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特開2025-6269情報処理装置、商品案内方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006269
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、商品案内方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20250109BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20250109BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20250109BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20250109BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250109BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G07G1/12 361Z
G08G1/005
G06Q30/0601 338
G06Q50/10
H04N7/18 U
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106955
(22)【出願日】2023-06-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究等の成果に係る特許出願(令和4年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/商品情報データベース構築のための研究開発/決済・在庫管理、商品把持・配置業務の自動化推進に向けた商品画像データベース構築のための基盤技術開発・社会実装推進研究、産業技術力強化法第17条第1項の適用を受けるもの)
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
2F129
3E142
5C054
5H181
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB26
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD40
2F129EE09
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE91
2F129GG17
2F129HH33
3E142AA03
3E142GA20
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE25
5C054HA14
5C054HA19
5H181AA21
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF33
5H181FF35
5L030BB66
5L049BB66
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】顧客が携帯端末を見なくても、顧客の見やすい位置にある表示により、顧客が購入したい商品の場所まで顧客を案内すること。
【解決手段】情報処理装置は、商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知する検知部と、前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得する陳列場所取得部と、前記陳列場所までの経路を取得する経路/位置取得部と、前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定する特定部と、前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に送信する画像生成部と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知する検知部と、
前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得する陳列場所取得部と、
前記陳列場所までの経路を取得する経路/位置取得部と、
前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定する特定部と、
前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に送信する画像生成部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
第1の被案内顧客に第1の商品の陳列場所を案内し、同時に、前記第1の被案内顧客とは目線の高さが異なる第2の被案内顧客に第2の商品の陳列場所を案内する場合、
前記特定部は、前記第1の被案内顧客の目線の高さ周辺にある第1の表示装置、及び、前記第2の被案内顧客の目線の高さ周辺にある第2の表示装置を特定し、
前記画像生成部は、前記第1の被案内顧客に前記第1の商品の陳列場所を案内する画像データを生成して前記第1の表示装置に送信し、同時に、前記第2の被案内顧客に前記第2の商品の陳列場所を案内する画像データを生成して前記第2の表示装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像生成部は、前記特定された表示装置と異なる高さの表示装置に対して、前記表示装置が設置されている箇所の周辺に置かれている商品の商品情報を示す画像データを生成して送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像生成部は、前記特定された表示装置のうち、
前記経路上の水平方向の位置が前記水平方向における前記陳列場所と異なる表示装置に対して、前記水平方向の案内を含み、かつ、前記高さ方向の案内を含まない画像データを生成して送信し、
前記前記経路上の水平方向の位置が前記水平方向における前記陳列場所と異なる表示装置に対して、前記高さ方向の案内を含み、かつ、前記水平方向の案内を含まない画像データを生成して送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出する検出部を更に備え、
経路/位置取得部は、前記警戒対象顧客の位置を取得し、
前記特定部は、前記警戒対象顧客の位置と前記表示装置の位置情報とに基づいて、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置を特定し、
前記警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、前記警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合、前記画像生成部は、万引きを抑制するための画像データを生成して前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合、あるいは、前記警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在する場合、前記画像生成部は、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置には、万引きを抑制するための画像を送信しない、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合、前記画像生成部は、前記警戒対象顧客の周辺であって、かつ、人物の目線の高さになる可能性がある高さの範囲以外の高さにある表示装置に万引きを抑制するための画像を送信する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記警戒対象顧客の位置が案内経路内であり、かつ、前記警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合、前記画像生成部は、前記警戒対象顧客の周辺にある表示装置に、万引きを抑制するための画像を送信する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画像生成部は、前記警戒対象顧客の周辺であって、かつ、人物の目線の高さになる可能性がある高さの範囲よりも高い場所にある表示装置の一部又は全部に、前記店舗の店員に万引きに注意することを喚起するための画像を送信する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知し、
前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得し、
前記陳列場所までの経路を取得し、
前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定し、
前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に表示させる、
商品案内方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知し、
前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得し、
前記陳列場所までの経路を取得し、
前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定し、
前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に表示させる、
処理を実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、商品案内方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末を見ながら歩くことを誘発せずに、携帯端末を携行するユーザに案内情報を提供する案内システムが開示される。
【0003】
また、特許文献2には、万引き対策として、予め定められた条件を満たした場合に、店舗の監視カメラの画像を、当該店舗内に設けられたデジタルサイネージのディスプレイに表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-176960号公報
【特許文献2】国際公開第2021/033703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
購入したい商品が店舗内のどの場所にあるのか、顧客において分かり難い場合がある。また、スマートフォンといった携帯端末の操作が不慣れな顧客がいる。そのため、顧客が携帯端末を見ずに、購入したい商品まで案内できるシステムが望まれる。
【0006】
なお、特許文献1では、ユーザが目的地情報を入力する。そのため、特許文献1では、店舗内における商品の位置を、ユーザが知っていなければならない。
【0007】
本開示の非限定的な実施例は、顧客が携帯端末を見なくても、顧客の見やすい位置にある表示により、顧客が購入したい商品の場所まで顧客を案内できる情報処理装置、商品案内方法、及びプログラムの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知する検知部と、前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得する陳列場所取得部と、前記陳列場所までの経路を取得する経路/位置取得部と、前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定する特定部と、前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に送信する画像生成部と、を有する。
【0009】
本開示の一実施例に係る商品案内方法は、商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知し、前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得し、前記陳列場所までの経路を取得し、前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定し、前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に表示させる。
【0010】
本開示の一実施例に係るプログラムは、情報処理装置に、商品の陳列場所を案内するサービスの対象である被案内顧客の入店を検知し、前記被案内顧客によって登録された商品の、店舗内の陳列場所を取得し、前記陳列場所までの経路を取得し、前記被案内顧客の目線の高さを示す属性情報と表示装置の位置情報とに基づいて、前記経路上の前記被案内顧客の目線の高さ周辺にある表示装置を特定し、前記陳列場所を案内する画像データを生成して前記特定された表示装置に表示させる、処理を実行させる。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一実施例によれば、顧客が携帯端末を見なくても、顧客が購入したい商品の場所まで顧客を案内できる。
【0013】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】各実施の形態に共通の商品案内システムの構成例を示した図
図2】各実施の形態に共通の情報処理装置に登録される登録情報の一例を示した図
図3】実施の形態1に係る電子棚札の画面例を示した図
図4】実施の形態1に係る商品案内システムの動作例を説明する図
図5】実施の形態2に係る電子棚札の画面例を示した図
図6】実施の形態2に係る商品案内システムの動作例1を説明する図
図7】実施の形態2に係る商品案内システムの動作例2を説明する図
図8】実施の形態2に係る商品案内システムの動作例3を説明する図
図9】実施の形態2に係る商品案内システムの動作例のバリエーションを説明する図
図10】各実施の形態に共通の情報処理装置のブロック構成例を示した図
図11】各実施の形態に共通の電子棚札のブロック構成例を示した図
図12】実施の形態1に係る情報処理装置の動作例を示したフローチャート
図13】実施の形態2に係る情報処理装置の動作例を示したフローチャート
図14】各実施の形態に共通の電子棚札の動作例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0017】
<システム構成図>
図1は、各実施の形態に共通の商品案内システム1の構成例を示した図である。図1に示すように、商品案内システム1は、情報処理装置11と、リーダ装置12と、電子棚札13と、カメラ14と、を有する。図1に示す情報処理装置11、リーダ装置12、電子棚札13、及びカメラ14は、例えば、無線LAN(Local Area Network)といったネットワークN1を介して、互いに接続される。図1には、商品案内システム1の他に、コンビニエンスストアといった店舗A1aと、そのバックヤードA1bと、が示してある。
【0018】
情報処理装置11は、例えば、パーソナルコンピューター又はサーバである。情報処理装置11は、例えば、店舗A1aのバックヤードA1bに配置される。情報処理装置11は、例えば、商品の在庫を管理したり、カメラ14が撮影する店舗A1a内の画像を、情報処理装置11が備えるディスプレイに表示したりする。また、情報処理装置11は、電子棚札13に表示する画像を制御する。
【0019】
リーダ装置12は、例えば、店舗A1a内の出入口に設置される。リーダ装置12は、店舗A1aに来店した、商品の陳列場所の案内サービスを受ける顧客が所持するカードと通信する。以下では、商品の陳列場所の案内サービスを受ける顧客を、被案内顧客と称することがある。また、商品の陳列場所の案内サービスを、案内サービスと称することがある。
【0020】
リーダ装置12は、リーダ装置12にかざされた被案内顧客のカード情報を読み取り、情報処理装置11に送信する。顧客のカード情報は、例えば、被案内顧客を識別する識別情報である。以下では、被案内顧客を識別する識別情報を、顧客IDと称することがある。
【0021】
なお、情報処理装置11は、店舗A1aに来店した被案内顧客を識別できればよい。従って、顧客IDを取得する装置及び顧客IDを示す媒体は、リーダ装置12及びカードに限定されない。リーダ装置12は、ブルートゥース(登録商標)といった無線通信を行う装置であってもよい。カードに代わる被案内顧客が所持する物は、スマートフォンといった、無線通信機能を備えた携帯端末であってもよい。すなわち、無線装置が携帯端末と無線通信し、携帯端末に記憶された顧客IDを受信してもよい。そして、無線装置は、受信した顧客IDを情報処理装置11に送信してもよい。また、情報処理装置11は、予め登録した被案内顧客の顔画像と、カメラ14が撮影する画像とに基づいて、店舗A1aに来店する被案内顧客を識別してもよい。
【0022】
電子棚札13は、例えば、店舗A1a内に設置された商品棚の棚板前面に取り付けられ、商品棚に置かれた商品に関する商品情報を表示する。例えば、電子棚札13は、情報処理装置11の制御に基づいて、商品棚に置かれた商品の商品名や価格といった商品情報を表示する。
【0023】
また、電子棚札13は、情報処理装置11の制御に基づいて、店舗A1aに来店した被案内顧客を、被案内顧客が求める商品(被案内顧客が購入したい商品)の陳列場所まで案内する画像を表示する。電子棚札13は、表示装置と称されてもよい。
【0024】
カメラ14は、例えば、店舗A1aの天井や壁に設置され、店舗A1a内を撮影する。
【0025】
<案内サービスの登録>
被案内顧客は、店舗A1aにおいて案内サービスを受ける場合、例えば、自宅において事前に案内サービスを受けたい商品の商品情報と、顧客IDとを情報処理装置11に登録する。例えば、被案内顧客は、パーソナルコンピューター又はスマートフォンといった端末を用いて、店舗A1aのWebページにアクセスし、商品の案内サービスを受けたい商品の商品情報と顧客IDとを情報処理装置11に登録する。被案内顧客が登録する商品情報は、例えば、商品名であってもよいし、JAN(Japanese Article Number)といった商品の識別コードあってもよいし、被案内顧客がカメラで撮影した商品の画像であってもよい。
【0026】
なお、顧客IDは、例えば、被案内顧客が案内サービスを初めて受けるときに、情報処理装置11によって割り振られてもよい。そして、割り振られた顧客IDを記憶したカードが、被案内顧客に付与されてもよい。情報処理装置11は、被案内顧客が案内サービスを初めて受けるときに、被案内顧客の氏名、年齢、性別、及び身長といった属性情報を受付けてもよい。なお、杖や車椅子を使用しているなどといった属性情報を受付けてもよい。また、要介護度や持病といった属性情報を受付けてもよい。
【0027】
図2は、情報処理装置11に登録される登録情報D1の一例を示した図である。図2に示すように、情報処理装置11の記憶部には、顧客IDと、商品情報と、属性情報と、が対応付けられて記憶される。商品情報は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0028】
図2の例では、顧客ID「xxxxx」の被案内顧客が、商品A、商品B、及び商品Cの案内サービスを登録している。従って、顧客ID「xxxxx」の被案内顧客が、店舗A1aに訪れたとき、商品A、商品B、及び商品Cの陳列場所が、電子棚札13によって案内される。
【0029】
なお、一例として、高齢者といった、買い物には行けるが、購入したい商品の陳列場所を探すのが困難な人が当該案内サービスを受けてもよい。また、高齢者といった、商品情報と顧客IDとの事前登録が困難な人は、家族、介護職員、ヘルパーなどが商品情報と顧客IDとを事前登録してもよい。
【0030】
(実施の形態1)
<電子棚札の画面例>
図3は、実施の形態1に係る電子棚札13の画面例を説明する図である。図3において、図1と共通する構成要素には図1と同一の符号が付してある。図3には、店舗A1aに来店した被案内顧客A3aが示してある。また、図3には、電子棚札13に表示される画像A3b,A3cが示してある。
【0031】
被案内顧客A3aは、店舗A1a内の出入口に設置されたリーダ装置12にカードをかざす。リーダ装置12は、かざされたカードの情報(顧客ID)を読み取り、情報処理装置11に送信する。なお、顧客IDには身長を含む属性情報が対応付けられているものとする。
【0032】
情報処理装置11は、リーダ装置12から送信された顧客IDに基づいて、記憶部に記憶された登録情報D1を参照し、顧客IDに対応する商品情報を取得する。すなわち、情報処理装置11は、被案内顧客A3aの案内サービスを受ける商品の商品情報を取得する。以下では、被案内顧客の案内サービスを受ける商品を、案内商品と称することがある。なお、案内商品は、被案内顧客が購入する又は購入したい商品と捉えることができる。
【0033】
情報処理装置11は、取得した商品情報に基づいて、記憶部に記憶される商品の陳列情報(商品の陳列場所を示す情報)を参照し、取得した商品情報の商品の陳列場所を取得する。すなわち、情報処理装置11は、被案内顧客A3aの案内商品が陳列された陳列場所を取得する。
【0034】
情報処理装置11は、店舗A1a内のマップ情報を参照して、店舗A1aの出入口(リーダ装置12)から、被案内顧客A3aの案内商品の陳列場所までの案内経路を取得(算出)する。情報処理装置11は、記憶部に記憶される電子棚札13の配置位置(設置位置)を示す棚札情報を参照し、取得した案内経路上にある電子棚札13を取得する。
【0035】
さらに、情報処理装置11は、属性情報中の身長等の情報に基づいて、案内経路上にある電子棚札13の内、被案内顧客A3aの目線の高さ周辺の電子棚札13を特定する。
【0036】
情報処理装置11は、店舗A1aの出入口から、被案内顧客A3aの案内商品が陳列された陳列場所までの案内経路上であって、被案内顧客A3aの目線の高さ周辺にある電子棚札13に、例えば、図3の画像A3bに示すように矢印を表示し、案内商品の陳列場所を案内する。
【0037】
情報処理装置11は、被案内顧客A3aの案内商品が陳列された陳列場所の電子棚札13には、例えば、図3の画像A3cに示すように、被案内顧客A3aの求める案内商品が、当該電子棚札13の位置に有ることを示す画像を表示させる。
【0038】
このように、情報処理装置11が、店舗A1aの出入口から、被案内顧客A3aの案内商品の陳列場所までの案内経路上にある電子棚札13に、被案内顧客A3aを案内する画像(案内サービスに関する画像)を表示することにより、被案内顧客A3aが購入したい商品の場所まで、被案内顧客A3aを案内できる。
【0039】
また、情報処理装置11が、店舗A1a内の商品の陳列情報と、マップ情報とに基づいて、店舗A1aの出入口から、被案内顧客A3aの案内商品の陳列場所までの案内経路を算出することにより、被案内顧客A3aに、購入したい商品の店舗A1a内における位置を登録する作業をさせることなく、被案内顧客A3aが購入したい商品の場所まで、被案内顧客A3aを案内できる。
【0040】
なお、情報処理装置11は、被案内顧客A3aが来店してから、一定時間、案内商品の陳列場所を案内する画像を電子棚札13に表示してもよい。情報処理装置11は、一定時間が経過すると、電子棚札13に表示していた案内商品の陳列場所を案内する画像を、商品情報の画像に戻してもよい。一定時間は、例えば、年齢、性別、及び身長といった被案内顧客の身体に関する属性情報に基づいて、被案内顧客の移動速度(例えば、歩く速度)を算出し、算出した被案内顧客の移動速度と、店舗A1aの出入口から案内商品の陳列場所までの距離と、から算出されてもよい。また、被案内顧客の移動速度は、高齢者が持つ端末や買い物用のカートなどに設置された端末に内蔵されている加速度センサーなどを用いて算出してもよい。
【0041】
また、一定時間が経過し、陳列場所を案内する画像が表示されなくなったとしても、被案内顧客A3aが電子棚札13の近傍に存在することが確認できた場合には、電子棚札13の表示を、陳列場所を案内する画像に戻してもよい。被案内顧客A3aが電子棚札13の近傍に存在することは、例えば、被案内顧客A3aが電子棚札13または電子棚札13近傍に設置されたリーダ装置にカードをかざしたり、被案内顧客A3aの顔を店内カメラで認識したりすることで確認できる。
【0042】
また、情報処理装置11は、カメラ14の画像に含まれる被案内顧客A3aと、マップ情報とに基づいて、店舗A1a内における被案内顧客A3aの位置を取得してもよい。情報処理装置11は、取得した被案内顧客A3aの位置と、棚札情報とに基づいて、被案内顧客A3aの周辺にある電子棚札13を特定(取得)してもよい。情報処置装置11は、特定した電子棚札13に、案内商品の陳列場所を案内する画像を表示してもよい。
【0043】
<動作例>
図4は、実施の形態1に係る商品案内システム1の動作例を説明する図である。図4では、店舗A1a内に設置される電子棚札13を図示し、その他の構成要素の図示を省略している。
【0044】
案内商品を陳列する商品棚が複数段の商品棚である場合、情報処理装置11は、高齢者#1及び高齢者#2といった被案内顧客を、案内商品の水平方向における陳列場所まで、案内経路上にある電子棚札13の画像で案内する(第1段階)。また、情報処理装置11は、案内商品の水平方向における陳列場所の高さ方向に設置された電子棚札13に、案内商品の陳列場所を案内する高さ方向の画像を表示して、案内商品の陳列場所を案内する(第2段階)。
【0045】
図4の点線枠A4a内に示す電子棚札13は、1つの商品棚の各段(各棚板)に設置された電子棚札を示しているものとする。
【0046】
第1段階として、情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上にある、被案内顧客の目線の高さ周辺の電子棚札13に、案内サービスに関する画像を表示させる。
【0047】
例えば、高齢者#1の身長は平均値に近く、高齢者#2の身長は平均値よりも低いものとする。情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上であって、平均身長の人物の目線の高さ周辺にある図4の点線枠A4b内に示す電子棚札13の全てに、案内商品の水平方向における陳列場所(点線枠A4a内の点線枠A4cに示す位置)まで高齢者#1を案内するための案内サービスに関する画像を表示させる。また、情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上にあって、平均よりも低い身長の人物の目線の高さ周辺にある図4の点線枠A4d内に示す電子棚札13の全てに、案内商品の水平方向における陳列場所(点線枠A4a内の点線枠A4eに示す位置)まで高齢者#2を案内するための案内サービスに関する画像を表示させる。なお、水平方向における陳列場所とは、水平方向において案内商品が陳列されている場所に近い場所を意味し、例えば、案内商品が配置されている棚の水平方向における位置であってもよい。
【0048】
このように、情報処理装置11は、案内経路上の被案内顧客の目線の高さ周辺の電子棚札13に、案内サービスに関する画像を表示させる。これにより、情報処理装置11は、被案内顧客の見やすい位置にて、案内サービスを提供できる。また、情報処理装置11は、被案内顧客以外の顧客に対しても、商品情報を提供できる。
【0049】
さらに、情報処理装置11は、目線の高さが互いに異なる複数の被案内顧客の各々に対して、同一の案内経路上において同時に案内サービスを提供できる。
【0050】
なお、情報処理装置11は、被案内顧客の目線の高さを、例えば、身長といった被案内顧客の属性情報又はカメラ14の画像に基づいて算出してよい。また、情報処理装置11は、被案内顧客が杖や車椅子などを使用しているかどうかも反映して、目線の高さを算出してもよい。情報処理装置11は、被案内顧客の属性情報(身長等)を把握していない場合、杖や車椅子などを使用している人物(体調が厳しい人物)向けの高さを、被案内顧客の目線の高さと推定してよい。
【0051】
また、情報処理装置11は、目線の高さがほぼ同一の複数の被案内顧客に対する案内を行う場合、同一の高さの電子棚札13に対してそれぞれの被案内顧客向けの案内サービスに関する画像を表示してもよい。この場合、情報処理装置11は、電子棚札13に表示される画像を周期的に変更したり、電子棚札13の表示領域を分割してそれぞれの被案内顧客向けの画像を表示したりしてもよい。
【0052】
第2段階として、情報処理装置11は、案内商品の水平方向における陳列場所の高さ方向に設置された電子棚札13に、案内商品の陳列場所を案内する高さ方向の画像を表示させる。
【0053】
例えば、高齢者#1の案内商品(商品1)が最上部の棚に存在する場合、情報処理装置11は、点線枠A4a内の点線枠A4cから上の電子棚札13に上矢印の画像を表示させる。また、高齢者#2の案内商品(商品2)が最下部の棚に存在する場合、情報処理装置11は、点線枠A4a内の点線枠A4eから下の電子棚札13に下矢印の画像を表示させる。なお、上記では、案内商品が最上部の棚または最下部の棚に存在する場合を例に説明したが、本開示はこれに限られず、情報処理装置11は、案内商品が目線の高さより高い棚に存在する場合には上矢印の画像を表示させ、案内商品が目線の高さより低い棚に存在する場合には下矢印の画像を表示させてもよい。
【0054】
このように、情報処理装置11は、案内商品の水平方向における陳列場所の高さ方向に設置された電子棚札13に、案内商品の陳列場所を案内する高さ方向の画像を表示させる。これにより、情報処理装置11は、被案内顧客に対し、商品棚の高い場所に陳列された案内商品又は商品棚の低い場所に陳列された案内商品の場所を案内できる。また、情報処理装置11は、水平方向の案内を行う第1段階と高さ方向の案内である第2段階とに分けた案内を行うため、被案内顧客の動作を、第1段階においては移動に集中させ、第2段階においては立ち止まった上で商品を探索する動作に集中させることができる。これにより、被案内顧客は、移動しつつ商品を探す等の複雑な動作を行うことなく負荷の軽い動作を行うのみで、案内商品の場所までたどり着くことができる。
【0055】
なお、情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上にあって、特定高以外の高さにある図4の点線枠A4f内に示す電子棚札13、及び、案内経路上にない図4の点線枠A4g内に示す電子棚札13には、商品情報に関する画像を表示させる。なお、「特定高」とは、人物の目線の高さになる可能性がある高さの範囲を意味してよい。
【0056】
なお、本動作例では、水平方向の陳列場所の案内が完了してから高さ方向の陳列を案内しているが、水平方向の案内が完了する前から高さ方向の情報も含めた案内を行うようにしてもよい。具体的には、情報処理装置11は、経路上において陳列場所よりも所定数前の棚札に斜め上または斜め下の矢印を表示することで、陳列場所が上方または下方であることを表示してもよい。このようにすることで、被案内顧客は手の届きにくい高さに商品があることを早期に知ることができるので、店員による補助等の支援を事前に求めることができる。
【0057】
(実施の形態2)
現在、小売りの店舗等において、様々な万引き対策が講じられている。上記の通り、特許文献2には、万引き対策として、予め定められた条件を満たした場合に、店舗の監視カメラの画像を、当該店舗内に設けられたデジタルサイネージのディスプレイに表示する技術が開示されている。
【0058】
しかしながら、特許文献2に開示された技術では、万引き対策の画像が店舗内に設けられたデジタルサイネージのディスプレイに表示されるため、善良な顧客の目に万引き対策の画像が触れる可能性があり、善良な顧客の心証を損ねるおそれがある。
【0059】
この点に鑑み、実施の形態2では、顧客が携帯端末を見なくても、顧客が購入したい商品の場所まで顧客を案内できるとともに、善良な顧客の心証を損ねずに、万引きをする可能性のある顧客に対して警告を発することができる例について説明する。
【0060】
<電子棚札の画面例>
図5は、実施の形態2に係る電子棚札13の画面例を示した図である。図5において、図1と共通する構成要素には図1と同一の符号が付してある。図5には、警戒対象顧客A5aが図示してある。
【0061】
情報処理装置11は、カメラ14の画像データ(動画像データ)を受信する。情報処理装置11は、受信した画像データの画像に、万引きを行う可能性のある顧客が含まれるか否か判定する。
【0062】
例えば、情報処理装置11は、顧客の行動を分析し、顧客が万引きを行う可能性のある顧客か否か判定する。
【0063】
なお、顧客の行動を分析する手法については様々なものが知られているため詳細は省略するが、例えば、顧客の目線や顔の向き、顧客の腕の動きなどを用いる技術が知られている。
【0064】
また、過去に万引きを行った顧客の画像等の情報が記録されているようであれば、情報処理装置11は、カメラ14に映る顧客が過去に万引きを行ったことのある顧客であるか否かによって、顧客が万引きを行う可能性のある顧客か否か判定してもよい。この場合、情報処理装置11は、顧客の顔が万引きを行った顧客の顔と一致するかを顔認証技術によって判断したり、顧客の歩容や服装などの顔以外の情報を用いて顧客が万引きを行った顧客と一致するかによって判断したりことで、顧客が万引きを行った顧客であるかを推定する。
【0065】
これらの技術に基づき、万引きを行う可能性のある顧客または万引きを行ったことのある顧客と判定された顧客を「警戒対象顧客」と称することがある。同様に、以下では、警戒対象顧客以外の顧客を「他の顧客」と称することがある。
【0066】
情報処理装置11は、カメラ14の画像に警戒対象顧客A5aが含まれる場合、カメラ14の画像に基づいて、店舗A1a内における警戒対象顧客A5aの位置を特定する。
【0067】
警戒対象顧客A5aの位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客A5aの周辺に他の顧客が存在しない場合、情報処理装置11は、特定した位置の周辺(特定した位置から所定の距離内)における電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。なお、「万引きを抑制するための画像」は、「万引き対策画像」等と称されてもよい。「万引きを抑制するための画像」の一例として、図5に示すように、「監視カメラ作動中」、「万引きは犯罪です!」等の文字を表示することが挙げられる。
【0068】
一方、警戒対象顧客A5aの位置が案内経路内である場合、あるいは、警戒対象顧客A5aの位置の周辺に他の顧客が存在する場合、情報処理装置11は、以下の各動作例に示すように、警戒対象顧客A5aの位置の周辺における電子棚札13に表示させる画像を制御する。
【0069】
<動作例1>
図6は、実施の形態2に係る商品案内システム1の動作例1を説明する図である。図6では、店舗A1a内に設置される電子棚札13を図示し、その他の構成要素の図示を省略している。また、図6において、図4と共通する箇所には、図4と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】
実施の形態2では、警戒対象顧客が特定されていない通常の場合には、実施の形態1(図4)と同様に、情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上にある、被案内顧客の目線の高さ周辺の電子棚札13に、案内サービスに関する画像を表示させる。また、情報処理装置11は、案内商品の水平方向における陳列場所の高さ方向に設置された電子棚札13に、案内商品の陳列場所を案内する高さ方向の画像を表示させる。また、情報処理装置11は、案内商品の陳列場所までの案内経路上にあって、特定高以外の高さにある電子棚札13、及び、案内経路上にない電子棚札13には、商品情報に関する画像を表示させる。
【0071】
情報処理装置11は、警戒対象顧客の存在及びその位置を特定した場合、警戒対象顧客を特定した位置に応じて、電子棚札13に表示させる画像を制御する。
【0072】
図6の警戒対象顧客A6aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの周辺にある、点線枠A4g内に示す電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。なお、図6では、万引きを抑制するための画像を表示する電子棚札13をグレーで表している。
【0073】
一方、図6の警戒対象顧客A6bの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路内である、あるいは、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在する場合、情報処理装置11は、電子棚札13に表示させる画像を変更しない。すなわち、情報処理装置11は、図6の点線枠A4b内に示す電子棚札13の全てに、案内商品の水平方向における陳列場所(点線枠A4cに示す位置)まで高齢者#1を案内するための案内サービスに関する画像を表示させる。また、情報処理装置11は、図6の点線枠A4d内に示す電子棚札13の全てに、案内商品の水平方向における陳列場所(点線枠A4eに示す位置)まで高齢者#2を案内するための案内サービスに関する画像を表示させる。また、情報処理装置11は、図6の点線枠A4f内に示す電子棚札13に、商品情報に関する画像を表示させる。
【0074】
このように、動作例1では、情報処理装置11が、警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合には、警戒対象顧客の周辺の電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。これにより、電子棚札13に、万引きを抑制するための画像が表示されるため、店員が警戒対象顧客を監視するといった作業が低減される。
【0075】
一方、動作例1では、情報処理装置11が、警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合、あるいは、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在する場合には、警戒対象顧客の周辺の電子棚札13に表示させる画像を変更しない。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客の目に触れることが抑制され、顧客の心証を損ねることが抑制される。
【0076】
<動作例2>
図7は、実施の形態2に係る商品案内システム1の動作例2を説明する図である。図7では、店舗A1a内に設置される電子棚札13を図示し、その他の構成要素の図示を省略している。また、図7において、図6と共通する箇所には、図6と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】
図7の警戒対象顧客A6aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合には、動作例1(図6)と同様に、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの周辺にある、点線枠A4g内に示す電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。
【0078】
また、図7の警戒対象顧客A7aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合、情報処理装置11は、警戒対象顧客A7aの周辺であって、かつ、特定高以外の高さにある、点線枠A7b内にある電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。なお、情報処理装置11は、その他の電子棚札13に表示させる画像を変更しない。
【0079】
このように、動作例2では、情報処理装置11が、警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合には、警戒対象顧客の周辺であって、かつ、特定高以外の高さにある電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。これにより、警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合でも、案内サービスに関する画像の表示を変更することなく、警戒対象顧客周辺の電子棚札13の一部に、万引きを抑制するための画像が表示されるため、万引きに対する抑止力を強化できる。
【0080】
<動作例3>
図8は、実施の形態2に係る商品案内システム1の動作例3を説明する図である。図8では、店舗A1a内に設置される電子棚札13を図示し、その他の構成要素の図示を省略している。また、図8において、図6と共通する箇所には、図6と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
図8の警戒対象顧客A6aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合には、動作例1(図6)および動作例2(図7)と同様に、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの周辺にある、点線枠A4g内に示す電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。
【0082】
また、図8の警戒対象顧客A8aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路内であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合、情報処理装置11は、警戒対象顧客A8aの周辺の点線枠A8b内にある電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。なお、情報処理装置11は、その他の電子棚札13に表示させる画像を変更しない。
【0083】
このように、動作例3では、情報処理装置11が、警戒対象顧客の位置が案内経路内であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合には、警戒対象顧客の周辺にある電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示させる。これにより、警戒対象顧客の位置が案内経路内である場合に、他の顧客が存在しなければ、警戒対象顧客周辺の電子棚札13の全てに、万引きを抑制するための画像が表示されるため、万引きに対する抑止力をさらに強化できる。
【0084】
<動作例のバリエーション>
実施の形態2に係る商品案内システム1の各動作例(動作例1乃至3)において、情報処理装置11が、一部の電子棚札13に万引きを抑制するための画像を表示させる場合、警戒対象顧客の周辺にあって、特定高よりも高い場所にある電子棚札13の一部又は全部には、店員向けの情報を表示してもよい。なお、「店員向けの情報」には、商品の陳列場所を案内するための情報、欠品や誤陳列を知らせるための情報等がある。
【0085】
図9は、図8に示した、実施の形態2に係る商品案内システム1の動作例3のバリエーションを説明する図である。図9では、店舗A1a内に設置される電子棚札13を図示し、その他の構成要素の図示を省略している。また、図9において、図8と共通する箇所には、図8と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
図9の警戒対象顧客A9aの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路外であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合には、情報処理装置11は、警戒対象顧客A6aの周辺にある電子棚札13の内、点線枠A9b内に示す、特定高及び特定高よりも低い場所にある電子棚札13には、万引きを抑制するための画像を表示し、点線枠A9c内に示す、特定高よりも高い位置にある電子棚札13の一部または全部には、店員向けの情報を表示する。この場合の「店員向けの情報」は、「万引き注意」の文字画像等、万引きに注意することを喚起するための画像であってよい。図9では、店員向け情報を表示する電子棚札13をハッチングで表している。
【0087】
なお、特定高よりも高い場所は、警戒対象顧客が見ないと考えられる位置であり、警戒対象顧客の位置から離れた位置にいる店員には見やすいと考えられる位置である。特定高よりも高い位置にある電子棚札13の一部または全部とは、最上段にある電子棚札13を意味してもよいし、最上段にある電子棚札13および最上段から数段低い位置にある電子棚札13であってもよい。なお、店員向けの情報を表示する電子棚札13として、最下段にある電子棚札または最下段から数段高い位置にある電子棚札など、顧客が見ないと考えられる低い電子棚札を用いてもよい。ただし、高い位置にある電子棚札の方が遠くからでも店員向けの情報を視認し易くなる。
【0088】
また、図9の警戒対象顧客A9dの位置のように、警戒対象顧客の位置が案内経路内であり、かつ、警戒対象顧客の周辺に他の顧客が存在しない場合、情報処理装置11は、警戒対象顧客A9dの周辺にある電子棚札13の内、点線枠A9e内に示す、特定高及び特定高よりも低い場所にある電子棚札13には、万引きを抑制するための画像を表示し、点線枠A9f内に示す、特定高よりも高い場所にある電子棚札13の一部または全部には、店員向けの情報を表示する。なお、情報処理装置11は、その他の電子棚札13に表示させる画像を変更しない。
【0089】
このように、本バリエーションでは、情報処理装置11が、警戒対象顧客の周辺にあって、特定高及び特定高よりも低い場所にある電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を表示し、警戒対象顧客の周辺にあって、特定高よりも高い場所にある電子棚札13の一部または全部に、店員向けの情報を表示する。これにより、万引きに対する抑止力を低下させることなく、店員向け情報を表示できる。
【0090】
なお、本バリエーションでは、情報処理装置11が、店員向け情報を表示する電子棚札13に、近くに不審者がいるため注意喚起を促す情報も同時に表示させてよい。
【0091】
<案内サービスの開始及び終了の契機>
・開始契機
情報処理装置11は、リーダ装置12から顧客IDを受信したとき、案内サービスを開始してもよい。また、情報処理装置11は、無線装置から顧客IDを受信したとき、案内サービスを開始してもよい。なお、該当被案内顧客が店内カメラで確認できた場合に、案内サービスを開始してもよい。この場合、店内カメラで撮影される人物が該当被案内顧客であるかを確認するために、該当被案内顧客の顔写真などを、事前に登録しておく。
【0092】
・終了契機
情報処理装置11は、被案内顧客の来店後、一定時間経過した場合に、案内サービスを終了してもよい。なお、情報処理装置11は、案内サービスに関する画像を表示した電子棚札を、一斉に通常の画像(商品情報に関する画像)に戻すのではなく、店内カメラ14の画像を用いて決定してもよい。例えば、情報処理装置11は、店舗A1aの出入口から順番に、電子棚札13の画像を通常のもの(商品の価格等)に戻してもよい。また、情報処理装置11は、被案内顧客がレジ付近に滞在することを店内カメラ14などで確認できた場合、電子棚札13の画像を通常のものに戻してもよい。また、情報処理装置11は、経路案内上の電子棚札13の内、被案内顧客が存在する場所付近のものにのみ経路案内の画像を表示させ、被案内顧客が離れた電子棚札13の画像を通常のものに戻してもよい。
【0093】
<ブロック構成図>
図10は、情報処理装置11のブロック構成例を示した図である。図10に示すように、情報処理装置11は、制御部11aと、記憶部11bと、通信部11cと、表示部11dと、を有する。
【0094】
制御部11aは、情報処理装置11全体を制御する。制御部11aは、例えば、CPU(central processing unit)といったプロセッサーによって構成されてもよい。
【0095】
制御部11aは、顧客ID取得部11aaと、経路/位置取得部11abと、電子棚札特定部11acと、画像分析部11adと、画像生成部11aeと、を有する。制御部11aは、記憶部11bに記憶されたプログラム(案内サービス提供アプリケーション)に従って、前述の各部の機能を実現してもよい。
【0096】
顧客ID取得部11aaは、リーダ装置12と通信し、リーダ装置12がカードから読み取った顧客IDを受信する。
【0097】
経路/位置取得部11abは、受信した顧客IDと、記憶部11bに記憶される登録情報D1、陳列情報、及び、マップ情報と、に基づいて、店舗A1aの出入口から、被案内顧客の案内商品の陳列場所までの案内経路を取得(算出)する。また、経路/位置取得部11abは、カメラ14の画像と店舗内のマップ情報とに基づいて、被案内顧客、警戒対象顧客、他の顧客及び店員の店舗A1a内における位置を取得する。
【0098】
電子棚札特定部11acは、記憶部11bに記憶される棚札情報に基づいて、算出した案内経路上の周辺にある電子棚札13(棚札ID)を特定する。また、電子棚札特定部11acは、被案内顧客、警戒対象顧客、他の顧客及び店員の周辺にある電子棚札13を特定する。
【0099】
画像分析部11adは、カメラ14の画像を分析し、被案内顧客、案内サービスを受けない他の顧客、及び店員を識別する。画像分析部11adは、カメラ14の画像を分析し、被案内顧客の移動速度や目線の高さを取得する。さらに、画像分析部11adは、抽出した顔画像と、記憶部11bに記憶された以前万引きをしたことがある人物の顔画像とに基づいて、カメラ14に映る人物が警戒対象顧客であるか否かを判定する。なお、以前万引きしたことのある人物は、店舗A1aで万引きした人物であってもよいし、他店において万引きした人物であってもよい。
【0100】
画像生成部11aeは、案内商品を案内する画像、万引きを抑制するための画像等の画像データを生成する。画像生成部11aeは、生成した画像データを電子棚札13に送信して、電子棚札13に画像を表示させる。
【0101】
記憶部11bには、制御部11aに実行させるOS(operating system)のプログラム及びアプリケーションプログラムが記憶される。また、記憶部11bには、制御部11aによる処理に必要な各種データが記憶される。例えば、記憶部11bには、図2で説明した登録情報D1が記憶される。例えば、記憶部11bには、店舗A1a内のマップを示すマップ情報が記憶される。例えば、記憶部11bには、店舗A1a内における電子棚札13の位置を示す棚札情報が記憶される。例えば、記憶部11bには、電子棚札13に表示させる画像データが記憶される。記憶部11bは、例えば、SSD(solid state drive)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、及び/又はHDD(hard disk drive)であってもよい。
【0102】
通信部11cは、例えば、無線LANによって、リーダ装置12、電子棚札13,及びカメラ14と通信する。
【0103】
表示部11dは、制御部11aから出力されるデジタル映像データに基づいて映像をディスプレイ(情報処理装置11が備えるディスプレイ)に表示する。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイである。
【0104】
なお、顧客ID取得部11aaは、被案内顧客の入店を検知する検知部と捉えてもよい。経路/位置取得部11abは、案内商品の陳列場所を取得する陳列場所取得部を備えていると捉えてもよい。画像分析部11adは、店舗内の顧客から万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出する検出部を備えていると捉えてもよい。
【0105】
図11は、電子棚札13のブロック構成例を示した図である。図11に示すように、電子棚札13は、制御部13aと、記憶部13bと、通信部13cと、表示部13dと、を有する。
【0106】
制御部13aは、電子棚札13全体を制御する。制御部13aは、例えば、CPUといったプロセッサーによって構成されてもよい。
【0107】
制御部13aは、棚札ID受信部13aaと、画像表示部13abと、を有する。制御部13aは、記憶部13bに記憶されたプログラムに従って、前述の各部の機能を実現してもよい。
【0108】
棚札ID受信部13aaは、情報処理装置11から送信される棚札IDが電子棚札13の棚札IDであるか否か判断する。棚札ID受信部13aaは、情報処理装置11から送信される棚札IDが電子棚札13の棚札IDである場合、棚札IDを受信する。
【0109】
画像表示部13abは、棚札ID受信部13aaが受信した棚札IDに紐づけられている(連結されている)画像データを取得する。画像表示部13abは、取得した画像データに基づく画像を、電子棚札13に表示させる。
【0110】
記憶部13bには、制御部13aに実行させるOSのプログラム及びアプリケーションプログラムが記憶される。また、記憶部13bには、制御部13aによる処理に必要な各種データが記憶される。記憶部13bは、例えば、SSD、RAM、フラッシュメモリ、ROM、及び/又はHDDであってもよい。
【0111】
通信部13cは、例えば、無線LANによって、情報処理装置11と通信する。
【0112】
表示部13dは、制御部13aから出力されるデジタル映像データに基づいて映像をディスプレイ(電子棚札13が備えるディスプレイ)に表示する。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイである。
【0113】
<情報処理装置の動作フロー>
図12は、実施の形態1の情報処理装置11の動作例を示したフローチャートである。情報処理装置11は、例えば、図12に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0114】
情報処理装置11は、リーダ装置12から顧客IDを受信したか否かを判定する(S11)。情報処理装置11は、リーダ装置12から顧客IDを受信していない場合(S11のNo)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0115】
情報処理装置11は、リーダ装置12から顧客IDを受信した場合(S11のYes)、S11にて受信した顧客IDに基づいて登録情報D1を参照し、被案内顧客の案内サービスを受ける案内商品の商品情報を取得する(S12)。
【0116】
情報処理装置11は、S12にて取得した商品情報に基づいて、記憶部11bに記憶される商品の陳列情報を参照し、S12にて取得した商品情報の商品(案内商品)の陳列場所を特定(取得)する(S13)。
【0117】
情報処理装置11は、店舗A1a内のマップ情報を参照し、店舗A1aの出入口(リーダ装置12)から、S13にて取得した被案内顧客の案内商品の陳列場所までの案内経路を算出(取得)する(S14)。
【0118】
情報処理装置11は、属性情報に含まれる被案内顧客の身長等を参照し、被案内顧客の目線の高さを推定(取得)する(S15)。
【0119】
情報処理装置11は、記憶部11bに記憶される棚札情報を参照し、S14にて取得した案内経路上であって、S15にて取得した被案内顧客の目線の高さ周辺にある電子棚札13を特定し、当該電子棚札13の棚札IDを取得する(S16)。
【0120】
情報処理装置11は、S16にて取得した棚札IDの電子棚札13に、案内サービスに関する画像を送信し(S17)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0121】
なお、情報処理装置11の処理順は、上記のフローチャートに示す処理順に限られない。例えば、情報処理装置11は、被案内顧客が入店する前に、事前に案内サービスに関する画像を表示させる電子棚札13を特定していてもよい。情報処理装置11は、被案内顧客が入店したときに、事前に特定していた電子棚札13に、案内サービスに関する画像を表示してもよい。
【0122】
図13は、実施の形態2の情報処理装置11の動作例を示したフローチャートである。情報処理装置11は、例えば、図13に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0123】
情報処理装置11は、カメラ14から画像データを受信する(S21)。
【0124】
情報処理装置11は、S21にて受信した画像データの画像を分析する(S22)。例えば、情報処理装置11は、画像に含まれる人物の行動や顔を分析する。
【0125】
情報処理装置11は、S22の分析結果に基づいて、画像データの画像に含まれる人物が、警戒対象顧客であるか否かを判定する(S23)。画像データの画像に含まれる人物が、警戒対象顧客ではない場合(S23のNo)、情報処理装置11は、当該フローチャートの処理を終了する。
【0126】
画像データの画像に含まれる人物が警戒対象顧客である場合(S23のYes)、情報処理装置11は、S23の判定に用いた画像(人物を含む画像)と、店舗A1a内のマップ情報とに基づいて、当該警戒対象顧客の店舗A1a内の位置を特定する(S24)。
【0127】
情報処理装置11は、特定した店舗A1a内の人物の位置情報と、記憶部11bに記憶される電子棚札13の店舗A1a内における位置情報とに基づいて、画像を変更する電子棚札13を特定し、当該電子棚札13の棚札IDを取得する(S25)。
【0128】
情報処理装置11は、S25にて取得した棚札IDの電子棚札13に、万引きを抑制するための画像を送信(S26)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0129】
<電子棚札の動作フロー>
図14は、電子棚札13の動作例を示したフローチャートである。電子棚札13は、例えば、図14に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0130】
電子棚札13は、棚札IDを受信する(S31)。
【0131】
電子棚札13は、S31にて受信した棚札IDが、電子棚札13の棚札IDに一致するか否か判定する(S32)。電子棚札13は、S31にて受信した棚札IDが電子棚札13の棚札IDに一致しない場合(S32のNo)、当該フローチャートの処理を終了する。
【0132】
電子棚札13は、S31にて受信した棚札IDが電子棚札13の棚札ID一致する場合(S32のYes)、受信した棚札IDに紐づけられている(連結されている)画像データを取得する(S33)。
【0133】
電子棚札13は、S33にて取得した画像データに基づく画像をディスプレイに表示する(S34)。
【0134】
<実施の形態のまとめ>
情報処理装置11は、案内サービスに登録した被案内顧客の入店を検知する。情報処理装置11は、被案内顧客によって事前登録された商品の店舗内における陳列場所を取得する。情報処理装置11は、店舗の出入口から陳列場所までの案内経路及び被案内顧客の目線の高さを取得し、案内経路上の被案内顧客の目線の高さ周辺にある電子棚札13を特定する。情報処理装置11は、特定した電子棚札13に陳列場所を案内する画像を表示させる。
【0135】
これにより、情報処理装置11は、被案内顧客が携帯端末を見なくても、被案内顧客が購入したい商品の場所まで、被案内顧客が見易い位置の電子棚札を使って案内できる。また、被案内顧客は、購入したい商品の店舗内における位置を登録しなくても、購入したい商品の商品情報を事前に登録すればよく、店舗内における商品の位置を知らなくてもよい。
【0136】
また、情報処理装置11は、店舗A1a内に設置されたカメラ14の画像に基づいて、万引きを行う可能性のある警戒対象顧客を検出し、カメラ14の画像と店舗A1a内のマップ情報とに基づいて、警戒対象顧客の店舗A1a内における位置を取得し、警戒対象顧客の位置と店舗A1a内における電子棚札13の位置情報とに基づいて、警戒対象顧客の周辺にある電子棚札13を特定し、所定の条件を満たす場合に、警戒対象顧客の周辺にある電子棚札13に万引きを抑制するための画像を表示させる。
【0137】
このように、情報処理装置11は、警戒対象顧客の位置を特定し、特定した位置の周辺の電子棚札13の一部または全部に、万引きを抑制するための画像を表示する。これにより、万引きを抑制するための画像が、顧客の目に触れることが抑制され、顧客の心証を損ねることが抑制される。
【0138】
<その他変形例>
上述した実施の形態では、被案内顧客は、案内サービスを受けたい旨を予め登録しているものとして説明した。しかし、店舗に入店した後にその場で案内を求めてきた顧客等、あらかじめ登録されていない顧客を被案内顧客として取り扱ってもよい。この場合、情報処理装置11は、例えば、顧客が店内の端末で所望の商品を指定すると、顧客を被案内顧客として、上述した本実施の形態の各動作例の態様で、その商品までの経路を電子棚札13に表示させる。すなわち、被案内顧客は、案内サービスの対象となる顧客であれば、事前に登録されていてもよいし、事前に登録されていなくてもよい。また、店内が混雑している等の特定の状況の場合には、事前に登録されている顧客のみを被案内顧客としてもよい。あるいは、事前に登録されていない個客については、被案内顧客とするが、案内サービスの優先度を下げてもよい。
【0139】
上述した実施の形態では、被案内顧客は高齢者であるものとして説明したが、被案内顧客は高齢者には限らない。例えば、経路の案内に用いることのできる端末(例えば、スマートフォン等)を所持していない子供などであってもよい。また、例えば、常連客であるかどうかなど、スマートフォン等の端末を操作する権利または能力とは異なる基準で被案内顧客を選定してもよい。また、被案内顧客は、年齢を問わず障害のある人物としてもよい。なお、家族や介護職員などが同伴して来店した高齢者については、通常の状況では、被案内顧客とし、店内が混雑している等の特定の状況では、被案内顧客から除外してもよい。あるいは、家族や介護職員などが同伴して来店した高齢者については、被案内顧客とするが、案内サービスの優先度を下げてもよい。
【0140】
上述した実施の形態では、情報処理装置11は、店舗の出入口から商品の陳列場所までの経路を取得して案内する例について説明した。しかし、取得する経路の始点は店舗の出入口でなくともよい。例えば、店舗の入口と出口が異なる場合、情報処理装置11は、入口から商品の陳列場所までの経路を取得して案内してもよい。また、リーダ装置12が、出入口から離れた場所に設置されている場合、情報処理装置11は、リーダ装置12から商品の陳列場所までの経路を取得して案内してもよい。上述した実施の形態では、リーダ装置12でカードの読み取りを行うことが案内を開始する条件であるため、入口からリーダ装置12までの経路は被案内顧客にとって必要ない情報であるためである。また、入口やリーダ装置12等とは異なる箇所を始点とした経路を取得して案内してもよい。例えば、案内を開始する時点で被案内顧客のいる場所に最も近い電子棚札13から商品の陳列場所までの経路を取得して案内してもよい。また、店舗内のカウンターなどを、案内を開始する場所として予め設定しておき、その場所から商品の陳列場所までの経路を取得して案内してもよい。また、各被案内顧客ごとに異なる場所を始点とした経路を取得して案内してもよい。この場合、例えば、被案内顧客は案内を開始して欲しい場所を予め情報処理装置11に登録しておいてもよい。すなわち、経路の始点は店舗の運営者、店舗の設備、または顧客の要望に応じて様々な場所に設定してよい。
【0141】
また、上述した実施の形態では、電子棚札13を案内サービスに関する画像と商品情報を表示する表示装置として用いていたが、店舗内に配置されている他の装置を表示装置として利用してもよい。具体的には、サイネージや、店内に配置された他のモニタ等を表示装置として利用することが挙げられる。
【0142】
また、上述した実施の形態は、店頭での案内以外の案内にも適用できる。例えば、倉庫内から作業者が所望の物品を探す場合に、倉庫内に配置された電子棚札13等の装置を利用して上述した実施の形態と同様の処理を行ってもよい。この場合、店舗における商品の陳列場所に替えて、倉庫における物品の格納場所までの経路が、被案内顧客に相当する作業者に通知される。
【0143】
また、上述した実施の形態2では、情報処理装置11は、過去に万引きされた商品等、特定商品の電子棚札13のみに、万引きを抑制するための画像を表示させてもよい。
【0144】
また、上述した実施の形態において、歩行時の目線の高さが異なる複数の高齢者に対して経路案内を行う場合には、比較的元気な高齢者に対して、特定高よりも高い場所に存在する電子棚札に案内経路を表示してもよい。
【0145】
また、上述した実施の形態において、被案内顧客の目線の高さが、属性情報に含まれる被案内顧客の身長等を参照することにより取得される場合を例に説明したが、本開示はこれに限られず、被案内顧客の目線の高さが、他の手段によって取得されてもよい。例えば、カメラの撮影画像から被案内顧客の身長を推定したり、既知の視線推定技術を用いたりすることにより、被案内顧客の目線の高さが取得されてもよい。
【0146】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0147】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0148】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0149】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサー又は専用プロセッサーで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0150】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本開示は、店舗内における商品の陳列場所の案内に有用である。
【符号の説明】
【0152】
1 商品案内システム
11 情報処理装置
12 リーダ装置
13 電子棚札
14 カメラ
A1a 店舗
A1b バックヤード
A3a 被案内顧客
D1 登録情報
図1
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