IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 内山 耕一の特許一覧

<>
  • 特開-気分コントロール支援装置 図1
  • 特開-気分コントロール支援装置 図2
  • 特開-気分コントロール支援装置 図3
  • 特開-気分コントロール支援装置 図4
  • 特開-気分コントロール支援装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006338
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】気分コントロール支援装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 31/04 20190101AFI20250109BHJP
   A41B 17/00 20060101ALN20250109BHJP
【FI】
A41D31/04 Z
A41D31/04 F
A41B17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107066
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】723009135
【氏名又は名称】内山 耕一
(72)【発明者】
【氏名】内山耕一
(72)【発明者】
【氏名】内山やよひ
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128RA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気分をコントロールするための支援装置を提供する。
【解決手段】複数の互いに大きく異なる感触を持つ表面層を設け、その感触の差により気分をコントロールすることを支援する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携行可能で且つ身体の一部に直接触れることができるハンカチ等のシート状物あるいはペンケースなどの袋状物に設けられる気分コントロール支援装置であって、少なくとも第一の表面層と、第二の表面層を有し、この第一の表面層は、柔らかく優しい低刺激の感触の素材が用いられ、上記第二の表面層は、上記第一の表面層に比し、硬く荒々しい高刺激の感触の素材が用いられており、上記第一の表面層と第二の表面層は、同一の上記シート状物あるいは同一の上記袋状物に設けられ、上記第一の表面層と第二の表面層は、それぞれの接触刺激が大きく異なる素材が用いられていることから、その刺激差は、それぞれが別々の物質と感じ取られる構成とされていることを特徴とする気分コントロール支援装置。
【請求項2】
前記第一の表面層と第二の表面層の接触刺激は、繊維のデニール換算で3桁以上の差に基づいている特許請求の範囲1項記載による気分コントロール支援装置。
【請求項3】
前記第一の表面層は、1デニール以下とされ、第二の表面層は、1000デニール以上とされている特許請求の範囲2項による気分コントロール支援装置。
【請求項4】
前記前記第一の表面層は、ポリエステル素材またはナイロン素材とされ、第二の表面層は、ポリプロピレン素材で構成されている特許請求の範囲3項による気分コントロール支援装置。
【請求項5】
前記前記第一の表面層は、接触温感素材とされ、第二の表面層は、接触冷感素材で構成されている特許請求の範囲1項による気分コントロール支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気分、気持ちをコントロールするための支援装置に関し、さらに詳しくは、ハンカチ、リストバンド、ヘアバンド、帽子、ネクタイ、アイマスク、マフラー、スカーフなどの衣料衣服、ペンケース、ストラップ、御守、文具、バッグ、風呂敷などの携行品や小物に設ける気分コントロール支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入学試験や面接試験、あるいはプレゼンテーション、重要会議など、それぞれの個人にとっての大事な場面において、個人差はあるものの緊張のし過ぎにより、思い通りの結果を出せなくて後悔したということはよく聞く話である。
【0003】
そのため、ナーバスにならずに落ち着きを持って臨みたいとか、逆にテンションや覚醒度を高め、冴えた状態で臨みたいなど、状況や場面に応じて気分を上手にコントロールしたいといった要望がある。
【0004】
しかしながら、思いとおりに自身の気分、気持ちをコントロールすることは、そう簡単なことではなく、特に、短い時間間隔において、落ち着きと、覚醒ハイテンションといった裏腹な気分をコントロールすることは至難のわざであることは、多くの人が経験している。
【0005】
こうした気分、気持ちの問題をコントロールしたいというニーズは大きく、何らかの方法、手段が求められているが、トレーニング、鍛錬といったハードルの高い手法が多く、手軽で効果的な手法はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-201865号公報
【特許文献2】実開昭62-162079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の発明では、ハンカチ本来の保水性・吸水性機能のほかに瓶回し等の本来の機能とは異なる付加機能が提案されているが、気分をコントロールする機能に関する記載はない。
【0008】
また、特許文献2記載の考案は、香りによる効果と字句による暗示効果による気分コントロールであり、字句による暗示効果は各個人の字句表現に対する解釈に依存し、効果は個人差が大きいといった問題点がある。
【0009】
本発明は、以上のような点に鑑み、ハンカチ等の携帯可能な小物に、触感により気分をコントロールすることの助けとなる支援装置を設け、試験やプレゼンテーションの際に気持ちを落ち着けたり、テンションを上げたいといった状況に応じて気分をコントロールしたい際の助けとなる支援装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、請求項1の発明では、携行可能で且つ身体の一部に直接触れることができるハンカチ等のシート状物あるいはペンケースなどの袋状物に設けられる気分コントロール支援装置であって、少なくとも第一の表面層と、第二の表面層を有し、この第一の表面層は、柔らかく優しい低刺激の感触の素材が用いられ、上記第二の表面層は、上記第一の表面層に比し、硬く荒々しい高刺激の感触の素材が用いられており、上記第一の表面層と第二の表面層は、同一の上記シート状物あるいは同一の上記袋状物に設けられ、上記第一の表面層と第二の表面層は、それぞれの接触刺激が大きく異なる素材が用いられていることから、その刺激差は、それぞれが別々の物質と感じ取られる構成とされていることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明では、前記第一の表面層と第二の表面層の接触刺激は、繊維のデニール換算で3桁以上の差に基づいていることを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明では、前記第一の表面層は、1デニール以下とされ、第二の表面層は、1000デニール以上とされていることを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明では、前記前記第一の表面層は、ポリエステル素材またはナイロン素材とされ、第二の表面層は、ポリプロピレン素材またはポリエチレン素材で構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項5の発明では。前記前記第一の表面層は、接触温感素材とされ、第二の表面層は、接触冷感素材で構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、携行可能で且つ身体の一部に直接触れることができるハンカチ等のシート状物あるいはペンケースなどの袋状物に設けられる気分コントロール支援装置であって、少なくとも第一の表面層と、第二の表面層を有し、この第一の表面層は、柔らかく優しい低刺激の感触の素材が用いられ、上記第二の表面層は、上記第一の表面層に比し、硬く荒々しい高刺激の感触の素材が用いられており、上記第一の表面層と第二の表面層は、同一の上記シート状物あるいは同一の上記袋状物に設けられ、上記第一の表面層と第二の表面層は、それぞれの接触刺激が大きく異なる素材が用いられている構成からなり、その刺激差は、それぞれが別々の物質と感じ取られることから、試験やプレゼンテーションなどの準備段階において、気持ちを落ち付けたい状況の際には、硬い高刺激の第二の表面層に触れてから、次いで優しい感触の第一の表面層に触れることにより、気分を落ち着けるための支援となり、試験やプレゼンテーションなどの直前の段階において、優しい感触の第一の表面層に触れてから、次いで硬い高刺激の第二の表面層に触れることにより、神経を覚醒させてハイテンションで臨み得るための支援効果がある。
【0016】
請求項2の発明では、前記第一の表面層と第二の表面層の接触刺激は、繊維のデニール換算で3桁以上の差に基づいていることから、気分を落ち着けるための支援と神経を覚醒させてハイテンションで臨める支援効果がより明確に期待できる。
【0017】
請求項3の発明では、前記第一の表面層は、1デニール以下とされ、第二の表面層は、1000デニール以上とされていることから、より信頼性の高い効果が期待できる効果がある。
【0018】
請求項4の発明では、前記前記第一の表面層は、ポリエステル素材またはナイロン素材とされ、第二の表面層は、ポリプロピレン素材またはポリエチレン素材で構成されていることから、素材としての優しい感触と、高刺激性の感触が上乗せされることから、より高い支援効果が期待できる。
【0019】
請求項5の発明では。前記前記第一の表面層は、接触温感素材とされ、第二の表面層は、接触冷感素材で構成されていることから、素材としての優しい感触と、高刺激性感触が、温感により上乗せされることから、さらにより高い支援効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明が応用された第1の実施形態に係るハンカチを示す斜視図である。
図2】上記第1の実施例の断面図である。
図3】本発明が応用された第2の実施形態に係るハンカチを示す斜視図である。
図4】上記第2の実施例の断面図である。
図5】本発明が応用された第3の実施形態に係るペンケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、携行可能で且つ身体の一部に直接触れることができるハンカチ等のシート状物あるいはペンケースなどの袋状物に設けられる気分コントロール装置であって、少なくとも柔らかく優しい低刺激の感触が得られる第一の表面層と、硬く荒々しい高刺激の感触が得られる第二の表面層を有し、この第一の表面層と第二の表面層は、同一の上記シート状物あるいは同一の上記袋状物に設けられ、上記第一の表面層と第二の表面層は、それぞれ接触刺激が大きく異なり、その刺激差はそれぞれが別々の物質と感じ取られる構成とされている。
【実施例0022】
実施例1
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1および図2に示す図中101は、本発明の第1の実施形態に用いられるハンカチであり、このハンカチ101は、矩形のシート形状とされている。
【0023】
このハンカチ101は、一方の面が第一の表面層102とされ、他方の面が第二の表面層103とされており、この第一の表面層102は、繊維1デニール以下の0.0001から1デニールのポリエステル素材またはナイロン素材が用いられ、これらの素材は比較的熱伝導性が低く、温感素材としての特性も有している。
【0024】
また、上記第二の表面層103は、繊維1000デニール60フィラメントのポリプロピレン素材またはポリエチレン素材が用いられ、これらの素材は比較的熱伝導性が高く、冷感素材としての特性も有している。
【0025】
上記第一の表面層102と第二の表面層103は、縫合されてなる境界面104を介して一体構造とされており、この一体化による境界面104は接着剤、粘着剤を用いることも可能であり、メッシュ素材などの別のシート材を介して一体構造としても良い。
【0026】
また、上記第一の表面層102と第二の表面層103は、ここでは織布が用いられているが、不織布、静電植毛などによる植毛シート等を用いることもできる。
【0027】
以上の構成により、前記第一の表面層102と第二の表面層103は、それぞれに触れた際に、大きな質感の違いを感じることになり、第一の表面層102は柔らかく、優しい感触が得られ、第二の表面層103は硬く荒々しい感触が得られることになる。
【0028】
特に、指先で軽く擦るように触れることにより、その感触による刺激は脳の指を司る領域に届き、効果的に気分に影響を与えることになる。
【0029】
従って、入学試験や面接試験、あるいはプレゼンテーション、重要会議など大事な場面において、落ち着きを持って臨みたい際には、指先で前記第二の表面層103に触れてから、前記第一の表面層102に触れることにより、その感触の大きな違いから、且つ、直近の優しい感触から、落ち着きたいと思う気持ちが、その気持ちに沿って支援されることになる。
【0030】
一方、そうした試験等の直前において、神経を覚醒させてハイテンションで臨みたいと思った際には、先に前記第一の表面層102に触れてから、第二の表面層103に触れることにより、その感触の大きな違いから、且つ、直近の硬く荒らい感触から、神経を覚醒させてハイテンションで臨みたいと思う気持ちが、その気持ちに沿って支援されることになる。
【0031】
上述した効果は、前記各表面層102、103用いられる繊維のデニール差に大きく依存し、それらの柔らかさ、硬さを感じさせる機序となっているが、それらの素材として、前記第一の表面層102にポリエステル素材またはナイロン素材を用い、第二の表面層103にポリプロピレン素材を用いることにより、これらの素材による感触の違いにより、さらに感触の違いを高める効果が表出される。
【0032】
すなわち、前記第一の表面層102の柔らかい感触にポリエステル素材またはナイロン素材などの温感素材の組み合わせにより、柔らかく且つ暖かいという更に優しい感触が得られ、一方、第二の表面層103の硬く高刺激の感触に、ポリプロピレン等の冷感素材の組み合わされることにより、硬く且つ冷たいという更なる緊張感を高める感触が得られる。
【0033】
実施例2
本発明の第2の実施の形態を、図3および図4を参照して説明する。図3および図4に示す図中201は、本発明の第2の実施形態に用いられるハンカチであり、このハンカチ201は、前述の第一の実施例と同様に矩形のシート形状とされている。
【0034】
このハンカチ201は、前述の第一の実施形態と同様の第一の表面層202と第二の表面層203有しており、同様の構成とされているため詳細は省略する。
【0035】
更に、この第2の実施形態においては、上記第一の表面層202の一部がくり抜かれて第三の表面層205が設けられており、この第三の表面層205は薄く柔軟なポリプロピレンシートに直径1mm~2mm程度の多数の小穴205aが設けられた構成とされている。
【0036】
上記小穴205aはパンチプレスにより開口加工されることにより、小穴205aの開口側端面には角度90度の角部205bが形成されている。
【0037】
以上の構成とされていることから、前述の第一の実施形態と同様の作用効果を有すると共に、上記第三の表面層205により、滑りやすいが、角部205bによる接触刺激が生じて、前記第一の表面層202と第二の表面層203とは異なる感触を得ることができる。
【0038】
実施例3
本発明の第3の実施の形態を、図5を参照して説明する。図5に示す図中301は、本発明の第3の実施形態に用いられるペンケースであり、このペンケース301は、筒型の袋体301aとファスナー301bで大略構成されている。
【0039】
この袋体301aの外装面全体が前述の第一の実施形態と同様の第一の表面層302の構造とされ、この第一の表面層302の一部に前述の第一の実施形態と同様の構造とされる第二の表面層303が貼着されている。
【0040】
以上の構成により、この第三の実施形態のペンケース301は、試験会場や会議の場などに違和感なく持ち込むことができ、適時に気持ちを落ち着けたり、ハイテンションの状態に持って行きたいといった気持ちに沿った支援を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、ハンカチ、マフラー、手袋、リストバンド、アイマスク、帽子などの衣料品、御守り、ストラップ、ネクタイなどの装身具、バッグ、ペンケースなどの携行可能で、且つ身体の一部に直接触れることができる物品に適応できる。
【符号の説明】
【0042】
101、201ハンカチ
102、202、302 第一の表面層
103、203、303 第二の表面層
104、204 境界面
205 第三の表面層
205a 小穴
205b 角部
301 ペンケース
301a 袋体
301b ファスナー



図1
図2
図3
図4
図5