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  • 特開-センサ部品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006376
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】センサ部品
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20250109BHJP
【FI】
G01K1/14 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107129
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎平
(72)【発明者】
【氏名】野本 真吾
(72)【発明者】
【氏名】山内 啓右
(72)【発明者】
【氏名】安藤 慎平
(72)【発明者】
【氏名】小川 覚
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056CB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】形状の簡素化を図りつつ内部への流体の浸入の抑制を図ったセンサ部品を提供する。
【解決手段】センサ部品1は、取付け孔10aに圧入される棒状のセンサ本体2と、センサ本体2の取付け孔10aの圧入方向の側に設けられ、測定対象の物理量を検知する検知手段と、センサ本体2に設置されて取付け孔10aの内面に密着可能な一対のOリング4、5とを備え、センサ本体2は、一次成形により構成されて検知手段を埋設する一次成型部6と、二次成形により構成されているとともに、一次成型部6の取付け孔10aの圧入方向の逆側に設けられた二次成型部7と、一次成型部と二次成型部との境界部分8と、を有し、一次成型部6は、一対のOリングのうち一方4が設置される第1設置部63を有し、二次成型部7は、一対のOリングのうち他方5が設置される第2設置部74を有し、圧入方向に、第2設置部、境界部分、第1設置部の順で並んで設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に設けられた取付け孔に圧入されて測定対象の物理量を検出するセンサ部品であって、
前記取付け孔に圧入される棒状のセンサ本体と、
該センサ本体における前記取付け孔の圧入方向の側に設けられて、測定対象の物理量を検知する検知手段と、
前記センサ本体に設置されて前記取付け孔の内面に密着可能な一対のOリングと、を備え、
前記センサ本体は二色成形により構成されたものであり、
前記センサ本体は、一次成形により構成されて前記検知手段を埋設する一次成型部と、二次成形により構成されているとともに、前記一次成型部の前記取付け孔の圧入方向の逆側に設けられた二次成型部と、前記一次成型部と前記二次成型部との境界部分と、を有し、
前記一次成型部は、前記一対のOリングのうち一方が設置される第1設置部を有し、
前記二次成型部は、前記一対のOリングのうち他方が設置される第2設置部を有し、
前記圧入方向に、前記第2設置部、前記境界部分、前記第1設置部の順で並んで設けられていることを特徴とするセンサ部品。
【請求項2】
前記境界部分は、互いに対向して設けられた前記一次成型部および前記二次成型部の各界面と、前記各界面の間に設けられた微小な隙間と、を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ部品。
【請求項3】
前記第1設置部は、前記一次成型部の外周面に対して凹の溝状に構成され、
前記第2設置部は、前記二次成型部の外周面に対して凹の溝状に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ部品。
【請求項4】
前記取付け孔における圧入方向の側に測定対象である水が収容され、前記取付け孔における圧入方向の逆側にオイルが収容された場合において、
前記一対のOリングのうち一方は、耐水性を有する材料で構成され、
前記一対のOリングのうち他方は、耐油性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンサ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば測定対象である機器筐体の温度を測定するためのセンサ部品が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載されたセンサ部品は、機器筐体に設けられた取付け孔に組付けられて、測定対象の温度を測定する。センサ部品は、温度測定部と、該温度測定部の一部を埋設した棒状の一次成型部と、該一次成型部を覆う二次成型部と、一次成型部の先端部に折れ曲がって圧着される金属キャップと、を備える。温度測定部は、一対のリード線と、該一対のリード線の間に電気的に接続されて、測定対象の温度を検知する温度検知素子と、を備える。温度検知素子は、一次成型部の先端部から露出して設けられているとともに、金属キャップにより覆われて、測定対象としての流体の温度を感知するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2485023号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載されたセンサ部品は、一次成型部と二次成型部との間(内部)への流体の浸入を防ぐために、一次成形部の外面に突起や細かい凹凸を設け、二次成形部で覆うように成形されているため、一次成形部の形状が複雑になって、一次成形部の樹脂量が多くなる場合があった。
【0005】
本発明は、形状の簡素化を図りつつ内部への流体の浸入の抑制を図ったセンサ部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、筐体に設けられた取付け孔に圧入されて測定対象の物理量を検出するセンサ部品であって、前記取付け孔に圧入される棒状のセンサ本体と、該センサ本体における前記取付け孔の圧入方向の側に設けられて、測定対象の物理量を検知する検知手段と、前記センサ本体に設置されて前記取付け孔の内面に密着可能な一対のOリングと、を備え、前記センサ本体は二色成形により構成されたものであり、前記センサ本体は、一次成形により構成されて前記検知手段を埋設する一次成型部と、二次成形により構成されているとともに、前記一次成型部の前記取付け孔の圧入方向の逆側に設けられた二次成型部と、前記一次成型部と前記二次成型部との境界部分と、を有し、前記一次成型部は、前記一対のOリングのうち一方が設置される第1設置部を有し、前記二次成型部は、前記一対のOリングのうち他方が設置される第2設置部を有し、前記圧入方向に、前記第2設置部、前記境界部分、前記第1設置部の順で並んで設けられていることを特徴とするセンサ部品である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、形状の簡素化を図りつつ内部への流体の浸入の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係るセンサ部品を示す斜視図である。
図2図1に示されたセンサ部品の縦断面図である。
図3】前記センサ部品が筐体の取付け孔に圧入された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図1~3に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るセンサ部品1を示す斜視図である。図2図1に示されたセンサ部品1の縦断面図である。図3はセンサ部品1が筐体10の取付け孔10aに圧入された状態を示す断面図である。
【0010】
本実施形態のセンサ部品1は、図1、3に示すように、筐体10(図3に示す)に設けられた取付け孔10aに圧入されて、筐体10の内部に設けられた冷却水W(測定対象、図3に示す)の温度(物理量)を測定するために用いられる。
【0011】
センサ部品1は、図1、2に示すように、取付け孔10aに圧入されるセンサ本体2と、該センサ本体2に埋設されているとともに、測定対象の温度を検知する検知素子31(検知手段、図2に示す)を含む温度測定部3(図2に示す)と、該センサ本体2に設置される一対のOリング4、5と、を備える。以下では、一対のOリング4、5のうち一方を「第1Oリング4」と記し、他方を「第2Oリング5」と記す場合がある。
【0012】
以下では、筐体10の取付け孔10aが貫通する方向を「上下方向Z」と記し、取付け孔10aに対するセンサ部品1の圧入方向を「下方Z1」と記し、これとは逆方向を「上方Z2」と記す場合がある。
【0013】
センサ本体2は、二色成形により構成されたものであり、後述する温度測定部3がインサート成形により埋設されている。このセンサ本体2は、一次成形により構成された一次成型部6と、二次成形により構成された二次成型部7と、一次成型部6と二次成型部7との境界部分8(以下では境界部分8と記す場合がある)と、を備える。一次成型部6および二次成型部7は同軸に設けられている。
【0014】
一次成型部6は、図1、2に示すように、検知素子31(図2に示す)を含む温度測定部3の一部を埋設して構成された円柱状の検知部61と、該検知部61の上方Z1に連続するとともに第1Oリング4が搭載される第1設置部63を含む第1搭載部62と、を備える。
【0015】
検知部61は、検知素子31を含む温度測定部3の一部が埋設されて構成されているとともに、軸が上下方向Zに延在する中実な円柱状に構成されている。
【0016】
第1搭載部62は、図2に示すように、検知部61と同軸に設けられているとともに、検知部61より大径な円柱状に構成されている。この第1搭載部62には、後述する第1Oリング4を設置可能な第1設置部63が設けられている。第1設置部63は、図2に示すように、第1搭載部62の外周面より中心軸側に凹んだ位置に設けられているとともに、第1搭載部62の軸回りに連続する第1底面63Aと、該第1底面63Aの上下方向Zの両端部から立ち上がる一対の第1側面63B、63Bと、を備えて、第1搭載部62の外周面に対して凹溝状に構成されている。第1設置部63に第1Oリング4が設置された状態で、一対の第1側面63B、63Bによって第1Oリング4の上下方向Zの位置ずれが規制されるようになっている。
【0017】
二次成型部7は、図1、2に示すように、二次成型部本体71と、該二次成型部本体71の下方Z2に連続するとともに第2Oリング5が搭載される第2設置部74を含む第2搭載部72と、二次成型部本体71の上方Z1に連続して不図示の外部機器に接続可能なコネクタ部73と、を備える。
【0018】
二次成型部本体71は、一次成型部6と同軸に設けられているとともに後述する第2搭載部72の径寸法より大きい寸法となるように構成された円柱状の円柱部711と、該円柱部711の上端部に設けられているとともに太さ方向に張り出した鍔状部712と、該円柱部711の上端部に設けられているとともに円柱部711の外周面から互いに離れる方向に突出する一対の突起部713、713と、を備える。
【0019】
第2搭載部72は、図2に示すように、二次成型部本体71および第1搭載部62と同軸に設けられているとともに、第1搭載部62と略同じ径寸法の円柱状に構成されている。この第2搭載部72には、後述する第2Oリング5を設置可能な第2設置部74が設けられている。第2設置部74は、図2に示すように、第2搭載部72の外周面より中心軸側に凹んだ位置に設けられているとともに、第2搭載部72の軸回りに連続する第2底面74Aと、該第2底面74Aの上下方向Zの両端部から立ち上がる一対の第2側面74B、74Bと、を備えて、第2搭載部72の外周面に対して凹溝状に構成されている。第2設置部74に第2Oリング5が設置された状態で、一対の第2側面74B、74Bによって第2Oリング5の上下方向Zの位置ずれが規制されるようになっている。
【0020】
コネクタ部73は、図2に示すように、二次成型部本体71と同軸に設けられているとともに、上下方向Zを軸とする円筒状のコネクタ部本体731と、後述する温度測定部3を構成する一対の導体部32、32の各一部であって、コネクタ部本体731の内部に露出して設けられた一対の外部接続部732、732と、を備える。コネクタ部73は、不図示の外部機器に接続されて、測定対象の温度を伝達するように構成されている。
【0021】
境界部分8は、図2に示すように、一次成型部6における第1搭載部62の平坦な円形状の第1上面81(界面)と、該第1上面81の中心部に設けられているとともに当該中心部から突出して設けられた凸部82と、二次成型部7における第2搭載部72の平坦な円形状の第2下面83(界面)と、該第2下面83の中心部に設けられているとともに当該中心部から凹に設けられて凸部82に嵌る凹部84と、を備える。
【0022】
第1上面81は、一次成型部6の軸に直交する平坦な面によって円形状に構成されている。第2下面83は、二次成型部7の軸に直交する平坦な面によって円形状に構成されている。これらの第1上面81および第2下面83は、センサ部品1が完成した状態において、互いに対向しているとともに微小な隙間Sを有して構成されている。
【0023】
ここで、二色成形により製造された一般的な樹脂成形品は、一次成型部と二次成型部との隙間を、例えばポッティング剤等を用いて封止する場合があるが、本実施形態では、第1上面81と第2下面83との隙間Sを、ポッティング剤等を用いて封止をしない構成を採用している。これにより、センサ部品1が完成した状態で、第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sが生じている。本実施形態では、第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sを有していることにより、一次成型部6と二次成型部7との間における熱伝達が遮断されることとなり、一次成型部6から二次成型部7への放熱が抑制されるようになっている。
【0024】
温度測定部3は、図2に示すように、測定対象の温度を検知する検知素子31と、該検知素子31の両端に接続された一対の導体部32、32と、を備える。一対の導体部32、32は、各導体部32の一部が一次成型部6および二次成型部7における二次成型部本体71および第2搭載部72に埋設されているとともに、他の一部である外部接続部732が、コネクタ部73の内部に露出して設けられている。
【0025】
第1Oリング4は、耐水性を有する材料から構成されている。この第1Oリング4は、リング状に構成されているとともに、第1設置部63に設置可能に構成されている。また第1Oリング4が第1設置部63に設置された状態で、第1Oリング4の外周面は、第1搭載部62の外周面に対して中心軸から離れた側に設けられ、センサ部品1が取付け孔10aに圧入された状態で、第1Oリング4の外周面は、取付け孔10aの内周面に弾性的に接触するように構成されている。
【0026】
第2Oリング5は、耐油性を有する材料から構成されている。この第2Oリング5は、リング状に構成されているとともに、第2設置部74に設置可能に構成されている。また第2Oリング5が第2設置部74に設置された状態で、第2Oリング5の外周面は、第2搭載部72の外周面に対して中心軸から離れた側に設けられ、センサ部品1が取付け孔10aに圧入された状態で、第2Oリング5の外周面は、取付け孔10aの内周面に弾性的に接触するように構成されている。
【0027】
このようなセンサ部品1を製造する場合には、一対の導体部32、32の間に検知素子31が電気的に接続された状態で、不図示の金型内の所定位置に、検知素子31および一対の導体部32、32を設置する。この状態で溶融樹脂を金型の内部に注入する(溶融樹脂を一次注入する)。注入が進んで、溶融樹脂の金型の内部への一次注入が完了する。この後、金型内で溶融樹脂が硬化される。これにより検知素子31および一対の導体部32、32の一部が埋設された一次成型部6が成形される。
【0028】
この後、溶融樹脂を金型の内部に注入する(溶融樹脂を二次注入する)。二次注入が進んで、溶融樹脂の金型の内部への二次注入が完了する。この後、金型内で溶融樹脂が硬化される。これにより一次成型部6に重なって二次成型部7が成形される。この際、一次成型部6における第1上面81および二次成型部7における第2下面83は互いに対向しているとともに、第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sが生じている。
【0029】
この後、一次成型部6に設けられた第1設置部63に第1Oリング4を設置し、二次成型部7に設けられた第2設置部74に第2Oリング5を設置する。このようにしてセンサ部品1が完成する。センサ部品1が完成した状態で、一次成型部6と二次成型部7との境界部分8における第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sが生じている。即ち、本実施形態では、第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sを封止せずに、完成品とする。
【0030】
続いて完成したセンサ部品1を、筐体10の取付け孔10aに組み付ける場合には、取付け孔10aの上端に、センサ部品1の先端を近付けて挿入(圧入)する。挿入が進んで、センサ部品1が、取付け孔10aの所定位置に到達する。この際、第1Oリング4の外周面が取付け孔10aの内周面に弾性的に接触し、第2Oリング5の外周面が取付け孔10aの内周面に弾性的に接触している。この状態では、センサ部品1の圧入方向に、第2Oリング5、一次成型部6および二次成型部7の境界部分8、第1Oリング4の順で並んで設けられている。このようにしてセンサ部品1の筐体10の取付け孔10aへの組付けが完了する。
【0031】
上述した実施形態によれば、センサ部品1は、センサ本体2と、検知素子31(検知手段)と、一対のOリング4、5と、を有し、センサ本体2は、一次成形により構成されて検知素子31(検知手段)を埋設する一次成型部6と、二次成形により構成されているとともに、一次成型部6の取付け孔10aの圧入方向の逆側に設けられた二次成型部7と、一次成型部6と二次成型部7との境界部分8と、を有し、一次成型部6は、第1Oリング4(一対のOリング4、5のうち一方)が設置される第1設置部63を有し、二次成型部7は、第2Oリング5(一対のOリング4、5のうち他方)が設置される第2設置部74を有し、圧入方向に、第2設置部74、境界部分8、第1設置部63の順で並んで設けられている。これによれば、センサ部品1が取付け孔10aに圧入された状態で、第1Oリング4および第2Oリング5によって、一次成型部6と二次成型部7との境界部分8がシールされていることとなり、当該境界部分8への水(流体)の浸入を抑制することができる。即ち、一次成型部6および二次成型部7のそれぞれにOリング4、5を設置する設置部63、74を設ける単純構造、即ち形状の簡素化を図りつつ、境界部分8への水の浸入を抑制することができる。
【0032】
また、境界部分8は、互いに対向して設けられた一次成型部6の第1上面81(界面)および二次成型部7の第2下面83(界面)と、第1上面81と第2下面83の間に設けられた微小な隙間Sと、を有して構成されている。このような隙間Sを有していることにより、第1成型品と第2成型品との間における熱伝達が遮断されることとなり、第1成型品から第2成型品への放熱により、応答性が悪化することを抑制することができる。
【0033】
また、第1設置部63は、一次成型部6の外周面に対して凹の溝状に構成され、第2設置部74は、二次成型部7の外周面に対して凹の溝状に構成されている。これによれば、第1Oリング4が第1設置部63に設置された状態で、第1Oリング4の上下方向Zの移動が規制され、第2Oリング5が第2設置部74に設置された状態で、第2Oリング5の上下方向Zの移動が規制されることとなり、より一層、境界部分8(内部)への水(流体)の浸入の抑制を図ることができる。
【0034】
また、取付け孔10aにおける圧入方向の側に測定対象である水が収容され、取付け孔10aにおける圧入方向の逆側にオイルが収容された場合において、一対のOリング4、5のうち一方は、耐水性を有する材料で構成され、一対のOリング4、5のうち他方は、耐油性を有する材料から構成されている。このようにOリングの材料や、例えばOリングの径を、一次成型部6側と二次成型部7側それぞれで自由に選択することができ、外部の環境に応じたセンサ設計を行うことが出来る。これによれば、用途に合ったセンサ構造の提供を可能とすることができる。
【0035】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例も本発明に含まれる。
【0036】
前記実施形態では、ポッティング剤等を用いて封止をせず、第1上面81と第2下面83との間に微小な隙間Sを有して構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明では、ポッティング剤等を用いて封止をしないで構成されたセンサ部品を権利範囲に含むものとする。例えば、ポッティング剤等を用いて封止をせずに生じた隙間Sについては、微小な隙間Sであっても、第1上面81および第2下面83が僅かに離間して空気層を有する構成であっても、本発明の権利範囲に含むものとする。
【0037】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材料、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材料などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材料などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 センサ部品
2 センサ本体
31 検知素子(検知手段)
4 第1Oリング(一対のOリングのうち一方)
5 第2Oリング(一対のOリングのうち他方)
6 一次成型部
63 第1設置部
7 二次成型部
74 第2設置部
8 境界部分
81 第1上面(界面)
83 第2下面(界面)
S 隙間
10 筐体
10a 取付け孔
W 冷却水(測定対象)
図1
図2
図3