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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062686
(43)【公開日】2025-04-15
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20250408BHJP
   F24F 1/0018 20190101ALI20250408BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0018
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171868
(22)【出願日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真吾
【テーマコード(参考)】
3L049
3L051
【Fターム(参考)】
3L049BB08
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】清掃部の駆動部への接触を抑制することができる空調装置を提供すること。
【解決手段】空調装置(10)は、ハウジング(40)と、このハウジング(40)に回転可能に支持され回転することにより送風を行うファン(33)と、このファン(33)の回転軸(CL)に対して略平行に移動可能に設けられた清掃部(53)を有し、ファン(33)を清掃可能な清掃ユニット(50)と、を含む。清掃ユニット(50)は、清掃部(53)の他に、清掃部(53)を移動させるための駆動源である駆動部(51)と、この駆動部(51)の駆動力を清掃部(53)に伝達する伝達部(52)と、を有している。駆動部(51)の少なくとも一部は、清掃ユニット(50)の軌道を延長した領域に配置されている。清掃部(53)の移動する領域と駆動部(51)の配置される領域との間には、これらの領域を区画する区画壁部(62~64)が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、このハウジングに回転可能に支持され回転することにより送風を行うファンと、このファンの回転軸に対して略平行に移動可能に設けられた清掃部を有し、前記ハウジング内部の塵埃を清掃可能な清掃ユニットと、を含み、
前記清掃ユニットは、前記清掃部の他に、前記清掃部を移動させるための駆動源である駆動部と、この駆動部の駆動力を前記清掃部に伝達する伝達部と、を有し、
前記駆動部の少なくとも一部は、前記清掃ユニットの軌道を延長した領域に配置され、
前記清掃部の移動する領域と前記駆動部の配置される領域との間には、これらの領域を区画する区画壁部が設けられている、空調装置。
【請求項2】
前記ハウジングには、前記ファンに向かって開口する溝状の溝部が形成され、
前記伝達部は、前記溝部に収納され、
前記溝部の開口は、送風カバーによって閉じられ、
前記駆動部は、駆動部カバーによって覆われ、
前記区画壁部は、前記ハウジング、前記送風カバー、前記駆動部カバーの少なくともいずれかに一体的に形成されている、請求項1に記載の空調装置。
【請求項3】
前記区画壁部の下端は、前記清掃部の下端よりも下方に位置している、請求項1に記載の空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
居室等の温度や湿度を調節するための空調装置に関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1の図11に示されるような、空調装置は、ファンに当接可能なブラシを備えている。このブラシは、ファンの軸線方向に略平行に移動可能に設けられている。ブラシをファンに当接させることにより、ファンに付着した塵埃を除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-143961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に詳細は開示されていないが、ブラシを含む清掃部を移動させるために、駆動源と、この駆動源の伝達力を清掃部に伝達する伝達部を用いることが考えられる。
【0006】
ここで、空調装置の小型化を図る観点からは、清掃部の移動可能な領域の近傍に駆動源である駆動部を設けることが好ましい。一方、駆動部が清掃部に近接していると、他の部品の影響による振動等により、清掃部が駆動部に接触する虞がある。
【0007】
本発明は、清掃部の駆動部への接触を抑制することができる空調装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、ハウジングと、このハウジングに回転可能に支持され回転することにより送風を行うファンと、このファンの回転軸に対して略平行に移動可能に設けられた清掃部を有し、前記ハウジング内部の塵埃を清掃可能な清掃ユニットと、を含み、
前記清掃ユニットは、前記清掃部の他に、前記清掃部を移動させるための駆動源である駆動部と、この駆動部の駆動力を前記清掃部に伝達する伝達部と、を有し、
前記駆動部の少なくとも一部は、前記清掃ユニットの軌道を延長した領域に配置され、
前記清掃部の移動する領域と前記駆動部の配置される領域との間には、これらの領域を区画する区画壁部が設けられている、空調装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、清掃部の駆動部への接触を抑制することができる空調装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例による空調装置を模式的に示した図である。
図2図1に示された室内機の斜視図である。
図3図2に示された室内機に用いられているハウジングからファンが外された状態の斜視図である。
図4図3に示された空調装置の要部を拡大し中央側から見た状態の斜視図である。
図5図4の5-5線断面図である。
図6図5に示された区画壁部を裏面側から見た状態の図である。
図7図4に示された駆動部カバーを背面側から見た状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、前は空調装置に対面した使用者を基準として手前側、後は同じように使用者から見て奥側(壁側)、左右は使用者からみて左右、図中Frは前、Rrは後、Lは左、Rは右、Upは上、Dnは下を示している。添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
【0012】
<実施例>
図1を参照する。図1には、本発明による空調装置10が示されている。空調装置10は、屋内Inを冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能と、を備えている。また、屋内Inを除湿する除湿機能を有していても良い。
【0013】
空調装置10は、屋外Ouに設けられた室外機20及び屋内Inに設けられた室内機30を備えてなる。室外機20と、室内機30とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0014】
室外機20は、冷媒を圧縮する圧縮機21と、この圧縮機21を通過した冷媒が流され冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁22と、圧縮機21において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器23と、この室外熱交換器23に向かって送風を行う室外ファン24と、室外熱交換器23を通過した冷媒を減圧する膨張弁25と、を有する。
【0015】
室内機30は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機30のハウジング40は、支持板を介して壁Waに固定されている。左右方向に延びるハウジング40には、屋内Inの空気をハウジング40内に取り込み屋内Inへ送風を行うファン33と、このファン33が取り込んだ空気と熱交換を行う室内熱交換器34と、ファン33及びハウジング40に付着した塵埃を払拭可能な清掃ユニット50と、が収納されている。
【0016】
図2を参照する。さらに、ハウジング40の前下部開けられている空気吹出口42には、空気吹出口42を開閉可能であると共に、空気の吹き出す方向を上下方向に調整可能な上下ルーバー36が設けられている。
【0017】
図3を参照する。上下ルーバー36の後方には、空気の吹き出す方向を左右方向に調整可能な左右ルーバー37が設けられている。
【0018】
図4及び図5を参照する。ハウジング40には、送風カバー38と、駆動部カバー39と、が固定されている。送風カバー38と、駆動部カバー39の詳細については後述する。
【0019】
ハウジング40の右端には、清掃ユニット50の移動端を規定する区画壁部62~64が形成されている。区画壁部62~64は、ハウジング40に一体的に形成されているハウジング壁部62と、送風カバー38に一体的に形成されている送風カバー部壁部63と、駆動部カバー39に一体的に形成されている駆動部カバー部壁部64と、を有する。以下、区画壁部62~64を、それぞれハウジング壁部62、送風カバー部壁部63、駆動部カバー部壁部64ということがある。
【0020】
なお、区画壁部62~64は、ハウジング40等の他の部材から独立した部材によって構成されていても良い。また、区画壁部62~64は、ハウジング40、送風カバー38、駆動部カバー39のいずれか1つに一体的に形成されていても良いし、これらのうちのいずれか2つに一体的に形成されていても良い。
【0021】
図1を参照する。冷房運転時において、圧縮機21で高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器23において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、室外ファン24が作動することによって、外気を強制的に室外熱交換器23の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器23を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁25において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内機30に送られる。
【0022】
室内機30のハウジング40には、ファン33が作動することにより空気が導入される。導入された空気は、室内熱交換器34の外周を通過し、屋内Inに送風される。室内熱交換器34には、室外機20において冷却された冷媒が供給されている。室内熱交換器34の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、冷却される。屋内Inには、冷却された空気が送風される。
【0023】
暖房運転時には、四路切替弁22が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。つまり、圧縮機21において高温高圧とされた冷媒が室内熱交換器34に流される。ファン33は、室内熱交換器34の外周に送風を行う。室内熱交換器34の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行い、温められる。屋内Inには、温められた空気が送風される。
【0024】
図2を参照する。ハウジング40の上面には、外部(屋内In)からの空気を取り入れ可能な空気取入口41が開けられている。ハウジング40の前下部には、外部(屋内In)へ空気を吹出し可能な空気吹出口42が開けられている。
【0025】
図4を参照する。ハウジング40は、ファン33を回転可能に支持しているハウジング本体43を有する。ハウジング本体43は、金属製の支持板を介して壁Wa(図1参照)に支持されている。
【0026】
ハウジング本体43には、後方に向かって凹む溝状に形成された溝部43aが形成されている。溝部43aは、ハウジング本体43の左右方向の両端に亘って形成され、前部の開口が送風カバー38によって覆われている。
【0027】
図6を併せて参照する。図6は、図5に示された区画壁部62~64を裏側から見た状態の図である。清掃ユニット50は、駆動源である駆動部51と、この駆動部51の駆動力を伝達する伝達部52と、この伝達部52に支持されファン33を払拭可能な清掃部53と、を有する。
【0028】
図6を参照する。駆動部51は、通電されることにより作動するモータ51aと、このモータ51aの回転軸状に設けられている駆動ギヤ部51bと、この駆動ギヤ部51bに従動する従動ギヤ部51cと、を有する。
【0029】
駆動ギヤ部51bは、モータ51aが作動することにより回転するギヤであり、従動ギヤ部51cは、駆動ギヤ部51bに噛み合い、駆動ギヤ部51bが回転することにより回転する。従動ギヤ部51cの外周面には、ベルト状の伝達部52の一端が掛けられている。
【0030】
なお、駆動部51は、伝達部52に駆動力を伝えることができればよく、必ずしもモータ及び2つのギヤ部によって構成される必要はない。モータ以外の駆動源や、1つ又は3つ以上のギヤ部、さらには、ギヤではなくプーリを用いても良い。
【0031】
図5を併せて参照する。伝達部52は、歯付きロープ(シンクロメッシュロープ)によって構成され、溝部43aに収納されている。伝達部52は、従動ギヤ部51cに噛み合い、従動ギヤ部51cが回転することにより、回転する。
【0032】
なお、伝達部52は、清掃部53を支持すると共に駆動部51によって駆動されればよく、歯付きロープ以外のものによって構成されても良い。例えば、ベルトやねじ歯車(ウォーム)を用いることもできる。
【0033】
図4及び図5を参照する。清掃部53は、伝達部52に支持されている清掃部本体53aと、清掃部本体53aの前面に設けられファン33(図3参照)に当接可能なブラシ53bと、清掃部本体53aの後面に設けられハウジング本体43の前面及び送風カバー38の前面を払拭可能な不織布性の払拭部53cと、を有している。
【0034】
なお、清掃部53は、ブラシ53bと払拭部53cの両方を備えていることが好ましいが、いずれか一方のみを備えているものであっても良い。即ち、清掃部53は、ファン33(図3参照)又はハウジング40のいずれかを清掃することができればよい。
【0035】
清掃部本体53aは、一部が溝部43aに臨んでいると共に伝達部52に連結され、ハウジング本体43と送風カバー38との間からハウジング本体43の前面に出ている。
【0036】
ブラシ53bをファン33(図3)に当接させた状態で清掃部本体53aを左右方向に移動させることにより、ファン33に付着した塵埃が払拭される。このとき、ファン33を回転させることにより、ファン33の全ての羽根を清掃することができる。
【0037】
また、清掃部本体53aを左右方向に移動させることにより、払拭部53cによりハウジング本体43の前面及び送風カバー38の前面に付着した塵埃を払拭することができる。
【0038】
送風カバー38は、樹脂製の部品であり、端部に送風カバー部壁部63が一体的に形成されている。
【0039】
図5及び図7を参照する。駆動部51(図6参照)を覆っている駆動部カバー39は、樹脂製の部品である。駆動部カバー39には、駆動部カバー部壁部64の他、締結部材が締結される複数のボス39a~39cが一体的に形成されている。駆動部カバー部壁部64は、ボス39a~39cの軸線に略平行に延びている。ボス39a~39cは、清掃部53(図4参照)を検知するためのセンサやモータ51a(図6参照)を固定するためのねじを締結するための部位である。1つのボス39aは、駆動部カバー部壁部64と一体的に形成されている。つまり、駆動部カバー部壁部64(区画壁部64)には、部品を固定するための締結部材が締結されるボス39aに一体的に形成されている。駆動部カバー部壁部64を利用して、高い強度で部品を固定することができる。
【0040】
以上に説明した空調装置10について以下に纏める。
【0041】
図3を参照する。第1に、空調装置10は、ハウジング40と、このハウジング40に回転可能に支持され回転することにより送風を行うファン33と、このファン33の回転軸CLに対して略平行に移動可能に設けられた清掃部53を有し、ハウジング40内部の塵埃を清掃可能な清掃ユニット50と、を含む。
【0042】
図6を併せて参照する。清掃ユニット50は、清掃部53の他に、清掃部53を移動させるための駆動源である駆動部51と、この駆動部51の駆動力を清掃部53に伝達する伝達部52と、を有する。
【0043】
図5及び図6を参照する。駆動部51の少なくとも一部(例えば、従動ギヤ部51c)は、清掃部53の軌道を延長した領域に配置されている(図6の送風カバー部壁部63の位置と従動ギヤ部51cの位置を参照。)。清掃部53の移動する領域と駆動部51の配置される領域との間には、これらの領域を区画する区画壁部62~64が設けられている。
【0044】
例えば、移動可能な領域の端部に位置する清掃部53に振動等が加わり、駆動部51側へ倒れた場合であっても、清掃部53は、駆動部51に接触する前に区画壁部62~64に接触する。区画壁部62~64に接触することにより、清掃部53と駆動部51とが接触することを抑制することができる。
【0045】
第2に、第1の空調装置10であって、ハウジング40には、ファン33(図3参照)に向かって開口する溝状の溝部43aが形成されている。伝達部52は、溝部43aに収納され、溝部43aの開口は、送風カバー38によって閉じられている。駆動部51は、駆動部カバー39によって覆われている。区画壁部62~64は、ハウジング40、送風カバー38、駆動部カバー39の少なくともいずれかに一体的に形成されている。
【0046】
部品点数の削減を図ることができる。また、送風カバー38や駆動部カバー39に区画壁部62~64が形成されている場合には、送風カバー38や駆動部カバー39をハウジング40に組み付けた時点で区画壁部62~64の組み付けも終わり、組付け性を向上させることができる。
【0047】
第3に、第1又は第2の空調装置10であって、ハウジング壁部62(区画壁部62)の下端は、清掃部53の下端よりも下方に位置している。より確実に清掃部53と駆動部51とが接触することを抑制することができる。
【0048】
なお、本実施例では、清掃部53の下端よりもハウジング壁部62の下端が下方に位置することとしたが、送風カバー部壁部63や駆動部カバー部壁部64が清掃部53の下端よりも下方に位置していても良い。
【0049】
尚、本発明は、室外機及び室内機からなる空調装置のみならず、これらが一体化された空調装置にも適用可能である。
【0050】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、家庭用の空調装置に好適である。
【符号の説明】
【0052】
10…空調装置
33…ファン
38…送風カバー
39…駆動部カバー
40…ハウジング
43a…溝部
50…清掃ユニット
51…駆動部
52…伝達部
53…清掃部
62…ハウジング壁部(区画壁部)
63…送風カバー部壁部(区画壁部)
64…駆動部カバー部壁部(区画壁部)
CL…(ファンの)回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7