(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006296
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20250109BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/79
A63F13/792
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107002
(22)【出願日】2023-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 崇人
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】首藤 まり江
(72)【発明者】
【氏名】寺田 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】星 雄高
(72)【発明者】
【氏名】中畑 虎也
(72)【発明者】
【氏名】塚田 拓実
(72)【発明者】
【氏名】宮川 佳祐
(57)【要約】
【課題】サーバの処理負担を抑えつつ、睡眠情報の参照を所望するユーザに対して睡眠情報を提供可能にする。
【解決手段】本開示によれば、プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠情報を取得するステップと、前記取得した睡眠情報を、所定の期間経過後に制限睡眠履歴情報として保存するステップと、前記ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供し、当該課金要素に応じたゲーム処理を進行するステップと、を実行させ、前記課金要素は、制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む、プログラムが提供される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プロセッサに、
ユーザの睡眠情報を取得するステップと、
前記取得した睡眠情報を、所定の期間経過後に制限睡眠履歴情報として保存するステップと、
前記ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供し、当該課金要素に応じたゲーム処理を進行するステップと、を実行させ、
前記課金要素は、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む、プログラム。
【請求項2】
前記第1コンテンツは、前記制限睡眠履歴情報の提供と前記優位性の提供とを伴う第3コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴いつつ前記優位性の提供は伴わない第4コンテンツとを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の保存期間を延長する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の時期を指定可能とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、参照する制限睡眠履歴情報の種別の指定をユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第2コンテンツとして、前記ゲーム内で使用可能なオブジェクトを付与する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記課金要素を提供するステップでは、
現実世界で使用可能な通貨による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記ユーザの入金により取得可能なゲーム内貨幣による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、ユーザが前記第1コンテンツまたは前記第2コンテンツの提供を所望するタイミングで受付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、所定の期間ごとに継続して受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記課金要素を提供するステップでは、
医療機関からの要請があった場合には、前記第1コンテンツに関する対価の支払額を低減する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記取得した睡眠情報を、前記所定の期間が経過するまで非制限睡眠履歴情報として保存するステップと、
前記ユーザによる対価の支払いにかかわらず、当該ユーザに前記非制限睡眠履歴情報を提供するステップと、を実行する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項13のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項13のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、方法。
【請求項15】
請求項1から請求項13のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの睡眠情報を用いたゲームの開発が進められている。例えば、特許文献1には、ユーザの起床時に睡眠情報の評価結果が算出され、当該算出された評価結果が所定のゲームオブジェクトとして提示されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2016-021235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、睡眠をとった日ごとに評価結果が算出されて、当該算出された評価結果に対応するゲームオブジェクトが提示される仕様となっており、ユーザがよりよい睡眠をとる動機付けを与えている。一方、ユーザが過去の睡眠情報を参照したいというニーズが想定されるが、ユーザの過去の睡眠情報をサーバに記憶させ続け、任意のタイミングで任意のユーザに当該睡眠情報を提供することは、サーバの処理負担が増大するという懸念がある。
【0005】
本開示の目的はサーバの処理負担を抑えつつ、睡眠情報の参照を所望するユーザに対して睡眠情報を提供可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠情報を取得するステップと、前記取得した睡眠情報を、所定の期間経過後に制限睡眠履歴情報として保存するステップと、前記ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供し、当該課金要素に応じたゲーム処理を進行するステップと、を実行させ、前記課金要素は、制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
このような構成とすることで、対価を支払ってでも参照を所望するユーザにのみ制限睡眠履歴情報を提供することとなり、サーバの処理負担を抑えつつ、過去の睡眠情報を参照したいというユーザのニーズを満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置10の機能構成を表すブロック図である。
【
図3】サーバ20の機能構成を表すブロック図である。
【
図4】ユーザデータベース181のデータ構造を示す図である。
【
図5】オブジェクトデータベース182のデータ構造を示す図である。
【
図6】ユーザマスタテーブル221のデータ構造を示す図である。
【
図7】睡眠履歴データベース223のデータ構造を示す図である。
【
図8】システム1の処理の流れの序盤を説明するフロー図である。
【
図9】システム1の処理の流れの中盤を説明するフロー図である。
【
図10】システム1の処理の流れの終盤を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付しており、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、本実施形態において、「入床」とはユーザが睡眠をとるためにベッドまたは布団などの寝床に入ることをいい、「入眠」とは入床後に睡眠を開始することを意味する。また、「覚醒」とはユーザが睡眠を終了することをいい、「起床」とは覚醒後に寝床から起き出すことを意味する。また、睡眠時間とは、入床(または入眠)から起床(または覚醒)までの時間を意味する。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.システム1が提供する機能の概要)
本実施形態におけるシステム1が備える端末装置10は、例えばスマートフォンなどの携帯端末であり、ユーザの睡眠情報を取得して、当該睡眠情報に基づいて進行するゲーム(以下、本睡眠ゲームともいう)を提供する。また、端末装置10は、ユーザが予め設定した時刻に、音声、振動、光等によりユーザが起床するためのアラームを出力する。
【0011】
起床したユーザが端末装置10を操作すると、睡眠情報に基づいて決定されたゲーム内イベントが発生して、ゲームプレイが進行する。ゲーム内イベントとしては、例えば、ゲーム内オブジェクトをユーザが取得するための抽選が行われて、当該抽選結果が端末装置10に表示される。端末装置10によって取得されたユーザの睡眠情報は、所定の期間を経過すると、制限睡眠履歴情報として保存される。ユーザは、端末装置10によって取得された睡眠情報について、所定の期間が経過していない睡眠情報(非制限睡眠履歴情報ともいう)については、対価の支払いを行うことなく閲覧することができる。一方、所定の期間が経過して、制限睡眠履歴情報として保存された睡眠情報については、対価を支払うことで、閲覧することが可能となる。
【0012】
システム1は、さらに、ユーザによる対価の支払いを条件とした課金要素を提供する。当該課金要素には、制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとが含まれる。このような仕様とすることにより、システム1では、過去の睡眠情報を確認したいユーザには、対価の支払いを条件として第1コンテンツを提供しつつ、ゲーム内での優位性を確保したいユーザには、第2コンテンツを提供することができる。そのため、サーバの処理負担を抑えつつ、睡眠情報の参照を所望するユーザに対して睡眠情報を提供することが可能となる。以下、各構成を詳細に説明する。
【0013】
(1-2.端末装置10のハードウェア構成)
図1は、システム1のハードウェア構成の例を示すブロック図である。システム1は、端末装置10と、サーバ20とを含む。端末装置10およびサーバ20は、例えば、ネットワーク30を介して通信接続する。ネットワーク30は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等により実現される。なお、
図2において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は1台に限定されない。すなわち、端末装置10は2台以上であってもよい。
【0014】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0015】
端末装置10は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等の携帯端末により実現される。また、端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現されてもよい。また、端末装置10は、ヘッドマウントディスプレイとして機能してもよく、例えば、透過型、非透過型、またはシースルー型ヘッドマウントディスプレイとして機能してもよい。
【0016】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0017】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0018】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0019】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0020】
メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0021】
ストレージ16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0022】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0023】
睡眠測定デバイス11は、端末装置10のユーザの睡眠に関する情報を取得するためのデバイスである。端末装置10は、1または複数の睡眠測定デバイス11と有線又は無線により接続する。具体的には、端末装置10は、例えば、腕時計型、指輪型、アイマスク型等の、ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスであってもよく、ユーザが就寝しているベッドの枕元等に載置する置時計型のデバイスであってもよい。また、端末装置10と睡眠測定デバイス11とは、同一の装置であるとしてもよい。
【0024】
なお、ユーザが2以上の異なる種類の睡眠測定デバイス11を同時に使用してもよい。例えば、ユーザが腕時計型の睡眠測定デバイス11を1つ装着して使用しつつ、置時計型の睡眠測定デバイス11を1つ使用してもよいし、ユーザが腕時計型の睡眠測定デバイス11を装着して使用しつつ、端末装置10を睡眠測定デバイス11として使用してもよい。
【0025】
また、睡眠測定デバイス11の種類の相違は必ずしも装置の相違である必要はない。すなわち、同じ装置の睡眠測定デバイス11であっても、睡眠情報をサーバ20に送信するまでに利用したソフトウェアやアプリケーション(以下、アプリともいう)の種類によって、システム1において異なる睡眠測定デバイス11として管理してもよい。
【0026】
例えば、同一の睡眠測定デバイス11を利用して睡眠情報を検出した場合であっても、睡眠情報の修正等のために、睡眠測定アプリAを利用した場合と睡眠測定アプリAとは異なる睡眠測定アプリBを利用した場合とでは、それぞれ異なる「睡眠測定デバイスID」を付与して睡眠情報を管理してもよい。このように、装置構成としてのデバイスの種類と、使用したアプリケーションの組み合わせに応じて、それぞれ異なる「睡眠測定デバイスID」として管理することで、より柔軟な睡眠情報の生成が可能になり、その結果、睡眠情報に基づくゲームの興趣性を十分に発揮することができる。
【0027】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0028】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置(例えば端末装置10)と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0029】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0030】
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0031】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0032】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0033】
(1-3.端末装置10の機能構成)
図2は、端末装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、入力装置13と、出力装置14と、通信部150と、撮像部160と、音声処理部170と、記憶部180と、モーションセンサ190と、制御部200を備える。
図2において端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0034】
通信部150は、端末装置10が他の装置(例えばサーバ20)と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部150は、制御部200で生成された信号に送信処理を施し、外部へ送信する。通信部150は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部200へ出力する。
【0035】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチセンシティブデバイス131等により実現される。入力装置13は、キーボードまたはマウスを含んでいてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示、又は情報を電気信号へ変換し、電気信号を制御部200へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0036】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部200の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0037】
撮像部160はカメラを備え、受光素子により光を受光し、撮影信号として入力することで、端末装置10の周囲の撮像を行う。
【0038】
音声処理部170は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部170は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部200へ与える。また、音声処理部170は、音声信号をスピーカ172へ与える。音声処理部170は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部170へ与える。スピーカ172は、音声処理部170から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0039】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータベース(Databese/DBとも記載)、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、一例として、ユーザデータベース181と、オブジェクトデータベース182を記憶する。
【0040】
ユーザデータベース181は、ユーザの情報を記憶するためのデータベースである。ユーザデータベース181には、当該端末装置10を利用するユーザに関する情報が記憶される。一例として、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザがユーザ登録の作業を行ったタイミングで、ユーザデータベース181のレコードが生成される仕様としてもよい。ユーザデータベース181のデータ構造の詳細は後述する。
【0041】
オブジェクトデータベース182は、ユーザとオブジェクトとの関係に関する情報を記憶する。本実施形態において、オブジェクトは、例えば、ゲームプレイに登場させるキャラクタ、又はアイテム等を表す。オブジェクトは、例えば、睡眠情報の程度に基づいてサーバ20で抽選がなされ、ユーザに関連付けられる。ユーザとオブジェクトとの関係は、例えば、睡眠情報に基づいて関連付けられ、関連付けられたオブジェクトがユーザから干渉を受けることで変動する。
【0042】
また、ユーザは、睡眠以外の時間において、すでに関連付けられたオブジェクトを選択し、ゲームプレイを実行することが可能である。一例として、睡眠情報に基づく抽選、及びその後のオブジェクトへの干渉により、ユーザとオブジェクトとの関係が所定の要件を満たすと、ユーザは、睡眠以外の時間でのゲームにおいてオブジェクトを利用可能となる仕様としてもよい。
【0043】
なお、ユーザとオブジェクトとが関連付けられるとの表現は、ユーザとオブジェクトとの関連性の例を表す表現であり、その他の表現で表されてもよい。例えば、ユーザがオブジェクトを購入する、所有する、使用する等、いかなる表現が用いられてもよい。
【0044】
モーションセンサ190は、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)等を含み、端末装置10の動きを検出しセンシング結果を出力する。例えば、端末装置10を、ユーザが就寝するベッド等の寝床に載置することにより、睡眠中のユーザが寝床の上で動いている場合に、当該動きを検出することができる。
【0045】
制御部200は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部200は、端末装置10の動作を制御する。制御部200は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部201と、送受信部202と、通知制御部203と、時刻設定部204と、睡眠情報取得部205としての機能を発揮する。
【0046】
操作受付部201は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部201は、タッチセンシティブデバイス131等から入力されるユーザの指示に基づく情報を受け付ける。一例として、操作受付部201は、起床したユーザから睡眠計測を終了させるための操作を受け付けることにより、計測していた睡眠情報を確定させる。なお、当該睡眠計測を終了させるための操作は、ユーザが起床するために端末装置10から出力されるアラームを止める操作であってもよい。
【0047】
送受信部202は、端末装置10が、外部の装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。一例として、送受信部202は、睡眠計測を終了させるための操作入力をユーザから受け付けて確定した睡眠情報を、サーバ20へ送信する。
【0048】
通知制御部203は、ユーザへの通知、すなわちユーザに対し情報を提示する処理を制御する。具体的には、通知制御部203は、表示画像をディスプレイ141に表示させる処理、音声を音声処理部170に出力させる処理等を行う。
【0049】
時刻設定部204は、ユーザから、ゲームの進行に関する時刻を設定する操作を受け付ける。例えば、時刻設定部204はユーザが起床するためのアラームを出力する時刻の設定を行う。ユーザは起床を予定する時刻(起床予定時刻)をゲームの進行に関する時刻として設定する。ユーザが設定した起床予定時刻になると、端末装置10はアラームをスピーカ172から出力する。ユーザがアラームを止める操作を行うと、端末装置10はユーザが起床したと判断し、睡眠情報を確定してゲームを進行させる。
【0050】
時刻設定部204は、さらに、ユーザから入床を予定する時刻(入床予定時刻)を設定する操作を受け付けてもよい。ユーザが設定した入床予定時刻が近付くと、端末装置10は、入床予定時刻が近付いていることをユーザに通知する仕様としてもよい。当該通知はディスプレイ141に表示されてもよく、スピーカ172から音声によって出力されてもよい。
【0051】
なお、アラームの設定は、システム1を構成する各装置(端末装置10、サーバ20)が、ゲームを提供するためのソフトウェアにより実現されることとしてもよい。例えば、アラームの設定は、端末装置10にインストールされ、システム1の機能を提供するソフトウェアに組み込まれたものであってもよい。すなわち、ユーザは、端末装置10のOS(Operating System)の機能として提供されるアラーム機能ではなく、端末装置10においてユーザにゲームを提供するためのソフトウェアが構成するアラーム設定部により起床時刻を設定することができる。システム1は、当該アラーム設定における起床時刻に関する操作を受け付けて、ゲームを進行させてもよい。
【0052】
睡眠情報取得部205は、ユーザの睡眠情報を取得する。本実施形態における「睡眠情報」とは、ユーザの睡眠に関する情報であって、具体的には、入床時刻、入眠時刻、覚醒時刻、起床時刻、睡眠時間(入眠時刻から覚醒時刻までの時間)、睡眠の質に関する情報、および睡眠リズムの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。一例として、睡眠情報取得部205は、モーションセンサ190が検出したセンシング結果を用いることにより、ユーザが睡眠中であるか覚醒中であるか、また、睡眠中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、ユーザの睡眠の質を評価することができる。例えば、良質な睡眠である場合のレム睡眠、ノンレム睡眠の周期が予め設定されており、ユーザの睡眠時のレム睡眠、ノンレム睡眠の周期と比較することで、ユーザの睡眠の質を評価する仕様としてもよい。
【0053】
また、睡眠情報取得部205は、モーションセンサ190または生体情報センサ191が検出したセンシング結果に基づいて、ユーザが入床したこと、入床した後に入眠したこと、および覚醒したことを検出する。また、睡眠情報取得部205は、ユーザが入床してから入眠するまでの間に、ユーザが端末装置10に対して入力操作をしていたか、ユーザが端末装置10のディスプレイ141に表示される情報を閲覧していたか等を判定することができる。すなわち、寝ようとしているユーザが、寝る前に端末装置10を操作しているか否かを判定することができる。
【0054】
睡眠測定デバイス11は、ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスとして実現する場合に、モーションセンサ190に加えて生体情報センサ191を備えてもよい。生体情報センサ191は、ユーザの体温、血圧、および心拍数の少なくとも1つといった生体情報を検出する。睡眠情報取得部205は、生体情報センサ191が検出した生体情報に基づいて、ユーザが睡眠中であるか覚醒中であるか、また、睡眠中のユーザが、浅い睡眠であるか、深い睡眠であるか、レム睡眠であるか、ノンレム睡眠であるか等を判別し、ユーザの睡眠の質を評価することができる。
【0055】
睡眠測定デバイス11は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の近距離無線通信により通信し、端末装置10へセンシング結果を送信する。なお、睡眠測定デバイス11等が、5G等の移動体通信システムの通信規格に対応する場合、近距離無線通信によって端末装置10へ送信することなく(または送信することに加えて)、サーバ20にセンシング結果を送信することとしてもよい。この場合、端末装置10は、睡眠測定デバイス11等からセンシング結果を受信したサーバ20から、当該センシング結果を受信し、受信したセンシング結果を用いて睡眠情報を生成して記憶することとしてもよい。
【0056】
(1-4.サーバ20の機能構成)
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230としての機能を発揮する。
【0057】
通信部210は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0058】
記憶部220は、例えば、メモリ25、及びストレージ26等により実現され、サーバ20が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部220は、一例として、ユーザマスタテーブル221と、オブジェクトマスタテーブル222と、睡眠履歴データベース223を記憶する。
【0059】
ユーザマスタテーブル221は、システム1が提供する本睡眠ゲームをプレイするユーザに関する情報をマスタデータとして記憶するテーブルである。一例として、ユーザマスタテーブル221は、本睡眠ゲームをプレイするために登録された全てのユーザの情報を記憶する。ユーザマスタテーブル221のデータ構造は後述する。
【0060】
オブジェクトマスタテーブル222は、ユーザと関連付けることが可能なオブジェクトに関する情報をマスタデータとして記憶するテーブルである。一例として、オブジェクトマスタテーブル222は、本睡眠ゲームにおいてユーザに関連付けられ得るすべてのオブジェクトの情報を記憶する。
【0061】
睡眠履歴データベース223は、睡眠の履歴情報を記憶するデータベースである。本実施形態では、睡眠の履歴情報には、非制限睡眠履歴情報と制限睡眠履歴情報が含まれる。制限睡眠履歴情報は、ユーザから取得してから所定の期間が経過するまでの睡眠情報である。制限睡眠履歴情報は、ユーザから取得してから所定の期間が経過した睡眠情報である。当該所定の期間は適宜設定することができ、例えば1週間としてもよいし、1カ月としてもよい。ユーザは、対価の支払いにかかわらず非制限睡眠履歴情報を閲覧することができるが、制限睡眠履歴情報を閲覧するためには対価を支払う必要がある。睡眠履歴データベースのデータ構造は後述する。
【0062】
制御部230は、プロセッサ29が記憶部220に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。一例として、制御部230は、プログラムに従って動作することにより、送受信モジュール231、ゲーム進行モジュール232、コンテンツ管理モジュール234として示す機能を発揮する。
【0063】
送受信モジュール231は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0064】
ゲーム進行モジュール232は、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、本睡眠ゲーム内でのイベントを発生させてゲームプレイを進行させる。ゲーム内でのイベントとしては、キャラクタ(自身が使用するキャラクタおよび敵キャラクタを含む)またはアイテム等のオブジェクトをゲーム内で進行するシナリオに登場させること、ゲームステージを開放してユーザによるプレイを可能にすること、または、オブジェクトをユーザが取得するための抽選を行って、当該抽選結果を表示すること等が挙げられる。
【0065】
例えば、ゲーム進行モジュール232は、ゲームプレイ内でのイベントとして、ユーザのゲームプレイに登場させるキャラクタ、アイテム等のオブジェクトを睡眠情報に基づく抽選で決定し、抽選によって決定されたオブジェクトをゲームプレイにおいて登場させる。これにより、ユーザは、睡眠情報に基づいて、新たなキャラクタを発見する等の体験をすることができる。
【0066】
また、ゲーム進行モジュール232は、端末装置10から受信したユーザの睡眠情報に基づいて、ゲーム内オブジェクトの抽選における抽選アルゴリズムを変更する仕様としてもよい。一例として、受信した睡眠情報における睡眠時間および睡眠の質の少なくとも一方が所定の条件を満たした場合に、抽選において取得できるゲーム内オブジェクトを変更してもよいし、抽選回数を変更してもよい。このような構成とすることで、睡眠情報に基づいて起床後のゲーム進行が変化することとなり、ユーザに起床後の楽しみを提供することができる。
【0067】
睡眠情報管理モジュール233は、記憶部220に記憶された睡眠情報を管理する。具体的には、睡眠情報管理モジュール233は、ユーザから取得した睡眠情報が所定の期間を経過すると、当該睡眠情報を制限睡眠履歴情報として保存する。一例として、睡眠情報管理モジュール233は、ユーザマスタテーブル221に記憶されているユーザの睡眠情報(非制限睡眠履歴情報)を、睡眠履歴データベース223に記憶するデータ移行を行う。
【0068】
当該データ移行において、睡眠情報管理モジュール233は、睡眠履歴データベース223に新たなレコードを追加するとともに、ユーザマスタテーブル221に記憶されているユーザの睡眠情報をデータ削除(物理削除および論理削除を含む。以下同様。)してもよい。また、睡眠情報管理モジュール233は、当該データ移行において、端末装置10の記憶部180内に記憶されている睡眠情報についてもデータ削除してもよい。このような構成とすることで、ユーザから取得してから所定の期間を経過した制限睡眠履歴情報については、睡眠履歴データベース223で一元管理することが可能となる。
【0069】
コンテンツ管理モジュール234は、ユーザによる対価の支払いを条件として、ユーザに提供されるコンテンツである課金要素を管理する。コンテンツ管理モジュール234は、課金要素として、ユーザへの制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、ユーザへの制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツを管理する。なお、ユーザによる対価の支払いの管理(すなわち、対価に関する決済の管理)はサーバ20で行ってもよく、他の外部サーバで行ってもよい。外部サーバで決済の管理を行う場合は、コンテンツ管理モジュール234は、ユーザが第1コンテンツへの対価の支払いを行ったことを端末装置10から受信すると、当該ユーザへ第1コンテンツを提供する仕様としてもよい。
【0070】
第1コンテンツは、ユーザへの制限睡眠履歴情報の提供を伴うコンテンツである。具体的には、例えば、第1コンテンツには、制限睡眠履歴情報を閲覧可能とするアイテム(以下、閲覧用アイテムともいう)の付与が含まれる。ユーザは、第1コンテンツへの対価を支払うことで付与された閲覧用アイテムを使用することにより、制限睡眠履歴情報を閲覧することができる。また、第1コンテンツとして、ユーザに閲覧用アイテムを付与することなく、制限睡眠履歴情報を閲覧する機能を利用可能にする仕様であってもよい。一例として、ユーザは、第1コンテンツへの対価を支払うことにより、所定の期間において制限睡眠履歴情報を常時閲覧することが可能となる仕様としてもよい。
【0071】
また、第1コンテンツとして、ユーザに制限睡眠履歴情報に関するデータを、ダウンロードなどにより取得させてもよい。また、第1コンテンツとして、ユーザの制限睡眠履歴情報の記録の閲覧だけでなく、第1コンテンツへの対価の支払いを条件として、当該記録に基づく集計値や平均値などの統計データ(以下、睡眠履歴統計データともいう)をユーザに提供してもよい。この場合、睡眠情報管理モジュール233は、制限睡眠履歴情報に基づく睡眠履歴統計データを予め算出しておき、ユーザが第1コンテンツへの対価を支払ったことを条件として、当該統計データをユーザに提供する仕様としてもよい。このような仕様とすることで、ユーザは第1コンテンツへの対価を支払うことにより、睡眠履歴統計データをすぐに閲覧することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0072】
また、コンテンツ管理モジュール234は、第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報が取得された時期または期間を指定可能としてもよい。例えば、所定の対価を支払ったユーザは、指定した時期の制限睡眠履歴情報を参照可能としてもよい。当該時期または期間の指定は、日単位、週単位、または月単位であってもよく、一例として、指定した年月における1カ月分の睡眠情報およびその統計データをユーザが閲覧できる仕様としてもよい。また、ユーザが指定する期間の長さに応じて、対価の額が変動する仕様としてもよい。例えば、指定する期間が長くなるほど、ユーザが支払う対価の額が高くなる仕様としてもよい。
【0073】
睡眠履歴データベース223内の制限睡眠履歴情報は、ユーザの第1コンテンツへの対価の支払いにかかわらず、保存され続けることが好ましい。このような仕様とすることで、ユーザが第1コンテンツへの支払いを断続的に行う場合であっても、支払いに応じて制限睡眠履歴情報を提供することが可能となる。これに対して、コンテンツ管理モジュール234は、第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の保存期間を延長してもよい。すなわち、所定の対価を行うユーザについては、対価の支払い後の制限睡眠履歴情報の保存期間を長くする仕様としてもよい。一例として、対価の支払いを行わないユーザの場合は制限睡眠履歴情報の保存期間を1年としておき、対価の支払いを条件として、制限睡眠履歴情報の保存期間を3年に延長する仕様としてもよい。
【0074】
また、コンテンツ管理モジュール234は、第1コンテンツとして、ユーザが参照できる睡眠情報の種別を指定できる仕様としてもよい。ここで、種別とは、睡眠情報を分類するために設定された任意のパラメータを意味する。一例として、制限睡眠履歴情報は、取得時に使用されたデバイスの情報を種別として有する仕様としてもよい。この場合、ユーザは、睡眠情報を取得したデバイスを指定して、制限睡眠履歴情報を閲覧することができる。また、一例として、制限睡眠履歴情報は、睡眠の質の情報を種別として有する仕様としてもよい。この場合、ユーザは、睡眠の質を指定して、制限睡眠履歴情報を閲覧することができる。
【0075】
第2コンテンツは、制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴うコンテンツである。ゲーム内における優位性とは、ゲームの進行が容易になること、ゲームの進行にかかる時間を短縮できること、ゲームの進行において他のプレイヤよりも有利な状態になること等を含み得る。
【0076】
より具体的には、例えば、コンテンツ管理モジュール234は、第2コンテンツとして、ゲーム内で使用可能なキャラクタまたはアイテム等のオブジェクトであって、ゲームの進行が容易となるオブジェクトをユーザに付与する。または、コンテンツ管理モジュール234は、第2コンテンツとして、ゲームの進行において他のプレイヤよりも有利な状態になるオブジェクトをユーザに付与する。なお、コンテンツ管理モジュール234は、ゲームの進行が容易となるオブジェクトを付与することに替えて/または加えて、当該オブジェクトを取得するための抽選を行う権利を付与する仕様としてもよい。
【0077】
また、コンテンツ管理モジュール234は、第2コンテンツとして、ゲーム進行モジュール232が発生させるゲーム内でのイベントについて、ユーザにとって有利な効果を発生させてもよい。例えば、ユーザの第2コンテンツへの対価の支払いを条件として、ゲーム進行モジュール232が発生させるイベントとしての抽選において、ゲーム進行において有利なオブジェクトを当選する確率を上げてもよい。または、ゲーム進行モジュール232がユーザに付与するゲーム内通貨などの所定のポイントをより多く付与する仕様としてもよい。
【0078】
なお、第2コンテンツにおいてユーザに提供されるゲーム内における優位性は、第1コンテンツの対価を支払ったユーザに対して提供されてもよい。例えば、コンテンツ管理モジュール234は、第1コンテンツとして、睡眠情報の提供と優位性の提供とを伴う第3コンテンツと、睡眠情報の提供を伴いつつ優位性の提供は伴わない第4コンテンツとを提供する仕様としてもよい。
【0079】
具体的には、第3コンテンツでは、ユーザによる対価の支払いを条件として、ユーザに制限睡眠履歴情報を閲覧可能とするとともに、ゲーム内で使用可能であって、ゲームの進行が有利となるオブジェクトをユーザに付与する。一方、第4コンテンツでは、ユーザによる対価の支払いを条件として、ユーザに制限睡眠履歴情報を閲覧可能とはするが、ゲームの進行が容易となるオブジェクト等の付与は行わない。このような仕様とすることで、ユーザのニーズに合わせた多様なコンテンツの提供が可能となる。
【0080】
コンテンツ管理モジュール234は、課金要素を提供する際の対価の支払い(以下、単に対価の支払いともいう)については、様々な態様で受け付けることができる。一例として、コンテンツ管理モジュール234は、現実世界で使用可能な通貨(具体的には円、ドルなどの法定通貨)での対価の支払いを受け付ける仕様としてもよい。
【0081】
または、コンテンツ管理モジュール234は、ユーザの入金により取得可能なゲーム内貨幣による対価の支払いを受け付ける仕様としてもよい。一例として、ゲーム内貨幣はゲーム内で使用可能な宝石の形態で提供され、ユーザが所定の金額を入金することに伴い、予め定められた個数が付与される。コンテンツ管理モジュール234は、当該ゲーム内貨幣をユーザが使用することにより、第1コンテンツおよび/または第2コンテンツを提供する仕様としてもよい。
【0082】
また、コンテンツ管理モジュール234は、対価の支払いを、ユーザが第1コンテンツまたは第2コンテンツの提供を所望するタイミングで随時行う仕様としてもよい。この場合、例えばコンテンツ管理モジュール234は、ユーザが対価を支払ったタイミングで、第1コンテンツとして、制限睡眠履歴情報を閲覧可能としてもよい。
【0083】
また、コンテンツ管理モジュール234は、対価の支払いを所定の期間ごとに継続して行うサブスクリプション方式を採用してもよい。この場合、例えばコンテンツ管理モジュール234は、当該サブスクリプション方式に対して対価の支払いを設定したユーザに対して、当該登録期間中は随時制限睡眠履歴情報を参照可能とする仕様としてもよい。
【0084】
(1-5.データ構造)
図4~
図7を参照して、システム1で使用されるデータベースのデータ構造について説明する。なお、
図4~
図7はあくまでも一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同じ項目についての説明は繰り返さない。
【0085】
図4および
図5は、端末装置10の記憶部180が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。
図4は、ユーザデータベース181のデータ構造の一例を示す。ユーザデータベース181は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日、起床予定時刻、保持アイテム、睡眠情報、確認ステータス等のカラムを有する。
【0086】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。氏名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。年齢は、ユーザの年齢を記憶する項目である。住所は、ユーザが住んでいる場所を記憶する項目である。生年月日は、ユーザが生まれた日付を記憶する項目である。登録年月日は、ユーザが本実施形態に係るゲームの利用を開始した日付を記憶する項目である。
【0087】
起床予定時刻は、起床することを予定する時刻を記憶する項目である。起床予定時刻は、例えば、ユーザからの入力に基づき設定される。保持アイテムは、ユーザが保持している、ゲーム内で使用可能なアイテムに関する情報を記憶する項目である。ユーザが保持しているアイテムは、例えば、ユーザと関連付けられているアイテムと換言可能である。アイテムは、例えば、育成アイテム、又は付与アイテム等を含む。項目「保持アイテム」には、例えば、ユーザが保持しているアイテムの名称、及び個数が記憶される。
【0088】
睡眠情報は、ユーザに関する睡眠情報を記憶する項目である。項目「睡眠情報」には、例えば、前日の夜の睡眠情報が記憶される。また、項目「睡眠情報」には、例えば、過去における所定の日数分の睡眠情報が記憶されてもよい。
【0089】
確認ステータスは、イベントの内容を確認したか否かのステータスを記憶する項目である。項目「確認ステータス」には、例えば、「保留中」、又は「確認済み」等、ユーザがイベントの内容を確認したか否かを判断可能な情報が記憶される。イベントの内容の確認を先送りした場合には、項目「確認ステータス」に、例えば、「保留中」が記憶される。
【0090】
図5は、オブジェクトデータベース182のデータ構造の一例を示す。オブジェクトデータベース182は、オブジェクトIDをキーとして、名称、レベル、パラメータ、元気度、種別、属性、詳細情報等のカラムを有する。
【0091】
オブジェクトIDは、オブジェクトを一意に識別するための識別子を記憶する項目である。名称は、オブジェクトの名称を記憶する項目である。レベル及びパラメータは、ユーザとオブジェクトとの関係の一例を記憶する項目である。項目「レベル」及び項目「パラメータ」は、ユーザとオブジェクトとの係りの深さを表す指標である。項目「レベル」は、例えば、0以上の整数が記憶される。項目「パラメータ」は、例えば、0から所定値(例えば、100)までの数値が記憶される。項目「パラメータ」の値が最大値である所定値に達すると、項目「パラメータ」の値が0となり、項目「レベル」の値が1だけインクリメントされる。項目「パラメータ」の値は、ユーザがオブジェクトに対して干渉すると増加する。具体的には、例えば、項目「パラメータ」は、オブジェクトに対して付与した付与オブジェクトの数、種類に応じて増加する。
【0092】
元気度は、個体としてのオブジェクトを睡眠以外の時間でのゲームに使用可能な程度を記憶する項目である。項目「元気度」は、例えば、0から所定値(例えば、100)までの数値が記憶される。例えば、所定値に近いほど、ユーザは、長い時間個体をゲームで使用することが可能であり、0である場合には、ゲームで使用できない。項目「元気度」は、ユーザの起床が検出されると回復する。回復量は、所定量であってもよいし、睡眠情報に応じた量であってもよいし、オブジェクトに応じた量であってもよいし、全快してもよい。項目「元気度」が、ユーザによりイベントが確認されていなくても、ユーザの起床が検知されると変動するパラメータである。
【0093】
種別は、オブジェクトの種類を記憶する項目である。本実施形態において、オブジェクトの種類は、例えば、キャラクタ、育成アイテム、付与アイテムを含む。属性は、キャラクタとしてのオブジェクトが属する性質を記憶する項目である。本実施形態において、属性は、例えば、炎、水、雷、草、超、鋼、悪、闘等を含む。属性には、相対すると有利になる属性、及び不利になる属性が存在する。
【0094】
詳細情報は、例えば、ユーザと関連付けられている態様を記憶する項目である。項目「詳細情報」では、各オブジェクトに設定されている複数の態様のいずれと関連付けられているかが記憶されている。項目「詳細情報」では、例えば、関連付けられている態様に「1」が設定され、関連付けられていない態様に「0」が設定されている。また、詳細情報として、個体としてのオブジェクトが有する有利な効果を記憶してもよい。有利な効果は、例えば、睡眠以外の時間でのゲーム要素で発揮される効果である。有利な効果には、例えば、育成アイテムを多く取得できる効果、又はよりレア度の高い育成アイテムを取得できる効果等が存在する。また、詳細情報として、レアリティに関する情報等を有していてもよい。
【0095】
図6および
図7は、サーバ20の記憶部220が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。
図6は、ユーザマスタテーブル221のデータ構造を示す図である。ユーザマスタテーブル221は、ユーザIDをキーとして、氏名、年齢、住所、生年月日、登録年月日、起床予定時刻、関連オブジェクト、睡眠情報等のカラムを有するテーブルである。
【0096】
関連オブジェクトは、ユーザと関係づけられているキャラクタ等のオブジェクトに関する情報を記憶する項目である。項目「関連オブジェクト」には、例えば、ユーザと関連付けられている個体としてのオブジェクトに関する情報が記憶されている。オブジェクトに関する情報には、例えば、管理ID、オブジェクトID、名称、レベル、パラメータ、元気度、種別、属性、詳細情報等が含まれ得る。また、項目「関連オブジェクト」には、例えば、ユーザと関連付けられているアイテムに関する情報が記憶されている。アイテムに関する情報には、例えば、ユーザが保持しているアイテムの名称、及び個数等が含まれ得る。
【0097】
睡眠情報は、ユーザに関する睡眠情報を記憶する項目である。項目「睡眠情報」には、ユーザから取得してから所定の期間が経過するまでの睡眠情報が記憶される。例えば、ユーザの起床後のイベントの確認要求と関連付けて睡眠情報がサーバ20へ送信される場合、ユーザからイベントの確認が要求されないと、前日の夜の睡眠情報がユーザマスタテーブル221に記憶されない仕様としてもよい。このように、前日の夜の睡眠を評価しない状態では、次の日の睡眠情報を受け付けることができないため、イベントが確認されていないと、次の日の睡眠情報が受け付けられない状態としてもよい。すなわち、項目「睡眠情報」で記憶される睡眠情報は、ユーザによりイベントが確認されると次の日の睡眠情報を記憶可能となる。
【0098】
また、ユーザマスタテーブル221で記憶される過去の睡眠情報は、ユーザデータベース181で記憶される過去の睡眠情報よりも古い睡眠情報が記憶されてもよい。つまり、ユーザデータベース181には、ユーザマスタテーブル221で記憶される所定の期間を経過するまでの睡眠情報のうちの一部が記憶されるようにしてもよい。
【0099】
図7は、睡眠履歴データベース223のデータ構造の一例を示す。睡眠履歴データベース223は、履歴IDをキーとして、ユーザID、就寝日、就寝時刻、起床時刻、睡眠時間、睡眠状態、取得デバイスのカラムを有する。
【0100】
ユーザIDは、ユーザを一意に識別するための識別子を記憶する項目であり、ユーザマスタテーブル221の項目「ユーザID」が外部キーとして保持される。項目「睡眠状態」は、当該レコードに相当する睡眠情報について、睡眠情報取得部205が評価した睡眠の質についての情報である。項目「取得デバイス」は、当該レコードに相当する睡眠情報を取得した睡眠測定デバイス11についての情報である。
【0101】
(1-6.処理の流れ)
以下、
図8~
図10を参照して、システム1の処理の流れの一例を説明する。
【0102】
図8のステップS100において、端末装置10は、ユーザの操作に基づいて、本睡眠ゲームを起動する。ステップS103において、端末装置10の操作受付部201は、ユーザの操作に基づいて、第1コンテンツおよび/または第2コンテンツへの対価の支払いを受け付ける。一例として、対価の支払いに関する決済の管理は、外部サーバで実行される。ステップS106において、端末装置10は、対価の支払いが完了した通知をサーバ20へ送信する。ステップS205において、サーバ20の送受信モジュール231は、対価の支払いが完了した通知を受信する。
【0103】
ステップS110において、端末装置10の睡眠情報取得部205は、ユーザの睡眠情報の計測(以下、睡眠計測ともいう)を開始する。一例として、睡眠情報取得部205は、操作受付部201がユーザによる睡眠開始の操作を受け付けたことをトリガーとして、睡眠計測を開始する仕様としてもよい。当該操作は、ディスプレイ141に表示された所定のアイコンを、ユーザが入床する直前に押下する操作であってもよい。または、睡眠情報取得部205は、当該操作を受け付けることなく、ユーザが入床したことを検知して、睡眠測定を開始する仕様としてもよい。
【0104】
ステップS115において、睡眠情報取得部205は、ユーザの睡眠情報を取得する。一例として、睡眠情報取得部205は、モーションセンサ190が検出したセンシング結果に基づいて、ユーザの睡眠時間および睡眠の質についての情報を取得する。
【0105】
ステップS120において、睡眠情報取得部205は、ユーザの睡眠計測を終了する。一例として、睡眠情報取得部205は、端末装置10の操作受付部201がユーザによる睡眠終了の操作を受け付けたことをトリガーとして、睡眠計測を終了する仕様としてもよい。当該操作は、起床予定時刻として予め設定した時刻に出力されるアラームをユーザが止める操作であってもよい。または、睡眠情報取得部205は、当該操作を受け付けることなく、ユーザが覚醒したことを検知して、睡眠測定を終了する仕様としてもよい。
【0106】
ステップS125において、端末装置10の送受信部202は、睡眠情報をサーバ20へ送信する。ステップS210において、サーバ20の送受信モジュール231は、睡眠情報を端末装置10から受信する。コンテンツ管理モジュール234は、端末装置10から受信した睡眠情報を、非制限睡眠履歴情報としてユーザマスタテーブル221へ保存する。
【0107】
図9のステップS215において、サーバ20のゲーム進行モジュール232は、睡眠情報に基づいてゲーム内で発生させるイベントを決定する。一例として、ゲーム進行モジュール232は、ゲーム内で発生させるイベントとして、ユーザのゲームプレイによって登場させるキャラクタ、アイテム等のゲーム内オブジェクトを睡眠情報に基づく抽選で決定する。
【0108】
ゲーム進行モジュール232は、ユーザが第2コンテンツへの対価の支払いを行っている場合(すなわち、S205における対価の支払完了の通知を受信した場合)に、ゲーム内の優位性を提供する処理を行う。一例として、ゲーム進行モジュール232は、発生させるイベントとしての抽選において、ゲーム進行において有利なオブジェクトを当選する確率を上げる。なお、第1コンテンツが、制限睡眠履歴情報の提供と合わせてゲーム内での優位性を提供する第3コンテンツである場合には、ゲーム進行モジュール232は、ユーザが第1コンテンツへの対価の支払いを行っている場合においても、同様の処理を行う。
【0109】
ステップS220において、サーバ20の送受信モジュール231は、ゲーム進行モジュール232が決定したイベントを、端末装置10へ送信する。ステップS130において、端末装置10の送受信部202は、サーバ20からイベントを受信する。
【0110】
ステップS135において、通知制御部203は、イベントをディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示する。通知制御部203は、ユーザが起床したタイミングに合わせて、イベントの提示を行う仕様としてもよい。具体的には、ユーザが起床したタイミングから可及的速やかにイベントの提示を行う仕様としてもよく、ユーザが起床したタイミングから所定の時間経過後(例えば10分後)にイベントの提示を行う仕様としてもよい。
【0111】
ステップS230において、睡眠情報管理モジュール233は、制限睡眠履歴情報を保存する。具体的には、睡眠情報管理モジュール233は、ユーザマスタテーブル221に記憶されているユーザの睡眠情報の内、取得してから所定の期間が経過した睡眠情報を、睡眠履歴データベース223に記憶する。
【0112】
図10のステップS140において、端末装置10の操作受付部201は、第1コンテンツへの対価の支払いを行ったユーザから制限睡眠履歴情報の閲覧の要求を受け付ける。ステップS145において、端末装置10の送受信部202は、制限睡眠履歴情報の閲覧の要求をサーバ20へ送信する。ステップS235において、サーバ20の送受信モジュール231は、制限睡眠履歴情報の閲覧の要求を端末装置10から受信する。
【0113】
ステップS240において、サーバ20のコンテンツ管理モジュール234は、受信した制限睡眠履歴情報の閲覧の要求に基づいて、ユーザに提供する制限睡眠履歴情報を決定する。一例として、ユーザに提供する制限睡眠履歴情は、ユーザが指定した期間における睡眠履歴情報である。または、コンテンツ管理モジュール234は、制限睡眠履歴情報として、ユーザが指定した期間における睡眠履歴情報の統計データを提供してもよい。。
【0114】
ステップS245において、サーバ20の送受信モジュール231は、コンテンツ管理モジュール234がユーザの要求に基づいて選定した制限睡眠履歴情報を、端末装置10へ送信する。ステップS150において、端末装置10の送受信部202は、サーバ20から制限睡眠履歴情報を受信する。ステップS155において、通知制御部203は、制限睡眠履歴情報をディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示する。
【0115】
なお、上述の処理においては、第1コンテンツおよび/または第2コンテンツ(以下、まとめてコンテンツという)への対価の支払いを行ったユーザは、コンテンツの提供を常時受けることができる仕様となっているが、この態様に限定されることはない。例えば、コンテンツ管理モジュール234は、コンテンツへの対価の支払いを行ったユーザに対して、コンテンツの提供を受けるためのアイテムを付与して、ユーザによるアイテムの消費と引き換えにコンテンツを提供してもよい。
【0116】
この場合、例えば、S205において、ユーザによるコンテンツへの対価の支払完了を受信すると、コンテンツ管理モジュール234は、当該コンテンツの提供を受けるためのアイテムを付与する。例えば、ユーザが第2コンテンツの提供を受けるためのアイテムを、睡眠計測を開始するタイミング(S110)で使用することにより、睡眠情報の取得後にイベントを発生させるステップ(S215)において、ゲーム内で発生させるイベントをユーザにとって有利にさせてもよい。また、ユーザは第1コンテンツの提供を受けるためのアイテムを、制限睡眠履歴情報の閲覧を要求するタイミング(S140)で使用することにより、制限睡眠履歴情報が提供される仕様としてもよい。
【0117】
(1-7.小括)
以上のようにして、本実施形態では、システム1は、ユーザの睡眠情報を取得するステップ(S115)と、取得した睡眠情報を、所定の期間経過後に制限睡眠履歴情報として保存するステップ(S230)と、ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供するステップ(S240、S245)と、を実行させ、課金要素は、制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む。このような構成とすることで、過去の睡眠情報を確認したいユーザには、対価の支払いを条件として第1コンテンツを提供しつつ、ゲーム内での優位性を確保したいユーザには、第2コンテンツを提供することができる。そのため、サーバの処理負担を抑えつつ、睡眠情報の参照を所望するユーザに対して睡眠情報を提供することが可能となる。
<2 他の実施形態>
以上、本発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0118】
例えば、上記実施形態では、コンテンツ管理モジュール234は、ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供しているが、例えば、医療機関からの要請があった場合には、第1コンテンツに関する対価の支払額を低減する仕様としてもよく、支払いを不要とする仕様としてもよい。このような仕様とすることで、睡眠障害などの健康上の理由があるユーザについては、制限睡眠履歴情報の提供に伴うユーザの負担を軽減することができ、ユーザの満足度を向上することができる。
【0119】
また、上記実施形態では、端末装置10は、スマートフォンなどで実現される端末として説明したが、この例に限定されることはない。家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、端末装置10を実現し、マウスなどの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0120】
また、通信回線を介した所定情報の共有は、主にインターネットなどのWANを介して行われるが、情報処理装置間では、WANを介さずにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等のみを介して行われてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、各機能を端末装置10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様で端末装置10、サーバ20、又は端末装置10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0122】
さらに、本発明は、上述した端末装置10またはサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0123】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの睡眠情報を取得するステップと、前記取得した睡眠情報を、所定の期間経過後に制限睡眠履歴情報として保存するステップと、前記ユーザによる対価の支払いを条件として課金要素を提供し、当該課金要素に応じたゲーム処理を進行するステップと、を実行させ、前記課金要素は、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずにゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む、プログラム。
(付記2)
前記第1コンテンツは、前記制限睡眠履歴情報の提供と前記優位性の提供とを伴う第3コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴いつつ前記優位性の提供は伴わない第4コンテンツとを含む、付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記課金要素を提供するステップでは、前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の保存期間を延長する、付記1に記載のプログラム。
(付記4)
前記課金要素を提供するステップでは、前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の時期を指定可能とする、付記1に記載のプログラム。
(付記5)
前記課金要素を提供するステップでは、前記第1コンテンツとして、参照する制限睡眠履歴情報の種別の指定をユーザから受け付ける、付記1に記載のプログラム。
(付記6)
前記課金要素を提供するステップでは、前記第2コンテンツとして、前記ゲーム内で使用可能なオブジェクトを付与する、付記1に記載のプログラム。
(付記7)
前記課金要素を提供するステップでは、現実世界で使用可能な通貨による前記対価の支払いを受け付ける、付記1に記載のプログラム。
(付記8)
前記課金要素を提供するステップでは、前記ユーザの入金により取得可能なゲーム内貨幣による前記対価の支払いを受け付ける、付記1に記載のプログラム。
(付記9)
前記課金要素を提供するステップでは、前記対価の支払いを、ユーザが前記第1コンテンツまたは前記第2コンテンツの提供を所望するタイミングで受付ける、付記1に記載のプログラム。
(付記10)
前記課金要素を提供するステップでは、前記対価の支払いを、所定の期間ごとに継続して受け付ける、付記1に記載のプログラム。
(付記11)
前記課金要素を提供するステップでは、医療機関からの要請があった場合には、前記第1コンテンツに関する対価の支払額を低減する、付記1に記載のプログラム。
(付記12)
前記取得した睡眠情報を、前記所定の期間が経過するまで非制限睡眠履歴情報として保存するステップと、前記ユーザによる対価の支払いにかかわらず、当該ユーザに前記非制限睡眠履歴情報を提供するステップと、を実行する、付記1に記載のプログラム。
【0124】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0125】
1:システム、10:端末装置、11:睡眠測定デバイス、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:ストレージ、19:プロセッサ、20:サーバ、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:ネットワーク、131:タッチセンシティブデバイス、141:ディスプレイ、150:通信部、160:撮像部、170:音声処理部、171:マイク、172:スピーカ、180:記憶部、181:ユーザデータベース、182:オブジェクトデータベース、190:モーションセンサ、191:生体情報センサ、200:制御部、201:操作受付部、202:送受信部、203:通知制御部、204:時刻設定部、205:睡眠情報取得部、210:通信部、220:記憶部、221:ユーザマスタテーブル、222:オブジェクトマスタテーブル、223:睡眠履歴データベース、230:制御部、231:送受信モジュール、232:ゲーム進行モジュール、233:睡眠情報管理モジュール、234:コンテンツ管理モジュール。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プロセッサに、
ユーザの睡眠情報を取得するステップと、
前記取得した睡眠情報を、非制限睡眠履歴情報として保存し、所定の期間経過後に、前記非制限睡眠履歴情報ではなく、制限睡眠履歴情報として保存するステップと、
前記ユーザからの要求に応じ、保存している前記非制限睡眠履歴情報を前記ユーザへ提供するステップと、
取得した前記睡眠情報に基づいて前記ゲームを進行させるステップと、
前記ユーザによる対価の支払いを条件として、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずに前記ゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む課金要素を、前記ユーザに選択可能に提供するステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第1コンテンツは、前記制限睡眠履歴情報の提供と前記優位性の提供とを伴う第3コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴いつつ前記優位性の提供は伴わない第4コンテンツとを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の保存期間を延長する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の時期を指定可能とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、参照する制限睡眠履歴情報の種別の指定をユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第2コンテンツとして、前記ゲーム内で使用可能なオブジェクトを付与する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記課金要素を提供するステップでは、
現実世界で使用可能な通貨による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記ユーザの入金により取得可能なゲーム内貨幣による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、ユーザが前記第1コンテンツまたは前記第2コンテンツの提供を所望するタイミングで受付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、所定の期間ごとに継続して受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記睡眠情報を医療機関が要求していることを表す情報を受け付けた場合、前記第1コンテンツに関する対価の支払額を低減する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツが選択された後、前記対価が支払われなくなると前記制限睡眠履歴情報の提供は停止するが、前記制限睡眠履歴情報の保存は維持し、前記対価の支払いが再開されると、前記制限睡眠履歴情報の提供を再開する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータにより実現される情報処理装置であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、方法。
【請求項15】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータにより実現される情報処理装置を少なくとも1台有するシステムであって、少なくとも1台の前記情報処理装置が備えるプロセッサが、請求項1から請求項12のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備える睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プロセッサに、
ユーザの睡眠情報を取得するステップと、
前記取得した睡眠情報を、非制限睡眠履歴情報として保存し、所定の期間経過後に、前記非制限睡眠履歴情報ではなく、制限睡眠履歴情報として保存するステップと、
前記ユーザからの要求に応じ、保存している前記非制限睡眠履歴情報を前記ユーザへ提供するステップと、
取得した前記睡眠情報に基づいて前記ゲームを進行させるステップと、
前記ユーザによる対価の支払いを条件として、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴う第1コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴わずに前記ゲーム内における優位性の提供を伴う第2コンテンツとを含む課金要素を、前記ユーザに選択可能に提供するステップとを実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第1コンテンツは、前記制限睡眠履歴情報の提供と前記優位性の提供とを伴う第3コンテンツと、前記制限睡眠履歴情報の提供を伴いつつ前記優位性の提供は伴わない第4コンテンツとを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の保存期間を延長する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、ユーザが参照できる制限睡眠履歴情報の時期を指定可能とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツとして、参照する制限睡眠履歴情報の種別の指定をユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第2コンテンツとして、前記ゲーム内で使用可能なオブジェクトを付与する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記課金要素を提供するステップでは、
現実世界で使用可能な通貨による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記ユーザの入金により取得可能なゲーム内貨幣による前記対価の支払いを受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、ユーザが前記第1コンテンツまたは前記第2コンテンツの提供を所望するタイミングで受付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記対価の支払いを、所定の期間ごとに継続して受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記課金要素を提供するステップでは、
前記第1コンテンツが選択された後、前記対価が支払われなくなると前記制限睡眠履歴情報の提供は停止するが、前記制限睡眠履歴情報の保存は維持し、前記対価の支払いが再開されると、前記制限睡眠履歴情報の提供を再開する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータにより実現される情報処理装置であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項11のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項11のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、方法。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えて睡眠情報を用いたゲームの進行を管理するコンピュータにより実現される情報処理装置を少なくとも1台有するシステムであって、少なくとも1台の前記情報処理装置が備えるプロセッサが、請求項1から請求項11のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する、システム。