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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006277
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無線信号測定システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20250109BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20250109BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W24/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106971
(22)【出願日】2023-06-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)「電波利活用強靭化に向けた周波数創造技術に関する研究開発及び人材育成プログラム(196000002)」に関わる研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】石▲ざき▼ 雅之
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
(57)【要約】
【課題】探索エリアに存在する無線局に関する測定を効率的に実施することが可能な無線信号測定システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る無線信号測定システムは、観測対象となるWRANシステムが有する複数のWRAN無線局に関する測定を実施するための無線信号測定装置(3)を備える。無線信号測定装置(3)は、WRANシステムに接続することなく、探索エリア内のWRAN無線局(例えば、WRAN移動局1(2-1)、WRAN移動局3(2-3))からの無線信号を受信し、当該無線信号に基づいて、その送信元のWRAN無線局を識別する無線局識別情報を取得すると共に、探索エリア内に存在するWRAN無線局の台数を算出する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測対象となる無線システムが有する複数の無線局に関する測定を無線信号測定装置により実施する無線信号測定システムであって、
前記無線信号測定装置は、前記無線システムに接続することなく、探索エリア内の無線局からの無線信号を受信し、当該無線信号に基づいて、その送信元の無線局を識別する無線局識別情報を取得すると共に、前記探索エリア内に存在する無線局の台数を算出することを特徴とする無線信号測定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線信号測定システムにおいて、
前記無線信号測定装置は、
前記受信した無線信号に基づいて、前記送信元の無線局に関する同期処理を行い、
前記受信した無線信号におけるMAP情報に基づいて、前記送信元の無線局の無線局識別情報を取得しつつ、前記探索エリア内に存在する無線局の台数を算出し、
前記受信した無線信号におけるプリアンブルに基づいて、前記送信元の無線局に関する無線伝搬特性データを測定し、
前記無線局識別情報および前記無線伝搬特性データをネットワークインタフェースにより出力することを特徴とする無線信号測定システム。
【請求項3】
請求項2に記載の無線信号測定システムにおいて、
前記無線信号測定装置から前記無線局識別情報および前記無線伝搬特性データを収集するデータ収集サーバを更に備えたことを特徴とする無線信号測定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の無線信号測定システムにおいて、
同一拠点または異なる拠点に設置された複数の無線信号測定装置を有し、
前記データ収集サーバは、前記複数の無線信号測定装置から前記無線局識別情報および前記無線伝搬特性データを収集することを特徴とする無線信号測定システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観測対象となる無線システムが有する複数の無線局に関する測定を実施する無線信号測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、無線局が送信する無線信号から受ける干渉の影響を把握したり、干渉を回避したりするためには、周辺環境の無線局の存在を把握することが重要である。例えば、新規無線局を同一ユーザのシステムに接続する場合に、接続可能な無線局が電波の到達範囲内に存在しているのかどうかや、接続可能な無線局が何台存在しているのかなどを、事前に把握することが重要である。また、干渉の回避のために、他ユーザの無線局の存在を把握することも重要である。
【0003】
近年では、無線局の存在を確認するだけでなく、受信した無線信号を解析し、無線局の位置を推定する技術が研究されている(非特許文献1)。また、下り信号から無線局識別情報を取得すると共に遅延プロファイルを測定し、遅延プロファイルを用いて無線局の位置を推定する発明が提案されている(特許文献1)。無線通信システムによっては移動通信が可能な場合があるため、時間の経過とともに無線局の存在の有無および台数をモニタし続けることで、無線通信の運用管理に役立てることが可能となる。
【0004】
本提案の説明に先立ち、本提案の対象とする無線通信システムについて説明する。一般社団法人電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)が策定した標準規格ARIB STD-T103では、200MHz帯広帯域移動無線通信を行う無線局の無線設備のうち、可搬型基地局と移動局の間の広帯域移動通信の物理層およびメディアアクセス制御層について規定している。可搬型基地局は電波法上の陸上移動局であるため、必要な場所へ柔軟に設置し、運用することが可能であり、災害現場・事件現場等の主に非常事態発生地域において、現場の映像を対策本部等へ伝送すること等が可能である。ARIB STD-T103準拠の無線通信システムでは、基本的に1つの可搬型基地局と1つ又は複数の移動局で構成され、複数の移動局で構成される場合はスター型のネットワークトポロジが形成される。
【0005】
一方、ARIB STD-T119は、上記ARIB STD-T103が規定する200MHz帯広帯域移動無線通信を行う無線局の無線設備のうち、可搬型無線設備の物理層、メディアアクセス制御層、および無線ネットワーク制御層を規定したものであり、特に、想定される運用形態の一つである多段中継機能について規定している。ARIB STD-T119準拠の無線通信システムであるWRAN(Wireless Regional Area Network)システムは、無線ネットワーク制御用スケジューラと、可搬型基地局と、移動局とを備えたものであり、複数の移動局を備える場合はツリー型(広義で直列接続とスター型も含む)のネットワークトポロジが形成される。以下では、WRANシステムの可搬型基地局を「WRAN基地局」と記載し、WRANシステムの移動局を「WRAN移動局」と記載する。また、WRAN基地局とWRAN移動局をまとめて「WRAN無線局」、または単に「無線局」と記載することがある。
【0006】
図7には、従来のWRANシステムの運用イメージを表す概略図を示してある。図7に示すWRANシステムは、WRAN基地局(1)と、WRAN移動局A(2-1)と、WRAN移動局B(2-2)と、WRAN移動局C(2-3)とを備えている。WRAN基地局(1)には、WRAN移動局A(2-1)とWRAN移動局B(2-2)が無線接続されている。また、WRAN移動局B(2-2)には、WRAN移動局C(2-3)が無線接続されており、多段中継する構成となっている。WRAN移動局A(2-1)~WRAN移動局C(2-3)は、例えば、移動する車両に搭載され、移動しながら無線通信を行うことができる。
【0007】
無線接続において、WRAN基地局に近い方の無線局を「上位局」と呼び、遠い方の無線局を「下位局」と呼ぶ。また、上位局から下位局への無線信号を「下り信号」と呼び、下位局から上位局への無線信号を「上り信号」と呼ぶ。多段中継を行う場合、WRAN移動局は、上位局として、下り信号を送信すると共に上り信号を受信する動作と、下位局として、上り信号を送信すると共に下り信号を受信する動作とを交互に繰り返す。
【0008】
図8に、図7のWRANシステムのネットワークトポロジにおける各無線局の送受信タイミングの一例を示してある。図8において、横軸は時間を表し、縦軸はWRANシステムの各無線局を表し、図中の矢印は無線局間の無線送受信の方向を表している。また、図中の「DL」は下り(ダウンリンク)の送信/受信を表し、「UL」は上り(アップリンク)の送信/受信を表している。
【0009】
WRANシステムでは、無線フレーム単位で無線帯域の割り当てが行われる。図8の例は、例えば、フレーム番号[1]~[3]において、WRAN基地局(1)とWRAN移動局A(2-1)が通信を行い、フレーム番号[4]~[6]において、WRAN移動局A(2-1)とWRAN移動局C(2-3)が通信を行うことを表している。WRAN移動局B(2-2)は、下位局と接続していないが、フレーム番号[13]~[15]において下り信号を送信する。WRAN移動局C(2-3)も同様に、下位局と接続していないが、フレーム番号[7]~[9]において下り信号を送信する。この下り送信には、新たな下位局をWRANシステムに追加するために必要な信号(エントリー信号)が含まれている。図8に示すように、それぞれの無線局が一定の周期で送受信を繰り返しており、WRANシステム全体の送受信の一定周期の繰り返しを「スケジューリングパターン」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2022-135813号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】信学技報,vol.120,No.138,SRW2020-15,pp.31-36,2020年8月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のWRANシステムで無線局の存在を確認する場合の問題点について説明する。まず、図9に示す、従来のWRAN無線局の動作フローチャートを例にして説明する。WRAN無線局は、WRANの無線信号を受信しているかどうかを判定する(ステップS201)。無線信号を受信できていない場合、WRAN無線局は、ステップS201に戻り、無線信号の受信の有無を繰り返し判定する。WRAN信号を受信できている場合、WRAN無線局は、安定した無線通信を行うために、無線信号に対してタイミング、ゲイン、および周波数の同期処理を行う(ステップS202)。この同期処理は、同じ無線局から送信された無線信号について複数フレームかけて実施される場合がある。
【0013】
WRAN無線局は、データ通信が可能な状態に同期した後に、対向の無線局との間で制御メッセージの送受信を行い、WRANシステムへの接続処理を行う(ステップS203)。この接続処理を「ネットワークエントリーシーケンス」と呼ぶ。ネットワークエントリーシーケンスが完了すると、WRAN無線局は、データ通信を開始する(ステップS204)。その後、WRAN無線局は、データ通信を行いながらデータ通信の継続判定を常に行い(ステップS205)、データ通信を終了する場合には、ステップS201の初期状態に遷移する。
【0014】
前述した動作フローチャートのとおり、従来のWRAN無線局は、特定の無線局からの無線信号との同期を維持するように動作する。このため、無線局がWRANシステムのネットワークに接続した後に、通信中の上位局の無線信号、または上位局と下位局が交わす無線信号を受信することは通常動作であり、無線局の存在有無の確認は容易である。
【0015】
ただし、無線局の存在有無を確認する場合において、測定対象の無線局が1つとは限らないため、複数の無線局の無線信号を受信する必要がある。WRANシステムでは、前述した無線帯域の割り当て(例えば、図8)に従って、各無線局が無線フレーム単位で無線送信タイミングを切り替えながら無線通信を行う。しかしながら、従来のWRAN無線局は、通信中の無線局からの無線信号に対する同期を維持するように動作するため、無線フレーム単位で送信元の無線局が切り替わる無線環境では、それぞれの無線局から送信される無線信号を受信することは非常に困難である。
【0016】
次に、不特定の無線局から送信される無線信号を繰り返し測定する機能を有する無線受信装置の問題について説明する。図10には、WRAN無線局の無線信号を測定する従来の無線受信装置の動作フローチャートの一例を示してある。従来の無線受信装置は、WRAN無線局と同様に、WRANの無線信号を受信しているかどうかを判定し(ステップS301)、WRAN信号を受信できている場合に、データ通信が可能な状態となるように同期捕捉処理を行う(ステップS302)。
【0017】
無線受信装置は、同期捕捉処理が完了すると、無線信号の制御メッセージを解析して無線局識別情報を取得し(ステップS303)、更に、無線信号から無線伝搬特性データを測定する(ステップS304)。その後、無線受信装置は、ステップS303で取得した無線局識別情報とステップS304で測定した無線伝搬特性データを、ネットワークインタフェースを介して出力する(ステップ305)。
【0018】
上記の無線受信装置は、無線信号を受信して同期捕捉処理を行い、データ通信が可能な状態に遷移した後、対向する無線局とのネットワークエントリーシーケンスは行わずに、同期捕捉前の状態まで無線受信装置の動作状態を初期化する。無線受信装置はその後、再び別の無線局の無線信号を受信し、同期捕捉処理を行う動作から繰り返す。この動作により、通信中の1台乃至2台の無線局の無線信号だけでなく、不特定の無線局の無線信号を繰り返し受信することを可能としている。
【0019】
このような無線受信装置の問題点について、具体例を挙げつつ説明する。
第1の問題点として、上述した無線受信装置の繰り返し測定周期と、WRANシステムの各無線局の送信周期とが同期することで、測定する無線局の頻度に偏りが生じることが挙げられる。図11には、従来の無線受信装置に到来する無線信号の送信元無線局の一例を示してある。同図では、各無線局の1回あたりの連続送信フレーム数を4フレームとし、無線受信装置の繰り返し測定周期を8フレームとしている。図11に示すWRANシステムのスケジューリングでは、WRAN移動局A(2-1)が4フレーム周期で送信開始と送信停止を繰り返し、WRAN移動局A(2-1)の送信停止中の期間にWRAN移動局B(2-2)とWRAN移動局C(2-3)が交互に送信を行う。無線受信装置は、8フレーム周期で次の無線信号の同期捕捉処理を開始するが、WRANスケジュールに同期しているため、毎回、WRAN移動局A(2-1)の無線信号の同期捕捉を繰り返すことになってしまう。
【0020】
また、屋外無線環境では、常に安定した通信品質を確保できるとは限らないため、ある無線区間においてWRAN移動局A(2-1)の無線信号を受信できなくなる場合がある。そして、上述した無線受信装置の繰り返し測定周期がずれ込み、WRAN移動局B(2-2)とWRAN移動局C(2-3)が交互に同期捕捉されるようになると、今度はWRAN移動局A(2-1)をいつまでも測定できないという状況も起こり得る。
【0021】
無線受信装置の繰り返し測定周期は、無線受信装置の性能によって異なる部分である。また、WRANシステムのスケジューリングパターンは、WRAN無線局の台数やネットワークトポロジ形状、更には各WRAN無線局が保持する送信データ量などにより、運用中に常に更新されるものである。このため、無線受信装置の繰り返し測定周期を最適な1つのパラメータとして定義することは、WRANシステムの制約上、不可能である。
【0022】
第2の問題点として、探索エリアに存在する全無線局の信号の測定が困難であることが挙げられる。ここでは、特徴的なWRANシステムのネットワークトポロジおよびスケジューリングパターンを用いて説明する。図12Aは、5台のWRAN無線局が直列に接続されたネットワークトポロジを表しており、図12Bは、そのときのスケジューリングパターンの一例を示している。
【0023】
無線多段中継では、自局のデータ以外に、自局よりも下位局から通知されたデータも自局の上位局へ伝送する必要がある。そこで、各移動局のデータを基地局まで多段中継で伝送するために、図12Bに例示するように、基地局に近い移動局ほど多くの無線リソース帯域が割り当てられる。このように、直列のネットワークトポロジでより顕著に確認できるが、スケジューリングパターン全体と比べて、最も下位の移動局に対する無線リソース帯域の割り当て比率が非常に小さくなる。図12Bでは、スケジューリングパターン全体が44フレームであるのに対し、最も下位のWRAN移動局D(2-4)に対しては、斜線ハッチパターンで示す4フレームのみが送信に割り当てられている。この場合、無線受信装置の繰り返し測定周期にもよるが、無線リソース帯域の割り当て比率が高い上位局に測定回数が集中してしまい、下位局はたまに測定されるか、場合によっては一度も測定されないという状況が想定される。
【0024】
無線信号による干渉に関連する技術として、無線LAN等でも採用されている衝突回避のアクセス制御方式であるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)がある。CSMA/CAでは、衝突が発生した後の次回送信までの待機時間をランダムに変化させることで、同じ無線局同士による衝突の繰り返しを回避させる。これを利用して、上記の無線受信装置で同期捕捉処理を開始する前に、CSMA/CAと同様にランダムな待機時間を挿入することで、無線局の測定頻度の偏りが軽減する可能性も考えられる。しかしながら、ランダムな待機時間を挿入しても、図12Bに示すような、44フレーム中に4フレームだけ送信するWRAN移動局Dの信号について測定できることを保証できない。
【0025】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、探索エリアに存在する無線局に関する測定を効率的に実施することが可能な無線信号測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る無線信号測定システムは、以下のように構成される。すなわち、本発明に係る無線信号測定システムは、観測対象となる無線システムが有する複数の無線局に関する測定を無線信号測定装置により実施する無線信号測定システムであって、無線信号測定装置は、無線システムに接続することなく、探索エリア内の無線局からの無線信号を受信し、当該無線信号に基づいて、その送信元の無線局を識別する無線局識別情報を取得すると共に、探索エリア内に存在する無線局の台数を算出することを特徴とする。
【0027】
ここで、上記無線信号測定装置は、受信した無線信号に基づいて、送信元の無線局に関する同期処理を行い、受信した無線信号におけるMAP情報に基づいて、送信元の無線局の無線局識別情報を取得し、探索エリア内に存在する無線局の台数を算出し、受信した無線信号におけるプリアンブルに基づいて、送信元の無線局に関する無線伝搬特性データを測定し、無線局識別情報および無線伝搬特性データをネットワークインタフェースにより出力するように構成され得る。
【0028】
また、上記無線信号測定システムは、無線信号測定装置から無線局識別情報および無線伝搬特性データを収集するデータ収集サーバを更に備えるように構成され得る。
【0029】
また、上記無線信号測定システムは、同一拠点または異なる拠点に設置された複数の無線信号測定装置を有し、データ収集サーバは、複数の無線信号測定装置から無線局識別情報および無線伝搬特性データを収集するように構成され得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、探索エリアに存在する無線局に関する測定を効率的に実施することが可能な無線信号測定システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る無線信号測定システムの運用イメージを表す概略図である。
図2】無線信号測定装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】WRANシステムの無線フレーム構成を示す図である。
図4】無線信号測定装置の動作モードに関するタイミングチャートの一例を示す図である。
図5A】無線信号測定装置のメイン処理のフローチャートの一例を示す図である。
図5B図5Aのメイン処理から分岐するサーチ区間処理のフローチャートの一例を示す図である。
図5C図5Aのメイン処理から分岐する測定区間処理のフローチャートの一例を示す図である。
図6】無線信号測定装置が有する無線局管理テーブルの一例を示す図である。
図7】従来のWRANシステムの運用イメージを表す概略図である。
図8】従来のWRAN無線局の送受信タイミングの一例を示す図である。
図9】従来のWRAN無線局の動作フローチャートの一例を示す図である。
図10】従来の無線受信装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
図11】従来の無線受信装置に到来する無線信号の送信元無線局の一例を示す図である。
図12A】5台のWRAN無線局が直列に接続されたネットワークトポロジを示す図である。
図12B図12Aのネットワークトポロジにおけるスケジューリングパターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る無線信号測定システムの運用イメージを表す概略図を示してある。図1に示す無線信号測定システムは、複数のWRAN無線局を有するWRANシステムと、無線信号測定装置(3)と、データ収集サーバ(4)とを備えている。WRANシステムは、WRAN無線局として、WRAN基地局(1)と、WRAN移動局A(2-1)と、WRAN移動局B(2-2)と、WRAN移動局C(2-3)とを有している。
【0033】
WRAN基地局(1)には、WRAN移動局A(2-1)とWRAN移動局B(2-2)が無線接続されている。また、WRAN移動局B(2-2)には、WRAN移動局C(2-3)が無線接続されており、多段中継する構成となっている。WRAN移動局A(2-1)~WRAN移動局C(2-3)は、例えば移動する車両に搭載され、移動しながら無線通信を行うことができる。これらの構成は、図7に示した従来のWRANシステムと同様である。
【0034】
無線信号測定装置(3)は、例えば、WRAN無線局からの無線信号の測定対象となる探索エリアの近傍に配置される。図1の例では、探索エリア内にWRAN移動局1(2-1)およびWRAN移動局3(2-3)が存在している。無線信号測定装置(3)は、探索エリア内に存在する無線局(つまり、WRAN移動局1(2-1)、WRAN移動局3(2-3))からの無線信号を受信可能であるが、探索エリア外の無線局(つまり、WRAN基地局(1)、WRAN移動局2(2-2))からの無線信号は受信不可能である。無線信号測定装置(3)は、WRANシステム内で交わされる無線信号を受信し、その解析および測定の結果として、探索エリア内の無線局の無線局識別情報および無線伝搬特性データを取得する。また、取得した無線局識別情報の数をカウントすることで、探索エリア内の無線局の台数を算出することもできる。無線信号測定装置(3)により取得された無線局識別情報や無線伝搬特性データは、装置内に保存することも、ネットワークインタフェース部を介して装置外へ出力することも可能である。
【0035】
データ収集サーバ(4)は、無線信号測定装置(3)から出力された測定データ(無線局識別情報や無線伝搬特性データ)を収集し、データベース等の記憶装置にて記憶・管理する。図1のデータ収集サーバ(4)は、1台の無線信号測定装置(3)から測定データを収集しているが、同一拠点または異なる拠点に設置された複数の無線信号測定装置(3)から測定データを収集し、集約的に記憶・管理することも可能である。
【0036】
図2には、図1の無線信号測定装置(3)の機能ブロックの一例を示してある。図2の例では、無線信号測定装置(3)は、アンテナ11と、RF部(Radio Frequency)12と、制御部13と、無線局識別情報解析部14と、無線伝搬特性データ測定部15と、ネットワークインタフェース部17とを備えている。
【0037】
無線信号測定装置(3)において、アンテナ11は、WRANシステムの無線信号を受信し、RF部12へ出力する。RF部12は、入力された無線信号をベースバンド信号へ周波数変換し、制御部13と無線局識別情報解析部14と無線伝搬特性データ測定部15へ出力する。
【0038】
制御部13は、入力されたベースバンド信号に基づき、同期処理のための制御情報を計算し、RF部12へ出力する。RF部12は、入力された制御情報を用いて同期処理を行う。無線局識別情報解析部14は、入力されたベースバンド信号における下り信号内のMAP情報を解析して無線局識別情報を取得し、その無線局識別情報をネットワークインタフェース部16へ出力する。無線伝搬特性データ測定部15は、入力されたベースバンド信号における下り信号内のプリアンブルに基づいて無線伝搬特性データを測定し、その無線伝搬特性データをネットワークインタフェース部17へ出力する。ネットワークインタフェース部17は、無線局識別情報解析部14により得た無線局識別情報および無線伝搬特性データ測定部15により得た無線伝搬特性データを無線信号測定装置3から出力する。このとき、ネットワークインタフェース部17は、無線局単位で無線局識別情報と無線伝搬特性データを管理できるように、これらを1つのデータにまとめた構造にして出力する。
【0039】
図3には、WRANシステムの無線フレーム構成を示してある。図3において、縦軸は周波数を表し、横軸は時間を表している。図3に示すように、WRANシステムの無線フレームは、TDD(Time Division Duplex)による複信方式の無線フレームである。無線フレーム周期(10ミリ秒)は、下り信号の送受信を行うDLサブフレーム区間と、上り信号の送受信を行うULサブフレーム区間と、下り信号と上り信号の重なりを回避するためのギャップタイムであるTTG(Transmit/receive Transition Gap)およびRTG(Receive/transmit Transition Gap)とに区分される。
【0040】
DLサブフレーム区間およびULサブフレーム区間の各信号について説明する。DLサブフレーム区間において、プリアンブルは、下り信号の受信処理において、同期処理を行うための信号である。FCH(Frame Check Header)は、MAP情報の構成情報(変調方式、誤り訂正方式、MAPデータサイズなど)を含む信号である。MAP情報は、WRANの制御メッセージであり、DL-MAPおよびUL-MAPで構成される。DL-MAPは、MAPデータ長、無線フレーム番号、無線局識別情報、DLサブフレーム区間長、およびDLデータバースト構成情報を含む領域である。UL-MAPは、ULサブフレーム区間長、およびULデータバースト構成情報を含む領域である。DLデータバースト領域は、下り方向のユーザデータを含む領域である。URサブフレーム区間において、レンジング領域は、下位局からの上り信号の同期処理に必要な信号を含む領域である。ULデータバースト領域は、上り方向のユーザデータを含む領域である。
【0041】
本例の無線信号測定装置(3)は、下り信号を測定対象として、上述したDL-MAP内から無線局識別情報を取得し、上述したプリアンブルに基づいて無線伝搬特性データを測定する。無線信号測定装置(3)は、図1に示す探索エリア内に存在するWRAN無線局からの無線信号を受信可能とし、下り信号を測定対象としている。このため、図8に示した各無線局の送受信タイミングにおけるフレーム番号[4]~[9]のWRAN移動局A(2-1)およびWRAN移動局C(2-3)から送信される下り信号が、無線信号測定装置(3)による測定対象となる。
【0042】
以下、本例の無線信号測定システムにおける無線信号測定方法について説明する。図4には、無線信号測定装置(3)の動作モードに関するタイミングチャートの一例を示してある。図4は、無線信号測定装置(3)が、サーチ区間と測定区間という2つの動作モードを交互に繰り返すことを表している。図4の上部に示すように、サーチ区間および測定区間はいずれも、無線フレーム周期(10ミリ秒)やWRANスケジューリングパターンよりも十分長い時間で構成されている。
【0043】
サーチ区間および測定区間のそれぞれの役割について説明する。サーチ区間では、探索エリアに存在する無線局を検出し、測定区間では、サーチ区間で検出された無線局の情報に従い、それら無線局の測定頻度に偏りが生じないように無線局を選別しながら無線伝搬特性データの測定を行い、ネットワークインタフェースを介してデータ出力する動作を繰り返す。ここで、前記の偏りの生じない選別方法について説明する。例えば、サーチ区間で検出した全ての無線局について、測定区間ではそれぞれ1回ずつ検出できるまで測定を繰り返す。その際、全無線局の測定が完了する前に、測定済みの無線局を検知した場合においては、その無線局の無線伝搬特性データの測定をスキップし、未検出の無線局を検知するように動作を継続する。その後も同条件においてはスキップを繰り返しながら、すべての無線局の測定を完了させる。この動作により、特定の無線局の測定回数の急増や、1回も測定できない無線局の存在を回避することが可能となる。また、上記では、1回測定した後はスキップする動作について説明しているが、その測定回数を2回以上に増やすことで、スキップ回数を減らす、または、長期的にみて偏りがなければ、瞬間的な測定回数の偏りを許容する等の調整を行うことも可能である。
【0044】
次に、無線信号測定装置(3)の動作について、図5A図5Cに示すフローチャートを用いて説明する。図5Aには、無線信号測定装置(3)におけるメイン処理のフローチャートの一例を示してある。無線信号測定装置(3)は、WRAN無線局と同様に、WRANの無線信号を受信しているかどうかを判定し(ステップS101)、WRAN信号を受信できている場合に、データ通信が可能な状態となるように同期捕捉処理を行う(ステップS102)。
【0045】
その後、無線信号測定装置(3)は、無線信号測定装置のタイマ制御の状態に応じて、サーチ区間処理または測定処理への分岐を行う(ステップS103)。すなわち、サーチ区間中にはサーチ区間処理(ステップS104)へ分岐し、測定区間中には測定区間処理(ステップS105)へ分岐する。なお、タイマ制御の詳細については後述する。
【0046】
図5Bには、上記メイン処理から分岐するサーチ区間処理(ステップS104)のフローチャートの一例を示してある。サーチ区間処理において、無線信号測定装置(3)は、受信した下り信号内のMAP情報の解析を行い、無線局識別情報を取得する(ステップS121)。その後、無線信号測定装置(3)は、取得した無線局識別情報に基づいて、後述の無線局管理テーブル(図6)を更新する(ステップS122)。
【0047】
図5Cには、上記メイン処理から分岐する測定区間処理(ステップS105)のフローチャートの一例を示してある。測定区間処理において、無線信号測定装置(3)は、サーチ区間処理と同様に、受信した下り信号内のMAP情報の解析を行い、無線局識別情報を取得する(ステップS141)。その後、無線信号測定装置(3)は、取得した無線局識別情報をキーにして無線局管理テーブルを参照し、今回検出した無線局に関する無線伝搬特性データが未測定か測定済みかを判定する(ステップS142)。
【0048】
無線伝搬特性データが未測定と判定された場合、無線信号測定装置(3)は、受信した下り信号内のプリアンブルに基づいて無線伝搬特性データを測定し(ステップS143)、今回の測定で得られた無線局識別情報および無線伝搬特性データをネットワークインタフェースから出力する(ステップS144)。また、無線信号測定装置(3)は、今回の測定で得られた無線局識別情報および無線伝搬特性データに基づいて、無線局管理テーブルを更新する(ステップS145)。なお、前述の判定(ステップS142)において、無線伝搬特性データが測定済みと判定された場合は、これらステップS143~S145の処理が省略される。
【0049】
次に、本例の無線信号測定装置(3)により実施される3つのタイマ制御について説明する。第1のタイマは、「サーチ区間の終了待ちタイマ」であり、サーチ区間の開始時に初期化され、サーチ区間分の計時をスタートする。第1のタイマの満了時には、測定区間へと遷移して、第2のタイマの制御に移行する。第2のタイマは、「サーチ区間と測定区間の切り替えタイマ」であり、測定区間の開始時に初期化され、測定区間分の計時をスタートする。第2のタイマの満了時には、サーチ区間へと遷移して、第1のタイマ(サーチ区間の終了待ちタイマ)の制御に移行する。これら2つのタイマ制御によって、サーチ区間と測定区間を交互に繰り返す動作が実現される。
【0050】
第3のタイマは、「測定区間での全無線局測定完了待ちタイマ」であり、測定区間の開始時に初期化され、サーチ区間で検出された全ての無線局の無線伝搬特性データの測定のために設定された時間分の計時をスタートする。測定区間では、サーチ区間で検出された全ての無線局を対象にして、1台ずつ無線伝搬特性データの測定を行う。そして、第3のタイマの満了時に、第3のタイマを初期化し直して計時を再開し、各無線局の無線伝搬特性データの測定処理を繰り返す。なお、第3のタイマの満了時に無線伝搬特性データを測定できなかった無線局が存在する場合には、その無線局を以降の測定対象から外して第3のタイマを再開し、残された無線局について無線伝搬特性データの測定処理を繰り返すようにしてもよい。
【0051】
次に、無線信号測定装置(3)が有する無線局管理テーブルについて説明する。図6には、無線局管理テーブルの一例を示してある。図6の無線局管理テーブルは、横方向に表す各レコード(行)が各無線局に対応し、縦方向に表す各項目(列)がその無線局に関する各パラメータ(情報やステータス)を表している。
【0052】
無線局管理テーブルの一番左の項目である「No.」には、無線局単位で昇順に割り付けられる番号が格納される。なお、無線局管理テーブルには、同時に測定対象とする無線局数分のサイズが必要となる。無線局管理テーブルの左から2番目の項目である「無線局識別情報」には、サーチ区間で検出された無線局の無線局識別情報が格納される。サーチ区間内で同一の無線局が検出された場合、その無線局識別情報の追加や更新は不要である。無線信号測定装置(3)は、無線局管理テーブルの「無線局識別情報」が格納されているレコード数をカウントすることで、探索エリア内の無線局の台数を算出することができる。
【0053】
無線局管理テーブルの左から3番目の項目である「サーチ区間中の測定状態」は、サーチ区間の開始時に、全ての無線局について“未測定”に初期化される。その後、サーチ区間中に無線局が検出される毎に、その無線局の「サーチ区間中の測定状態」が“測定済”に更新される。サーチ区間内で同じ無線局が検出された場合、その無線局の「サーチ区間中の測定状態」は既に“測定済”となっているので更新不要である。サーチ区間では、無線伝搬特性データを測定せずに無線フレーム周期で無線局識別情報を取得できるので、無線リソース帯域の少ない無線局についても、無線識別情報を抜けることなく取得することができる。
【0054】
無線局管理テーブルの一番右の項目である「測定区間中の測定状態」は、測定区間の開始時に、「サーチ区間中の測定状態」が“測定済”の全ての無線局について“未測定”に初期化される。その後、測定区間中に無線伝搬特性データが測定される毎に、その無線局の「測定区間中の測定状態」が“測定済”に更新される。測定区間において、サーチ区間で検出された全ての無線局の無線伝搬特性データの測定のために設定された時間(第3のタイマ)が経過すると、「サーチ区間中の測定状態」が“測定済”の全ての無線局の「測定区間中の測定状態」が“未測定”に初期化され、無線伝搬特性データの測定が繰り返される。このようなテーブル管理により、無線信号測定装置(3)は、サーチ区間で検出した全ての無線局について、測定区間における無線伝搬特性データの測定を、無線局の偏りなく繰り返し実施することができる。例えば、図12Bに示したWRAN移動局Dのように、確率的に検知される頻度が低い無線局が存在していても、サーチ区間で検知してリストに追加されていれば、測定区間の繰り返し測定動作において、第3のタイマが満了するまでは、WRAN移動局Dを検知できるまで待つ動作を行うことを可能としており、結果的に、サーチ区間で検知した全ての無線局について、測定区間で偏りなく測定することが可能となる。
【0055】
次に、測定区間で発生することが想定される、2つの特別な状況での無線局管理テーブルの更新について説明する。
第1の状況は、サーチ区間で測定していない無線局が測定区間で測定されたときの状況である。第1の状況において、無線信号測定装置(3)は、測定区間で取得された無線局識別番号を無線局管理テーブルの「無線局識別番号」に追加し、その無線局の「サーチ区間中の測定状態」を“測定済”に更新する。そして、無線伝搬特性データを測定した後、ネットワークインタフェース経由でデータ出力した後、その無線局の「測定区間中の測定状態」を“測定済”に更新する。
【0056】
第2の状況は、サーチ区間で測定した無線局がいつまでも測定できないときの状況である。第2の状況において、無線信号測定装置(3)は、第3のタイマが満了したときに、測定できなかった全ての無線局を無線局管理テーブルから削除する。具体的には、削除する無線局に対応する「サーチ区間中の測定状態」を“未測定”に更新し、「測定区間中の測定状態」を“未測定”に更新する。この無線局管理テーブルからの削除により、測定できなかった無線局は、サーチ区間で測定できなかった状態と同じステータスとなり、測定区間の繰り返し測定時において、測定できなくても待たなくなり、デッドロックを回避することが可能となる。この削除された無線局が再び測定された場合は、前述の第1の状況と同じ流れで、無線局管理テーブルへの更新を行う。このように、サーチ区間の結果だけでなく、測定区間中の測定状況に応じて、無線局管理テーブルを柔軟に更新しながら動作することで、各無線局の測定回数の偏りを回避し、かつ、全無線局の測定回数を増やすことが可能となる。
【0057】
以上のように、本例の無線信号測定システムは、観測対象となるWRANシステムが有する複数のWRAN無線局に関する測定を実施するための無線信号測定装置(3)を備える。無線信号測定装置(3)は、WRANシステムに接続することなく、探索エリア内のWRAN無線局(例えば、WRAN移動局1(2-1)、WRAN移動局3(2-3))からの無線信号を受信し、当該無線信号に基づいて、その送信元のWRAN無線局を識別する無線局識別情報を取得すると共に、探索エリア内に存在するWRAN無線局の台数を算出する。このような構成により、探索エリアに存在するWRAN無線局の無線局識別情報や台数を適切に把握することができる。したがって、探索エリアに存在するWRAN無線局からの無線信号に関する測定を効率的に実施することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、その他の様々な実施形態をとることが可能であると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等の種々の変形を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0059】
また、本発明は、上記の説明で挙げたような装置や、これら装置で構成されたシステムとして提供することが可能なだけでなく、これら装置により実行される方法、これら装置の機能をプロセッサにより実現させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、観測対象となる無線システムが有する複数の無線局に関する測定を実施する無線信号測定システムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1:WRAN基地局、 2:WRAN移動局、 3:無線信号測定装置、 4:データ収集サーバ、 11:アンテナ、 12:RF部、 13:制御部、 14:無線局識別情報解析部、 15:無線伝搬特性データ測定部、 16:ネットワークインタフェース部

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B