(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006340
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、権限購入受付装置、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20250109BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250109BHJP
H04N 1/34 20060101ALI20250109BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/12 302
G06F3/12 339
G06F3/12 373
H04N1/00 127B
H04N1/00 C
H04N1/34 200
B41J29/38 203
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107068
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕詞
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK15
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP06
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF07
5C062AF08
5C062AF12
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】各ユーザに適した印刷権限の購入態様を可変に提示し、利便性を向上する。
【解決手段】管理サーバ100は、不揮発性記憶装置130と、プロセッサ110と、を有し、プロセッサ110は、印刷可能枚数を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の購入枚数に応じて、印刷可能枚数を増大する対象であるプリンタ200に固有の型番情報を取得するST10と、取得された型番情報に基づき、対応するユーザ又はプリンタ200に対して提案するチャージプランを決定するST25と、ST15で型番情報が取得されたプリンタ200と、ST25で決定されたチャージプランとを、互いに関連付けて不揮発性記憶装置130に記憶する、ST30後の記憶処理と、を実行するよう構成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
制御部と、
を有し、
前記制御部は、
許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置に固有の固有関連情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理で取得された前記固有関連情報に基づき、対応する前記ユーザ又は前記印刷装置に対して提案する印刷権限購入態様を決定する態様決定処理と、
前記情報取得処理で前記固有関連情報が取得された前記印刷装置と、前記態様決定処理で決定された前記印刷権限購入態様とを、互いに関連付けて前記記憶部に記憶する、態様記憶処理と、
を実行するよう構成されている、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記印刷装置と接続され初期設定がなされるときに、前記情報取得処理において前記固有関連情報を取得する
よう構成されている、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記印刷装置に対する、印刷実行デバイスとしての指定操作がなされたときに、前記情報取得処理において前記固有関連情報を取得する
よう構成されている、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記情報取得処理において、前記固有関連情報として前記印刷装置の属性情報を取得し、
前記態様決定処理において、前記属性情報に基づき、対応する前記印刷権限購入態様を決定する
よう構成されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記情報取得処理において、前記固有関連情報として前記印刷装置の動作履歴情報を取得し、
前記態様決定処理において、前記動作履歴情報に基づき、対応する前記印刷権限購入態様を決定する
よう構成されている、請求項1又は請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記態様記憶処理において、
1つの前記印刷装置に対し、前記動作履歴情報の内容に応じて選択的に複数の印刷権限購入態様のいずれかを関連付けて、前記記憶部に記憶する
よう構成されている、請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
購入金額及び前記保証印刷量が段階的に順次増大する複数の前記印刷権限購入態様を有する第1権限態様グループと、購入金額及び前記保証印刷量が段階的に順次増大する複数の前記印刷権限購入態様を有し、前記第1権限態様グループと異なる内容の第2権限態様グループと、を含む複数の印刷権限態様グループが設定されており、
前記制御部は、
前記態様決定処理において、前記複数の印刷権限態様グループのうち、前記情報取得処理で取得された前記固有関連情報に基づき、対応する前記ユーザ又は前記印刷装置に対して提案する前記印刷権限態様グループを決定し、
前記態様記憶処理において、前記情報取得処理で前記固有関連情報が取得された前記印刷装置と、前記態様決定処理で決定された前記印刷権限態様グループとを、互いに関連付けて前記記憶部に記憶する
よう構成されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示部と、
制御部と、
を有し、
前記制御部は、
許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置の指定を受け付ける装置指定受付処理と、
前記印刷装置と、当該印刷装置に固有の固有関連情報に基づき予め設定された印刷権限購入態様と、の関連付けに応じて、前記装置指定受付処理で指定を受け付けた印刷装置に対応する少なくとも1つの印刷権限購入態様を表示部に表示する態様表示処理と、
前記態様表示処理における前記表示部での表示に基づく前記印刷権限購入態様の指定を受け付ける態様指定受付処理と、
を実行するよう構成されている、権限購入受付装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記態様表示処理において、前記固有関連情報としての前記印刷装置の属性情報に基づき予め設定された印刷権限購入態様と当該印刷装置との関連付けに応じて、前記装置指定受付処理で指定を受け付けた前記印刷装置に対応する少なくとも1つの前記印刷権限購入態様を表示部に表示する
よう構成されている、請求項8記載の権限購入受付装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記態様表示処理において、前記固有関連情報としての前記印刷装置の動作履歴情報に基づき予め設定された印刷権限購入態様と当該印刷装置との関連付けに応じて、前記装置指定受付処理で指定を受け付けた前記印刷装置に対応する少なくとも1つの前記印刷権限購入態様を表示部に表示する
よう構成されている、請求項8記載の権限購入受付装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記態様表示処理において、
前記装置指定受付処理で指定を受け付けた第1印刷装置に対応する少なくとも1つの第1印刷権限購入態様に加え、前記装置指定受付処理で指定を受け付けていない第2印刷装置に対応する少なくとも1つの第2印刷権限購入態様を前記表示部に表示する
よう構成されている、請求項8乃至請求項10のいずれか1項記載の権限購入受付装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記態様表示処理において、
前記第1印刷権限購入態様を前記第2印刷権限購入態様よりも優先した態様で前記表示部に表示する
よう構成されている、請求項11記載の権限購入受付装置。
【請求項13】
購入金額及び前記保証印刷量が段階的に順次増大する複数の前記印刷権限購入態様を有する第1権限態様グループと、購入金額及び前記保証印刷量が段階的に順次増大する複数の前記印刷権限購入態様を有し、前記第1権限態様グループと異なる内容の第2権限態様グループと、を含む複数の印刷権限態様グループが設定されており、
前記制御部は、前記態様表示処理において、
前記印刷装置と、当該印刷装置に固有の前記固有関連情報に基づき予め設定された前記印刷権限態様グループと、の関連付けに応じて、前記装置指定受付処理で指定を受け付けた前記印刷装置に対応する少なくとも1つの前記印刷権限態様グループを表示部に表示する
よう構成されている、請求項8記載の権限購入受付装置。
【請求項14】
許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置と、
前記印刷装置に固有の固有関連情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記固有関連情報に基づき、対応する前記ユーザ又は前記印刷装置に対して提案する印刷権限購入態様を決定する態様決定部と、
前記情報取得部により前記固有関連情報が取得された前記印刷装置と、前記態様決定部により決定された前記印刷権限購入態様とを、互いに関連付けて記憶する、態様記憶部と、
前記印刷装置の指定を受け付ける装置指定受付部と、
前記態様記憶部に記憶された関連付けに応じて、前記装置指定受付部により指定を受け付けた前記印刷装置に対応する少なくとも1つの前記印刷権限購入態様を表示する信号を出力する態様表示信号出力部と、
前記態様表示信号出力部で出力した表示信号による表示に基づく前記印刷権限購入態様の指定を受け付ける態様指定受付部と、
を有する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置における印刷権限に係わる処理を行う情報処理装置、権限購入受付装置、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置を使用するユーザが、サービス提供者に対して印刷内容に応じた課金料金を支払う印刷サービスにおいて、プリペイド方式の料金システムが導入される場合がある。従来、例えば特許文献1に記載のように、ユーザが有償で印刷権限を購入し、その購入した印刷権限が保証する所定の印刷量を上限として印刷を行えるようにした技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、印刷権限が保証する保証印刷量に基づく印刷処理が完遂され、印刷可能な上限値である許容印刷量がゼロとなった場合、ユーザは新たな印刷権限の購入、いわゆるチャージを行う。これにより、購入した印刷権限が保証する保証印刷量が加えられて許容印刷量が増大し、印刷を続行することができる。
ここで新たに、ユーザによる新たな印刷権限の購入を受け付ける場合の処理を考える。この場合、例えばユーザに対して複数の印刷権限購入態様を選択肢として提示し、ユーザが選択した購入態様により印刷権限の購入を受け付けることになる。
しかしながら、例えばハイスペック機種のユーザと通常機種のユーザ、印刷量が多いユーザと印刷量が少ないユーザ等、種々のユーザに対し、一律に同等の印刷権限購入態様を提示した場合、ユーザによっては当該ユーザにとって適正な提示とならない恐れがあった。
【0005】
本発明の目的は、各ユーザに適した印刷権限の購入態様を可変に提示し、利便性を向上できる情報処理装置、権限購入受付装置、及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、記憶部と、制御部と、を有し、前記制御部は、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置に固有の固有関連情報を取得する情報取得処理と、前記情報取得処理で取得された前記固有関連情報に基づき、対応する前記ユーザ又は前記印刷装置に対して提案する印刷権限購入態様を決定する態様決定処理と、前記情報取得処理で前記固有関連情報が取得された前記印刷装置と、前記態様決定処理で決定された前記印刷権限購入態様とを、互いに関連付けて前記記憶部に記憶する、態様記憶処理と、を実行するよう構成されている。
【0007】
本願発明においては、制御部が実行する情報取得処理において、印刷装置の固有関連情報が取得され、態様決定処理において、取得された固有関連情報に対応する印刷権限購入態様が決定される。固有関連情報が取得された印刷装置と、固有関連情報に対応して決定された印刷権限購入態様とが、態様記憶処理において互いに関連付けられ、記憶部に記憶される。
【0008】
本願発明においては、印刷装置と当該印刷装置に対応する印刷権限購入態様とが予め関連付けられて記憶されている。本願発明によれば、印刷装置を用いて印刷を行うユーザに対し、当該印刷装置に関連付けられた印刷権限購入態様を読み出すことで、適正な印刷権限購入態様を提示することができる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本願発明は、表示部と、制御部と、を有し、前記制御部は、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置の指定を受け付ける装置指定受付処理と、前記印刷装置と、当該印刷装置に固有の固有関連情報に基づき予め設定された印刷権限購入態様と、の関連付けに応じて、前記装置指定受付処理で指定を受け付けた印刷装置に対応する少なくとも1つの印刷権限購入態様を表示部に表示する態様表示処理と、前記態様表示処理における前記表示部での表示に基づく前記印刷権限購入態様の指定を受け付ける態様指定受付処理と、を実行するよう構成されている。
【0010】
本願発明においては、印刷装置と、その印刷装置の固有関連情報に対応する印刷権限購入態様との関連付けが、予め設定されている。例えば印刷実行時にユーザが印刷装置を指定すると、その指定が制御部の実行する装置指定受付処理で受け付けられる。指定された印刷装置の固有関連情報に基づく少なくとも1つの印刷権限購入態様が、態様表示処理において表示部に表示される。その表示に対応して、ユーザが購入したい印刷権限購入態様を指定すると、その指定が態様指定受付処理で受け付けられる。
【0011】
本願発明によれば、印刷で用いる印刷装置を指定したユーザに対し、当該印刷装置の固有関連情報に関連付けられた印刷権限購入態様が表示されることで、適正な印刷権限購入態様を提示することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本願発明は、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される購入印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて、前記許容印刷量を増大する対象である印刷装置と、前記印刷装置に固有の固有関連情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記固有関連情報に基づき、対応する前記ユーザ又は前記印刷装置に対して提案する印刷権限購入態様を決定する態様決定部と、前記情報取得部により前記固有関連情報が取得された前記印刷装置と、前記態様決定部により決定された前記印刷権限購入態様とを、互いに関連付けて記憶する、態様記憶部と、前記印刷装置の指定を受け付ける装置指定受付部と、前記態様記憶部に記憶された関連付けに応じて、前記装置指定受付部により指定を受け付けた前記印刷装置に対応する少なくとも1つの前記印刷権限購入態様を表示する信号を出力する態様表示信号出力部と、前記態様表示信号出力部で出力した表示信号による表示に基づく前記印刷権限購入態様の指定を受け付ける態様指定受付部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各ユーザに適した印刷権限の購入態様を可変に提示し、利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による印刷サービス提供システムのシステム構成の一例を表すブロック図である。
【
図2】モバイル端末のシステム構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】管理サーバとプリンタとモバイル端末の間における情報送受の構成の一例を表す図である。
【
図4】ユーザデータベースの一例を模式的に表した図である。
【
図5】チャージプランデータベースのプラングループテーブルの一例を模式的に表した図である。
【
図6】チャージプランデータベースの型番別適用プラングループテーブルの一例を模式的に表した図である。
【
図7】チャージプランを表示する印刷チャージ購入画面とプリンタの切り替え指定画面の画面遷移を表す図である。
【
図8】印刷チャージ購入手続き時での各デバイスの処理シーケンスを表すシーケンスチャートである。
【
図9】複数の型番のプラングループを併せて表示する場合の印刷チャージ購入画面を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
<印刷サービス提供システムの概要>
本発明の一実施形態に係る印刷サービス提供システムのシステム構成の一例を
図1に示す。印刷サービス提供システム1は、顧客であるユーザがあらかじめ料金を支払ってプリンタ200の印刷機能を使用するプリペイド印刷サービスを提供する。
図1において、印刷サービス提供システム1は、管理サーバ100と、プリンタ200と、モバイル端末300と、取引サーバ400と、を有している。これら管理サーバ100、プリンタ200、モバイル端末300、及び取引サーバ400は、携帯電話通信回線を含むネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、印刷サービス提供システム1が情報処理システムの一例であり、管理サーバ100が情報処理装置の一例であり、プリンタ200が印刷装置の一例であり、モバイル端末300が権限購入受付装置の一例である。
【0017】
<管理サーバ>
管理サーバ100は、例えばプリンタ200のメーカーが設置及び管理するサーバである。
図1に示すように、管理サーバ100は、プロセッサ110と、記憶装置115と、通信インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及び通信インタフェース190は、バス105を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。
【0018】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、処理対象となる各種のプログラムやデータを記憶する。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、チャージプランデータベース記憶領域132と、ユーザデータベース記憶領域133と、を有している。
【0019】
プログラム記憶領域131には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の
図8のシーケンスチャート等に基づく印刷権限のチャージプランの管理や出力に係わるプログラムが含まれる。チャージプランデータベース記憶領域132には、印刷権限を購入する際のチャージプランやプラングループ等の情報が記憶されている。ユーザデータベース記憶領域133には、当該プリペイド印刷サービスを契約しているユーザに関する各種情報が記憶されている。これらチャージプランデータベース及びユーザデータベースに関しては後述の
図4~
図6で詳細に説明する。
【0020】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置、例えばCPUであり、プログラム記憶領域131に格納された上記チャージプランを管理するプログラムを含む、各種プログラムを実行する。プロセッサ110は、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、プリンタ200、及び取引サーバ400に対するデータ通信を含む各種の処理を行う。プロセッサ110は、本実施形態の印刷サービス提供システム1による印刷権限の購入を実行する。なお、不揮発性記憶装置130が記憶部の一例であり、プロセッサ110と上記プログラム記憶領域131に記憶されたプログラムとが、制御部の一例である。
【0021】
通信インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0022】
なお、上記記憶装置115は上述した装置要素での構成に限られず、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、管理サーバ100に着脱されるUSBメモリ等の可搬記録媒体、プロセッサ110が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成されてもよい。
なお、記憶装置115は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。後述するプリンタ200の記憶装置215についても同様である。
【0023】
<プリンタ>
プリンタ200は、例えば、上記プリペイド印刷サービスの提供を受けるユーザによって保有されている。
図1に示すように、プリンタ200は、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、通信部285と、通信インタフェース270と、印刷部290と、を有している。これらプロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、通信インタフェース270、及び印刷部290は、バス205を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。
【0024】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を備えている。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、印刷対象の画像データを記憶する画像データ記憶領域221を備えている。不揮発性記憶装置230は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域232と、データ記憶領域233と、を備えている。プログラム記憶領域232には各種プログラムが例えばファームウェアとして格納されている。データ記憶領域233には、印刷可能枚数や、プリンタ200を識別するためのプリンタID等が記憶されている。
【0025】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された各種プログラムを実行する。プロセッサ210と上記プログラム記憶領域232に記憶されたプログラムとが、制御部の一例である。
【0026】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示をプリンタ200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0027】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。印刷方式は特に限定されるものではないが、例えばインクジェット方式やレーザー方式で印刷が行われる。印刷部290は、モバイル端末300から送信された印刷ジョブ、若しくは、操作部250での操作に基づき自ら生成した印刷ジョブに応じて、特に図示しないインクカートリッジのインクやトナーカートリッジのトナーを用いて用紙に対し画像の形成を行う。
【0028】
<モバイル端末>
図2に、モバイル端末300のシステム構成の一例に示す。モバイル端末300は、例えばユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。
図2に示すように、モバイル端末300は、CPU310と、メモリ320と、無線通信を介してネットワークNTに接続するための通信制御部330と、タッチパネル340と、大容量記憶装置350と、を有している。
【0029】
大容量記憶装置350は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域351と、データ記憶領域352と、を備えている。プログラム記憶領域351には各種プログラムが例えばアプリケーションとして格納されている。CPU310は、プログラム記憶領域351に格納された各種プログラムを実行する。CPU310は、ネットワークNTに接続された管理サーバ100に対するデータ通信を含む種々の処理を実行する。データ記憶領域352には、上記プログラム又は上記印刷サービスに基づき発行された、当該モバイル端末300に対応するユーザを識別するためのユーザID等が記憶されている。なお、CPU310が制御部の一例であり、タッチパネル340が表示部の一例である。
【0030】
モバイル端末300はまた、液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせたタッチパネル340で各種の情報の表示と、ユーザによる各種の操作を受け付ける。ユーザは、タッチパネル340を操作することによって、種々の指示をモバイル端末300に入力可能である。
【0031】
なお、モバイル端末300として、携帯端末に代えて、例えばタブレットコンピュータやデスクトップ型PC等の他の情報端末を用いてもよい。
【0032】
<取引サーバ>
図1に示すように、取引サーバ400は、ネットワークNWを介してオンラインで決済を行うためのサーバである。取引サーバ400は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するための通信インタフェースと、を有している(図示省略)。
【0033】
<プリペイド印刷サービス>
本実施形態の印刷サービス提供システム1においては、管理サーバ100、プリンタ200、モバイル端末300、及び取引サーバ400がネットワークNTを介して情報送受可能に接続されている。情報の送受形態としては、
図3に示すように特定のユーザが所有する1つのモバイル端末300と、当該ユーザが選択的に切り替えて使用可能に保有している複数のプリンタ200とが、いずれも管理サーバ100に対して個別に情報を送受する。管理サーバ100は、モバイル端末300から複数のプリンタ200を対象にそれぞれ行われる後述のチャージ枚数の購入手続きと、各プリンタ200のそれぞれにおける印刷可能枚数と総印刷枚数の増減状況の管理を一元的に行う。管理サーバ100は定期的に各プリンタ200と通信することで、各プリンタ200による印刷の実行により変化する印刷可能枚数と総印刷枚数を定期的に更新する。
【0034】
本実施形態において印刷サービス提供システム1が提供する印刷サービスは、プリペイド印刷サービスである。プリペイド印刷サービスとは、ユーザがあらかじめ購入した印刷権限に保証されるチャージ枚数が、対象となるプリンタ200の印刷可能枚数に加算され、当該印刷可能枚数を上限として当該プリンタ200における印刷処理を実行できるサービスである。チャージ枚数の印刷可能枚数への加算は、例えば管理サーバ100のプロセッサ110により実行され、例えば定期的なタイミングでプリンタ200に送信される。印刷可能枚数は、例えば管理サーバ100の不揮発性記憶装置130のユーザデータベース記憶領域133や、プリンタ200の不揮発性記憶装置230のデータ記憶領域233に記憶されており、印刷が実行される度に印刷枚数分だけ減少する。印刷可能枚数の減少は例えばプリンタ200のプロセッサ210により実行され、例えば定期的なタイミングで管理サーバ100に送信される。チャージ枚数が保証印刷量の一例であり、印刷可能枚数が許容印刷量の一例である。
【0035】
本実施形態の印刷サービス提供システム1では、上記印刷権限の購入形態として、まず、ユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入が実行可能となっている。ユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入は、ユーザの操作に応じてモバイル端末300から管理サーバ100に上記印刷権限の購入申し込みが送信され、管理サーバ100によって受け付けられることにより、実行される。上記印刷権限の購入は、ユーザが所望する任意のタイミングで実行される。その際、ユーザは、例えばチャージ枚数50枚=500円、100枚=900円、250枚=2000円、など、互いに購入枚数及び購入金額の異なる複数のチャージプランのうち、いずれかのチャージプランを選択して、対応する印刷権限を購入する(後に詳述する)。
【0036】
なお、この例では、ユーザが購入可能な印刷権限に対応するチャージプランは、ユーザが保有する複数のプリンタ200それぞれの型番情報ごと対応付けられる形で複数取得される。それら複数のチャージプランは各プリンタ200の型番ごとにプラングループとしてまとめられて管理サーバ100が記憶し、それらプラングループが必要に応じてモバイル端末300に表示され、そのうちの一つのチャージプランがユーザに選択される。そのうち選択されたチャージプランに対応して購入された当該印刷権限に保証されたチャージ枚数が、当該プリンタ200の印刷可能枚数に対し加算される。なお、チャージプランが印刷権限購入態様の一例である。
【0037】
<実施形態の特徴>
例えば、ユーザによる新たなチャージプランの購入を受け付ける場合、ユーザに対して上述したような購入枚数と購入金額が異なる複数のチャージプランを選択肢として提示し、ユーザが選択したチャージプランに対応して印刷権限の購入を受け付けることになる。このように購入枚数と購入金額の組み合わせが異なる複数のチャージプランをまとめたプラングループを提示するのは、ユーザによって希望する印刷量や金額帯が異なるといった多様なニーズに対応するためである。そして、購入枚数が多いチャージプランほど対応する購入金額を割り引くことができるため、コストパフォーマンス的な面でもチャージプランの多様なバリエーションをユーザに提示できる。
【0038】
ここで、一般的にプリンタ200においてその印刷コストに影響を与える要因としては、印刷部290でのインクジェット方式やレーザー方式などの印刷方式の違いや、それに伴って使用する用紙の価格、及びインク、トナーなどの消耗品における印刷可能枚数などの仕様や価格の違いがある。これら要因の組み合わせによっては、印刷枚数の増加に従って必要とする印刷コストに大きく差がでる場合もあり、ユーザの利便性を考慮するとそのような印刷コストの差を反映したチャージプランとそのプラングループの提示を行うべきである。しかしながら、例えばハイスペック機種のユーザと通常機種のユーザ、印刷量が多いユーザと印刷量が少ないユーザ等、種々のユーザに対し、一律に同等のチャージプランを提示した場合、ユーザによっては当該ユーザにとって適正な提示とならない恐れがあった。
【0039】
そこで、本実施形態の印刷サービス提供システム1では、上記のような印刷コストに影響を与えるハードウェア的な要因の違いに応じて適正な内容のチャージプランを提示する。具体的に本実施形態の例では、プリンタ200において印刷コストに影響を与えるハードウェア的な要因がまとめて当該プリンタ200の型番情報で一意的に規定されるとして、各型番情報にそれぞれ対応してチャージプランのプラングループが設定される。そしてユーザが複数保有するプリンタ200のうちいずれを使用するか切り替えた際に、その使用するプリンタ200の型番に応じたプラングループを適用してそれに含まれる複数のチャージプランをユーザに提示する。また、プラングループの設定においては、これまでの総印刷枚数が多いヘビーユーザに対するサービスとしてのアップグレードプランも行う。
【0040】
なお、上述したようなプリンタ200におけるその印刷コストに影響を与える要因の情報が印刷装置の属性情報の一例であり、ユーザがどの程度プリンタ200を使用して印刷したかを示す総印刷枚数の情報が印刷装置の動作履歴情報の一例であり、これらそれぞれは固有関連情報の一例である。
【0041】
<チャージプランに関係する各種情報とその表示態様>
図4~
図6はチャージプランに関係して管理サーバ100が記憶する各種情報を模式的に表している。まず
図4は、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130内でユーザデータベース記憶領域133に記憶されるユーザデータベースの内容の一部を表す図である。この
図4において、ユーザデータベースは、当該印刷サービス提供システム1のプリペイド印刷サービスを受けるべく契約したユーザに関する情報を記憶するデータベースであり、個々のユーザの識別情報であるIDに対応して、当該ユーザのユーザ名と、当該ユーザが切り替え可能に保有するプリンタ200の型番情報である保有型番と、それら保有している各プリンタ200のシリアルNo.と、その時点で各プリンタ200に残っている印刷可能枚数と、それまで各プリンタ200で印刷したそれぞれの合計枚数である総印刷枚数が記録されている。なお本実施形態の例において、このユーザデータベースにおける保有型番とシリアルNo.の情報は、ユーザが当該プリンタ200を最初に接続して初期設定する際に管理サーバ100に送信して登録される。
【0042】
図5、
図6は、管理サーバ100の不揮発性記憶装置130内でチャージプランデータベース記憶領域133に記憶されるチャージプランデータベースの内容を表す図である。チャージプランデータベースは、当該印刷サービス提供システム1が提供するプリペイド印刷サービスの料金体系に関する情報を記憶するデータベースであり、その内容として
図5に示すプラングループテーブルと、
図6に示す型番別適用プラングループテーブルとが個別に記憶されている。
【0043】
図5に示すように、プラングループテーブルは、図示する例の4つのプラングループA~Dにそれぞれ対応して、購入枚数と購入金額が少ない順で複数のチャージプラン(図中の第1~4プラン)が記録されている。1つのチャージプランは、購入する枚数とそれに対応して設定された購入金額の2つの情報からなり、ユーザは最終的にこのチャージプランの単位で選択して対応する印刷権限を購入する。各プラングループの間では、それぞれにおけるチャージプランどうしの間の購入枚数の差分幅、もしくは対応する購入金額が微妙に異なっている。なお、例えばプラングループAなどの特定の1つのプラングループが第1権限態様グループの一例であり、そのプラングループA以外の例えばプラングループBなどのプラングループが第2権限態様グループの一例であり、この例のプラングループA~Dが印刷権限態様グループの一例である。
【0044】
図6に示すように、型番別適用プラングループテーブルは、当該印刷サービス提供システム1の適用対象である全てのプリンタ200の型番にそれぞれ対応して、通常に適用すべきプラングループの情報と、当該型番のプリンタ200で多くの印刷をしたユーザに対して適用するよりコスト的に有利なアップグレード用のプラングループの情報と、そのアップグレードプラングループを適用するための総印刷枚数の条件であるアップグレード適用印刷枚数の情報とが記録されている。この型番別適用プラングループテーブルにおけるプラングループの設定は、各型番のプリンタ200における実質的な印刷コストを考慮して当該印刷サービス提供システム1の運営者などによりあらかじめ設定される。
【0045】
そして本実施形態の例では、ユーザが現在使用しているプリンタ200に対して印刷権限を購入する際、つまり印刷チャージを購入するようモバイル端末300を操作した際には、
図7(a)に示すような印刷チャージの購入画面がタッチパネル340に表示される。この印刷チャージの購入画面では、現在使用しているプリンタ200に関する情報(図示する例では商品名、型番、シリアルNo.)がまとめてアイコン11の形態で表示されるとともに、その時点での印刷可能枚数と、当該型番に適用される複数のチャージプランのボタン12がまとめてプラングループとして表示される。
【0046】
なお、図示する例の印刷チャージの購入画面では、下方位置に終了ボタン13が表示されており、この終了ボタン13を押下操作することで図示しない他の画面に遷移し、印刷チャージの購入手続きが終了する。また図示する例の印刷チャージの購入画面では、右上の位置に切り替えボタン14も表示されており、この切り替えボタン14を押下操作することで
図7(b)に示すような使用プリンタ選択リストの画面に遷移する。この使用プリンタ選択リストの画面には、当該ユーザが選択切り替え可能に保有している全てのプリンタ200それぞれの情報アイコン11が並んで表示されており、ユーザはいずれか1つのアイコン11を押下操作することでその後に使用するプリンタ200を選択して切り替えることができる。
【0047】
図示する例では、最も上方に位置するアイコン11を押下操作しており、その選択したアイコン11に対応するプリンタ200での印刷チャージ購入画面(
図7(c)参照)に遷移して表示する。このとき、選択されたプリンタ200の型番情報が管理サーバ100に送信され、管理サーバ100は受信した型番情報に基づいて適用すべきチャージプランのプラングループを取得してモバイル端末300に返信する。これにより、あらたに選択したプリンタ200での印刷チャージ購入画面には、当該選択したプリンタ200に適したプラングループでのチャージプランを示すボタン12により提示できる。
【0048】
なお、管理サーバ100で対応するプラングループを取得する際には、はじめに上記の型番別適用プラングループテーブルを参照しつつ受信した型番情報に対応する通常プラングループを取得し、さらにプラングループテーブルを参照して対応するチャージプランを全て取得する。また、ユーザデータベースを参照して型番情報に対応する総印刷枚数が、型番別適用プラングループテーブルで同じ型番情報に対応するアップグレード適用印刷枚数以上である場合には、対応するプラングループとしてアップグレードプラングループを適用する。なお、
図7(c)に示す例では、選択された型番“HL-L3333”に対応する総印刷枚数(=8459枚)がアップグレード適用印刷枚数(=7000枚)を超えていることで、アップグレードプラングループを適用した状態を表している。
【0049】
以上のように本実施形態では、印刷コストの差を反映した多様なチャージプランとプラングループを設定し、使用するプリンタ200の型番や使用状況に応じて適用するプラングループも切り替えることで、ユーザに対し適正なチャージプランの提示が可能となる。
【0050】
<印刷チャージ購入時のシーケンスについて>
次に、本実施形態の印刷システム1における印刷チャージ購入手続き時での各デバイスの処理シーケンスについて、
図8を参照しつつ説明する。なお、ユーザがモバイル端末300に対して印刷チャージ購入手続きを開始する操作が行われた際にこの処理シーケンスが開始する。
【0051】
まず、ST5でモバイル端末300が、ユーザの操作によって印刷チャージ購入手続きが開始された旨の情報を管理サーバ100に対して送信する。印刷チャージ購入手続きが開始された旨の情報には、一例としてユーザの識別情報であるIDとユーザの現在使用中のプリンタ200を特定する型番やシリアルNo.の情報が含まれている。次に管理サーバ100がST10で、それまでユーザデータベース記憶領域133に記憶していた当該ユーザのIDに対応する現在使用中のプリンタ200の型番と、全ての保有型番の情報を取得する。管理サーバ100は、ST11にて当該ユーザのIDに対応する全てのプリンタ200からそれぞれのその時点の印刷可能枚数及び総印刷枚数を取得する。この取得された印刷可能枚数と総印刷枚数はユーザデータベース記憶領域133に更新記憶される。取得された全ての型番やシリアルNo.及び印刷可能枚数、等の情報は、ST12にて管理サーバ100からモバイル端末300に送信される。
【0052】
そしてモバイル端末300ではST15で、
図7(a)又は
図7(c)に示される切り替えボタン14が操作されることにより管理サーバ100から送信された型番及びシリアルNo.の情報に基づき他のプリンタ200を選択可能に表示し(
図7(b))、ユーザの操作により使用するプリンタ200が選択切り替えによって指定されたか否かを判定する。プリンタ200の切り替えでの指定が行われた場合には、ST20であらためて現在使用中のプリンタ200を特定する情報(一例として型番、シリアルNo.の情報)を管理サーバ100に送信する。一方、プリンタ200の切り替えの指定が行われていない場合にはそのまま待機する。なお、上記のST10の処理と、ST20で管理サーバ100が上記型番等の情報を受信する処理が、情報取得処理及び情報取得部の一例である。また、上記のST15の処理が、装置指定受付処理及び装置指定受付部の一例である。
【0053】
その後に管理サーバ100はST25で、ユーザが現在使用しているプリンタ200の型番に対応して適正なプラングループを決定する。具体的には、上述したように、チャージプランデータベース記憶領域132に記憶されている型番別適用プラングループテーブル(
図6)を参照しつつ現使用の型番情報に対応する通常プラングループを取得する。次にチャージプランデータベース記憶領域132に記憶されているプラングループテーブル(
図5)を参照して対応するチャージプランを全て取得する。また、ユーザデータベース記憶領域133に記憶されているユーザが現在使用しているプリンタ200の総印刷枚数を取得し、取得した総印刷枚数と型番別適用プラングループテーブルのアップグレード適用印刷枚数とを比較してアップグレードの適用可否も判定し、適用する場合には対応するアップグレードプラングループをプラングループとして決定する。なお、このST25の処理が、態様決定処理及び態様決定部の一例であり、またこのST25においてユーザデータベース記憶領域133に記憶されているユーザデータベースの総印刷枚数の情報を取得する処理が情報取得処理の一例である。そして決定したプラングループの情報を、ST30でモバイル端末300に送信する。なお、この時点で管理サーバ100が決定したプラングループの情報を当該管理サーバ100の不揮発性記憶装置130に記憶する処理が、態様記憶処理及び態様記憶部の一例である。
【0054】
プラングループの情報を受信したモバイル端末300は、
図7(a)又は
図7(c)に示されているように、ST35で印刷チャージ購入画面に各チャージプランのボタン12を表示する。その後にST40でユーザによりチャージプランの指定操作が行われたか否かを判定し、ボタン12のいずれかが操作されてチャージプランが指定された場合にはST45で指定されたチャージプランの情報を管理サーバ100に送信する。チャージプランが指定されていない場合にはそのまま待機する。なお、上記のST35が態様表示処理及び態様表示信号出力部の一例であり、ST40が態様指令受付処理及び態様指定受付部の一例である。
【0055】
チャージプランの情報を受信した管理サーバ100はST50で、現使用の型番に対して指定されたチャージプランでの印刷チャージの購入手続きを行う。具体的には、当該ユーザに関する情報と型番情報とチャージプランの情報を取引サーバ400に送信し、別途の支払い手続きを行わせる。そしてその支払い手続きが完了した際に、ユーザデータベースにおける印刷可能枚数にチャージプランの購入枚数を加算して上書きする。当該印刷可能枚数の加算はST52にてプリンタ200に送信されてプリンタ200は加算された印刷可能枚数に応じた印刷処理を実行する。
【0056】
そしてモバイル端末300はST55で、印刷チャージ購入画面(
図7(a)又は
図7(b))での終了ボタン13の押下操作が行われたか否かを判定する。終了ボタン13が押下操作された場合には、印刷チャージ購入画面から図示しない別途の画面に遷移表示して当該購入手続きを終了する。終了ボタンが押下操作されていない場合には、ST15に戻って同様の手順を繰り返す。
【0057】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1が備える管理処理サーバ100においては、プロセッサ110が実行するST10とST20のうちの受信処理において、プリンタ200の型番情報が取得され、ST25において、取得された型番情報に対応するチャージプランが決定される。型番情報が取得されたプリンタ200と、型番情報に対応して決定されたチャージプランとが、ST30後の記憶処理において互いに関連付けられ、不揮発性記憶装置130に記憶される。
【0058】
本実施形態においては、プリンタ200と当該プリンタ200に対応するチャージプランとが予め関連付けられて記憶されている。本実施形態によれば、プリンタ200を用いて印刷を行うユーザに対し、当該プリンタ200に関連付けられたチャージプランを読み出すことで、適正なチャージプランを提示することができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、プロセッサ110は、プリンタ200と接続され初期設定がなされるときに、ST10とST20のうちの受信処理において型番情報を取得する。本実施形態においては、プリンタ200の初期設定時にST10とST20のうちの受信処理が実行されて型番情報が取得される。本実施形態によれば、例えばユーザが手動による取得操作を行わなくても自動的にプリンタ200の型番情報を取得可能であり、利便性を向上することができる。
【0060】
なお、管理サーバ100がプリンタ200の型番情報を取得するのは、ユーザが実際に使用するプリンタ200の指定操作がなされたときであってもよい。この実際に使用するプリンタ200が印刷実行デバイスの一例である。この場合、印刷実行の際にプリンタ200の指定操作がなされた時に型番情報が取得される。これにより、例えばユーザが手動による取得操作を行わなくても自動的にプリンタ200の型番情報を取得可能であり、利便性を向上することができる。その結果、各ユーザに適したチャージプランを可変に提示し、利便性を向上できる。
【0061】
また、本実施形態では特に、プロセッサ110は、ST10とST20のうちの受信処理において、印刷コストに影響を与える要因の情報としてプリンタ200の型番情報を取得し、ST25において、型番情報に基づき、対応するチャージプランを決定する。本実施形態においては、プリンタ200の印刷コストに影響を与える要因の情報である型番情報に応じて、ST25にてチャージプランが決定される。本実施形態によれば、印刷実行時に使用されるプリンタ200の属性に適したチャージプランを提示することができる。なお、印刷コストに影響を与える要因の情報としてプリンタ200の型番情報以外にも、例えばプリンタ200の仕様情報、モノクロ又はカラーの印刷エンジン情報、用紙やインク・トナーなどの消耗品の情報、仕向け地情報、等を適用してもよい。
【0062】
また、本実施形態では特に、プロセッサ110は、ST25においてプリンタ200の関連情報としてユーザデータベースの総印刷枚数の情報を取得し、ST25において、総印刷枚数の情報に基づき、対応するチャージプランを決定する。本実施形態においては、プリンタ200における総印刷枚数等に応じて、ST25にてチャージプランが決定される。本実施形態によれば、プリンタ200における過去の使用実態に適したチャージプランを提示することができる。
【0063】
また、本実施形態では特に、プロセッサ110は、ST30後の記憶処理において、1つのプリンタ200に対し、総印刷枚数の内容に応じて選択的に複数のチャージプランのいずれかを関連付けて、不揮発性記憶装置130に記憶する。本実施形態においては、1つのプリンタ200に対し、複数のチャージプランが関連付け可能に構成されている。複数のチャージプランのうちいずれが関連付けられるかは、ST30後の記憶処理において総印刷枚数の内容に応じて設定することができる。本実施形態によれば、例えば、総印刷枚数が特に多いプリンタ200又はそのユーザに対しては、総印刷枚数がそれほど多くないプリンタ200又はそのユーザに比べて、割安な設定のアップグレード用のチャージプランを提示することが可能となり、サービス向上を図ることができる。なお、チャージプランのアップグレード適用条件としては、上述した総印刷枚数以外にも利用期間の長さを適用条件としてもよい。この場合には、ユーザデータベースで型番情報ごとに利用開始日などの情報も記憶させておくとよい。
【0064】
また、本実施形態では特に、購入金額及び購入枚数が段階的に順次増大する複数のチャージプランを有する例えばプラングループAと、購入金額及び購入枚数が段階的に順次増大する複数のチャージプランを有し、プラングループAと異なる内容の例えばプラングループBと、を含む複数のプラングループA~Dが設定されている。そしてプロセッサ110は、ST25において、複数のプラングループA~Dのうち、ST10とST20のうちの受信処理で取得された型番情報に基づき、対応するプリンタ200に対して提案するプラングループを決定する。そして、ST30後の記憶処理において、ST10とST20のうちの受信処理で取得された型番情報が取得されたプリンタ200と、ST25で決定されたプラングループとを、互いに関連付けて不揮発性記憶装置130に記憶する。
【0065】
本実施形態においては、予め複数のプラングループが設定されている。各プラングループには、複数のチャージプランが含まれている。各チャージプランは、購入金額及び購入枚数が段階的に順次増大するように設定されている。言い換えれば、例えば各プラングループごとに、○○円で●●枚印刷可能、□□円で■■枚印刷可能、・・のように所定の金額刻み、所定の印刷量刻み、にて複数段階にチャージプランが設定されている。
【0066】
ST25では、取得された型番情報に応じて、上記のように複数段階でチャージプランがそれぞれ設定済の複数のプラングループのうち、どのグループとするかが決定される。ST30後の記憶処理では、対象のプリンタ200に対し、上記のようにして決定されたプラングループが関連付けられて記憶される。
【0067】
本実施形態によれば、プリンタ200を用いて印刷を行うユーザに対し、当該プリンタ200に関連付けられたプラングループを適用することで、適正なチャージプランをさらにきめ細かく提示することができる。
【0068】
また、本実施形態の印刷システム1が備えるモバイル端末300においては、CPU310が、印刷可能枚数を上限として印刷を実行可能に構成され、ユーザの金銭的負担により購入される印刷権限が保証する所定の購入枚数に応じて、印刷可能枚数を増大する対象であるプリンタ200の指定を受け付けるST15と、プリンタ200と、当該プリンタ200に固有の型番情報に基づき予め設定されたチャージプランと、の関連付けに応じて、ST15で指定を受け付けたプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランをタッチパネル340に表示するST35と、ST35におけるタッチパネル340での表示に基づくチャージプランの指定を受け付けるST40と、を実行する。
【0069】
本実施形態においては、プリンタ200と、そのプリンタ200の型番情報に対応するチャージプランとの関連付けが、予め設定されている。例えば印刷実行時にユーザがプリンタ200を指定すると、その指定がCPU310の実行するST15で受け付けられる。指定されたプリンタ200の型番情報に基づく少なくとも1つのチャージプランが、ST35においてタッチパネル340に表示される。その表示に対応して、ユーザが購入したいチャージプランを指定すると、その指定がST40で受け付けられる。本実施形態によれば、印刷で用いるプリンタ200を指定したユーザに対し、当該プリンタ200の型番情報に関連付けられたチャージプランが表示されることで、適正なチャージプランを提示することができる。
【0070】
また、本実施形態では特に、CPU310は、ST35において、印刷コストに影響を与える要因の情報としてのプリンタ200の型番情報に基づき予め設定されたチャージプランと当該プリンタ200との関連付けに応じて、ST15で指定を受け付けたプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランをタッチパネル340に表示する。本実施形態においては、プリンタ200の属性情報、例えば型番情報、仕様情報、モノクロ又はカラーの印刷エンジン情報、用紙やトナー・インクなどの消耗品の情報、仕向け地情報、等に応じて予め設定された関連付けに応じて、ST35にてチャージプランが表示される。本実施形態によれば、印刷実行時に使用されるプリンタ200の属性に応じて予め当該プリンタ200に関連付けられた、チャージプランをタッチパネル340に表示して提示することができる。
【0071】
また、本実施形態では特に、CPU310は、ST35において、プリンタ200の総印刷枚数に基づき予め設定されたチャージプランと当該プリンタ200との関連付けに応じて、ST15で指定を受け付けたプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランをタッチパネル340に表示する。本実施形態においては、プリンタ200における例えば総印刷枚数等に応じて予め設定された関連付けに応じて、ST35にてチャージプランが表示される。本実施形態によれば、印刷実行時に使用されるプリンタ200の過去の使用実態に応じて予め当該プリンタ200に関連付けられた、チャージプランをタッチパネル340に表示して提示することができる。
【0072】
また、本実施形態では特に、購入金額及び購入枚数が段階的に順次増大する複数のチャージプランを有する例えばプラングループAと、購入金額及び購入枚数が段階的に順次増大する複数のチャージプランを有し、プラングループAと異なる内容の例えばプラングループBと、を含む複数のプラングループが設定されている。そしてCPU310は、ST35において、プリンタ200と、当該プリンタ200に固有の型番情報及び総印刷枚数に基づき予め設定されたプラングループと、の関連付けに応じて、ST15で指定を受け付けたプリンタ200に対応する少なくとも1つのプラングループをタッチパネル340に表示する。
【0073】
本実施形態では、プリンタ200と、そのプリンタ200の型番情報及び総印刷枚数に対応する上記プラングループとの関連付けが、予め設定されている。指定されたプリンタ200の型番情報及び総印刷枚数に基づく少なくとも1つのプラングループが、ST35においてタッチパネル340に表示される。本実施形態によれば、プリンタ200を用いて印刷を行うユーザに対し、当該プリンタ200に関連付けられたプラングループを適用して表示を行うことで、適正なチャージプランをさらにきめ細かく提示することができる。
【0074】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。
【0075】
(1)複数の型番のプラングループを併せて表示する場合
上記実施形態では、その時点で使用するプリンタ200の型番に対応するプラングループのみをタッチパネル340に表示させていた。この他にも、
図9に示すように、その時点で使用するプリンタ200に対応するプラングループと共に、他に保有するプリンタ200に対応するプラングループも併せて表示して比較検討しやすくしてもよい。この場合には、他のプリンタ200のプラングループのボタン15は比較的目立たないいわゆるグレイアウトで表示し、現使用のプリンタ200に対応するプラングループのボタン12の方を優先的に目立たせるように表示する。なお
図9に示す画面は、タッチパネル340において縦スクロールで表示する画面の全体を表している。
【0076】
以上のように本変形例のモバイル端末300では、CPU310は、ST35において、ST15で指定を受け付けたプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランのボタン12に加え、ST15で指定を受け付けていないプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランのボタン15をタッチパネル340に表示する。なお、ST15で指定を受け付けたプリンタ200が第1印刷装置の一例であり、そのプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランが第1チャージプランの一例であり、ST15で指定を受け付けていないプリンタ200が第2印刷装置の一例であり、そのプリンタ200に対応する少なくとも1つのチャージプランが第2チャージプランの一例である。
【0077】
これにより、ST35において、ユーザが使用するとして指定したプリンタ200に係わるチャージプランのみならず、ユーザが指定しなかったプリンタ200に係わるチャージプランもタッチパネル340に表示される。本実施形態によれば、ユーザが指定しないプリンタ200に係わる情報も参考情報として併せて提示することで、利便性を向上することができる。
【0078】
また本変形例では、CPU310は、ST35において、指定を受け付けたプリンタ200のチャージプランを、指定を受け付けていないプリンタ200のチャージプランよりも優先した態様でタッチパネル340に表示する。この優先した態様については、上述したように指定を受け付けていないプリンタ200のチャージプランのボタン15をグレイアウトで目立たなく表示したり、指定を受け付けたプリンタ200のチャージプランのボタン12を最上段の位置に表示するなどである。これにより、上記のようにユーザが指定しないプリンタ200に係わるチャージプランのボタン15を参考情報として表示する際、ユーザが本来最も知りたい、指定したプリンタ200に係わるチャージプランの視認性を阻害しないよう、図ることができる。
【0079】
また、以上において、
図8に示すシーケンスは本発明を当該シーケンスに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0080】
図8のシーケンスではモバイル端末300の処理はモバイル端末300のプログラム記憶領域351に格納されたプログラムにより実行されるが、モバイル端末300にインストールされているブラウザを介して、外部装置が有するウェブサーバが生成するウェブデータに基づきモバイル端末300の各処理の表示および操作の受け付けを行っても良い。
外部装置は例えは、管理サーバ100であってもよいし、或いはプリンタ200(埋め込み型ウェブサーバを備えたプリンタ)であってもよいし、他の装置でもよい。この場合、当該外部装置はモバイル端末300とともに、権限購入受付装置の一例である。
【0081】
また、以上既に述べた各装置の処理は他の装置が担うようにしてもよい。印刷可能枚数の管理は管理サーバ100、プリンタ200、モバイル端末300のいずれの装置が単独あるいは協働して行うようにしても良い。チャージプランデータベースやユーザデータベースは例えばプリンタ200或いはモバイル端末300に記憶されてこれに基づきチャージプランを表示するようにしても良い。したがって、管理サーバ100、プリンタ200、モバイル端末300のいずれが単独情報処理装置の一例として動作するように構成しても良いし、管理サーバ100、プリンタ200、モバイル端末300のいずれが協働して情報処理システムの一例として動作するように構成しても良い。
【0082】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0083】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 印刷サービス提供システム(情報処理システムの一例)
100 管理サーバ(情報処理装置の一例)
110 プロセッサ(制御部の一例)
130 不揮発性記憶装置(記憶部の一例)
200 プリンタ(印刷装置の一例)
300 モバイル端末(権限購入受付装置の一例)
310 CPU(制御部の一例)
340 タッチパネル(表示部の一例)
400 取引サーバ
NT ネットワーク