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2025-62832情報処理システム、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラム
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  • -情報処理システム、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062832
(43)【公開日】2025-04-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04886 20220101AFI20250408BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
G06F3/04886
G06F3/023 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172128
(22)【出願日】2023-10-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 匡彦
【テーマコード(参考)】
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA04
5B020BB02
5B020FF53
5E555AA13
5E555AA67
5E555BA01
5E555BA14
5E555BA45
5E555BB01
5E555BB14
5E555BC08
5E555BC19
5E555BD01
5E555CA02
5E555CA13
5E555CA14
5E555CA22
5E555CB02
5E555CB12
5E555CB37
5E555CB52
5E555CB53
5E555CB74
5E555CC05
5E555CC19
5E555DB20
5E555DB25
5E555DC13
5E555DC84
5E555EA14
5E555EA16
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザのタッチに対してキーボードを表示するまでに要する時間を短縮する技術を提供する。
【解決手段】通信装置と、前記通信装置からの要求に基づいて前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、を備え、前記通信装置は、前記描画結果における前記テキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段とを備える。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と、前記通信装置からの要求に基づいて前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記通信装置は、
前記描画結果における前記テキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記通信装置において入力された前記テキスト入力領域への入力データを前記通信装置から受信する受信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記テキスト入力領域の情報は、前記テキスト入力領域に適用されるスタイル情報を含み、
前記起動手段は、前記キーボードに前記スタイル情報を反映することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記テキスト入力領域は、任意の座標と、幅と、高さとによって規定される矩形であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記入力操作は、タッチ操作であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記解析手段は、前記Webページを提供するWebサーバからHTMLを取得して解析することにより、前記テキスト入力領域を判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
通信装置からの要求に基づいて、前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置であって、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置から受信したWebページの描画結果を表示する通信装置であって、
前記描画結果におけるテキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
通信装置からの要求に基づいて、前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置の制御方法であって、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析工程と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
情報処理装置から受信したWebページの描画結果を表示する通信装置の制御方法であって、
前記描画結果におけるテキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信工程と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付工程と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定工程と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラムに関し、特に、UI(User Interface)の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HTML(https://html.spec.whatwg.org)を用いて画面を描画する技術が知られている。HTMLを処理するアプリケーションはブラウザと呼ばれ、HTML仕様に従って描画を行う。
【0003】
近年、クラウドサービス上でアプリを実行することが可能になり、ユーザの手元の機器からユーザの操作情報をクラウドサービス上のアプリに送信し、アプリの処理結果を機器が受信してユーザに表示することが可能になった。
【0004】
クラウドブラウザは、クラウドサービスのアプリ実行環境で実行されるブラウザである。クラウドブラウザは、機器からのリクエストに応じて描画を行い、同じクラウドサービスのデータベースに描画結果を保存する。機器は、描画結果をデータベースから取得し、機器の画面に表示する。
【0005】
ここで、HTMLに入力フォームが含まれる場合、ユーザが画面上の入力フォームをタッチすると、機器はタッチイベントをクラウドブラウザに送信する。これは、機器上には描画結果だけがあり、入力フォームに関する情報がないためである。クラウドブラウザは、タッチイベントを処理し、タッチされた要素が入力フォームであるかどうかの情報を機器に返信する。入力フォームであった場合、機器は、画面にオンスクリーンキーボードを表示する。
【0006】
しかし、ユーザがタッチした箇所が入力フォームかどうかの判定を行う際に、機器とクラウドブラウザとの間の通信に時間が必要であるため、ユーザのタッチからキーボードの表示までに遅れが発生する。これに対して、特許文献1は、画像をOCR(Optical Character Recognition)して入力可能な個所を判定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-059248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術はOCRを用いるものであり、入力フォームの正確な位置・サイズを反映できず、さらに、OCR処理に時間を要するという課題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、クラウドブラウザを利用する場合に、ユーザのタッチに対してキーボードを表示するまでに要する時間を短縮する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成する本発明の一態様による情報処理システムは、
通信装置と、前記通信装置からの要求に基づいて前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記通信装置は、
前記描画結果における前記テキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クラウドブラウザを利用する場合に、ユーザのタッチに対してキーボードを表示するまでに要する時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るクラウドサーバの構成の一例を示す模式図。
図2】一実施形態に係るクラウドサーバの処理の一例を示すフローチャート。
図3】一実施形態に係る機器の構成の一例を示す模式図。
図4】一実施形態に係る機器の処理の一例を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係るクラウドブラウザが取得するHTMLの一例を示す図。
図6】一実施形態に係るクラウドブラウザが生成する描画結果の一例を示す図。
図7】一実施形態に係るクラウドブラウザが生成するテキスト入力後の描画結果の一例を示す図。
図8】一実施形態に係るオンスクリーンキーボードの一例を示す図。
図9】一実施形態に係る情報処理システムでの処理シーケンスの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
本実施形態では、クラウドサーバが、テキスト入力領域が描画結果のどこに存在するかに関する情報を、描画結果と一緒に機器に送信することで、テキスト入力領域をタッチされた際に機器がキーボードを短時間で起動することができるようにする例を説明する。
【0015】
<構成>
図1は、本実施形態に係るクラウドサーバの概要を示した構成図である。クラウドサーバ101は、情報処理装置として機能し、CPU108、ROM102、RAM103、外部記憶部104、入力部105、及びネットワーク接続インタフェース107を備える。クラウドサーバ101の外部記憶部104に仮想マシンが保存されており、RAM103にロードして仮想マシンが起動される。
【0016】
クラウドブラウザは仮想マシン上で実行される。ネットワーク接続インタフェース107を介して指定されるURLに基づいて外部のWebサーバにアクセスして、Webページを構成するコンテンツを取得し、当該コンテンツを処理した結果を描画結果としてRAM103に出力する。
【0017】
CPU108は、1つ以上のCPUで構成されるシステム制御部であり、装置全体を制御する。ROM102は、CPUの制御プログラムや各種固定データを格納する。RAM103は、SRAM、DRAM等で構成され、プログラム制御変数等を格納する。また、各種設定パラメータ、各種ワーク用バッファもRAM103に格納される。
【0018】
外部記憶部104は、ハードディスク等で構成され、文書や画像などのファイルデータを格納する。入力部105は、キーボード、タッチパネル等で構成され、オペレータが各種入力操作を行うためのものである。ネットワーク接続インタフェース107は、ネットワークに接続するためのインタフェースである。接続方法としてはLAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)等がある。なお、図1に示した構成は、本実施形態に係る描画装置として機能するクラウドサーバの一部を示したものである。また、ソフトウェア等で本実施形態を実現する場合等には、図1の各ブロックを必ずしも装置内に持っていなくてもよい。
【0019】
<機器の構成>
続いて、図3は、本実施形態に係る機器の概要を示した構成図である。機器301は、通信装置として機能し、CPU308、ROM302、RAM303、外部記憶部304、入力部305、表示部306、ネットワーク接続インタフェース307、スキャナ部309、及び印刷部310を備える。
【0020】
CPU308は、1つ以上のCPUで構成されるシステム制御部であり、装置全体を制御する。ROM302は、CPUの制御プログラムや各種固定データを格納する。RAM303は、SRAM、DRAM等で構成され、プログラム制御変数等を格納する。また、各種設定パラメータ、各種ワーク用バッファもRAM303に格納される。
【0021】
外部記憶部304は、ハードディスク等で構成され、文書や画像などのファイルデータを格納する。入力部305は、キーボード、タッチパネル等で構成され、オペレータが各種入力操作を行うためのものである。表示部306は、ユーザに対してUIを表示するためのものである。ネットワーク接続インタフェース307は、ネットワークに接続するためのインタフェースである。接続方法としてはLAN、USB等がある。スキャナ部309は、紙文書をスキャンする。印刷部310は、文書や画像などを印刷する。図3に示した構成は、本実施形態に係る機器の一部を示したものである。また、ソフトウェア等で本実施形態を実現する場合等には、図3の各ブロックを必ずしも装置内に持っていなくてもよい。
【0022】
<クラウドサーバの処理>
以下、図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係るクラウドサーバ101の動作を説明する。
【0023】
S201において、クラウドサーバ101は、ネットワーク接続インタフェース107を介してURLを受け取る。受け取ったURLの情報はRAM103に保存される。
【0024】
S202において、クラウドサーバ101は、受け取ったURLに基づき、ネットワーク接続インタフェース107を介してWebページを提供するWebサーバからHTMLを取得する。HTMLは、例えば図5のようになる。取得したHTMLはRAM103に保存される。
【0025】
S203において、クラウドサーバ101は、取得したHTMLを解析する。HTMLが外部のCSSやJavaScriptを参照している場合、それらもネットワーク接続インタフェース107を介して取得したうえで解析を行う。解析結果には、HTMLにテキスト入力が必要な<input>要素が含まれているかどうかの情報が含まれる。解析結果は、RAM103に保存される。
【0026】
S204において、クラウドサーバ101は、解析結果に基づいてHTMLを描画する。描画結果は、例えば図6のようになる。本実施形態において、表示部306の画面解像度は、600×480に固定されているが、可変であってもよい。可変の場合、画面解像度は、後述する図4のS401でURLとともに送信されていてもよい。描画結果は、画像ファイルとしてRAM103に保存される。画像ファイルは、JPEGであってもよいし、PNGであってもよい。
【0027】
S205において、クラウドサーバ101は、描画結果にテキスト入力領域が含まれるかどうかを判定する。含まれる場合、S206へ進む。一方、含まれない場合、S211へ進む。テキスト入力領域は、HTMLでは<input>要素として表現される。テキスト入力領域が含まれるかどうかの判定には、RAM103に保存した解析結果を用いる。
【0028】
S206において、クラウドサーバ101は、テキスト入力領域が描画結果内のどこに位置するかを計算する。本実施形態において、HTMLには、ユーザ名を入力する第1のテキスト入力領域と、パスワードを入力する第2のテキスト入力領域とが含まれる。本実施形態において、テキスト入力領域は、任意の座標と、幅と、高さとによって規定される矩形であり、例えば、描画結果左上を原点とする矩形であり、矩形の左上の座標と幅と高さによって規定される。計算にはDOM APIのgetBoundingClientRect()などを用いることができる。
【0029】
第1のテキスト入力領域は、x座標8、y座標8、幅180、高さ20の矩形である。第2のテキスト入力領域は、x座標8、y座標28、幅180、高さ20の矩形である。また、テキスト入力領域は、CSSやJavaScriptにより拡大・縮小・回転などの変形が行われていてもよい。また、テキスト入力領域情報には、<input>要素の属性であるtype属性やplaceholder属性などの情報を含めてもよい。placeholderは、未入力時に表示されている文字列である。また、テキスト入力領域情報には、<input>要素に適用される色や枠線の幅などのCSSをスタイル情報として含めてもよい。
【0030】
S207において、クラウドサーバ101は、ネットワーク接続インタフェース107を介して、描画結果とテキスト入力領域情報とを機器301へ送信する。送信時にデータを圧縮してもよい。また、描画結果とテキスト入力領域情報とをネットワーク上に保存し、そのURLを機器301に送信するように構成してもよい。
【0031】
S208において、クラウドサーバ101は、ネットワーク接続インタフェース107を介して、機器301からタッチイベントとテキスト入力イベントを受信したかどうかを判定する。受信した場合、S209へ進む。受信していない場合、処理を終了する。
【0032】
S209において、クラウドサーバ101は、受信したイベントを処理する。本実施形態においては、第1のテキスト入力領域に対してタッチイベントが発生しているため、第1のテキスト入力領域がテキスト入力状態になる。さらに、クラウドサーバ101は、テキスト入力イベントを処理する。本実施形態においては、ユーザがユーザ名を入力しているので、第1のテキスト入力領域にユーザ名が入力される。クラウドサーバ101は、新たなHTMLの状態を反映して描画結果を生成し、RAM103に保存する。描画結果は、例えば図7のようになる。図7の例では、ユーザ名としてbobが入力されている。
【0033】
S210において、クラウドサーバ101は、ネットワーク接続インタフェース107を介して描画結果を機器301に送信する。S211において、クラウドサーバ101は、ネットワーク接続インタフェース107を介して、描画結果を機器301に送信する。以上が図2の一連の処理である。
【0034】
<機器の処理>
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る機器301の動作を説明する。まず、ステップ401において、機器301は、ネットワーク接続インタフェース307を介してURLを送信する。通信プロトコルはHTTPであってもよいし、HTTPSであってもよい。
【0035】
S402において、機器301は、ネットワーク接続インタフェース307を介してデータを受信する。データは、描画結果を含み、更に、テキスト入力領域情報を含み得る。受信したデータは、RAM303に保存される。
【0036】
S403において、機器301は、受信したデータに含まれる描画結果を表示部306に表示する。本実施形態においては、表示部306の画面解像度は、600×480であるため描画結果をそのまま表示するが、画面解像度が一致しない場合は描画結果を拡大縮小してもよい。その場合、テキスト入力領域にも同様の拡大縮小を適用する。
【0037】
S404において、機器301は、受信したデータにテキスト入力領域情報が含まれるかどうかを判定する。含まれる場合、S405へ進む。一方、含まれない場合、処理を終了する。
【0038】
S405において、機器301は、ユーザが描画結果をタッチしたかどうかを判定する。タッチされた場合、S406へ進む。一方、タッチされない場合、処理を終了する。なお、タッチされない場合とは、例えばタッチされない状態が一定時間経過した場合であってもよい。入力部305は、タッチされた座標を、描画結果の左上を原点とした座標として、RAM303に保存する。本実施形態において、入力部305はタッチスクリーンであり、ユーザがタッチスクリーンを指でタッチしたかどうかを判定する。また、入力部305はペン入力であってもよいし、マウス入力であってもよい。
【0039】
S406において、機器301は、ユーザがテキスト入力領域をタッチしたかどうかを判定する。タッチした座標がテキスト入力領域の矩形に含まれている場合、S407へ進む。一方、タッチした座標がテキスト入力領域の矩形に含まれていない場合、処理を終了する。
【0040】
S407において、機器301は、ユーザからのテキスト入力を受け付ける。本実施形態においては、表示部306にオンスクリーンキーボードを表示し、ユーザは入力部305であるタッチスクリーンへのタッチ入力によってテキストを入力する。また、ユーザは、機器301に接続されたハードウェアキーボードをタイピングしてテキストを入力してもよい。また、ユーザは、音声認識によってテキストを入力してもよい。
【0041】
また、テキスト入力領域にCSSなどのスタイル情報が含まれる場合、オンスクリーンキーボードにスタイル情報を反映してもよい。例えば、<input>要素のplaceholder属性をオンスクリーンキーボードの入力エリアに反映した場合、表示部306の表示は図8のようになる。このように、入力フォームに適用されるHTML属性・CSS情報をテキスト入力領域の情報に追加して機器301側で再現することにより、ユーザに対する表示の一貫性を向上させることが可能となる。
【0042】
S408において、機器301は、ネットワーク接続インタフェース307を介して、タッチイベントの情報とテキスト入力イベントの情報をクラウドサーバ101へ送信する。タッチイベントの情報は、ユーザがタッチした座標の情報を含む。テキスト入力イベントの情報は、ユーザがオンスクリーンキーボードで入力したテキストの情報を含む。
【0043】
S409において、機器301は、ネットワーク接続インタフェース307を介して描画結果を受信し、表示部306に表示する。以上が図4の一連の処理である。
【0044】
<処理シーケンス>
続いて、上述したクラウドサーバ101(情報処理装置)と機器301(通信装置)とを含む情報処理システムでの処理シーケンスについて、図9のシーケンス図を用いて説明を行う。
【0045】
F901において、ユーザは、機器301を操作してURLの情報を入力する。F902において、機器301は、入力されたURLの情報をクラウドサーバ101へ送信する。F903において、クラウドサーバ101は、受信したURLに基づいて、ネットワーク接続インタフェース107を介してHTMLを取得して解析する。
【0046】
F904において、クラウドサーバ101は、解析結果に基づいてHTMLを描画する。そして、クラウドサーバ101は、描画結果にテキスト入力領域が含まれるかどうかを判定し、含まれる場合にはテキスト入力領域が描画結果内のどこに位置するかを計算する。F905において、クラウドサーバ101は、描画結果と、(描画結果にテキスト入力領域が含まれる場合には)テキスト入力領域情報とを、機器301へ送信する。
【0047】
F906において、機器301は、受信したデータに含まれる描画結果を表示部306に表示する。F907において、ユーザは、機器301を操作してタッチ操作を行う。F908において、機器301は、タッチ位置がテキスト入力領域であるかどうかを判定する。
【0048】
F909において、機器301は、タッチ位置がテキスト入力領域である場合、表示部306にオンスクリーンキーボードを表示する。F910において、ユーザは、機器301を操作して、入力部305であるタッチスクリーンへのタッチ入力によってテキストを入力する。
【0049】
F911において、機器301は、タッチイベントの情報と、テキスト入力イベントの情報とをクラウドサーバ101へ送信する。タッチイベントの情報は、ユーザがタッチした座標の情報を含む。テキスト入力イベントの情報は、ユーザがオンスクリーンキーボードで入力したテキストの情報を含む。
【0050】
F912において、クラウドサーバ101は、機器301から受信したイベントを処理して描画結果を生成する。F913において、クラウドサーバ101は、イベント処理結果である、生成した描画結果を機器301に送信する。F914において、機器301は、クラウドサーバ101から受信した描画結果を表示部306に表示する。以上が図9の処理シーケンスである。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、クラウドサーバが、テキスト入力領域が描画結果のどこに存在するかに関する情報を取得し、描画結果と一緒に機器に送信する。このように、テキスト入力領域の情報を描画結果に付加することにより、ユーザのタッチ操作に応じて新たに通信を行う必要が無くなるため、テキスト入力領域がタッチされた際に機器がキーボードを短時間で起動することができる。すなわち、クラウドブラウザを利用する場合に、ユーザのタッチに対してキーボードを表示するまでに要する時間を短縮する(即時にキーボードを起動させる)ことが可能となる。
【0052】
[変形例]
本実施形態に係る描画プログラムコードを供給する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD等を用いることができる。
【0053】
また、コンピュータが読み出した描画プログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されてもよい。さらに、その描画プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行ってもよい。その処理によって前述した実施形態の機能が実現されてもよい。
【0054】
さらに、記憶媒体から読み出された描画プログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。その後、その描画プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されてもよい。
【0055】
本明細書の開示は、以下の情報処理システム、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラムを含む。
【0056】
(項目1)
通信装置と、前記通信装置からの要求に基づいて前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、を備え、
前記通信装置は、
前記描画結果における前記テキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【0057】
(項目2)
前記情報処理装置は、
前記通信装置において入力された前記テキスト入力領域への入力データを前記通信装置から受信する受信手段をさらに備えることを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
【0058】
(項目3)
前記テキスト入力領域の情報は、前記テキスト入力領域に適用されるスタイル情報を含み、
前記起動手段は、前記キーボードに前記スタイル情報を反映することを特徴とする項目1又は2に記載の情報処理システム。
【0059】
(項目4)
前記テキスト入力領域は、任意の座標と、幅と、高さとによって規定される矩形であることを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の情報処理システム。
【0060】
(項目5)
前記入力操作は、タッチ操作であることを特徴とする項目1乃至4の何れか1項目に記載の情報処理システム。
【0061】
(項目6)
前記解析手段は、前記Webページを提供するWebサーバからHTMLを取得して解析することにより、前記テキスト入力領域を判定することを特徴とする項目1乃至5の何れか1項目に記載の情報処理システム。
【0062】
(項目7)
通信装置からの要求に基づいて、前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置であって、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析手段と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0063】
(項目8)
情報処理装置から受信したWebページの描画結果を表示する通信装置であって、
前記描画結果におけるテキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付手段と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0064】
(項目9)
通信装置からの要求に基づいて、前記通信装置にWebページの描画結果を提供する情報処理装置の制御方法であって、
前記Webページを解析してテキスト入力領域を判定する解析工程と、
前記描画結果と前記テキスト入力領域の情報とを、前記通信装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【0065】
(項目10)
情報処理装置から受信したWebページの描画結果を表示する通信装置の制御方法であって、
前記描画結果におけるテキスト入力領域の情報を前記情報処理装置から受信する受信工程と、
ユーザからの入力操作を受け付ける受付工程と、
前記入力操作の操作位置が前記テキスト入力領域に含まれるかどうかを判定する判定工程と、
前記操作位置が前記テキスト入力領域に含まれる場合、キーボードを起動する起動工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【0066】
(項目11)
項目9又は10に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0067】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0068】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0069】
101:クラウドサーバ、102:ROM、103:RAM、104:外部記憶部、105:入力部、107:ネットワーク接続インタフェース、108:CPU、301:機器、302:ROM、303:RAM、304:外部記憶部、305:入力部、306:表示部、307:ネットワーク接続インタフェース、308:CPU、309:スキャナ部、310:印刷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9