ストッパ22の+Y方向側の端部に当接しており、ストッパ22が+Y方向に移動することで、弾性力を蓄え、ストッパ22を-Y方向に押し出すよう作用する。ストッパ22はストッパバネ24に押し出されているが、
図7(a)に示すように、ストッパ22は規制部25aと当接し、規制部25aより-Y方向側に移動できないようになっている。
【0084】
次に、実施例2における給紙カセット2の装着操作について説明する。給紙カセット2が本体1aに対して+X方向に移動することで、第一経路15aを通過し、
図7(a)に示すように、係止ピン5は、第一面22aと当接する。
【0085】
さらに、給紙カセット2が本体1aに対して+X方向に移動することで、係止ピン5が第一面22aを押圧し、ストッパ22を+Y方向に移動させる。これにより、ストッパバネ24の弾性力が蓄えられる。そして
図7(b)に示すように、係止ピン5が角部22bまで到達したとき、ストッパバネ24の弾性力は最大となる。
【0086】
係止ピン5が、角部22bを越え、+X方向に移動すると、蓄積されていたストッパバネ24の弾性力が解放され、ストッパ22は-Y方向に移動する。これにより、係止ピン5が第二面22cに当接しながら、+X方向に移動するように、ストッパ22が係止ピン5を+X方向に引き込む。その結果、給紙カセット2は+X方向に向けて移動する。一方、ストッパ22が係止ピン5を引き込む途中で、後板2Cは押し出し部材19へ当接し、押し出し部材19は弾性力を蓄える。ストッパ22が規制部25aと当接することで、ストッパ22は-Y方向への移動が制限されている(
図7(c))。
図7(c)にあるように、給紙カセット2が装着位置にある状態で、給紙カセット2は押し出し部材19によって-X方向に付勢され、係止ピン5がストッパ22の第二面22cに当接している。このように、係止ピン5が第二面22cに当接しており、ストッパ22が規制部25aに当接した時を、給紙カセット2が装着位置にある状態とする。
【0087】
なお、実施例2における給紙カセット2は実施例1と同様に、ユーザは第一の取り出し方法と第二の取り出し方法で給紙カセット2を取り出すことができる。
【0088】
まず、第一の取り出し方法について説明する。給紙カセット2が装着位置にある時に、給紙カセット2が本体1aに対して-X方向に移動するように外力を加えると、係止ピン5は、第二面22cを-X方向に押圧する。さらに、給紙カセット2を-X方向に移動させると、係止ピン5は角部22Bを越える。さらに係止ピン5を+X方向に移動すると、係止ピン5は第一面22Aに沿って移動し、最終的に給紙カセット2を取り外すことができる。
【0089】
次に第二の取り出し方法について説明する。給紙カセット2が装着位置にある時に、給紙カセット2が本体1aに対して+X方向に移動するように外力を受けると、係止ピン5は、第三経路15bへ移動し、さらに、第二経路15cへ移動する。係止ピン5が第二経路15cへ位置すると、押し出し部材19が給紙カセット2を-X方向に押圧する力によって、係止ピン5は第二経路15cを-X方向に移動し、最終的に給紙カセット2を取り出すことができる。
【0090】
なお、本実施例では、係止ピン5の係止部としてストッパ22をガイド部材25に設けたが、揺動支点及び弾性部材を設けず、ストッパ22の代わりに弾性変形可能なレバーをガイド手段25に設けても良い。
【0091】
また、実施例2の変形例1として、
図8に示すように、ガイド部材25に経路切替フラッパ45を設けてもよい。経路切替フラッパ45は、-Z方向に見て時計回りに回動するよう付勢されている。そのため、
図8に示すように、鉛直方向に見て、経路切替フラッパ45は第一経路15aと第二経路15cの連絡を遮るようにガイド部材25と当接している。また、経路切替フラッパ45は外力を加えることで-Z方向に見て、反時計回りに回転することが可能である。給紙カセット2が装着位置にある場合において、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させることで、係止ピン5が経路切替フラッパ45を+X方向に押圧する。これにより、経路切替フラッパ45は-Z方向に見て反時計周りに回転し、第一経路15aと第二経路15cの連絡の遮りをなくす。係止ピン5は第二経路15cへ移動可能となり、係止ピン5が第二経路15cへ移動した後、経路切替フラッパ45は再び、第一経路15aと第二経路15cが連絡を遮る位置に回動する。すなわち、経路切替フラッパ45は、係止ピン5の第二経路15cから第一経路15aへの逆流を防止する逆止弁(切り替え弁)として機能する。
【0092】
以上、説明したように実施例2においては、ストッパ22の位置はストッパバネ24の弾性力によってリセットされるため、実施例1のように移動部材200を設ける必要がない。また、上述した第一の取り出し方法と第二の取り出し方法で、給紙カセット2を本体1aから引き出すことができる。したがって、給紙カセット2の取り出し時のユーザビリティが向上される。
【0093】
(実施例3)
次に本発明の実施例3に係るユニット移動装置27について
図9~
図14を用いて説明する。
図9(a)、
図11(a)、
図12(a)、
図13、
図14(a)は、ガイド部材28をX方向に沿って切断した断面図である。
図9(b)、
図10、
図11(b)、
図12(b)、
図14(b)は被係合部材500を鉛直方向(Z方向)に見た平面図である。
【0094】
実施例3の本体1aはユニット移動装置27を有し、給紙カセット2は被係合部材500を有する。ユニット移動装置27は、実施例1のユニット移動装置4と同じ位置に配置される。ユニット移動装置27は、引き込みユニット400と、ガイド部材28を有する。
【0095】
実施例3の画像形成装置1の被係合部材500とガイド部材28は、実施例2の被係合部材100とガイド部材25と構成が異なる。その他の構成については、実施例2と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
まず、ガイド部材28の構成について
図9(a)を用いて説明する。本実施例では、ガイド部材28は実施例2の第二経路15cと第三経路15bを有さない。一方でガイド部材28は、係止ピン29が移動する経路である第八経路15fを有する。第八経路15fは、第一経路15aから延びており、第八経路15fが延びている方向は+X方向成分と+Z方向成分を持つ。また、ガイド部材28は、第八経路15f上に斜面15fbを有し、係止ピン29は斜面15fbに沿って移動可能である。
【0097】
次に、被係合部材100の構成について
図9(a)~(b)、
図12を用いて説明する。被係合部材500は、支点軸70、係止ピン保持アーム31、係止ピン29、固定機構30、を有する。支点軸70、係止ピン保持アーム31の構成は、それぞれ実施例2の支点軸7と係止ピン保持アーム6と同一である。すなわち、係止ピン29は、係止ピン保持アーム31により保持されており、係止ピン保持アーム31及び係止ピン29は、支点軸70を介して給紙カセット2に対して回動可能である。また、係止ピン29は、溝部29a、規制面29b、被押圧面29cを有する。溝部29aはX方向に窪んだ溝形状である。規制面29bは、
図12(a)に示すように、溝部29aを構成する平面であり、X方向に延びている。係止ピン29は、係止ピン保持アーム31に設けられた穴44を通って、係止ピン保持アーム31をZ方向に貫通している。また、規制面29bは係止ピン保持アーム31の+Z方向側の端部と当接している。すなわち、規制面29bは係止ピン29が係止ピン保持アーム31に対して自重で-Z方向に移動しないように規制している。後述するように、係止ピン29は、+Z方向に外力を受けることで、穴44を通り、係止ピン保持アーム31に対して、+Z方向に移動することが可能である。係止ピン29において被押圧面29cは、係止ピン29の外周面である。
【0098】
被係合部材500は、固定部材30を有する。固定部材30は、第一固定部材30a及び第二固定部材30bを有する。第一固定部材30aは、係止ピン保持アーム31上に設けられた第一支持軸32を支点として回動可能に設けられている。また、
図9(b)に示すように第一固定部材30aは、不図示のねじりコイルバネによって、-Z方向に見て時計回り(B1方向)に回転する。第二固定部材30bは、不図示のねじりコイルバネによって第一固定部材30a上に設けられた第二支持軸33を支点として回動可能に設けられている。また、
図9(b)に示すように、第二固定部材30bは-Z方向に見て反時計回り(B2方向)に回転する。
【0099】
次に、給紙カセット2を装着する際の動作について説明する。
図9(a)~(b)は、係止ピン29が+X方向においてガイド部材28より上流にある時の状態を示した図である。すなわち、給紙カセット2が本体1aに装着されていないときの状態である。第二固定部材30bは端面34を有しており、第二固定部材30bは、端面34を介して第一固定部材30aに当接している。なお、第一固定部材30aを回動させるねじりコイルバネの方が、第二固定部材30bを回動させるねじりコイルバネよりも付勢力が大きい。すなわち、固定部材30は-Z方向に見て、時計回りに回動するため、第一固定部材30aは係止ピン29の被押圧面29cを押圧している。
【0100】
また、
図9(a)の状態では、先述したように規制面29bは係止ピン保持アーム31の+Z方向側の端部と当接することで、係止ピン29が係止ピン保持アーム31に対して自重で-Z方向に移動しないように規制している。なお、この時、X方向に見て、係止ピン29とストッパ22は重なっている。
【0101】
図9(a)~(b)の状態から、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、第二固定部材30bは、本体1aに設けられたピン35と当接する(
図10)。さらに、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、第二固定部材30bはピン35に押圧され、-Z方向に見て時計回りに回転(B3方向)する。第二固定部材30bが、ピン35よりも+X方向において下流に位置した後、第二固定部材30bは再び
図9(b)の状態となる。
【0102】
第二固定部材30bが、ピン35よりも+X方向において下流に位置した後、さらに給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、係止ピン29がストッパ22を移動させた後、
図11(a)に示すように、係止ピン29はストッパ22と係合される。
図11(b)はこの時の被係合部材500の状態を示している。係止ピン29がストッパ22と係合される動作については実施例2で説明したため、説明を省略する。
【0103】
次に、給紙カセット2を取り出す際の動作について説明する。まず第二の取り出し方法について説明する。
【0104】
図12(a)に示すように係止ピン29がストッパ22と係合された状態において、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させると、係止ピン29は第八経路15fを斜面15fbに沿って移動する。係止ピン29が第八経路15fに沿って+X方向に移動すると、係止ピン29の-Z方向側の端部が斜面15fbに当接し、斜面15fbから+Z方向への力を受けるため、係止ピン29は、係止ピン保持アーム31と固定部材30に対して+Z方向に移動する。係止ピン29が固定部材30に対して+Z方向に移動すると、
図12(a)~(b)に示すように、第一固定部材30aは溝部29aと係合する。この時、ねじりコイルバネの付勢力により、第一固定部材30aは溝部29aを押圧するように当接する。溝部29aは、溝部29aを構成する面であり、X方向に延びる平面29atを有する。第一固定部材30aが溝部29aに係合している状態において、平面29atは第一固定部材30aより+Z方向で下流側に位置し、Z方向に見て、第一固定機構30aと重なっている。これにより、係止ピン29が、自重によって係止ピン保持アーム31に対して-Z方向に移動しない。また、第一固定部材30aが溝部29aに係合している状態において、鉛直方向において係止ピン29はストッパ22より高い位置にある。
【0105】
図12(a)では、係止ピン29がストッパよりも-X方向にある状態である。また、実施例2で先述したように、給紙カセット2は押し出し部材19によって-X方向に押圧されている。そのため、
図12(a)の状態から、給紙カセット2に加えられていた+X方向の外力がなくなると、
図13に示すように、給紙カセット2は本体1aに対して-X方向に移動する。この時、鉛直方向において係止ピン29はストッパ22より高い位置にあるため、ストッパ22と干渉しない。
【0106】
係止ピン29がストッパ22よりも-X方向側に位置するまで、係止ピン29が移動した後、
図14(b)に示すように第一固定部材30aの-X方向の端部はピン35に当接する。さらに、係止ピン29が-X方向に移動すると、第二固定部材30bはB2方向に回転し、端面34を介して、第一固定部材30aもB2方向に回転する。これにより、第一固定部材30aと溝部29aの係合が解除され、係止ピン29は自重により係止ピン保持アーム31に対して、-Z方向に移動する。係止ピン29が自重により係止ピン保持アーム31に対して、-Z方向に移動すると、規制面29bが係止ピン保持アーム31の+Z方向側の端部と当接し、すなわち、係止ピン29が係止ピン保持アーム31に対して-Z方向に移動することが規制される。
【0107】
次に第一の取り出し方法について説明する。給紙カセット2が本体1aに対して装着されている時(
図11(a))に、本体1aに対して-Z方向に給紙カセット2を移動させると、係止ピン29とストッパ22の係合を解除することができる。第一の取り出し方法における、係止ピン29とストッパ22の係合の解除における動作は実施例2で説明した内容と同じであるため、説明を省略する。第一の取り出し方法における固定機構30の動作について説明する。係止ピン29とストッパ22の係合が解除され、係止ピン29がストッパ22より-X方向側に位置した後、さらに給紙カセット2を本体1aに対して-X方向に移動させると、第二固定部材30bが
図14(b)に示すように、ピン35と当接する。さらに給紙カセット2を本体1aに対して--X方向に移動させると、第二固定部材30bは-Z方向に見て反時計回りに回転するようにピン35に押圧される。これにより、第二固定部材30bは、ピン35に対して-X方向に移動し、最終的に、第二固定部材30bは、ピン35よりも-X方向に位置する。第二固定部材30bが、ピン35よりも-X方向に位置した後、固定部材30は
図9(b)のように第一固定部材30aが被押圧面29cを押圧する状態に戻る。
【0108】
以上、説明したように本実施例においては、実施例1における移動部材200がなくても、第一の取り出し方法と第二の取り出し方法を行うことが可能である。また、実施例2における第二経路15c、第三経路15bを設けない構成であるため、+Y方向においてガイド部材を小型化することができる。
【0109】
(実施例4)
次に実施例4に係るユニット移動装置37について
図15を用いて説明する。
図15はユニット移動装置37の平面図である。
【0110】
実施例4の本体1aはユニット移動装置37を有し、給紙カセット2は被係合部材100を有する。ユニット移動装置37は、実施例1のユニット移動装置4と同じ位置に配置される。
【0111】
ユニット移動装置37は、ガイド部材41を有し、ガイド部材41には引き込みユニット600、プランジャソレノイド38、センサユニット55が設けられている。センサユニット55は透過型の光電センサであり、55aは発光素子、55bは受光素子である。引き込みユニット600には、トグルアーム39、トグルアーム軸40、トグルバネ12、トグルバネ軸14、連結軸13、係合部材39aを有する。トグルアーム39、トグルアーム軸40、トグルバネ12、トグルバネ軸14、連結軸13、係合部材39aの動作については実施例1で説明したため、説明を省略する。
【0112】
プランジャソレノイド38は、トグルアーム39を解放位置から待機位置に戻す移動部材としての機能を有する。プランジャソレノイド38は駆動部品である可動鉄芯42と連結しており、可動鉄芯42はトグルアーム39に設けられた連結軸43に連結している。実施例1~3と同様に、ガイド部材41は、第一溝形状15を有している。また、第一溝形状15には、係止ピン5が移動することが可能な移動経路である第一経路15aが形成されている。実施例4においては、実施例1と同じ動作で引き込みユニット600が係止ピン5を引き込み、給紙カセット2は本体1aに対して装着される。そのため、実施例4における給紙カセット2の装着の方法の説明は省略する。
【0113】
次に実施例4における給紙カセット2の取り出し方法について説明する。第一の取り出し方法については、実施例1と同じ動作であるため説明を省略する。第二の取り出し方法について説明する。本実施例においては、給紙カセット2が本体1aに対して、装着位置から+X方向に移動したことが検知されると、トグルアーム39が解放位置から待機位置へと移動される。
【0114】
図15は給紙カセット2が本体1aに対して装着されている状態を示している。実施例1と同様、給紙カセット2が本体1aに対して装着されている状態では、押し出し部材19は給紙カセット2によって押圧されており弾性力を蓄えている。給紙カセット2が本体1aに対して装着されている状態において、給紙カセット2を本体1aに対して+X方向に移動させることで、係止ピン5は本体1aに対して+X方向に移動する。これにより、押し出し部材19は給紙カセット2によってさらに+X方向に縮むことで弾性力を蓄える。また、係止ピン5がセンサユニット55の検知領域を通過することで、センサユニット55は、係止ピン5を検知する。不図示の画像形成装置1の制御手段(CPU)はセンサユニット55の検知信号に基づいて、プランジャソレノイド38を通電状態とさせる。これにより、プランジャソレノイド38の内部に磁束を発生させる。この磁力により、プランジャソレノイド38は可動鉄芯42を+X方向に引き込む。可動鉄芯42がX方向に引き込まれることで、連結軸43は+X方向に引き込まれる。すなわち、プランジャソレノイド38は、トグルアーム39が-Z方向に見て時計回りに回転するよう、連結軸43を引き込む。なお、トグルアーム39が解放位置にある状態で、トグルアーム39は、-Z方向に見て反時計回りに回転するよう、トグルバネ12によって引き込まれている。しかし、プランジャソレノイド38がトグルアーム39を移動する力の方がトグルバネ12の引き込み力より大きいため、トグルアーム39は-Z方向に見て時計回りに回転する。これにより、トグルアーム39は待機位置へ移動し、係合部材39aは係合位置へ移動する。トグルアーム39が待機位置へ移動する過程では、押し出しばね19による-X方向への付勢力も働いている。
【0115】
本実施例において、可動鉄芯42が突出した状態ではトグルアーム39は解放位置に位置し、可動鉄芯42が引き込まれた状態ではトグルアーム39は待機位置に位置していた。しかし、可動鉄芯42が突出した状態ではトグルアーム39は待機位置に位置し、可動鉄芯42が引き込まれた状態ではトグルアーム39は解放位置に位置されてもよい。また、本実施例において、プランジャソレノイド38は、いわゆるキープソレノイドであってよい。
【0116】
なお、本実施例においては、トグルアーム39は非磁性体で構成することで、可動鉄心42からトグルアーム39に電流が流れないように構成している。
【0117】
以上の操作により、実施例2及び実施例3と同様、実施例1における移動部材200がなくても、第二の取り出し方法が可能である。また、第二の取り出し方法を実施する際に、押し出し部材19の付勢力に加え、プランジャソレノイド38による付勢力が加わるため、ユーザの引き出し操作のユーザビリティを向上させることができる。
【0118】
なお、実施例1~4においては、ユニット移動装置は、画像形成装置1の後側板1bに固定され、後板2Cの-X方向側の端部に被係合部材が固定されていた。しかし、被係合部材とユニット移動装置の一方は本体に設けられ、被係合部材とユニット移動装置の他方は本体に対して着脱されるユニットに設けられるようにすればよい。
【0119】
つまり、実施例1~4においては、被係合部材はユニットとしての給紙カセット2に備えられ、ユニット移動装置は本体1aに備えられていた。一方、被係合部材が本体1aに備えられ、ユニット移動装置が給紙カセット2に備えられていてもよい。このとき、引き込み部材を解放位置から待機位置に移動させる移動部材が備えられる場合、移動部材は本体1aに備えられる。
【0120】
この場合、給紙ユニット2が外力を受けて、本体1aに対して装着位置から挿入方向に移動されたとき、外力によってユニット移動装置が移動する。そして、ユニット移動装置の引き込みユニットと被係合部材の係合が解除される。
【0121】
より具体的には、ユニット移動装置が給紙カセット2に備えられている場合、給紙カセット2が本体1aに挿入されるとき、ユニット移動装置が被係合部材に対して+X方向に移動する。装着位置にある給紙カセット2を、第一の取り出し方法で本体1aから取り出す場合は、ユニット移動装置が被係合部材に対して-X方向に移動する。また、装着位置にある給紙カセット2を、第二の取り出し方法で本体1aから取り出す場合は、ユニット移動装置が被係合部材に対して+X方向に移動した後、-X方向に移動する。このような場合においても、本体1aに対して給紙カセット2が相対的に移動するときの、被係合部材または移動部材とユニット移動装置の間の相対的な位置関係の変化は、各実施例において説明されたものと同じである。
【0122】
例えば、
図17に示すように、実施例1のユニット移動装置4を後板2Cの+X方向側の端部に固定し、被係合部材100と、移動部材200を本体1aの後側板1bに固定してもよい。
【0123】
この場合、給紙カセット2を本体1aに対して挿入する操作と、本体1aから取り出す際の操作は、実施例1と同じである。すなわち、給紙カセット2の装着時においては、給紙カセット2が本体1aに対して第一方向に挿入されることで、ユニット移動装置4は、本体1aに対して+X方向に移動し、係止ピン5と係合する。具体的には、待機位置にあるトグルアーム10が本体1aに対して+X方向に移動して、本体1aに備えられた係止ピン5と係合する。そして、さらに給紙カセット2を+X方向にさらに挿入すると、トグルアーム10が解放位置に移動して、給紙カセット2を第一方向に変位させるように係止ピン5を第二方向に引き込む。
【0124】
給紙カセット2を第一の取り出し方法で取り出す際には、装着位置にある給紙カセット2に対して、-X方向に外力を付与する。これにより、給紙カセット2を装着位置から-X方向に移動させ、第一経路15aを備えたガイド部材17と、トグルアーム10とは、係止ピン5に対して-X方向に移動する。この過程で、トグルアーム10は解放位置から待機位置に移動し、係止ピン5との係合が解除される。
【0125】
給紙カセット2を第二の取り出し方法で取り出す際には、装着位置にある給紙カセット2に対して、+X方向に外力を付与する。これにより、給紙カセット2を装着位置から+X方向に移動させ、第一経路15aを備えたガイド部材17と、トグルアーム10とは、係止ピン5に対して+X方向に移動する。この場合、トグルアーム10は解放位置にある状態で、係止ピン5とトグルアーム10の係合が解除される。係止ピン5は第三経路15bに進み、さらに、第二経路15cに進む。その後、給紙カセット2は押し出しばね19に第二方向に押圧されることで、給紙カセット2は本体1aに対して移動する。
【0126】
また、例えば、
図18に示すように、実施例2のユニット移動装置21を後板2Cの+X方向側の端部に固定し、被係合部材100を本体1aの後側板1bに固定してもよい。
【0127】
また、例えば、
図19に示すように、実施例3のユニット移動装置27を後板2Cの+X方向側の端部に固定し、被係合部材500を本体1aの後側板1bに固定してもよい。
【0128】
また、例えば、
図20に示すように、実施例4のユニット移動装置37を後板2Cの+X方向側の端部に固定し、被係合部材100を本体1aの後側板1bに固定してもよい。
【0129】
なお、実施例1では押し出し部材19は、本体1aに設けられていたが、変形例1では押し出し部材19を後板2Cに設けている。すなわち、押し出し部材19は本体1a又は給紙カセット2のどちらに設けられていてもよい。
【0130】
なお、実施例1から実施例4において、画像形成装置の本体1aに着脱するユニットの例として、給紙カセット2を説明したが、ユニットは給紙カセット2に限られない。ユニットは本体1aに着脱可能な部品であればよい。例えば、
図15に示すように、トナー像をシートに定着させる定着ユニット110や、トナーを収容する現像ユニット(トナー収容部)104をユニットとして、本発明を適用することができる。
【0131】
《本開示のまとめ》
本開示には、少なくとも以下の各構成が含まれる。
【0132】
(構成1)
本体と、
前記本体に対して第一方向に挿入されることが可能であり、前記本体に対して前記第一方向と反対の第二方向に引き出されることが可能なユニットと、
被係合部材と、
前記被係合部材と係合し、前記被係合部材を引き込み可能な引き込み部材と、
前記ユニットを前記第二方向に押し出す押し出し部材と、
を有し、
前記被係合部材と前記引き込み部材の一方は前記本体に設けられ、前記被係合部材と前記引き込み部材の他方は前記ユニットに設けられ、
前記ユニットが前記本体に対して前記第一方向に挿入されることで、前記引き込み部材は前記被係合部材と係合し、前記ユニットを前記第一方向に変位させるように前記被係合部材を引き込み、
前記引き込み部材が前記被係合部材と係合した状態において、前記第一方向に向けて前記ユニットが外力を受けたとき、前記引き込み部材と前記被係合部材の係合が解除されるように前記外力によって前記被係合部材と前記引き込み部材の前記他方が前記本体に対して前記第一方向に変位され、前記ユニットは前記押し出し部材によって前記第二方向に押し出されることを特徴とする画像形成装置。
【0133】
(構成2)
前記引き込み部材は、前記被係合部材と係合することが可能な位置である待機位置と前記被係合部材との係合の解除が可能な解放位置との間を移動可能であることを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
【0134】
(構成3)
前記被係合部材の移動をガイドするガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記被係合部材の移動経路である、第一経路と第二経路と前記第一経路と前記第二経路を連絡する第三経路を形成しており、
前記第一経路は、前記被係合部材と係合した前記引き込み部材が前記待機位置から前記解放位置へ到達するまでの前記被係合部材の移動経路を含み、
前記第二経路は、前記ユニットが前記押し出し部材によって前記第二方向に押し出されることで前記被係合部材が移動する経路を含むことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
【0135】
(構成4)
前記第一方向と鉛直方向のそれぞれに直交する方向において、前記第三経路は、前記第一経路と前記第二経路の間にあることを特徴とする構成3に記載の画像形成装置。
【0136】
(構成5)
前記ガイド部材は、前記第一経路と前記第二経路を連絡する第四経路を形成しており、
前記引き込み部材が前記ユニットを引き込む方向において、前記第四経路は前記第三経路より上流にあることを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
【0137】
(構成6)
制限部材を有し、
前記引き込み部材が前記解放位置に到達した場合に、前記制限部材は引き込み部材と当接することで、前記制限部材は前記引き込み部材の引き込み方向への移動を制限することを特徴とする構成2~構成5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0138】
(構成7)
移動部材を有し、
前記ユニットを前記第一方向に移動することで、前記移動部材は、前記引き込み部材と当接し、前記引き込み部材を前記解放位置から前記待機位置へ移動させることを特徴とする構成2~構成6のいずれか1つに記載の画像形成装装置。
【0139】
(構成8)
前記引き込み部材が前記解放位置にある場合において、
前記ユニットを前記第一方向に挿入することで、前記移動部材は前記引き込み部材と当接し、前記引き込み手段を前記待機位置へ移動させ、さらに前記ユニットを第一方向に挿入することで、前記被係合部材は前記待機位置にある前記引き込み部材と係合することを特徴とする構成7に記載の画像形成装置。
【0140】
(構成9)
前記被係合部材と前記引き込み部材が係合している場合において、
前記ユニットを前記第一方向に移動することで前記被係合部材と前記引き込み部材の係合が解除され、
さらに、前記ユニットを前記第一方向に移動することで前記移動部材は前記引き込み部材と当接し、前記引き込み部材を前記待機位置へ移動させることを特徴とする構成7に記載の画像形成装装置。
【0141】
(構成10)
ダンパ部材を有し、
前記引き込み部材が前記被係合部材を引き込む過程において、前記ダンパ部材は、前記ユニットの前記第一方向への移動速度を減少させることを特徴とする構成1~構成9のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0142】
(構成11)
前記押し出し部材は、弾性体であることを特徴とする構成1~構成10のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0143】
(構成12)
前記ユニットは、記録材を収容可能な収容部であることを特徴とする構成1~構成11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0144】
(構成13)
前記ユニットは、記録材に形成されたトナー像を定着させる定着ユニット又はトナーを収容するトナー収容部であることを特徴とする構成1~構成12のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0145】
(構成14)
弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記引き込み部材が前記被係合部材を引き込む方向に、付勢することを特徴とする構成1~構成13のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0146】
(構成15)
前記引き込み部材が前記解放位置にあり、前記被係合部材と係合している場合において、前記ユニットが前記第二方向に移動されることで、前記引き込み部材は前記待機位置へ移動し、さらに前記ユニットが前記第二方向に移動されることで、前記引き込み部材と前記被係合部材の係合が解除されることを特徴とする構成2~構成9、構成11~14のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0147】
(構成16)
前記被係合部材は、前記ユニットに設けられ、前記引き込み部材は前記本体に設けられることを特徴とする構成1~構成15のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0148】
(構成17)
前記被係合部材は、前記本体に設けられ、前記引き込み部材は前記ユニットに設けられることを特徴とする構成1~構成15のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成装置
2 給紙カセット(シート収納手段)
2A 前板
2B 把持部
3 収容部
4 ユニット移動装置
5 係止ピン(被係止部)
6 係止ピン保持アーム
7 支点軸
8 ピン保持アーム
9 支点軸
10 トグルアーム
10a 係合部材
11 トグルアーム軸
12 トグルバネ(付勢手段)
13 連結軸
14 トグルバネ軸
15 第一溝形状
16 第二溝形状
17 ガイド部材
18 ダンパ
19 押し出し部材