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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006272
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/028 20220101AFI20250109BHJP
   H04L 43/04 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
H04L43/028
H04L43/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106963
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】毛利 一元
(57)【要約】
【課題】データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようにする。
【解決手段】情報処理装置(100)は、伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする設定手段(104)と、設定手段(104)で設定された上下限チェックの内容に基づいて、上下限チェックを実行する上下限チェック手段(103)とを備える。設定手段(104)は、上下限チェックの内容を設定するための設定画面(200)を表示装置(110)に表示して、伝送データのデータ項目毎に、上下限チェックの上限値及び下限値を設定可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする設定手段と、
前記設定手段で設定された前記上下限チェックの内容に基づいて、前記上下限チェックを実行する上下限チェック手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記上下限チェック手段は、前記上下限チェックの結果に応じて、所定の出力処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の出力処理は、ボイスアラーム出力、アラーム出力、及びログ出力のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、伝送データのデータ項目毎に、前記上下限チェックの上限値及び下限値を設定可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段は、伝送データのデータ項目毎に、前記上下限チェックで異常判定されたときに他の値に置換することの有無を設定可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、伝送データのデータ項目毎に、前記上下限チェックで異常判定されたときに伝送を停止することの有無を設定可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、伝送データのデータ項目毎に、前記所定の出力処理の実行の有無を設定可能にすることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記上下限チェックの実行の有無を一括して設定可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記設定手段は、前記上下限チェックの内容を設定するための設定画面を表示装置に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする設定手段と、
前記設定手段で設定された前記上下限チェックの内容に基づいて、前記上下限チェックを実行する上下限チェック手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送データの上下限チェックを実行する情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データを伝送するシステムの開発において、伝送データの上下限チェックの未実施に起因してトラブルが生じることがあることから、データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようにすることが求められている。
【0003】
特許文献1には、送信側の機器から複数回連続して送られてくる同一データの一致・不一致を判断して、データが一致していないと判断された場合に上記データを破棄し、また、上記送信側の機器にデータの再度伝送を指示するようにした伝送データチェック装置が開示されている。
特許文献1の伝送データチェックでは、データが一致していないと判断された場合にデータ破棄し、再度伝送を指示したとしても、相手先が正常なデータを送信できない状況である可能性がある。また、再度伝送を指示した後の正常伝送をすることで、異常時に瞬時に異常を察知できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1-159439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようにすることに着目するものではない。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする設定手段と、前記設定手段で設定された前記上下限チェックの内容に基づいて、前記上下限チェックを実行する上下限チェック手段とを備えることを特徴とする。
本発明のプログラムは、伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする設定手段と、前記設定手段で設定された前記上下限チェックの内容に基づいて、前記上下限チェックを実行する上下限チェック手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
図2】設定画面の例を示す図である。
図3】受信機能及び送信機能と伝送上下限チェック関数との関係の例を説明するための図である。
図4】受信機能及び送信機能への伝送上下限チェック関数の組み込み例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、実施形態に係る情報処理装置100の機能構成を示す。
情報処理装置100は、受信部101と、送信部102と、上下限チェック部103と、設定部104とを備え、伝送データの上下限チェックを実行する。また、情報処理装置100には、表示装置110と、キーボードやマウス等の入力装置120とが接続する。本実施形態において、伝送データは、情報処理装置100が受信したデータ及び送信するデータである。
【0011】
受信部101は、ネットワークを介して不図示の外部機器から受信データを受信して、記録媒体に格納する。
【0012】
送信部102は、ネットワークを介して不図示の外部機器に送信データを送信する。
【0013】
上下限チェック部103は、受信部101で受信したデータ及び送信部102で送信するデータを対象として、上下限チェックを実行する。その際、上下限チェック部103は、設定部104で設定された上下限チェックの内容に基づいて、上下限チェックを実行する。上下限チェックの内容には、具体例は後述するが、伝送データのデータ項目毎に設定された、上下限チェックの上限値及び下限値が含まれる。また、上下限チェックの内容には、具体例は後述するが、伝送データのデータ項目毎に設定された、上下限チェックの実行の有無、上下限チェックで異常判定されたときに他の値に置換することの有無、及び、上下限チェックで異常判定されたときに送受信を停止することの有無が含まれる。
また、上下限チェック部103は、上下限チェックの結果に応じて、所定の出力処理を実行する。所定の処理は、ボイスアラーム出力、アラーム出力、及びログ出力であり、設定部104で設定された上下限チェックの内容に基づいて、そのすべて又は一部が実行される。
【0014】
設定部104は、設定画面を表示装置110に表示して、上下限チェック部103で実行する上下限チェックの内容をユーザが設定可能にする。
図2に、設定画面200の例を示す。
設定画面200には、受信/送信を選択する受信/送信設定欄201と、回線名設定欄202と、伝文名設定欄203とが設けられる。
そして、設定画面200には、受信/送信設定欄201、回線名設定欄202、伝文名設定欄203の設定に応じて、データ項目の一覧204が表示される。データ項目の一覧204には、データ項目毎に、No.の欄205、データ項目名の欄206、上下限データ型の欄207、サイズの欄208、位置の欄209、上下限値有効桁の欄210、下限値マイナス有無の欄211、文字情報の欄212、上限値の欄213、下限値の欄214、上限検査指定の欄215、下限検査指定の欄216、VAS出力(ボイスアラーム出力)の欄217、アラーム出力の欄218、ログ出力の欄219が設けられる。No.の欄205、データ項目名の欄206、上下限データ型の欄207、サイズの欄208、位置の欄209、上下限値有効桁の欄210、下限値マイナス有無の欄211、文字情報の欄212は、受信/送信設定欄201、回線名設定欄202、伝文名設定欄203の設定に応じて既知の情報が表示される表示欄である。文字情報は、伝送上のデータの型が文字のときにのみ有効である。一方、上限値の欄213、下限値の欄214、上限検査指定の欄215、下限検査指定の欄216、VAS出力の欄217、アラーム出力の欄218、ログ出力の欄219は、ユーザが入力装置120を使って設定を行う設定欄である。
【0015】
上限値の欄213、下限値の欄214では、一定の条件はあるが(上下限値有効桁や下限値マイナス有無等)、ユーザが任意に、上限値、下限値を設定することができる。
上限検査指定の欄215、下限検査指定の欄216では、ユーザが任意に、上下限チェックの実行の有無、上下限チェックで異常判定されたときに他の値に置換することの有無、及び、上下限チェックで異常判定されたときに送受信を停止することの有無を設定することができる。具体的には、その入出力値として、0:上下限チェックなし、1:上下限チェック実施、2:上下限チェック実施及び異常時上下限クランプ実施(上下限値に置換)、3:上下限チェック実施及び異常時初期値置換(リセット)、4:上下限チェック異常時送受信停止、が設定されている。
VAS出力の欄217、アラーム出力の欄218、ログ出力の欄219では、ユーザが任意に、各出力の実行の有無を設定することができる。具体的には、その入出力値として、0:出力なし、1:出力あり、が設定されている。
このように伝送データの項目毎に、上限値及び下限値、上限検査指定及び下限検査指定、各出力の実行の有無を個別に設定可能にすることで、システム負荷を抑えることができる。また、上下限チェックの内容をユーザ側で設定、管理できるように専用の設定画面200を提供することで、定数調整を容易にして、例えばシステム開発の工期短縮を図ることが可能になる。
なお、設定欄213~219では、ユーザが入力装置120を使って設定を行うが、それに加えて、伝文仕様書等から自動的に値を入力するような機能を持たせてもよい。
【0016】
また、伝文毎VAS出力キャンセル設定欄220、伝文毎アラーム出力キャンセル設定欄221、伝文毎ログ出力キャンセル設定欄222が設けられ、伝文毎VAS出力キャンセル、伝文毎アラーム出力キャンセル、伝文毎ログ出力キャンセルを可能にする。具体的には、その入出力値として、0:出力キャンセルなし、1:出力キャンセル、が設定されている。
【0017】
また、設定画面200には、上下限チェックALLキャンセルボタン223が設けられる。上下限チェックALLキャンセルボタン223の押下の有無により、上下限チェックの実行の有無を一括して設定することができる。設備の異常時等、定周期での大量の異常が発生するときに、上下限チェックの実行を一括してキャンセルすることで、システム負荷が大きくなるのを抑えることが可能になる。
【0018】
このようにした情報処理装置100は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータにより構成され、CPUが例えばROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、各部101~104の機能が実現される。
なお、本実施形態では、情報処理装置100が受信したデータ及び送信するデータを上下限チェックの対象としたが、そのいずれか一方だけを対象としてもよい。
【0019】
図3を参照して、受信機能及び送信機能と、伝送データの上下限チェック機能を実現する伝送上下限チェック関数との関係の例を説明する。
受信機能301により受信したデータ、及び送信機能302により送信するデータは、それぞれ受信データバッファ303、及び送信データバッファ304で一時的に保持されて、伝送上下限チェック関数300で上下限チェックが実行される。
設定画面305では、図2に例示した設定画面200のように、送受信毎、回線毎に上下限定数ファイルの内容を表示し、伝文毎に画面表示設定する。上下限チェック機能の立ち上げ後は、設定画面305からの入力値をマスターとし、以後ユーザ管理とする。設定画面305には、受信用項目名称ファイル群306及び送信用項目名称ファイル群307から取得される情報が反映される。これが、図2の例で述べた表示欄205~206の情報に相当する。また、設定画面305で行われた設定に応じて送信用定数ファイル群308、受信用定数ファイル群309、スイッチ類定数ファイル310が生成される。これが、図2の例で述べた表示欄207~212、設定欄213~222の情報、上下限チェックALLキャンセルボタン223の押下の有無に相当する。伝送上下限チェック関数300は、送信用定数ファイル群308、受信用定数ファイル群309、スイッチ類定数ファイル310を参照して、上下限チェックを実行する。
また、伝送上下限チェック関数300は、上下限チェックの結果に応じて、ボイスアラーム出力、アラーム出力、及びログ出力のすべて又は一部を実行する。ボイスアラーム出力やアラーム出力は、例えば操業側の監視手段として利用される。また、ログ出力は、例えばシステム担当者の調査用に上下限異常情報を伝文単位にログファイルに保存する。
【0020】
図4を参照して、受信機能及び送信機能への伝送上下限チェック関数の組み込み例を説明する。
図4(a)に示すように、受信機能に伝送上下限チェック関数を組み込む場合、プログラミングにおいて、受信関数401直後に、伝送上下限チェック関数400を組み込んで、受信したデータの上下限チェックを実行するようにする。伝送上下限チェック関数400の後段で、受信データ格納を行うものとする。
図4(b)に示すように、送信機能に上下限チェック関数を組み込む場合、プログラミングにおいて、送信関数402直前に、伝送上下限チェック関数400を組み込んで、送信する上下限チェックを実行するようにする。伝送上下限チェック関数400の前段で、送信データ編集を行うものとする。
【0021】
以上述べたように、伝送データの上下限チェックの内容をユーザが設定可能にして、その上下限チェックの内容に基づいて、上下限チェックが実行されるようにしたので、ユーザ側で上下限チェックの内容を設定、管理することができ、データを伝送するシステムに、伝送データの上下限チェック機能を汎用的に組み込めるようになる。これにより、例えばデータを伝送するシステムの開発において、システム全体のテスト時に、伝送データの異常検知を容易化し、異常検知漏れを事前抑止することが可能になる。
【0022】
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、上記実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0023】
100:情報処理装置、101:受信部、102:送信部、103:上下限チェック部、104:設定部、200:設定画面、213:上限値の欄、214:下限値の欄、215:上限検査指定の欄、216:下限検査指定の欄、217:VAS出力の欄、218:アラーム出力の欄、219:ログ出力の欄、223:上下限チェックALLキャンセルボタン
図1
図2
図3
図4