(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006274
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】樹脂スタンド
(51)【国際特許分類】
G09F 7/02 20060101AFI20250109BHJP
A63H 33/42 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G09F7/02 Z
A63H33/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106965
(22)【出願日】2023-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 印刷関連総合フェアGODOプリンテックフェア2023in広島 令和5年4月12日~4月13日 〔刊行物等〕 公開先 東洋観光グループ,令和5年3月30日 〔刊行物等〕 公開先 広島東洋カープ球団,令和5年5月29日 〔刊行物等〕 公開先 ミントジャムス,令和5年2月15日 〔刊行物等〕 公開先 さけハラス,令和5年3月23日 〔刊行物等〕 https://twitter.com/genshoku_70/status/1648540166171115520?s=20 令和5年4月19日~令和5年6月1日 〔刊行物等〕 https://genshoku.co.jp/labo/2023/04/19/第20回:ランキング発表/ 令和5年4月19日~令和5年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】514231767
【氏名又は名称】株式会社原色美術印刷社
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰典
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BC01
2C150DD04
2C150EH16
2C150FB43
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】従来のアクリルスタンドとは形態の異なる新規な樹脂スタンドを提供する。
【解決手段】本発明に樹脂スタンド1は、前後方向に配置される4枚の透明なアクリル板10A,10B,10C,10Dと、アクリル板10A,10B,10C,10Dを連結する連結具31A、31B,31C,31Dと、を備え、アクリル板10A,10B,10C,10Dの正面又は背面の少なくともいずれか一面に図柄60が表示され、アクリル板10A,10B,10C,10Dが連結具31A、31B,31C,31Dを介し連結されブロック状に形成されてなり、少なくとも前方から図柄60が視認可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に配置される2枚以上の樹脂板と、
前記樹脂板を連結する連結具と、
を備え、
前記樹脂板のうち少なくとも1枚は、透明樹脂板からなり、
前記透明樹脂板の正面又は背面の少なくともいずれか一面に図柄が表示され、
前記樹脂板が前記連結具を介し連結されブロック状に形成されてなり、少なくとも前方から前記図柄が視認可能である自立可能な樹脂スタンド。
【請求項2】
前記樹脂板は、前記連結具取付座を有し、
前記連結具及び前記連結具取付座が、前記樹脂板の連結位置を決める位置決め手段として機能することを特徴とする請求項1に記載の樹脂スタンド。
【請求項3】
前記連結具は、隣り合う前後の前記樹脂板の間隔を決めるスペーサを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂スタンド。
【請求項4】
前記連結具が、前記樹脂板に対し着脱可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂スタンド。
【請求項5】
前記連結具は、図柄を表示可能な平板部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂スタンド。
【請求項6】
前記樹脂板の全部及び前記連結具が透明なアクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル板に代表される透明樹脂板にキャラクタなどを印刷したものを複数枚前後方向に並べてなる鑑賞用の樹脂スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からアクリル板にキャラクタ画像や風景画を印刷してなる鑑賞用のアクリルスタンドが開発され、一部商品は販売されている。例えば、台座にアクリル板を嵌め込み立て掛けるための溝を、間隔を開けて前後方向に設け、各溝に図柄が印刷されたアクリル板を1枚ずつ差し込み配列させ、立体的な奥行きを与えたアクリルスタンドがある(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
この他、透明なアクリル板の片面又は両面にキャラクタ画像が印刷され、キャラクタ画像の外側を取り囲むように設定した外形線に沿って切断された板状のアクリルスタンドを、透明なアクリル板からなる台座に係合させてなる台座付きアクリルスタンドがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また発光部を備えた台座に図柄が印刷された第1のアクリル板と、光を反射させる第2のアクリル板を差し込み、発光部からの光により図柄が照明されるライティングアクリルスタンドがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-169501号公報
【特許文献2】特開2023-26049号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】https://nanako7.co.jp/quartet
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアクリルスタンドは、先の先行技術文献に代表されるようにキャラクタ画像等が印刷されたアクリル板を台座に差し込む構造からなる。このためアクリル板が台座から簡単に外れてしまい、持ち運び、取り扱いには注意が必要である。また従来のアクリルスタンドは、台座を使用するので台座を載置するための広いスペースが必要となる。
【0008】
本発明の目的は、従来のアクリルスタンドとは形態の異なる新規な樹脂スタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前後方向に配置される2枚以上の樹脂板と、前記樹脂板を連結する連結具と、を備え、前記樹脂板のうち少なくとも1枚は、透明樹脂板からなり、前記透明樹脂板の正面又は背面の少なくともいずれか一面に図柄が表示され、前記樹脂板が前記連結具を介し連結されブロック状に形成されてなり、少なくとも前方から前記図柄が視認可能である自立可能な樹脂スタンドである。
【0010】
本発明に係る樹脂スタンドにおいて、前記樹脂板は、前記連結具取付座を有し、前記連結具及び前記連結具取付座が、前記樹脂板の連結位置を決める位置決め手段として機能することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る樹脂スタンドにおいて、前記連結具は、隣り合う前後の前記樹脂板の間隔を決めるスペーサを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る樹脂スタンドにおいて、前記連結具が、前記樹脂板に対し着脱可能なことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る樹脂スタンドにおいて、前記連結具は、図柄を表示可能な平板部を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る樹脂スタンドにおいて、前記樹脂板の全部及び前記連結具が透明アクリル樹脂からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば従来のアクリルスタンドとは形態の異なる新規な樹脂スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1の正面斜め上及び背面斜め上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1の分解構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1を構成するアクリル板10及び連結具31の構造を説明するための図である。
【
図4】本発明の第2実施形態の樹脂スタンド2の正面斜め上及び背面斜め上から見た斜視図である。
【
図5】本発明の第2実施形態の樹脂スタンド2の分解構成図及び連結具32の構造を説明するための図である。
【
図6】本発明の第3実施形態の樹脂スタンド3及び連結具33の構造を説明するための図である。
【
図7】本発明の第4実施形態の樹脂スタンド4及び連結具34の構造を説明するための図である。
【
図8】本発明の第5実施形態の樹脂スタンド5及び連結具35の構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
明細書及び図中のXYZ軸は、3次元直交座標系のX軸,Y軸,Z軸に対応し、本実施形態において、XZ平面を水平面、Y軸を鉛直軸に平行とし、X軸の矢印方向を左、Y軸の矢印方向を上、Z軸の矢印方向を後とする。また本実施形態において、正面図は、X軸Y軸を含む面を正面としZ軸の矢印方向に見た図、右側面図は、Y軸Z軸を含む面を正面としX軸の矢印方向に見た図である。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1の正面斜め上及び背面斜め上から見た斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1の分解構成図である。
図3は、本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1を構成するアクリル板10及び連結具31の構造を説明するための図である。
図3において、アクリル板10及び連結具31は、透明であるが、線が交錯するのを避けるため不透明な部材として描き、さらに図柄60を省略している。
図1及び
図3において、アクリル板10の下面16がXZ平面に平行であり、アクリル板10の長手方向がY軸に平行である。本実施形態では、理解を容易にするため各部の寸法を記載するが、本発明に係る樹脂スタンドは、当該寸法に拘束されるものではない。
【0019】
本発明の第1実施形態の樹脂スタンド1は、キャラクタなどの図柄を前後方向(Z軸方向)に複数枚配列させることで立体感のある図柄を楽しむことができる樹脂性のスタンドであり、キャラクタなどの図柄60を表示するための4枚のアクリル板10と、当該アクリル板10を連結する連結具31とを有し、4枚のアクリル板10が前後方向に連結具31を介して間隔を開けて連結されてなる自立可能なブロック状の樹脂スタンドである。
【0020】
樹脂スタンド1の外観は、長方体形状を有する。樹脂スタンド1の大きさは、特に限定されるものではないが、一例を示せば縦(Y軸方向)が90mm、横幅(X軸方向)が68mm、奥行き(Z軸方向)が20mmである。
【0021】
4枚のアクリル板10(10A,10B,10C,10D)は、同一形状・寸法の無色透明な矩形形状のアクリル板からなる。上記寸法の樹脂スタンド1に使用されるアクリル板10は、縦(Y軸方向)が90mm、横幅(X軸方向)が68mm、厚さ(Z軸方向)が3mmである。アクリル板10は、4角にR面取りが施され、上面15、左側面18、右側面17、下面16には、それぞれ凹部20(20a、20b、20c、20d)が設けられている。また各アクリル板10の裏面(背面)14には、図柄60が表示されている。
【0022】
本実施形態の樹脂スタンド1では、無色透明なアクリル板10を用いているが、色付きの透明なアクリル板10であってもよい。色付きの透明なアクリル板10の場合、色が濃すぎると奥の図柄60が見え難くなるため注意が必要である。またアクリル板10に代えて透明な樹脂板、例えばポリカーボネート板などを用いてもよい。本樹脂スタンド1は、奥行き方向(前後方向)に配列した図柄60を前方から見て楽しむ物ゆえ、アクリル板などのような透明性に優れる樹脂板が好ましい。
【0023】
本実施形態の樹脂スタンド1は、4枚のアクリル板10を備えるが、アクリル板10の枚数は、3枚であっても5枚以上であってもよく、2枚以上のアクリル板10を備えていればよい。樹脂スタンド1を構成するアクリル板10の厚さは、同一であることを基本とするが、異なる厚さのアクリル板10を用いてもよい。製造の容易性・コストの点からは同一の素材・厚さの透明樹脂板、特に透明なアクリル板10を使用するのが好ましい。
【0024】
凹部20は、連結具31の取付座であり、各凹部20a、20b、20c、20dの基本構造は同じである。凹部20の長さL0は、連結具31の連結部40の長さLと略同一であり、凹部20の深さH0は、連結具31の連結部40の厚さTと略同一である。これにより連結具31は、凹部20にがたつくことなく嵌り込み、4枚のアクリル板10を堅固に連結することができる。
【0025】
連結具31(31A、31B、31C、31D)は、4枚のアクリル板10を所定の間隔を設け連結するための部材であり、大略的には矩形の平板形状を有する。各連結具31A、31B、31C、31Dの基本構造は同じである。各連結具31は、連結部40とスペーサ部45とを有する。連結部40は、平板矩形形状を有し、4枚のアクリル板10に設けられた各凹部20に隙間なく嵌り込み、4枚のアクリル板10を連結する。
【0026】
本実施形態の樹脂スタンド1において、連結具31の素材は透明なアクリル板である。連結具31は、4枚のアクリル板10を連結するための部材であるため素材はアクリル板以外のものであってもよく、不透明であってもよいが、アクリル板10と素材を揃え、さらにアクリル板10の厚さと連結具31の厚さを揃えれば材料費が安価になる。
【0027】
本実施形態の樹脂スタンド1では、各連結具31A、31B、31C、31Dが、それぞれ凹部20a、20b、20c、20dに嵌り込むように設定されている。連結部40の長さLは、凹部20の長さL0と同一であればよく、特に限定されるものではないが、本実施形態のように連結部40に図柄60を印刷する場合は、長さLを大きくすることで十分な表示スペースが得られる。連結部40の厚さTも特に限定されるものではないが、本実施形態のように凹部20の深さH0と一致させれば、連結具31を凹部20に嵌め込んだときアクル板10と高さが同一となり、見た目がよくデザイン的にも優れる。
【0028】
スペーサ部45は、隣り合うアクリル板10の間に間隔を設けるためのものであり、連結部40の両端に突出するように設けられている。両端のスペーサ部45は、それぞれ幅方向(短手方向)に間隔を開けて設けられた3つの爪46で構成される。本実施形態では、4枚のアクリル板10それぞれの間に間隔を設けるため爪46の個数が3個となる。各アクリル板10のそれぞれの間に間隔を設ける場合には、爪46の個数は、アクリル板10の枚数から1を減じた数となる。
【0029】
爪46と爪46との間に設けられた空間部50の幅W1は、アクリル板10の厚さT0と略同一であり、連結具31をアクリル板10に取付けると、爪46と爪46との間にアクリル板10が嵌り込む。よって隣り合うアクリル板10の間隔Δtは、爪46の幅W2となる。隣り合うアクリル板10の間隔Δtは、特に限定されるものではないが、間隔Δtが広いほど奥行き感が出る。本実施形態の樹脂スタンド1は、隣り合うアクリル板10の間隔Δtが均一であるが、隣り合うアクリル板10の間隔Δtが不均一であってもよく、また隣り合うアクリル板10が接触し、間隔Δtがゼロであってもよい。
【0030】
図柄60の奥行き感を出す方法として、アクリル板10を厚くし、隣り合うアクリル板10を接触させ間隔Δtをゼロとする方法もある。この方法であれば連結具にスペーサ部を設ける必要がなく連結具を単純化できる。一方でアクリル板10が厚くなりコストアップになり易い。
【0031】
キャラクタなどの図柄を奥行き方向(Z軸方向)に複数枚配列させることで立体感のある図柄を形成させこれを見て楽しむ樹脂スタンドの場合、図柄の位置決めは重要である。本実施形態のようにアクリル板10に図柄60を表示し、これを配列する樹脂スタンドでは、各アクリル板10の位置決めが重要になる。本実施形態の樹脂スタンド1では、アクリル板10に設けた凹部20に連結具31を嵌め込む連結機構を採用するので、凹部20及び連結具31(連結部40)が位置決め手段として機能し、図柄60の位置決めをきっちりと行うことができる。
【0032】
本実施形態の樹脂スタンド1において、各連結具31A、31B、31C、31Dは、アクリル板10の凹部20に着脱可能に嵌め込まれている。このような着脱可能な連結具を採用すれば、アクリル板10の配列の順番を組み替え、又は予備のアクリル板10と交換するなど種々の図柄構成を楽しむことができ好ましい。
【0033】
着脱式の連結具を採用する場合、4枚のアクリル板10をがたつかせることなく堅固に連結することができると共に、特別な工具を使用することなく手で取り外すことができるような連結具が好ましい。本実施形態の連結具31は、
図3(B)に示すように平面視において、爪46の基端部47が連結具31の長手方向に平行であり、中間部から先端部49に向かって僅かに先細りになっており、さらに先端部49が半円状となっている。これにより堅固な連結と手での取り外しを実現することができる。
【0034】
図柄60は、4枚の各アクリル板10の背面14及びアクリル板10の下面16を連結する連結具31Dを除く、3つの連結具31A、31B、31Cに表示されている。アクリル板10及び連結具31への図柄60の表示方法は、特に限定されるものではないが、代表的には印刷である。このほかシールを貼付し図柄60を表示してもよい。
【0035】
図柄60は、特に限定されるものではなく、絵、写真、図、文字、線、あるいはこれらが組合わされたものであってもよい。また図柄の内容も特に限定されるものではなく、人、風景、キャラクタ、文字など種々のものを採用することができる。また各アクリル板10に描かれる図柄は、同一図柄、一部同一、全部異なる図柄であってもよい。
【0036】
最も奥に位置するアクリル板10Dに描かれた図柄60は、キャラクタ及び文字以外に不透明な白色からなる背景
図61を有する。このように最も奥に位置するアクリル板10Dに不透明な背景
図61を設けることで、樹脂スタンド1を正面側から見たとき樹脂スタンド1の後ろにある周囲の風景が入り込まず好ましい。
【0037】
本実施形態の樹脂スタンド1のように、最も奥に位置するアクリル板10Dに不透明な白色からなる背景
図61を設ける場合には、無色透明なアクリル板10Dに代えて不透明な白色の樹脂板を用い背景
図61の表示を省略してもよい。不透明な白色の樹脂板に図柄60を印刷等で表示する場合は、正面側に行う。
【0038】
本実施形態の樹脂スタンド1では、図柄60が各アクリル板10の背面14及び連結具31の裏面42に表示されているが、図柄60を各アクリル板10の正面13及び連結具31の表面(おもて面)41に表示してもよく、図柄60を各アクリル板10の正面13、背面14の両面及び連結具31の表面(おもて面)41、裏面42の両面に表示してもよい。各アクリル板10及び連結具31に印刷する図柄60は、樹脂スタンド1としたとき内側になる面に表示すれば、図柄60に直接手や物が接触することを防止することができ、図柄60の汚れ、損傷を防ぐことができる。
【0039】
以上からなる第1実施形態の樹脂スタンド1は、図柄60が表示された4枚のアクリル板10が、前後方向(奥行き方向)に連結具31を介して連結されてなるブロック状の樹脂スタンドゆえ、台座がなくても自立させることができる。このため持ち運びの際にばらけることもなく、持ち歩くことができる。また台座を必要としないため場所を取らない。
【0040】
また樹脂スタンド1は、上面、左側面、右側面に配置される連結具31A、31B、31Cにも図柄60を表示することができるので、従来のアクリルスタンドに比較して多くの図柄60を表示可能であり楽しみが増える。またデザイン的に優れる。
【0041】
また樹脂スタンド1は、連結具31が隣り合うアクリル板10の間隔を決めるためのスペーサ部45を備えるため、別途、隣り合うアクリル板10の間隔を決めるためのスペーサを必要としない。さらにアクリル板10に設けられた凹部20とそこに嵌り込む連結具31が、アクリル板10及びアクリル板10に表示された図柄60の位置決め手段として機能するため、別途、位置決め手段を設ける必要がない。これらにより樹脂スタンド1の外観形状が非常にすっきりとし、デザイン性に優れる。
【0042】
また樹脂スタンド1は、連結具31が着脱自在であるため樹脂スタンド1を各アクリル板10と連結具31とに分解した組立てキットとして販売し、購入者が自ら組立て楽しむこともできる。組立てキットとすれば嵩張らず流通も容易である。また樹脂スタンド1は、組み立て・分解が自由なためアクリル板10の配列を組み替え、あるいは図柄60が表示された別のアクリル板と取り替え使用することができる。このように樹脂スタンド1は、図柄60が表示されたアクリル板10及び連結具31を取り替え使用することができるので多様な楽しみ方ができる。
【0043】
図4は、本発明の第2実施形態の樹脂スタンド2の正面斜め上及び背面斜め上から見た斜視図である。
図5は、本発明の第2実施形態の樹脂スタンド2の分解構成図及び連結具32の構造を説明するための図である。
図5(B)において、連結具32は、透明であるが、線が交錯するのを避けるため不透明な部材として描き、さらに図柄60を省略している。
図4において、アクリル板10の下面16がXZ平面に平行であり、アクリル板10の長手方向がY軸に平行である。本実施形態では、理解を容易にするため各部の寸法を記載するが、本発明に係る樹脂スタンドは、当該寸法に拘束されるものではない。また
図1~
図3に示す第1実施形態の樹脂スタンド1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
第2実施形態の樹脂スタンド2は、第1実施形態の樹脂スタンド1と基本構成を同じくし、キャラクタなどの図柄60が表示された5枚のアクリル板10を備え、当該アクリル板10が前後方向(奥行き方向)に連結具32を介して間隔を開けて連結されてなる自立可能なブロック状の樹脂スタンドである。以下、第2実施形態の樹脂スタンド2のうち、第1実施形態の樹脂スタンド1と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
第2実施形態の樹脂スタンド2の外観は、立方体形状を有する。樹脂スタンド2の大きさは、特に限定されるものではないが、一例を示せば縦(Y軸方向)が60mm、横幅(X軸方向)が60mm、奥行き(Z軸方向)が60mmである。
【0046】
第2実施形態の樹脂スタンド2は、5枚のアクリル板10(10A、10B、10C、10D、10E)が奥行き方向に配列されてなり、各アクリル板10A、10B、10C、10D、10Eは、同一形状・寸法の無色透明な正方形のアクリル板からなる。アクリル板10A、10B、10C、10Dへの凹部20の設け方、図柄60の表示要領は、第1実施形態の樹脂スタンド1と同じである。アクリル板10Eは、凹部20の設け方が第1実施形態の樹脂スタンド1と同じであるが、図柄60の表示方向が異なる。
【0047】
第2実施形態の樹脂スタンド2は、アクリル板10A、10B、10C、10Dが等間隔で配列されており、この点において第1実施形態の樹脂スタンド1と共通する。一方、アクリル板10Dとアクリル板10Eとの間隔は非常に大きくなっている。この点で樹脂スタンド2は、図柄60が表示された複数枚のアクリル板10の間隔が不均一に配置された樹脂スタンドといえる。
【0048】
また樹脂スタンド2のアクリル板10Eに表示された図柄60が、樹脂スタンド2の背面から視認可能な点で樹脂スタンド1と異なる。第1実施形態の樹脂スタンド1は、背面側から見ればアクリル板10Dに表示された背景
図61が見えるだけである。第2実施形態の樹脂スタンド2においても中間に位置するアクリル板10Dに背景
図61が描かれており、アクリル板10Dを背面側から見れば背景
図61が見えるだけである。このため樹脂スタンド2を正面から見たときアクリル板10Eに表示された図柄60を視認することはできない。
【0049】
以上のことから樹脂スタンド2は、樹脂スタンド1と同様の配列のアクリル板10A,10B,10C,10Dにさらに、背面側から視認できる背面用のアクリル板10Eを追加した樹脂スタンドということができる。
【0050】
樹脂スタンド2で使用する連結具32(32A,32B,32C,32D)は、アクリル板10の配置に対応するように連結部40及びスペーサ部45、さらには爪46が設けられている。樹脂スタンド2で使用する連結具32は、樹脂スタンド1で使用する連結具31と形状が異なるものの、基本的な構成、位置決め機能、着脱可能な点、さらには図柄60が表示されている点においては、第1実施形態の連結具31と同じである。
【0051】
アクリル板10及び連結具32に表示される図柄60は、前記のとおり背面用のアクリル板10Eにおいて表示方向が異なるものの他の点は、第1実施形態の樹脂スタンド1の図柄60と同じように考えることができる。
【0052】
以上の構成からなる第2実施形態の樹脂スタンド2の作用・効果は、基本的に第1実施形態の樹脂スタンド1と同じであるが、樹脂スタンド2の形状に起因して連結具32の連結部40の面積が広いため連結具32にも図柄60を十分に表示することができる。
【0053】
図6は、本発明の第3実施形態の樹脂スタンド3及び連結具33の構造を説明するための図であり、(A)は樹脂スタンド3を正面斜め上から見た斜視図、(B)は連結具33の斜視図である。
図6において、アクリル板10の下面16がXZ平面に平行であり、アクリル板10の長手方向がY軸に平行である。
図6において、アクリル板10及び連結具33は、透明であるが、線が交錯するのを避けるため不透明な部材として描き、さらに図柄60を省略している。
図1~
図3に示す第1実施形態の樹脂スタンド1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
第3実施形態の樹脂スタンド3は、第1実施形態の樹脂スタンド1と基本構成を同じくし、キャラクタなどの図柄60(図示省略)が表示された4枚のアクリル板10を備え、当該アクリル板10が前後方向に連結具33を介して間隔を開けて連結されてなる自立可能なブロック状の樹脂スタンドである。
【0055】
第3実施形態の樹脂スタンド3で使用するアクリル板10(10A,10B,10C,10D)及びアクリル板10に表示される図柄60は、第1実施形態の樹脂スタンド1で使用するアクリル板10及びアクリル板10に表示される図柄60と同様に考えることができる。
【0056】
樹脂スタンド3で使用するアクリル板10は、連結具33が嵌り込む凹部20(20a、20b、20c、20d)が、各アクリル板10の上面15及び下面16の両側に設けられている。各凹部20の形状・寸法は同じである。第1実施形態の樹脂スタンド1で使用するアクリル板10と比較して凹部20の配置及び大きさが異なるものの凹部20の機能等は、第1実施形態の樹脂スタンド1と同じである。
【0057】
樹脂スタンド3で使用する連結具33(33A,33B,33C,33D)は、連結部40及びスペーサ部45、さらにはスペーサ部45を構成する爪46が設けられている。連結具33は、スペーサ部45が連結部40の一方の側面(X方向)にのみ設けられており、さらに連結部40の幅(X方向)が狭い。このため本実施形態の樹脂スタンド3では、連結具33が嵌り込む凹部20の配置を、各アクリル板10の上面15及び下面16の両側に設けることで隣り合うアクリル板10の間隔を一定にしている。
【0058】
本実施形態の樹脂スタンド3では、各アクリル板10の上面15及び下面16の両側に連結具33が嵌り込む凹部20を配置しているが、凹部20を各アクリル板10の右側面17及び左側面18に配置してもよい。
【0059】
前記のとおり樹脂スタンド3で使用する連結具33は、樹脂スタンド1で使用する連結具31と比較して連結部40の幅、スペーサ部45の配置が異なるものの、基本的な構成及び連結機構、位置決め機能、着脱可能な点は、第1実施形態の連結具31と同じである。
【0060】
以上の構成からなる第3実施形態の樹脂スタンド3は、連結具33の連結部40の幅が狭いため連結部40に図柄を表示し難い点はあるものの、逆に連結具33が目立たず樹脂スタンド3のデザインがすっきりしているともいえる。樹脂スタンド3の作用・効果は、基本的に第1実施形態の樹脂スタンド1と同じである。
【0061】
図7は、本発明の第4実施形態の樹脂スタンド4及び連結具34の構造を説明するための図であり、(A)は樹脂スタンド4を正面斜め上から見た斜視図、(B)は連結具34の斜視図である。
図7において、アクリル板10の下面16がXZ平面に平行であり、アクリル板10の長手方向がY軸に平行である。
図7において、アクリル板10及び連結具34は、透明であるが、線が交錯するのを避けるため不透明な部材として描き、さらに図柄60を省略している。
図1~
図3に示す第1実施形態の樹脂スタンド1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
第4実施形態の樹脂スタンド4は、第1実施形態の樹脂スタンド1と基本構成を同じくし、キャラクタなどの図柄60(図示省略)が表示された4枚のアクリル板10を備え、当該アクリル板10が前後方向に連結具34を介して間隔を開けて連結されてなる自立可能なブロック形状の樹脂スタンドである。
【0063】
第4実施形態の樹脂スタンド4で使用するアクリル板10(10A,10B,10C,10D)及びアクリル板10に表示される図柄60は、第1実施形態の樹脂スタンド1で使用するアクリル板10及びアクリル板10に表示される図柄60と同様に考えることができる。
【0064】
第4実施形態の樹脂スタンド4は、連結具34の構造が第1実施形態の連結具31と異なり、それに伴いアクリル板10に設けられる連結具34の取付座の構造が第1実施形態と異なる。第1実施形態の樹脂スタンド1は、アクリル板10に設けられた連結具31の取付座が凹部20であるのに対して、本実施形態では連結具34の取付座として断面が矩形の貫通孔22(22a、22b、22c、22d)がアクリル板10の4角近傍に設けられている。貫通孔22a、22b、22c、22dは、同一形状・寸法である。
【0065】
連結具34(34A,34B,34C,34D)は、4枚のアクリル板10を連結する断面矩形の連結棒51と、円板状のスペーサ53とで構成される。4つの連結具34は、同一形状・寸法である。
【0066】
連結棒51の断面形状及び大きさは、アクリル板10に設けられた貫通孔22と略同一であり、貫通孔22に隙間なく嵌り込む。連結棒51の長さ(Z方向)は、4枚のアクリル板10と2枚のスペーサ53とを合算した値と同じであり、樹脂スタンド4の奥行き方向(Z方向)の長さと同じである。
【0067】
スペーサ53は、隣り合うアクリル板10の間隔を設けるための部材であり、円板状の板材からなり中央に連結棒51が嵌り込む断面が矩形の貫通孔54が設けられている。この貫通孔54の形状・寸法は、アクリル板10に設けられた貫通孔22と同一である。本実施形態の樹脂スタンド4では、アクリル板10Aとアクリル板10Bとの間、アクリル板10Bとアクリル板10Cとの間にスペーサ53が装着されている。一方、アクリル板10Cとアクリル板10Dとの間にはスペーサ53はなく、アクリル板10Cの背面14とアクリル板10Dの正面13とが接するように配置されている。
【0068】
連結具34は、連結棒51とスペーサ53とが別体であり、構造・形状も第1実施形態の連結具31と異なるものの、連結具34が連結部及びスペーサ部に相当する部材を備え、アクリル板10に嵌り込み連結する機構、位置決め機能、着脱可能な点は、第1実施形態の連結具31と共通する。
【0069】
以上の構成からなる第4実施形態の樹脂スタンド4は、連結具34の構造から連結具34に図柄60を表示できないものの、連結具34が目立たず樹脂スタンド4のデザインがすっきりしているともいえる。その他の樹脂スタンド4の作用・効果は、基本的に第1実施形態の樹脂スタンド1と同じである。
【0070】
図8は、本発明の第5実施形態の樹脂スタンド5及び連結具35の構造を説明するための図であり、(A)は樹脂スタンド5を正面斜め上から見た斜視図、(B)は連結具35の斜視図である。
図8において、アクリル板11及び連結具35は、透明であるが、線が交錯するのを避けるため不透明な部材として描き、さらに図柄60を省略している。
図8において、樹脂スタンド5は、水平面に載置された状態であり、連結具35の長手方向がZ軸に平行である。
図1~
図3に示す第1実施形態の樹脂スタンド1、
図7に示す第4実施形態の樹脂スタンド4と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
第5実施形態の樹脂スタンド5は、第1実施形態の樹脂スタンド1と基本構成を同じくし、キャラクタなどの図柄60(図示省略)が表示された4枚のアクリル板11を備え、当該アクリル板11が前後方向に連結具35を介して連結されてなる自立可能なブロック状の樹脂スタンドである。
【0072】
第5実施形態の樹脂スタンド5は、アクリル板11(11A,11B,11C,11D)が円板形状である点で他の実施形態の樹脂スタンドと異なるものの、アクリル板11に関するその他の点及びアクリル板11に表示される図柄60は、第1実施形態の樹脂スタンド1で使用するアクリル板10及びアクリル板10に表示される図柄60と同様に考えることができる。
【0073】
第5実施形態の樹脂スタンド5の連結具35(35A,35B)は、スペーサがないものの第4実施形態の連結具34と同様の連結棒51を有する。連結具35が嵌め込まれる貫通孔22は、アクリル板11に対して中心点を挟み対向する位置に設けられている。第5実施形態の樹脂スタンド5は、隣り合うアクリル板11が接するように配列されているので、2つの連結具35でアクリル板11を堅固に連結させることができる。
【0074】
アクリル板11に設ける貫通孔22(22a,22b)、連結具35を構成する連結棒51の形状・寸法等は、第4実施形態のアクリル板10に設ける貫通孔22、連結具34を構成する連結棒51と同様に考えればよい。
【0075】
連結具35は、スペーサ部を備えていない点で他の実施形態の連結具と異なるもののアクリル板11に嵌り込み連結する機構、位置決め機能、着脱可能な点は、他の実施形態の連結具と共通する。
【0076】
以上の構成からなる第5実施形態の樹脂スタンド5は、連結具35の構造から連結具35に図柄60を表示できないものの、連結具35が目立たず樹脂スタンド5のデザインがすっきりしているともいえる。その他の樹脂スタンド5の作用・効果は、基本的に第1実施形態の樹脂スタンド1と同じである。
【0077】
以上、第1~第5実施形態の樹脂スタンド1,2,3,4,5を用いて本発明に係る樹脂スタンドを説明したが、本発明に係る樹脂スタンドは、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
【0078】
上記実施形態の樹脂スタンド1,2,3,4,5では、着脱式の連結具31,32,33,34,35を使用したが、固定式の連結具を使用してもよい。また樹脂スタンド1,2,3,4,5を安価に製作するのであれば複数枚のアクリル板10,11、さらにはスペーサ53を直接、接着剤で連結させてもよい。この場合は、接着剤がアクリル板10,11の連結手段である。
【0079】
上記実施形態の樹脂スタンド1,2,3,4,5は、外観形状が長方体形状、立方体形状、円柱形状のブロック体であるが、本発明に係る樹脂スタンドは、ブロック状でかつ自立可能であればよく、外観形状は、上記以外の形状であってもよい。例えば台形のアクリル板10を前後方向に並べてなる角錐体、半円状のアクリル板10を前後方向に並べてなる蒲鉾形状の樹脂スタンドであってもよい。
【0080】
図面を参照しながら好適な樹脂スタンドについて説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0081】
1,2,3,4,5 樹脂スタンド
10,10A,10B,10C,10D,10E アクリル板
11,11A,11B,11C,11D アクリル板
13 正面
14 裏面(背面)
20,20a,20b,20c,20d 凹部
22,22a,22b,22c,22d 貫通孔
31,31A,31B,31C,31D 連結具
32,32A,32B,32C,32D 連結具
33,33A,33B,33C,33D 連結具
34,34A,34B,34C,34D 連結具
35,35A,35B 連結具
40 連結部
41 表面(おもて面)
42 裏面
45 スペーサ部
46 爪
50 空間部
51 連結棒
53 スペーサ
54 貫通孔
60 図柄
61 背景図
Δt 隣り合うアクリル板の間隔