(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062865
(43)【公開日】2025-04-15
(54)【発明の名称】撮像部支持装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20250408BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250408BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20250408BHJP
H04N 23/58 20230101ALI20250408BHJP
【FI】
G03B17/56 B
G03B15/00 P
H04N5/222 100
H04N23/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172216
(22)【出願日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 優介
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA09
2H105AA11
5C122EA42
5C122GD04
5C122GD06
5C122GE04
5C122GE11
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】手動によるバランス調整作業を容易にする。
【解決手段】撮像部(カメラ本体2およびレンズ1)は、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持される。ロック手段(カメラロック部9、カメラ支持部8)は、撮像部の状態を、光軸方向における撮像部の移動を規制する光軸ロック状態と光軸方向における撮像部の移動を規制しない非光軸ロック状態とに切り替え可能である。制限手段(ロックレバー部12、レバー係合部17)は、非光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲を、光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲よりも小さくする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、
前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、
前記非ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲を、前記ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲よりも小さくする制限手段と、を有することを特徴とする撮像部支持装置。
【請求項2】
前記制限手段は、前記支持部に対して固定された第1部分と、前記撮像部と一体にチルト旋回する第2部分と、を含み、
前記非ロック状態において前記第1部分と前記第2部分とが係合することによって、前記チルト方向における前記撮像部の旋回範囲が所定角度範囲に制限されることを特徴とする請求項1に記載の撮像部支持装置。
【請求項3】
前記第1部分は溝部を含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像部支持装置。
【請求項4】
前記第2部分が前記第1部分における前記溝部内でチルト旋回可能な角度範囲に、前記光軸方向が水平となる角度位置が存在することを特徴とする請求項3に記載の撮像部支持装置。
【請求項5】
前記ロック手段は、操作されることにより前記ロック状態と前記非ロック状態とを切り替えるロック操作部を含み、
前記第2部分は、前記ロック操作部の一部であることを特徴とする請求項2に記載の撮像部支持装置。
【請求項6】
前記ロック手段は、操作されることにより前記ロック状態と前記非ロック状態とを切り替えるロック操作部を含み、
前記ロック操作部とは別の部材であって前記ロック操作部の操作に連動して変位する変位部材を有し、
前記第2部分は、前記変位部材の一部であることを特徴とする請求項2に記載の撮像部支持装置。
【請求項7】
前記第1部分または前記第2部分の少なくとも一方は、弾性部を有することを特徴とする請求項2に記載の撮像部支持装置。
【請求項8】
前記ロック手段は、前記支持部に対して前記光軸方向に摺動可能な摺動部と、締結部材と、を含み、
前記締結部材により前記摺動部を前記撮像部のレンズに対して締結することで、前記撮像部が前記ロック状態となり、前記締結部材による前記レンズに対する前記摺動部の締結を解除することで、前記撮像部が前記非ロック状態となることを特徴とする請求項1に記載の撮像部支持装置。
【請求項9】
前記締結部材により変位部材を介して前記摺動部が前記レンズに対して締結され、
前記非ロック状態においては、前記変位部材が前記支持部と係合することによって、前記チルト方向における前記撮像部の旋回範囲が制限されることを特徴とする請求項8に記載の撮像部支持装置。
【請求項10】
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、
前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、
前記撮像部を前記チルト方向に旋回させる駆動部と、
前記ロック状態か前記非ロック状態かに応じて、前記駆動部へ流す保持電流を制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像部支持装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記非ロック状態では、前記チルト方向における所定角度範囲における前記保持電流の値を、他の角度範囲における前記保持電流の値と比べて小さくすることを特徴とする請求項10に記載の撮像部支持装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記ロック状態での所定角度範囲における前記保持電流の値を、前記非ロック状態での前記所定角度範囲における前記保持電流の値と比べて大きくすることを特徴とする請求項10に記載の撮像部支持装置。
【請求項13】
前記所定角度範囲に、前記光軸方向が水平となる角度位置が存在することを特徴とする請求項11に記載の撮像部支持装置。
【請求項14】
前記ロック状態か前記非ロック状態かを判定する判定手段を有することを特徴とする請求項10に記載の撮像部支持装置。
【請求項15】
前記チルト方向における前記撮像部の角度位置を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項10に記載の撮像部支持装置。
【請求項16】
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、前記撮像部を駆動して前記チルト方向に旋回させる駆動部と、を有する撮像部支持装置の制御方法であって、
前記ロック状態か前記非ロック状態かに応じて、前記駆動部へ流す保持電流を制御することを特徴とする撮像部支持装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部支持装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部を支持する撮像部支持装置が知られている。例えば、パンチルト旋回が可能でレンズ交換可能な撮像装置がある。この撮像装置はレンズ交換時や各アクセサリ部品の取り付けによってチルト旋回部にかかる重心バランスが変化する。重心バランスが一方に傾くと、チルト駆動部への負荷が増大する。そのため、チルト旋回部の重心を旋回中心部に近づけるバランス調整の作業が必要となる。一般的に、バランス調整では、ユーザがチルト旋回部を保持しながら、カメラおよびレンズを手動で光軸方向に移動させる。ユーザはカメラおよびレンズを移動させた後、チルト旋回部が水平に保たれることを確認することで、バランス調整を完了させる。
【0003】
バランス調整の際には、チルト旋回しないようにユーザがカメラまたはレンズを保持することが必要となる。この保持が不十分だった場合、カメラおよびレンズの自重によりチルト旋回部が意図せずに旋回してしまう。意図しない旋回が発生すると、カメラ、レンズまたはアクセサリ部品が、撮像装置を構成する他のユニットに衝突する恐れがある。
【0004】
そこで特許文献1では、回転機構を有する撮像装置がパンチルト動作中に他ユニットへ衝突することを防ぐための回転制御を開示している。制御部は、特定した取付部材の状態に基づいて回転範囲を決定し、回転を制御する。例えば、制御部は、ユーザの操作指示に基づくジンバルの移動量(回転量)が、決定した回転範囲外であれば、回転を許可しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1による回転制御は、ユーザによる操作指示に従って電気的に旋回させる際の旋回動作を制限するものである。そのため、ユーザが手動で回転機構を回動させる作業のことを考慮しておらず、手動によるバランス調整作業を容易にする観点で改善の余地がある。
【0007】
本発明は、手動によるバランス調整作業を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の撮像部支持装置は、撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、前記非ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲を、前記ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲よりも小さくする制限手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、手動によるバランス調整作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】撮像部支持装置が適用される撮像装置システムの斜視図である。
【
図3】カメラロック部およびその周辺を被写体側からみた図である。
【
図4】カメラロック部およびその周辺の分解斜視図である。
【
図5】光軸ロック状態における撮像装置システムの斜視図である。
【
図6】光軸ロックが解除された状態における撮像装置システムの斜視図である。
【
図7】レバー係合部およびロックレバー部の拡大図である。
【
図8】第1変形例の撮像装置システムの斜視図である。
【
図9】第1変形例の撮像装置システムの斜視図である。
【
図10】第2変形例の撮像装置システムの斜視図である。
【
図13】第2の実施形態における撮像装置システムの斜視図である。
【
図15】カメラロック部およびその周辺を被写体側からみた図である。
【
図16】カメラロック部およびその周辺の分解斜視図である。
【
図17】撮像装置システムの主要な機能のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像部支持装置が適用される撮像装置システムの斜視図である。この撮像装置システム100は、レンズ1、カメラ本体2、チルト旋回部3、パン旋回部4および台座部5を含む。撮像部を支持する撮像部支持装置には、チルト旋回部3、パン旋回部4および台座部5が含まれる。撮像部にはカメラ本体2およびレンズ1が含まれる。
【0013】
レンズ1はカメラ本体2に対して交換可能に取り付く。レンズ1の光軸を光軸C0とする。カメラ本体2はレンズ1と共にチルト旋回部3に支持される。チルト旋回部3はパン旋回部4に両持ち支持される。従って、チルト旋回部3は、パン旋回部4に対して相対的に、チルト軸T0を中心としたチルト方向に回動可能に支持される。パン旋回部4はチルト駆動部(不図示)を内蔵する。チルト駆動部が動作することで、チルト旋回部3は撮像部と一体にパン旋回部4に対してチルト方向に旋回する。
【0014】
パン旋回部4は台座部5に対して相対的に、パン軸P0を中心としたパン方向に回動可能に支持される。台座部5はパン駆動部(不図示)を内蔵する。このパン駆動部が動作することで、パン旋回部4は台座部5に対してパン方向に旋回する。従って、チルト旋回部3およびパン旋回部4は、撮像部(カメラ本体2およびレンズ1)を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部となる。
【0015】
図2は、撮像装置システム100の分解斜視図である。チルト旋回部3は、レンズ支持部6、2つのロッド部7、カメラ支持部8およびカメラロック部9を含む。レンズ1にはレンズ支持部6が固定されており、レンズ1はレンズ支持部6により保持される。レンズ支持部6は、2つのロッド部7に沿って光軸C0方向に移動可能に保持される。各ロッド部7はカメラ支持部8に片持ち支持される。カメラ支持部8は、カメラロック部9を介してカメラ本体2を保持する。
【0016】
図3は、カメラロック部9およびその周辺を被写体側からみた図である。
図4は、カメラロック部9およびその周辺の分解斜視図である。
【0017】
カメラロック部9は、ロック摺動部10、押圧部11およびロックレバー部12を含む。ロックレバー部12は、撮像部と一体にチルト旋回する。押圧部11はネジ穴部14を有する。ロックレバー部12はネジ穴部14に対応するネジ部13を有する。以降、ネジ部13の軸心方向をZ方向とし、+Z方向および-Z方向を
図3、
図4に示すように定義する。
【0018】
ロック摺動部10は貫通穴16を有し、被写体側からみて台形形状の部品であり、カメラ支持部8に対して相対的に光軸C0方向(以下、光軸方向と記すこともある)へ摺動可能に配置される。ロック摺動部10のうちカメラ支持部8と接する面(-Z側の面)に凹形状10aが形成されている。
【0019】
凹形状10aにより、ロック摺動部10とカメラ支持部8との間には隙間15が生じる。隙間15には押圧部11が配置される。押圧部11は板金形状であり、ネジ穴部14の軸心はロック摺動部10の貫通穴16の軸心と同心である。ネジ穴部14には、ロック摺動部10の貫通穴16を介して、ロックレバー部12のネジ部13が螺合される。
【0020】
ロックレバー部12は、ロック摺動部10を挟んで押圧部11とは反対側(+Z側)に配置される。ロックレバー部12において、ネジ部13は-Z側に突出して設けられる。ロックレバー部12は、ネジ部13を有する面とは反対側(+Z側)の面で、カメラ本体2に対して回転可能に取り付く。カメラ本体2に対するロックレバー部12の取り付け箇所は、ネジ部13の軸心と同心である。従って、ロックレバー部12は、ネジ部13の軸心回りにカメラ本体2に対して回転する。
【0021】
ところで、撮像装置システム100には、非通電状態でチルト旋回およびパン旋回をメカ的に規制するパンチルトロック機能(不図示)が設けられている。ユーザは、光軸方向を水平にするバランス調整をする際、このパンチルトロック機能を解除する。
【0022】
以下、カメラロック部9により、光軸方向における撮像部(カメラ本体2およびレンズ1)の移動がロックされる方法について説明する。以下、光軸方向における撮像部の移動がロックされることを、「光軸ロック」と称する。
【0023】
カメラロック部9は、Z方向に圧力をかけることで、カメラ支持部8と協働して光軸ロック機能を果たすロック手段となる。ロック手段により、撮像部の状態を、光軸方向における撮像部の移動を規制する光軸ロック状態と光軸方向における撮像部の移動を規制しない非光軸ロック状態(光軸ロックが解除された状態;非ロック状態)とに切り替え可能となる。ロックレバー部12は、操作されることにより光軸ロック状態と非光軸ロック状態とを切り替えるロック操作部となる。
【0024】
光軸ロック機能は、ロックレバー部12を+Z側からみて反時計回りに回転動作させることで作動する。この反時計回りの回転動作により、ロックレバー部12のネジ部13から、押圧部11のネジ穴部14へねじによる軸力が伝わる。この軸力により押圧部11は、カメラ支持部8に対して押し込まれる方向(-Z方向)に移動する。
【0025】
これにより、押圧部11とカメラ支持部8との間で発生する圧力により静止摩擦力が働き、カメラ支持部8に対してカメラロック部9が光軸方向に移動できなくなる。その結果、光軸方向において、カメラ支持部8に対してカメラロック部9およびカメラ本体2の位置が固定された光軸ロック状態となる(後述する
図5参照)。
【0026】
一方、光軸ロック状態において、ロックレバー部12を+Z側からみて時計回りに回転動作させることで光軸ロックを解除することができる。この時計回りの回転動作によって、ロックレバー部12のネジ部13から、押圧部11のネジ穴部14へねじによる軸力が伝わる。この軸力により押圧部11は、カメラ支持部8に対して離れる方向に移動する。
【0027】
これにより、押圧部11とカメラ支持部8との間に働く静止摩擦力が減少し、カメラロック部9はカメラ支持部8に対して光軸方向に移動可能となる。その結果、カメラ支持部8に対してカメラロック部9およびカメラ本体2が光軸方向に移動可能な非光軸ロック状態となる(後述する
図6参照)。
【0028】
次に、光軸ロックが解除された際にチルト旋回部3のチルト旋回を制限する構成について説明する。
【0029】
図5は、光軸ロック状態における撮像装置システム100を被写体とは反対側からみた斜視図である。
図6は、光軸ロックが解除された状態における撮像装置システム100を被写体とは反対側からみた斜視図である。
【0030】
光軸ロックを解除する際、ユーザは、ロックレバー部12を+Z側からみて時計回りに回転させ、
図5に示す位置から
図6に示す位置にする。パン旋回部4における、ロックレバー部12の回転の軌道上にはレバー係合部17が配置される。
【0031】
図7は、被写体とは反対側からみたレバー係合部17およびロックレバー部12の拡大図である。レバー係合部17は、パン旋回部4の内側面21に形成されている。内側面21はチルト旋回部3を支持する面である。レバー係合部17は、溝部を含み、パン旋回部4に対して固定された第1部分である。この溝部は、溝底面18、溝上面19、溝下面20を有する。この溝部は、チルト軸T0とパン軸P0とに垂直な方向、すなわち、水平状態の撮像部を基準として光軸方向に形成されている。
【0032】
溝上面19と溝下面20との間隔である溝幅は、ロックレバー部12の厚み(Z方向の幅)よりも広く設定されている。ロックレバー部12の一部(先端部)はレバー係合部17の溝形状に侵入する(挿入係合される)第2部分となる。レバー係合部17に侵入したロックレバー部12は、チルト旋回部3に追従してチルト旋回する際に溝上面19もしくは溝下面20に当接(衝突)する。よって、ロックレバー部12を含むチルト旋回部3の旋回を制限することが可能となる。
【0033】
すなわち、ロックレバー部12とレバー係合部17とが係合することによって、チルト方向における撮像部の旋回範囲が所定角度範囲に制限される。所定角度範囲は、ロックレバー部12が溝上面19に当接する角度位置から溝下面20に当接する角度位置までの角度範囲である。ロックレバー部12がレバー係合部17における溝部内でチルト旋回可能な角度範囲に、光軸方向が水平となる角度位置が存在する。従って、ユーザは、バランス調整を実施する際、溝部とロックレバー部12との位置関係を調整位置の目安にできるので、調整作業が容易となる。
【0034】
一方、光軸ロック状態においては、ロックレバー部12がレバー係合部17に係合しないから、チルト旋回部3の旋回がメカ的に制限されることはない。従って、ロックレバー部12およびレバー係合部17は、非光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲を、光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲よりも小さくする制限手段としての役割を果たす。
【0035】
なお、当接による衝撃を吸収するために、ロックレバー部12の先端部またはレバー係合部17の少なくとも一方に弾性部を設けるか、あるいは少なくとも一方を弾性体で構成してもよい。
【0036】
なお、撮影時には通常、通電により保持電流が流れる。保持電流は、現状のパン位置およびチルト位置を維持するために、パン駆動部およびチルト駆動部における各モータに流す電流である。しかし、本実施形態においてユーザがバランス調整を実施する際に、保持電流を流すか否かは問わない。仮にパンチルトロック機能を解除し且つ、保持電流が流れない非通電状態とした場合、チルト旋回部3は自由にチルト旋回する。しかし、上述した構成によって、非通電状態のままでも、光軸ロックが解除された際にはチルト旋回部3のチルト旋回が制限される。
【0037】
本実施形態によれば、制限手段が、非光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲を、光軸ロック状態における撮像部のチルト方向の旋回範囲よりも小さくする。従って、バランス調整のため光軸ロックが解除された場合でも、チルト旋回部3のチルト旋回が所定角度範囲に制限されるので、撮像部が他のユニットに衝突する恐れが抑制される。よって、手動によるバランス調整作業を容易にすることができる。
【0038】
また、ロックレバー部12は、光軸ロック状態と非光軸ロック状態とを切り替える機能と、レバー係合部17と係合して撮像部のチルト旋回を制限する機能を兼ねる。従って、構成の複雑化が抑制される。
【0039】
(第1の実施形態における第1変形例)
第1の実施形態における第1変形例を
図8、
図9を用いて説明する。
図8、
図9は、第1変形例の撮像装置システム100の斜視図である。
【0040】
第1変形例では、撮像部のチルト旋回を制限する機能に関し、レバー係合部17に代えてレバー係合部23を設けると共に、チルトロック部24を設ける。光軸ロック機能などのその他の構成は
図3、
図4等で説明した通りである。
【0041】
レバー係合部23は、パン旋回部4の底面22に配置される。レバー係合部23は溝部を含み、この溝部は、チルト軸T0と平行な方向に形成され、その幅方向は光軸方向である。チルトロック部24は、チルト旋回部3に対して1つのロッド部7の軸心を中心に回転可能に当該ロッド部7に支持される。レバー係合部23は、後述するチルトロック部24の回転の軌道上に配置される。
【0042】
また、変位部材としてのチルトロック部24は、連動機構(不図示)によって、ロックレバー部12の回転動作と連動して回転する。
図8では、光軸ロック状態が示され、
図9では非光軸ロック状態が示されている。
【0043】
チルトロック部24は、撮像部と一体にチルト旋回する。また、チルトロック部24は、ロックレバー部12の回転動作と連動して回転することで、レバー係合部23の溝形状に侵入する(挿入係合される)。レバー係合部23に侵入したチルトロック部24は、チルト旋回部3に追従してチルト旋回する際に、レバー係合部23の溝部の壁面(光軸方向に直行する2つの壁面のいずれか)に当接(衝突)する。よって、チルトロック部24を含むチルト旋回部3の旋回を制限することが可能となる。
【0044】
(第1の実施形態における第2変形例)
第1の実施形態における第2変形例を
図10~
図12を用いて説明する。
図10は、第2変形例の撮像装置システム100の斜視図である。
【0045】
図11は、レンズ支持部25の斜視図、
図12はレンズ支持部25の分解斜視図である。レンズ支持部25は、支持台26、摺動部27、ネジ28(締結部材)およびチルトロック部29により構成される。
【0046】
第2変形例では、レバー係合部17を廃止すると共に、レンズ支持部6に代えてレンズ支持部25を設ける。撮像部のチルト旋回を制限する機能および光軸ロック機能に関し、レンズ支持部25における支持台26、摺動部27、ネジ28、チルトロック部29が利用される。
【0047】
支持台26は、予めレンズ1に直接取り付けられている。支持台26には、ネジ28の軸線方向におけるレンズ1とは反対側に、ネジ穴部30が形成されている。摺動部27には貫通穴31が形成されている。摺動部27は、ロッド部7に対して光軸方向に摺動可能および固定可能に取り付けられる。
【0048】
摺動部27の穴27aには1つのロッド部7が挿入される。摺動部27には、変位部材としてのチルトロック部29が、摺動部27の穴27aの中心C1(
図11)を中心に回転可能に支持される。チルトロック部29の先端はフォーク形状となっている。このフォーク形状と貫通穴31とを介して、ユーザによってネジ28が支持台26のネジ穴部30に螺合されることで、レンズ1に取り付いた支持台26は摺動部27に対して固定される。従って、ネジ28の締結により、レンズ支持部25がレンズ1を含む撮像部に対して固定関係となる(
図11)。
【0049】
さらに、ネジ28の締結により摺動部27がロッド部7に対して固定され、レンズ1が光軸ロック状態となる。まず、ロッド部7が摺動部27の穴27aに挿入された状態でネジ28を螺合するにつれて、穴27aがネジ28の軸線方向に潰れるように変形するので、穴27aがロッド部7を締め付ける作用が生じる。これにより、穴27aとロッド部7との間に静止摩擦力が働き、ロッド部7に対してレンズ支持部25が光軸方向に移動できなくなる。このとき、ネジ28の締結により、レンズ支持部25はレンズ1に固定された支持台26に対して固定されることから、レンズ1も光軸方向に移動できなくなる。その結果、撮像部は光軸ロック状態となって光軸方向へ移動できなくなる。
【0050】
ネジ28の螺合が解除されると、レンズ支持部25は、ロッド部7および撮像部に対して相対的に光軸方向に移動可能となる。このように、ネジ28により摺動部27をレンズ1に対して締結することで光軸ロック状態となり、ネジ28による締結を解除することで非光軸ロック状態となる。
【0051】
ネジ28による締結が解除されると、チルトロック部29は自重により穴27aの中心C1回りに回転する(
図12)。すると、チルトロック部29の先端部であるフォーク形状の部分が台座部5付近に移動する。チルトロック部29は、チルト旋回部3と追従してチルト旋回する際に、台座部5に当接する。これにより、片側へのチルト旋回部3のチルト旋回を規制することができる。
【0052】
なお、当接による衝撃を吸収するために、チルトロック部29の先端部または台座部5の少なくとも一方に弾性部を設けるか、あるいは少なくとも一方を弾性体で構成してもよい。
【0053】
(第2の実施形態)
図13、
図14はそれぞれ、本発明の第2の実施形態における撮像装置システム100の斜視図、分解斜視図である。この撮像装置システム100は、第1の実施形態におけるレンズ1、カメラ本体2、チルト旋回部3、パン旋回部4、台座部5に代えて、レンズ51、カメラ本体52、チルト旋回部53、パン旋回部54、台座部55を含む。
【0054】
図14に示すように、チルト旋回部53は、チルト旋回部3(
図2)のレンズ支持部6、ロッド部7、カメラ支持部8、カメラロック部9と同様の、レンズ支持部56、ロッド部57、カメラ支持部58、カメラロック部59を含む。
【0055】
メカ構成に限れば、本実施形態では、第1の実施形態に対し、後述する検出スイッチ63を設けた点が異なり、その他の構成は同様である。なお、非光軸ロック状態において撮像部のチルト旋回を制限する機能(ロックレバー部12とレバー係合部17との協働により実現される)については本実施形態では廃止されている。しかし当該機能を設けてもよい。
【0056】
図15は、カメラロック部59およびその周辺を被写体側からみた図である。
図16は、カメラロック部59およびその周辺の分解斜視図である。
【0057】
カメラロック部59は、ロック摺動部60、押圧部61、ロックレバー部62および検出スイッチ63を含む。カメラロック部59のロック摺動部60、押圧部61、ロックレバー部62はそれぞれ、カメラロック部9(
図3、
図4)のロック摺動部10、押圧部11およびロックレバー部12と同様に構成される。ロックレバー部62のネジ部67、押圧部61のネジ穴部66、ロック摺動部60の貫通穴64はそれぞれ、ロックレバー部12のネジ部13、押圧部11のネジ穴部14、ロック摺動部10の貫通穴16(
図4)と同様に構成される。ロック摺動部60とカメラ支持部58との隙間65は、ロック摺動部10とカメラ支持部8との隙間15(
図3)に相当する。凹形状60aは凹形状10a(
図3)に相当する。
【0058】
従って、第1の実施形態と同様に、カメラロック部59とカメラ支持部58との協働により光軸ロック機能が実現される。光軸ロックまたは光軸ロック解除をする際のロックレバー部12の操作も第1の実施形態と同様である。
【0059】
ロックレバー部62の回転軌道上に検出スイッチ63が配置される。検出スイッチ63は一例としてボタン式検出スイッチであり、ロック摺動部60上に設置される。ロックレバー部62が+Z側からみて時計回りに回転する行程でロックレバー部62により検出スイッチ63のボタン部分が押されるように、ボタン部分がロックレバー部62の回転軌道の接線方向を向いて設置される。+Z側からみて時計回りに、非光軸ロック状態になる程度にロックレバー部62が回転するとボタン部分が押される。
【0060】
図17は、撮像装置システム100の主要な機能のブロック図である。撮像装置システム100は、CPU71、ROM72、RAM73、チルト駆動部74、パン駆動部75、検出スイッチ63を有する。CPU71は撮像装置システム100の全体を制御する。ROM72には、CPU71により実行される制御プログラムが格納される。RAM73は、CPU71が各種処理を実行する際のワークエリアを提供する。
【0061】
チルト駆動部74はパン旋回部54に内蔵される。チルト駆動部74は、チルト旋回部53をチルト方向に旋回させる。チルト駆動部74は、例えばエンコーダ付きのチルトモータ(不図示)を含み、チルト旋回部53のチルト旋回角度を検出可能である。チルト旋回角度の検出結果はCPU71へ供給される。チルトモータが動作することで、チルト旋回部53はパン旋回部54に対してチルト方向に旋回する。
【0062】
CPU71、ROM72、RAM73、パン駆動部75は台座部55に内蔵される。パン駆動部75は、パン旋回部54をパン方向に旋回させる。パン駆動部75はパンモータ(不図示)を含む。パン駆動部75のパンモータが動作することで、パン旋回部54は台座部55に対してパン方向に旋回する。検出スイッチ63は、ロックレバー部62によってボタン部が押されることで、光軸ロック状態が解除されていると判定する判定手段となる。検出スイッチ63の出力信号は、判定結果としてCPU71へ供給される。従って、ボタン部が押されていない場合は、光軸ロック状態であると判定される。
【0063】
図18は、旋回制御処理のフローチャートである。この処理は、CPU71が、ROM72に格納されたプログラムをRAM73に展開して実行することにより実現される。この処理は、撮像装置システム100の電源が入れられる(オンされる)と開始され、電源がオフにされると終了される。
【0064】
ステップS101では、CPU71は、チルト駆動部74およびパン駆動部75を通電状態にする。すなわち、CPU71は、チルト駆動部74におけるチルトモータおよびパン駆動部75におけるパンモータに保持電流を流す。これらの保持電流により、チルト旋回部53およびパン旋回部54に対する保持力が働くため、チルト旋回位置およびパン旋回位置が現状のまま維持される。
【0065】
なお、通電開始後、CPU71は、チルト駆動部74におけるエンコーダ(検出手段)から出力されるチルト旋回部53のチルト旋回角度の検出結果を常に監視している。
【0066】
ステップS102では、CPU71は、検出スイッチ63から供給される出力信号から、光軸ロックが解除されている状態(非光軸ロック状態)であるか否かを判別する。そしてCPU71は、非光軸ロック状態であると判別した場合はステップS103に進み、光軸ロックが解除されている状態でない(光軸ロック状態)と判別した場合はステップS104に進む。
【0067】
ステップS104では、CPU71は、上記保持電流を、通電開始時の大きさにする。なお、CPU71は、上記保持電流が既に通電開始時の大きさになっている場合は通電開始時の大きさを維持する。
【0068】
ここで、チルト旋回に関する通電開始時の大きさは、チルト旋回の全範囲において共通の第1の値である。なお、パン旋回に関する通電開始時の大きさは、パン旋回の全範囲において共通であり、光軸ロック状態時と非光軸ロック状態時とで変わりはない。ステップS104の後、CPU71は、ステップS102に戻る。
【0069】
ステップS103では、CPU71は、チルト方向における所定角度範囲内では保持電流の値を第2の値となるよう制御すると共に、他の角度範囲における保持電流の値を第1の値となるよう制御する。ここで、第2の値<第1の値である。上述のように、光軸ロック状態では、所定角度範囲を含む全旋回範囲で保持電流の値は第1の値である。従って、所定角度範囲における保持電流同士で比較すれば、光軸ロック状態での保持電流(第1の値)と比べて非光軸ロック状態での保持電流(第2の値)は小さい。
【0070】
ステップS103の後、CPU71は、ステップS105に進む。ステップS105では、CPU71は、検出スイッチ63から供給される出力信号から、光軸ロックが解除されている状態でない(光軸ロック状態)であるか否かを判別する。そしてCPU71は、光軸ロック状態でないと判別した場合は、ステップS103に戻る。ステップS105で、光軸ロック状態であると判別した場合は、CPU71はステップS102に戻る。
【0071】
従って、非光軸ロック状態においては、他の角度範囲と比べて所定角度範囲でだけ手動によるチルト旋回操作が軽くなるので、バランス調整の作業が容易となる。また、この所定角度範囲内に光軸方向が水平となる角度位置が存在する。従ってユーザは、チルト旋回操作が軽い範囲を調整位置の目安にすることができ、この点でも調整作業が容易となる。また、光軸ロック状態においては、チルト旋回の全範囲においてチルト方向における保持力が作用するので、撮影などへ円滑に移行することができる。
【0072】
本実施形態によれば、CPU71は、光軸ロック状態か非光軸ロック状態かに応じて、チルト駆動部74へ流す保持電流を制御する。例えば、非光軸ロック状態においては、所定角度範囲でだけ、保持電流の値が他の角度範囲における値と比べて小さくなるので、手動によるチルト旋回操作が軽くなる。これにより、手動によるバランス調整作業を容易にすることに関し、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0073】
なお、光軸ロック状態において、チルト旋回の全範囲で保持電流の値を一律の第1の値に設定することは必須でなく、所定角度範囲と他の角度範囲とで保持電流の値を異ならせてもよい。
【0074】
なお、チルト旋回部53のチルト旋回角度は、チルト駆動部74が有するエンコーダによって検出されたが、これに限らない。例えば、チルト旋回角度を検出する独立したセンサを設けてもよい。
【0075】
なお、上記各実施形態において、撮像部は、レンズ交換可能な構成に限定されず、レンズ一体形の撮像装置であってもよい。
【0076】
なお、上記各実施形態において、撮像部は、撮像部支持装置に対して着脱可能であったが、これに限らない。すなわち、撮像部と撮像部支持装置とが一体となったもの(すなわち、撮像装置システム100)を本発明の撮像部支持装置と呼称してもよいし、撮像装置と呼称してもよい。
【0077】
なお、上記各実施形態において、本発明の撮像部支持装置には、撮像部以外のアクセサリを着脱可能でもよい。
【0078】
(他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワークや非一過性の記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。以上のプログラムおよび以上のプログラムを記憶する記憶媒体は、本発明を構成する。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0079】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0080】
本実施形態の開示は、以下の構成(および方法)を含む。
(構成1)
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、
前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、
前記非ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲を、前記ロック状態における前記撮像部の前記チルト方向の旋回範囲よりも小さくする制限手段と、を有することを特徴とする撮像部支持装置。
(構成2)
前記制限手段は、前記支持部に対して固定された第1部分と、前記撮像部と一体にチルト旋回する第2部分と、を含み、
前記非ロック状態において前記第1部分と前記第2部分とが係合することによって、前記チルト方向における前記撮像部の旋回範囲が所定角度範囲に制限されることを特徴とする構成1に記載の撮像部支持装置。
(構成3)
前記第1部分は溝部を含むことを特徴とする構成2に記載の撮像部支持装置。
(構成4)
前記第2部分が前記第1部分における前記溝部内でチルト旋回可能な角度範囲に、前記光軸方向が水平となる角度位置が存在することを特徴とする構成3に記載の撮像部支持装置。
(構成5)
前記ロック手段は、操作されることにより前記ロック状態と前記非ロック状態とを切り替えるロック操作部を含み、
前記第2部分は、前記ロック操作部の一部であることを特徴とする構成2乃至4のいずれか1つに記載の撮像部支持装置。
(構成6)
前記ロック手段は、操作されることにより前記ロック状態と前記非ロック状態とを切り替えるロック操作部を含み、
前記ロック操作部とは別の部材であって前記ロック操作部の操作に連動して変位する変位部材を有し、
前記第2部分は、前記変位部材の一部であることを特徴とする構成2乃至4のいずれか1つに記載の撮像部支持装置。
(構成7)
前記第1部分または前記第2部分の少なくとも一方は、弾性部を有することを特徴とする構成2乃至6のいずれか1つに記載の撮像部支持装置。
(構成8)
前記ロック手段は、前記支持部に対して前記光軸方向に摺動可能な摺動部と、締結部材と、を含み、
前記締結部材により前記摺動部を前記撮像部のレンズに対して締結することで、前記撮像部が前記ロック状態となり、前記締結部材による前記レンズに対する前記摺動部の締結を解除することで、前記撮像部が前記非ロック状態となることを特徴とする構成1に記載の撮像部支持装置。
(構成9)
前記締結部材により変位部材を介して前記摺動部が前記レンズに対して締結され、
前記非ロック状態においては、前記変位部材が前記支持部と係合することによって、前記チルト方向における前記撮像部の旋回範囲が制限されることを特徴とする構成8に記載の撮像部支持装置。
(構成10)
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、
前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、
前記撮像部を前記チルト方向に旋回させる駆動部と、
前記ロック状態か前記非ロック状態かに応じて、前記駆動部へ流す保持電流を制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像部支持装置。
(構成11)
前記制御手段は、前記非ロック状態では、前記チルト方向における所定角度範囲における前記保持電流の値を、他の角度範囲における前記保持電流の値と比べて小さくすることを特徴とする構成10に記載の撮像部支持装置。
(構成12)
前記制御手段は、前記ロック状態での所定角度範囲における前記保持電流の値を、前記非ロック状態での前記所定角度範囲における前記保持電流の値と比べて大きくすることを特徴とする構成10に記載の撮像部支持装置。
(構成13)
前記所定角度範囲に、前記光軸方向が水平となる角度位置が存在することを特徴とする構成11または12に記載の撮像部支持装置。
(構成14)
前記ロック状態か前記非ロック状態かを判定する判定手段を有することを特徴とする構成10乃至13のいずれか1つに記載の撮像部支持装置。
(構成15)
前記チルト方向における前記撮像部の角度位置を検出する検出手段を有することを特徴とする構成10乃至14のいずれか1つに記載の撮像部支持装置。
(方法1)
撮像部を、光軸方向に移動可能で且つチルト方向に旋回可能に支持する支持部と、前記撮像部の状態を、前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制するロック状態と前記光軸方向における前記撮像部の移動を規制しない非ロック状態とに切り替え可能なロック手段と、前記撮像部を駆動して前記チルト方向に旋回させる駆動部と、を有する撮像部支持装置の制御方法であって、
前記ロック状態か前記非ロック状態かに応じて、前記駆動部へ流す保持電流を制御することを特徴とする撮像部支持装置の制御方法。
【符号の説明】
【0081】
1 レンズ
2 カメラ本体
3 チルト旋回部
5 台座部
8 カメラ支持部
9 カメラロック部
12 ロックレバー部
17 レバー係合部