(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025062872
(43)【公開日】2025-04-15
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20250408BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250408BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 204
G03G21/00 378
H04N1/00 567H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172225
(22)【出願日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】若菜 徹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ07
2C061HK06
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2H270LC02
2H270LC06
2H270LC07
2H270MB07
2H270MH06
2H270MH15
2H270PA07
2H270PA09
2H270PA14
2H270PB03
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC65
5C062AF14
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】場合に応じて給紙部の用紙の用紙タイプを検知できるようにする。
【解決手段】画像形成装置は、用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定手段と、印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、給紙部の設定の用紙タイプを確定し、確定した用紙タイプに応じて、給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御手段と、印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、確定している用紙タイプに応じて、給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御手段とを有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも自動又は自動検知を指定可能な用紙タイプ指定情報を含む印刷ジョブに基づいて印刷を制御する画像形成装置であって、
用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定手段と、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、前記給紙部の設定の用紙タイプを確定し、前記確定した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御手段と、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、前記給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、前記確定している用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷ジョブの用紙タイプ指定情報が自動検知である場合には、前記用紙タイプ指定情報を自動検知から自動に変更する変更手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が無効である場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第3の制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知でなく、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報の用紙タイプと前記給紙部の設定の用紙タイプとが一致する場合には、前記一致した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第4の制御手段をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知でなく、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報と前記給紙部の設定の用紙タイプとが一致しない場合には、用紙交換要求を表示するように制御する第5の制御手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定する第2の設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の設定手段は、前記第1の制御手段又は前記第2の制御手段の制御の後、前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の制御手段又は前記第2の制御手段の制御の後、前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定する第2の設定手段をさらに有し、
前記第2の設定手段は、前記変更手段が前記用紙タイプ指定情報を自動検知から自動に変更した場合には、前記用紙タイプ指定情報を自動から自動検知に戻すことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記用紙タイプ設定情報の自動検知は、前記給紙部の用紙の用紙タイプの検知を行うことを指示する設定であり、
前記用紙タイプ設定情報の自動は、前記給紙部の用紙の用紙タイプの検知を行うか否かを指示しない設定であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記給紙部は、手差しトレイであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記印刷ジョブは、ページ記述言語又はジョブ制御言語で記述されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
少なくとも自動又は自動検知を指定可能な用紙タイプ指定情報を含む印刷ジョブに基づいて印刷を制御する画像形成装置の制御方法であって、
用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定ステップと、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、前記給紙部の設定の用紙タイプを確定し、前記確定した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御ステップと、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、前記給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、前記確定している用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御ステップと
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1~11のいずれか1項に記載された画像形成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の給紙トレイに設置されたセンサーにより用紙タイプをセンシングする事が可能な用紙タイプ自動検知機能が知られている。用紙タイプ自動検知機能は、画像形成装置の給紙トレイに収納された用紙を給紙する際に、用紙の用紙タイプをセンシングすることが可能である。用紙タイプ自動検知機能を使用する事で、画像形成装置の操作画面にて、給紙トレイに収納する用紙の用紙タイプを入力する手間を省くことができる。
【0003】
特許文献1には、操作パネルで設定されたシートの種類と、センサーで検出されたシートの種類とが一致しないと判定された場合、条件が満たされているときには、センサーによって検出された種類に応じた設定で印刷ジョブを継続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、用紙タイプ自動検知機能を使用して用紙タイプをセンシングする場合には、用紙タイプ自動検知機能を使用しない場合に比べて、多くの給紙時間を要してしまう。たとえば、給紙時に10秒~20秒程度の時間を要する画像形成装置が存在している。
【0006】
特に、印刷ジョブに用紙タイプ自動検知機能を使用する設定がされている場合には、用紙タイプ自動検知機能が毎回作動してしまうため、生産性が低下してしまうという課題がある。
【0007】
また、印刷ジョブに用紙タイプ自動検知機能を使用する設定がされている場合、画像形成装置側で用紙タイプ自動検知機能が無効化されている場合には、用紙不一致で停止してしまうという課題がある。
【0008】
本開示の目的は、場合に応じて給紙部の用紙の用紙タイプを検知することにより、生産性を向上させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
画像形成装置は、少なくとも自動又は自動検知を指定可能な用紙タイプ指定情報を含む印刷ジョブに基づいて印刷を制御する画像形成装置であって、用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定手段と、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、前記給紙部の設定の用紙タイプを確定し、前記確定した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御手段と、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、前記給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、前記確定している用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、場合に応じて給紙部の用紙の用紙タイプを検知することにより、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】画像形成装置の制御部の構成例を示すブロック図である。
【
図3】用紙タイプ自動検知設定の設定画面を示す図である。
【
図5】給紙トレイごとの用紙設定例を示す図である。
【
図6】給紙トレイごとの用紙設定例を示す図である。
【
図7】画像形成装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成例を示す図である。画像形成装置100は、印刷装置101と、フィニッシャー102を有する。印刷装置101は、画像を形成し印刷する印刷装置である。フィニッシャー102は、印刷装置101で印刷した用紙の排紙先を備える。
【0014】
103は、画像形成装置100の各種制御を行うためのソフトウェアを稼動させる制御部である。
【0015】
104は、画像形成装置100に対して操作の指示を行うための操作部である。操作部104は、タッチパネルとハードキーで構成され、画像形成装置100に関する情報を表示したり、タッチパネルやハードキーから設定を入力したりすることが可能である。
【0016】
105は、画像形成装置100の画像形成部106に対して印刷剤であるトナーを供給するためのトナー供給部である。トナー供給部105には、開閉扉が装備されており、操作者が開閉扉からトナーを供給することが可能である。106は、画像形成部である。
【0017】
107は、中間転写ベルトである。画像形成部106では、トナー供給部105より供給されたトナーを用いて、印刷ジョブで指示されている画像を形成し中間転写ベルト107に転写する処理を行う。中間転写ベルト107に転写された画像は、用紙に転写される。
【0018】
108は、定着装置である。定着装置108では、中間転写ベルト107によって画像が転写された用紙に熱及び圧力を加えることにより、用紙にトナーを定着させる。
【0019】
109は、余剰トナー回収部である。中間転写ベルト107において用紙に転写されなかったトナーは、余剰トナー回収部109に蓄積される。
【0020】
110は用紙を供給するための給紙部である。111は用紙を供給するための給紙部である。112は用紙を供給するための給紙部である。113は用紙を供給するための給紙部である。114は用紙を供給するための給紙部である。
【0021】
115は用紙搬送部である。給紙部110、111、112、113、又は114から給紙された用紙は、用紙搬送部115を通ってトナーの転写、定着処理を施される。
【0022】
116は、用紙を反転させるためのスイッチバック部である。117は、外部の給紙部114から用紙を投入するための用紙投入口である。
【0023】
118は、定着処理された用紙をフィニッシャー102へ排出するための用紙排出部である。
【0024】
119は、印刷装置101からの用紙を受けとるフィニッシャー102の投入口である。120は、用紙を反転させるためのスイッチバック部である。
【0025】
121は、搬送部である。122は、排出部である。123は、排紙トレイである。フィニッシャー102の投入口119から受け取った用紙は、搬送部121を介して排出部122に排出され、排紙トレイ123に積載される。
【0026】
124は、メディアセンサー部である。給紙部114から搬送された用紙は、メディアセンサー部124を介して、用紙タイプが自動的に判別される。
【0027】
図2は、画像形成装置100の制御部103の構成例を示すブロック図である。画像形成装置100は、印刷装置101と、フィニッシャー102と、制御部103と、操作部104を有する。
【0028】
制御部103は、CPU203と、RAM204と、操作部インターフェース205と、ネットワークインターフェース206と、モデム207と、ROM208と、HDD209と、CPUバス210と、イメージバスインターフェース211を有する。さらに、制御部103は、ラスタライズ(RIP)部212と、データ圧縮部213と、デバイスインターフェース214と、画像処理装置215と、イメージバス218を有する。
【0029】
201は外部機器とネットワークによって接続を行うためのネットワークである。202は外部機器と接続を行うための電話回線である。203は制御部103全体を制御するためのプログラムを動作させるCPUである。
【0030】
204はCPU203上で動作するプログラムによって管理されるRAMである。RAM204は、外部から受信したデータを一時的に蓄えるための受信バッファやRIP部212によってラスタライズされた画像データを一時的に蓄えるための画像データバッファ等の目的で使用される。
【0031】
205は操作部104と制御部103を接続するためのインターフェースである。206は制御部103とネットワークを接続するためのインターフェースである。207は制御部103と電話回線を接続するためのインターフェースである。
【0032】
208はCPU203上で動作するプログラムやデータ等を格納するためのROMである。209は様々なデータを長期的に保存することが可能な不揮発性の記憶装置であるハードディスク(HDD)である。
【0033】
210はCPUバスである。211はCPUバス210とイメージバス218を接続するためのインターフェースである。
【0034】
212は外部から入力されたページ記述言語(PDL)データをビットマップイメージデータに変換する機能を有するラスタライズ(RIP)部である。
【0035】
213はデータを圧縮するためのデータ圧縮部である。214はデータバス216、217によって印刷装置101及びフィニッシャー102をイメージバス218に接続するためのインターフェースである。
【0036】
215はRIP部212によって生成されたビットマップイメージデータに各種画像処理を施すための画像処理部である。CPU203は、操作部104もしくは外部機器からネットワーク201を介して指示される信号に従い、データバス216、217を介して印刷装置101及びフィニッシャー102へ印刷を行うための命令を発行しながら印刷を行う。
【0037】
216はデータバスである。217はデータバスである。218は画像処理を行うためのハードウェア群に接続されたイメージバスである。
【0038】
図1のメディアセンサー部124は、例えば、発光素子としてのLEDと、受光素子としてフォトダイオードを有する。メディアセンサー部124は、LEDが発光した光の反射光量を、フォトダイオードによって検知する。CPU203は、給紙部114の用紙をメディアセンサー部124の位置の搬送路まで搬送するように制御し、メディアセンサー部124の検知信号を基に、給紙部114の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知する。
【0039】
CPU203は、メディアセンサー部124の検知信号を基に、用紙毎の表面性や厚みによる検知信号の違いに従って、用紙の種類を検知する。そして、CPU203は、ここで検知した用紙タイプに従って、画像形成速度や定着装置108の定着温度を最適に制御する。用紙タイプは、例えば、普通紙、薄紙、又は厚紙等である。
【0040】
CPU203は、画像形成速度については、例えば普通紙や薄紙に対する画像形成の速度(搬送速度)を1とした場合、厚紙では1/2速で画像形成を行うといったように、材質によって予め決められた速度で画像形成と搬送が行われるように制御する。また、CPU203は、定着装置108の定着温度については、普通紙に対して、薄紙の場合は低めの温度に、厚紙の場合は高めの温度に設定する。
【0041】
図3は、用紙タイプ自動検知設定の設定画面を示す図であり、操作部104に表示されるものとする。
【0042】
301は、用紙タイプ自動検知設定の設定画面であり、操作部104のタッチパネルに表示される。302は、用紙タイプ自動検知設定を有効に設定するためのONキーである。303は、用紙タイプ自動検知設定を無効に設定するためのOFFキーである。
【0043】
図3では、ONキー302が反転表示され、用紙タイプ自動検知設定がONに設定されていることを示している。
【0044】
304は、OKキーであり、この画面設定を有効にすると同時に、設定画面301が閉じられる。
【0045】
なお、用紙タイプ自動検知設定の設定値はOKキー304を押下される事で、RAM204に記憶されるものとする。
【0046】
図4は、印刷ジョブのデータ構造例を示す図である。
図4において、印刷ジョブの一例として、ホストコンピュータ等の外部機器からネットワーク201を介して入力されるページ記述言語(PDL)データを示している。印刷ジョブは、画像形成装置100に装備されている読み取り装置(不図示)によって読み取られたコピージョブや、HDD209やRAM204の記憶装置に一時的に蓄積された印刷ジョブであってもよい。
【0047】
印刷ジョブは、ジョブチケット部401と、印刷データ部402を有する。401は、給紙トレイ指定や用紙サイズ指定や用紙タイプ指定等の印刷設定がされるジョブチケット部である。なお、本実施形態では、ジョブチケット部401は、ジョブ制御言語で記述されているものとする。
【0048】
402は、印刷データ部であり、本実施形態では、ページ記述言語(PDL)で記述されているデータである。なお、印刷データ部402は、前述のように、読み取り装置(不図示)で読み取られたコピージョブや記憶装置(HDD209やRAM204等)に一時的に蓄積された印刷ジョブであってもよい。
【0049】
403は、ジョブチケット部401の印刷設定の給紙トレイ指定を示している。
図4の例では、給紙トレイ指定として、「手差しトレイ」が設定されている。なお、本実施形態では、給紙トレイ指定として、「給紙トレイ1」、「給紙トレイ2」、「給紙トレイ3」、「給紙トレイ4」、「手差しトレイ」が設定できるものとする。
【0050】
404は、ジョブチケット部401の印刷設定の用紙サイズ指定を示している。
図4の例では、用紙サイズ指定として、「A4」が設定されている。なお、本実施形態では、用紙サイズ指定として、「A4」が設定できるものとする。
【0051】
405は、ジョブチケット部401の印刷設定の用紙タイプ指定を示している。
図4の例では、用紙タイプ指定として、「自動検知」が設定されている。なお、本実施形態では、用紙タイプ指定として、「自動検知」、「自動」、「普通紙1」、「普通紙2」、「普通紙3」、「普通紙4」、「普通紙5」が設定できるものとする。
【0052】
図5は、各給紙トレイにおける用紙設定状態の例を示す図である。給紙トレイ1~4は、
図1の給紙部110~113に対応する。手差しトレイは、
図1の給紙部114に対応する。
【0053】
当該用紙設定状態では、用紙サイズと用紙タイプの組み合わせを示しているものとする。当該用紙設定状態は、手差しトレイの用紙タイプが「不定」な状態である事を示している。「不定」は、
図1のメディアセンサー部124の用紙タイプ自動検知機能による検知が行われていない状態である。なお、用紙設定状態は、HDD209に格納されているものとする。
【0054】
給紙トレイ1には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙1」の用紙が設定されている状態を示している。
【0055】
給紙トレイ2には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙2」の用紙が設定されている状態を示している。
【0056】
給紙トレイ3には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙3」の用紙が設定されている状態を示している。
【0057】
給紙トレイ4には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙4」の用紙が設定されている状態を示している。
【0058】
手差しトレイには、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「不定」な用紙の状態を示している。
【0059】
図6は、各給紙トレイにおける他の用紙設定状態の例を示す図である。当該用紙設定状態は、用紙サイズと用紙タイプの組み合わせを示しているものとする。なお、用紙設定状態は、HDD209に格納されているものとする。
【0060】
給紙トレイ1には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙1」の用紙が設定されている状態を示している。
【0061】
給紙トレイ2には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙2」の用紙が設定されている状態を示している。
【0062】
給紙トレイ3には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙3」の用紙が設定されている状態を示している。
【0063】
給紙トレイ4には、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙4」の用紙が設定されている状態を示している。
【0064】
手差しトレイには、用紙サイズが「A4」で、用紙タイプが「普通紙5」の用紙が設定されている状態を示している。
【0065】
図7は、本実施形態に係る画像形成装置100の制御方法を示すフローチャートである。なお、図中のS701~S718は各ステップを表す。画像形成装置100は、
図4の印刷ジョブに基づいて印刷を制御する。
図7の処理は、CPU203がプログラムを実行することにより実現される。
【0066】
ステップS701では、CPU203は、
図7のフローチャートの処理を開始する。
【0067】
ステップS702では、CPU203は、設定部として機能し、操作部104に表示される用紙タイプ自動検知設定の画面(
図3)からの指示に応じて、用紙タイプ自動検知設定の有効(
図3のONキー302)又は無効(
図3のOFFキー303)を設定する。なお、用紙タイプ自動検知設定の設定値(
図3のONキー302又はOFFキー303)は、RAM204に格納されるものとする。
【0068】
ステップS703では、CPU203は、
図4の印刷ジョブの解析を行う。まず、CPU203は、ネットワーク201を介して印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブをHDD209に格納する。その後、CPU203は、HDD209に格納されている印刷ジョブを読み出し、印刷ジョブの解析を行う。そして、CPU203は、印刷ジョブ内のジョブチケット部401(
図4)から給紙トレイ指定情報403と、用紙サイズ指定情報404と、用紙タイプ指定情報405を読み出し、その各々をHDD209に格納する。また、CPU203は、印刷ジョブ内の印刷データ部402(
図4)のPDLデータを解析し、それを基に中間データ(不図示)に変換し、HDD209に格納する。
【0069】
ステップS704では、CPU203は、用紙タイプ指定情報405を取得する。ここでは、CPU203は、印刷ジョブ内のジョブチケット部401(
図4)から読み出された用紙タイプ指定情報405(S703)を取得し、RAM204に格納する。
【0070】
なお、用紙タイプ指定情報405は、「自動検知」と、「自動」と、画像形成装置100で給紙可能な用紙タイプが指定できるものとし、少なくとも「自動検知」又は「自動」を指定可能である。また、本実施形態では、画像形成装置100で給紙可能な用紙タイプは、「普通紙1」、「普通紙2」、「普通紙3」、「普通紙4」、「普通紙5」である。
【0071】
「自動検知」は、明示的にメディアセンサー部124の使用を指示し、給紙時にメディアセンサー部124を作動させるための設定であり、手差しトレイ114の用紙の用紙タイプの検知を行うことを指示する設定である。「自動」は、メディアセンサー部124を使用するか否かを自動的に判定させるための設定であり、手差しトレイ114の用紙の用紙タイプの検知を行うか否かを指示しない設定である。
【0072】
ステップS705では、CPU203は、生成した中間データ(S703)をHDD209から読み出し、RIP部212を用いて、画像データ(不図示)を生成し、HDD209に格納する。
【0073】
ステップS706では、CPU203は、取得した用紙タイプ指定情報405(S704)をRAM204から読み出し、用紙タイプ指定情報405の判定を行う。もし、CPU203が、用紙タイプ指定情報405に「自動検知」が指定されていると判定した場合には、ステップS707に進む。もし、CPU203が、用紙タイプ指定情報405に「自動」が指定されていると判定した場合には、ステップS708に進む。もし、CPU203が、用紙タイプ指定情報405に「自動検知」と「自動」以外が指定されていると判定した場合には、ステップS715に進む。
【0074】
なお、「自動検知」と「自動」以外とは、画像形成装置100で給紙可能な用紙タイプである。本実施形態では、「自動検知」と「自動」以外とは、「普通紙1」や「普通紙2」や「普通紙3」や「普通紙4」や「普通紙5」を示す。
【0075】
ステップS707では、CPU203は、変更部として機能し、用紙タイプ指定情報405を「自動検知」から「自動」に変更し、RAM204に格納し、ステップS706に戻る。この変更により、これ以降の処理は、用紙タイプ指定情報405が「自動」で動作する事になり、
図1のメディアセンサー部124の用紙タイプ自動検知機能を給紙する度に使用するのではなく、必要に応じて使用する事ができるようになる。また、CPU203は、用紙タイプ指定情報405を「自動検知」から「自動」に書き換えたという情報をRAM204に記憶しておく。
【0076】
ステップS708では、CPU203は、
図3の用紙タイプ自動検知機能の使用が有効化されているか否かを判定する。CPU203は、用紙タイプ自動検知設定の設定値(S702)をRAM204から取得する。CPU203は、取得した用紙タイプ自動検知設定の設定値の判定を行う。もし、取得した用紙タイプ自動検知設定の設定値が有効(ON)である場合には、CPU203は、用紙タイプ自動検知機能が有効化されていると判定し、ステップS709に進む。もし、取得した用紙タイプ自動検知設定の設定値が無効(OFF)である場合には、CPU203は、用紙タイプ自動検知機能が無効化されていると判定し、ステップS714に進む。
【0077】
ステップS709では、CPU203は、手差しトレイ114の設定の用紙の用紙タイプが確定している状態であるか否かを判定する。CPU203は、HDD209から用紙設定状態(
図5又は
図6)を読み出し、用紙設定状態(
図5又は
図6)の手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」であるか否かを判定する。
【0078】
もし、手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」である場合には、CPU203は、手差しトレイ114の設定の用紙タイプが確定していない状態と判定する。また、手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」でない場合には、CPU203は、手差しトレイ114の設定の用紙タイプが確定している状態と判定する。ここで、用紙タイプの「不定」とは、
図1のメディアセンサー部124の用紙タイプ自動検知機能による用紙タイプの確定が必要であるが、まだ用紙タイプ自動検知機能により用紙タイプが確定していない状態を意味する。
【0079】
もし、CPU203が、手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」であると判定した場合には、ステップS710に進む。もし、CPU203が、手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」でないと判定した場合には、ステップS711に進む。
【0080】
本実施形態にて、用紙設定状態が「
図5」の場合には、手差しトレイ114の用紙タイプが「不定」であるため、ステップS710に進む事になる。また、用紙設定状態が「
図6」の場合には、手差しトレイ114の用紙タイプが「普通紙5」であり、「不定」でないと判定されるため、ステップS711に進む事になる。
【0081】
ステップS710では、CPU203は、メディアセンサー部124の用紙タイプ自動検知機能を使用して、手差しトレイ114の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知する。CPU203は、手差しトレイ114に収納されている用紙をメディアセンサー部124まで搬送するように制御し、メディアセンサー部124を用いて、手差しトレイ114の用紙タイプを検知する。
【0082】
ここで、本実施形態では、検知された用紙タイプは、「普通紙5」であるものとする。CPU203は、HDD209から用紙設定状態(
図5)を読み出し、手差しトレイ114の用紙タイプ欄を「普通紙5」に更新し、手差しトレイ114の設定の用紙タイプを確定する。CPU203は、更新された用紙設定状態(
図6)を、HDD209に格納する。その後、処理はステップS711に進む。
【0083】
ステップS711では、CPU203は、確定した手差しトレイ114の用紙タイプ(S710)の制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114に収納されている用紙の給紙を行うように制御する。そして、CPU203は、生成された画像データ(S705)をHDD209から読み出す。そして、CPU203は、HDD209から読み出された画像データをビデオ信号に変換し、手差しトレイ114の用紙タイプの制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114から搬送される用紙に対して印刷するように制御する。
【0084】
ステップS712では、CPU203は、手差しトレイ114に用紙が存在するか否かの判定を行う。これは、給紙(S711)の後に、手差しトレイ114に用紙が残っているか否かの判定である。なお、判定は、手差しトレイ114に装着されているセンサー(不図示)を用いて行われるものとする。
【0085】
もし、CPU203が、手差しトレイ114に用紙が存在しないと判定した場合には、ステップS713に進む。もし、CPU203が、手差しトレイ114に用紙が存在すると判定した場合には、ステップS718に進む。
【0086】
ステップS713では、CPU203は、用紙設定状態(
図6)の手差しトレイ114の用紙の用紙タイプを「不定」に変更(設定)し、用紙設定状態(
図5)を得る。「不定」は、不確定を示す。これは、手差しトレイ114の用紙が無い状態になったため、手差しトレイ114に新たに用紙が収納された時点で、再度、用紙タイプ自動検機能を用いて、用紙タイプを確定するためである。
【0087】
CPU203は、HDD209から用紙設定状態(
図6)を読み出し、手差しトレイ114の用紙タイプ欄を「不定」に変更する。CPU203は、変更された用紙設定状態(
図5)を、HDD209に格納する。また、CPU203は、RAM204に記憶した用紙タイプ指定情報405を「自動検知」から「自動」に書き換えた情報(S707)を基に、用紙タイプ指定情報405を「自動検知」に戻してもよい。
【0088】
すなわち、CPU203は、ステップS707で用紙タイプ指定情報405を「自動検知」から「自動」に変更した場合には、用紙タイプ指定情報405を「自動」から「自動検知」に戻す。これは、画像形成装置100の操作部104上の画面で印刷ジョブの再実行を可能にするためである。その後、処理はステップS718に進む。
【0089】
ステップS714では、CPU203は、HDD209から用紙設定状態(
図6)を読み出し、手差しトレイ114の用紙タイプを確定する。なお、用紙設定状態は、
図5のケースと
図6のケースが存在するが、用紙タイプ自動検知機能が無効化されている状態(S708)のため、用紙設定状態は「
図6」であるものとする。
【0090】
CPU203は、用紙設定状態(
図6)を基に、手差しトレイ114の用紙タイプを「普通紙5」と確定する。CPU203は、確定した手差しトレイ114の用紙タイプ(普通紙5)の制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114に収納されている用紙の給紙を行うように制御する。そして、CPU203は、生成された画像データ(S705)をHDD209から読み出す。そして、CPU203は、HDD209から読み出された画像データをビデオ信号に変換し、手差しトレイ114の用紙タイプの制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114から搬送される用紙に対して印刷するように制御する。その後、処理はステップS718に進む。
【0091】
ステップS715では、CPU203は、用紙タイプ指定情報405(S704)をRAM204から読み出す。また、CPU203は、用紙設定情報(
図5又は
図6)をHDD209から読み出す。そして、CPU203は、用紙タイプ指定情報405(S704)と用紙設定情報(
図5又は
図6)との比較を行う。
【0092】
もし、CPU203は、用紙タイプ指定情報405(S704)の用紙タイプと用紙設定情報(
図5又は
図6)の手差しトレイ114の用紙タイプとが一致すると判定した場合には、ステップS716に進む。もし、CPU203は、用紙タイプ指定情報405(S704)の用紙タイプと用紙設定情報(
図5又は
図6)の手差しトレイ114の用紙タイプとが一致していないと判定した場合には、ステップS717に進む。
【0093】
本実施形態の場合には、用紙タイプ指定情報405(S704)として、RAM204には「普通紙5」が格納されているものとする。もし、HDD209から読み出された用紙設定情報が「
図6」であるとすると、
図6の手差しトレイ114の用紙タイプは「普通紙5」であるため、CPU203は、一致と判定し、ステップS716に進む事になる。もし、HDD209から読み出された用紙設定情報が「
図5」であるとすると、
図5の手差しトレイ114の用紙タイプは「不定」であるため、CPU203は、不一致と判定し、ステップS717に進む事になる。
【0094】
ステップS717では、用紙不一致と判定された(S716)ため、CPU203は、操作部104に用紙交換要求(不図示)を表示するように制御する。CPU203は、手差しトレイ114に新たな用紙がセットされた場合には、操作部104に表示されている用紙交換要求(不図示)の表示を解除する。そして、CPU203は、手差しトレイ114に新たにセットされた用紙の情報が、操作部104の画面(不図示)にて入力されたと判定する。CPU203は、用紙設定情報(
図5又は
図6)をHDD209から読み出し、用紙設定情報(
図5又は
図6)を入力された用紙の情報に更新し、HDD209に格納する。そして、CPU203は、ステップS715に戻る。仮に、入力された用紙の情報の用紙タイプが「普通紙5」である場合には、用紙設定情報は「
図6」と同じ状態になる。
【0095】
ステップS716では、CPU203は、一致した手差しトレイ114の用紙タイプ(本実施形態では、普通紙5)の制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114に収納されている用紙の給紙を行うように制御する。そして、CPU203は、生成された画像データ(S705)をHDD209から読み出す。そして、CPU203は、HDD209から読み出された画像データをビデオ信号に変換し、手差しトレイ114の用紙タイプの制御パラメータ(例えば搬送速度や定着温度等)に応じて、手差しトレイ114から搬送される用紙に対して印刷するように制御する。その後、処理はステップS718に進む。
【0096】
ステップS718では、CPU203は、
図7のフローチャートの処理を終了する。
【0097】
次に、本実施形態の効果を説明するため、ステップS707がない場合の課題を説明する。印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405が「自動検知」である場合には、CPU203は、毎回、ステップS710のように、メディアセンサー部124を使用して、手差しトレイ114の用紙タイプを検知し、生産性が低下してしまうという課題がある。
【0098】
次に、ステップS707がない場合、印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405が「自動検知」であり、
図3の用紙タイプ自動検知設定の設定値がOFFである場合の課題を説明する。その場合、CPU203は、用紙タイプ指定情報405の「自動検知」と
図6の手差しトレイの用紙タイプの「普通紙5」とが不一致であるため、印刷処理を停止してしまうという課題がある。
【0099】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態によれば、ステップS707では、CPU203は、印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405を「自動検知」から「自動」に変更し、ステップS706に戻り、ステップS708に進む。
【0100】
例えば、手差しトレイ114に用紙をセットした直後、
図5のように、用紙設定情報の手差しトレイ114の用紙タイプは「不定」となる。その場合、ステップS709からステップS710に進む。ステップS710では、CPU203は、メディアセンサー部124を使用して、手差しトレイ114の用紙タイプを検知し、
図5の用紙設定情報を
図6の用紙設定情報に更新する。
【0101】
その後、用紙タイプ指定情報405が「自動検知」の新たな印刷ジョブが入力された場合を説明する。その場合、ステップS709では、
図6の用紙設定情報の手差しトレイ114の用紙タイプが「普通紙5」であるので、CPU203は、ステップS710のメディアセンサー部124の処理を行わずに、ステップS711に進む。
【0102】
以上のように、本実施形態によれば、印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405が「自動検知」の場合、最初の印刷ジョブでは、メディアセンサー部124の処理が行われ、2回目以降の印刷ジョブでは、メディアセンサー部124の処理が行われない。これにより、メディアセンサー部124の処理回数が減少し、生産性を向上させることができる。
【0103】
また、印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405が「自動検知」であり、
図3の用紙タイプ自動検知設定の設定値がOFFである場合、CPU203は、ステップS707、S706及びS708を介して、ステップS714に進み、印刷処理が実行される。これにより、上記の課題のように、用紙タイプの不一致による印刷処理の停止を防止することができる。
【0104】
本実施形態によれば、印刷ジョブの用紙タイプ指定情報405が「自動検知」であっても、用紙タイプ自動検知機能を活用しつつ、用紙タイプ自動検知機能を作動させることによる生産性の低下を抑える事ができる。
【0105】
(その他の実施形態)
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0106】
なお、上述の実施形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されない。すなわち、本開示はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0107】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法及びプログラムを含む。
(構成1)
少なくとも自動又は自動検知を指定可能な用紙タイプ指定情報を含む印刷ジョブに基づいて印刷を制御する画像形成装置であって、
用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定手段と、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、前記給紙部の設定の用紙タイプを確定し、前記確定した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御手段と、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、前記給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、前記確定している用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記印刷ジョブの用紙タイプ指定情報が自動検知である場合には、前記用紙タイプ指定情報を自動検知から自動に変更する変更手段をさらに有することを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が無効である場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第3の制御手段をさらに有することを特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
(構成4)
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知でなく、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報の用紙タイプと前記給紙部の設定の用紙タイプとが一致する場合には、前記一致した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第4の制御手段をさらに有することを特徴とする構成3に記載の画像形成装置。
(構成5)
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知でなく、前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報と前記給紙部の設定の用紙タイプとが一致しない場合には、用紙交換要求を表示するように制御する第5の制御手段をさらに有することを特徴とする構成4に記載の画像形成装置。
(構成6)
前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定する第2の設定手段をさらに有することを特徴とする構成1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成7)
前記第2の設定手段は、前記第1の制御手段又は前記第2の制御手段の制御の後、前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定することを特徴とする構成6に記載の画像形成装置。
(構成8)
前記第1の制御手段又は前記第2の制御手段の制御の後、前記給紙部に用紙が存在しない場合には、前記給紙部の設定の用紙タイプを不確定に設定する第2の設定手段をさらに有し、
前記第2の設定手段は、前記変更手段が前記用紙タイプ指定情報を自動検知から自動に変更した場合には、前記用紙タイプ指定情報を自動から自動検知に戻すことを特徴とする構成2に記載の画像形成装置。
(構成9)
前記用紙タイプ設定情報の自動検知は、前記給紙部の用紙の用紙タイプの検知を行うことを指示する設定であり、
前記用紙タイプ設定情報の自動は、前記給紙部の用紙の用紙タイプの検知を行うか否かを指示しない設定であることを特徴とする構成1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成10)
前記給紙部は、手差しトレイであることを特徴とする構成1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(構成11)
前記印刷ジョブは、ページ記述言語又はジョブ制御言語で記述されていることを特徴とする構成1~10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(方法1)
少なくとも自動又は自動検知を指定可能な用紙タイプ指定情報を含む印刷ジョブに基づいて印刷を制御する画像形成装置の制御方法であって、
用紙タイプ自動検知設定の有効又は無効を設定する第1の設定ステップと、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、給紙部の設定の用紙タイプが確定していない場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知し、前記給紙部の設定の用紙タイプを確定し、前記確定した用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第1の制御ステップと、
前記印刷ジョブの用紙タイプ設定情報が自動又は自動検知であり、前記用紙タイプ自動検知設定が有効であり、前記給紙部の設定の用紙タイプが確定している場合には、前記給紙部の用紙の用紙タイプを搬送路上で検知せずに、前記確定している用紙タイプに応じて、前記給紙部から搬送される用紙に対して印刷するように制御する第2の制御ステップと
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
(プログラム1)
コンピュータを、構成1~11のいずれか1項に記載された画像形成装置として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0108】
100 画像形成装置、101 印刷装置、102 フィニッシャー、103 制御部、104 操作部、105 トナー供給部、106 画像形成部、107 中間転写ベルト、108 定着装置、109 余剰トナー回収部、110~114 給紙部、115 用紙搬送部、116 スイッチバック部、117 用紙投入口、118 用紙排出部、119 投入口、120 スイッチバック部、121 用紙搬送部、122 排出部、123 排紙トレイ、124 メディアセンサー部